JP2006340484A - ダウンロック金車およびダウンロック金車を用いた送電線の取り替え工法 - Google Patents

ダウンロック金車およびダウンロック金車を用いた送電線の取り替え工法 Download PDF

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Abstract

【課題】 万が一旧線が切断した際にのみ旧線を把持する。
【解決手段】ダウンロック金車1は、上部に押圧体26が固定された支持フレーム2と、支持フレーム2に水平軸線回りに回転自在に軸支された一対の支持ローラ31と、支持フレーム2に昇降自在に嵌挿され、下端に押圧体43が固定された昇降プレート41と、支持フレーム2と昇降プレート41に回動自在に軸支された一対の屈折リンク5と、支持フレーム2と各屈折リンク5間に配設され、押圧体26,43が離隔する方向に付勢する付勢手段6と、金車と吊下ケーブルを介して連結可能な吊下部材7と、吊り下げ部材7に一端が連結されるとともに、他端が各屈折リンク5に連結された一対の引張ケーブル8と、から構成される。そして、引張ケーブル8に自重による張力が作用した際、付勢手段6の付勢力に抗して昇降プレート41を支持フレーム2に対して引き上げ、押圧体26,43間で送電線を把持する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、経年劣化した既設の送電線(以下、旧線という。)を撤去して新設の送電線(以下、新線という。)に取り替える際、万が一旧線が切断したとしても旧線の垂れ下がりによる地上の重要横断物、例えば、鉄道や高速道路などへの悪影響を防止することができるダウンロック金車およびダウンロック金車を用いた送電線の取り替え工法に関するものである。
従来より、旧線を撤去して新線に取り替える工法としては、吊り金車を用いる反転吊り金車工法が知られている。
このような反転吊り金車工法においては、旧線を撤去する際、旧線に作用する曲げ力や張力によって旧線が切断するおそれがある。万が一旧線が切断すると、切断箇所から旧線が地上の鉄道や高速道路などに垂れ下がり、交通障害や交通事故の原因となったり、樹木や家屋などに悪影響を及ぼすおそれがある。
このような問題に対応して、吊り金車と吊り金車との間に旧線を把持する電線把持器を配置し、電線把持器によって旧線を把持した状態で撤去する旧線撤去工法が提案されている(特許文献1,2参照)。
特公平7−10124号公報 特公平7−57050号公報
しかしながら、前述した旧線撤去工法においては、旧線を電線把持器によって把持した状態で撤去するため、万が一旧線が切断したとしても旧線の垂れ下がりを可及的に抑えることができ、地上の横断物に対する悪影響を確実に防止できるものの、旧線撤去に際して、旧線を巻き取る側の鉄塔に電線把持器が到着する度に旧線の巻き取り作業を中断して電線把持器を旧線から離脱させて回収する必要があるとともに、新線を繰り出す側の鉄塔において、電線把持器を新線に把持させて補充する必要があり、多くの作業時間を必要とするという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、万が一旧線が切断した際にのみ旧線を把持することのできるダウンロック金車を提供するとともに、短時間に旧線を撤去して新線に取り替えることができ、万が一旧線が切断した際には、ダウンロック金車によって旧線を把持して垂れ下がりを防止することができるダウンロック金車を用いた送電線の取り替え工法を提供するものである。
本発明のダウンロック金車は、上部に押圧体が固定された支持フレームと、支持フレームにそれぞれ水平軸線回りに回転自在に軸支された左右一対の支持ローラと、支持フレームに対して昇降自在に嵌挿され、下端に支持フレームの押圧体と対向する押圧体が固定された昇降プレートと、先端が支持フレームおよび昇降プレートにそれぞれ回動自在に軸支された左右一対の屈折リンクと、支持フレームと各屈折リンク間に配設され、支持フレームの押圧体と昇降プレートの押圧体とが離隔する方向に付勢する付勢手段と、金車と吊り下げケーブルを介して連結可能な吊り下げ部材と、吊り下げ部材に一端が連結されるとともに、他端が各屈折リンクにそれぞれ連結された一対の引っ張りケーブルと、から構成され、その自重による張力が引っ張りケーブルに作用した際、付勢手段の付勢力に抗して屈折リンクを伸展させて昇降プレートを支持フレームに対して引き上げ、支持フレームの押圧体と昇降プレートの押圧体との間で送電線を把持することを特徴とするものである。
本発明によれば、既設の送電線を撤去する鉄塔間に張り渡された支持ロープに、送電線を内部に収容したダウンロック金車が金車および吊り下げケーブルを介して懸吊され、この状態で送電線が切断したとすると、送電線の垂れ下がりに追従してダウンロック金車も落下する。このとき、ダウンロック金車は、支持ロープに金車および吊り下げケーブルを介して懸吊されているため、吊り下げケーブルの弛み分落下すれば、吊り下げケーブルおよび引っ張りケーブルを緊張させて、それ以上の落下が阻止される。その際、ダウンロック金車の自重による張力を屈折リンクに作用させて伸展させ、付勢手段の付勢力に抗して昇降プレートを支持フレームに対して引き上げる。このため、支持フレームの押圧体と昇降プレートの押圧体との間で切断された送電線を挟み込んで把持する。送電線を把持すれば、ダウンロック金車の自重に加えて、切断された送電線の重量がさらに作用し、切断された送電線をより強力に挟み込んで把持する。
