JP2006348389A - アクリル繊維の製造方法 - Google Patents

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秀隆 古川
Naoki Onmiyachi
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Abstract

【課題】 乾湿式紡糸法において、ガイド部分で凝固糸条にかかる張力を低減し、延伸能を向上することによって凝固液中での凝固糸条の走行を安定にし、アクリル繊維の生産性を高めることができるアクリル繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】 アクリロニトリル系重合体溶液を紡糸口金から一旦気相に吐出した後、凝固浴槽中に導入して凝固糸条とし、凝固液中に設けたガイドにより凝固糸条の進行方向を転換し、引き続き凝固糸条を凝固液から引き出すアクリル繊維の製造方法において、凝固糸条の方向転換を表面粗さ0.25〜1μmの鏡面仕上げされたガイド2の辺で行う、アクリル繊維の製造方法である。
【選択図】図1

Description

アクリロニトリル係重合体の紡糸方法の一つに乾式紡糸法がある。乾湿式紡糸法は、アクリロニトリル系重合体溶液を紡糸口金から一旦気相に吐出した後、凝固浴槽中に導入して凝固糸条とし、凝固液中に設けたガイドにより凝固糸条の進行方向を転換し、引き続き凝固糸条を凝固液から引き出すアクリル繊維の製造方法である。
この方法は、湿式紡糸法に比べ気相走行中にドラフトが局在化できるので、高ドラフトでの引取りが可能であり、凝固糸条を高倍率で延伸する高速で、生産性を上げる手法である。
また、乾湿式紡糸法により得られるアクリル繊維は、緻密で、優れた強伸度物性、風合いを有し、衣料用や産業用に利用されている。
乾湿式紡糸法のさらなる高速化は、可紡性を向上することで高い速度で凝固糸条の引き取りを行い、延伸能を向上することで、その後、高倍率で延伸することにより達成することができる。
可紡性の向上には、特許文献1に開示されている、凝固浴液の整流化による方法が好適ある。しかし、この方法では可紡性は、向上するもののガイド部分で凝固糸条にかかる張力が高くなりやすく、延伸能の向上には不十分であった。
特許文献2には、回転ローラーを凝固液中のガイドとして用いることが記載されている。しかし、このような回転ローラーは、ガイド部分で凝固糸条にかかる張力を減少することは可能であるが、凝固液中で回転するため、凝固液面が波立ち口金直下での糸切れが起こる欠点があった。
また、特許文献3には、凝固液中のガイドとして円弧状に湾曲した丸棒を用いて糸条を集束する方法が開示されている。この方法では、ガイド部分で凝固糸条にかかる張力が高くなる問題があり、延伸能向上効果は不十分であった。
さらに、特許文献4には、ガイド表面の仕上げ状態を制御して、糸条との摩擦を減少する方法が開示されているが、凝固浴内で糸条が広がった場合には、ガイド部分で凝固糸条にかかる張力が高くなる問題があり、延伸能の向上効果が不十分であった。
特開平7−207522号公報 実開昭54−93514号公報 特開昭62−141112号公報 特開昭55−142719号公報
本発明の課題は、乾湿式紡糸法において、ガイド部分で凝固糸条にかかる張力を低減し、延伸能を向上することによって凝固液中での凝固糸条の走行を安定にし、アクリル繊維の生産性を高めることにある。
上記課題を解決する、本発明の要旨は、アクリロニトリル系重合体溶液を紡糸口金から一旦気相に吐出した後、凝固浴槽中に導入して凝固糸条とし、凝固液中に設けたガイドにより凝固糸条の進行方向を転換し、引き続き凝固糸条を凝固液から引き出すアクリル繊維の製造方法において、凝固糸条の方向転換をガイドの、表面粗さ0.25〜1μmの鏡面仕上を施され、0.5mmRの面取りを施された辺部分で行う、アクリル繊維の製造方法にある。
本発明によれば、乾湿式紡糸法において、ガイド部分で凝固糸条にかかる張力を低減し、延伸能を向上することによって凝固液中での凝固糸条の走行を安定にし、アクリル繊維の生産性を高めることができる。
「アクリロニトリル系重合体溶液」
本発明で使用するアクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリル単位90質量%以上とアクリロニトリルと重合可能なモノマー単位10質量%以下とからなる重合体である。
アクリロニトリルと重合可能なモノマーとしては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、もしくはこれらのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、またはアリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、もしくはこれらのアルカリ金属塩等を挙げることができる。アクリロニトリルと重合可能なモノマーとして上記のモノマー一種または二種以上を用いることができる。
アクリロニトリル系重合体は、従来公知の水系懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合等の重合法を用いて、重合される。
アクリロニトリル系重合体溶液は、上記アクリロニトリル系重合体をジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、硝酸、ロダンソーダ水溶液等を溶媒として溶解したものである。
アクリロニトリル系重合体溶液中のアクリロニトリル系重合体ポリマーの濃度は、一般に15〜35質量%、紡糸安定性を考慮すると20〜30質量%に調整することが好ましい。
