JP2006337921A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 浸漬塗布により形成されたにも関わらず膜厚均一性が高い厚膜の電荷輸送層を有し、もって均一性の高い画像を出力することができる電子写真感光体を提供する。
【解決手段】 電荷輸送層の上端から円筒状支持体の下端までの長さをL[mm]としたとき電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の電荷輸送層の膜厚がt0.5L[μm]が25μm以上である電子写真感光体の製造方法において、浸漬塗布の際に電荷輸送層用塗布液の被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引き上げるときの被塗布体の平均温度T[℃]と、電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]との間に、ある特定の関係が成り立つ。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
近年、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体(有機電子写真感光体)の研究開発が盛んに行われている。
電子写真感光体は、基本的には、支持体と該支持体上に設けられた感光層とから構成されている。また、支持体は円筒状のものが用いられることが多く、感光層は電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層とすることが一般的である。
支持体上の各層は、各層用の塗布液を、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法により塗布し、塗膜(被塗布体に塗布された塗布液)を乾燥および/または硬化させることにより形成することが一般的である。そして、上記塗布方法の中でも、支持体が円筒状である場合、すなわち円筒状の電子写真感光体を作製しようとする場合には、量産性の観点から、一度に複数本の塗布が容易にできる浸漬塗布法が採用されることが多い。
さて、電子写真感光体は、出力画像の高均一性を達成するため、塗布液の塗布後、塗膜を乾燥および/または硬化させることにより形成された層の膜厚が均一であることが求められる。特に、支持体上の各層の中でも電荷輸送層は、比較的厚く設定されることが多いため、電荷輸送層の膜厚が均一であることが特に重要である。比較的厚い電荷輸送層の膜厚が不均一であると、電子写真感光体の帯電特性が不均一になり、出力画像濃度が不均一になる。すなわち、電荷輸送層の膜厚が薄い部分は電子写真感光体表面の暗部電位が低くなり、厚い部分は暗部電位が高くなるため、これが出力画像上濃淡となって現れる。
電荷輸送層を形成する際の塗布液の塗布方法に浸漬塗布法を採用した場合、従来、塗膜上端近傍の膜厚の変化(塗膜上端から下方に向けて膜厚が徐々に厚くなる現象で、「膜厚ダレ」と呼ばれる。通常、電荷輸送層の上端から20mm下の箇所付近まで「膜厚ダレ」が生じる。)を抑制するために、様々な工夫がなされてきた。例えば、浸漬塗布速度を制御して、膜厚が薄くなってしまう部分にあらかじめタレる分を余計に付着させる方法や、塗布液中の溶剤として低沸点溶剤を用いることで、塗布液を浸漬塗布した後の乾燥および/または硬化の時間を短縮する方法などが挙げられる。
しかしながら、浸漬塗布速度を制御する方法や低沸点溶剤を用いる方法は、膜厚ダレ抑制効果があるものの、浸漬塗布速度を制御する方法の場合は膜厚のウネリが発生し、低沸点溶剤を用いる方法の場合はブラッシング(表面の白化)が発生するという問題がある。
また、特公平05−055034号公報(特許文献1)や特開昭63−305964号公報(特許文献2)には、塗布液を被塗布体に塗布した後、塗膜上端近傍を加温することによって塗膜の乾燥および/または硬化の時間を短縮する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、ある程度の膜厚ダレ抑制効果はあるものの、膜厚が厚い層を形成する場合は、膜厚ダレ抑制効果が十分であるとはいえない。
また、特開平07−241509号公報(特許文献3)には、浸漬塗布の際、被塗布体を塗布液から引き上げるときに、塗膜にガスをフローする方法が開示されている。しかしながら、この方法も、ある程度の膜厚ダレ抑制効果はあるものの、膜厚が厚い層を形成する場合は、膜厚ダレ抑制効果が十分であるとはいえない。また、塗膜にガスをフローするため、塗膜表面に乱れが生じやすくなるという問題もある。
また、特許第3232786号公報(特許文献4)には、塗布液中の結着樹脂として重量平均分子量200000以上のポリカーボネート樹脂を用いる方法が開示されている。しかしながら、この方法は、結着樹脂が溶剤に溶解されにくい、塗布液の粘度が高くなりすぎて扱いにくい、材料コストが高くなる、などの問題があり、また、膜厚が厚い層を形成する場合は、膜厚ダレ抑制効果が十分であるとはいえない。
つまり、比較的厚く設定されることが多い電荷輸送層を形成する際の塗布液の塗布方法に浸漬塗布法を採用した場合、上記従来の技術では、膜厚ダレを十分に抑制し、もって出力画像の高均一性を達成することが困難であった。
特公平05−055034号公報 特開昭63−305964号公報 特開平07−241509号公報 特許第3232786号公報
本発明の目的は、浸漬塗布により形成されたにも関わらず膜厚均一性が高い厚膜の電荷輸送層を有し、もって均一性の高い画像を出力することができる電子写真感光体を提供することにあり、また、該電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、円筒状支持体ならびに該円筒状支持体上に設けられた電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体であって、該電荷輸送層が、電荷輸送物質、結着樹脂および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布し、これを乾燥および/または硬化させることによって形成された層であり、該電荷輸送層の上端から該円筒状支持体の下端までの長さをL[mm]としたとき該電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の該電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]が25μm以上である電子写真感光体において、
