JP2006348733A - 石材粉体壁土材、石材粉体壁土及び壁式構造物 - Google Patents

石材粉体壁土材、石材粉体壁土及び壁式構造物 Download PDF

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Abstract

【課題】来待石の採掘屑や加工屑、大量に発生する安山岩砕石粉に対処するとともに、乾燥に長期間を要するうえに入手が困難になってきた良質な壁土(粘土や荒木土等)に代わる壁土を提供する。
【解決手段】大量に存在する来待石の加工屑等を粉末化して得られる礫混じり砂質粘土や礫混じりシルト質粘土或いは礫質土の粒度分布を有する来待石粉体、或いは毎日大量に発生する砂質粘土やシルト質粘土の粒度分布を有する安山岩砕石粉を石材粉体壁土材とし、この壁土材にすさと水を加え混練して石材粉体壁土を得る。この壁土は塗工が簡単でしかも乾燥が早く、吸排水に優れ、弁柄や木炭粉末等の着色材を混入することにより壁面に色の変化を持たせることもできる。
【選択図】図4

Description

本発明は、来待石粉体、安山岩粉体、或いは両者の混合粉体を原料とする新規な石材粉体壁土材及び壁土やその製造方法、更にはその壁土を用いた壁式構造物に関する。
土壁はわが国古来の建築構造体であり、割り竹などを縦横に組んだ小舞下地に粘土と砂を混ぜた壁土を塗り込んで形成したものである。土壁は、水分を吸排するので夏期に湿気の多いわが国の風土にぴったりであり、火にも強く室内であれば100年以上はもつ丈夫なものである。
ところが、最近では乾燥に時間がかかることや面倒な小舞仕立てが嫌われ、更には良質な壁土(粘土や荒木土等)の入手が困難なこともあり、土壁仕上げは次第に減ってきている。
そこで、入手が困難になってきた本来の壁土の代わりに、大谷石(特許文献1)や珪質頁岩(特開2005−15257)、珪藻土、火山ガラス質岩石(特許文献2)などの岩石粉末を構成材とする代用壁土が提案されている。
特開2001−193253号公報 特開2002−348169号公報
しかし、これら岩石粉末はそのままでは壁土代用品にはならず、石膏やセメント、石灰、樹脂等の粘着材や結合材と混合して使用する必要があり、配合や混練が煩雑である。
そこで本発明者は、来待石粉体或いは安山岩粉体を壁土として利用することに思い至り、本発明を完成させたものである。
来待石は、凝灰質砂岩の一種であり、炭酸カルシウムに富んだ方解石やゼオライトを構成鉱物に含んでいる。そして、古くから石灯籠や墓石の材料として称用されてきたが、採掘屑や加工屑の処理が大変であり、採掘屑や加工屑を安価且つ大量に処理する技術が希求されている。
このような観点から、本発明者は来待石加工屑や不良石材を粉末状にしこれを陶土や粘土として利用する技術や、来待石粉体と水との混練物を成形後乾燥し、これを焼成する技術を開発した。
上記の利用技術は、来待石粉成形物を焼成するものであるが、その成形過程で混練物が非常に粘りを呈することが判明した。本発明は、その粘りを利用するもので、来待石粉体に水を加えて混練しそのまま乾燥させて土壁の代替え品を得ようとするものである。本発明で言う来待石の粉体は、主として、礫混じり砂質粘土(礫混じり粘土)や礫混じりシルト質粘土のことを言う。ここに、粘土とは、粒子の大きさが5μm以下(土質学会の分類、以下同じ)のものを言う。またシルトは5〜75μm、細砂は75〜250μm、中砂は250〜850μm、粗砂は850μm〜2mm、細礫は2〜4.75mmのものを言う。そして、本発明の礫混じり砂質粘土質粉体は、2.60mm以下の礫を5%以下含んでいるものを言う。これらの割合は、凡そ図1の曲線イ程度である。尚、礫混じりシルト質粘土は、礫混じり砂質粘土に比べてシルト質の割合が多く、より粘土に近いものである。本発明の場合、両者は同様に使用できる。礫を含まない砂質粘土やシルト質粘土(図1の曲線(ハ)程度)は、目が細かく上塗りなどには好ましいが、粉体の粉砕やふるい分けに手間がかかりコスト高になる。
