JP2006341506A - ノズルプレートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズルプレートのインク吐出面、特にそのノズル穴近傍に、ノズル穴の開口縁部に正確に沿ったパターンで精度よく一様に撥水膜(撥インク膜)を形成可能とし、また、撥水膜を、高い耐久性を有するものとする。
【解決手段】ノズルプレート基材1のインク吐出面10上には、中間膜としてのチタン膜4が形成され、このチタン膜4上に、フッ素系塗布型撥水剤5から撥水膜が形成されている。
【選択図】図1B
【解決手段】ノズルプレート基材1のインク吐出面10上には、中間膜としてのチタン膜4が形成され、このチタン膜4上に、フッ素系塗布型撥水剤5から撥水膜が形成されている。
【選択図】図1B
Description
本発明は、インク滴を飛翔させ被記録媒体に対して画像形成を行うインクジェット記録装置、特に、インクを吐出するためのノズル穴が形成されたノズルプレートに関する。
インクジェット記録装置は、一般に、インクに圧力を加える圧力発生器を有し、インクが、加えられた圧力によってノズル穴から飛翔させられる。圧力発生器としては、PZT等の圧力発生部材と金属板、セラミックとの積層体によって構成されたものや、インクなどの液体に熱エネルギーを与える発熱素子を有し、発熱素子によって液体を発泡させて圧力を得る構成のものが知られている。また、インクジェット記録装置としては、複数のノズル穴にそれぞれ対応した圧力発生器が備えられ、各圧力発生器の駆動素子に所望のタイミングで電圧を印加することによって、選択的にインクを吐出させるオンデマンド方式のものが知られている。近年、このようなインクジェット記録装置を用いることにより、被記録媒体に対して高速にかつ高精度、高精細な画像形成ができるようになってきており、この装置は、民生用のプリンターやファクシミリ、捺染、産業用途にいたるまで幅広く利用されるようになってきた。
このようなインクジェット記録装置のヘッドには、従来、金属母材、樹脂母材に対して、ポンチプレスや、エキシマレーザーによるアブレーション等によってノズル穴を形成したノズルプレートを用いることが知られている。このようなノズルプレートにおいては、インク吐出面となる側にインクが付着していると、インクの吐出方向に悪影響が生じるなどの理由から、インク吐出面に撥水性(撥インク性)を付与することが知られている。撥水性の付与は、塗布またはめっき処理により撥水膜を形成することによって行われてきた。
このような加工法として、特許文献1には、シリコン系撥水剤、フッ素系撥水剤を塗布する手法が開示されている。また、特許文献2には、ノズルプレート基材表面に対してフッ素系高分子撥水膜をめっき処理によって形成する手法が開示されている。さらにまた、特許文献3には、ノズルプレートとなる導電体基材の液流路面およびノズル穴内壁面に絶縁層を形成し、その後、電界めっき法によって、導電体基材表面の、絶縁膜の形成されていないインク吐出面のみに選択的に撥水膜を形成する手法が開示されている。
特開昭55−65564号公報
特開平4−294145号公報
特開2000−318163号公報
近年、インクジェット技術の進歩に伴って、インクジェット記録装置に対しては、さらなる高耐久化の要求が高まってきている。ノズルプレートについては、インク吐出をスムーズに行うため、特にノズル穴周辺の形状を欠陥無く形成することに加え、撥水膜についても正確にパターニングするとともに、その耐久性も向上させることが重要となってきている。
特に、近年のインクジェット記録装置には、インク吐出性能を良好に維持・回復するために、インク吐出面に当接させた部材によってワイピング(クリーニング)する機構が組み込まれるのが一般的である。撥水膜には、このようなワイピング作業(クリーニング作業)が数千回から数万回に亘って行われても、撥水性能を維持することができる高い耐久性を有することが望まれるようになってきている。このため、従来のシリコン系撥水剤やフッ素系撥水剤を塗布形成した撥水膜に対してはさらなる耐久性向上の方策が求められている。
また、特許文献3には、絶縁層を熱酸化、CVD、スパッタ、陽極酸化法によって形成することが開示されている。しかし、熱酸化や陽極酸化では、特に、インク吐出面のノズル穴近傍の領域に、多少の酸化膜が形成されるのを回避するのは困難である。また、スパッタ、CVDによって絶縁層を形成する場合、特許文献3の手法では、ノズル穴部分の下層に樹脂層が設けられており、この樹脂層からのガス発生が起こるため、ノズルプレートの、ノズル穴近傍にダメージが生じるのを避けるのは困難である。これらのことから、特許文献3の手法では、インク吐出面のノズル穴近傍において撥水膜が形成されない領域が生じたり、均一に形成されなかったりして、近年、ノズルプレートに対して求められている高い精度要求を満足するのが困難となることが考えられる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ノズルプレートのインク吐出面、特にそのノズル穴近傍に、ノズル穴の開口縁部に正確に沿ったパターンで精度よく一様に撥水膜(撥インク膜)を形成可能とし、また、撥水膜を、特にワイピングなどに対して高い耐久性を有するものとすることにある。
