JP2006344441A - 固体高分子形燃料電池用触媒混合体の製造方法およびその製造方法で得られた触媒混合体を用いた固体高分子形燃料電池 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用触媒混合体の製造方法およびその製造方法で得られた触媒混合体を用いた固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】超少量金属担持触媒の製造方法において、カーボン粒子表面の陽イオン交換樹脂の分布を、できるだけ薄く均一におこなうことが可能な製造方法を提供し、この製造方法で得られた触媒混合体を用いることにより、初期性能が飛躍的に改善された固体高分子形燃料電池(PEFC)を提供する。
【解決手段】固体高分子形燃料電池用触媒混合体の製造方法において、カーボンと陽イオン交換樹脂溶液との混合物を噴霧乾燥して、カーボンと陽イオン交換樹脂との混合物Xを得る第1の工程と、前記混合物Xと陽イオン交換樹脂溶液との混合物を噴霧乾燥して、カーボンと陽イオン交換樹脂との混合物Yを得る第2の工程と、前記混合物Y中の陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属元素の陽イオンを吸着させる第3の工程と、前記触媒金属元素の陽イオンを化学的に還元して触媒金属混合体を得る第4の工程とを経ることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用触媒混合体の製造方法およびその製造方法で得られた触媒混合体を用いた固体高分子形燃料電池に関するものである。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、固体高分子電解質膜の一方の面にアノ−ドを他の面にカソ−ドを接合して構成され、たとえば、アノ−ドに燃料として水素、カソ−ドに酸化剤として酸素をそれぞれ供給すると、つぎの電気化学反応によって発電する装置である。
アノ−ド:2H→4H+4e
カソ−ド:O+4H+4e→2H
固体高分子形燃料電池のアノ−ドおよびカソ−ドは、いずれもガス拡散層と触媒層とからなり、触媒層が固体高分子電解質膜に接合された構造である。触媒層には白金族金属触媒が含まれ、上記電気化学反応はこの触媒層で進行する。触媒層と接したガス拡散層は、触媒層への反応ガスの供給と集電との機能をもつ。さらに、カソード側での反応によって生成する水は、ガス拡散層を介して排出される。したがって、ガス拡散層は、ガス透過性、導電性および撥水性が要求される。また、触媒層にも反応生成物である水が滞留しないように、撥水性が要求される。
一方、固体高分子形燃料電池の電極の触媒金属として、カソードには白金を用いることが知られている。この金属を超少量担持する白金担持カーボンの製作方法が特許文献1および特許文献2で開示されている。その具体的な製造方法はつぎのとおりである。まず、陽イオン交換樹脂溶液とカーボンとを混合したのちに吸引濾過し、つづいて乾燥することによって陽イオン交換樹脂で被覆したカーボンを製作する。つぎに、そのカーボンを白金錯体陽イオンを含む水溶液中に浸漬したのちに、白金錯体の陽イオンをイオン交換反応によって陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に選択的に吸着する。さらに、プロトン伝導経路に吸着した陽イオンを180℃の水素雰囲気中で還元する。
この方法により製作した触媒粉末は、触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に主に担持しているので、この粉末を備えるPEFCは、超少量の触媒金属担持量で優れた分極特性を示す。
この超少量金属担持触媒の製作方法としては、炭素質材料と陽イオン交換樹脂の溶液との混合物を噴霧乾燥する方法が、特許文献2で開示されている。また、特許文献3にも、電極触媒粉末の製造方法に噴霧乾燥法を用いることが開示されており、複合体粒子、カーボン、疎水性ポリマー、プロトン伝達ポリマーなどを含む電極触媒を噴霧方法で生成することが記載されている。
特開2000−173626号公報 特開2003−257439号公報 特表2004−507341号公報