来待石の不良石材や端材、研削屑などをクラッシャー等の破砕機で粉砕して、また細かな研磨屑はそのままの状態で篩分け(2.65mm以下)すると、粒径の分布は、ほぼ図1(イ)の粒径加積曲線に類似したものが得られる(礫混じりシルト質粘土、礫混じり砂質粘土)。
図1の曲線ロの場合は、2.60mm以上の礫を15%以上含んでいるもので、土質学的に礫質土と言われるものである。本発明では、この状態の来待石粉体も使用できるが、塑性限界が高くなって幾分塗りづらい。そこで、ふのりや角叉などの海藻の煮出し汁を添加すると塗りやすくなる。水ガラスやあさぎ粘土などのバインダーを添加しても塗りやすくなるが、得られた壁の強度が低下することがある。尚、本発明で使用可能な礫の大きさは、実質的に5mm程度以下であり、それ以上だと薄い壁の場合にぬりずらい。
ところで、本発明で言う来待石とは、来待錆石のことである。来待錆石は、島根県に存在する宍道湖の南岸に広く分布する新第三紀中新世出雲層群下位層来待層を構成する凝灰質砂岩のことを言い、良質のものは、塊状凝灰質粗粒砂岩のうち特に淘汰の良い岩相の所に集中し、八束郡玉湯町から宍道町にかけての東西約10km、幅1〜2kmの範囲に存在する。この来待石は、石質が柔らかく採掘、加工が容易で、出雲石灯ろうは伝統工芸品に指定されている。
この来待錆石は、多種多様な岩石片や結晶片、それらの粒間を埋める基質(マトリックス)から構成されている。岩石片のサイズは径0.5mm〜1.0mmが多く、最大でも1.5mm程度である。岩石片や結晶片の占める割合が80%と多い。岩石片としては、安山岩、石英安山岩、流紋岩、花崩岩、多種類の凝灰岩などが確認されている。結晶片としては、斜長石、輝石、角閃石、黒雲母、不透明鉱物、火山ガラス、変質鉱物が確認されている。また、基質(マトリックス)としては、変質によってできた沸石、緑泥石、炭酸塩鉱物が確認されている。
これらの鉱物の中には粘土鉱物(沸石、緑泥石、カオリナイト、炭酸塩鉱物等)と言われるものが多く含まれており、このことが、来待錆石の粉砕物が壁土材として使用できる大きな理由であると思われる。また、沸石(ゼオライト)を含んでいることから、湿気の吸排出に優れている。来待錆石以外に、来待白石といわれるものがある。これは、年代的に古くて流紋岩系でモンモリロナイトに変質した部分が多く、本発明では使用できないものである。尚、表1に来待石の分析値を示す(島根県発行「島根の地質」)。
Figure 2006348733
ところが、来待石は産地が限られ、量的にもわずかであり、これを広く全国に普及させることは不可能である。そこで、本発明者は来待石と同様な手法で様々な石材粉末を壁土化する研究を行った結果、安山岩の粉末が良好であるとの結果を得て発明を完成させたものである。
安山岩は、斜長石(体積比で約70%)と輝石、角せん石、黒雲母などの有色鉱物を主成分とする硬質、中性の火成岩である。その分布は来待石と異なり著しく広く、その覆う面積は我が国全部の18%にも及ぶ。そして、その硬さを利用して各種の庭石や建築材料などに広く用いられている。表1に、安山岩の平均化学組成(化学大辞典、共立出版株)を示すが、その組成は来待錆石とよく似ている。
安山岩の場合も、来待石同様建築材料などの加工屑が発生するが、来待石と異なって硬いため粉砕にコストがかかる。そこで、本発明者が目を付けたのが砕石や砕砂製造時に派生する粉体である。砕石や砕砂は、コンクリートの骨材や路盤材として極めて大量に消費されており、骨材だけでも年に5〜6億トン消費されている。この内、安山岩は20〜25%であるが、砂岩(35%程度)、石灰岩(20%程度)に比べて硬度が高いため賞用されている。尚、火山灰が固まった凝灰岩質安山岩は安山岩と同様な組成を持つが、安山岩に比べて硬度が劣る。しかし、同様に砕石や砕砂の原料として利用されており、本発明では凝灰岩質安山岩も安山岩に含めて使用する。
