JP2006346624A - NOxリアクタ及びNOx浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低温でもNOx浄化作用を発揮する。
【解決手段】 NOxリアクタ10は、スズ・リン複酸化物又はスズ・リン複酸化物のうち一部のスズを周期表13族の元素に置換した化合物を主成分とする固体電解質層12と、この固体電解質層12を挟み込むようにして配置された一対の電極(アノード14,カソード16)とを備えたものである。このNOxリアクタ10は、アノード14とカソード16との間に電圧を印加した状態でアノード14に水蒸気を付与しカソード16にNOxを付与することにより、アノード14で水蒸気の電解により発生したプロトンが電圧の勾配にしたがって固体電解質層12をカソード16まで移動し該カソード16に達したプロトンによりNOxを還元して浄化する。
【選択図】 図1
【解決手段】 NOxリアクタ10は、スズ・リン複酸化物又はスズ・リン複酸化物のうち一部のスズを周期表13族の元素に置換した化合物を主成分とする固体電解質層12と、この固体電解質層12を挟み込むようにして配置された一対の電極(アノード14,カソード16)とを備えたものである。このNOxリアクタ10は、アノード14とカソード16との間に電圧を印加した状態でアノード14に水蒸気を付与しカソード16にNOxを付与することにより、アノード14で水蒸気の電解により発生したプロトンが電圧の勾配にしたがって固体電解質層12をカソード16まで移動し該カソード16に達したプロトンによりNOxを還元して浄化する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、NOxリアクタ及びNOx浄化方法に関する。
車両の内燃機関や発電所などの燃焼機関などから排出される排ガスには、窒素と酸素とが高温で反応することにより生成する窒素酸化物(NOx)が含まれる。NOxは、生成当初はNOであり、NOからNO2への酸化反応は遅いことから、通常はNOとして捉えることができる。また、NOxは大気汚染の一要因であると言われており、その除去方法が従来より種々検討されている。このような除去方法としては、例えば、尿素SCR触媒(SCRはSelective Catalytic Reductionの略)を用いる方法、NOx吸蔵触媒を用いる方法、NOxを電気化学的に還元する方法などが知られている。尿素SCR触媒を用いる方法は、高温の排ガスに尿素を噴射しその混合気を尿素触媒に通すことでNOxをアンモニアと酸素により窒素と水に還元するものである。NOx吸蔵触媒を用いる方法は、バリウムやカリウムなどによりNOを硝酸塩として吸蔵しその後排ガスが燃料過剰になるようにしその排ガス中の燃料(炭化水素等)によって硝酸塩を窒素と二酸化炭素と水に還元するものである。NOxを電気化学的に還元する方法は、固体電解質層をアノードとカソードとで挟み込み、アノード上で水蒸気を電解して発生させたプロトンをカソードに到達させカソードに到達したプロトンによりNOxを窒素と水に還元するものである。
ここで、尿素SCR触媒を用いる方法では尿素補給やアンモニアの漏れ防止などが必要になるという問題があり、NOx吸蔵触媒を用いる方法では燃料過剰な排ガスを強制的に生成させるため燃費が悪化しやすいという問題があるのに対し、NOxを電気化学的に還元する方法ではそのような問題はない。このようなNOxを電気化学的に還元する方法については、ストロンチウム・セリウム複酸化物にイッテルビウムをドープした固体電解質を用いたNOxリアクタなどが特許文献1〜3に記載されている。また、NOxを含有する排ガスが低温の場合には固体電解質層を透過するプロトンの速度が小さくNOxの浄化効率が低下することから、特許文献1〜3の実施例では排ガスやNOxリアクタを400℃以上に加熱している。
特開平6−7642号公報
特開平6−277448号公報
特開平8−66621号公報
しかしながら、例えば内燃機関の冷間始動時のように、排ガスの温度が低くNOx浄化装置もヒータを用いたとしても瞬時に高温にならないような状況下では、NOxの浄化効率が低下するおそれがあった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、低温でもNOx浄化作用を発揮するNOxリアクタを提供することを目的の一つとする。また、そのNOxリアクタを用いてNOxを浄化する方法を提供することを目的の一つとする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、NOxリアクタの固体電解質層としてスズ・リン複酸化物又はその類縁化合物を主成分とするものが低温でもNOx浄化作用を発揮することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のNOxリアクタは、