上述の目的を達成するため、本発明のノズルプレートは、インクに飛翔エネルギーを付与するための素子と、インクを吐出させるためのノズル穴を有するインクジェットヘッドに備えられ、ノズル穴が形成されたノズルプレートにおいて、ノズル穴からインクが吐出されるインク吐出面上に、中間膜と、中間膜上に形成された撥水膜を有することを特徴とする。
本発明によれば、インク吐出面に中間膜を形成し、この中間膜上に撥水膜を形成することによって、基材の汚れ、インク耐久膜などのインク吐出面側への回り込み、及びその欠陥によって、撥水膜の成膜に悪影響が生じるのを抑制することができる。それによって、ノズル穴の開口縁部に正確に沿ったパターンで精度よく一様に撥水膜(撥インク膜)を形成可能とし、また、撥水膜を、特にワイピングなどに対して高い耐久性を有するものとすることができる。
以下、本発明の実施の形態として、本発明のノズルプレートについて実施例を用いて具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例の詳細によって限定されるものではない。
また、以下の実施例に記載するノズルプレートは、インクジェット記録装置のインクジェットヘッドにおいて、インクを吐出するためのノズル穴の形成部を構成するものである。これらのノズルプレートを適用するインクジェットヘッドの構成は特に限定されず、一般的な構成を有するものであってよい。すなわち、インクジェットヘッドは、ノズルプレートの複数のノズル穴に対応して、インクに付与する飛翔エネルギーを発生する複数の素子や、各ノズル穴へインクを充填するためのインク流路などのインク供給部を有している。そして、各素子を駆動することによって、対応するノズル穴からインクが吐出され、インクが吐出されたノズル穴には、インク供給部からインクが再充填される。インクジェットヘッドは、このようなインク吐出工程を繰り返すことによって、所望の画像形成を行うのに利用可能である。
(実施例1)
図1A,1Bは、本発明の実施例1を説明するための模式図であり、図1Aは本実施例のノズルプレートの基材の平面図、図1Bはノズルプレートの断面図である。
図1A,1Bは、本発明の実施例1を説明するための模式図であり、図1Aは本実施例のノズルプレートの基材の平面図、図1Bはノズルプレートの断面図である。
図1Aに示すように、ノルズプレート基材1は、列状に並んで形成された複数のノズル穴2を有している。ノズルプレート基材1の、インク吐出面10とは反対側、すなわち、通常、インクジェットヘッド内に充填されたインクと接触した状態となるインク接触面11、特に、少なくともノズル穴2の内面には、インクによる腐食に対して耐性を有するインク耐久膜として、タンタル膜3が形成されている。タンタル膜3は、ノズル穴2の内面からインク吐出面10の、ノズル穴2の開口の周囲にまで少し回り込んで形成されていてよい。ノズルプレート基材1のインク吐出面10側には、撥水膜の下地となる中間膜として、チタン膜4が形成されている。そして、このチタン膜4上に、フッ素系塗布型撥水剤5から撥水膜が形成されている。したがって、インク吐出面10の、ノズル穴2の開口の近傍では、ノズルプレート1側からタンタル膜3、チタン膜4、撥水膜の順に膜が積層されている。
次に、本実施例のノズルプレートの製造工程について具体的に説明する。
(ノズル穴加工)
ノズルプレート基材1は、厚みt=0.08mmのニッケル圧延材料((株)ニラコ製)であり、硬度はビッカース硬度Hv=275である。このノズルプレート基材1に対し、主軸加工速度2mm/min.でポンチプレス加工を行い、ノズル径0.032mmのすり鉢状のノズル穴2を100穴形成する。
ノズルプレート基材1は、厚みt=0.08mmのニッケル圧延材料((株)ニラコ製)であり、硬度はビッカース硬度Hv=275である。このノズルプレート基材1に対し、主軸加工速度2mm/min.でポンチプレス加工を行い、ノズル径0.032mmのすり鉢状のノズル穴2を100穴形成する。
(インク耐久膜形成)
