JP2006339754A - 送信装置、受信装置および電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一筐体内のような至近距離においての無線伝送路を構築するための従来の銅などの電線による伝送路と同一以下の低コスト、低消費電力で実現できる無線伝送路のための変復調の実現方法を示し、低コスト、低消費電力で信頼性の高い送信装置、受信装置および電子装置を実現することを目的とする。
【解決手段】少なくとも高調波成分を含む周期的な信号を発生する周期信号発生手段と前記周期信号発生手段の発生した信号を送信信号によって変調する変調手段および前記変調手段の出力信号から高調波成分を取り出し送信する送信手段から構成されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁波(電波)を用いて通信を行うための送信装置、受信装置および表示素子や撮像素子など高速なデータ転送を必要とする素子を内蔵する電子装置に関する。
近年、携帯電話やノートブックコンピュータ、デジタルカメラなどの機能向上は目覚しく、これらの機器に内蔵される表示素子や撮像素子の高分解能化および高精細化が求められ、ますます複雑化してきている。特に携帯電話においては、カメラ機能の内蔵化や表示部の大型化などの高機能化とともに小型軽量化および低消費電力化が求められ、その筐体構造も、クラムシェル型またはフリップ型と呼ばれる折り畳み型が主流になってきている。
これらの表示体素子や撮像素子を内蔵する電子装置において、最近はますます表示部の大型化および高分解能化、さらに機器の小型軽量化が求められてきている。このような要請から、回路部品を実装する実装基板は複数に分割実装されることが多く、その場合に回路は表示体側とコントロール側で分けられることが多い。必然的にCPUと表示素子または撮像素子との間の結線が長くなる。また、素子の高分解能化に伴い、それらの線路で伝送される信号の周波数が高くなり、実装基板間の接続が困難になってきている。特に、クラムシェル型構造では、細いヒンジ部分を介して両者の実装基板が接続される構造となるため、これらの問題は一層深刻になっている。
また、表示素子や撮像素子の高分解能化に伴い、両者の実装基板間でやり取りされるデータ量も多くなり、高速転送技術が必要となってきている。この問題を解決するために高速データ伝送の方式として、例えば、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)を表示体や撮像素子の接続に使う(特許文献1および特許文献2)ことが提案されている。特許文献3および特許文献4等では、この方式でも十分な解決が得られないとして新たな方法が提案されている。
また、半導体製造技術の進歩は目覚しく、システムオンチップとして集積度はますます上り、電子装置に使用される半導体集積回路を1チップ内に全て搭載しようとする傾向がある。そのために、半導体チップと外部回路との接続のピン数が膨大となり、数百本を超えることも珍しくない。また、表示素子や撮像素子の高分解能化に伴い、半導体集積回路の動作周波数も高くなり、従来のワイヤボンディングを介して外部と接続する方法では、高周波特性が問題となり、正しく外部との信号やり取りが困難となってきている。このような問題に対し、非特許文献1や特許文献5乃至8では、半導体チップ間の接続あるいは回路ブロック間の接続を無線化する研究が報告されている。このように、電子装置内部の接続を無線化すれば装置内部の配線が省略でき、大きな効果が期待できる。
特許第3086456号公報(欄44) 特許第3330359号公報(欄46) 特許第3349426号公報 特許第3349490号公報 特開平10−256478号公報 特開2000-124406号公報 特開2000-68904号公報 特開2003-101320号公報 「日経マイクロデバイス」2003年12月号161ページ
しかしながら、電子装置内部の配線を無線接続に置き換えるには言うまでも無く困難が伴う。すなわち、従来の有線接続と同程度のコストと消費電力で無線接続を実現することが必要である。また、放射される電磁界信号も電波法に規定される電界強度以下に抑える必要がある。このような電子装置内部の無線接続に適した無線通信は今までに検討されたことは無かった。
また、日本の電波法で規定される免許を要しない無線局に許容される電界強度は3mの距離で35μV/m以下である。これはEIRP(等価等方放射電力)で−64.3dBmと極めて微弱であり、従来技術による発振回路で発振する発振出力電力に比較しても、数十dBのレベル差がある。そのため、このような目的の送信機には、何ら増幅手段を設置しなくても、放射電力が過剰となってしまい、電波の放射を抑えるためにエネルギーを使うと言う矛盾した方法を採らざるを得なかった。
そこで、本発明は、同一筐体内のような至近距離においての無線伝送路を構築するための従来の銅などの電線による伝送路と同一以下の低コストかつ低消費電力で実現できる無線伝送路のための変復調の実現方法を示し、低コストかつ低消費電力で信頼性の高い送信装置、受信装置および電子装置を実現することを目的とする。
本発明の一態様に係る送信装置は、少なくとも高調波成分を含む周期的な信号を発生する周期信号発生手段と、前記周期信号発生手段の発生した信号を送信信号によって変調する変調手段と、前記変調手段の出力信号から高調波成分を取り出し送信する送信手段とを具備することを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、低い周波数で発振する発振回路を使用し変調した後、そこから高調波成分を取り出し送信することによって、通信を可能とするため、発振回路に要求される発振周波数は、電磁波となって伝送される信号の周波数に比較して著しく低い周波数でよく、発振回路などの消費電力を低減することが可能である。また、通常半導体集積回路で達成不可能な高周波の電磁波信号を発生することを可能にする。
本発明の一態様に係る送信装置は、前記周期信号発生手段の発生する周期的な信号は奇数次高調波成分の和として近似されることを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、周期的な信号は奇数次高調波のみで構成され偶数次の高調波を含まない。そのため、高調波間の間隔が広くなり、送信信号として高調波を取り出すフィルタ回路が簡略化できる。
本発明の一態様に係る送信装置は、前記変調手段は、前記周期信号発生手段の発生する周期的な信号に対して前記送信信号によって振幅変調、周波数変調または位相変調することを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、通信方式として振幅変調、周波数変調または位相変調を可能とする。しかも、送信される電磁波信号の搬送波周波数を発振する必要がないので、システム構成を簡略化でき、また消費電力を減らすことができる。
本発明の一態様に係る送信装置の前記周期信号発生手段は、位相の異なる複数の周期的な信号を発生し、前記変調回路は、前記送信信号によって前記周期信号発生手段の発生する周期的な信号の所定の位相を選択することによって位相変調することを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、通信方式としてデジタル多値位相変調を可能とする。しかも、送信される電磁波信号の搬送波周波数を発振する必要がないので、システム構成を簡略化でき、また消費電力を減らすことができる。
本発明の一態様に係る送信装置の前記周期信号発生手段は、周波数の異なる複数の周期的な信号を発生し、前記変調回路は、前記送信信号の論理値によって前記周期信号発生手段の発生する周期的な信号の所定の周波数を選択することによって周波数シフト変調することを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、通信方式としてデジタル周波数シフト変調を可能とする。しかも、送信される電磁波信号の搬送波周波数を発振する必要がないので、システム構成を簡略化でき、また消費電力を減らすことができる。
本発明の一態様に係る受信装置は、少なくとも高調波成分を含む周期的な信号を発生する周期信号発生手段と、前記周期信号発生手段の発生した信号から高調波成分を取り出すフィルタ手段と、受信信号と前記フィルタ手段の出力信号の乗算を行う乗算手段とを具備することを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、局所発振回路の低い発振周波数から高調波を取り出し、受信信号と混合して復調することが可能であり、装置の簡略化と低消費電力化に効果がある。