一方、送電線が切断しない状態では、支持ロープに懸吊された金車と、送電線に支持ローラを介して吊り下げられているダウンロック金車とは、一定の弛みを有する吊り下げケーブルを介して連結されており、このため、引っ張りケーブルには、ダウンロック金車の自重による張力は作用せず、屈折リンクは付勢手段を介して屈折状態に保持され、昇降プレートは支持フレームに対して引き下げ位置にある。したがって、支持フレームの押圧体に対して昇降プレートの押圧体は、離隔されており、送電線の巻き取りに際して影響を与えることはない。
この結果、送電線が切断した場合にのみ、すなわち、送電線が切断し、ダウンロック金車が落下することによって引っ張りケーブルにその自重が作用した場合のみ、送電線を挟み込んで把持し、その垂れ下がりを確実に防止することができる。
本発明において、前記支持ローラおよび昇降プレートの押圧体が、水平な作業位置と送電線挿入位置との間で回動自在であり、かつ、水平な作業位置においてそれぞれ固定可能であると、支持フレームの内部に送電線を簡単に収容し、その内部から脱落しないように保持することができる。
本発明において、前記支持フレームの左右端縁部にそれぞれ一対の第1案内ローラが垂直軸線回りに回転自在に軸支されるとともに、その端部に各支持ローラの上方に位置して一対の第2案内ローラが水平軸線回りに回転自在に軸支されていると、送電線の周囲を支持ローラおよび案内ローラによって包囲することができ、送電線の延線方向に対してダウンロック金車が傾斜しようとしても、案内ローラによって送電線を案内することができる。
本発明のダウンロック金車を用いた送電線の取り替え工法は、重要横断物が存在する鉄塔間に、既設の送電線を利用して、連結ロープを介して設定間隔をおいて交互に連結された吊り金車および前記請求項1乃至3のいずれかに記載のダウンロック金車を展開するとともに、前記吊り金車およびダウンロック金車に吊り下げケーブルによって連結された金車に仕込んだ支持ロープを展開した後、支持ロープを張り上げて吊り金車を反転させるとともに、既設の送電線の張力を緩めて支持碍子から切り離し、次いで、既設の送電線に新設の送電線を連結して支持ロープに既設の送電線を預けた後、新設の送電線を一方の鉄塔側から繰り出しながら他方の鉄塔側で既設の送電線を巻き取る一方、送電線の切断時に支持ロープに金車および吊り下げケーブルを介して懸吊されたダウンロック金車によって切断された送電線を把持することを特徴とするものである。
本発明によれば、地上に重要横断物が存在し、取り替える必要のある既設の送電線が架設された区間の一方の鉄塔において、既設の送電線に自走機を懸吊し、支持ロープおよび連結ロープを連結して他方の鉄塔に向けて走行させる。設定距離走行すれば、吊り金車を連結ロープと連結する一方、その一方の金車を既設の送電線に懸吊するとともに、他方の金車に支持ロープを仕込んで懸架させた後、再び設定距離走行させ、ダウンロック金車の吊り下げ部材と金車を吊り下げケーブルで連結し、吊り下げケーブルを連結ロープと連結する一方、ダウンロック金車を既設の送電線に懸吊するとともに、金車に支持ロープを仕込んで懸架させる。以下同様に、連結ロープを介して設定間隔をおいて連結された吊り金車および金車と吊り下げケーブルで連結したダウンロック金車を交互に展開する。
自走機が他方の鉄塔に到達すれば、支持ロープを張り上げて既設の送電線の上方に配置し、吊り金車を反転させる。すなわち、張り上げた支持ロープに、吊り金車の他方の金車を懸吊させるとともに、ダウンロック金車に吊り下げケーブルを介して連結された金車を懸吊させる。この後、既設の送電線の張力を緩めて支持碍子から切り離し、既設の送電線に新設の送電線を連結して支持ロープに既設の送電線を預けた後、新設の送電線を一方の鉄塔側から繰り出しながら他方の鉄塔側で既設の送電線を巻き取ることにより、一方の鉄塔から他方の鉄塔にかけて既設の送電線を新設の送電線に取り替える。
この際、既設の送電線の巻き取り時に巻き取り作業を中断して電線把持器を追加する必要がなく、連続的に作業することができることから、作業時間を大幅に短縮することができる。
ところで、既設の送電線を取り替える際に送電線が切断した場合、送電線の垂れ下がりに追従して、ダウンロック金車も落下する。この際、ダウンロック金車は、支持ロープに懸吊された金車および吊り下げケーブルを介して支持されることから、ダウンロック金車の自重によって吊り下げケーブルおよび引っ張りケーブルが緊張し、それ以上の落下が阻止される。そして、ダウンロック金車の自重による張力を緊張した引っ張りケーブルを介して屈折リンクに作用させて伸展させ、付勢手段の付勢力に抗して支持フレームに対して昇降プレートを引き上げる。このため、支持フレームの押圧体と昇降プレートの押圧体との間で切断された送電線を挟み込んで把持することから、切断された送電線の垂れ下がりを防止することができる。しかも、切断された送電線を把持すれば、ダウンロック金車の自重に加えて切断された送電線の重量がさらに作用することから、支持フレームの押圧体と昇降部材の押圧体との間で切断された送電線をより強力に挟み込んで把持することができる。
この結果、短時間に既設の送電線を撤去して新設の送電線に取り替えることができるとともに、万が一送電線が切断した場合には、ダウンロック金車を用いて切断された送電線を把持して垂れ下がりを防止することができ、地上の重要横断物に影響を与えることはない。