次に、ノズル穴2を形成したノズルプレート基材1に対して、インク耐久膜としてのタンタル膜3をスパッタによって形成する。このために、成膜用治具にノズルプレート基材1を固定し、インク吐出面10の裏面側から真空成膜装置(装置:ILC1051(アネルバ(株)製))によってスパッタ処理を行う。キャリアガスにはアルゴンを用い、成膜前にプレスパッタ処理を投入電力600Wで15秒間行う。その後、投入電力3KW、成膜圧力10mTorr、加熱温度100℃の条件で30秒間成膜を行う。この処理によって、インク接触面11、特に、少なくともノズル穴2内面に欠陥なくタンタル膜3が形成される。また、この際、ノズルプレート基材1の、インク吐出面10側の、ノズル穴2の開口の近傍において、タンタル膜3の回り込みが0.10から0.20μm確認された。
次に、ノズル穴2を形成したノズルプレート基材1に対して、インク耐久膜としてのタンタル膜3をスパッタによって形成する。このために、成膜用治具にノズルプレート基材1を固定し、インク吐出面10の裏面側から真空成膜装置(装置:ILC1051(アネルバ(株)製))によってスパッタ処理を行う。キャリアガスにはアルゴンを用い、成膜前にプレスパッタ処理を投入電力600Wで15秒間行う。その後、投入電力3KW、成膜圧力10mTorr、加熱温度100℃の条件で30秒間成膜を行う。この処理によって、インク接触面11、特に、少なくともノズル穴2内面に欠陥なくタンタル膜3が形成される。また、この際、ノズルプレート基材1の、インク吐出面10側の、ノズル穴2の開口の近傍において、タンタル膜3の回り込みが0.10から0.20μm確認された。
(中間膜形成)
次に、インク耐久膜としてのタンタル膜3を形成したノズルプレート基材1を、インク吐出面10側を成膜面側として治具に固定し、中間膜としてのチタン膜4をスパッタによって形成する。キャリアガスにはアルゴンを用い、成膜前にプレスパッタ処理を投入電力100Wで5分間行う。その後、投入電力300W、成膜圧力3mTorr、基材加熱無しの条件で8分間成膜を行う。この処理によって0.06μmのチタン膜3の形成が確認された。
次に、インク耐久膜としてのタンタル膜3を形成したノズルプレート基材1を、インク吐出面10側を成膜面側として治具に固定し、中間膜としてのチタン膜4をスパッタによって形成する。キャリアガスにはアルゴンを用い、成膜前にプレスパッタ処理を投入電力100Wで5分間行う。その後、投入電力300W、成膜圧力3mTorr、基材加熱無しの条件で8分間成膜を行う。この処理によって0.06μmのチタン膜3の形成が確認された。
(撥水膜形成)
撥水膜は、フッ素系塗布型撥水剤5(商品名:HIREC450(NTTアドバンストテクノロジー(株)製))を用い、これをスプレー塗布して形成する。撥水膜形成後、水滴を滴下し、このノズルプレートのインク吐出面10における接触角を測定したところ、静的接触角で120°〜131°という接触角を確認した。
撥水膜は、フッ素系塗布型撥水剤5(商品名:HIREC450(NTTアドバンストテクノロジー(株)製))を用い、これをスプレー塗布して形成する。撥水膜形成後、水滴を滴下し、このノズルプレートのインク吐出面10における接触角を測定したところ、静的接触角で120°〜131°という接触角を確認した。
以上説明した本実施例によれば、チタン膜4を形成することによって、基材の汚れ、インク耐久膜などのインク吐出面側への回り込み、及びその欠陥の影響によって、撥水膜に成膜不良が生じるのを低減することができる。このことは、撥水膜を形成するにあたって、エッチングや電解法によってノズルプレートのインク吐出面側を清浄化、活性化する処理を行う従来技術では、困難なものであった。そして、撥水膜を成膜不良なく形成可能とすることによって、撥水膜をノズル穴2の開口縁部に正確に沿ったパターンで精度よく一様に形成することが可能となる。そのため、本実施例のノズルプレートは、特に、インク吐出面10のノズル穴2近傍において、良好な撥水性を有し、インク吐出を阻害する、インク吐出面へのインク付着を良好に抑制できる高い撥水性能を有するものとすることができる。また、撥水膜の耐久性も向上する。したがって、本実施例のノズルプレート1を備えるインクジェットヘッドは、長期に渡って安定なインク飛翔性を維持することができる。
(実施例2)
次に、図2を参照して実施例2について説明する。図2は、本実施例のノズルプレートの断面図であり、同図において、実施例1と同様の部分については同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
次に、図2を参照して実施例2について説明する。図2は、本実施例のノズルプレートの断面図であり、同図において、実施例1と同様の部分については同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
本実施例では、インク耐久膜としてSiN膜6が形成されている点が、実施例1と異なっている。SiN膜6の形成は、真空成膜装置(装置:ILC1051 (アネルバ(株)製))において、RF電源パワー0.5KW、周波数100Hz、窒素ガス分圧8mTorrの条件での30分の製膜によって行う。本実施例のノズルプレートの製造方法は、SiN膜6の形成を除いては、実施例1と同様であってよい。