本発明の一態様に係る受信装置の前記周期信号発生手段は、周期的な信号を非線形増幅する増幅手段によって構成されことを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、混合に必要な局所発振周波数の信号を簡単な回路で取り出すことができるので、装置の低消費電力化に効果がある。また、集積回路のデバイス特性による限界ぎりぎりまでの高周波数でも、容易に作動させることも可能となる。
本発明の一態様に係る電子装置は、周期的な信号に含まれる高調波成分を送信データにて変調する変調手段と、前記送信データにて変調された高調波成分を前記周期的な信号から抽出して送信する送信手段と、前記送信手段にて送信された送信データを受信する受信手段と、前記周期的な信号に含まれる高調波成分を前記受信手段にて受信された受信データに混合する混合手段とを具備することを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、空間を伝播する電磁波信号の周波数と同等の周波数で発振する発振回路を必要とすることなく、送受信機を構成できる。このため、発振回路の発振周波数は低くてよいので、回路素子に要求される性能を軽減することができ、消費電力が少ない低価格のシステムの実現が可能である。また、これらの変復調手段を使って同一システム内のブロック間通信を行うことも可能となり、ヒンジを介して連結された筐体間の通信、同一基板上での内部通信、ICパッケージ間など困難をともなう場所の配線を無線化することが可能となり、製造が容易で信頼性の高い低価格の電子装置を実現できる。
本発明の一態様に係る電子装置は、少なくとも高調波成分を含む周期的な信号を発生する周期信号発生手段と、前記周期信号発生手段にて発生された周期的な信号に含まれる低周波成分を伝送する有線伝送路と、前記有線伝送路にて伝送された低周波成分から前記周期的な信号に含まれる高調波成分を再生する再生手段とをさらに具備することを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、電子装置内の通信を無線で行う際において、変調部と復調部は同一の周期信号発生手段の発生する周期的な信号を使って変復調できるので、周期信号発生手段に要求される周波数精度は著しく緩和され、装置の実現を容易にする。また、発振回路を1つで済ませることが可能となるとともに、その発振周波数を低くすることができ、システムの消費電力も下げることが可能となるとともに、EMIなどの不要の電磁波放射も減らすことができる。
本発明の一態様に係る電子装置は、第1筐体部と、第2筐体部と、前記第1筐体部と前記第2筐体部との間の位置関係を変えられるように前記第1筐体部と前記第2筐体部とを連結する連結部と、前記第1筐体部に搭載された第1回路部と、前記第2筐体部に搭載された第2回路部と、前記第1筐体部に搭載された第1の内部無線通信用アンテナと、前記第2筐体部に搭載された第2の内部無線通信用アンテナと、前記第1筐体部に搭載され、前記第1の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第1の内部無線通信制御部と、前記第2筐体部に搭載され、前記第2の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第2の内部無線通信制御部と、前記第1および第2回路部間で信号伝送する有線通信部とを備え、前記第1または第2の内部無線通信制御部は、少なくとも高調波成分を含む周期的な信号を発生する周期信号発生手段と、前記周期信号発生手段にて発生された信号を送信データにて変調する変調手段と、前記変調手段にて変調された信号から高調波成分を抽出するフィルタ手段とを含み、前記有線通信部は、前記周期信号発生手段にて発生された信号の基本波成分を伝送することを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、クラムシェル構造が採用された電子装置において、内部無線通信用アンテナおよび内部無線通信制御部によって筐体間のデータ伝送を無線で行うことが可能となるため、電子装置に搭載される表示部などの高解像度化に対応して筐体間でやり取りされるデータ量が増大した場合においても、筐体間の配線数の増大を抑制しつつ、筐体間でデータ通信を滞りなく行うことが可能となる。さらに、搬送波発生回路または局所発振回路の信号の基本波成分を有線通信部にて伝送することにより、搬送波と局所発振回路信号のトラッキングを取ることが可能となるため、内部無線通信制御を著しく簡略化することが可能となる。このため、電子装置に搭載にクラムシェル構造が採用された場合においても、連結部の構造の複雑化を抑制することが可能となるとともに、実装工程の煩雑化を防止することが可能となり、コストアップを抑制しつつ、電子装置の小型薄型化および高信頼性化を図ることが可能となるとともに、電子装置の携帯性を損なうことなく、電子装置の大画面化および多機能化を図ることが可能となる。
本発明の一態様に係る電子装置は、第1筐体部と、第2筐体部と、前記第1筐体部と前記第2筐体部との間の位置関係を変えられるように前記第1筐体部と前記第2筐体部とを連結する連結部と、前記第1筐体部に搭載された第1回路部と、前記第2筐体部に搭載された第2回路部と、前記第1筐体部に搭載された第1の内部無線通信用アンテナと、前記第2筐体部に搭載された第2の内部無線通信用アンテナと、前記第1筐体部に搭載され、前記第1の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第1の内部無線通信制御部と、前記第2筐体部に搭載され、前記第2の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第2の内部無線通信制御部と、前記第1および第2回路部間で信号伝送する有線通信部とを備え、前記第1または第2の内部無線通信制御部は、少なくとも高調波成分を含む周期的な信号を発生する周期信号発生手段と、前記周期信号発生手段の出力を分周する分周手段と、前記周期信号発生手段にて発生された信号を送信データにて変調する変調手段と、前記変調手段にて変調された信号から高調波成分を取り出すフィルタ手段とを含み、前記有線通信部は、前記分周手段の信号の基本波成分を伝送することを特徴とする。
本発明の上記構成によれば、有線伝送路で伝送する信号の周波数を更に低くすることが可能となるとともに、搬送波と局所発振回路信号のトラッキングを取ることが可能となる。このため、内部無線通信制御を著しく簡略化することが可能となるとともに、EMIの対策等に大いに効果がある。また、システムの他の信号との共用も可能となり、回路が簡略化できる。
以上述べたように、本発明の上記構成によれば、電子装置内の機能ブロック間で送受されるデータの伝送を、半導体集積回路に内蔵される発振回路と変復調回路により電磁波(電波)で伝送することにより、空間を媒体としてデータを伝送することが可能となり、従来の高速データ伝送に伴う種々の問題や実装上の問題を除去することができ、低コストで高信頼性かつ低消費電力の表示装置を実現することができる。
本発明の上記構成によれば、クラムシェル構造が採用された電子装置において、内部通信用アンテナおよび内部無線通信制御部によって筐体間のデータ伝送を無線で行うことが可能となるため電子装置に搭載される表示部などの高解像度化に対応して筐体間でやり取りされるデータ量が増大した場合においても、筐体間の配線数の増大を抑制しつつ、筐体間でデータ通信を滞りなく行うことが可能となる。さらに搬送波発生回路または局所発振回路の信号の基本波成分を分周して有線通信部にて伝送するため、有線伝送路に要求される伝送帯域は低くてよく、搬送波と局所発振回路信号のトラッキングのための信号伝送が容易となる。これによって、内部無線通信制御が著しく簡略化することが可能となる。このため、電子装置に搭載にクラムシェル構造が採用された場合においても、連結部の構造の複雑化を抑制することが可能となるとともに、実装工程の煩雑化を防止することが可能となり、コストアップを抑制しつつ、電子装置の小型薄型化および高信頼性化を図ることが可能となるとともに、電子装置の携帯性を損なうことなく、電子装置の大画面化および多機能化を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面を使って説明する。