上記の特許文献1や特許文献2で開示された方法によって作製した超少量金属担持触媒では、陽イオン交換樹脂のカーボン粒子表面での分布が不均一であるため、この触媒混合体を含むPEFC用電極のプロトン伝導度は低い。したがって、この触媒混合体を含むPEFC用電極を備えるPEFCの初期性能は低いものであった。
PEFCの初期性能を向上させるためには、カーボン粒子表面の陽イオン交換樹脂の分布をできるだけ均一にすることによって、触媒混合体の伝導度を高める必要がある。
一方、特許文献2では、噴霧乾燥法については「炭素質材料と陽イオン交換樹脂の溶液との混合物を噴霧乾燥する」と記載されているだけで、噴霧乾燥法の詳しい条件等については記載されていない。
さらに、特許文献3に記載の複合電極触媒粉末の製造方法は、担体相(カーボン)の前駆体であるコロイド状カーボンと、Pt触媒活性種の前駆体であるPt(NH(NOとを含む液体前駆体を、噴霧処理し、霧化して小滴とし、この小滴から液体を除去して粉末を生成する方法である。この製造法では、前駆体の乾燥および触媒的活性種への変換は1つの工程で都合よく併せて行われ、溶媒の除去と前駆体の活性種への変換とは本質的に同時に起こることが特徴であるため、この製造方法を、特許文献1や特許文献2に記載された超少量金属担持触媒の製造方法に適用することはできない。
そこで、本発明の目的は、超少量金属担持触媒の製造方法において、カーボン粒子表面の陽イオン交換樹脂の分布を、できるだけ薄く均一におこなうことが可能な製造方法を提供し、この製造方法で得られた触媒混合体を用いることにより、初期性能が飛躍的に改善された固体高分子形燃料電池(PEFC)を提供することにある。
請求項1の発明は、固体高分子形燃料電池用触媒混合体の製造方法において、カーボンと陽イオン交換樹脂溶液との混合物を噴霧乾燥して、カーボンと陽イオン交換樹脂との混合物Xを得る第1の工程と、前記混合物Xと陽イオン交換樹脂溶液との混合物を噴霧乾燥して、カーボンと陽イオン交換樹脂との混合物Yを得る第2の工程と、前記混合物Y中の陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属元素の陽イオンを吸着させる第3の工程と、前記触媒金属元素の陽イオンを化学的に還元して触媒金属混合体を得る第4の工程とを経ることを特徴とする。
請求項2の発明は、上記固体高分子形燃料電池用触媒混合体の製造方法において、第1の工程と第2の工程の噴霧乾燥温度が100℃以上、200℃以下であることを特徴とする。
請求項3の発明は、固体高分子形燃料電池において、請求項1または2記載の製造方法で得られた固体高分子形燃料電池用触媒混合体を含む電極を用いることを特徴とする。
本発明の固体高分子形燃料電池用触媒混合体の製造方法によれば、カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂を被覆する工程を繰り返しおこなうことによって、カーボン粒子表面の陽イオン交換樹脂の分布を薄く均一にすることができるため、得られた触媒混合体を含む固体高分子形燃料電池用電極のプロトン伝導度が著しく向上し、その結果、この電極を備えるPEFCの初期性能が飛躍的に向上するものである。
本発明の固体高分子形燃料電池用触媒混合体の製造方法は、つぎ4つの工程を経るところに特徴がある。
第1の工程では、カーボンと陽イオン交換樹脂溶液との混合物を噴霧乾燥で造粒することにより、カーボンと陽イオン交換樹脂との混合物Xを得る。この工程において、カーボンと陽イオン交換樹脂溶液との混合は、減圧雰囲気下でおこなうことが好ましく、この混合物に超音波を照射することが好ましい。
第2の工程では、前記混合物Xと陽イオン交換樹脂溶液との混合物を噴霧乾燥して、カーボンと陽イオン交換樹脂との混合物Yを得る。この工程においても、混合物Xと陽イオン交換樹脂溶液との混合は、減圧雰囲気下でおこなうことが好ましく、この混合物に超音波を照射することが好ましい。
第3の工程では、前記混合物Y中の陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属元素の陽イオンを吸着させる。第4の工程では、前記触媒金属元素の陽イオンを化学的に還元して触媒金属混合体を得る。
本発明においては、カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂を被覆する工程を、第1の工程と第2の工程で繰り返しおこなうことによって、カーボン粒子表面の陽イオン交換樹脂の分布を薄く均一にすることができる。
