JP2006341682A - キャブ構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 作業機械のキャブ10内に設けられた座席後方に配置される収容コンテナ1aと、キャブ10に対し収容コンテナ1aを滑動自在に支持してキャブ10から外方へ引き出し可能とするスライドレール2とを備える。
【選択図】 図1
Description
例えば、特許文献1には、キャブ中央部に座席(運転席)を搭載し、座席の両側方に表示装置(コンソールパネル)がある操作装置(可倒式操作レバー)を配置するとともに、座席後部に空調ユニット(エアコンユニット)を配置したキャブ構成が開示されている。このように、着座状態の乗員の視界を妨げないように座席の周囲に他の装置を配置することによって、乗員は座席に着座した状態で表示装置を確認し、操作装置を操作して、作業機械の周囲を確認しながら作業を行うことができる。
このため、座席の後方には、リクライニングができるよう所定の空間が設けられている。そして、座席後方の空間のうち、リクライニングの範囲に入らない下方の空間については、所謂デッドスペースとなっているため、このスペースの有効利用が望まれている。
本発明は、これらのような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成で、キャブ内座席後方のデッドスペースをより有効に利用できるようにしたキャブ構造を提供することを目的とする。
この場合、該収容コンテナの滑動方向は、該キャブの形状や配置に応じて定められるものであり、該作業機械の機体左右方向にしてもよいし、機体前後方向にしてもよい。あるいは、機体上下方向にすることも考えられる。
なお、該空調ユニットの内部に設けられた熱交換器(蒸発器・放熱器)を該キャブの外部に設けられた凝縮器(コンデンサ)又は熱源と接続して温度媒体を流通させる温度媒体流路と、該温度媒体流路上に介装されて該温度媒体の流通を遮断し且つ該温度媒体流路を分割する管継手とを備えることが好ましく(請求項3)、この場合、該管継手は、該温度媒体流路上における該空調ユニットとの接続端部付近に介装されることが好ましい(請求項4)。
また、該キャブの外装をなすパネルを開閉自在に支持する開閉機構を備えることが好ましく(請求項6)、さらに、該開閉機構は、該キャブ側面のセンターピラー又はリアピラーに対し、該センターピラー及び該リアピラー間の該パネルを開閉自在に支持するヒンジ機構であって、該スライドレールは、該収容コンテナを該作業機械の機体左右方向へ滑動自在に支持することが好ましい(請求項7)。
また、本発明のキャブ構造(請求項2)によれば、スライドレールにより空調ユニットのキャブ内への取り付け・取り外しを容易にでき、空調ユニットのメンテナンス性を向上できる。また、空調ユニットを機体外部方向へ引き出すことによって、空調ユニットの略全面にアクセスできるようになるため、空調ユニット自体の内部レイアウトを自由に設計できる。
また、本発明のキャブ構造(請求項4)によれば、管継手の着脱がより容易となる。また、空調ユニットの滑動による、分割した温度媒体流路の引き摺りを防止できる。
また、本発明のキャブ構造(請求項7)によれば、側面パネルがセンターピラー及びリアピラーに固定された一般的なキャブ構造において、ヒンジ機構の適用が極めて容易である。また、側面パネルの全体を開閉自在にできるため、収容コンテナの外部への引き出しがより容易となる。
図1〜図4は本発明の一実施形態としてのキャブ構造を示すもので、図1は本キャブ構造が適用されたキャブの斜視図、図2は本キャブの内部を透視した側面図、図3は本キャブに設けられた空調ユニットの温度媒体流路に介装された管継手の構成を示す断面図であり、(a)は管継手の接続時を示し、(b)は管継手の分断時を示すものであり、図4は本キャブを備えた作業機械の斜視図である。なお、図2は、キャブの左側面の外装板を仮に取り外した状態で示されている。