電気化学反応を利用してNOxを浄化するNOxリアクタであって、
スズ・リン複酸化物又はスズ・リン複酸化物のうち一部のスズを周期表13族の元素に置換した化合物を主成分とする固体電解質層と、
前記固体電解質層を挟み込むようにして配置された一対の電極と、
を備えたものである。
電気化学反応を利用してNOxを浄化するNOxリアクタであって、
スズ・リン複酸化物又はスズ・リン複酸化物のうち一部のスズを周期表13族の元素に置換した化合物を主成分とする固体電解質層と、
前記固体電解質層を挟み込むようにして配置された一対の電極と、
を備えたものである。
本発明のNOxリアクタは、一対の電極間に電圧を印加した状態で一対の電極のうちのアノードに水蒸気を付与し一対の電極のうちのカソードにNOxを付与することにより、アノードで水蒸気の電解により発生したプロトンが電圧の勾配にしたがって固体電解質層をカソードまで移動し該カソードに達したプロトンによりNOxを還元して浄化する。このNOxリアクタでは、固体電解質層としてストロンチウム・セリウム複酸化物にイッテルビウムをドープしたものを用いた従来のNOxリアクタに比べて、低温であってもNOx浄化作用を発揮する。このため、例えば内燃機関の冷間始動時のように、排ガスの温度が低くNOxリアクタも瞬時に高温化することができない状況下においても、NOxを有効に浄化することが期待される。
本発明のNOxリアクタにおいて、スズ・リン複酸化物は、代表的にはSnP2O7で表される化合物であり、スズ・リン複酸化物のうち一部のスズを周期表13族の元素に置換した化合物は、代表的にはSn1-xAxP2O7-a、(Aは周期表13族の元素、xは0を超えるが1未満の数字、aは酸素欠損を示す数字を表す)で表される化合物である。スズ・リン酸複酸化物のうち一部のスズを周期表13族の元素に置換した化合物を使用した場合には、一対の電極に印加する電圧が小さくてもNOxを浄化することが可能となる。これは、周期表13族の元素の存在により固体電解質の電荷バランスが崩れて固体電解質層のプロトン伝導性が良好になることに起因すると推察される。ここで、周期表13族の元素としては、例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム及びタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、このうちインジウムが特に好ましい。
本発明のNOxリアクタは、車両の内燃機関排ガスの浄化に用いることが好ましい。こうすれば、車両の内燃機関排ガスに含まれるNOxを低温時においても浄化することができるため、環境に優しい車両を提供することが可能となる。
本発明のNOx浄化方法は、上述した本発明のいずれかのNOxリアクタの前記一対の電極間に電圧を印加した状態で前記一対の電極のうちのアノードに水蒸気を付与し前記一対の電極のうちのカソードにNOxを付与することにより、前記アノードで水蒸気の電解により発生したプロトンが前記電圧の勾配にしたがって前記固体電解質層を前記カソードまで移動し該カソードに達したプロトンによりNOxを還元して浄化するものである。
本発明のNOx浄化方法では、水蒸気がアノード側で電解して酸素とプロトンになり、そのプロトンが固定電解質層を移動してカソード側に達し、カソード側でNOがプロトンと電子と反応して窒素と水が生成する。このときの様子を下記式に示す。なお、カソード側では酸素がプロトンと電子と反応して水が生成する反応(つまりアノード側の逆反応)が起こる可能性があるが、それよりもNOの還元反応の選択性が高いためNOの浄化が進行する。
アノード側 2H2O→4H++O2+4e
カソード側 2NO+4H++4e→N2+2H2O
カソード側 2NO+4H++4e→N2+2H2O
本発明のNOx浄化方法において、車両の内燃機関排ガスを浄化する際には内燃機関排ガスに水蒸気が含まれているため、別途水蒸気を供給する必要がない。
本発明のNOxリアクタにおいて、固体電解質層の厚さは、特に限定するものではないが、1μm〜5mmであることが好ましい。この範囲であれば、比較的容易に作成することができるし、プロトンが移動する際の抵抗が増大しすぎることもない。なお、固定電解質層の厚さが薄い場合には、固体電解質層を挟む一対の電極によって固体電解質層を支持するようにしてもよい。この場合、一対の電極はガス透過性を有する材料で形成されていることが好ましい。