本実施例において、SiN膜6は絶縁膜であるために、ノズルプレート基材1を保護する役割が高い。本実施例の構成では、pH4.6の、腐食性の高いインクを用いて一年以上の耐久試験を行った結果、Ni下地の溶出がないことが確認された。
なお、インク耐久膜としては、SiN膜6に限らず、少なくとも貴金属、誘電体、または絶縁体のいずれかを含むものとすることができる。それによって、腐食性の高い塩化物イオンを含むインク、ノズルプレート基材1に対する溶出性の高いインク、もしくは、標準電極電位が高い金属イオンを含むインクを使用する場合でも、ノズルプレート基材1の溶出を抑制することができる。その結果、特に上記のようなインクを用いる場合であっても、長期に渡って安定なインク飛翔性を維持することが可能なインクジェットヘッドを提供することができる。
(実施例3)
次に、図3を参照して実施例3について説明する。図3は、本実施例のノズルプレートの断面図であり、同図において、実施例1と同様の部分については同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
次に、図3を参照して実施例3について説明する。図3は、本実施例のノズルプレートの断面図であり、同図において、実施例1と同様の部分については同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
本実施例では、撥水膜として、撥水性およびワイピングなどの外力に対する耐久性が特に高いニッケル‐フッ素化合物複合共析めっき層、特に、無電解ニッケルーテフロン複合共析めっき層8が形成されている。中間膜としては、このニッケル‐フッ素化合物複合共析めっき層との間の界面整合性が良好なニッケル膜7が形成されている。
次に、本実施例のノズルプレートの製造工程について説明するが、ノズル穴加工、インク耐久膜形成については、実施例1と同様に行うことができるので、説明を省略する。
(中間膜形成)
インク耐久膜としてのタンタル膜3を形成したノズルプレート基材1を、インク吐出面10側を成膜面側として治具に固定し、中間膜としてのニッケル膜7をスパッタによって形成する。キャリアガスにはアルゴンを用い、成膜前にプレスパッタ処理を投入電力100Wで5分間行う。その後、投入電力300W、成膜圧力3mTorr、基材加熱無しの条件で9分間成膜を行う。この処理によって0.05μmのニッケル膜の形成が確認された。
インク耐久膜としてのタンタル膜3を形成したノズルプレート基材1を、インク吐出面10側を成膜面側として治具に固定し、中間膜としてのニッケル膜7をスパッタによって形成する。キャリアガスにはアルゴンを用い、成膜前にプレスパッタ処理を投入電力100Wで5分間行う。その後、投入電力300W、成膜圧力3mTorr、基材加熱無しの条件で9分間成膜を行う。この処理によって0.05μmのニッケル膜の形成が確認された。
(撥水膜形成)
インク耐久膜、中間膜を形成したノズルプレート基材1に対して、無電解ニッケル‐テフロン複合共析めっき層8を形成しノズルプレート表面に撥水性能を付与する。形成は、図4に示すように、ノズルプレート基材1を無電解ニッケルーテフロン複合共析めっき浴槽9(商品名:ニムフロンFUL 上村工業(株)製)中において、pH4.7-4.7、浴温80℃の条件での22分のめっき処理によって行う。これにより、1.1〜1.3μmの撥水性膜の形成が確認された。この際、中間膜がニッケル膜7であるため、無電解ニッケル‐テフロン複合共析めっき層8と中間膜の間の界面整合性が良く、膜密着性が良好である。なお、中間膜はニッケル膜7に限られず、ニッケルを主成分とする金属膜とすれば、同様の作用が得られる。形成された撥水膜に水滴を滴下して接触角を測定した結果、静的接触角で122°〜128°という接触角を確認した。
インク耐久膜、中間膜を形成したノズルプレート基材1に対して、無電解ニッケル‐テフロン複合共析めっき層8を形成しノズルプレート表面に撥水性能を付与する。形成は、図4に示すように、ノズルプレート基材1を無電解ニッケルーテフロン複合共析めっき浴槽9(商品名:ニムフロンFUL 上村工業(株)製)中において、pH4.7-4.7、浴温80℃の条件での22分のめっき処理によって行う。これにより、1.1〜1.3μmの撥水性膜の形成が確認された。この際、中間膜がニッケル膜7であるため、無電解ニッケル‐テフロン複合共析めっき層8と中間膜の間の界面整合性が良く、膜密着性が良好である。なお、中間膜はニッケル膜7に限られず、ニッケルを主成分とする金属膜とすれば、同様の作用が得られる。形成された撥水膜に水滴を滴下して接触角を測定した結果、静的接触角で122°〜128°という接触角を確認した。