本発明のダウンロック金車を用いた送電線の取り替え工法は、重要横断物が存在する鉄塔間を含む連続する3本以上の鉄塔間において、重要横断物が存在する鉄塔間に、既設の送電線を利用して、連結ロープを介して設定間隔をおいて交互に連結された吊り金車および前記請求項1乃至3のいずれかに記載のダウンロック金車を展開するとともに、前記吊り金車およびダウンロック金車に吊り下げケーブルによって連結された金車に仕込んだ支持ロープを展開する一方、重要横断物が存在しない鉄塔間に、既設の送電線を利用して、連結ロープを介して設定間隔をおいて連結された吊り金車を展開するとともに、前記吊り金車に仕込んだ支持ロープを展開した後、各鉄塔間において、支持ロープを順次張り上げて吊り金車を反転させるとともに、既設の送電線の張力を緩めて支持碍子から切り離し、次いで、鉄塔間にわたる既設の送電線に新設の送電線を連結して支持ロープに既設の送電線を預けた後、新設の送電線を始端の鉄塔側から繰り出しながら終端の鉄塔側で既設の送電線を巻き取る一方、任意の区間における送電線の切断時に支持ロープに金車および吊り下げケーブルを介して懸吊されたダウンロック金車によって切断された送電線を把持することを特徴とするものである。
本発明によれば、地上に重要横断物が存在する鉄塔間を含み、取り替える必要のある既設の送電線が架設された連続する3本以上の鉄塔間の各区間において、既設の送電線に自走機を懸吊し、支持ロープおよび連結ロープを連結して隣接する鉄塔に向けて走行させる。この際、重要横断物が存在する鉄塔間においては、設定距離走行すれば、吊り金車を連結ロープと連結する一方、その一方の金車を既設の送電線に懸吊するとともに、他方の金車に支持ロープを仕込んで懸架させた後、再び設定距離走行させ、ダウンロック金車の吊り下げ部材と金車を吊り下げケーブルで連結し、吊り下げケーブルを連結ロープと連結する一方、ダウンロック金車を既設の送電線に懸吊するとともに、金車に支持ロープを仕込んで懸架させる。以下同様に、設定間隔をおいて吊り金車および金車と吊り下げケーブルで連結したダウンロック金車を交互に展開する。また、重要横断物が存在しない鉄塔間においては、設定距離走行すれば、吊り金車を連結ロープと連結する一方、その一方の金車を既設の送電線に懸吊するとともに、他方の金車に支持ロープを仕込んで懸架させた後、再び設定距離走行させ、以下同様に、設定間隔をおいて吊り金車を展開する。
重要横断物が存在する鉄塔間に、支持ロープとともに、連結ロープを介して設定間隔をおいて連結された吊り金車およびダウンロック金車を交互に展開するとともに、重要横断物が存在しない鉄塔間に、支持ロープとともに、連結ロープを介して設定間隔をおいて連結された吊り金車を展開したならば、各鉄塔間において、支持ロープを張り上げて既設の送電線の上方に配置し、吊り金車を反転させる。すなわち、張り上げた支持ロープに、吊り金車の他方の金車を懸吊させるとともに、ダウンロック金車に吊り下げケーブルを介して連結された金車を懸吊させる。この後、各鉄塔間の既設の送電線の張力を緩めて支持碍子から切り離し、鉄塔間にわたる既設の送電線に新設の送電線を連結して支持ロープに既設の送電線を預けた後、新設の送電線を始端の鉄塔側から繰り出しながら終端の鉄塔側で既設の送電線を巻き取ることにより、始端の鉄塔から終端の鉄塔にかけて既設の送電線を新設の送電線に取り替える。
この際、既設の送電線の巻き取り時に巻き取り作業を中断して電線把持器を追加する必要がなく、連続的に作業することができることから、作業時間を大幅に短縮することができる。
ところで、既設の送電線を取り替える際に、重要横断物が存在する鉄塔間の送電線が切断した場合、送電線の垂れ下がりに追従して、ダウンロック金車も落下する。この際、ダウンロック金車は、支持ロープに懸吊された金車および吊り下げケーブルを介して支持されることから、ダウンロック金車の自重によって吊り下げケーブルおよび引っ張りケーブルが緊張し、それ以上の落下が阻止される。そして、ダウンロック金車の自重による張力を緊張した引っ張りケーブルを介して屈折リンクに作用させて伸展させ、付勢手段の付勢力に抗して支持フレームに対して昇降プレートを引き上げる。このため、支持フレームの押圧体と昇降プレートの押圧体との間で切断された送電線を挟み込んで把持することから、切断された送電線の垂れ下がりを防止することができる。しかも、切断された送電線を把持すれば、ダウンロック金車の自重に加えて切断された送電線の重量がさらに作用することから、支持フレームの押圧体と昇降部材の押圧体との間で切断された送電線をより強力に挟み込んで把持することができる。
一方、重要横断物が存在しない鉄塔間の送電線が切断した場合、その鉄塔間の送電線の張力が小さくなり、吊り金車間の弛み度が大きくなる。このような張力の減少は、隣接する鉄塔間に順次波及し、隣接する鉄塔間においても吊り金車間の送電線の弛みの増大に発展する。このようにして、送電線の張力の減少は隣接する鉄塔間に順次波及し、ついには、重要横断物が存在する鉄塔間の吊り金車間の弛みに発展する。そして、重要横断物が存在する鉄塔間における送電線の吊り金車間の弛みが、吊り下げケーブルの弛み分以上に大きくなれば、その弛みに追従して徐々に落下しているダウンロック金車は、吊り下げケーブルおよび引っ張りケーブルを緊張させて支持される。以下、前述したように、ダウンロック金車の自重による張力を緊張した引っ張りケーブルを介して屈折リンクに作用させて伸展させ、付勢手段の付勢力に抗して支持フレームに対して昇降プレートを引き上げ、支持フレームの押圧体と昇降プレートの押圧体との間で切断された送電線を挟み込んで把持し、切断された送電線の垂れ下がりを防止することができる。
この結果、短時間に既設の送電線を撤去して新設の送電線に取り替えることができるとともに、重要横断物が存在する鉄塔間の送電線が万が一切断した場合であっても、あるいは、重要横断物が存在しない鉄塔間の送電線が万が一切断した場合であっても、ダウンロック金車を用いて切断された送電線を把持して垂れ下がりを防止することができ、地上の重要横断物に影響を与えることはない。
本発明のダウンロック金車によれば、万が一既設の送電線が切断した際にのみ送電線を把持して垂れ下がりを防止することができる。
