JP2006346653A - 加圧式マイクロリアクタシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、試薬を圧力調整された高圧下で反応させることができる加圧式マイクロリアクタシステムを提供することにある。
【解決手段】 本発明は、互いに反応し合う流体を流通させる微細な流路(合流流路12)を有するマイクロリアクタ10と、マイクロリアクタ10に接続される圧力調整手段(冷却流路21)とを備える加圧式マイクロリアクタシステム1であって、冷却流路21が、流体を流通させる微細な流路で形成されていることを特徴とする。この加圧式マイクロリアクタシステム1では、冷却流路21の圧力損失によってマイクロリアクタ10の合流流路12内の圧力が調整される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微細な流路で形成された反応部を備える加圧式マイクロリアクタシステムに関する。
一般に、化学プラントにおいては、加熱器、反応器、蒸発器、アキュムレータなどの高温高圧下で物質を取り扱う第一種圧力容器が多数使用されている。このような第一種圧力容器内の圧力は、第一種圧力容器の出口側に設置した圧力調整バルブを開閉することによって調整されている(例えば、特許文献1参照)。その一方で、化学プラントは、その内部に莫大なエネルギーを保有することになり、爆発や破裂などの事故を生じるおそれがある。そのため、化学プラントは、さまざまな法令によって規制され、安全設備面でのコストが増大している。
近年、マイクロリアクタと呼ばれる反応装置が注目されている。このマイクロリアクタは、流路の幅と高さが数μmから数百μmの微細な流路を有しており、2種類以上の液体の試薬をその流路内に導入し、互いに接触させることによってその流路内で化学反応を生じさせるものである。
マイクロリアクタは、反応部の体積あたりの表面積が大きく、流路の幅や高さが小さく、そして流路の容積が小さい。そのため、このマイクロリアクタでは、試薬の混合時間が短くなり、試薬に対する熱交換が早くなり、そして試薬同士の反応効率が高くなるといった効果が期待できる。また、マイクロリアクタ自体が小さいことから、その材料に金属などを用いれば、高温高圧下での反応を第一種圧力容器の規制範囲外で行うことが可能になる。つまり、反応部の圧力が調整可能なマイクロリアクタは、安全に、かつ低コスト化を図りつつ反応生成物を収率よく得ることができる。
特開2001−31991号公報(図1)
ところが、従来のマイクロリアクタにおいては、反応部(流路内)の圧力を調整可能なものが知られていない。そこで、前記した化学プラントと同様に、マイクロリアクタの出口側に圧力調整バルブを設けることによって反応部(流路内)の圧力を調整するようにしたマイクロリアクタが考えられる。しかしながら、マイクロリアクタは、その一つあたりに生成される化学物質が毎分数mL〜数10mL程度と微量であるために、言い換えれば、マイクロリアクタの出口側から排出される流体(未反応の試薬と反応生成物)の量が微量であるために、反応部(流路内)の圧力を調整するための適切なバルブが未だ存在しない。したがって、バルブに代わる圧力調整手段を備えた加圧式マイクロリアクタシステムの開発が望まれている。
そこで、本発明の課題は、試薬を圧力調整された高圧下で反応させることができる加圧式マイクロリアクタシステムを提供することにある。
前記課題を解決する本発明は、互いに反応し合う流体を流通させる微細な流路を有するマイクロリアクタと、前記マイクロリアクタに接続される圧力調整手段とを備える加圧式マイクロリアクタシステムであって、前記圧力調整手段が、前記流体を流通させる微細な流路で形成されていることを特徴とする。
この加圧式マイクロリアクタシステムでは、圧力調整手段としての微細な流路の圧力損失によってマイクロリアクタの流路内(反応部)の圧力が調整される。
本発明の加圧式マイクロリアクタシステムによれば、マイクロリアクタの反応部の圧力が調整可能になっているので、試薬を高圧下で反応させることができる。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は、第1実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステムの構成説明図である。ここでは、本発明の一例として、2つの試薬Xおよび試薬Yとを互いに接触させて反応生成物Zを得るための加圧式マイクロリアクタシステムについて説明する。なお、このマイクロリアクタでは、次式(1):
X+Y→Z・・・・・(1)
で示される反応を高温高圧下で行う場合を想定している。さらに具体的には、反応温度が、大気圧下における試薬Xの沸点、試薬Yの沸点、および反応生成物Zの沸点のいずれの温度よりも高い温度に設定されるとともに、反応圧力が、前記反応温度における、試薬Xの蒸気圧、試薬Yの蒸気圧、および反応生成物Zの蒸気圧のいずれの圧力よりも高い圧力に設定される場合を想定している。