図1は、この方式が適用されるクラムシェル型携帯電話を開いたときの状態を示す斜視図、図2は、この方式が適用されるクラムシェル型携帯電話を閉じたときの状態を示す斜視図である。
図1および図2において、第1筐体部1の表面には、操作ボタン4が配置されるとともに、第1筐体部1の下端にはマイク5が設けられ、第1筐体部1の上端には外部無線通信用アンテナ6が取り付けられている。また、第2筐体部2の表面には、表示体8が設けられるとともに、第2筐体部2の上端にはスピーカ9が設けられている。また、第2筐体部2の裏面には、表示体11および撮像素子12が設けられている。なお、表示体8、11としては、例えば、液晶表示パネル、有機ELパネルまたはプラズマディスプレイパネルなどを用いることができる。また、撮像素子12としては、CCDまたはCMOSセンサなどを用いることができる。また、第1筐体部1および第2筐体部2には、第1筐体部1と第2筐体部2との間で内部無線通信を行う内部無線通信用アンテナ7、10がそれぞれ設けられている。
そして、第1筐体部1および第2筐体部2はヒンジ3を介して連結され、ヒンジ3を支点として第2筐体部2を回転させることにより、第2筐体部2を第1筐体部1上に折り畳むことができる。そして、第2筐体部2を第1筐体部1上に閉じることにより、操作ボタン4を第2筐体部2にて保護することができ、携帯電話を持ち歩く時に操作ボタン4が誤って操作されることを防止することができる。また、第2筐体部2を第1筐体部1から開くことにより、表示体8を見ながら操作ボタン4を操作したり、スピーカ9およびマイク5を使いながら通話したり、操作ボタン4を操作しながら撮像を行ったりすることができる。
ここで、クラムシェル構造を用いることにより、第2筐体部2のほぼ一面全体に表示体8を配置することができ、携帯電話の携帯性を損なうことなく、表示体8のサイズを拡大させることを可能として、視認性を向上させることができる。
また、内部無線通信用アンテナ7、10を第1筐体部1および第2筐体部2にそれぞれ設けることにより、内部無線通信用アンテナ7、10を用いた内部無線通信にて第1筐体部1と第2筐体部2との間のデータ伝送を行うことができる。例えば、外部無線通信用アンテナ6を介して第1筐体部1に取り込まれた画像データや音声データを、内部無線通信用アンテナ7、10を用いた内部無線通信にて第2筐体部2に送り、表示体8に画像を表示させたり、スピーカ9から音声を出力させたりすることができる。また、撮像素子12にて撮像された撮像データを、内部無線通信用アンテナ7、10を用いた内部無線通信にて第2筐体部2から第1筐体部1に送り、外部無線通信用アンテナ6を介して外部に送出させることができる。
これにより、第1筐体部1と第2筐体部2との間のデータ伝送を有線で行う必要がなくなり、多ピン化されたフレキシブル配線基板をヒンジ3に通す必要がなくなる。このため、ヒンジ3の構造の複雑化を抑制することが可能となるとともに、実装工程の煩雑化を防止することが可能となり、コストアップを抑制しつつ、携帯電話の小型薄型化および高信頼性化を図ることが可能となるとともに、携帯電話の携帯性を損なうことなく、携帯電話の大画面化および多機能化を図ることができる。
なお、外部無線通信用アンテナ6は第1筐体部1に装着されているが、第2筐体部2に装着してもよい。この場合の方が使用時において外部無線通信用アンテナ6が第2筐体部2によって遮られることがなく、能率のよい通信が期待できる。この場合には、第1筐体部1に内蔵される携帯電話の通信制御部から同軸ケーブルなどにより外部無線通信用アンテナ6に給電される。
図3は、本発明の無線通信制御方法が適用される回転式携帯電話の外観を示す斜視図である。
図3において、第1筐体部21の表面には、操作ボタン24が配置されるとともに、第1筐体部21の下端にはマイク25が設けられ、第1筐体部21の上端には外部無線通信用アンテナ26が取り付けられている。また、第2筐体部22の表面には、表示体28が設けられるとともに、第2筐体部22の上端にはスピーカ29が設けられている。また、第1筐体部21および第2筐体部22には、第1筐体部21と第2筐体部22との間で内部無線通信を行う内部無線通信用アンテナ27、30がそれぞれ設けられている。
そして、第1筐体部21および第2筐体部22はヒンジ23を介して連結され、ヒンジ23を支点として第2筐体部22を水平に回転させることにより、第2筐体部22を第1筐体部21上に重ねて配置したり、第2筐体部22を第1筐体部21からずらしたりすることができる。そして、第2筐体部22を第1筐体部21上に重ねて配置することにより、操作ボタン24を第2筐体部22にて保護することができ、携帯電話を持ち歩く時に操作ボタン24が誤って操作させることを防止することができる。また、第2筐体部22を水平に回転させて、第2筐体部22を第1筐体部21からずらすことにより、表示体28を見ながら操作ボタン24を操作したり、スピーカ29およびマイク25を使いながら通話したりすることができる。
ここで、内部無線通信用アンテナ27、30を第1筐体部21および第2筐体部22にそれぞれ設けることにより、内部無線通信用アンテナ27、30を用いた内部無線通信にて第1筐体部21と第2筐体部22との間のデータ伝送を行うことができる。例えば、外部無線通信用アンテナ26を介して第1筐体部21に取り込まれた画像データや音声データを、内部無線通信用アンテナ27、30を用いた内部無線通信にて第2筐体部22に送り、表示体28に画像を表示させたり、スピーカ29から音声を出力させたりすることができる。
これにより、多ピン化されたフレキシブル配線基板をヒンジ23に通す必要がなくなり、ヒンジ23の構造の複雑化を抑制することが可能となるとともに、実装工程の煩雑化を防止することが可能となる。このため、コストアップを抑制しつつ、携帯電話の小型薄型化および高信頼性化を図ることが可能となるとともに、携帯電話の携帯性を損なうことなく、携帯電話の大画面化および多機能化を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、携帯電話を例にとって説明したが、ビデオカメラ、PDA(Personal Digital Assistance)、ノート型パーソナルコンピュータなどに適用することもできる。
また、上述した実施形態では、ヒンジを介して互いに連結された筐体間での内部無線通信を例にとって説明したが、同一筐体内での内部無線通信、同一実装基板上での内部無線通信、ICチップ間での内部無線通信、同一モジュール内での内部無線通信または同一パッケージ内での内部無線通信、または一体的に使用される機器内での内部無線通信などに適用するようにしてもよい。
図4は、本発明にかかる送信装置および受信装置の実施例を示すブロック図であり、上記に述べた本発明の電子装置に用いられる内部通信用の送受信回路部の実施例を例示する。
図4において、一点鎖線410の左側のブロックはデータの送信部に関わり、右側のブロックは受信部に関わる。ここで、送信部には、一定周期の高調波成分を多く含む周期的な信号を発生する発振回路401が設けられている。そして、変調回路402は、変調データ端子408より入力される送信データに基づき、発振回路401で発生した周期的な信号を変調する。バンドパスフィルタ403は、変調回路402の出力信号から所定の高調波成分のみを取り出し、送信アンテナ411より電磁波信号として受信側に放射する。変調回路402のより詳しい説明は他の実施例で詳述する。
このような構成により、発振回路401は、電磁波信号の搬送波周波数よりも著しく低い周波数で発振できればよく、発振回路401を実現する回路素子の要求性能を緩和し実現を容易にするばかりか、システムの消費電流を減らすことが可能となる。また、アンテナ411から放射される電磁波のレベルは必要最小限に抑え、かつ電波法などの法規制に適合しなければならない。従来のように使用搬送波を発振し直接変調をかけた場合は、信号レベルが大きすぎ、何らかの電力制限手段を講じる必要があった。図4の構成では、発振回路401で発振する信号は送信搬送周波数よりも著しく低い周波数であり、変調回路402による変調後、バンドパスフィルタ403にて高調波を取り出しているので、送信アンテナ411から放射される信号のレベルも小さく、放射電磁界を制限するための対策も容易となる。