該電荷輸送層の上端から20[mm]下の箇所の該電荷輸送層の膜厚t20[μm]が該電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の該電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]の90%以上であることを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、円筒状支持体ならびに該円筒状支持体上に設けられた電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体の製造方法であって、電荷輸送物質、結着樹脂および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布し、これを乾燥および/または硬化させることによって該電荷輸送層を形成する電荷輸送層形成工程を有し、該電荷輸送層の上端から該円筒状支持体の下端までの長さをL[mm]としたとき該電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の該電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]が25μm以上である電子写真感光体の製造方法において、
該浸漬塗布の際に該電荷輸送層用塗布液の被塗布体を該電荷輸送層用塗布液から引き上げるときの該被塗布体の平均温度T[℃]と、該電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の該電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]との間に、下記式(1)で示される関係が成り立つことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
Figure 2006337921
また、本発明は、上記電子写真感光体または上記製造方法により製造された電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。
本発明によれば、浸漬塗布により形成されたにも関わらず膜厚均一性が高い厚膜の電荷輸送層を有し、もって均一性の高い画像を出力することができる電子写真感光体を提供することができ、また、該電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質、結着樹脂および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布し、これを乾燥および/または硬化させることによって形成された層である。
浸漬塗布法とは、図1に示すように、被塗布体101の被塗布部1012を塗布液102に浸漬し、その後、引き上げることによって、被塗布体101の被塗布部1012に塗膜103を形成する方法である。この塗膜103は、通常、乾燥および/または硬化させることによって層103’となる。図1中、1011は被塗布体101の下端(=被塗布体101が有する円筒状支持体の下端)であり、1031は塗膜103の上端であり、1031’は層103’の上端である。
なお、図1では層103’の下部は被塗布体101の下端(円筒状支持体の下端)1011まで及んでいるが、層103’(塗膜103)の下部を除去して用いる場合は、これを乾燥および/または硬化させる前に除去してもよいし、乾燥および/または硬化させた後に除去してもよい。
本発明の電子写真感光体の電荷輸送層は厚膜の層である。具体的には、図2に示すように、電荷輸送層の上端から円筒状支持体の下端までの長さをL[mm]としたとき電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]が25μm以上である。この膜厚は、断面の顕微鏡観察により測定した値である。
また、本発明の電子写真感光体の電荷輸送層は膜厚が均一な層である。具体的には、図2に示すように、電荷輸送層の上端から20[mm]下の箇所の電荷輸送層の膜厚t20[μm]が上記電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]の90%以上である。
図2中、201は円筒状支持体を有する被塗布体(円筒状支持体以外は不図示)であり、2011は円筒状支持体(被塗布体)の下端であり、203’は電荷輸送層であり、2031’は電荷輸送層の上端であり、2032’は電荷輸送層の下部であって、電子写真感光体として用いる前に除去する場合もあるが、少なくとも浸漬塗布直後には存在する部分である。
なお、0.5L[mm]>20[mm]である、すなわちL[mm]>40[mm]であるが、電荷輸送層の上端から円筒状支持体の下端までの長さL[mm]は、この電子写真感光体が搭載される電子写真装置に使用される転写材(紙など)の最大サイズに応じた長さである必要がある。例えば、A3長手方向長さは420mmであり、A3短手方向長さおよびA4長手方向長さは297mmであり、A4短手方向長さは210mmであり、B4長手方向長さは364mmであり、B4短手方向長さおよびB5長手方向長さは257mmであり、B5短手方向長さは182mmであるから、例えば、電子写真装置に使用される転写材の最大サイズがA3であって、電子写真感光体の回転軸方向とA3短手方向、A4長手方向とが平行になるように転写材を転写部に搬送する構成の場合は、L[mm]は最低297mm必要であるし、また、電子写真装置に使用される転写材の最大サイズがA4であって、電子写真感光体の回転軸方向とA4短手方向とが平行になるように転写材を転写部に搬送する構成の場合は、L[mm]は最低210mm必要である。さらに、電荷輸送層の下部を除去してから使用すること、また、電荷輸送層の上部および/または下部のある程度の領域は非使用領域とすることもあるから、このような場合は、L[mm]には、上記の転写材サイズによる必要最低限の長さだけでなく、少なくとも非使用領域分および/または下部除去分の長さも加味しておかなければならない。