また、本発明のダウンロック金車を用いた送電線の取り替え工法によれば、短時間に既設の送電線を撤去して新設の送電線に取り替えることができるとともに、万が一送電線が切断した際には、ダウンロック金車によって送電線を把持して垂れ下がりを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2には、本発明のダウンロック金車1の一実施形態が示されている。
このダウンロック金車1は、支持フレーム2と、支持フレーム2の左右にそれぞれ設けられた一対の支持ローラ体3と、支持フレーム2に対して昇降自在に設けられた昇降部材4と、支持フレーム2および昇降部材4間にそれぞれ設けられた左右の屈折リンク5と、支持フレーム2と各屈折リンク5間に配設された左右の付勢手段6と、金車に吊り下げるための吊り下げ部材7と、吊り下げ部材7および各屈折リンク5にそれぞれ連結された一対の引っ張りケーブル8と、から構成されている。
支持フレーム2は、左右方向の中間部に下方に開口する切欠部を有するコ字状の正面板21および該正面板21と前後対称な背面板(図示せず)と、これらの正面板21および背面板の上端部間にわたって固定された上面板(図示せず)と、から形成され、正面板21および背面板の外面には、後述する各昇降部材4の昇降プレート41を上下方向に摺動自在に案内するガイド22がそれぞれ設けられている。そして、正面板21の左右端縁部および背面板の左右端縁部には、それぞれブラケット23を介して第1案内ローラ24が垂直軸線回りに回転自在に軸支されている他、正面板21の左右各端部および背面板の左右各端部にわたって後述する各支持ローラ体3の支持ローラ31の上方に位置してそれぞれ一対の第2案内ローラ25が水平軸線回りに回転自在に軸支されている。また、上面板の内面には、左右方向の中間部において、硬質ゴム製の押圧体26が固定されている。
各支持ローラ体3は、背面板に一端が水平軸線回りに回動自在に連結されたシャフト(図示せず)と、該シャフトに軸受を介して回転自在に軸支された鼓形状の支持ローラ31と、からなり、シャフトの他端部には、図示しないスプリングを介して常時背面板方向に牽引された固定部32が設けられている。このため、固定部32をスプリングの牽引力に抗して正面板21の折り返し部211(図1参照)を越えて引き出すことにより、シャフトを背面板に対して正面板21の切欠部(図示せず)を通して回動させ、支持ローラ体3を背面板から垂下させることができる。また、支持ローラ体3の垂下位置から回動させ、固定部32をスプリングの牽引力に抗して引き出し、シャフトを正面板21の切欠部を経て折り返し部211を越えて位置させることにより、固定部32が正面板21の折り返し部211に係合し、シャフトの脱落を阻止するようになっている。
ここで、支持フレーム2に設けられた支持ローラ31、第1案内ローラ24および第2案内ローラ25によって、支持フレーム2の内部の左右方向に送電線Wを挿通することのできる空間が区画される。
昇降部材4は、支持フレーム2の正面板21および背面板に設けられたガイド22にそれぞれ摺動自在に嵌挿された一対の昇降プレート41と、背面板側の昇降プレート41に一端が水平軸線回りに回動自在に連結された固定ブラケット42と、固定ブラケット42に固定された硬質ゴム製の押圧体43と、からなり、この固定ブラケット42にも、前述した支持ローラ体3と同様に、図示しないスプリングを介して常時背面板側の昇降プレート41方向に牽引された固定部44が設けられている。このため、固定部44をスプリングの牽引力に抗して正面板21側の昇降プレート41の折り返し部411を越えて引き出すことにより、固定ブラケット42を背面板側の昇降プレート41に対して正面板21側の昇降プレート41の切欠部(図示せず)を通して回動させ、押圧体43を固定した固定ブラケット42を背面板側の昇降プレート41から垂下させることができる。また、固定ブラケット42の垂下位置から回動させ、固定部44をスプリングの牽引力に抗して引き出し、正面板21側の昇降プレート41の切欠部を経て折り返し部411を越えて位置させることにより、固定部44が正面板21側の昇降プレート41の折り返し部411に係合し、固定ブラケット42の脱落を阻止するようになっている。
したがって、正面板21の折り返し部211および正面板21側の昇降プレート41の折り返し部411に対する固定部32,44の係合をそれぞれ解除して、各支持ローラ体3および押圧体43を固定した固定ブラケット42をそれぞれ回動させることにより、支持フレーム2の下端開口部を開放することができ、開放された開口部を通して支持フレーム2の内部に送電線Wを挿入することができる。その後、各支持ローラ体3および固定ブラケット42を水平状態に回動させ,固定部32,44を正面板21の折り返し部211および正面板21側の昇降プレート41の折り返し部411にそれぞれ係合させることにより、送電線Wを支持フレーム2の内部から脱落することなく保持することができる。
なお、固定部44を介して固定ブラケット42を昇降プレート41に係合した際、固定ブラケット42に固定された押圧体43は、前述した支持フレーム2の押圧体26と対向するようになっている。
また、各昇降プレート41には、支持フレーム2のガイド22と当接可能なストッパ45が設けられており、各昇降プレート41はガイド22に対して一定以上下降しないように規制されている。
さらに、一対の昇降プレート41は、その上端部にわたって架設されたピン46を介して連結されており、同調して昇降するものである。
