JP2006342943A - 流体輸送用チューブ - Google Patents
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Abstract
閉塞しにくい断面形状を有する、耐屈曲性に優れる流体輸送用チューブを提供することである。
【解決手段】
中立軸がチューブ断面の高さの中間点より上方に位置する、断面形状であることを特徴とする流体輸送用チューブである。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、断面弓形の扁平閉管 形状を有する流体輸送部材と、固定部材とからなり、給排水時の水圧により膨脹して流体流路を形成する給排水ホ−スが開示されている。この流体輸送部材がエラストマ−と繊維補強層とからなり、固定部材がスチ−ルコ−ド補強層を弓形断面形状のエラストマ−滑り止めセグメントの両側に配置したサンドイッチ構造体からなるものであって、流体輸送部材および固定部材の外周面に繊維補強エラストマ−外層が一体的に接合、被覆されているものであるが、チューブを曲げた場合閉塞し易いものであった。
また、耐屈曲性を向上するためには、柔軟性の高い材料を用いることも求められるが、この観点からの改良も未だ十分になされていないのが実情である。
かかる要求特性を満足するための素材としては、これまで塩化ビニル樹脂系やシリコーン樹脂系などが用いられてきたが、これらは、いずれもなんらかの欠点を有しており、必ずしも充分に満足し得るものではない。例えば、塩化ビニル樹脂系チューブでは、可塑剤がブリードする問題があり、また耐久性が低いという問題があった。また、シリコーン樹脂系のチューブは、耐久性や耐薬品性等の性能は優れているものの、機械的強度(特に引き裂き強度)が低く、また価格が高いという問題があった。
しかしながら、これらは、機械的強度、柔軟性に優れるが、耐水蒸気透過性及び耐ガス透過性については、必ずしも十分ではないという問題があった。
一方、ゴムホースの耐ガス透過性を向上させる方法として、例えば(1)ゴムホース内面にナイロン膜をコーティングする方法(例えば、特許文献2参照)、(2)ナイロン製の内管にゴムを被せてホースを形成する方法(例えば、特許文献3参照)などが開示されている。
しかしながら、これらの方法は、いずれも耐ガス透過性が十分ではなく、特に(1)の方法ではゴムホースを連続的に製造することは困難であるなどの問題があった。
また、ゴムホースではないが、プラスチックフィルムの耐ガス透過性を向上させるため、オルガノシランのコーティング膜をガスバリア膜として利用する方法(例えば、特許文献4及び5参照)が知られている。
しかしながら、この方法は、オルガノシランコーティング膜をガスバリア膜として、大きな変形を伴うチューブ、ホース用途などに応用することは困難であった。
しかしながら、この多層化やナノコンポジット化の手法を、例えば、前述のポリスチレン系熱可塑性エラストマー基材に適用する場合、該熱可塑性エラストマーが有する柔軟性が損なわれてしまうこと、樹脂コーティングでは、塗布しようとする樹脂が、該熱可塑性エラストマー基材表面に定着しにくいことが判明した。
以上述べたように、チューブの断面形状の改良により耐屈曲性を向上することと共に、チューブの断面形状と用いる材料との双方の改良により、耐ガス透過性及び耐湿性等を改善しつつ、耐屈曲性を更に向上することが求められている。
すなわち、本発明は、
(1) 中立軸がチューブ断面の高さの中間点より上方に位置する、断面形状であることを特徴とする流体輸送用チューブ。
(2) 熱可塑性エラストマー又はそれを含む組成物からなる上記(1)に記載の流体輸送用チューブ。
(3) 熱可塑性エラストマー又はそれを含む組成物からなる高分子成形体の表面に改質処理を行い、該表面に金属蒸着フィルムを貼着した高分子複合体よりなる上記(1)に記載の流体輸送用チューブ。
(4) 表面改質処理がコロナ放電処理である上記(3)に記載の流体輸送用チューブ。
(5) 熱可塑性エラストマーを含む組成物が、熱可塑性エラストマー100質量部に対して、ポリオレフィン樹脂0.1〜50質量部を配合した組成物である上記(2)〜(4)のいずれかに記載の流体輸送用チューブ。
(6) 熱可塑性エラストマーが、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーである上記(2)〜(5)のいずれかに記載の流体輸送用チューブ。
