JP2006341447A - 記録装置及び記録装置のデータ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 記録装置のメモリ容量の増大を防止すると共に、記録解像度よりも高解像度で記録位置を制御できるようにする。
【解決手段】 記録すべき画像データとして多値画像データを記憶するRAMに記憶された多値画像データを読み出す読み出しブロック602、読み出された多値画像データを2値データに展開する展開ブロック603、2値データを記録ヘッドに転送する転送ブロック604、2値データに従った記録ヘッドによる記録を許可する記録許可ブロック605の各処理の動作タイミングを、タイミング制御回路601によって、記録解像度の複数倍の解像度に対応したタイミング信号に基づいて制御する。
【選択図】 図6
【解決手段】 記録すべき画像データとして多値画像データを記憶するRAMに記憶された多値画像データを読み出す読み出しブロック602、読み出された多値画像データを2値データに展開する展開ブロック603、2値データを記録ヘッドに転送する転送ブロック604、2値データに従った記録ヘッドによる記録を許可する記録許可ブロック605の各処理の動作タイミングを、タイミング制御回路601によって、記録解像度の複数倍の解像度に対応したタイミング信号に基づいて制御する。
【選択図】 図6
Description
本発明は記録装置及び記録装置のデータ処理方法に関し、より詳細には、所定方向に配列された複数の記録素子を有する記録ヘッドを搭載したキャリッジを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置におけるデータの処理に関するものである。
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタが広く使用されている。
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と交差する方向に往復走査しながら記録を行うシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
シリアル型のインクジェットプリンタにおいて、ホストコンピュータから送られてきた画像データは、内部の記憶装置(メモリ)に格納され、その後、メモリに格納された画像データに基づいて記録データを生成し、この記録データに従って記録を行うタイミングは、キャリッジの移動に応じてエンコーダから発生されるトリガ信号に基づいて決定される(特許文献1)。そして、このように決定されたタイミングから記録解像度に応じて各ノズルに対するインクの吐出タイミングが決定され記録が行われる。
特開2003−145730号公報
従来より、記録解像度よりも高解像度の位置への記録は、エンコーダから出力された位置検出信号を所定時間だけ遅延させた信号を用いて行っていた。しかしながら、この方法ではキャリッジの速度変動を考慮することが不可能なため、高精度の記録が難しい。
ホストコンピュータから記録装置に送られ、メモリに格納されている画像データのフォーマットは、(1)記録ヘッドの解像度にあわせて、記録するか否かを指定する2値データ、又は(2)記録容量の少ない面積階調多値データ、のどちらかとすることが可能である。
ここで、上記(1)の2値データとすると、記録ヘッドの大型化と記録速度の高速化に伴って、画像データの量が飛躍的に増大するため、記録装置で必要なメモリの容量が大きくなってしまい、かつ高速に処理することが不可能となってしまう。
そこで、メモリの容量の増大を防ぐと共に処理の高速化を目指すべく、上記(2)の面積階調の多値データとする方法が提案されている。この場合、格納された面積階調の多値データについて、順次メモリから読み出す処理、2値化する処理、2値化された記録データを記録ヘッドへ転送する処理、記録制御処理、という複数の処理をパイプライン処理で行う事で、記録データの内部処理を高速化することが可能となる。
しかしながら、このパイプライン処理は、エンコーダから出力される信号を記録解像度に分割して作られた記録タイミングトリガに同期して行う必要があるため、記録解像度よりも高解像度で記録位置を制御することが難しい。
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、記録装置のメモリ容量の増大を防止すると共に、記録解像度よりも高解像度で記録位置を制御できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成する本発明の一態様としての記録装置は、所定方向に配列された複数の記録素子を有する記録ヘッドを搭載したキャリッジを、前記記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であって、