各屈折リンク5は、基端部がピン53を介して回動自在に連結された一対ずつのリンク部材51,52からなり、その一方のリンク部材51の先端部が一対の昇降プレート41の上端部間に架設されたピン46に回動自在に連結されるとともに、他方のリンク部材52の先端部が支持フレーム2の上面板に架設されたピン27に回動自在に連結されて形成されている。したがって、昇降プレート41をガイド22にストッパ45が当接する位置(図1参照)から引き上げることにより、リンク部材51,52のなす角度を徐々に拡開させ、伸展させることができる。
なお、一方の一対のリンク部材51の基端部と他方の一対のリンク部材52の基端部間を連結するピン53には、シーブ54が回転自在に軸支されている他、一方の一対のリンク部材51の中間部にも、ピン55を介してシーブ56が回転自在に軸支されている。
付勢手段6は、コイルスプリングで構成され、支持フレーム2と各屈折リンク5の一方の一対のリンク部材51間にそれぞれ配設され、常時、一方のリンク部材51と他方のリンク部材52とのなす角度を小さくする方向に牽引している。したがって、昇降プレート41は、通常、ストッパ45が支持フレーム2のガイド22に当接する下降位置にある。このため、固定ブラケット42に固定された押圧体43は、支持フレーム2に固定した押圧体26に対して下方に離隔した位置で対向している。
吊り下げ部材7は、シャックルであって、旧線Waあるいは後述する支持ロープ11に懸吊される金車10に吊り下げケーブル9を介して連結される。また、各引っ張りケーブル8は、各端部がワイヤーソケット81を介してリング状に形成され、その一端が吊り下げ部材7に連結されるとともに、他端が前述した一方の屈折リンク5を構成する一方のリンク部材51に設けたシーブ56を巻回して他方の屈折リンク5を構成する一方のリンク部材51および他方のリンク部材52の基端部に設けたシーブ54に連結されている。このため、一対の引っ張りケーブル8は、たすき掛けされている。この際、一対の引っ張りケーブル8が互いに接触しないように、一方の屈折リンク5および他方の屈折リンク5は、前後方向に取付位置をずらして設けられている。
次に、このように構成されたダウンロック金車1を用いて、重要横断物が存在する鉄塔T1 ,T2 間の送電線Wを取り替える要領について図3乃至図7に基づいて説明する。
まず、図3に示すように、旧線Waを利用して、支持ロープ11の一端および連結ロープ12の一端がそれぞれ連結された自走機13を一方の鉄塔T1 から他方の鉄塔T2 に向けて走行させ、一方の鉄塔T1 と他方の鉄塔T2 との間に支持ロープ11および連結ロープ12を張り渡す。
ここで、支持ロープ11および連結ロープ12を張り渡すに際し、連結ロープ12および旧線Waを利用して吊り金車14およびダウンロック金車1を設定間隔をおいて順に供給し、一方の鉄塔T1 と他方の鉄塔T2 との間に設定間隔をおいて吊り金車14およびダウンロック金車1を交互に展開する。
すなわち、自走機13を設定距離移動させた後、一方の鉄塔T1 において、吊り金車14を連結ロープ12に連結し、その一方の金車141を旧線Waに懸吊するとともに、他方の金車142に支持ロープ11を仕込んで懸架させる。次いで、自走機13を設定距離移動させた後、金車10を連結ロープ12に連結するとともに、金車10およびダウンロック金車1の吊り下げ部材7に吊り下げケーブル9を連結し、ダウンロック金車1を旧線Waに懸吊する一方、金車10を支持ロープ11に仕込んで懸架させる。以下、同様に、設定間隔をおいて吊り金車14、ダウンロック金車1の順に交互に懸吊して展開する。
なお、ダウンロック金車1を旧線Waに懸吊するには、正面板21の折り返し部211に対する固定部32の係合を解除するとともに、正面板21側の昇降プレート41の折り返し部411に対する固定部44の係合を解除して、支持ローラ31および固定ブラケット42をそれぞれ回動させ、支持フレーム2の下端開口部を通して支持フレーム2の内部に旧線Waを挿入した後、各支持ローラ体3および固定ブラケット42を水平状態に回動させ、固定部32,44を正面板21の折り返し部211および正面板21側の昇降プレート41の折り返し部411にそれぞれ係合させることにより行なう。
この場合、ダウンロック金車1は、その支持ローラ31を介して旧線Waに懸吊されるため、ダウンロック金車1は、図1に示した状態とは上下反転して旧線Waに吊り下げられる。
一方の鉄塔T1 と他方の鉄塔T2 との間に支持ロープ11および連結ロープ12が張り渡されるとともに、設定間隔をおいて吊り金車14およびダウンロック金車1が交互に展開されたならば、支持ロープ11を張り上げて旧線Waの上方に配設し、吊り金車14を反転させる(図4参照)。すなわち、吊り金車14を構成する他方の金車142およびダウンロック金車1の吊り下げ部材7に吊り下げケーブル9を介して連結された金車10が支持ロープ11に懸吊される。
次いで、一方の鉄塔T1 側に設置された新線Wbの繰り出し装置Dから新線Wbを繰り出し、一方の鉄塔T1 側において新線Wbの先端と一方の鉄塔T1 側の旧線Waの一端とを連結するとともに、他方の鉄塔T2 側に設置された旧線Waの巻き取り装置Eに他方の鉄塔T2 側の旧線Waの一端を連結した後、旧線Waの張力を緩め、支持碍子から切り離し、旧線Waを支持ロープ11に預けて支持させる(図5参照)。
この後、繰り出し装置Dから新線Wbを繰り出すとともに、巻き取り装置Eに旧線Waを巻き取ることにより、一方の鉄塔T1 から他方の鉄塔T2 にかけて新線Wbを張り渡す(図6参照)。
