JP2006340781A - シート背裏の下帯カバー取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シートバック20がシートクッション30に対して傾動可能に連結され、シートバック20の背裏にシートクッション30との接続箇所Cを覆う下帯カバー1が配設されるシート背裏の下帯カバー取付構造である。樹脂等の比較的撓み難い材料より成る下帯カバー1と、下帯カバー1の下端部位1aを回動可能に支持するヒンジ部材と、シートバック20の背裏に形成された当接支持部位面21bと、下帯カバー1の上端部位1bを当接支持部位面21bに当接するように附勢する吊持ゴム3と、シートバック20の傾動領域内では上端部位1bの外面を覆う背裏カーペットとを有する。
【選択図】 図1
Description
具体的には、この種の下帯カバーとして、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。この開示では、布製の可撓性材料より成る下帯カバーが、シートバックの背裏とシートクッションの後方部位とにそれぞれ連結された状態として配設されている。詳しくは、下帯カバーは、その上方部位、すなわち接続箇所を覆った余りの部分がシートバックのバックボードの内側に隠し入れられており、下方部位がシートクッションに固定されている。そして、下帯カバーは、バックボードの内側に隠し入れられた上方部位が、ゴムまたはスプリング等の弾性体部材により弾性的に引張られて吊持された状態として、シートバックに組み付けられている。これにより、例えば、リクライニング機構によってシートクッションに対するシートバックの傾倒姿勢を変化させた場合にも、その傾倒角度に応じて、下帯カバーを撓ませたり、下帯カバーをバックボードの下端側から弾性的に引き出したり引き入れたりすることができる。
先ず、第1の発明は、シートはシートバックがシートクッションに対して傾動可能に連結されて構成されており、シートバックの背裏にシートバックの背裏からシートクッションとの接続箇所を覆う下帯カバーが配設されるシート背裏の下帯カバー取付構造であって、金属または樹脂等の比較的撓み難い材料より成る下帯カバーと、シートクッション側の後方位置に設けられ、下帯カバーの下方部位を回動可能に支持するヒンジ手段と、下帯カバーの上方部位と当接する位置のシートバックの背裏に当接面として形成されている当接支持部位面と、シートクッション側の後方位置に回動可能に支持された下帯カバーの上方部位をシートバックの背裏に形成した当接支持部位面に当接する方向に附勢する附勢手段と、シートバックの背裏側に配設され、下帯カバーの上方部位の当接支持部位面への当接箇所の外面を覆う被覆部材と、を有し、下帯カバーは、シートバックの傾動に際してシートクッション側の後方位置のヒンジ手段によりその上方部位がシートバックの背裏側に形成した当接支持部位面に当接した状態で追従回動されて、常時シートバックの背裏からシートクッションとの接続箇所を覆う構成とされているものである。
この第1の発明によれば、下帯カバーは、金属または樹脂等の比較的撓み難い材料より形成されているため、外部から受ける負荷に対して変形し難い。この下帯カバーは、シートバックを傾動させると、下方部位に連結されたヒンジ手段の回動軸心回りに回動する。そして、下帯カバーは、上記回動に伴って、上方部位が附勢手段により附勢されながら当接支持部位面に沿って移動する。これにより、シートのリクライニングの動作に対する下帯カバーの追従回動を許容する。このとき、下帯カバーは、シートバックの傾動領域内においては、常に、被覆部材によって上方部位が覆われた状態とされる。
この第2の発明によれば、シートバックの背裏面が荷室空間におけるフロア面として使用される際に、下帯カバーによって、このフロア面の形状が滑らかに形成される。詳しくは、シートバックの背裏面とリクライニング装置との間に生じる段差形状が、下帯カバーによって滑らかな形状とされる。
この第3の発明によれば、下帯カバーの外部から受ける負荷に対する断面係数が向上する。これにより、下帯カバーは、外部から受ける負荷に対してより変形し難くなる。
この第4の発明によれば、シートバックの傾動時において、下帯カバーがシートクッション内で揺動する領域が小さくなる。これにより、下帯カバーとリクライニング軸等の他部材とが干渉し難くなる。また、第2の発明や第3の発明と組合わせた場合には、シートバックを乗員の着座する使用位置まで戻した際に、下帯カバーの湾曲した形状部分がシート後方に張り出し難くなる。