(7) ポリスチレン系熱可塑性エラストマーが、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)及びスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)からなる群から選ばれる少なくとも一種である上記(6)に記載の流体輸送用チューブ。
(8) 熱可塑性エラストマーの硬度が、JIS−A規格で80度以下である上記(2)〜(7)のいずれかに記載の流体輸送用チューブ。
(9) 金属蒸着フィルムがアルミニウム蒸着フィルム又はアルミニウム合金蒸着フィルムである上記(3)〜(8)のいずれかに記載の流体輸送用チューブ。
を提供するものである。
なお、この中立軸を上方(上壁側)とすることは、例えば、チューブの側壁部分を下壁へ向かうにつれて内側方向に傾斜させることで達成され、このチューブの断面形状としては、上壁長さより下壁長さの小さい台形、下に凸な半円形、逆三角形等が挙げられる。本発明の流体輸送用チューブには上壁部分が存在することが好ましいが、その上壁部分は直線状又は非直線状、例えば曲線状、のいずれの形状であってもよく、逆三角形のように下壁部分は存在しなくてもよい。
本発明において、これらの熱可塑性エラストマーは、一種を単独で用いてもよいし、また二種以上を組み合わせて使用してもよいが、物性及び加工性のバランスなどの点から、特にポリスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
芳香族ビニル系重合体ブロックを形成する芳香族ビニル系化合物の例としては、スチレン;α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−シクロヘキシルスチレン等の核アルキル置換スチレン;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、2−メチル−4−クロロスチレン等の核ハロゲン化スチレン;1−ビニルナフタレン等のビニルナフタレン誘導体;インデン誘導体;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
これらの中で、スチレン、α−メチルスチレン、及びp−メチルスチレンが好ましく、特にスチレンが好適である。
これらの芳香族ビニル化合物は、一種を単独で用いてもよいし、また二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中で、機械的強度、耐ガス透過性、耐熱安定性、耐候性、耐薬品性、柔軟性、加工性などの点から、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、及びスチレン−エチレン/プロピレン−ブロック共重合体(SEPS)が好ましい。これらのスチレン系エラストマーにおけるスチレンブロックの含有量は、10〜70質量%であることが好ましく、さらには20〜40質量%の範囲が好ましい。
また、上記熱可塑性エラストマーの重量平均分子量については特に制限はないが、耐ガス透過性、機械的特性、及び成形性などの面から、40,000〜120,000の範囲であることが好ましく、さらには60,000〜100,000の範囲が好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、プロピレンと他の少量のα−オレフィンとの共重合体(例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリブテン−1などを挙げることができる。ポリオレフィン樹脂としてアイソタクティックポリプロピレン又はその共重合体を用いる場合、そのMFR(JIS K7210)が0.1〜50g/10分、特に0.5〜30g/10分の範囲のものが好適に使用できる。
なお、エラストマー組成物中に含まれる熱可塑性エラストマーは、一種単独で、また二種以上を組み合わせて使用することができる。
ここで使用するポリスチレン樹脂の数平均分子量は、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜200,000の範囲から選択でき、分子量分布は5以下のものが好ましい。
ポリスチレン樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン単位含有量60質量%以上のスチレン−ブタジエンブロック共重合体、ゴム補強ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリp−t−ブチルスチレンなどが挙げられ、これらは一種または二種以上を併用してもよい。