次いで、新線Wbを支持碍子に接続した後、支持ロープ11を緩めて新線Wbの下方に配設し、吊り金車14を反転させる。すなわち、吊り金車14を構成する一方の金車141およびダウンロック金車1が新線Wbに懸吊される。その後、他方の鉄塔T2 側において、支持ロープ11および連結ロープ12の固定を解除して自走機13に連結し、自走機13を新線Wbに懸吊する。次いで、一方の鉄塔T1 側において、支持ロープ11および連結ロープ12をウインチなどを利用して牽引すれば、新線Wbに懸吊された吊り金車14およびダウンロック金車1を新線Wb上で転動させつつ支持ロープ11および連結ロープ12とともに回収することができる(図7参照)。
吊り金車14およびダウンロック金車1の回収が終了すれば、一方の鉄塔T1 側の支持ロープ11の固定を解除するととも、一方の鉄塔T1 側で自走機13を回収すればよい。
一方、旧線Waを巻き取っている際に旧線Waが切断すると、旧線Waの張力が小さくなり、吊り金車14,14間の弛み度が大きくなる。この弛み度は、吊り金車14,14間の中央において、変化量が最大となるが、吊り金車14,14間の略中間部には、ダウンロック金車1が配置されており、切断された旧線Waの垂れ下がりに追従してダウンロック金車1も落下する。
この際、ダウンロック金車1は、支持ロープ11に懸吊された金車10と吊り下げケーブル9を介して連結されており、吊り下げケーブル9の弛み分だけ落下すれば、支持ロープ11に懸吊された金車10および該金車10に連結された吊り下げケーブル9を介してダウンロック金車1が支持され、それ以上の落下が阻止される。この状態では、旧線Waに反転状態で懸吊されていたダウンロック金車1は、再び反転して図1に示す状態に復帰している。そして、吊り下げケーブル9および引っ張りケーブル8は、ダウンロック金車1の自重が作用して緊張し、その張力を屈折リンク5に作用させ、付勢手段6の付勢力に抗して屈折リンク5を伸展させる。このため、昇降プレート41は、図1に示す位置から支持フレーム2に対して引き上げられ、支持フレーム2の押圧体26と昇降部材4の押圧体43との間で切断された旧線Waを挟み込んで把持することになる(図8参照)。このような旧線Waの把持は、吊り下げケーブル9の弛み分以上落下した全てのダウンロック金車1において行なわれる。支持フレーム2の押圧体26と昇降部材4の押圧体43との間で切断された旧線Waを挟み込んで把持すれば、吊り下げケーブル9には、ダウンロック金車1の重量とともに切断された旧線Waの重量がさらに作用することから、支持フレーム2の押圧体26と昇降部材4の押圧体43との間で切断された旧線Waをより強力に挟み込んで把持することになる。
なお、旧線Waが切断した場合は、次のようにして回収する。
まず、一方の鉄塔T1 において、送電線Wを切断するとともに、連結ロープ12を切り離した後、他方の鉄塔T2 において、切断した送電線Wをダウンロック金車1が保持したまま連結ロープ12を牽引し、吊り金車14およびダウンロック金車1を支持ロープ11から取り外す。この際、合わせて巻き取り装置Eを介して送電線Wを巻き取ればよい(図9参照)。
以上のことから、重要横断物が存在し、旧線Waを新線Wbに取り替えることが要求された一方の鉄塔T1 と他方の鉄塔T2 との間に連結ロープ12を介して設定間隔をおいて連結された吊り金車14およびダウンロック金車1を旧線Waを利用して支持ロープ11とともに展開し、旧線Waに新線Wbを接続して支持ロープ11に支持させ、旧線Waを巻き取ることにより、新線Wbに取り替えることができる。したがって、旧線Waの巻き取り時に巻き取り作業を中断して電線把持器を順次追加する必要がなくなり、作業時間を大幅に短縮することができる。
また、旧線Waが万が一切断したとしても切断された旧線Waをダウンロック金車1が確実に保持することができ、自由に垂れ下がって地上の重要横断物に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
ところで、前述した実施形態においては、隣接する2本の鉄塔T1 ,T2 において、旧線Waを新線Wbに取り替える場合について説明したが、連続する3本以上の鉄塔にわたる旧線を新線に取り替える場合に適用することもできる。
以下、連続する4本の鉄塔T1 ,T2 ,T3 ,T4 にわたる旧線Waを新線Wbに取り替える場合について、図10に基づいて説明する。この場合、旧線Waが切断して垂れ下がった際に悪影響を及ぼす地上の重要横断物が鉄塔T2 ,T3 間に存在していると仮定する。
まず、鉄塔T1 において、支持ロープ11の一端および連結ロープ12の一端がそれぞれ連結された自走機13を旧線Waに懸吊し、鉄塔T1 から鉄塔T2 に向けて走行させ、鉄塔T1 ,T2 との間に支持ロープ11および連結ロープ12を展開する。この際、連結ロープ12および旧線Waを利用して吊り金車14を設定間隔をおいて順に供給し、鉄塔T1 ,T2 との間に設定間隔をおいて吊り金車14を配置する。
鉄塔T1 ,T2 の間に支持ロープ11および連結ロープ12が張り渡されるとともに、旧線Waに設定間隔をおいて吊り金車14が懸吊されたならば、鉄塔T2 において、支持ロープ11の一端および連結ロープ12の一端がそれぞれ連結された自走機13を旧線Waに懸吊し、鉄塔T2 から鉄塔T3 に向けて走行させ、鉄塔T2 ,T3 との間に支持ロープ11および連結ロープ12を展開する。この際、連結ロープ12および旧線Waを利用して吊り金車14およびダウンロック金車1を設定間隔をおいて順に供給し、鉄塔T2 ,T3 との間に設定間隔をおいて吊り金車14およびダウンロック金車1を交互に配置する。
同様に、鉄塔T3 において、支持ロープ11の一端および連結ロープ12の一端がそれぞれ連結された自走機13を旧線Waに懸吊し、鉄塔T3 から鉄塔T4 に向けて走行させ、鉄塔T3 ,T4 との間に支持ロープ11および連結ロープ12を展開する。この際、連結ロープ12および旧線Waを利用して吊り金車14を設定間隔をおいて順に供給し、鉄塔T3 ,T4 との間に設定間隔をおいて吊り金車14を配置する。
