JP2006338982A - 調光装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 多回路の照明システムをその規模又は設置条件に合わせて簡単かつ柔軟に構成する。
【解決手段】 調光装置１は、複数の照明器具の出力を別々に調整する複数の調光ユニット３と、各調光ユニット３を一括制御するコントローラ４と、照明器具の照度や点灯パターン等の調光情報を入力設定する設定ユニット５とを備える。調光ユニット３、コントローラ４、設定ユニット５にそれぞれ独立した回路基板８，１６，２５を設ける。調光用回路基板８の通信回路１０を通信線１３で制御用回路基板１６の第一通信回路１８に接続する。設定用回路基板２５の通信回路２６を通信線１３でコントローラ４の第二通信回路１９に接続する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、照明器具の照度や点灯パターン等を制御する調光装置、特に、複数の照明器具の調光を一括制御する調光装置に関する。

従来、図６に示すように、住宅やビル等の各所に設置された複数の照明器具５１を一台の調光装置５２で一括制御する照明システム５０が知られている。調光装置５２としては、従来、例えば図７に示す装置５２Ａ（従来例１）あるいは図８に示す装置５２Ｂ（従来例２）が用いられていた。

従来例１の調光装置５２Ａは、キャビネット５３に内蔵した回路基板５４の上に、複数の照明器具５１の出力を別々に調整する調光素子５５と、各調光素子５５を一括制御する制御回路５６と、照明器具５１の調光情報を入力設定する設定回路５７とを設けて構成されている。

従来例２の調光装置５２Ｂは、回路基板５４に対し着脱可能なプラグイン構造の調光回路５８を用い、照明器具５１の数に応じて調光回路５８を増減できるように構成されている。

なお、特許文献１には、従来例１の調光装置５２Ａに類似する技術が記載されている。特許文献２には、従来例２の調光装置５２Ｂに類似する技術が記載されている。
特表平８−５１１９０５号公報 特開平７−２４０１１２号公報

ところが、従来例１の調光装置５２Ａによると、調光素子５５が回路基板５４上で制御回路５６と一体化されているので、調光素子５５を照明器具５１に接続するために、電力線５９（図６参照）を必ずキャビネット５３に経由させる必要があった。このため、多数の照明器具５１が点在する多回路の照明システム５０の場合に、電力線５９の本数が増え、配線が複雑化し、工事に手間がかかるという問題点があった。また、従来は、調光素子５５を回路基板５４にはんだ付けで取り付けているため、一回路の調光素子５５が故障した場合でも、回路基板５４の全体を交換する必要があり、たいへん不経済であった。

これに対し、従来例２の調光装置５２Ｂは、プラグイン構造の調光回路５８を用いているので、調光回路５８の増設又は交換が容易である。しかし、従来例１の調光装置５２Ａと同様に、調光回路５８が回路基板５４上で制御回路５６と一体化されているので、照明器具５１を増設する場合に、調光回路５８は容易に追加できても、電力線５９の増設工事に困難を極めた。従って、どちらの調光装置５２Ａ，５２Ｂも、多回路の照明システムにうまく適用できないという問題点があった。

本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、多回路の照明システムに好適な調光装置を提供することにある。

上記の課題を解決するために、本発明の調光装置は、複数の照明器具の出力を別々に調整する複数の調光ユニットと、各調光ユニットを一括制御するコントローラとを備え、調光ユニットおよびコントローラにそれぞれ独立した回路基板を設け、各回路基板に通信回路を搭載し、各通信回路を通信線で接続し、照明器具の調光情報をコントローラと調光ユニットとの間で伝送可能に構成したことを特徴とする。

ここで、通信回路には、デジタル化された調光情報を送受信可能なデジタル通信回路を好ましく使用できる。通信線には、有線又は無線（空中通信線）のどちらも使用可能である。コントローラには、調光情報を記憶するメモリと、照明システムの全体を制御するＣＰＵとを搭載するのが好ましい。調光情報は、これをメモリに固定的に設定してもよく、コントローラから切り離された外部機器、例えばパーソナルコンピュータにより変更可能に設定してもよい。

より好ましくは、調光情報を入力設定する設定ユニットをコントローラに組み合わせ、設定ユニットに独自の通信回路を設け、設定ユニットの通信回路をコントローラの通信回路に通信線で接続し、調光情報を設定ユニットとコントローラと調光ユニットとの間で伝送可能に構成するとよい。通信線には、設定ユニットを携帯操作できる点で、無線を好ましく使用できる。また、設定ユニットに調光情報を表示する表示部を設けるのが望ましい。