記録すべき画像データとして多値画像データを記憶する記憶手段と、
記憶された多値画像データを前記記憶手段から読み出す読み出し手段と、
読み出された多値画像データを2値データに展開する展開手段と、
前記2値データを前記記録ヘッドに転送する転送手段と、
前記2値データに従った前記記録ヘッドによる記録を許可する許可手段と、
記録解像度の複数倍の解像度に対応したタイミング信号を生成するタイミング信号生成手段と、
前記読み出し手段、前記展開手段、前記転送手段、及び前記許可手段の各動作のタイミングを、前記タイミング信号に基づいて制御するタイミング制御手段と、を備えている。
記録すべき画像データとして多値画像データを記憶する記憶手段と、
記憶された多値画像データを前記記憶手段から読み出す読み出し手段と、
読み出された多値画像データを2値データに展開する展開手段と、
前記2値データを前記記録ヘッドに転送する転送手段と、
前記2値データに従った前記記録ヘッドによる記録を許可する許可手段と、
記録解像度の複数倍の解像度に対応したタイミング信号を生成するタイミング信号生成手段と、
前記読み出し手段、前記展開手段、前記転送手段、及び前記許可手段の各動作のタイミングを、前記タイミング信号に基づいて制御するタイミング制御手段と、を備えている。
すなわち、本発明では、所定方向に配列された複数の記録素子を有する記録ヘッドを搭載したキャリッジを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置において、記録すべき画像データとして多値画像データを記憶し、記憶された多値画像データを読み出し、読み出された多値画像データを2値データに展開し、2値データを記録ヘッドに転送し、2値データに従った前記記録ヘッドによる記録を許可する各処理の動作タイミングを、記録解像度の複数倍の解像度に対応したタイミング信号に基づいて制御する。
このようにすると、記録ヘッドの解像度に対応した2値データをメモリに格納して記録制御する場合と比べて、必要なメモリ容量を大幅に低減できると共に内部処理の高速化が図れ、更に各手段の動作タイミングを記録解像度よりも高解像度で制御することが可能となる。
なお、タイミング制御手段は、読み出し手段、展開手段、転送手段、及び許可手段を、並列に動作させるように制御するのがよい。
タイミング制御手段は、タイミング信号で読み出し手段の動作タイミングを制御し、以降の各手段の動作タイミングは記録解像度に対応した信号で制御するのがよい。
ここで、記録解像度に対応した信号の周期は検出信号の周期の複数分の1であり、タイミング信号の周期は記録解像度に対応した信号の周期の複数分の1であると好適である。
キャリッジの走査方向における所定距離の移動に応じて検出信号を出力するエンコーダを更に備えているときには、タイミング信号生成手段は、検出信号の周期を複数に分割することによってタイミング信号を生成するのがよい。
この場合、エンコーダは、キャリッジの走査方向に沿って一定間隔でスリットが設けられたスケールと、該スリットの有無を検出する光学センサとを含む構成であっても良い。
記録ヘッドは、各記録素子からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであってもよく、より好適には、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、各記録素子がインクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えているのがよい。
また、上記目的を達成する本発明の別の態様としての記録装置のデータ処理方法は、所定方向に配列された複数の記録素子を有する記録ヘッドを搭載したキャリッジを、前記記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置のデータ処理方法であって、
記録すべき画像データとして多値画像データを記憶手段に記憶する記憶工程と、
記憶された多値画像データを前記記憶手段から読み出す読み出し工程と、
読み出された多値画像データを2値データに展開する展開工程と、
前記2値データを前記記録ヘッドに転送する転送工程と、
前記2値データに従った前記記録ヘッドによる記録を許可する許可工程と、
記録解像度の複数倍の解像度に対応したタイミング信号を生成するタイミング信号生成工程と、
前記読み出し工程、前記展開工程、前記転送工程、及び前記許可工程の各動作のタイミングを、前記タイミング信号に基づいて制御するタイミング制御工程と、を備えている。
記録すべき画像データとして多値画像データを記憶手段に記憶する記憶工程と、
記憶された多値画像データを前記記憶手段から読み出す読み出し工程と、
読み出された多値画像データを2値データに展開する展開工程と、