送信アンテナ411から放射された電磁波信号は受信アンテナ412により受信され、低雑音増幅回路(LNA)405により増幅された後、搬送波に対応した信号が混合回路414にて混合され、周波数変換が行われる。混合回路414は、バンドパスフィルタ403により選択された搬送波周波数と同一の周波数に従って混合処理を行うことにより、受信アンテナ412により受信された電磁波信号を直接ベースバンド信号に変換することも可能である。この場合、混合回路414は復調回路として動作し、復調データが中間周波端子409より出力される。復調回路のより詳しい説明は他の実施例により後述する。
混合回路414が復調回路として動作するためには、送信側で使用した搬送波の周波数と混合回路414が混合するローカル信号は完全に一致している必要がある。このために、従来の技術では送受信に使用される発振周波数の精度を上げ、使用周波数を許容限界内に維持したり、受信側にて自動周波数制御や搬送波抽出といった技術を採用することにより送受間の同期を取っていた。
図4の送信装置では、このような方法ももちろん利用可能であるが、送受信が至近距離で行われる場合はもっと簡便な方法をとることが可能である。すなわち、送信側の発振回路401の出力からローパスフィルタ404により同発振回路401の発振信号の基本波を抽出し、有線路413により受信側に伝送する。受信側では、ローパスフィルタ404にて抽出された信号を受け取ると、ハードリミッタ406により高調波成分を再生し、バンドパスフィルタ407により所定の高調波成分を取り出し、混合回路414で用いる局所信号として使用する。ハードリミッタ406は、入力信号の符号(正負)に応じて2値信号を出力する増幅器である。一般に正弦波をこのような非線形の増幅器に入力することにより、高調波成分を再生することができる。
以上のような構成によって、送信側で用いる搬送波と受信側で用いる局所信号の周波数を完全に一致させることが可能となり、発振回路401に要求される精度が著しく緩和されると同時に、通信性能も上げることが可能となる。また、一般に消費電力の多い発振回路401が1つで済む上、電磁波信号の搬送周波数に比較して発振周波数も著しく低くてよいため、システムの消費電力を大幅に下げることが可能である。ローパスフィルタ404にて抽出された発振回路401の基本波成分のみを有線路413によって伝送するのは、一般に有線路による極端に高い周波数の伝送は困難であり、またEMIなどの不要の電磁波放射も増えるからである。このように、有線にて伝送困難な大量のデータは変調することにより空間を伝送させ、同期や周波数追跡に必要な低周波の信号は有線にて伝送することにより、従来技術では伝送困難だった大量データを簡易な方法により、低消費電力で精度良く伝送することが可能となる。
ここで、数式を使って図4の構成の動作を更に詳しく説明する。発振回路401は高調波成分を多く含む周期的な信号Sを発生する。よく知られているように、任意の周期関数はフーリエ展開により次式のように表すことができる。
Figure 2006339754
ここで、ωは発振回路401の発生する周期的な信号の基本角周波数であり、tは時間である。発振回路401の発生する信号に含まれる直流成分は無視し、また煩雑であるため余弦関数成分は省略し、正弦関数の成分のみで表すこととする。このような省略は、以下の議論の本質に何ら影響するものでないことは容易に理解されるだろう。
変調回路402は発振回路401の出力信号Sを変調する。変調信号Mは次式のように表すことができる。
Figure 2006339754
ここで、D、ωd、pは変調回路402によって発振回路401の信号Sを変調した効果を表し、それぞれ信号Sの振幅、周波数、位相を変更したことを示す。変調データ端子408に入力される変調データに基づき、振幅をDに変更すれば振幅変調、周波数をωdに変更すれば周波数変調に相当し、pの変更は基本周期すなわち2π/ω(πは円周率)のなかで、出力信号Sを時間pだけ遅延させることを示し、位相変調に相当する。
バンドパスフィルタ403は変調信号Mから所定の高調波成分のみを取り出す。すなわち、この高調波信号をTとすれば、高調波信号Tは次式のように表すことができる。
T=D′sin{mωd(t−p)} ・・・(3)
ただし、D′=DAmであり、mは整数で基本波のm倍の高調波を取り出すことを示す。
ローパスフィルタ404は発振回路401の信号Sから基本波sinωt(振幅情報は無視した)のみ取り出し、受信側に伝送する。ハードリミッタ406は強い非線形特性を持つ増幅器で、入力された信号波形の正負を弁別し、振幅±1の矩形波を生じる。このような矩形波は高調波成分を含み、ハードリミッタ406によって発生される信号Hは発振回路401で発生する信号Sと同様に、次式で表される。
Figure 2006339754
なお、正弦波をハードリミッタ406にかけた場合、デューティ比が完全に50%の矩形波形となり、このような信号には偶数高調波が含まれない。偶数高調波が必要な場合は、入力される正弦波に適当にオフセット電圧を加算し、ハードリミッタ406にかけることにより、デューティ比が50%でない偶数高調波を含む波形も作り出すことができる。ただし、後述するように、高調波同士の間隔が基本波周波数の2倍になる奇数次高調波のみからなる信号の方が都合が良いことが多い。発振回路401でも、デューティ比50%の矩形波を発生させ、奇数次高調波のみの発振信号を使用する方が、バンドパスフィルタ403に要求される性能が緩和されて良い。
バンドパスフィルタ407は、ハードリミッタ406の出力信号Hから混合回路414で使用する周波数成分sin(m′ωt)を取り出し、混合回路414へ送出する(m′は整数)。なお、m=m′とすれば、受信アンテナ412にて受信された受信信号は、混合回路414により同一の搬送波周波数によって混合され、混合回路414の出力は復調されたベースバンド信号となり、中間周波端子409より出力される。m≠m′のときは、混合回路414からは、ω(m−m′)の角周波数の中間周波を出力することができる。
なお、バンドパスフィルタ403、407およびローパスフィルタ404は適宜省略が可能である。一般に使用する周波数が低いと、アンテナは大型化するため、小さいアンテナを用いると、低い周波数のエネルギー放射が抑えられる。このため、バンドパスフィルタ403を省略し、変調回路402の出力信号を送信アンテナ411に直接送出しても良い。送信された電磁波信号は、送受信アンテナ411、412および空間伝送路を経てLNA405に達するまでの伝送路特性によって、基本波や高調波の低い成分が抑制される。また、このような伝送路特性による基本波や高調波成分の抑制が不十分であったとしても、受信側での復調には問題がない。同様に、ローパスフィルタ404を省略しても、有線伝送路413の特性によって受信側には高調波成分は伝送できない場合が多いが、ハードリミッタ406の働きによって、受信側で高調波成分を再生することができる。有線伝送路413からの高調波成分の不要放射が少ない場合は、ローパスフィルタ404を省略してもよい。同様に、混合回路414のローカル信号は一般に大振幅を用いることが多く、高調波歪みを含んだ状態で動作させることが多い。そのため、特に、混合回路414の歪みが大きいとかの問題が無い限り、バンドパスフィルタ407も省略することが可能である。
このように、本実施例に従えば、空間を伝播する電磁波信号の周波数と同等の周波数で発振する発振回路を必要とすることなく、送受信機を構成できる。このため、発振回路の発振周波数は低くてよいので、回路素子に要求される性能を軽減することができ、消費電力が少ない低価格のシステムの実現が可能である。
また、有線にて伝送困難な大量のデータを変調しながら空間を伝送させ、同期や周波数追跡に必要な低周波の信号は有線にて伝送することにより、従来技術では伝送困難だった大量のデータを簡易な方法により低消費電力で精度良く伝送することが可能となる。
図5は本発明にかかる送信装置および受信装置の他の実施例を示すブロック図であり、上述した電子装置に用いられる内部通信用送受信回路部の他の実施例を例示する。