図1に示すように、この加圧式マイクロリアクタシステム1は、試薬Xが貯留される原料タンク101aと、試薬Yが貯留される原料タンク101bと、マイクロリアクタ10と、冷却手段20と、未反応の試薬Xおよび未反応の試薬Yを含む反応生成物Zが貯留される生成物タンク102とを備えている。なお、試薬X、試薬Y、および反応生成物Zは、特許請求の範囲にいう「流体」を構成している。
また、この加圧式マイクロリアクタシステム1では、原料タンク101aとマイクロリアクタ10とを繋ぐ配管5aの途中にポンプ72aおよび予熱部50aが配設されているとともに、原料タンク101bとマイクロリアクタ10とを繋ぐ配管5bの途中にポンプ72bおよび予熱部50bが配設されている。なお、ポンプ72aは、流量計71aによって配管5a内を流れる試薬Xの流量を調節可能になっており、ポンプ72bは、流量計71bによって配管5b内を流れる試薬Yの流量を調節可能になっている。
そして、マイクロリアクタ10と冷却手段20とを繋ぐ配管5cには、温度計31と圧力計41とが取り付けられており、冷却手段20と生成物タンク102を繋ぐ配管5dには、温度計32と圧力計42とが取り付けられている。温度計31および圧力計41は、マイクロリアクタ10の出口近傍の配管5c内の温度T1および圧力P1を測定するように配置されており、温度計32と圧力計42は、冷却手段20の出口近傍の温度T2および圧力P2を測定するように配置されている。
原料タンク101a,101bは、前記したように、反応させる2つ試薬X,Yをそれぞれ貯留するものである。
マイクロリアクタ10は、2つの供給流路11,11と、この2つの供給流路11,11が合流した合流流路12と、ヒータ13とを備えている。なお、合流流路12は、特許請求の範囲にいう「互いに反応し合う流体を流通させる微細な流路」に相当し、ヒータ13は、加熱部に相当する。
2つの供給流路11,11のうちの一方は、合流流路12の反対側の端部が原料タンク101aと配管5aを介して繋がっており、供給流路11,11のうちの他方は、合流流路12の反対側の端部が原料タンク101bと配管5bを介して繋がっている。つまり、2つの供給流路11,11のそれぞれには、試薬X,Yのそれぞれが流通することとなる。
合流流路12は、2つの試薬X,Yが合流して互いに接触し合う流路であり、2つの試薬X,Yは、合流流路12を通過する間に反応し合う。これらの供給流路11,11および合流流路12は、微細な流路である。具体的には、供給流路11,11および合流流路12は、次式(2)で表される等価直径Deが、1cm以下のものが好ましく、1μm以上、1000μm以下のものがより好ましく、数十μm以上、数百μm以下のものがさらに好ましい。
De=4Af/Wp・・・・・(2)
(式(2)中、Afは、流路(供給流路11,11または合流流路12)の断面積を表わし、Wpは、濡れ縁長さ、つまり流路(供給流路11,11または合流流路12)の内壁面の周方向の長さを表わす)
なお、供給流路11,11および合流流路12の断面形状は、特に制限はなく、円形、楕円形、矩形、その他の多角形状のいずれでもよいが、中でも円形および矩形が好ましい。また、このような供給流路11,11および合流流路12は、従来のマイクロリアクタに形成される流路のように、基板にエッチング処理を施して形成することができる。
ヒータ13としては、少なくとも合流流路12内を加熱することができれば特に制限はなく、例えば、電気ヒータや熱媒体が流通するパイプが挙げられる。
冷却手段20は、冷却流路21とクーラ22とを備えている。なお、本実施形態での冷却流路21は、次に説明するように、これを流通する流体を冷却する機能を発揮するとともに、マイクロリアクタ10の合流流路12の圧力を所定値に設定する機能をも発揮する。つまり、冷却流路21は、特許請求の範囲にいう「圧力調整手段」に相当する流路を兼ねている。
冷却流路21は、その一端が配管5cを介してマイクロリアクタ10の出口、つまり合流流路12と繋がっており、その他端が後記する生成物タンク102と配管5dを介して繋がっている。この冷却流路21は、式(2)で表される等価直径Deが、1cm以下のものが好ましく、1μm以上、1000μm以下のものがより好ましく、数十μm以上、
数百μm以下のものがさらに好ましい。
また、この冷却流路21の断面形状および長さは、冷却流路21の後記する圧力損失(ΔP)が、予め設定された所定値となるように適宜に設定される。このような冷却流路21は、従来のマイクロリアクタに形成される流路のように、基板にエッチング処理を施して形成してもよいし、マイクロチューブを使用してもよい。
クーラ22としては、少なくとも冷却流路21内を冷却することができれば特に制限はなく、例えば、冷媒が流通するパイプが挙げられる。
生成物タンク102は、冷却流路21から配管5dを介して排出される未反応の試薬X、未反応の試薬Y、および反応生成物Zを貯留するものであり、本実施形態での生成物タンク102内の圧力は、大気圧に設定されている。