前記2値データを前記記録ヘッドに転送する転送工程と、
前記2値データに従った前記記録ヘッドによる記録を許可する許可工程と、
記録解像度の複数倍の解像度に対応したタイミング信号を生成するタイミング信号生成工程と、
前記読み出し工程、前記展開工程、前記転送工程、及び前記許可工程の各動作のタイミングを、前記タイミング信号に基づいて制御するタイミング制御工程と、を備えている。
更に、上記目的は上記の記録装置のデータ処理方法をコンピュータ装置によって実行させるコンピュータプログラム、該プログラムを記憶する記憶媒体によっても達成される。
本発明によれば、記録ヘッドの解像度に対応した2値データをメモリに格納して記録制御する場合と比べて、必要なメモリ容量を大幅に低減できると共に内部処理の高速化が図れ、更に各手段の動作タイミングを記録解像度よりも高解像度で制御することが可能となる。
以下に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット方式に従う記録ヘッドを用いた記録装置を例に挙げて説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」(「記録素子」と言う場合もある)とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
加えて、本明細書中において「解像度」とは、「分解能」と同様な意味で用いており、記録に関連する処理におけるデータ処理の制御可能な幅を記録媒体上での距離(ピッチ)で表したものである。
図1は、本発明に係る記録装置の実施形態としてのインクジェット記録装置の主要な部分の構成を示す分解斜視図である。
図1において、1は記録ヘッドIJHとインクタンクとが一体化された記録カートリッジ、2は記録カートリッジを搭載するキャリッジ、3はキャリッジ2を駆動するキャリッジモータ、4はキャリッジ2の電気接続端子と不図示のヘッド駆動制御回路を接続するフレキシブルケーブルである。5は紙送りギア、6は紙送りギア5を介して紙送りローラ7を駆動する紙送りモータである。8はリニアエンコーダ、9はキャリッジの位置検出を行う光学式エンコーダセンサであり、8、9によりキャリッジの位置を検出する光学式エンコーダを構成している。Pは記録用紙である。
図2は、本実施形態の記録装置に係る制御構成を示したブロック図である。図中、図1と同じ部分は同じ参照符号で示している。
11は記録装置に対して制御コマンドや制御データを送る、例えばPC等のホスト機器、12はそのホスト機器11から送信されたデータを受信するためのI/F回路、13は装置全体を制御するためのCPU、14は所要の作業領域を提供したり、ホスト機器11からインタフェース回路12を介して入力された制御データ等を一時格納したりするためのRAM、また、15のROMにはCPU13が動作するためのプログラムや、ヘッド駆動、モータ駆動等の制御テーブルがあらかじめ格納されている。16はキャリッジ位置検出素子であるエンコーダセンサ9の出力によりキャリッジの位置を検出し、後述するパイプライン処理のタイミングを制御する制御回路が内蔵されたパイプラインデータ処理回路である。17は記録ヘッドIJHやヘッドドライバ20を駆動するための駆動回路、18はキャリッジモータ3、及び紙送りモータ6を駆動するための駆動回路である。
図3は、光学式エンコーダセンサ9から出力され、パイプラインデータ処理回路16に入力されるエンコーダ相信号の波形の例を示す図である。エンコーダセンサ9からは、図示するようにエンコーダA相(a)、エンコーダB相(b)の2チャンネルのデジタル信号が出力され、各相信号の周期pを360°とすると、この2つの信号間にはdで示す90°の位相差がある。
しかし、この位相差90°はエンコーダの部品(個体差及び組み合わせ)によってばらつきがあり誤差が大きい。そこで、この光学式エンコーダセンサを用いたキャリッジの位置制御、速度制御には(a)で示すA相信号の立ち上がり又は立ち下がりの時にB相信号の状態(レベル)がハイレベルがローレベルかに基づいて生成するパルス信号を利用する。
図4は、(a)及び(b)の2つの相信号から生成される信号の例を示す図である。この図では、キャリッジが往方向(キャリッジのホームポジションから遠ざかる方向)に移動し、Rで示すタイミングで復方向(キャリッジのホームポジションに近づく方向)に反転した往復移動の間に生成される信号を示している。
往方向移動の間には、A相信号(a)の立ち上がり時にB相信号(b)がローレベルであれば、(d)の位置検出パルスが生成される。往方向移動しているときに、位置検出パルス出力後に、B相信号(b)の立ち上がりが連続して2回検出されたときに、キャリッジの移動方向が反転したと判断し、方向信号(c)のレベルがローレベル(往方向)からハイレベル(復方向)に切り替わる。そして、復方向移動の間には、A相信号(a)の立ち下がり時にB相信号(b)がローレベルであれば、(d)の位置検出パルスが生成される。