図5において、一点鎖線510の左側のブロックはデータの送信部に関わり、右側のブロックは受信部に関わる。ここで、受信側には、一定周期の高調波成分を多く含む周期的な信号を発生する発振回路501が設けられている。そして、発振回路501の出力信号は、バンドパスフィルタ507によって混合回路514の動作に必要な周波数成分が取り出され、ローカル信号として受信電磁波信号と混合される。なお、受信電磁波信号は受信アンテナ512にて受信され、低雑音増幅回路(LNA)505により増幅された後、混合回路514により混合され、周波数変換が行われる。
また、受信側の発振回路501の出力からローパスフィルタ504により同発振回路501の発振信号の基本波を取り出し、有線路513により送信側に伝送する。送信側では、有線路513を介して送出された信号を受け取ると、ハードリミッタ506により高調波成分を再生し、搬送波信号として変調回路502に送出する。変調回路502は、変調データ端子508より入力される送信データに基づき、ハードリミッタ506の発生した高調波成分を含む周期信号を変調する。バンドパスフィルタ503は、変調回路502の出力信号から所定の高調波成分のみを取り出し、送信アンテナ511より電磁波信号として受信側に放射する。変調回路502のより詳しい説明は他の実施例で詳述する。
このような構成によれば、発振回路501は、送信アンテナ511および受信アンテナ512にてやり取りされる電磁波信号の搬送波周波数よりも著しく低い周波数で発振できればよく、発振回路501を実現する回路素子の要求性能を緩和し実現を容易にして、システムの消費電流を減らすことが可能となる。また、送信アンテナ511から放射される電磁波のレベルは必要最小限に抑え、かつ電波法などの法規制に適合しなければならないが、従来のように使用搬送波を発振させ、直接変調をかけた場合は信号レベルが大きすぎ、何らかの電力制限手段を講じる必要があった。図5の構成では、発振回路501で発振する信号は送信搬送周波数よりも著しく低い周波数であり、変調回路502による変調後、バンドパスフィルタ503にて高調波を取り出しているので、送信アンテナ511から放射される信号レベルも小さく、放射電磁界を制限するための対策も容易となる。
送信アンテナ511より放射された電磁波信号は、受信アンテナ512で受信され、低雑音増幅回路(LNA)505により増幅された後、混合回路514にて搬送波に対応した信号と混合され、周波数変換が行われる。混合回路514は、バンドパスフィルタ503により選択された電磁波信号の搬送波周波数と同一の周波数に従って混合処理を行うことにより、受信アンテナ512により受信された電磁波信号を直接ベースバンド信号に変換することも可能である。この場合、混合回路514は復調回路として動作し、復調データが中間周波端子509より出力される。復調回路のより詳しい説明は他の実施例により後述する。
混合回路514が復調回路として動作するためには、送信側で使用した搬送波の周波数と混合回路514が混合するローカル信号は完全に一致している必要がある。このために、従来の技術では、送受信に使用される発振周波数の精度を上げ、使用周波数を許容限界内に維持したり、受信側にて自動周波数制御や搬送波抽出といった技術を採用することにより送受間の同期を取っていた。
図5の送信装置では、このような方法ももちろん利用可能であるが、送受信が至近距離で行われる場合は、受信側で用意した発振回路501の信号を送信側に送って利用することにすれば、送受間の同期や周波数追跡が非常に容易になる。すなわち、受信側の発振回路501の出力からローパスフィルタ504により発振回路501の発振信号の基本波を抽出し、有線路513により送信側に伝送する。送信側では、ローパスフィルタ504にて抽出された信号を受け取ると、ハードリミッタ506により高調波成分を再生し、変調回路502で用いる搬送波として利用する。このような構成をとれば、送信側で用いる搬送波と受信側で用いる局所信号の周波数は完全に一致するため、発振回路501に要求される精度が著しく緩和されると同時に、通信性能も上げることが可能となる。
また、一般に消費電力の多い発振回路501が1つで済み、しかもその発振周波数が低いため、システムの消費電力も下げることが可能である。ローパスフィルタ504にて抽出された発振回路501の基本波成分のみを有線路513によって伝送するのは、一般に有線路513による極端に高い周波数の伝送は困難であり、またEMIなどの不要の電磁波放射も増えるからである。
このように、有線では伝送困難な大量のデータは変調しながら空間を伝送させ、同期や周波数追跡に必要な低周波の信号は有線にて伝送することにより、従来技術では伝送困難だった大量のデータを簡易な方法により低消費電力で精度良く伝送することが可能となる。なお、バンドパスフィルタ503、507およびローパスフィルタ504が適宜省略が可能であることも、実施例1と同様である。さらに、数式を使っての説明は実施例1と同様になされるが、繰り返しになるので省略する。
図6は本発明による一実施例を説明する図であり、実施例1、2の変調回路402、502および混合回路414、514について詳述する。実施例1、2に用いられる変調回路402、502および混合回路414、514として、本実施例3では乗算回路602を使用する。乗算回路602は2つの入力端子601、605を持ち、各入力端子601、605に入力された信号の積を出力端子603より出力する。この乗算回路602としては、二重平衡型の混合回路などを利用することが可能である。
乗算回路602の入力として搬送波信号Sが入力端子601に入力されるとともに、送出する変調データDが入力端子605に入力されると、搬送波信号Sと変調データDとが乗算回路602にて乗算される。なお、変調データDは帯域制限フィルタ604を通して乗算回路602に入力するようにしてもよく、帯域制限フィルタ604の働きは後述することとし、ここでは変調データDが直接乗算回路602に入力されたものとして説明する。
入力端子601に入力される搬送波信号Sは(1)式で表される。この搬送波信号Sには変調データDが乗算される。すなわち、(2)式において、ωd=ω、p=0とした信号が乗算回路602から出力される。乗算回路602には、ωをωdに変更したり、pを付加する機能は無いが、変調データDが搬送波信号Sに乗算されることにより、搬送波信号Sの振幅が変更され、振幅変調を行うことができる。なお、変調データDはアナログ信号でもよい。すなわち、以下の(5)式に示すように、ベースバンド信号Eが単一の正弦波として表されるものとすると、
E=Csin(ωbt) ・・・(5)
ただし、Cはベースバンド信号Eの振幅、ωbはその角周波数である。
そして、オフセット加算回路610によりベースバンド信号Eに適当なオフセット電圧を与え、以下の(6)式に示すように、乗算回路602へ入力される変調データDを生成する。
D=C(1+maE/C)=C{1+masin(ωbt)} ・・・(6)
ただし、maは変調指数である。(2)式に(6)式およびωd=ω、p=0を代入し、以下の(7)式に示すように、乗算回路602から出力される信号Mを得る。
Figure 2006339754
この信号Mは変調出力端子603から出力され、バンドパスフィルタ(図示せず)に送られる。そして、以下の(8)式に示すように、実施例1、2に従って、乗算回路602から出力された信号Mからバンドパスフィルタにてm次高調波成分Tのみを取り出すことにより、搬送角周波数mωの典型的な振幅変調の信号Tを得ることができる。
T=D′{1+masin(ωbt)}sin(mωt) ・・・(8)
ただし、D′=CAmである。
また、(6)式においてオフセットを与えないようにして、乗算回路602へ入力される変調データDを生成すると、以下の(9)式が得られる。
D=C(maE/C)=Esin(ωbt) ・・・(9)
そして、(6)式の代わりに(9)式を用いると、(8)式は以下の(10)式のようになり、搬送角周波数mωの抑圧搬送波の両側波帯振幅変調波が得られる。
T=EAmsin(ωbt)sin(mωt) ・・・(10)
ただし、(10)式では、変調指数maは意味を持たないので、ma=1として省略した。
このようにして得られた信号Tは、実施例1、2で述べたように、電磁波信号として受信側に送信され、受信側ではLNAなどで前処理された後、混合入力端子608を介して乗算回路606に入力される。
また、乗算回路606には、実施例1、2で述べた方法により生成したローカル信号sin(mωt)が入力端子607を介して入力され、受信信号Tとローカル信号sin(mωt)とが乗算される。なお、入力端子607に入力されたローカル信号sin(mωt)は、移相回路611を介して乗算回路606に入力することができる。なお、この移相回路611は、信号伝搬路の違い(空間と有線)による位相のずれを補正するもので、同期検波に使用する技術などが使用できる。