先ず、第1の発明によれば、下帯カバーを、本来の意匠性向上機能を損なうことなく、外部から受ける負荷に対しても変形し難くし、かつ、シートのリクライニングの動作に追従させることができる。
更に、第2の発明によれば、シートバックの背裏面を荷室空間におけるフロア面として使用する場合の、シートバックとシートクッションとの接続箇所の見栄えを向上させることができる。また、シートバックの背裏面とリクライニング装置との間に生じる段差をなくすることができるため、荷室空間におけるフロア面を有効利用することができる。また、荷物置きとして使用される場合にも、載せられた荷物を安定して支持することができる。
更に、第3の発明によれば、下帯カバーを、外部から受ける負荷に対してより変形し難くすることができる。
更に、第4の発明によれば、下帯カバーとリクライニング軸等の他部材とを干渉させ難くすると共に、下帯カバーをコンパクトに構成することができる。そして、第2の発明や第3の発明と組合わせた場合には、下帯カバーをシート後方に張り出し難くすることができる。したがって、シートバックとシートクッションとの接続箇所の見栄えをより向上させることができる。また、シート後方に確保すべき空きスペースを小さく抑えることができる。
図1〜図5は、本実施例のシート背裏の下帯カバー取付構造の構成を表したものである。図1はシート背裏の下帯カバー取付構造の全体構成を示す斜視図、図2はシート背裏の下帯カバー取付構造の分解斜視図、図3はシート背裏の下帯カバー取付構造の側面図、図4は図3の状態からシート10を車両前方に傾倒させた状態を示す側面図、図5はシート10をチルトダウン状態とした状態を示す側面図である。ここで、図1及び図2では、後述する背裏カーペット5が省略された状態として表されている。また、図3〜図5においては、紙面内左方向が車両前方向として表されている。
このシート10は、図1に良く示されるように、シートバック20をシートクッション30に対して傾動可能に連結するリクライニング装置(図示省略)を備えている。詳しくは、リクライニング装置は、シートバック20をリクライニング軸12a回りに回動可能に連結している。そして、図示しない解除レバーを操作することにより、シートバック20をリクライニング軸12a回りに回動可能な状態に切換える。これにより、シートクッション30に対するシートバック20の起立角度(傾動角度)の調整を行うことができる。このシートバック20は、シート10が使用状態の時には、例えば図1の実線で示す起立姿勢の位置にて保持されている。なお、リクライニング装置の構成は、公知のものであるため、詳細な説明は省略する。
また、シート10には、不使用時におけるシート10を、図1の実線で示す使用位置に対して車両前方の低位にある格納位置(仮想線で示す位置)に倒し込んで格納状態とするためのチルトダウン機構(図示省略)を備えている。このチルトダウン機構は、図示しない解除レバーを解除操作することにより、シートクッション30をその下方に落とし込み移動させると共に、シートバック20をこの落とし込まれたシートクッション30の上に倒し込んで格納状態とする。これにより、シート10後方の荷室空間を広く確保することができる。そして、シートクッション30側に倒し込まれたシートバック20の背裏面20aを荷室空間におけるフロア面Fとして使用することにより、荷室空間を実質的に拡張することができる。このチルトダウン機構の構成は、公知のものであるため、詳細な説明は省略する。
また、シートバック20の背裏とシートクッション30との間には、これらの接続箇所Cを外部に対して覆うための下帯カバー1が配設されている。この下帯カバー1は、上記接続箇所Cを外部に対して覆い隠すことにより、シート10の見栄えを向上させるべく配設されている。以下、下帯カバー1の取付構造について詳細に説明する。
この下帯カバー1は、図2に良く示されるように、その下端部位1aが、シートクッション30の後方側位置(図1参照)に配設されたヒンジ部材2によって、回動可能に連結されて支持されている。そして、上端部位1bは、図3及び図4に良く示されるように、吊持ゴム3によってシートバック20に対して弾性的に連結されている。詳しくは、上端部位1bは、この吊持ゴム3の弾性復元力によって、シートバック20の背裏に形成された当接支持部位面21bに当接した状態として保持されている。これらヒンジ部材2、吊持ゴム3及び当接支持部位面21bの構成については後述する。ここで、ヒンジ部材2が本発明のヒンジ手段に相当し、吊持ゴム3が本発明の附勢手段に相当する。