本発明のNOxリアクタにおいて、一対の電極のうちアノードは、例えば白金、ロジウム、イリジウムのうちの1種又は2種以上を含んで形成されていることが好ましい。これらの金属は酸化触媒作用を有するため、アノードで水蒸気からプロトンが発生しやすくなることから好ましい。また、一対の電極のうちカソードは、例えば白金、ルテニウム、パラジウムのうちの1種又は2種以上を含んで形成されていることが好ましい。更に、アノードとカソードは、多孔質体としてもよい。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。なお、酸化スズは和光純薬工業社製の品番208-01602(25gグレードなし)、リン酸は和光純薬工業社製の品番167-02166(500mlS)、酸化インジウムは和光純薬工業社製の品番092-02982(25g, 99.9%)、酸化ガリウムは和光純薬工業社製の品番077-04532(25g, 99.99%)、炭酸ストロンチウムは和光純薬工業社製の品番194-10462(25g, 99.99%)、酸化ジルコニウムは和光純薬工業社製の品番264-01482(25g, 99%S)、酸化イッテルビウムは和光純薬工業社製の品番250-00442(25g, 99.99%)を使用した。
[実施例1]
リン酸スズ(SnP2O7)を固体電解質層とするNOxリアクタ10(図1参照)を作製した。すなわち、まず酸化スズとリン酸とをSnとPとのモル比が1:2となるように秤量し、それらが均一になるまで混合しスラリーを得た。次に、このスラリーをシート状に成形した後、エア雰囲気下、650℃、2.5時間焼成することにより、SnP2O7の固体電解質シートを得た。この固体電解質シートに研磨などによる外形加工を施した後、縦10mm、横10mm、厚さ1mmの大きさに切り出し、固体電解質層12とした。そして、固体電解質層12の上下両面に白金を主成分とするペースト(Pt:Al2O3=95:5+有機溶剤分(エチルセルロースアクリル系溶剤))を厚さ約20μm、電極面積0.5cm2となるように印刷し、400℃で焼き付けてアノード14及びカソード16を作製することにより、NOxリアクタ10を得た。
リン酸スズ(SnP2O7)を固体電解質層とするNOxリアクタ10(図1参照)を作製した。すなわち、まず酸化スズとリン酸とをSnとPとのモル比が1:2となるように秤量し、それらが均一になるまで混合しスラリーを得た。次に、このスラリーをシート状に成形した後、エア雰囲気下、650℃、2.5時間焼成することにより、SnP2O7の固体電解質シートを得た。この固体電解質シートに研磨などによる外形加工を施した後、縦10mm、横10mm、厚さ1mmの大きさに切り出し、固体電解質層12とした。そして、固体電解質層12の上下両面に白金を主成分とするペースト(Pt:Al2O3=95:5+有機溶剤分(エチルセルロースアクリル系溶剤))を厚さ約20μm、電極面積0.5cm2となるように印刷し、400℃で焼き付けてアノード14及びカソード16を作製することにより、NOxリアクタ10を得た。
[実施例2]
リン酸スズのうち一部のスズをインジウムで置換した複酸化物を固体電解質層とするNOxリアクタ10(図1参照)を作製した。すなわち、まず酸化スズと酸化インジウムとリン酸とをSnとInとPとのモル比が0.9:0.1:2となるように秤量し、それらが均一になるまで混合し、スラリーを得た。次に、このスラリーをシート状に成形した後、エア雰囲気下、650℃、2.5時間焼成することにより、Sn0.9In0.1P2O7-a(aは酸素欠損を示す数字)の固体電解質シートを得た。この固体電解質シートに研磨などによる外形加工を施した後、縦10mm、横10mm、厚さ1mmの大きさに切り出し、固体電解質層12とした。そして、固体電解質層12の上下両面に白金を主成分とするペースト(前出)を厚さ約20μm、電極面積0.5cm2となるように印刷し、400℃で焼き付けてアノード14及びカソード16を作製することにより、NOxリアクタ10を得た。
リン酸スズのうち一部のスズをインジウムで置換した複酸化物を固体電解質層とするNOxリアクタ10(図1参照)を作製した。すなわち、まず酸化スズと酸化インジウムとリン酸とをSnとInとPとのモル比が0.9:0.1:2となるように秤量し、それらが均一になるまで混合し、スラリーを得た。次に、このスラリーをシート状に成形した後、エア雰囲気下、650℃、2.5時間焼成することにより、Sn0.9In0.1P2O7-a(aは酸素欠損を示す数字)の固体電解質シートを得た。この固体電解質シートに研磨などによる外形加工を施した後、縦10mm、横10mm、厚さ1mmの大きさに切り出し、固体電解質層12とした。そして、固体電解質層12の上下両面に白金を主成分とするペースト(前出)を厚さ約20μm、電極面積0.5cm2となるように印刷し、400℃で焼き付けてアノード14及びカソード16を作製することにより、NOxリアクタ10を得た。