ポンプ72aは、原料タンク101a内の試薬Xをマイクロリアクタ10に向かって輸送するものであり、ポンプ72bは、原料タンク101b内の試薬Yをマイクロリアクタ10に向かって輸送するものである。
予熱部50aは、ヒータ52aと予熱流路51aとを備えている。この予熱部50aでは、原料タンク101aからマイクロリアクタ10に向かって輸送される試薬Xが予熱流路51aを通過する際に、ヒータ52aが試薬Xを予熱する。
予熱部50bは、ヒータ52bと予熱流路51bとを備えている。この予熱部50bでは、原料タンク101bからマイクロリアクタ10に向かって輸送される試薬Yが予熱流路51bを通過する際に、ヒータ52bが試薬Yを予熱する。
なお、予熱流路51a,51bは、従来のマイクロリアクタに形成される流路のように、基板にエッチング処理を施して形成してもよいし、マイクロチューブを使用してもよい。
次に、本実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム1の動作について図1を参照しながら説明する。
原料タンク101aに貯留された試薬Xは、ポンプ72aおよび予熱部50aを介してマイクロリアクタ10に供給される。また、原料タンク101bに貯留された試薬Yは、ポンプ72bおよび予熱部50bを介してマイクロリアクタ10に供給される。この際、試薬Xは、前記したように予熱部50aで予熱されるとともに、試薬Yは、予熱部50bで予熱される。そして、マイクロリアクタ10には、2つの供給流路11,11のそれぞれに試薬X,Yのそれぞれが導入されるとともに、試薬X,Yは、合流流路12で合流することによって互いに接触し合う。このときヒータ13は、合流流路12を流れる試薬X,Yを加熱する。ヒータ13による加熱温度(反応温度)は、前記したように、大気圧下における試薬Xの沸点、試薬Yの沸点、および反応生成物Zの沸点のいずれの温度よりも高い温度に設定されている。その結果、2つの試薬X,Yは、合流流路12を通過する際に効率よく反応して反応生成物Zを生成する。
次に、合流流路12から排出された未反応の試薬X,Yおよび反応生成物Zを含む流体(以下、単に「流体」という場合がある)は、冷却手段20の冷却流路21に導入される。この加圧式マイクロリアクタシステム1では、流体を冷却流路21に導入することによってマイクロリアクタ10の合流流路12における圧力が調整される。
つまり、一般に、冷却流路21のような微細な流路では、流体の流れが層流となる(Re(レイノルズ数)<2100)。そして、説明の便宜上、この加圧式マイクロリアクタシステム1において、例えば、冷却流路21の断面が円形であり、配管5cの内径、配管5dの内径、および冷却流路21の内径が同じであるとすると、次式(3)で示されるハーゲン・ポアズイユの式が成立する。
ΔP=32μLu/D2・・・・・(3)
(式(3)中、ΔPは、圧力損失(Pa)、つまりマイクロリアクタ10の出口近傍の圧力P1と、冷却手段20の出口近傍の圧力P2との差(P1−P2)を表わし、μは、流体の粘度(Pa・s)を表わし、Lは、圧力計41の配置位置から冷却手段20までの配管5cの長さ(m)、冷却流路21の長さ(m)、および冷却手段20から圧力計42の配置位置までの配管5dの長さ(m)の合計長さ(単位(m):以下、単に「合計長さ」という)を表わし、uは、圧力計41と圧力計42との間の区間を流れる流体の平均流速(m/s)を表わし、Dは、冷却流路21の内径(m)を表わす)
そして、圧力計41と圧力計42との間の区間を流れる流体の流量Qは次式(4)で示される。
Q=πD2u/4・・・・・(4)
(式(4)中、Dおよびuは、前記式(3)と同義である)
したがって、前記式(3)および前記式(4)から、次式(5)が成立する。
P1=P2+ΔP=P2+128μQL/D4・・・・・(5)
(式中、ΔP(またはP1−P2)、μ、Q、L、およびDは、前記式(3)および前記式(4)と同義である)
したがって、圧力損失(ΔP)は、流量(Q)が一定の条件下では合計長さ(L)に比例し、冷却流路21の内径(D)の4乗に反比例する。つまり、冷却流路21の長さを長くすることによって前記した合計長さ(L)を長くし、あるいは冷却流路21の内径Dを小さくすることによって、マイクロリアクタ10の出口近傍の圧力P1、ひいてはマイクロリアクタ10の合流流路12の圧力を上げることができる。
そして、この加圧式マイクロリアクタシステム1では、冷却流路21の断面が円形でなくとも、また、配管5cの内径、配管5dの内径、および冷却流路21の内径が同じでなくとも、冷却流路21の長さを長くすることによって、あるいは冷却流路21の内径Dを小さくすることによって合流流路12の圧力を上げることができることは言うまでもない。また、この加圧式マイクロリアクタシステム1では、前記式(2)で示される等価直径(De)が小さくなるように(流路の断面積Afが小さくなるように、そして濡れ縁長さWpが大きくなるように)、冷却流路21の断面形状を変えてマイクロリアクタ10の合流流路12の圧力を上げることができる。つまり、冷却流路21の圧力損失は、冷却流路21の断面形状、等価直径(De)、および長さの少なくとも一つを調節することによって変えることができる。