砕石や砕砂は、原石をクラッシャーで砕いて得られるが、その際、大量(2%或いはそれ以上)の粉体が派生する。粉体は骨材として使用する砕石や砕砂にとって有害物質であり、砕砂まで得る場合は乾式で、砕石を得る場合は通常湿式で除去される。そして、除去された砕石粉は、産業廃棄物として処理されるが、処理コストとともに処理施設が年々減少し、業界にとっては極めて頭の痛い問題である。
ところで、砕石粉は乾式の場合砕砂をとるためシルト以下の粒径のものが殆どで、概ね図1の曲線(ハ)のような粒度分布を示す。一方、湿式の場合は礫混じり砂質粘土や礫混じりシルト質粘土(曲線(イ))或いは礫質土(曲線(ロ))の分布を示す。
そして、これらの安山岩粉体を水と混合して練ると来待石と同様に粘りを生じる。ただ、来待石に比べて粘土鉱物と言われるものが少なく、粘り気が劣る。そこで、砂質粘土やシルト質粘土の分布を持つ砕石粉特に、乾式砕石粉は安山岩粉体単独でも十分に使用できるが、礫混じりのものになると、来待石粉体と混合したり、ふのりや角叉などの海藻、あさぎ粘土、水ガラスなどの粘性のあるバインダーを添加することが好ましい。
来待石粉体と安山岩粉体の混合割合は限定されないが、壁土としては等量程度ないしは来待石リッチが好ましい。しかし、両者の生産量からみれば、安山岩粉体対独或いはリッチの方が実際的である。一方、安山岩は来待石に比べて含水率が低く、塗った壁の吸排水効果は幾分劣る。この観点からも来待石粉体と混合するとよいが、来待石(錆石)の代わりに、ゼオライトやゼオライトを多く含む来待白石、或いは炭粉体を添加混合してもよい。但し、凝灰岩質安山岩は来待石(錆石)と同程度の含水率を示す。
本発明の石材粉体壁土材は、上述した粒度分布を有する来待石粉体、安山岩(凝灰岩質安山岩)粉体、或いは両者の混合粉体を主原料とするものである。そして、本発明の壁土は、これらの石材粉体にすさと水を加えて、混練して得られる。使用割合は、石材粉体100重量部に対して、すさ1〜6重量部と水20〜40重量部である。すさの割合が少ないと塗った場合に塗布面にひびが入りやすく、また多すぎると混練や塗り込みがしずらくなり、より好ましくは2〜4重量部の範囲である。水の割合が少ないと混練物がパサパサになり塗り付けが困難になり、多すぎると流動してこて塗りできず、より好ましくは25〜35重量部である。混練方法は特に限定はないが、小型のコンクリートミキサーを使用すれば、簡単に少量の混練物が得られる。大量の場合にはより大型の混合機を用いればよい。混合時間は、量にもよるが5〜30分程度、より好ましくは10〜20分前後である。この混練より、粘着力のある混合物が得られる。
すさは、壁土のつなぎとなり、塗ったあとのひび割れ防止にもなる重要なものである。すさとしては、1〜15cm程度に裁断した稲藁や麻が用いられる。なかでも、稲藁は納豆菌(バチルス)が繁殖しておりその産出物がネバネバしていて土壌粒子を結合させる力があることから、土壁のすさとしては最も好ましいとされている。本来の壁土の場合、5〜10cm程度に裁断した稲藁は下塗りの場合に用いられ、中塗りや上塗りの場合は粘土に砂を加え、すさとしては長さ2cm程度の揉みほぐした藁や麻繊維、和紙などが用いられる。
本発明の壁土中には砂状粒子も含まれており、また粘着力も強いため5〜10cm程度の藁すさを用いたものでも、下塗りや中、上塗りの区別なく一度の塗り上げで丈夫な塗り面が得られる。もっとも、その上により短いすさを混ぜたものや漆喰で仕上げ塗りしてもよい。