本実施例では、外力に対する耐久性が高いニッケル‐フッ素化合物複合共析めっき層を撥水膜として用いることに加えて、それとの界面整合性が良好なニッケルを主成分とする中間膜を用いることによって、撥水膜を外力による剥がれに対して特に強いものとすることができる。それによって、特に、多数回にわたるワイピング作業(クリーニング作業)に対しても撥水膜の剥がれを抑制することができる。したがって、本実施例のノズルプレートを用いることによって、インク吐出面が長期に亘って高い撥水性を維持し、その結果、長期に亘って安定なインク飛翔性を維持することができるインクジェットヘッドを提供することができる。
2 ノズル穴
4 チタン膜(中間膜)
5 フッ素系塗布型撥水剤(撥水膜の構成要素)
10 インク吐出面
4 チタン膜(中間膜)
5 フッ素系塗布型撥水剤(撥水膜の構成要素)
10 インク吐出面
Claims (7)
- インクに飛翔エネルギーを付与するための素子と、該インクを吐出させるためのノズル穴を有するインクジェットヘッドに備えられ、前記ノズル穴が形成されたノズルプレートにおいて、
前記ノズル穴から前記インクが吐出されるインク吐出面上に、中間膜と、該中間膜上に形成された撥水膜を有することを特徴とするノズルプレート。 - 少なくとも前記ノズル穴の内面にインク耐久膜が形成されており、該インク耐久膜は、前記インク吐出面の、前記ノズル穴の開口の周囲にまで形成されており、前記中間膜は、前記インク吐出面の、前記ノズル穴の開口の周囲で前記インク耐久膜上に形成されている、請求項1に記載のノズルプレート。
- 前記インク耐久膜は、少なくとも貴金属、誘電体、または絶縁体のいずれかを含んでいる、請求項2に記載のノズルプレート。
- 前記撥水膜は、ニッケル‐フッ素化合物複合共析めっき層から構成され、前記中間膜はニッケルを主成分とする金属膜から構成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のノズルプレート。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載のノズルプレートを備えるインクジェットヘッド。
- インクに飛翔エネルギーを付与するための素子と、該インクを吐出させるためのノズル穴を有するインクジェットヘッドに備えられ、前記ノズル穴が形成されたノズルプレートの製造方法において、
前記ノズル穴から前記インクが吐出されるインク吐出面上に、真空成膜法によって中間膜を形成する工程と、
前記中間膜上に撥水膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする、ノズルプレートの製造方法。 - 少なくとも前記ノズル穴の内面にインク耐久膜を形成する工程をさらに有し、該インク耐久膜を形成した後、前記中間膜を形成する、請求項6に記載の、ノズルプレートの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005169743A JP2006341506A (ja) | 2005-06-09 | 2005-06-09 | ノズルプレートおよびその製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009202401A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Canon Inc | 液体吐出ヘッドおよびその製造方法 |
JP2009220471A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Ricoh Co Ltd | 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 |
US8152984B2 (en) | 2007-06-12 | 2012-04-10 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing nozzle plate |
WO2024034219A1 (ja) * | 2022-08-12 | 2024-02-15 | コニカミノルタ株式会社 | ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート、インクジェットヘッドの製造方法、インクジェットヘッド、および画像形成装置 |
-
2005
- 2005-06-09 JP JP2005169743A patent/JP2006341506A/ja active Pending
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