更に、これらポリマーを構成するモノマーの混合物を重合して得られる共重合体も用いることができる。
また、上記ポリオレフィン樹脂とポリスチレン樹脂とを併用することもできる。
例えば、エラストマー組成物にこれらの樹脂を添加する場合、ポリオレフィン樹脂単独を添加する場合に比較してポリスチレン樹脂を併用すると、得られる成形体の硬度が高くなる傾向にある。
従って、これらの配合比率を選択することにより、得られる成形体の硬度を調整することもできる。
この場合、ポリオレフィン樹脂/ポリスチレン樹脂の比率は95/5〜5/95(質量比)の範囲から選択することが好ましい。
樹脂成分の配合量が100質量部以下であると、得られる成形体の硬度が高くなり過ぎることがなく好ましい。
このような性状を有する軟化剤としては、例えば、鉱物油系,合成系などの各種ゴム用又は樹脂用軟化剤の中から適宜選択することができる。
ここで、鉱物油系としては、ナフテン系、パラフィン系などのプロセス油が挙げられ、なかでも、非芳香族系オイル、特に鉱物油系のパラフィン系オイル、ナフテン系オイル又は合成系のポリイソブチレン系オイルから選択される一種又は二種以上であって、その数平均分子量が450〜5,000であるものが好ましい。
なお、これらの軟化剤は一種を単独で用いてもよく、互いの相溶性が良好であれば二種以上を混合して用いてもよい。
軟化剤の配合量は、特に制限はないが、熱可塑性エラストマー100質量部に対し、通常1〜1000質量部、好ましくは1〜500質量部の範囲で選ばれる。
配合量が、1質量部以上であると低硬度化することができ、チューブ等の成形体とした場合に十分な柔軟性が得られる。一方、1,000質量部以下であると軟化剤のブリードが抑えられ、また、成形体の十分な機械的強度が得られる。
なお、この軟化剤の配合量は、熱可塑性エラストマーの分子量及び該熱可塑性エラストマーに添加される他の成分の種類に応じて、上記範囲で適宜選定することができる。
ポリフェニレンエーテル樹脂としては、公知のものを用いることができ、具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)などが挙げられ、又、2,6−ジメチルフェノールと1価のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体の如きポリフェニレンエーテル共重合体も用いることができる。
なかでも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)や2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、更に、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
ポリフェニレンエーテル樹脂の配合量は、熱可塑性エラストマー100質量部に対して10〜250質量部の範囲で好適に選択することができる。
この配合量が250質量部以下であると得られる成形体の硬度が高くなりすぎず適度のものとなり、10質量部以上であると得られる成形体の圧縮永久歪みの改善効果が十分となる。
また、中空フィラー、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーンなどの無機中空フィラー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体などからなる有機中空フィラーを配合することにより、軽量化を図ることができる。
更に、軽量化などの各種物性の改善のために、各種発泡剤を混入することも可能であり、また、混合時等に機械的に気体を混ぜ込むことも可能である。
該シリコーンポリマーは、取扱い性を良くするために、汎用の熱可塑性ポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどに高濃度で配合されたものを用いることができる。
特に、ポリプロピレンとの配合品が作業性、物性ともに良好である。
このような材料は、例えば、東レダウコーニングシリコーン(株)より市販されている、シリコーンコンセントレートBY27シリーズ汎用タイプとして容易に入手できるものを使用してもよい。
例えば、上記の各成分及び所望により用いられる添加剤成分を加熱混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、プラベンダー、ニーダー、高剪断型ミキサーなどを用いて溶融混練し、更に、所望により有機パーオキサイドなどの架橋剤、架橋助剤などを添加したり、又はこれらの必要な成分を同時に混合し、加熱溶融混練することにより、容易に製造することができる。