このような加圧式マイクロリアクタシステム1では、マイクロリアクタ10の出口近傍の圧力P1が、マイクロリアクタ10の出口近傍の温度T1における流体の蒸気圧よりも高くなるように、冷却流路21の内径Dおよび長さを設定することが望ましい。
そして、冷却手段20では、冷却流路21を流通する流体がクーラ22によって冷却される。その結果、マイクロリアクタ10の出口近傍で温度T1である流体が、冷却手段20の出口近傍で温度T2まで低下する。この温度T2は、圧力P2での流体の沸点よりも低い温度であることが望ましく、試薬X,Yの沸点および反応生成物Zの沸点のいずれの温度よりも低い温度であることがさらに望ましい。
そして、生成物タンク102では、冷却手段20の出口(冷却流路21の他端)から配管5dを介して排出された流体が補集される。
以上のような加圧式マイクロリアクタシステム1によれば、マイクロリアクタ10の合流流路12(反応部)の圧力が調整可能になっているので、試薬X,Yを高圧下で反応させることができる。
また、内径が十数cm程度の配管を用いている一般的な化学プラントにおいて、配管の圧力損失のみで反応部の圧力を高めるには、配管の長さが長くなり現実的ではない。これに対して、加圧式マイクロリアクタシステム1によれば、微細な流路である冷却流路21を用いることにより、前記した圧力損失(ΔP)のみでマイクロリアクタ10の合流流路12(反応部)の圧力を容易に高めることができる。また、一般に微量の流体が流れるマイクロリアクタ内の流路の圧力を調整する圧力調整バルブがない現状では、微細な流路である冷却流路21による圧力損失で圧力調整を行うのがもっとも簡易な方法である。
また、加圧式マイクロリアクタシステム1によれば、マイクロリアクタ10の合流流路12を加熱するヒータ13が設けられているので、試薬X,Yを高温高圧下で反応させることができる。その結果、特に、反応生成系が吸熱反応であるものは、反応効率が向上する。
また、加圧式マイクロリアクタシステム1によれば、冷却手段20によって流体が冷却されるので、大気圧下で流体を補集する場合であっても、流体が沸騰するおそれが回避される。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図2は、第2実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステムの構成説明図である。なお、この第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図2に示すように、この加圧式マイクロリアクタシステム2では、第1実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム1(図1参照)で使用した冷却手段20に代えて、圧力調整手段90を使用した以外は、第1実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム1と同様に構成されている。ここでは、主に圧力調整手段90について説明する。
圧力調整手段90は、互いに圧力損失の異なる3つの微細な流路91a,91b,91cと、流路切替え手段81とを備えている。
3つの流路91a,91b,91cは、第1実施形態での冷却流路21(図1参照)の圧力損失と同様に、流路91a,91b,91cのそれぞれの断面形状、等価直径De、および長さのうち少なくとも一つが調節されることによって、その圧力損失が変えられている。そして、各流路91a,91b,91cは、配管5cに対して並列に繋げられている。なお、流路91a,91b,91cは、従来のマイクロリアクタに形成される流路のように、基板にエッチング処理を施して形成してもよいし、マイクロチューブを使用してもよい。
流路切替え手段81は、マイクロリアクタ10の出口(合流流路12の他端)から排出される流体の流れを、3つの流路91a,91b,91c間で切り替えるものであり、マイクロリアクタ10側から延びる配管5cから各流路91a,91b,91cに分岐する分岐点に配置される。この流路切替え手段81としては、例えば4方コックが挙げられる。
次に、本実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム2の動作について図2を参照しながら説明する。
この加圧式マイクロリアクタシステム2では、第1実施形態と同様に、マイクロリアクタ10の出口から流体が排出される。そして、この流体は、流路切替え手段81が切り替えられることによって、3つの流路91a,91b,91cのいずれか一つを流れて生成物タンク102で捕集される。そして、各流路91a,91b,91cは、その圧力損失が互いに異なっているので、流体が流れる経路を流路切替え手段81によって各流路91a,91b,91cのいずれかに切り替えるたびに、マイクロリアクタ10の合流流路12の圧力は変化する。