また、砂状粒子以外にも従来型壁土に比べてシルト質が多くて水の移動性がよいため速やかに乾燥し、また水の偏在によるひび割れも生じにくい。更に、乾燥縮みも少なく、隅部の追加塗りはほぼ不要である。乾燥に要する時間は、下地の種類や塗り厚み、周囲の温湿度などにもよるが、12〜24時間程度で指跡が付かず、約1週間程度で完全に乾燥する。完全に乾燥した塗り面は、本来の土壁に比べて丈夫であり、固いものでこすっても傷が付かない利点がある。また、鋸等で容易に切断できるので、壁面に窓や孔を設けることも簡単にできる。
本発明の来待石の石材粉体壁土は塗って乾燥させた場合、来待錆石の色、即ち、青緑色を帯びた灰色を示す。そこで、壁面に変化を持たすために、来待石粉体に弁柄や鉄錆(地下水中に含まれる鉄分)などの酸化鉄や木炭粉末などの着色剤を添加すると、黄色や朱、黒色を帯びた壁面が得られる。もっとも、来待錆石には酸化鉄(Fe23 として6.13%)が含まれてはいるが、外部から添加することにより元の色に変化を与える。安山岩の石材粉体壁土は、安山岩の風化程度によって、酸化鉄主体の灰黒〜暗緑黒〜黒褐色を呈する。安山岩粉体に来待錆石や来待白石の粉体を混ぜたものは、その混合割合によって色が変わる。また、来待石同様に弁柄や鉄錆(地下水中に含まれる鉄分)などの酸化鉄や木炭粉末などの着色剤を添加すると、黄色や朱、黒色を帯びた壁面が得られる。木炭粉末(粉炭)を後から壁面に撒いて変化を持たすこともできる。また、下塗り壁面の上に麻布等の目の粗い布帛を張り付け、その上から着色した壁土を塗ると着色材の節約になる。
本発明の石材粉体壁土は、小舞やラスボード、石膏ボード、合板等などに塗ることができる。塗る対象は、壁式構造物の下地、即ち壁下地に限らず、衝立などの家具や建具など部分的に塗り壁を施したいと思う部分に設けた下地である。
尚、室内などに広く用いられている石膏ボードの場合、pHが高い(約12)漆喰は直接塗ると表面の紙を侵して剥離させる危険があり、下地処理が必要となる。また、軽量で普及しつつある珪藻土の場合は乾燥収縮が大きくてひびわれを起こす。しかし、本発明の石材粉体壁土の場合、これらの欠点が全くなく、だれでも手軽に使用できる利点がある。
以上詳述したように、本発明の石材粉体壁土は、礫混じり砂質粘土や礫混じりシルト質粘土、砂質粘土、シルト質粘土或いは礫質土の粒度分布を有する来待石粉体、安山岩(凝灰岩質安山岩)粉体、或いは両者の混合粉体を原料と石材粉体壁土材にすさと水を加えて混練したものである。
従って、
(1)来待石の加工時に発生する端材や研削屑、研磨屑更には不良石材を廃棄せずに有効利用ができる。
(2)本発明は、来待石加工屑の利用に止まらず、来待石原石自体を積極的に粉砕して使用することにより、産業として来待石の消費拡大を可能とする。
(3)安山岩や凝灰岩質安山岩の加工屑や砕石粉の有効利用が可能となる。特に、砕石や砕砂製造時に排出される大量の安山岩粉体は毎年数百万トンも排出されるが、そのまま壁土材として利用でき、廃棄物利用として極めて有効なものである。
(4)壁面に限らず、衝立その他の家具や建具などに下地を組み込み、その上から鏝塗りすることにより、変化に富んだ調度類を得ることができる。この塗り面は、固くて丈夫でありまた自然石の感触を与える。
(5)小舞は勿論、石膏ボード、合板など各種の下地に対して、何らの下地処理なくして、簡単に鏝塗りができる。
(6)砂やシルト質を含むので、従来の粘土性壁土に比較して大幅な乾燥時間の短縮が可能となり、本格的な壁工事でありながら、工事の迅速化をもたらす。
(7)砂やシルト質を含むので、従来の粘土性壁土に比べて非常に塗りやすく、素人でも簡単に塗工することができる。
(8)得られた壁は非常に堅固であり、しかも1年以上雨ざらしにしても水垂れなどの劣化がなく、建物の外壁としても十分に使用可能である。
(9)壁面に霧吹きで水を吹き掛けても直ぐ吸収するなど吸排水性に優れる。
礫混じり砂質粘土や礫混じりシルト質粘土或いは礫質土の粒度分布を有する来待石粉体或いは安山岩粉体にすさと水を混ぜて混練した来待壁土を、小舞やラスボードなどの壁下地にコテ塗りする。
(テストピース)