ここで、(8)式で表される振幅変調波Tが乗算回路606に入力された場合、乗算回路606から出力される信号Bは、以下の(11)式で表すことができる。
B=Tsin(mωt)
={1+masin(ωbt)}sin2(mωt)
={1+masin(ωbt)}{1−cos(2mωt)}/2 ・・・(11)
そして、この信号Bから角周波数2mωの成分をローパスフィルタ612により除去すれば、ベースバンド信号{1+masin(ωbt)}が得られ、変調信号を復調することができる。そして、復調信号は中間周波端子609より出力される。ここで、振幅変調波Tの振幅情報D′は、伝搬路の損失やLNAの増幅などによって意味を持たなくなるので省略した。
同様に、(10)式で表される抑圧搬送波の両側波帯振幅変調波Tが乗算回路606に入力された場合、乗算回路606から出力される信号Bは、以下の(12)式で表すことができる。
B=Tsin(mωt)
=sin(ωbt)sin2(mωt)
=sin(ωbt){1−cos(2mωt)}/2 ・・・(12)
そして、この信号Bから角周波数2mωの成分をローパスフィルタ612により除去すれば、ベースバンド信号sin(ωbt)が得られ、変調信号を復調することができる。ここで、(11)式と同様に、両側波帯振幅変調波Tの振幅情報EAmは伝搬路の損失やLNAの増幅などによって意味を持たなくなるので省略した。
以上述べたように、本実施例によれば、振幅変調を使った通信において、変復調に用いる回路は簡単に実現できる乗算回路602、606で実現が可能であり、しかも一般に高周波である搬送波周波数を直接発生することなく実現が可能である。このため、回路に要求される素子性能を著しく緩和し、また消費電力も下げることができる。さらに、送受信間で同一の基準に基づいて、送信搬送波と受信のローカル信号を生成するため、両者の同期および追跡が容易となり、回路の大幅な簡略化が可能である。
ベースバンド信号としてデジタル値を表すビット列を用いる場合も、本実施例の構成が適用可能である。すなわち、例えば、デジタル値が“1”のとき“−1v”(vは所定の電圧値)、“0”のとき“+1v”のパルス波形を、ベースバンド信号として変調データの入力端子605に入力すればよい。すなわち、(8)式において、ma=−1とし、またsin(ωbt)の代わりに“±1v”の値をとるベースバンド信号で置き換えると、デジタル値が“1”の時のみ角周波数mωの搬送波が送出されるパルス振幅変調(PAM)となる。
また、オフセットを与えない場合は(9)式が適用され、この場合は送出するデジタル値に従って角周波数mωの搬送波の位相が反転するバイナリ位相シフトキーイング変調(BPSK)となる。BPSKの場合には、乗算回路602、606もデジタル回路で構成することが可能である。すなわち、入力端子601より入力されるパルス列は高調波成分を多く含むパルス列であるので、デジタル値を表す2値信号として差し支えなく、乗算回路602の入力は2つともデジタル信号に置き換えることが可能である。デジタル値が“1”のとき“−1v”、“0”のとき“+1v”を対応させれば、乗算回路602の動作は排他的論理和回路の動作と同じになり、デジタル信号に置き換えが可能となる。これによって、デジタルデータを伝送する場合には、回路をデジタル回路で構成することが可能となり、回路構成を著しく簡略化することが可能となる。
図7に本発明による本実施例に基づいてBPSK変調を行う場合について、タイムチャートとスペクトル図を用いて説明する。同図(a)は乗算回路602の入力端子601に入力されるパルス列である。このパルス列には、高調波に搬送波周波数成分を含むことができる。そして、パルス列の周期をTc=1/fc(Tcは該パルス列の周期)とすると、同図(b)のようなスペクトル分布を示す。該パルス列のデューティ比が50%のときは、パルス列周波数fcの偶数高調波は現れず、そのエンベロープはsinc関数によって表される。
同図(c)に送信データのビット列の波形を例示する。すなわち、送信データの各ビット値に応じて上記に述べたように“±1v”の電圧をそれぞれ対応させたのがこの波形であり、1ビット期間Tbの逆数fbが送信するデータレートとなる。この波形のスペクトルは同図(d)のように表される。すなわちTb/2のsinc関数のエンベロープを持つ面スペクトルとなる。なお、同図(b)と(d)では横軸のスケールが異なっていることに注意されたい。送信データのデータレートfbの方がパルス列周波数fcよりずっと小さいため、スペクトルの広がりもずっと小さい。
なお、本実施例では、同図(a)の波形を今までの議論と異なり、フーリエコサイン展開している。今までの議論のように、フーリエサイン展開を用いた場合のスペクトルのエンベロープは周波数fに反比例する、すなわち1/fの形になる。このような違いは議論の本質ではないことは容易に理解されるだろう。
変調操作では、同図(a)、(c)の両者波形が乗算され、同図(e)のような波形となる。この波形のスペクトルは同図(b)と同図(d)のスペクトルの畳み込みで表され、同図(f)のような形となる。
この同図(f)の波形のうち、Tで示す範囲のみを図4、5のバンドパスフィルタ403、503でそれぞれ切り取り送信することができる。同図(g)は細部が良く見えるように、同図(f)の一部の横軸を拡大したものである。送信データのスペクトルが広いと、同図(f)、(g)の円内で示すように側波の重なり部分が生じる。このような側波の重なりがあると、バンドパスフィルタ403、503で切り取った場合、上下側波の対称性が崩れ、復調後の歪みの原因となり、特性が劣化することがある。図6に示すように、帯域制限フィルタ604により変調データに帯域制限をかけることにより、このような特性の劣化は回避できる。
また、搬送波周波数が送信データの伝送速度の整数倍であり、帯域制限フィルタ604を用いなくて十分に広い帯域で伝送できる場合は側波の重なりがあっても、このような歪は生じることなく回避することが可能である。
以上のように、本実施例に従えば、高い発振周波数の発振回路を用いることなく、デジタル通信に用いるBPSK変復調の実現が可能となり、簡単な回路で低消費電力の安価なデジタル送受信装置を実現できる。
図8は本発明の更に他の実施例を例示する図であり、デジタルデータを伝送するための変調、特に変調としてBPSKを用いる場合の他の実施例を例示する。
図8において、パルス列発生回路801は実施例1の発振回路401または実施例2のハードリミッタ506に相当し、以下の(13)式および(14)式で表される2相の矩形波パルス列φ0、φ1を発生させる。
Figure 2006339754
Figure 2006339754
ここで、φ1は、φ0を時間pだけシフトした波形である。そして、スイッチ回路802は、変調データ端子804に入力される変調データの値によって、例えばその値が“0”ならばφ0、“1”ならばφ1を選択して出力すれば、変調データに従って位相変調された矩形パルス列を出力端子803から得ることができる。この信号は実施例1、2のバンドパスフィルタ403、503にそれぞれ送られる。そして、バンドパスフィルタ403、503にてm次高調波成分のみがそれぞれ抽出され、アンテナよりそれぞれ放射される。なお、2相の発振回路では、pの値として基本波周波数にて位相角の差がπとなるように選択することができる。すなわち、以下の(15)式に示すように、pの値として基本波周期2π/ωの半分に選ぶことができる。
p=π/ω ・・・(15)
(15)式を(14)式に代入すると、以下の(16)式が得られる。
Figure 2006339754
そして、mが奇数のとき、sin(mωt−mπ)=sin(mωt−π)が成り立つので、搬送波角周波数mωのBPSK信号を得ることができる。この場合、mが偶数のときは、BPSK変調波は得ることができないことに注意を要する。偶数のmを選択しなければならない積極的な理由はないが、どうしても偶数のmを選ばなければならないときは、(15)式に設定したpの値を変更することによって、mが偶数のときでも正しいBPSK変調波を得ることができる。