[実施例3]
リン酸スズのうち一部のスズをガリウムで置換した複酸化物を固体電解質層とするNOxリアクタ10(図1参照)を作製した。すなわち、まず酸化スズと酸化ガリウムとリン酸とをSnとGaとPとのモル比が0.9:0.1:2となるように秤量し、それらが均一になるまで混合し、スラリーを得た。次に、このスラリーをシート状に成形した後、エア雰囲気下、650℃、2.5時間焼成することにより、Sn0.9Ga0.1P2O7-a(aは酸素欠損を示す数字)の固体電解質シートを得た。この固体電解質シートに研磨などによる外形加工を施した後、縦10mm、横10mm、厚さ1mmの大きさに切り出し、固体電解質層12とした。そして、固体電解質層12の上下両面に白金を主成分とするペースト(前出)を厚さ約20μm、電極面積0.5cm2となるように印刷し、400℃で焼き付けてアノード14及びカソード16を作製することにより、NOxリアクタ10を得た。
リン酸スズのうち一部のスズをガリウムで置換した複酸化物を固体電解質層とするNOxリアクタ10(図1参照)を作製した。すなわち、まず酸化スズと酸化ガリウムとリン酸とをSnとGaとPとのモル比が0.9:0.1:2となるように秤量し、それらが均一になるまで混合し、スラリーを得た。次に、このスラリーをシート状に成形した後、エア雰囲気下、650℃、2.5時間焼成することにより、Sn0.9Ga0.1P2O7-a(aは酸素欠損を示す数字)の固体電解質シートを得た。この固体電解質シートに研磨などによる外形加工を施した後、縦10mm、横10mm、厚さ1mmの大きさに切り出し、固体電解質層12とした。そして、固体電解質層12の上下両面に白金を主成分とするペースト(前出)を厚さ約20μm、電極面積0.5cm2となるように印刷し、400℃で焼き付けてアノード14及びカソード16を作製することにより、NOxリアクタ10を得た。
[比較例1]
特許文献3に記載されたNOxリアクタ10(図1参照)を作製した。すなわち、まず炭酸ストロンチウム(SrCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化イッテルビウム(Yb2O3)とをSrとZrとYbとのモル比が1.0:0.9:0.1となるように秤量し、これらを混ぜてペレットを得た。次に、このペレットを、エア雰囲気下、1650℃、10時間焼成することにより、SrZr0.9Yb0.1O3-a(aは酸素欠損を示す数字)である固定電解質を得た。この固体電解質に研磨などによる外形加工を施した後、縦10mm、横10mm、厚さ0.5mmの大きさに切り出し、固体電解質層12とした。そして、固体電解質層12の上下両面に白金を主成分とするペースト(前出)を厚さ約20μm、電極面積0.5cm2となるように印刷し、400℃で焼き付けてアノード14及びカソード16を作製することにより、NOxリアクタ10を得た。
特許文献3に記載されたNOxリアクタ10(図1参照)を作製した。すなわち、まず炭酸ストロンチウム(SrCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化イッテルビウム(Yb2O3)とをSrとZrとYbとのモル比が1.0:0.9:0.1となるように秤量し、これらを混ぜてペレットを得た。次に、このペレットを、エア雰囲気下、1650℃、10時間焼成することにより、SrZr0.9Yb0.1O3-a(aは酸素欠損を示す数字)である固定電解質を得た。この固体電解質に研磨などによる外形加工を施した後、縦10mm、横10mm、厚さ0.5mmの大きさに切り出し、固体電解質層12とした。そして、固体電解質層12の上下両面に白金を主成分とするペースト(前出)を厚さ約20μm、電極面積0.5cm2となるように印刷し、400℃で焼き付けてアノード14及びカソード16を作製することにより、NOxリアクタ10を得た。
[評価試験]