このように、鉄塔T1 ,T2 との間、鉄塔T2 ,T3 との間および鉄塔T3 ,T4 との間にそれぞれ支持ロープ11および連結ロープ12が張り渡されたならば、鉄塔T1 ,T2 間の支持ロープ11を張り上げて旧線Waの上方に配設し、吊り金車14を反転させる。同様に、鉄塔T2 ,T3 間の支持ロープ11および鉄塔T3 ,T4 間の支持ロープ11を順に張り上げてそれぞれ旧線Waの上方に配設し、吊り金車14を反転させる。
次いで、始端の鉄塔T1 側に設置された新線Wbの繰り出し装置Dから新線Wbを繰り出し、鉄塔T1 において新線Wbの先端と鉄塔T1 側の旧線Waの一端とを連結するとともに、終端の鉄塔T4 側に設置された旧線Waの巻き取り装置Eに鉄塔T4 側の旧線Waの一端を連結した後、それぞれの鉄塔間の旧線Waの張力を緩めるとともに、支持碍子から切り離し、旧線Waを支持ロープ11に預けて支持させる。
この後、繰り出し装置Dから新線Wbを繰り出すとともに、巻き取り装置Eに旧線Waを巻き取ることにより、鉄塔T1 から鉄塔T4 にかけて新線Wbを張り渡す(図10参照)。
次いで、新線Wbを各鉄塔の支持碍子に接続した後、鉄塔T1 ,T2 間に張り渡された支持ロープ11を緩めて新線Wbの下方に配設し、吊り金車14を反転させる。その後、鉄塔T2 側において、支持ロープ11および連結ロープ12の固定を解除して自走機13に連結し、自走機13を新線Wbに懸吊する。次いで、鉄塔T1 側において、支持ロープ11および連結ロープ12を牽引すれば、新線Wbに懸吊された吊り金車14を新線Wb上で転動させつつ支持ロープ11および連結ロープ12とともに回収する。さらに、支持ロープ11の固定を解除し、自走機13を回収する。
鉄塔T1 ,T2 間の回収が終了すれば、鉄塔T2 ,T3 間に張り渡された支持ロープ11を緩めて新線Wbの下方に配設し、吊り金車14を反転させる。その後、鉄塔T3 側において、支持ロープ11および連結ロープ12の固定を解除して自走機13に連結し、自走機13を新線Wbに懸吊する。次いで、鉄塔T2 側において、支持ロープ11および連結ロープ12を牽引すれば、新線Wbに懸吊された吊り金車14およびダウンロック金車1を新線Wb上で転動させつつ支持ロープ11および連結ロープ12とともに回収する。さらに、支持ロープ11の固定を解除し、自走機13を回収する。
同様に、鉄塔T3 ,T4 間に張り渡された支持ロープ11を緩めて新線Wbの下方に配設し、吊り金車14を反転させた後、鉄塔T4 側において、支持ロープ11および連結ロープ12の固定を解除して自走機13に連結し、自走機13を新線Wbに懸吊する。次いで、鉄塔T3 側において、支持ロープ11および連結ロープ12を牽引すれば、新線Wbに懸吊された吊り金車14を新線Wb上で転動させつつ支持ロープ11および連結ロープ12とともに回収する。さらに、支持ロープ11の固定を解除し、自走機13を回収する。
一方、旧線Waを巻き取っている際に旧線Waが切断した場合について説明する。
ここで、重要横断物が存在する鉄塔間の旧線Waが切断した場合については、先に説明したため、重要横断物が存在しない鉄塔間、例えば、鉄塔T3 ,T4 間の旧線Waが切断した場合について図11に基づいて説明する。
鉄塔T3 ,T4 間の旧線Waが切断すると、鉄塔T3 ,T4 に張り渡された旧線Waの張力が小さくなり、吊り金車14,14間の弛み度が大きくなる。このような旧線Waの張力の減少は、隣接する鉄塔T2 ,T3 間の旧線Waにも波及し、鉄塔T2 ,T3 間における吊り金車14,14間の旧線Waの弛み度の増大に発展する。そして、重要横断物が存在する鉄塔T2 ,T3 間において、旧線Waの吊り金車14,14間の弛みが、吊り下げケーブル9の弛み分以上に大きくなれば、その弛みに追従して徐々に落下しているダウンロック金車1は、吊り下げケーブル9および引っ張りケーブル8を緊張させて支持されるため、それ以上の落下が阻止される。したがって、ダウンロック金車1の自重による張力が緊張した引っ張りケーブル8を介して屈折リンク5に作用して屈折リンク5を伸展させ、付勢手段6の付勢力に抗して支持フレーム2に対して昇降プレート41を引き上げ、支持フレーム2の押圧体26と昇降プレート41の押圧体43との間で切断された旧線Waを挟み込んで把持し、切断された旧線Waの垂れ下がりを防止する。
以上のことから、重要横断物が存在する鉄塔間を含めて旧線Waを新線Wbに取り替えることが要求された複数の鉄塔間において、重要横断物が存在する鉄塔間に連結ロープ12を介して設定間隔をおいて連結された吊り金車14およびダウンロック金車1を旧線Waを利用して支持ロープ11とともに展開し、一方、重要横断物が存在しない鉄塔間に連結ロープ12を介して設定間隔をおいて連結された吊り金車14を旧線Waを利用して支持ロープ11とともに展開し、旧線Waに新線Wbを接続して支持ロープ11に支持させ、旧線Waを巻き取ることにより、新線Wbに取り替えることができる。したがって、旧線Waの巻き取り時に巻き取り作業を中断して電線把持器を順次追加する必要がなくなり、作業時間を大幅に短縮することができる。
また、重要横断物が存在する鉄塔間の旧線Waが万が一切断したとしても、あるいは、重要横断物が存在しない鉄塔間の旧線Waが万が一切断したとしても、切断された旧線Waをダウンロック金車1が確実に把持することができ、自由に垂れ下がって地上の重要横断物に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