上記にも述べたが、mを奇数とすることによりパルス列発生回路801の発生する信号の高調波同士の間隔が広くなり、バンドパスフィルタ403,503等の回路素子に要求される性能を緩和することができる。また、図7(f)、(g)に示すような側波の重なる機会も減るため、その分だけベースバンドの帯域を増やすこと、すなわち高速データの伝送(変復調)が可能となる。すなわち、パルス列発生回路801の発振波形は、デューティ50%として奇数高調波のみを含む波形とすることが好ましい。
復調は、実施例1、2で述べた方法と同様の方法で行うことができる。すなわち、sin(mωt)を再生して受信信号に乗算した後、ローパスフィルタにより高周波成分を取り除けばよい。例えば、実施例1では、送信側からsin(ωt)を取得するので、ハードリミッタ406とバンドパスフィルタ407にてsin(mωt)を容易に作り出すことが可能である。また、実施例2では、受信側に発振回路501を持つので、実施例1と同様に容易にsin(mωt)を作り出すことができる。
本実施例に従えば、高い発振周波数の発振回路を用いることなく、デジタル通信に用いるBPSK変復調の実現が可能となり、簡単な回路で低消費電力の安価なデジタル送受信装置を実現できる。
図9は本発明の更に他の実施例を例示する場合であり、デジタルデータを伝送するための変調、特に変調としてQPSKを用いる場合を例示する。
(15)式で規定するpの値として0、π/(2ω)、π/ω、(3π)/(2ω)の4つを選ぶ。これらの値を(14)式に代入して4相のパルス列φ0、φ1、φ2、φ3を作り出す。すなわち、パルス列発生回路901は、実施例1の発振回路401または実施例2のハードリミッタ506に相当し、以下の(17)〜(20)式で示す4相のパルス列を発生する。
Figure 2006339754
Figure 2006339754
Figure 2006339754
Figure 2006339754
また、スイッチ回路902には変調データの入力端子904が設けられ、入力端子904には2ビットづつ並列に入力される。スイッチ回路902は、この入力ビットの状態(00、01、10、11)に従って、φ0〜φ3のいずれかの信号を選択し出力端子903に出力する。この信号はバンドパスフィルタによって所定の搬送波周波数の帯域が選択され、電磁波信号として送信される。
実施例4と同様に、選択するnの値によってはQPSK波形にならない場合がある。すなわち、nが偶数のときは、φ0=φ2、φ1=φ3となり、2相となってしまう。また、nが奇数の場合でも、パルス列φ0、φ1、φ2、φ3の位相差がπ/2となる時と、3π/2となる時がある。ただし、位相差が3π/2となる時は、変調データの入力端子904に入力されるデータビット列のうちのどちらかを反転させる方法などで対応可能である。
復調は、実施例1、2で述べた方法と同様の方法で行うことができる。すなわち、sin(mωt)およびcos(mωt)を再生して、受信信号に乗算した後、ローパスフィルタにより高周波成分を取り除けばよい。sin(mωt)およびcos(mωt)は、実施例1、2とも共通のパルス列を持つので、移相回路を併用することによってそれらのパルス列から容易に作り出すことが可能である。
このようにして本実施例に従えば、高い発振周波数の発振回路を用いることなく、デジタル通信に用いるQPSK変復調の実現が可能となり、簡単な回路で低消費電力の安価なデジタル送受信装置を実現できる。
図10は本発明の更に他の実施例を例示する場合であり、変調として周波数変調を用いる場合の例を示す。
図10において、電圧制御発振回路1001には制御電圧を入力する制御電圧端子1002が設けられている。そして、電圧制御発振回路1001は、制御電圧端子1002に入力される電圧によって発振周波数を制御しながら、矩形パルス列を発振することができる。ここで、電圧制御発振回路1001は、制御電圧端子1002に送信データ信号を入力することによって、周波数変調波を発生することができる。送信データ信号としては、アナログ信号のほかにデジタルの2値信号も可能である。デジタルの2値信号を用いた場合は、周波数シフトキーイング(FSK)となる。電圧制御発振回路1001の発生する波形は矩形であるため、電圧制御発振回路1001の発生する信号には高調波成分が多く含まれる。このため、バンドパスフィルタ1003によって高調波成分のみを取り出し、送信アンテナ1011より送信する。このようにして、簡単な構成で高い周波数の周波数変調波を発生することが可能である。なお、バンドパスフィルタ1003により選択された変調波の周波数偏移は、電圧制御発振回路1001により発生された周波数変調の周波数偏移に比較して高調波の次数倍に広がっていることに注意が必要である。すなわち、例えば、バンドパスフィルタ1003によって3倍の高調波を選択した場合は、周波数偏移も3倍になる。
このようにして本実施例に従えば、高い発振周波数の発振回路を用いることなく、周波数変調の実現が可能となり、簡単な回路で低消費電力の安価な送受信装置を実現できる。
図11は本発明の更に他の実施例を例示する場合であり、変調方式としてデジタル2値信号を送信するためのFSKを用いる場合の例を示す。
図11において、発振回路1101、1102は共に矩形パルス列を発振する発振回路であり、異なる周波数F0、F1のパルス列を発生する。また、スイッチ回路1102には送信データとなるデジタル2値信号を入力する端子1104が設けられている。そして、スイッチ回路1102は、送信デジタル2値信号の値が“0”の時には発振回路1101の発生する周波数F0の信号を選択し、送信デジタル2値信号の値が“1”の時には発振回路1102の発生する周波数F1の信号を選択して出力する。スイッチ回路1102から出力される信号は高調波成分を多く含む矩形パルス列であるので、バンドパスフィルタ1103により所定の高調波を選択して、送信アンテナ1111より送信する。
発振回路1101、1102の信号および送信データはいずれも2値信号なので、スイッチ回路1102は簡単なデジタル回路で構成することが可能である。これによって、簡単な回路で高い周波数のFSK信号を発生することができる。発振回路1101、1102の発振周波数は、送信される周波数変調波に比較し著しく低い周波数でよいため、回路部品への要求性能が緩和され、また消費電力も減らすことができる。
このようにして本実施例に従えば、高い発振周波数の発振回路を用いることなく、FSKの実現が可能となり、簡単な回路で低消費電力の安価なFSK送受信装置を実現できる。
図12は本発明の更に他の実施例を例示する場合であり、実施例1に僅かな変更を加えたものである。同図で同じ番号のブロックは実施例1と同じであるので、説明を省略する。
実施例1において、発振回路401の基本波を受信側に送るのではなく、分周回路1201により発振回路401の基本波をN分周する。そして、ローパスフィルタ404で基本波成分sin(ωt/N)を抽出してから、有線伝送路413を介し受信側に送る。このようにすると、有線伝送路413で伝送される信号の周波数成分は更に低くすることができる。
このようにして、分周回路1201により発生する信号は周期が十分長いため、例えば表示素子を用いるシステムにおいては表示体の水平同期信号の周期、あるいは通信装置においては通信の1パケット周期程度まで周波数を落とすことができ、これらの信号と共用することも可能となる。このようにすれば、通信に必要なフレーム同期などの同期に使用される回路を簡略化することが可能となる。また、発振回路401は多くの場合、電子装置に用いられるデジタル回路やCPUのクロック発振回路と共用することが可能であり、このことも装置構成の簡略化に効果がある。
受信側では、ハードリミッタ406で高調波を再生して、直接Nm倍の高調波成分を取り出しても良いし、有線伝送路413から得られる信号をPLL等の手段で一旦逓倍して周波数を上げ、それから高調波成分を取り出しても良い。
本実施例のこのような構成により、有線伝送路で伝送する信号の周波数を更に低くすることができ、EMIの対策等に大いに効果がある。また、システムの他の信号との共用も可能となり、回路が簡略化できる。
図13は本発明の更に他の実施例を例示する場合であり、実施例1、2に僅かな変更を加えたものである。同図で、図4または図5と同じ番号のブロックは実施例1、2と同じであるので、説明を省略する。