第1の工程および第2の工程において、減圧混合と超音波照射を行う理由は、減圧により陽イオン交換樹脂溶液がカーボンの微細孔へ浸透すること、また、超音波照射により陽イオン交換樹脂溶液中での陽イオン交換樹脂の分散性が向上することとで、カーボン粒子表面の陽イオン交換樹脂の分布を薄く均一にすることができるためである。
また、第1の工程と第2の工程の噴霧乾燥温度は、陽イオン交換樹脂溶液に含まれる溶媒を充分に揮発させるため100℃以上とすることが好ましく、陽イオン交換樹脂の熱による収縮および分解の抑制のため200℃以下とすることが好ましい。
本発明においては、第2の工程で用いる陽イオン交換樹脂溶液の濃度や、第3の工程で用いるカーボンと陽イオン交換樹脂との混合比にもよるが、第2の工程を2回以上繰り返すことによって、カーボン粒子表面の陽イオン交換樹脂の分布をより均一にすることができる。
本発明の製造方法によって得られた触媒混合体に含まれる触媒金属は、カーボンの表面と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に主に担持されていることが必須である。カーボンの表面と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面は、電子とプロトンとの授受を同時におこなうことのできる場所であるので、この接面に担持された触媒金属は、電極反応に効率的に関与する。したがって、その接面に担持された触媒金属の割合を高めることによって、触媒金属の使用量を低減できる。
本発明の固体高分子形燃料電池用触媒混合体において、「触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路と炭素材料の表面との接面に主として備えられている」とは、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属量が全触媒金属担持量の50質量%以上であることを意味する。すなわち、全触媒金属担持量の50質量%以上が、電極反応に対して活性な触媒金属であるため、触媒金属の利用率が著しく高くなる。
なお、本発明においては、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に接するカーボン粒子表面に担持された触媒金属量の全触媒金属担持量に対する割合は高いほど好ましく、特に80質量%を超えていることが好ましい。このようにして、プロトン伝導経路とカーボン粒子との接触面に触媒金属を高率で担持させることによって、電極の高活性化がはかられる。
本発明の触媒混合体では、触媒金属が炭素質材料と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に主に担持されている。このことは、この触媒混合体を備えた燃料電池の高電流密度領域における質量活性と、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路と疎水性骨格との体積比とからわかる(M.Kohmoto et.al.,GS Yuasa Technical Report,1,48(2004))。この質量活性とは、ある電圧における電流密度を、単位面積あたりの触媒金属担持量で除したものである。
陽イオン交換樹脂には、プロトン伝導性を示せばどのようなものでも良いが、化学的に安定で耐試薬特性に優れたパーフルオロカーボンスルフォン酸系のものが好ましい。
カーボンには、とくに限定されるものではないが、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラックを用いることができる。
カーボンには、触媒金属の陽イオンを含む化合物の還元に対して高い活性を示すものが好ましく、例えば、デンカブラック、バルカンXC−72、ケッチェンブラックEC、ブラックパール2000等のカーボンブラックが好ましい。
触媒金属元素の陽イオンには、酸素の還元反応に対して高い活性を示す白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、オスニウムなどの白金族金属のものが好ましい。