別の観点による本発明の調光装置は、調光ユニットの回路基板にプラグイン構造の調光素子を設けたことを特徴とする。調光素子としては、照明器具に供給される電力を調整する機能を備えた素子、例えば、トライアック（双方向サイリスタ）、より好ましくは、高速スイッチングが可能なフォト・トライアックを使用できる。また、調光素子に放熱板を組み合わせ、このアセンブリを調光ユニットの回路基板に着脱可能に設けることで、調光素子をプラグイン構造とすることができる。

本発明の調光装置によれば、調光ユニットとコントローラに独立した回路基板を設け、各回路基板上の通信回路を通信線で接続したので、調光ユニットとコントローラを一箇所に集めて設置することも、多数箇所に分散して設置することも可能で、多回路の照明システムをその規模又は設置条件に合わせて簡単かつ柔軟に構成できるという優れた効果を奏する。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は調光装置の一実施形態を示し、図２および図３はこの調光装置を用いて構成した照明システムを示す。この実施形態の調光装置１は、住宅、舞台設備、展示設備等の各所に設置された複数の照明器具２の出力を別々に調整する複数の調光ユニット３と、各調光ユニット３を一括制御するコントローラ４と、照明器具２の照度や点灯パターン等の調光情報を入力設定する設定ユニット５とから構成されている。

各調光ユニット３はそれぞれ独立したケーシング７を備えている。ケーシング７は照明ゾーンに近い場所、例えば、照明器具２が設置された部屋の壁等に直接又は埋込ボックスを介して設置されている。ケーシング７の内部には調光用回路基板８が格納され、この回路基板８に調光回路９と通信回路１０とが搭載されている。そして、調光回路９が電力線１１を介して照明器具２と交流電源１２とに接続され、通信回路１０が通信線１３でコントローラ４に接続されている。

コントローラ４のケーシング１５は照明ゾーンから離れた場所、例えば、住宅の玄関又はビルの管理室等の適所に設置されている。ケーシング１５の内部には調光用回路基板８から独立した制御用回路基板１６が格納され、この回路基板１６に制御回路１７と第一通信回路１８と第二通信回路１９とが搭載されている。制御回路１７には、照明システム２０の全体を制御するＣＰＵと、調光情報を含む各種デジタル情報を記憶するメモリとが設けられている（図示略）。第一通信回路１８は通信線１３で調光ユニット３の通信回路１０に接続され、調光回路９との間で調光情報を送受信可能に構成されている。

設定ユニット５は携帯型のケーシング２２を備え、その表面に調光情報を入力するキー入力部２３と、調光情報を表示する表示部２４とが設けられている。ケーシング２２の内部には設定用回路基板２５が格納され、この回路基板２５に通信回路２６が搭載されている。そして、通信回路２６が通信線１３を介してコントローラ４の第二通信回路１９に接続され、制御回路１７との間で調光情報を送受信可能に構成されている。

上記構成の調光装置１によれば、調光用回路基板８が制御用回路基板１６から独立しているので、図２に示すように、複数の調光ユニット３を分散して照明ゾーンの近くに設置することも、図４に示すように、複数の調光ユニット３を一箇所に集約して一つのキャビネット２９に格納することもできる。従って、照明システム２０の規模や設置条件に合わせて、調光装置１を自由にレイアウトでき、特に、照明器具２が各所に点在する多回路の照明システム２０に好ましく適用できる。

また、調光ユニット３とコントローラ４とが通信線１３によって接続されているので、調光ユニット３が分散する照明システム２０の場合に（図２参照）、電力線１１をコントローラ４に経由させる必要がなくなる。このため、多回路の照明システム２０において、電力線１１の本数を減らし、そのシステム２０を簡単かつ安価に構築することができる。

特に、調光ユニット３が分散する照明システム２０において、照明器具２を増設する場合は、図３に示すように、増設用の調光ユニット３ａを通信線１３に接続するだけの簡単な工事でシステム２０を拡張できる。従って、照明器具２の増設にあたり、電力線１１を新設したり改線したりする大規模な工事が不要となり、また、照明器具２の削減にあたっても、電力線１１の撤収工事を省くことができる。