図5は、位置検出パルスに基づいて行われる処理及び生成されるタイミングトリガの例を示す図である。位置検出パルス(c)が出力されると、(d)で示す期間にキャリッジの位置情報の更新が行われ、エンコーダ相の周期が、例えばその間に出力されたクロック信号の数でカウントされる(e)。このカウントされた周期の一周期前のカウント値を複数に分割(図示した例では4分割)して格納された画像データの読み出しの基準となる高解像度のタイミングトリガ信号(f)を生成し、高解像度のタイミングトリガ(f)を利用して、複数倍(図示した例では2倍)の周期の記録解像度に相当する記録タイミングトリガ(g)を生成する。
図6は、図2に示したパイプラインデータ処理回路16の内部回路を詳細に示したブロック図である。パイプラインデータ処理回路16のタイミング制御回路601は、検出されたエンコーダ相信号を基に図5に示した高解像度のタイミングトリガ及び記録タイミングトリガを生成し、パイプライン処理を行う各ブロックに対してタイミングを指示する。タイミング制御回路601から指示されたタイミングに従って、画像データ読み出しブロック602は、メモリ(RAM)14から画像データを読み出し、画像データ展開ブロック603は、読み出された面積階調多値データである画像データを2値の画像データに展開し(変換し)、画像データ転送ブロック604は、展開された画像データを記録ヘッド駆動回路17へ転送し、記録許可ブロック605は、記録ヘッド駆動回路17へ転送された画像データの記録を行うための記録許可信号を出力する。
このように本実施形態のパイプラインデータ処理回路16では、RAM14に格納された面積階調の多値画像データの読み出しと後続する処理を並列して処理し、記録ヘッドによる記録タイミングを制御することで、メモリ(RAM)容量の増大を防ぎつつ、内部処理の高速化を図ることが可能となる。
図7及び図8は、タイミング制御回路601で生成されるトリガ信号と、パイプライン処理回路内の各ブロックの処理タイミングの例を示した図であり、図7は従来と同様に位置検出パルスに基づいた記録タイミングトリガを用いた場合、図8は本実施形態の高解像度タイミングトリガを用いた場合をそれぞれ示している。
この2つの図では、一例として、エンコーダ相信号から生成される位置検出パルスの解像度が150dpi、高解像度タイミングトリガの解像度が1200dpi、記録解像度に相当する記録タイミングトリガの解像度が600dpiである場合を示し、パイプライン処理のそれぞれの間隔を、記録タイミングトリガの周期と合わせている。なお、実際には、それぞれのトリガの解像度は位置検出パルスの解像度の任意の倍数、好ましくは偶数倍に設定できるものであり、処理の間隔は記録タイミングトリガの周期の整数分の1、好ましくは偶数分の1に設定できるものとする。なお、各処理の番号が同じものは、処理されるデータ群(ブロック)が同じであることを意味し、例えば、「読み出し1」、「データ展開1」、「データ転送1」及び「記録1」はいずれも同じデータ群に対する処理を表している。
図7に示す従来例においては、(a)の位置検出パルスに同期して(b)の記録タイミングトリガが生成される。そして、メモリからの読み出し処理(c)及び(d)〜(f)の後続する処理は、記録解像度に対応した記録タイミングトリガ(b)に同期したタイミングで行われる。この場合、記録解像度よりも小さな単位での位置制御並びに記録ヘッドの駆動制御は不可能である。すなわち、この方法では、位置検出パルス(a)に対する記録開始タイミングのずらし量は、記録タイミングトリガ(b)の解像度である600dpiの倍数に限定される。
これに対して本実施形態では、図8に示すように位置検出パルス(a)から記録解像度の複数倍の解像度を有する(周期が複数分の1)高解像度タイミングトリガ(b)を生成し、高解像度タイミングトリガ(b)に同期して、メモリからの読み出し処理(d)及び(e)〜(g)の後続する処理が開始される。そして、記録タイミングトリガ(c)はメモリからの読み出し処理(d)が開始されるタイミングに合わせて生成される。すなわち、メモリからの読み出し処理を、位置検出パルス(a)の複数倍の解像度を有する高解像度タイミングトリガ(b)に合わせて開始し、以後の処理は、この読み出し処理(d)の開始タイミングを基準に生成された記録タイミングトリガ(c)に同期させて行う。
このため本実施形態によれば、位置検出パルス(a)に対する記録開始タイミングのシフト量は、記録タイミングトリガ(c)の解像度である600dpiの倍数に限定されず、図8に示すように位置検出パルス(a)に対して1200dpi及びその倍数だけずらした位置で記録することが可能となる。