実施例1〜3及び比較例1について、NOx分解率を図2の評価装置20を用いて測定した。評価装置20は、セラミック製のケース22と、このケース22の左側壁に差し込まれケース22内にガスを流入させるのに用いられるセラミック製のインレットチューブ24と、ケース22の右側壁に設けられケース22内のガスを流出させるのに用いられるセラミック製のアウトレットチューブ26と、ケース22の外側に配置されケース22の内部温度を予め設定された温度に調節する加熱装置28とを備えたものである。評価試験は、被試験物であるNOxセンサ10をインレットチューブ24の下流側の端部近傍に設置し、加熱装置28により温度を所定の温度(150℃,250℃,350℃,400℃)に設定し、インレットチューブ24へ濃度既知の試験ガス(1000ppmのNO,5%のO2,2%の水蒸気を含むN2ガス)を60ml/minの流量で流し、NOxセンサ10のアノード14とカソード16との間に1.8Vの直流電圧を印加して、アウトレットチューブ26から排出される出口ガスのNO濃度をNOxガスメータ((株)堀場製作所製のPG−225)で測定することにより行った。測定後、NOx分解率を下記式により算出した。その結果を表1に示す。表1から明らかなように、比較例1に比べて実施例1〜3では低温(400℃以下、特に350℃以下)であってもNOx浄化作用を発揮しやすいことがわかった。このため、例えば内燃機関の冷間始動時のように、排ガスの温度が低くNOxリアクタ10も瞬時に高温化することができない状況下においても、NOxを有効に浄化することが期待される。
実施例1〜3及び比較例1について、NOx分解率を図2の評価装置20を用いて測定した。評価装置20は、セラミック製のケース22と、このケース22の左側壁に差し込まれケース22内にガスを流入させるのに用いられるセラミック製のインレットチューブ24と、ケース22の右側壁に設けられケース22内のガスを流出させるのに用いられるセラミック製のアウトレットチューブ26と、ケース22の外側に配置されケース22の内部温度を予め設定された温度に調節する加熱装置28とを備えたものである。評価試験は、被試験物であるNOxセンサ10をインレットチューブ24の下流側の端部近傍に設置し、加熱装置28により温度を所定の温度(150℃,250℃,350℃,400℃)に設定し、インレットチューブ24へ濃度既知の試験ガス(1000ppmのNO,5%のO2,2%の水蒸気を含むN2ガス)を60ml/minの流量で流し、NOxセンサ10のアノード14とカソード16との間に1.8Vの直流電圧を印加して、アウトレットチューブ26から排出される出口ガスのNO濃度をNOxガスメータ((株)堀場製作所製のPG−225)で測定することにより行った。測定後、NOx分解率を下記式により算出した。その結果を表1に示す。表1から明らかなように、比較例1に比べて実施例1〜3では低温(400℃以下、特に350℃以下)であってもNOx浄化作用を発揮しやすいことがわかった。このため、例えば内燃機関の冷間始動時のように、排ガスの温度が低くNOxリアクタ10も瞬時に高温化することができない状況下においても、NOxを有効に浄化することが期待される。
NOx分解率=(M-N)/M ×100(%)
(Mは試験ガスのNOx濃度、Nは出口ガスのNOx濃度)
(Mは試験ガスのNOx濃度、Nは出口ガスのNOx濃度)
なお、本発明は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本発明は、NOxを含有する排ガスを処理する必要のある産業、例えば自動車産業、自動二輪車産業、動力機械産業などに利用可能である。
10 NOxリアクタ、12 固体電解質層、14 アノード、16 カソード、20 評価装置、22 ケース、24 インレットチューブ、26 アウトレットチューブ、28 加熱装置。
Claims (4)
- 電気化学反応を利用してNOxを浄化するNOxリアクタであって、
スズ・リン複酸化物又はスズ・リン複酸化物のうち一部のスズを周期表13族の元素に置換した化合物を主成分とする固体電解質層と、
前記固体電解質層を挟み込むようにして配置された一対の電極と、
を備えたNOxリアクタ。 - 前記周期表13族の元素は、アルミニウム、ガリウム、インジウム及びタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種である、
請求項1に記載のNOxリアクタ。 - 車両の内燃機関排ガスの浄化に用いられる、
請求項1に記載のNOxリアクタ。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のNOxリアクタの前記一対の電極間に電圧を印加した状態で前記一対の電極のうちのアノードに水蒸気を付与し前記一対の電極のうちのカソードにNOxを付与することにより、前記アノードで水蒸気の電解により発生したプロトンが前記電圧の勾配にしたがって前記固体電解質層を前記カソードまで移動し該カソードに達したプロトンによりNOxを還元して浄化する、
NOx浄化方法。
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