なお、図４は集約型調光装置１の構成例を示す。ここでは、キャビネット２９の内部に複数の調光ユニット３とコントローラ４とが格納されている。調光ユニット３、コントローラ４および設定ユニット５は、図１とほぼ同様に構成され、それぞれ独立した回路基板８，１６，２５を備えている。ただし、コントローラ４からケーシングが省かれ、コントローラ４の第二通信回路１９が電波、赤外線、超音波等の空中通信線２７で設定ユニット５の無線通信回路２８に接続されている。集約型調光装置１は、比較的小規模の照明システムに好適であり、例えば、一般住宅において、複数の部屋に設置された照明器具２の調光を一箇所で集中的に制御することができる。

図５は調光用回路基板８に対する調光素子３１の取付構造を示す。図１、図４に示す調光ユニット３の調光回路９は、調光用回路基板８上にプラグイン構造の調光素子３１を備え、調光素子３１により照明器具２の電力を調整するように構成されている。調光素子３１は平面コ字形の放熱板３２の内面に装着され、放熱板３２がプリント基板３３に組み付けられている。プリント基板３３には電極３４がはんだ付けにより設けられ、この電極３４を調光用回路基板８の電極３５に着脱することで、調光素子３１がアセンブリ３６の形態で回路基板８に交換可能に取り付けられている。なお、調光素子３１にはトライアックが用いられている。

従って、この調光ユニット３によれば、調光素子３１が雷サージ等の影響で故障した場合に、アセンブリ３６を交換することで、該当する照明回路を短時間に復旧できるとともに、回路基板８全体の交換を不要にして、照明システム２０を経済的に維持管理することができる。また、この実施形態の調光装置１は、複数の調光ユニット３がそれぞれ独立した調光用回路基板８を備えているので、調光回路９又は通信回路１０に復旧不能な故障が発生した場合でも、故障した回路基板８のみの交換で容易に対処できる利点がある。

なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するように、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の構成を適宜変更して実施することも可能である。

（１）図１〜図３に示す調光装置１において、調光ユニット３とコントローラ４とを、通信線１３にかえ、無線（空中通信線）で接続する。こうすれば、照明器具２の増設にあたり、電力線１１はもちろんのこと、通信線の新設又は改線も不要になり、特に、コンサート会場や展示設備等の臨時照明システムにおいて、照明器具２のレイアウトを容易に変更できる。

（２）図１〜図４に示す調光装置１において、設定ユニット５にかえ、パーソナルコンピュータを有線又は無線インターフェイスを介してコントローラ４に接続する。あるいは、設定ユニット５とパーソナルコンピュータの両方をコントローラ４に接続する。こうすれば、複数の照明器具の調光を机上の操作で簡便に制御できる。

本発明による調光装置の一実施形態を示すブロック図である。 図１の調光装置を用いて構成された照明システムの配線図である。 図２の照明システムの拡張形態を示す配線図である。 本発明による調光装置の別の構成例を示すブロック図である。 図１、図４の調光ユニットの調光素子を示す斜視図である。 従来の調光装置の適用例を示す照明システムの配線図である。 従来の調光装置の一構成例を示すブロック図である。 従来の調光装置の別の構成例を示すブロック図である。

符号の説明

１ 調光装置
２ 照明器具
３ 調光ユニット
４ コントローラ
５ 設定ユニット
８ 調光用回路基板
１０ 通信回路
１３ 通信線
１６ 制御用回路基板
１８ 第一通信回路
１９ 第二通信回路
２０ 照明システム
２５ 設定用回路基板
２６ 通信回路
２７ 空中通信線
２８ 無線通信回路
３１ 調光素子

Claims (3)

1. 複数の照明器具の出力を別々に調整する複数の調光ユニットと、各調光ユニットを一括制御するコントローラとを備え、調光ユニットおよびコントローラにそれぞれ独立した回路基板を設け、各回路基板に通信回路を搭載し、各通信回路を通信線で接続し、照明器具の調光情報をコントローラと調光ユニットとの間で伝送可能に構成したことを特徴とする調光装置。
2. 照明器具の調光情報を入力設定する設定ユニットを備え、設定ユニットに通信回路を設け、設定ユニットの通信回路をコントローラの通信回路に通信線で接続し、調光情報を設定ユニットとコントローラと調光ユニットとの間で伝送可能に構成したことを特徴とする請求項１記載の調光装置。
3. 調光ユニットの回路基板にプラグイン構造の調光素子を設けたことを特徴とする請求項１又は２記載の調光装置。
   

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