図9は、タイミング制御回路601で生成されるトリガ信号と、パイプライン処理回路内の各ブロックの処理タイミングを図8と同様に示した図である。図9で示す例では、(a)及び(b)の2つのエンコーダ相信号から生成される位置検出パルス(c)の解像度を150dpi、高解像度タイミングトリガ(d)の解像度を2400dpi、記録解像度に対応する記録タイミングトリガ(f)の解像度を600dpiとした場合の例である。図8の例と比較すると、高解像度タイミングトリガ(d)の解像度が倍の2400dpiとなっている。
パイプライン処理回路16内の各ブロックには、タイミング制御回路601からタイミング信号とブロックの動作を許可する許可フラグ信号とが送信されており、対応する許可フラグ信号がハイレベルの時にタイミング信号が入力されると各ブロックは動作を開始する。図9において、(e)は画像データ読み出しブロック602に対する許可フラグ信号、(g)は画像データ展開ブロック603に対する許可フラグ信号、(h)は画像データ転送ブロック604に対する許可フラグ信号、(i)は記録許可ブロック605に対する許可フラグ信号をそれぞれ表しており、その下に各ブロックで処理される画像データ群を示している。
図9からも分かるように、高解像度タイミングトリガ(d)の解像度を向上させることにより、位置検出パルス(c)に対する記録開始タイミングのシフト量を、より細かく制御することができる。本例では、2400dpi単位で3トリガ分だけシフトさせた位置から、解像度600dpiの記録を行うことが可能となる。
以上説明したように本実施形態によれば、記録ヘッドの解像度に対応した2値データをメモリに格納して記録制御する場合と比べて、必要なメモリ容量を大幅に低減できると共に内部処理の高速化が図れ、更に処理タイミングを記録解像度よりも高解像度で制御することが可能となる。
<他の実施形態>
以上、本発明をインクジェット記録装置に適用した実施形態を説明したが、本発明はインクジェット方式の記録装置に限定されず、ノズル及びエネルギー発生素子に対応する記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で移動させて記録を行う、いわゆるシリアル型の記録装置であれば、あらゆるタイプの記録装置に適用できる。
以上、本発明をインクジェット記録装置に適用した実施形態を説明したが、本発明はインクジェット方式の記録装置に限定されず、ノズル及びエネルギー発生素子に対応する記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体上で移動させて記録を行う、いわゆるシリアル型の記録装置であれば、あらゆるタイプの記録装置に適用できる。
また、上記実施形態で例示した位置検出パルス、高解像度タイミングトリガ、記録タイミングトリガの解像度(周期)及びそれらの相互関係はいずれも一例であり、上記の例以外の解像度及び相互関係としてもよいのはもちろんである。
上記の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置、或いはそれらの機能を併せ持つ複合機の形態を取るものであっても良い。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(本実施形態では図6、図8及び図9に示すブロック図やシーケンス図に対応したプログラム)を、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
1 記録ヘッド
2 キャリッジ
3 キャリッジモータ
4 記録ヘッド
5 紙送りギア
6 紙送りモータ
7 紙送りローラ
8 リニアエンコーダスケール
9 光エンコーダセンサ
11 ホスト機器
12 I/F回路
13 CPU
14 RAM
15 ROM
16 パイプラインデータ処理回路
17 ヘッド駆動回路
18 モータ駆動回路
19 ヘッドドライバ
2 キャリッジ
3 キャリッジモータ
4 記録ヘッド
5 紙送りギア
6 紙送りモータ
7 紙送りローラ
8 リニアエンコーダスケール
9 光エンコーダセンサ
11 ホスト機器
12 I/F回路
13 CPU
14 RAM
15 ROM
16 パイプラインデータ処理回路
17 ヘッド駆動回路
18 モータ駆動回路
19 ヘッドドライバ
Claims (9)
- 所定方向に配列された複数の記録素子を有する記録ヘッドを搭載したキャリッジを、前記記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であって、
記録すべき画像データとして多値画像データを記憶する記憶手段と、
記憶された多値画像データを前記記憶手段から読み出す読み出し手段と、
読み出された多値画像データを2値データに展開する展開手段と、
前記2値データを前記記録ヘッドに転送する転送手段と、