以上のような加圧式マイクロリアクタシステム2によれば、第1実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム1と同様に、試薬X,Yを高温高圧下で反応させることができ、簡素な構造でマイクロリアクタ10の合流流路12(反応部)の圧力を容易に高めることができる。
また、この加圧式マイクロリアクタシステム2によれば、流体の経路が相互に圧力損失が異なる各流路91a,91b,91cのいずれかに切り替えられるようになっているので、マイクロリアクタ10の合流流路12(反応部)の圧力を3段階に切り替えることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図3は、第3実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステムの構成説明図である。なお、この第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図3に示すように、この加圧式マイクロリアクタシステム3では、第1実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム1(図1参照)における配管5d(図1参照)の途中に、圧力調整手段としての微細な流路91を配置した以外は、第1実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム1と同様に構成されている。この微細な流路91は、断面形状、等価直径De、および長さのうち少なくとも一つが調節されることによって、その圧力損失を変えることができる。なお、微細な流路91は、従来のマイクロリアクタに形成される流路のように、基板にエッチング処理を施して形成してもよいし、マイクロチューブを使用してもよい。
次に、本実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム3の動作について図3を参照しながら説明する。
この加圧式マイクロリアクタシステム3では、第1実施形態と同様に、冷却手段20の出口から流体が排出される。そして、この流体は、微細な流路91内を流れて生成物タンク102に捕集される。この際、微細な流路91は、流体が流れる際の圧力損失によってマイクロリアクタ10の合流流路12の圧力を上げる。
以上のような加圧式マイクロリアクタシステム3によれば、第1実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム1(図1参照)と同様の効果を奏することができる。
また、この加圧式マイクロリアクタシステム3によれば、第1実施形態と同様に冷却流路21の圧力損失に加えて、微細な流路91での圧力損失によって、マイクロリアクタ10の合流流路12の圧力をより大きくすることができる。
また、この加圧式マイクロリアクタシステム3によれば、冷却手段20と、圧力調整手段としての微細な流路91とを分離することができるので、加圧式マイクロリアクタシステム3のメンテナンスが容易なる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図4は、第4実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステムの構成説明図である。なお、この第4実施形態において、第2実施形態および第3実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図4に示すように、この加圧式マイクロリアクタシステム4では、第3実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム3(図3参照)で使用した圧力調整手段としての微細な流路91に代えて、第2実施形態における圧力調整手段90を使用した以外は、第3実施形態と同様に構成されている。
次に、本実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム4の動作について図4を参照しながら説明する。
この加圧式マイクロリアクタシステム4では、第3実施形態と同様に、冷却手段20の出口から流体が排出される。そして、この流体は、流路切替え手段81が切り替えられることによって、3つの流路91a,91b,91cのいずれか一つを流れて生成物タンク102で捕集される。そして、各流路91a,91b,91cは、その圧力損失が互いに異なっているので、流体が流れる経路を流路切替え手段81によって各流路91a,91b,91cのいずれかに切り替えるたびに、マイクロリアクタ10の合流流路12の圧力は変化する。
以上のような加圧式マイクロリアクタシステム4によれば、第2実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム2および第3実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム3と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は、前記した第1実施形態乃至第4実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