また、図3及び図4に良く示されるように、シートバック20の背裏には、表皮としての背裏カーペット5が設けられている。この背裏カーペット5は、下帯カバー1の外面(帯面1c)を外側から覆うようにして配置されている。そして、背裏カーペット5は、例えばシートバック20の両側面に覆われるカーペットと縫合されるなどして、シートバック20に固定されている。したがって、背裏カーペット5は、シートバック20を車両前方に倒し込むことにより、シートバック20と一体的となって移動する。これにより、背裏カーペット5は、その下端側から下帯カバー1を外部に露出させる。しかしながら、背裏カーペット5は、シートバック20の傾動領域内においては、その長さによって、常時、少なくとも下帯カバー1の上端部位1bを覆った状態を維持する。ここで、背裏カーペット5が本発明の被覆部材に相当する。
次いで、ロッド2aは、図2に良く示されるように、その端部がL字状に折り曲げられている。このロッド2aは、折り曲げられた部分が下帯カバー1に形成された挿通部1e等の部位に挿通されるなどして下帯カバー1に固定されている。
次いで、取付ブラケット2bは、上記ロッド2aの2箇所位置に挿通された状態として組み付けられており、ロッド2aに対し軸回りに相対回動可能とされている。
次いで、支持ブラケット2cは、フレームDfの後部側位置に配設されている。この支持ブラケット2cは、上記取付ブラケット2bと対応する2箇所位置に配置されており、フレームDfに溶着されて一体的とされている。
上記ヒンジ部材2は、下帯カバー1に組み付けられた取付ブラケット2bを支持ブラケット2cに位置合わせし、ボルトB及びナットN等の締結手段によってこれらを締結することにより組み付けることができる(図3参照)。これにより、下帯カバー1の下端部位1aが、ヒンジ部材2によって、支持台Dの後方側位置で回動可能に支持される。詳しくは、ヒンジ部材2の回動軸心たるロッド2aの配設位置は、図3及び図4に良く示されるように、支持台Dの上方側位置に設定されている。より詳しくは、リクライニング軸12aよりも後方の位置に設定されている。
そして、図5に良く示されるように、シートバック20がチルトダウン機構によって車両前方に倒し込まれた状態では、下帯カバー1は、リクライニング装置の外周縁12bの形状に沿う位置に配置される。これにより、シートバック20の背裏面20aとリクライニング装置の外周縁12bとの間に生じる段差形状が、滑らかな形状とされる。
更に、下帯カバー1を帯面1cの面外方向に湾曲した形状に形成したことにより、外部から受ける負荷に対してより変形し難くすることができる。
更に、本発明のヒンジ手段に相当するヒンジ部材2の回動軸心(ロッド2a)の配置を、シートクッション30側の上方位置に設定したことにより、下帯カバー1とリクライニング軸12a等の他部材とが干渉し難い配置構成とすることができる。また、これにより、下帯カバー1におけるリクライニング装置の外周縁12bの形状に沿う形状部分の湾曲が小さく抑えられるため、形状をコンパクトにすることができる。更に、シートバック20を乗員の着座する使用位置まで戻した際に、下帯カバー1の湾曲した形状部分がシート10後方に張り出し難くすることができる。これにより、シートバック20とシートクッション30との間の接続箇所Cの見栄えをより向上させることができると共に、シート10後方に確保すべき空きスペースを小さく抑えることができる。
例えば、本実施例のように下帯カバー1の外側に背裏カーペット5(本発明の被覆部材に相当する)が配置される構成の場合には、下帯カバーの上端部位を当接支持部位面に当接させる吊持ゴム3(本発明の吊持部材に相当する部材)を設けない構成としてもよい。すなわち、背裏カーペットによって、少なくとも、下帯カバーを追従回動させることができる。ただし、この場合には、下帯カバーと当接支持部位面との当接状態が安定して維持されないため、下帯カバーにガタツキが生じることがあるため留意が必要である。また、吊持ゴムは、少なくとも下帯カバーを当接支持部位面に当接させる組み付け状態とされていればよく、その引掛け位置等の構成については特に限定されるものではない。