図4に示すように、本発明が適用された作業機械20は、無限軌道の走行装置(クローラ)を有する下部走行体21と、下部走行体21の上部に旋回可能に載架された上部旋回体22とで構成される。上部旋回体22における機体前方(図4中における左下方向)部分には、掘削や揚重等の各種作業を行うための作業装置23及び本発明の実施形態にかかるキャブ構造が適用されたキャブ10が備えられる。なお、上部旋回体22の機体後方部分には、作業機械の駆動源であるエンジンが設置されたエンジンルームや、機体の重量バランスをとるためのカウンタウェイトが設けられる。
まず、図1,図2に示すように、キャブ10の機体前方側には、機体左右方向に対をなしたフロントピラー11が斜め後方上部へやや傾斜するように設けられる。また、キャブ10の機体後方側には左右一対のリアピラー13が設けられるとともに、キャブ10の左側方においてフロントピラー11とリアピラー13との略中間位置にはセンターピラー12が設けられる。キャブ10の天井パネル17は、これらの一対のフロントピラー11,センターピラー12及び一対のリアピラー13によって支持される。
空調ユニット1は、箱形の収容コンテナ1aの内部に収容された、キャブ10内の温度を調節する冷暖房制御ユニットである。なお、この空調ユニット1は、図2に示す通り、キャブ10の側面視において、センターピラー12とリアピラー13との間に、且つ、座席14よりも後方下部(キャブ10室内における最後端下方)に位置している。つまり、レフトパネル9は、空調ユニット1の左側方に位置して、キャブ10の外装をなしている。
図2にその端面形状を示すように、このスライドレール2は、収容コンテナ1aの機体前方面(前面)及び機体後方面(後面)の各外面において水平方向に延設するように凸形成されたレール本体2aと、キャブ10のフロアパネル15に固設された部材に凹設されたレールガイド2bとから構成されており、レールガイド2aはレール本体2aに滑合する形状をなす。
また、冷媒流路7a及び熱媒流路7bのそれぞれの温度媒体流路7上には、空調ユニット1との接続端部付近、すなわち、空調ユニット1の下面にカプラ(管継手)8が介装されている。このカプラ8は、温度媒体(すなわち、冷媒や熱媒)の流通を遮断して温度媒体流路7を分断,着脱するための継手であり、図3(a),(b)に示すような一般的な管継手構造を備えている。
以上のような構成により、本実施形態にかかるキャブ構造によれば、以下のような作用・効果を奏する。
まず、キャブ10のレフトパネル9は、リアピラー13に対してヒンジ9aを介して取り付けられているため、キャブ10外側方向へ力を与えると、図1に示すように、レフトパネル9が矢印B方向へ回転する。つまり、センターピラー12よりも後方において、リアピラー13側を回動軸としてレフトパネル9を開閉させることができる。
また、空調ユニット1と冷媒流路7a及び熱媒流路7bとの接続端部付近には、カプラ8が接続されている。このため、空調ユニット1を引き出す際に、冷媒,熱媒を漏出させることなく冷媒流路7a及び熱媒流路7bを容易に分断することができ、空調ユニット1の引き出し作業をより簡単に行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、カプラ8が温度媒体流路7上における空調ユニット1との接続端部付近、すなわち、空調ユニット1の下面に介装されているため、カプラ8の着脱が必要なときに、容易に着脱できる。さらに、カプラ8の配設位置が空調ユニット1の下面であるため、温度媒体流路7を分断した際に、分断された温度媒体流路7のうちの空調ユニット1側の長さはごく僅かである。したがって、空調ユニット1の引き出し時における温度媒体流路7の引き摺りを防止できる。
このように、本発明のキャブ構造によれば、簡素な構成で、キャブ内の座席後方のデッドスペースをより有効に利用できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、図5に本発明の第1変形例を示す。ここでは、上述の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
空調ユニット1は、コンプレッサ3,コンデンサ(凝縮器)4,レシーバタンク5,熱源6及び熱交換器を内蔵して、収容コンテナ1aに一体収容されている。つまり、空調ユニット1には、冷媒流路7aや熱媒流路7bが接続されておらず、この空調ユニット1だけで熱交換を行ってキャブ10内の冷房,暖房を賄うことができるようになっている。また、収容コンテナ1aには、上述の実施形態と同様に、スライドレール2が取り付けられている。