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図2は、来待石粉体を用いた石材粉体壁土1で成型乾燥したテストピース2の斜視図である。この石材粉体壁土1は、2.65mm以下に篩分けした粉体(来待石粉体、ほぼ図1の曲線イの分布を示す)100重量部に対し、2.74重量部の刻み藁と29.68重量部の水を加え、ミキサーで10分間混練したものである。テストピース2は、石材粉体壁土1約100gを、19.5cm×19.0cm×1cmの大きさに成型したものである。来待石粉体と刻み藁の体積比は63.8対36.2であった。
(周期定常吸放湿試験)
・試験方法
JIS A 1470−1:2002、調湿建材の吸放湿性試験方法−第1部:湿度応答法−湿度変動による吸放湿試験方法による。サイクル数は2サイクルとした。
・試験条件
温度23℃,湿度条件:高湿域
養生条件:相対湿度85%(KCl飽和塩)
吸湿過程相対湿度:93%(KNO3 飽和塩)
放湿過程相対湿度:75%(NaCl飽和塩)
サイクル数:2サイクル
・試験結果
各サイクル毎に、相対湿度85%での重量を基準として、1m2 当たりの吸放湿量で算出した。結果を、表2に示す。また、図3は吸放湿の時間変化を示すグラフである。この数値は、珪素土を用いた壁土と同程度或いはそれ以上である。
Figure 2006348733
既設のカラーボード壁面に30mm×30mmのメッシュ状の網(ジオテキスタイル)を張りつけ、実施例1で使用した壁土で厚さ5mmに塗りあげた。乾燥後、壁面にはヘアークラックが発生したが、そのヘアークラックは一種の模様として趣のある外観となる。一部のヘアークラックを隠すために、すさの入らない細砂(75〜250μm)或いは中砂(250〜850μm)以下の粉体製の壁土で中塗りを行うと、それをカバーすることができた。昔の下塗り、中塗り、仕上げ塗り工程をえば、ヘアークラックの無い一様な面の壁面に仕上げることができる。
図4は、石膏ボード3に枠体4を取り付けた衝立素材5を示し、石膏ボード3を下地としてその表面に、実施例1で得られた石材粉体壁土1をそのまま鏝塗り仕上げしたものである。符号6は石材粉体壁土1中の藁すさ、符号7は衝立の脚、符号8は衝立である。この衝立8を、玄関脇の軒下において1年間雨ざらし状態にしておいたところ、壁面には風雨に曝された何らの痕跡も認められなかった。
この石材粉体壁土1は、鏝で1cm厚に塗りつけたが、壁土の伸びは非常によく、素人でも楽に鏝塗りが行えた。来待粉体を用いた石材粉体壁土1は粘着力が強いが鏝離れは良かった。乾燥した壁面は、薄い灰緑色で固く仕上がった。
実施例1と同じ来待石材粉体壁土1100重量部に、15重量部の酸化鉄(鉄気水の凝固物)と2.67重量部の刻み藁、さらに32重量部の水を加え、ミキサーで10分間混練して、来待壁土を得た。この来待壁土を、実施例2と同じ衝立素材の石膏ボード上に、約1cmの厚みで均等に鏝塗りした。この壁面は、約1週間で完全に硬化した。壁面は固くて黄味がかった灰緑色の落ちついた色に仕上がった。同様にして、木炭粉末5重量部と2.67重量部の刻み藁、さらに32重量部の水を加えて混練した壁土を鏝塗りした平面は固くて黒みがかった落ちついた色に仕上がった。
実施例3で使用した衝立素材5に、実施例1で得られたものよりも水分を5%程度多くした石材粉体壁土を用いて厚み5mmに塗りあげた。しかし、水分が多いために壁面に垂れが生じた。そこで、荒目の布地(麻布)を押しつけて鏝仕上げしたところ、仕上げ面が一様になった。その上に、実施例4で得た酸化鉄着色の壁土を薄く(3mm程度)塗り付けた。その結果、着色材が少なくて施工が簡単で仕上げ面か綺麗な壁面となった。乾燥した壁面には、スサと麻布のためにヘアークラックは見られなかった。