例えば、第2実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム2、および第4実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステム4では、流路91a,91b,91cの圧力損失または微細な流路91の圧力損失に加えて、冷却手段20の冷却流路21の圧力損失によっても、マイクロリアクタ10の合流流路12の圧力が調整されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、冷却流路21の内径を太くすることによって、その圧力損失が合流流路12の圧力変化にほとんど影響しない程度に充分に小さくなっているものであってもよい。
また、第2実施形態および第4実施形態では、圧力調整手段90が3つの流路91a,91b,91cで形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、2つ、または4つ以上の流路で形成されるものを使用してもよい。
また、第2実施形態および第4実施形態では、一つの圧力調整手段90が配管5dに設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の圧力調整手段90を配管5dに直列に配置したものであってもよい。また、本発明は、圧力調整手段90と第3実施形態での微細な流路91とを組み合わせて使用するとともに、これらを配管5dに直列に配置したものであってもよい。なお、この際、圧力調整手段90と微細な流路91との数に特に制限はない。
第1実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステムの構成説明図である。 第2実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステムの構成説明図である。 第3実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステムの構成説明図である。 第4実施形態に係る加圧式マイクロリアクタシステムの構成説明図である。
符号の説明
1 加圧式マイクロリアクタシステム
2 加圧式マイクロリアクタシステム
3 加圧式マイクロリアクタシステム
4 加圧式マイクロリアクタシステム
10 マイクロリアクタ
12 合流流路(微細な流路)
13 ヒータ
20 冷却手段
21 冷却流路(圧力調整手段)
90 圧力調整手段
91 流路(圧力調整手段)
D 内径
De 等価直径
X 試薬
Y 試薬
Z 反応生成物



Claims (6)

  1. 互いに反応し合う流体を流通させる微細な流路を有するマイクロリアクタと、
    前記マイクロリアクタに接続される圧力調整手段とを備える加圧式マイクロリアクタシステムであって、
    前記圧力調整手段が、前記流体を流通させる微細な流路で形成されていることを特徴とする加圧式マイクロリアクタシステム。
  2. 前記マイクロリアクタの前記流路を加熱する加熱部と、
    前記マイクロリアクタから排出された前記流体を冷却する冷却手段とをさらに備えるとともに、
    前記圧力調整手段が、前記冷却手段に形成された前記流体の流路であることを特徴とする請求項1に記載の加圧式マイクロリアクタシステム。
  3. 前記圧力調整手段が、互いに圧力損失の異なる複数の微細な流路からなり、前記マイクロリアクタから排出される前記流体の流れを前記圧力調整手段の前記各流路間で切り替える流路切替え手段を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加圧式マイクロリアクタシステム。
  4. 前記圧力調整手段の前記流路における圧力損失が、前記流路の断面形状、前記流路の断面の等価直径、および前記流路の長さの少なくとも一つを変えることによって調整されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の加圧式マイクロリアクタシステム。
  5. 前記圧力調整手段の前記流路を冷却する冷却器をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の加圧式マイクロリアクタシステム。
  6. 少なくとも前記マイクロリアクタの前記流路の等価直径、および前記圧力調整手段の前記流路の等価直径が、1cm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の加圧式マイクロリアクタシステム。

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