また、高分子有機材料と軟化剤とを混練した熱可塑性材料を予め用意し、この材料を、ここに用いたものと同種か若しくは種類の異なる一種以上の高分子有機材料に更に混ぜ合わせて製造することもできる。
更に、当該エラストマー組成物においては、有機パーオキサイドなどの架橋剤、架橋助剤などを添加して架橋することも可能である。
前記高分子成形体に施される表面改質処理としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、熱風処理、火炎処理、オゾン−紫外線照射処理、クロム酸処理や溶剤処理(湿式)、さらにはプライマー処理などが挙げられるが、操作性及び効果などの面から、コロナ放電処理及びプラズマ処理が好ましく、特にコロナ放電処理が好ましい。これらの表面改質処理によって、該表面に設けられる金属蒸着フィルムとの密着性が向上する。
この場合、低温プラズマ処理は、0.133Pa(1mTorr)以上、好ましくは1.33〜133.3Pa(10〜1000mTorr)の圧力、周波数100kHz〜10GHz、好ましくは 200kHz〜100MHzで電力が0.01〜100W/cm2、好ましくは0.05〜5W/cm2の高周波電力、プラズマ照射時間1秒〜10分間、好ましくは3秒〜5分間の条件で行うことができる。
また、雰囲気ガスとしてはアルゴン、酸素、窒素、空気、ヘリウム、CF4などが好ましい。
アルミニウム等を蒸着させる基材フィルムとしては特に限定されないが、熱可塑性樹脂フィルム等が一般に用いられる。該熱可塑性樹脂フィルムとしては、従来使用される公知のフィルム材料を用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体などが挙げられる。なお、ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
基材フィルムの厚さとしては、用途に応じて適宜選択されるが、通常10nm〜100μmの範囲である。
また、チューブ状の高分子成形体に金属蒸着フィルムを貼る場合には、チューブの外側でも、また内側にも貼ることができるが、作業工程を考慮すると外側に貼ることが容易であり好ましい。
さらに、厚さ0.5mmのシートを用いて測定した水蒸気透過度〔JIS Z0208;40℃、90%RH)が、通常、2.0g/m2・24hr以下であり、水蒸気に対するバリア性にも優れている。該水蒸気透過度は、好ましくは1.5g/m2・24hr以下、より好ましくは1.2g/m2・24hr以下、更に好ましくは1.0g/m2・24hrである。
また、本発明の流体輸送用チューブの中空部の断面積は、用途により適宜選択されるが、通常0.01〜40mm2程度、好ましくは0.5〜15mm2である。そして、その肉厚は、中空部の断面積にもよるが、通常0.1〜2mm程度、好ましくは0.5〜1.5mmである。
(評価方法)
(1)金属蒸着フィルムの剥離性:樹脂層と金属蒸着フィルムがほぼ180度となる角度で、手で引っ張った際の挙動にて評価した。評価は以下の基準で行った。
○ ; 金属蒸着フィルムが剥離しなかった
× ; 金属蒸着フィルムがほとんど力を加えることなく剥離した
(2)耐湿性:JIS Z0208に準じ、厚さ0.5mmのシートについて40℃、90%RHの条件で測定した。
(3)耐ガス透過性:JIS K7126 A法(差圧法)40℃に準じ、厚さ0.5mmのシートについて測定した。
(4)耐屈曲性:蒸着フィルムを貼ったチューブ(長さ30cm)を繰り返し屈曲させた際の挙動にて評価した。評価は以下の基準で行った。
◎ ; チューブの閉塞がなく、金属蒸着フィルムが剥離しなかった。
○ ; 一部にチューブの閉塞がみられ、金属蒸着フィルムの一部がわずかに剥離した。
× ; チューブの閉塞が広範囲に発生し、金属蒸着フィルムが広範囲に剥離した。
スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体〔SIBS:重量平均分子量Mw=約70,000、スチレンブロック含有量30質量%〕を用い、金型温度80℃、樹脂温度170℃の製造条件にて射出成形し、厚さ0.5mmのシートを作製した。このシート表面を、大気圧下の空気中で、周波数50kHz、電力2W/cm2、処理速度1m/分の条件でコロナ放電処理を行った。
次に、表面改質処理したシートの表面に、アルミニウム蒸着フィルム((株)クラレ社製「エバールフィルムVM−XL」、厚さ12μm)を約200℃で熱ロール機を用いて熱圧着し、高分子複合体を製造した。得られた高分子複合体について、上記評価方法に基づき金属蒸着フィルムの剥離性、耐湿性及び耐ガス透過性を実施した。結果を第1表に示す。