なお、上述の実施形態及びその変形例では、収容コンテナ1a内に空調ユニット1を収容したものを示したが、空調ユニット1を取り外し、空いたスペースを乗員用の小物や工具類の収納箱として利用してもよい。このような構成においても、収容箱をキャブ10外部へ引き出すことが可能であり、従来デッドスペースとして利便性に乏しいとされていた座席後方の空間を有効に利用できるようになる。
また、上述の実施形態では、カプラ8が空調ユニット1の下面に配設されたものを示したが、配設位置はこれに限定されない。つまり、温度媒体流路7が空調ユニット1の側面や後面に接続された場合には、カプラ8を空調ユニット1の側面や後面に配設できる。
また、収容コンテナ1aの滑動方向をキャブ10の形状や上部旋回体22上のレイアウトに応じて決めてもよい。つまり、収容コンテナ1aがキャブ10の外方へ引き出される方向であればよく、これを機体前後方向に設定すれば、キャブ10後面から空調ユニット1を引き出すことができる。また、機体上下方向へ設定すれば、キャブ10の天井面側や床下側への引き出しが可能である。
また、上述の実施形態では、レフトパネル9は、センターピラー12とリアピラー13との間の壁面をなし、ヒンジ9を介してレフトパネル9全体がリアピラー13側を回動軸として開閉するようになっているが、収容コンテナ1aの側方部分のパネルのみが開閉するような構成としてもよい。
なお、側面パネルを開閉するための開閉機構については、キャブ10における収容コンテナ1aの側方に設けられた側面パネルを開閉自在に支持する機構であればどのようなものであってもよく、上述の実施形態に例示されたようなヒンジ機構であってもよいし、或いは、側面パネルをキャブ10側面に沿うようにスライドさせて開閉する所謂スライド機構であってもよい。
1a 収容コンテナ
2 スライドレール
2a レール本体
2b レールガイド
3 コンプレッサ(圧縮機)
4 コンデンサ(凝縮器)
5 レシーバタンク(受液器)
6 熱源
7 温度媒体流路
7a 冷媒流路
7b 熱媒流路
8 カプラ(管継手)
8a プラグ
8b ソケット
8c バルブ
8d スプリング
9 側面パネル(パネル)
9a ヒンジ(ヒンジ機構,開閉機構)
9b 開口部
9c 開口パネル
10 キャブ
11 フロントピラー
12 センターピラー
13 リアピラー
14 座席
15 フロアパネル
16 ドア
17 天井パネル
20 作業機械
21 下部走行体
22 上部旋回体
23 作業装置
Claims (7)
- 作業機械のキャブ内に設けられた座席後方に配置される収容コンテナと、
該キャブに対し該収容コンテナを滑動自在に支持して該キャブから外方へ引き出し可能とするスライドレールと
を備えたことを特徴とする、キャブ構造。 - 該収容コンテナは、該キャブ内の温度を調節する空調ユニットを収容する
ことを特徴とする、請求項1記載のキャブ構造。 - 該空調ユニットの内部に設けられた熱交換器を該キャブの外部に設けられた凝縮器又は熱源と接続して温度媒体を流通させる温度媒体流路と、
該温度媒体流路上に介装されて該温度媒体の流通を遮断し且つ該温度媒体流路を分割する管継手と
を備えたことを特徴とする、請求項2記載のキャブ構造。 - 該管継手は、該温度媒体流路上における該空調ユニットとの接続端部付近に介装される
ことを特徴とする、請求項3記載のキャブ構造。 - 該空調ユニットは、凝縮器又は熱源、及び、熱交換器を内蔵して該収容コンテナに一体収容される
ことを特徴とする、請求項2記載のキャブ構造。 - 該キャブの外装をなすパネルを開閉自在に支持する開閉機構
を備えたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャブ構造。 - 該開閉機構は、該キャブの側面のセンターピラー又はリアピラーに対し、該センターピラー及び該リアピラー間の該パネルを開閉自在に支持するヒンジ機構であり、
該スライドレールは、該収容コンテナを該作業機械の機体左右方向へ滑動自在に支持する
ことを特徴とする、請求項6記載のキャブ構造。
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