本実施例では、送信側および受信側で発振回路401、501を別々に持つ。そして、発振回路401の出力は変調回路402に入力されるととともに、発振回路501の出力は、バンドパスフィルタ507を介して混合回路514に入力される。このようにすることにより、有線伝送路413、513を送受間に配する必要が無くなり、送受信間が至近距離でない場合も安定して動作させることができるようになる。このような構成をとった場合においても、発振回路401、501の発振周波数は搬送周波数に比較して著しく低くてよく、回路素子に要求される性能を緩和することができ、機器のコストダウンに効果がある。また、消費電力も減らすことが可能となる。
以上述べたように、本発明によれば、従来困難であった高速のデータ伝送を無線化することにより、高速化に伴うEMI、消費電力、実装上のスペースや信頼性、機器デザイン上の制限、通信データの信頼性などの様々な問題を一気に解決できる。しかも、無線化を実現するための回路はいずれも、CMOS集積回路として半導体集積回路上に集積可能であり、従来の有線伝送時のコネクタなどの実装部品に比較し、大幅にコストダウンが可能であり、極めて有用性の高いものである。
なお、本発明は携帯電話を例として説明したが、前述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、ノートブックコンピュータ、デジタルビデオカメラなどの電子機器における回路間の接続や表示体と回路間の接続等、幅広い用途に適用できる。
本発明の無線通信制御方法が適用されるクラムシェル型携帯電話を開いたときの状態を示す斜視図。 本発明の無線通信制御方法が適用されるクラムシェル型携帯電話を閉じたときの状態を示す斜視図。 本発明の無線通信制御方法が適用される回転式携帯電話の外観を示す斜視図。 本発明の一実施例の要部を示すブロック図。 本発明の他の実施例の要部を示すブロック図。 本発明のさらに他の実施例の要部を示すブロック図。 本発明の一実施例の動作を示すタイム図。 本発明のさらに他の実施例の要部を示すブロック図。 本発明のさらに他の実施例の動作を示すタイム図。 本発明のさらに他の実施例の要部を示すブロック図。 本発明のさらに他の実施例の要部を示すブロック図。 本発明のさらに他の実施例の要部を示すブロック図。 本発明のさらに他の実施例の要部を示すブロック図。
符号の説明
1、21 第1筐体部、2、22 第2筐体部、3、23 ヒンジ、4、24 操作ボタン、5、25 マイク、6、26 外部無線通信用アンテナ、7、10、27、30 内部無線通信用アンテナ、8、11、28 表示体、9、29 スピーカ、401、501、1101、1102 発振回路、402、502 変調回路、403、407、503、507、1003、1103 バンドパスフィルタ、404、504、612 ローパスフィルタ、405、505 LNA、406、506 ハードリミッタ、 414、514 混合回路、602、606 乗算回路、611 移相回路、604 帯域制限フィルタ、801、901 パルス列発生回路、802、902、1102 スイッチ回路、1001 電圧制御発振回路

Claims (11)

  1. 少なくとも高調波成分を含む周期的な信号を発生する周期信号発生手段と、
    前記周期信号発生手段の発生した信号を送信信号によって変調する変調手段と、
    前記変調手段の出力信号から高調波成分を取り出し送信する送信手段とを具備することを特徴とする送信装置。
  2. 前記周期信号発生手段の発生する周期的な信号は奇数次高調波成分の和として近似されることを特徴とする請求項1記載の送信装置。
  3. 前記変調手段は、前記周期信号発生手段の発生する周期的な信号に対して前記送信信号によって振幅変調、周波数変調または位相変調することを特徴とする請求項1または2記載の送信装置。
  4. 前記周期信号発生手段は、位相の異なる複数の周期的な信号を発生し、前記変調回路は、前記送信信号によって前記周期信号発生手段の発生する周期的な信号の所定の位相を選択することによって位相変調することを特徴とする請求項1または2記載の送信装置。
  5. 前記周期信号発生手段は、周波数の異なる複数の周期的な信号を発生し、前記変調回路は、前記送信信号の論理値によって前記周期信号発生手段の発生する周期的な信号の所定の周波数を選択することによって周波数シフト変調することを特徴とする請求項1または2記載の送信装置。
  6. 少なくとも高調波成分を含む周期的な信号を発生する周期信号発生手段と、
    前記周期信号発生手段の発生した信号から高調波成分を取り出すフィルタ手段と、
    受信信号と前記フィルタ手段の出力信号の乗算を行う乗算手段とを具備することを特徴とする受信装置。
  7. 前記周期信号発生手段は、周期的な信号を非線形増幅する増幅手段によって構成されることを特徴とする請求項6記載の受信装置。
  8. 周期的な信号に含まれる高調波成分を送信データにて変調する変調手段と、
    前記送信データにて変調された高調波成分を前記周期的な信号から抽出して送信する送信手段と、
    前記送信手段にて送信された送信データを受信する受信手段と、
    前記周期的な信号に含まれる高調波成分を前記受信手段にて受信された受信データに混合する混合手段とを具備することを特徴とする電子装置。
  9. 少なくとも高調波成分を含む周期的な信号を発生する周期信号発生手段と、
    前記周期信号発生手段にて発生された周期的な信号に含まれる低周波成分を伝送する有線伝送路と、
    前記有線伝送路にて伝送された低周波成分から前記周期的な信号に含まれる高調波成分を再生する再生手段とをさらに具備することを特徴とする請求項8記載の電子装置。
  10. 第1筐体部と、
    第2筐体部と、
    前記第1筐体部と前記第2筐体部との間の位置関係を変えられるように前記第1筐体部と前記第2筐体部とを連結する連結部と、
    前記第1筐体部に搭載された第1回路部と、
    前記第2筐体部に搭載された第2回路部と、
    前記第1筐体部に搭載された第1の内部無線通信用アンテナと、
    前記第2筐体部に搭載された第2の内部無線通信用アンテナと、
    前記第1筐体部に搭載され、前記第1の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第1の内部無線通信制御部と、
    前記第2筐体部に搭載され、前記第2の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第2の内部無線通信制御部と、
    前記第1および第2回路部間で信号伝送する有線通信部とを備え、
    前記第1または第2の内部無線通信制御部は、
    少なくとも高調波成分を含む周期的な信号を発生する周期信号発生手段と、
    前記周期信号発生手段にて発生された信号を送信データにて変調する変調手段と、
    前記変調手段にて変調された信号から高調波成分を抽出するフィルタ手段とを含み、
    前記有線通信部は、前記周期信号発生手段にて発生された信号の基本波成分を伝送することを特徴とする電子装置。
  11. 第1筐体部と、
    第2筐体部と、
    前記第1筐体部と前記第2筐体部との間の位置関係を変えられるように前記第1筐体部と前記第2筐体部とを連結する連結部と、
    前記第1筐体部に搭載された第1回路部と、
    前記第2筐体部に搭載された第2回路部と、
    前記第1筐体部に搭載された第1の内部無線通信用アンテナと、
    前記第2筐体部に搭載された第2の内部無線通信用アンテナと、
    前記第1筐体部に搭載され、前記第1の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第1の内部無線通信制御部と、
    前記第2筐体部に搭載され、前記第2の内部無線通信用アンテナを介して行われる内部無線通信の制御を司る第2の内部無線通信制御部と、
    前記第1および第2回路部間で信号伝送する有線通信部とを備え、
    前記第1または第2の内部無線通信制御部は、
    少なくとも高調波成分を含む周期的な信号を発生する周期信号発生手段と、
    前記周期信号発生手段の出力を分周する分周手段と、
    前記周期信号発生手段にて発生された信号を送信データにて変調する変調手段と、
    前記変調手段にて変調された信号から高調波成分を取り出すフィルタ手段とを含み、
    前記有線通信部は、前記分周手段の信号の基本波成分を伝送することを特徴とする電子装置。
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