SIBSに代えて、スチレン−エチレン/プロピレン−ブロック共重合体〔SEPS:重量平均分子量Mw=約70,000、スチレンブロック含有量30質量%〕を用いたこと以外は、製造例1と同様にして高分子複合体を製造した。得られた高分子複合体について、上記評価方法に基づき金属蒸着フィルムの剥離性、耐湿性及び耐ガス透過性を実施した。結果を第1表に示す。
SIBSに代えて、SIBSとポリプロピレン(日本ポリオレフィン(株)製「ノバテックBC05B」)を9:1(質量比)の割合で混合したエラストマー組成物を用いたこと以外は、製造例1と同様にして高分子複合体を製造した。得られた高分子複合体について、上記評価方法に基づき金属蒸着フィルムの剥離性、耐湿性及び耐ガス透過性を実施した。結果を第1表に示す。
製造例1において、コロナ放電処理を行わなかったこと以外は、製造例1と同様にして高分子複合体を製造した。得られた高分子複合体について、上記評価方法に基づき金属蒸着フィルムの剥離性、耐湿性及び耐ガス透過性を実施した。結果を第1表に示す。
製造例2において、コロナ放電処理を行わなかったこと以外は、製造例2と同様にして高分子複合体を製造した。得られた高分子複合体について、上記評価方法に基づき金属蒸着フィルムの剥離性、耐湿性及び耐ガス透過性を実施した。結果を第1表に示す。
製造例3において、コロナ放電処理を行わなかったこと以外は、製造例3と同様にして高分子複合体を製造した。得られた高分子複合体について、上記評価方法に基づき金属蒸着フィルムの剥離性、耐湿性及び耐ガス透過性を実施した。結果を第1表に示す。
表2に示す形状番号1〜7の長さ30cmチューブを製造例1の高分子複合体を用いて実施例1〜4及び比較例1〜3のチューブを作製した。同様にして、形状番号1〜7の形状にて、製造例2の高分子複合体を用いて実施例5〜8及び比較例4〜6のチューブを、製造例3の高分子複合体を用いて実施例9〜12及び比較例7〜9のチューブを、製造例4の高分子複合体を用いて実施例13〜16及び比較例10〜12のチューブを、製造例5の高分子複合体を用いて実施例17〜20及び比較例13〜15のチューブを、製造例6の高分子複合体を用いて実施例21〜24及び比較例16〜18のチューブを、それぞれ作製した。いずれのチューブも単位長さ当りの質量を等量になるように調製した。
なお、形状番号1〜7のチューブのサイズ(中空部の断面積mm2×平均肉厚mmで表す)は、それぞれ、1:1.5×1.2、 2:2.0×1.2、 3:2.0×1.5、 4:2.0×1.5、 5:2.0×1.2、 6:2.0×1.5、 7:2.5×1.2であった。
2 断面の高さの中間点
3 中立軸
4 重心
Claims (9)
- 中立軸がチューブ断面の高さの中間点より上方に位置する、断面形状であることを特徴とする流体輸送用チューブ。
- 熱可塑性エラストマー又はそれを含む組成物からなる請求項1に記載の流体輸送用チューブ。
- 熱可塑性エラストマー又はそれを含む組成物からなる高分子成形体の表面に改質処理を行い、該表面に金属蒸着フィルムを貼着した高分子複合体よりなる請求項1に記載の流体輸送用チューブ。
- 表面改質処理がコロナ放電処理である請求項3に記載の流体輸送用チューブ。
- 熱可塑性エラストマーを含む組成物が、熱可塑性エラストマー100質量部に対して、ポリオレフィン樹脂0.1〜50質量部を配合した組成物である請求項2〜4のいずれか1項に記載の流体輸送用チューブ。
- 熱可塑性エラストマーが、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーである請求項2〜5のいずれか1項に記載の流体輸送用チューブ。
- ポリスチレン系熱可塑性エラストマーが、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)及びスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項6に記載の流体輸送用チューブ。
- 熱可塑性エラストマーの硬度が、JIS−A規格で80度以下である請求項2〜7のいずれか1項に記載の流体輸送用チューブ。
- 金属蒸着フィルムがアルミニウム蒸着フィルム又はアルミニウム合金蒸着フィルムである請求項3〜8のいずれか1項に記載の流体輸送用チューブ。
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