また、本発明のヒンジ手段に相当する構成としてヒンジ部材2を示したが、例えば下帯カバーの下端部位に可撓性を有する素材を連結するなどして、下帯カバーを回動可能に構成してもよい。但し、この場合には、下端部位に一定の支持強度が確保される構成とすることが好ましい。また、ヒンジ部材2の回動軸心の位置をシートクッション30側の上方位置に設定したものを示したが、下方位置に設定されていても構わない。但し、この場合には、例えば、下帯カバーをリクライニング装置の外周縁の形状に適合させると、湾曲形状が大きくなったり、下帯カバーとリクライニング軸等の他部材とが干渉し易くなったり、シートバックを乗員の着座する使用位置まで戻した際に、下帯カバーの湾曲した形状部分がシート後方に張り出し易くなったりすることがあるため留意が必要である。また、ヒンジ部材2が支持台Dの骨格を形成するフレームDfに対して取付けられた構成を示したが、シートクッションの骨格を形成するフレームに対して取付けられる構成であってもよい。
また、下帯カバー1がリクライニング装置の外周縁12bに適合する形状とされたものを示したが、必ずしもこのような形状にする必要はない。但し、この場合には、シートクッション側に倒し込まれたシートバックの背裏面とリクライニング装置との間に段差形状が形成されることがあるため留意が必要である。
また、下帯カバー1を湾曲形状に形成したものを示したが、例えば平板状に形成してもよい。但し、この場合には、本実施例で示したものと比べると、外部から受ける負荷に対して変形し易い構成となる。したがって、それだけ下帯カバーの剛性を高める必要性がある。
1a 下端部位
1b 上端部位
1c 帯面
1e 挿通部
2 ヒンジ部材(ヒンジ手段)
2a ロッド
2b 取付ブラケット
2c 支持ブラケット
3 吊持ゴム(附勢手段)
4 フック
5 背裏カーペット(被覆部材)
10 シート
12a リクライニング軸
12b 外周縁
20 シートバック
20a 背裏面
21 フレーム
21a 背裏面
21b 当接支持部位面
30 シートクッション
C 接続箇所
F フロア面
B ボルト
D 支持台
Df フレーム
Claims (4)
- シートはシートバックがシートクッションに対して傾動可能に連結されて構成されており、該シートバックの背裏に該シートバックの背裏から前記シートクッションとの接続箇所を覆う下帯カバーが配設されるシート背裏の下帯カバー取付構造であって、
金属または樹脂等の比較的撓み難い材料より成る下帯カバーと、
前記シートクッション側の後方位置に設けられ、下帯カバーの下方部位を回動可能に支持するヒンジ手段と、
前記下帯カバーの上方部位と当接する位置の前記シートバックの背裏に当接面として形成されている当接支持部位面と、
前記シートクッション側の後方位置に回動可能に支持された下帯カバーの上方部位を前記シートバックの背裏に形成した当接支持部位面に当接する方向に附勢する附勢手段と、
前記シートバックの背裏側に配設され、前記下帯カバーの上方部位の前記当接支持部位面への当接箇所の外面を覆う被覆部材と、
を有し、
前記下帯カバーは、前記シートバックの傾動に際してシートクッション側の後方位置のヒンジ手段によりその上方部位がシートバックの背裏側に形成した当接支持部位面に当接した状態で追従回動されて、常時シートバックの背裏からシートクッションとの接続箇所を覆う構成とされていることを特徴とするシート背裏の下帯カバー取付構造。 - 請求項1に記載のシート背裏の下帯カバー取付構造であって、
前記シートは、前記シートクッション側に倒し込まれたシートバックの背裏面が荷室空間におけるフロア面として使用されるチルトダウン機構を備えており、
前記下帯カバーは、前記シートバックがシートクッション側に倒し込まれた状態時のリクライニング装置の外周縁形状に沿う形状を有して形成されていることを特徴とするシート背裏の下帯カバー取付構造。 - 請求項1または請求項2に記載のシート背裏の下帯カバー取付構造であって、
前記下帯カバーは、帯面の面外方向に湾曲した形状を有して形成されていることを特徴とするシート背裏の下帯カバー取付構造。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のシート背裏の下帯カバー取付構造であって、
前記下帯カバーの下方部位とヒンジ手段との連結位置が前記シートクッション側における上方位置に設定されていることを特徴とするシート背裏の下帯カバー取付構造。
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