吸着した陽イオンの還元には、水素ガス、水素を含むガスまたはヒドラジンを含む不活性ガスによって気相還元する方法がある。ここで、水素を含むガスには、水素ガスと窒素、ヘリウムまたはアルゴンなどの不活性ガスとの混合ガスがある。
さらに、得られた触媒混合体と撥水性樹脂をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶媒に分散させたのちに、その分散物をスプレーまたはアプリケータにより基材上に塗布することによって、その触媒混合体を備える電極を製作することができる。
NMP等の溶媒に触媒とともに分散させる撥水性樹脂は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が高撥水性であるので好ましい。
さらに、この電極に空孔を形成することによって、カソードの酸素還元反応によって生成する水を円滑に排出することができる。その空孔の形成は、例えば、触媒および撥水性樹脂をNMP等の溶媒に分散させたのちに、その分散液に造孔剤を加える方法によっておこなうことができる。その造孔剤は限定されるものではなく、炭酸カルシウム、ニッケル粉末および塩化ナトリウム等がある。
以下、本発明を好適な実施例を用いて説明する。
[実施例1および比較例1]
[実施例1]
第1の工程では、陽イオン交換樹脂溶液(Nafion、5質量%溶液、Aldrich Chemical社製)80gとイソプロパノール(ナカライテスク社製)36.8gとカーボン(Vulcan XC−72、Cabot社製)12gとを真空ミキサーを用いて回転速度4000rpm.、攪拌時間10分、400Torrの減圧雰囲気の条件で混合し、その混合物を噴霧乾燥機を用いて乾燥温度120℃の条件で造粒することによって、カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂を備えた混合物Xを作製した。混合物Xにおいては、カーボンと陽イオン交換樹脂との質量割合は6:2であった。
つづいて、第2の工程では、混合物X8gと陽イオン交換樹脂溶液(Nafion5質量%溶液、Aldrich Chemical社製)40gとイソプロパノール(ナカライテスク社製)18.4gとを真空ミキサーを用いて、回転速度4000rpm.、攪拌時間10分、400Torrの減圧雰囲気の条件で混合し、その混合物を噴霧乾燥機を用いて乾燥温度120℃の条件で造粒することによって、カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂を備えた混合物Yを作製した。得られた混合物Yにおいては、カーボンと陽イオン交換樹脂の質量割合は3:2であった。
つぎに、第3の工程では、混合物Y12gを0.05mol/lの濃度の[Pt(NH]Cl水溶液230ml中に24時間浸漬し、陽イオン交換樹脂に[Pt(NH2+イオンを吸着させた後、精製水で充分洗浄・乾燥し、第4の工程では、水素雰囲気中で6時間還元することによって、実施例1の固体高分子形燃料電池用触媒混合体Aを製作した。
さらに、触媒混合体A3gとN−メチル−2−ピロリドン(三菱化学)27gとFEP分散液(FEP120−J、55質量%溶液、DuPont社製)1.08gと炭酸カルシウム(NS#200、日東粉化工業)2.37gとを混合したのちに、この混合ペーストを金属シート上に塗布・乾燥することによって、カソードの電極をそのシート上に成形した。そのFEP添加割合は、電極中のカーボンの質量に対して30質量%であり、電極の白金担持量は0.06mg/cmであった。
このカソード用の電極と、0.6mg/cmの触媒担持量の白金―ルテニウム担持カーボン(Pt:19.6質量%、Ru:15.2質量%、TEC61V33、田中貴金属工業社製)を備えるアノード用の電極とを、固体高分子膜(Nafion115、DuPont社製)の両側に10MPa、130℃の条件で接合することによって、膜/電極接合体(MEA)を製作し、このMEAを80℃、0.5mol/lの硝酸水溶液に浸漬することによって、カソード用の電極に含まれる炭酸カルシウムを溶出させたのちに、カーボンペーパーを両方の電極の外側に接合した。
最後に、このMEAの電極部分の外側にガス流路の確保のためにガスフロープレートを配置したのちに、これらをステンレス製のエンドプレートにより12.7MPaの圧力で圧迫して、実施例1の単セルAを製作した。