前記2値データに従った前記記録ヘッドによる記録を許可する許可手段と、
記録解像度の複数倍の解像度に対応したタイミング信号を生成するタイミング信号生成手段と、
前記読み出し手段、前記展開手段、前記転送手段、及び前記許可手段の各動作のタイミングを、前記タイミング信号に基づいて制御するタイミング制御手段と、を備えることを特徴とする記録装置。 - 前記タイミング制御手段は、前記読み出し手段、前記展開手段、前記転送手段、及び前記許可手段を、並列に動作させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記タイミング制御手段は、前記タイミング信号で前記読み出し手段の動作タイミングを制御し、以降の各手段の動作タイミングは前記記録解像度に対応した信号で制御することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
- 前記記録解像度に対応した信号の周期は前記検出信号の周期の複数分の1であり、前記タイミング信号の周期は前記記録解像度に対応した信号の周期の複数分の1であることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
- 前記キャリッジの走査方向における所定距離の移動に応じて検出信号を出力するエンコーダを更に備え、
前記タイミング信号生成手段は、前記検出信号の周期を複数に分割することによって前記タイミング信号を生成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。 - 前記エンコーダは、前記キャリッジの走査方向に沿って一定間隔でスリットが設けられたスケールと、該スリットの有無を検出する光学センサとを含むことを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
- 前記記録ヘッドは、各記録素子からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、各記録素子がインクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えていることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
- 所定方向に配列された複数の記録素子を有する記録ヘッドを搭載したキャリッジを、前記記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置のデータ処理方法であって、
記録すべき画像データとして多値画像データを記憶手段に記憶する記憶工程と、
記憶された多値画像データを前記記憶手段から読み出す読み出し工程と、
読み出された多値画像データを2値データに展開する展開工程と、
前記2値データを前記記録ヘッドに転送する転送工程と、
前記2値データに従った前記記録ヘッドによる記録を許可する許可工程と、
記録解像度の複数倍の解像度に対応したタイミング信号を生成するタイミング信号生成工程と、
前記読み出し工程、前記展開工程、前記転送工程、及び前記許可工程の各動作のタイミングを、前記タイミング信号に基づいて制御するタイミング制御工程と、を備えることを特徴とする記録装置のデータ処理方法。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005168418A Withdrawn JP2006341447A (ja) | 2005-06-08 | 2005-06-08 | 記録装置及び記録装置のデータ処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006341447A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016141103A (ja) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | キヤノン株式会社 | 生成装置、記録装置、生成方法、プログラム、及び記憶媒体 |
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2005
- 2005-06-08 JP JP2005168418A patent/JP2006341447A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016141103A (ja) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | キヤノン株式会社 | 生成装置、記録装置、生成方法、プログラム、及び記憶媒体 |
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