図5に示す衝立素材9は、枠体10に割り竹11を園芸用ワイヤ−12で固定した小舞仕立てとしたものである。その割り竹面に、実施例1で得られた石材粉体壁土1を用いて1cm厚に塗る。その後、荒目の粉炭13を均一にまき、軽く叩きながら下から細粒土を含む水分を浮き上がらせるようにすると、粉炭13が壁面に固定され、黒色で粗面の趣のある衝立14を得ることができた。このとき、壁面を軽く叩くので、下地をきちっと固定しておく必要があり、枠体10に(小舞(割り竹11)を固定するホゾ孔15を設けた。
実施例1の来待石粉体に代えて、安山岩粉末(乾式の砕石粉、0.85mm以下の砂質粘土或いはシルト質粘土:図1の曲線(ハ)相当)98重量部と2重量部のゼオライト粉末を用い、他は実施例1と同様にして石材粉体壁土を得た。この壁土は、実施例1の壁土同様に粘性があり、吸排湿能力もほぼ同様であった。
実施例1で用いた来待石粉体と、安山岩粉末(湿式の砕石粉、2.65mm以下の礫混じり砂質粘土或いはシルト質粘土:図1の曲線(イ)相当)を、重量比で50%ずつ混合し(100重量部)、27.00重量部の水と2.80重量部の刻み藁を混入して壁土を製造した。この壁土は、実施例1壁土ど同程度の粘着性を示した。但し、吸排湿能は幾分劣った。
礫質土の粒度分布(図1曲線(ロ)を示す来待石粉体100重量部に、ふのりの煮出し汁10.00重量部と水13.50、及び2.80重量部の刻み藁を混入して壁土を製造した。この壁土は、実施例1のものに比べて粗い感じはあるが、鏝滑りは良好なものであった。
は、本発明に使用した来待石粉体及び安山岩粉体の粒径加積曲線を示すグラフである。 は、来待粉体壁土製テストピースの斜視図である。(実施例1) は、図2に示すテストピースの吸放湿性試験(吸放湿の時間変化)の結果を示すグラフである。(実施例1) は、本発明の来待粉体壁土をコテ塗りする途中の衝立を示す正面図である。(実施例2) は、本発明の来待粉体壁土をコテ塗りする途中の他の形状の衝立を示す正面図である。(実施例6)
符号の説明
1 来待粉体壁土
2 テストピース
3 石膏ボード
4 枠体
5 衝立素材
6 藁すさ
7 衝立の脚
8 衝立
9 衝立素材
10 枠体
11 割り竹
12 園芸用ワイヤ−
13 粉炭
14 衝立
15 ホゾ孔

Claims (8)

  1. 礫混じり砂質粘土や礫混じりシルト質粘土、砂質粘土、シルト質粘土或いは礫質土の粒度分布を有する来待石粉体、安山岩粉体、或いは両者の混合粉体を原料とすることを特徴とする石材粉体壁土材。
  2. 請求項1の石材粉体壁土材に、すさと水を加えて混練したことを特徴とする石材粉体壁土。
  3. 酸化鉄や木炭粉末等の着色材を混入したものである、請求項2記載の石材粉体壁土。
  4. 礫混じり砂質粘土や礫混じりシルト質粘土、シルト質粘土或いは礫質土の粒度分布を有する来待石粉体、安山岩粉体、或いは両者の混合粉体100重量部に、すさ1〜6重量部と水20〜40重量部を加え、ミキサーで攪拌することを特徴とする石材粉体壁土の製造方法。
  5. 小舞やラスボード、石膏ボード、合板等からなる壁下地や衝立下地、その他家具や建具の一部をなす下地上に、請求項2又は請求項3の石材粉体壁土を塗り込んだことを特徴とする壁式構造物。
  6. 下地上に請求項2又は請求項3の石材粉体壁土を塗り込んみ、その上に荒目の布地を押しつけて鏝仕上げし、その上から着色材を混入した石材粉体壁土を塗り込んだものである、請求項5記載の壁式構造物。
  7. 下地上に請求項2又は請求項3の石材粉体壁土を塗り込んだ上に粉炭をまき、鏝で軽く叩いて細粒土を含む水分を浮き上がらせで該粉炭を壁面上に固定したものである、請求項5記載の壁式構造物。
  8. 塗り壁の乾燥後、壁や衝立等の一部を鋸等で切り抜いて窓孔等を形成したものである請求項5、請求項6又は請求項7記載の壁式構造物。
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