[比較例1]
陽イオン交換樹脂溶液(Nafion、5質量%溶液、Aldrich Chemical社製)80gとイソプロパノール(ナカライテスク社製)36.8gとカーボン(Vulcan XC−72、Cabot社製)6gとを真空ミキサーを用いて回転速度4000 rpm.、攪拌時間10分、400Torrの減圧雰囲気の条件で混合し、その混合物を噴霧乾燥機を用いて乾燥温度120℃の条件で造粒することによって、カーボン粒子表面に陽イオン交換樹脂を備える混合物を作製した。この混合物における、カーボンと陽イオン交換樹脂との質量割合は3:2であった。
つぎに、この混合物12gを用い、実施例1と同様にして、比較例1の固体高分子形燃料電池用触媒混合体Bを製作した。さらに、この触媒混合体3gを用い、実施例1と同様にして、カソード用電極を成形した。このカソード用電極を用いて、実施例1と同様にして、比較例1の単セルBを製作した。
実施例1の単セルAおよび比較例1の単セルBの電流−電圧特性を測定した。測定条件は、燃料に水素(ガス利用率80%)、酸化剤に空気(ガス利用率40%)を用いて、セル温度70℃の条件でおこなった。測定結果を図1に示す。図1において、記号○は実施例1の単セルAの、記号△は比較例1の単セルBの、電流−電圧特性を示す。
図1から、単セルAの特性は単セルBの場合と比較して優れていることがわかる。このことは、カーボンに陽イオン交換樹脂を被覆する工程を繰り返しおこなうことによって、その樹脂のカーボンへの被覆が均一におこなわれる結果、固体高分子形燃料電池用触媒混合体のプロトン伝導度が高くなることに起因するものと推定される。
[実施例2〜6]
[実施例2]
第1の工程の噴霧乾燥温度および第2の工程の噴霧乾燥温度が共に80℃であることを除いては、実施例1の場合と同様の方法によって、本発明による実施例2の燃料電池用触媒混合体Cおよび単セルCを製作した。
[実施例3]
第1の工程の噴霧乾燥温度および第2の工程の噴霧乾燥温度が共に100℃であることを除いては、実施例1の場合と同様の方法によって、本発明による実施例3の燃料電池用触媒混合体Dおよび単セルDを製作した。
[実施例4]
第1の工程の噴霧乾燥温度および第2の工程の噴霧乾燥温度が共に150℃であることを除いては、実施例1の場合と同様の方法によって、本発明による実施例4の燃料電池用触媒混合体Eおよび単セルEを製作した。
[実施例5]
第1の工程の噴霧乾燥温度および第2の工程の噴霧乾燥温度が共に200℃であることを除いては、実施例1の場合と同様の方法によって、本発明による実施例5の燃料電池用触媒混合体Fおよび単セルFを製作した。
[実施例6]
第1の工程の噴霧乾燥温度および第2の工程の噴霧乾燥温度が共に230℃であることを除いては、実施例1の場合と同様の方法によって、本発明による実施例6の燃料電池用触媒混合体Gおよび単セルGを製作した。
第1の工程および第2の工程の噴霧乾燥温度が単セルの分極特性におよぼす影響を調査するために、単セルAおよび単セルC〜Gの0.7Vにおける電流密度の値を測定した。測定条件は、燃料に水素(ガス利用率80%)、酸化剤に空気(ガス利用率40%)を用いて、セル温度70℃の条件でおこなった。この測定から得られた噴霧乾燥温度と単セルの電流密度の値との関係を図2に示す。
図2から、これらの単セルの0.7Vにおける電流密度の値は、噴霧乾燥温度が80℃以上になると増加したが、その理由は混合物中の溶媒が充分に揮発したので、微細な粒子が形成したことに起因すると推定される。
単セルの0.7Vにおける電流密度の値は、噴霧乾燥温度が100〜150℃の範囲ではほぼ一定になり、150〜200℃の範囲ではやや低下し、200℃を超えると減少することがわかった。200℃を超えた場合の電流密度の値の減少は、陽イオン交換樹脂の熱による分解によって、電極のプロトン伝導度が低下したことによるものと考えられる。
これらのことから、単セルの出力は、第1の工程および第2の工程の噴霧乾燥温度が100℃以上、200℃以下の範囲の場合に、高い値となることが明らかになった。
[実施例7〜12]
[実施例7]
第1の工程の噴霧乾燥温度を100℃とし、第2の工程の噴霧乾燥温度を200℃としたことを除いては、実施例1の場合と同様の方法によって、本発明による実施例7の燃料電池用触媒混合体Hおよび単セルHを製作した。