「乾湿式紡糸」
アクリロニトリル系重合体溶液は、紡糸口金より一旦気相中を走行した後、直ちに凝固液中に導かれ凝固糸条となりガイドで方向転換され、凝固液から引き出される。凝固液から引き上げられた凝固糸条は、1.5〜5倍浴中延伸され、脱溶剤、油剤処理、乾燥され、引き続き2〜7倍に乾熱延伸される。その後必要により緩和熱処理され、バランスの取れた力学特性を付与される。繊維束当たりのフィラメント数は、通常10〜300の範囲、またその単繊維デニールとしては通常1〜100の範囲で選ぶことができる。
「ガイド」
本発明では、凝固糸条の方向転換を表面粗さ0.25〜1μmの鏡面仕上げされたガイドの辺で行う。これによりガイド部分で凝固糸条にかかる張力を低減し、延伸能を向上することによって糸条走行性を安定にし、生産性を高めることが可能となる。
本発明で用いるガイドは、図1に示すような、多角柱形状を有し、周面にある辺で凝固糸条の方向転換を行う。ガイドの辺により凝固糸条を集束して、凝固液中での糸条拡がりを押さえて凝固糸条の随伴流を減少し、ガイド部分で凝固糸条にかかる張力を低減することができる。ガイドは図2に示したように2ヶ以上用いることも可能である。
ガイドの表面粗さは、0.25〜1μmである鏡面仕上げであることが肝要である。これにより、ガイドと凝固糸条との摩擦をより適正にし、ひいてはガイド部分で凝固糸条にかかる張力をより適正な値にすることができる。
表面粗さは、落射光式金属顕微鏡で観測して測定する。落射光式金属顕微鏡に替えて、表面粗さ計あるいは走査型電子顕微鏡を用いても良い。
表面粒径0.25μm未満には、容易に鏡面加工することが難しくガイド作製費用が高くなる。また、1μmを超える場合、凝固糸条とガイドとの接触面積は、小さくなるが、長期間使用時の磨耗により張力斑の原因となる。ガイド作製費用と工程張力のバランスから表面粒径は0.25〜0.75μmであることがより好ましい。
ガイドの形状は、6角柱まで、すなわち、三角柱、四角柱、五角柱、六画柱であることが好ましい。これは、周面の各辺のR加工が容易であることに起因する。七角柱を以上では円柱と同様にRの加工が容易でなく、ガイド作製費用が高くなる。
前記のR加工は、周面の辺の面取りする加工であり、Rを0.5mm以下とすることが凝固糸条とガイドとの接触面積を適切にするうえで必要である。
ガイドの材質は、硬質クロムメッキをした金属、金属上にチタン、アルミナ、チタンカーバイドなどのセラミックスやテフロン(登録商標)、シリコンなどでコーティングを施したもの、あるいはガラス、アルミナ、チタン、ジルコニアなどのセラミックスなど、通常の糸道ガイドに用いられる材質が使用される。中でも、硬質クロムメッキをしたステンレス材が好ましい。
本発明のアクリル繊維の製造方法では、凝固液出口での糸条引き取り張力が低下し、糸切れ等がなく走行安定性に優れる。糸条引き取り張力は一般的に50g以下程度であれば問題なく安定である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細にする。
[ガイドの表粗さ]
ガイドの表粗さは、表面粗さ測定器「kosaka Surfcoder SE−2300」を用い、速度0.1mm/Sで0.8mmを計測し、その最大値(Rmax)より求めた。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
アクリロニトリル単位93質量%、酢酸ビニル単位6質量%、スチレンスルホン酸ナトリウム1質量%からなるアクリロニトリル系重合体を固形分濃度26質量%となるように、ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解しアクリロニトリル系重合体溶液を得た。
このアクリロニトリル系重合体溶液を、孔径0.15mmφ、孔数60ホールの口金から鉛直方向に吐出し、空気層を介した後、DMAc73質量%と水27質量%からなる、温度40℃の凝固液に導き紡糸した。
凝固糸条を、口金下200mmに設置した凝固浴中に設置した第1ガイドで90度方向転換をし、さらに第1ガイドの水平方向に位置する第二ガイドで135度方向転換をし、凝固液外に一定速度で引取った。
この第1、2ガイドとして、表1に示したガイドをそれぞれ用いた(ガイドの材質は、いずれも硬質クロム鏡面メッキ仕上げをしたステンレス材)。
表1からわかるように本発明の乾湿式紡糸法では、凝固糸条にかかる張力を低減して、糸条の延伸能を高めることができた。
Figure 2006348389
本発明の一実施態様とガイドと凝固糸条との接触状態を示す斜視図である。 本発明の一実施態様とガイド(2ヶ)と凝固糸条との接触状態を示す概念図である。
符号の説明
1:走行糸条束
2:ガイド
乾湿式紡糸法において、ガイド部分で凝固糸条にかかる張力を低減し、延伸能を向上することによって凝固液中での凝固糸条の走行を安定にし、アクリル繊維の生産性を高めることができる。

Claims (1)

  1. アクリロニトリル系重合体溶液を紡糸口金から一旦気相に吐出した後、凝固浴槽中に導入して凝固糸条とし、凝固液中に設けたガイドにより凝固糸条の進行方向を転換し、引き続き凝固糸条を凝固液から引き出すアクリル繊維の製造方法において、凝固糸条の方向転換をガイドの、表面粗さ0.25〜1μmの鏡面仕上を施され、0.5mmRの面取りを施された辺部分で行う、アクリル繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022047402A (ja) * 2020-09-11 2022-03-24 帝人株式会社 アクリル系繊維の製造方法

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