以上のように本発明によれば、送電線が切断した際にのみ送電線を把持するダウンロック金車を用いて短時間に既設の送電線を撤去して新設の送電線に取り替えることができることから、張り替えを必要とする既設の送電線の取り替え作業を安全に、かつ、効率的に施工することができる。
本発明のダウンロック金車の一実施形態を示す正面図である。 図1のダウンロック金車の右側面図である。 本発明のダウンロック金車を用いて送電線を取り替える工法を説明する工程図である。 本発明のダウンロック金車を用いて送電線を取り替える工法を説明する工程図である。 本発明のダウンロック金車を用いて送電線を取り替える工法を説明する工程図である。 本発明のダウンロック金車を用いて送電線を取り替える工法を説明する工程図である。 本発明のダウンロック金車を用いて送電線を取り替える工法を説明する工程図である。 本発明のダウンロック金車を用いた送電線の取り替え工法において、送電線が切断した状態を示す説明図である。 本発明のダウンロック金車を用いた送電線の取り替え工法において、送電線が切断した場合の回収要領を示す説明図である。 本発明のダウンロック金車を用いて3本以上の鉄塔間の送電線の取り替え工法を説明する工程図である。 図10に示した送電線の取り替え工法において、既設の送電線が切断した状態を示す説明図である。
符号の説明
1 ダウンロック金車
2 支持フレーム
26 押圧体
3 支持ローラ体
31 支持ローラ
4 昇降部材
41 昇降プレート
43 押圧体
5 屈折リンク
6 付勢手段
7 吊り下げ部材
8 引っ張りケーブル
9 吊り下げケーブル
10 金車
11 支持ロープ
12 連結ロープ
13 自走機
14 吊り金車
141 一方の金車
142 他方の金車
W 送電線
Wa 既設の送電線(旧線)
Wb 新設の送電線(新線)
1 ,T2 ,T3 ,T4 鉄塔

Claims (5)

  1. 上部に押圧体が固定された支持フレームと、支持フレームにそれぞれ水平軸線回りに回転自在に軸支された左右一対の支持ローラと、支持フレームに対して昇降自在に嵌挿され、下端に支持フレームの押圧体と対向する押圧体が固定された昇降プレートと、先端が支持フレームおよび昇降プレートにそれぞれ回動自在に軸支された左右一対の屈折リンクと、支持フレームと各屈折リンク間に配設され、支持フレームの押圧体と昇降プレートの押圧体とが離隔する方向に付勢する付勢手段と、金車と吊り下げケーブルを介して連結可能な吊り下げ部材と、吊り下げ部材に一端が連結されるとともに、他端が各屈折リンクにそれぞれ連結された一対の引っ張りケーブルと、から構成され、その自重による張力が引っ張りケーブルに作用した際、付勢手段の付勢力に抗して屈折リンクを伸展させて昇降プレートを支持フレームに対して引き上げ、支持フレームの押圧体と昇降プレートの押圧体との間で送電線を把持することを特徴とするダウンロック金車。
  2. 前記支持ローラおよび昇降プレートの押圧体が、水平な作業位置と送電線挿入位置との間で回動自在であり、かつ、水平な作業位置においてそれぞれ固定可能であることを特徴とする請求項1記載のダウンロック金車。
  3. 前記支持フレームの左右端縁部にそれぞれ一対の第1案内ローラが垂直軸線回りに回転自在に軸支されるとともに、その端部に各支持ローラの上方に位置して一対の第2案内ローラが水平軸線回りに回転自在に軸支されていることを特徴とする請求項1または2記載のダウンロック金車。
  4. 重要横断物が存在する鉄塔間に、既設の送電線を利用して、連結ロープを介して設定間隔をおいて交互に連結された吊り金車および前記請求項1乃至3のいずれかに記載のダウンロック金車を展開するとともに、前記吊り金車およびダウンロック金車に吊り下げケーブルによって連結された金車に仕込んだ支持ロープを展開した後、支持ロープを張り上げて吊り金車を反転させるとともに、既設の送電線の張力を緩めて支持碍子から切り離し、次いで、既設の送電線に新設の送電線を連結して支持ロープに既設の送電線を預けた後、新設の送電線を一方の鉄塔側から繰り出しながら他方の鉄塔側で既設の送電線を巻き取る一方、送電線の切断時に支持ロープに金車および吊り下げケーブルを介して懸吊されたダウンロック金車によって切断された送電線を把持することを特徴とするダウンロック金車を用いた送電線の取り替え工法。
  5. 重要横断物が存在する鉄塔間を含む連続する3本以上の鉄塔間において、重要横断物が存在する鉄塔間に、既設の送電線を利用して、連結ロープを介して設定間隔をおいて交互に連結された吊り金車および前記請求項1乃至3のいずれかに記載のダウンロック金車を展開するとともに、前記吊り金車およびダウンロック金車に吊り下げケーブルによって連結された金車に仕込んだ支持ロープを展開する一方、重要横断物が存在しない鉄塔間に、既設の送電線を利用して、連結ロープを介して設定間隔をおいて連結された吊り金車を展開するとともに、前記吊り金車に仕込んだ支持ロープを展開した後、各鉄塔間において、支持ロープを順次張り上げて吊り金車を反転させるとともに、既設の送電線の張力を緩めて支持碍子から切り離し、次いで、鉄塔間にわたる既設の送電線に新設の送電線を連結して支持ロープに既設の送電線を預けた後、新設の送電線を始端の鉄塔側から繰り出しながら終端の鉄塔側で既設の送電線を巻き取る一方、任意の区間における送電線の切断時に支持ロープに金車および吊り下げケーブルを介して懸吊されたダウンロック金車によって切断された送電線を把持することを特徴とするダウンロック金車を用いた送電線の取り替え工法。
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