[実施例8]
第1の工程の噴霧乾燥温度を200℃とし、第2の工程の噴霧乾燥温度を100℃としたことを除いては、実施例1の場合と同様の方法によって、本発明による実施例8の燃料電池用触媒混合体Iおよび単セルIを製作した。
[実施例9]
第1の工程の噴霧乾燥温度を80℃とし、第2の工程の噴霧乾燥温度を120℃としたことを除いては、実施例1の場合と同様の方法によって、本発明による実施例9の燃料電池用触媒混合体Jおよび単セルJを製作した。
[実施例10]
第1の工程の噴霧乾燥温度を120℃とし、第2の工程の噴霧乾燥温度を80℃としたことを除いては、実施例1の場合と同様の方法によって、本発明による実施例10の燃料電池用触媒混合体Kおよび単セルKを製作した。
[実施例11]
第1の工程の噴霧乾燥温度を150℃とし、第2の工程の噴霧乾燥温度を230℃としたことを除いては、実施例1の場合と同様の方法によって、本発明による実施例11の燃料電池用触媒混合体Lおよび単セルLを製作した。
[実施例12]
第1の工程の噴霧乾燥温度を230℃とし、第2の工程の噴霧乾燥温度を150℃としたことを除いては、実施例1の場合と同様の方法によって、本発明による実施例12の燃料電池用触媒混合体Mおよび単セルMを製作した。
第1の工程および第2の工程の噴霧乾燥温度が単セルの分極特性におよぼす影響を調査するために、単セルH〜Mの0.7Vにおける電流密度の値を測定した。測定条件は、燃料に水素(ガス利用率80%)、酸化剤に空気(ガス利用率40%)を用いて、セル温度70℃の条件でおこなった。測定結果を表1にまとめた。なお、表1には比較のため、実施例1の単セルAの結果も示した。
Figure 2006344441
表1から、第1の工程の噴霧乾燥温度と第2の工程の噴霧乾燥温度が共に100℃以上、200℃以下の範囲とした場合(単セルA、H、I)に、第1の工程の噴霧乾燥温度と第2の工程の噴霧乾燥温度のいずれか一方が100℃以下、200℃以上の場合(単セルJ、K、L、M)に比べて、単セルの出力はより高い値となることが明らかになった。
したがって、本発明においては、第1の工程の噴霧乾燥温度と第2の工程の噴霧乾燥温度が共に100℃以上、200℃以下の範囲とすることが好ましいことがわかった。
単セルAおよびBの電流−電圧特性を示す図。 作動電圧0.7Vにおける単セルAおよびC〜Gの、噴霧乾燥温度と電流密度の値との関係を示す図。

Claims (3)

  1. カーボンと陽イオン交換樹脂溶液との混合物を噴霧乾燥して、カーボンと陽イオン交換樹脂との混合物Xを得る第1の工程と、前記混合物Xと陽イオン交換樹脂溶液との混合物を噴霧乾燥して、カーボンと陽イオン交換樹脂との混合物Yを得る第2の工程と、前記混合物Y中の陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属元素の陽イオンを吸着させる第3の工程と、前記触媒金属元素の陽イオンを化学的に還元して触媒金属混合体を得る第4の工程とを経ることを特徴とする固体高分子形燃料電池用触媒混合体の製造方法。
  2. 第1の工程と第2の工程の噴霧乾燥温度が100℃以上、200℃以下であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子形燃料電池用触媒混合体の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の製造方法で得られた固体高分子形燃料電池用触媒混合体を含む電極を用いることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010047125A1 (ja) * 2008-10-23 2010-04-29 電源開発株式会社 燃料電池用電極層の形成材料、燃料電池用膜電極接合体、燃料電池、燃料電池用電極層の形成材料の製造方法、燃料電池用電極層の製造方法
JP2013020816A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Jx Nippon Oil & Energy Corp 膜電極接合体およびその製造方法、ならびに燃料電池

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