上述のような均一な膜厚の電荷輸送層を形成するためには、浸漬塗布の際に被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引き上げるときの被塗布体の平均温度T[℃]と、上記電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]との間に、下記式(1)で示される関係が成り立つよう、被塗布体の平均温度T[℃]を制御すればよい。
Figure 2006337921
被塗布体の平均温度T[℃]が14×exp(4.2×10−2×t0.5L)未満の場合、膜厚ダレの程度が大きくなる。一方、被塗布体の平均温度T[℃]が49×exp(2.4×10−2×t0.5L)を超える場合、塗膜表面にユズ肌などの乱れが生じやすくなる。
本発明において、被塗布体の平均温度T[℃]とは、次のようにして得られた温度を意味する。
すなわち、まず、被塗布体の内側に円筒状支持体の回転軸方向に均等に5箇所に熱電対を貼り付けた。次に、各熱電対で被塗布体の引き上げ開始から引き上げ終了までの被塗布体の温度を0.2秒間隔で連続的に測定し、熱電対それぞれで測定された温度の平均値T[℃]、T[℃]、T[℃]、T[℃]およびT[℃]を算出した。T、T、T、TおよびTの平均値を被塗布体の平均温度T[℃]とした。
浸漬塗布の際に被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引き上げるときの被塗布体の平均温度T[℃]を制御する方法としては、例えば、赤外線ヒーター、ランプ系ヒーター、ラバーヒーターなどの発熱体を被塗布体に近接または直接接触もしくは間接接触させて被塗布体を加熱することで被塗布体の平均温度T[℃]を制御する方法や、誘導加熱により被塗布体を非接触加熱することで被塗布体の平均温度T[℃]を制御する方法なども挙げられるが、安全性、装置構成の簡易性、温度制御性などの観点から、液体(熱媒体)を用いて被塗布体を内側から加温することで被塗布体の平均温度T[℃]を制御する方法が好ましい。
図3に、液体(熱媒体)を用いて被塗布体を内側から加温する装置の概略構成の一例を示す。
被塗布体301の内面に沿った形状とサイズを有する熱媒体容器302を被塗布体301の内面301に接触させ、熱媒体容器302内に温度制御された液体(熱媒体)303を循環させることによって被塗布体の温度を迅速、均一かつ安全に制御することができる。
熱媒体として用いる液体としては、例えば、水、シリコーンオイルなどが挙げられる。
熱媒体容器の材質としては、熱伝導性、機械的強度、耐久性、被塗布体の内面に接触しやすい柔軟性を有するものが好ましく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属や、シリコーン樹脂などの樹脂や、ゴムなどが挙げられる。
また、浸漬塗布の際に被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引き上げるときの被塗布体の温度はムラが小さいほど膜厚均一性が高くなるため好ましく、具体的には、被塗布体の温度の最大値と最小値との差が5℃以下であることが好ましく、特には3℃以下であることがより好ましい。
また、浸漬塗布の前の被塗布体の平均温度T[℃]と浸漬塗布の際に被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引き上げるときの被塗布体の平均温度T[℃]との差は小さいほうが好ましく、具体的には、T[℃]とT[℃]との差が5℃以下であることが好ましく、特には3℃以下であることがより好ましい。
また、浸漬塗布の頻度、時間、電荷輸送層用塗布液の熱容量などによっては、電荷輸送層用塗布液の温度が徐々に上昇し、被塗布体の温度に影響を及ぼす場合がある。電荷輸送層用塗布液の温度を平衡に保つために、電荷輸送層用塗布液の温度を制御してもよい。具体的には、28〜50℃の範囲で温度制御することが好ましく、特には30〜40℃の範囲で温度制御することがより好ましい。
電荷輸送層用塗布液に含有させる電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物などが挙げられる。これら電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の割合は、電荷輸送層全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜70質量%であることがより好ましい。したがって、電荷輸送層用塗布液には、電荷輸送層形成後の電荷輸送物質の割合が上記範囲になるように電荷輸送物質を含有させることが好ましい。
電荷輸送層用塗布液に含有させる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、5:1〜1:5(質量比)の範囲が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いる溶剤としては、沸点が100℃以上の溶剤が好ましく、例えば、モノクロロベンゼン、ジオキサン、トルエン、キシレン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。これらの中でも、モノクロロベンゼン、トルエン、キシレンが好ましく、特にはモノクロロベンゼンがより好ましい。沸点が100℃以上の溶剤は、電荷輸送層用塗布液に用いる全溶剤の合計質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、特には90%以上であることがより好ましく、さらには95%以上であることがより一層好ましい。沸点が100℃未満の溶剤としては、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、メチラールなどが挙げられるが、沸点が100℃未満の溶剤の割合が高すぎると、塗膜表面にユズ肌などの乱れが生じやすくなる。
また、電荷輸送層には、すなわち電荷輸送層用塗布液には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
本発明においては、上述のとおり、電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の前記電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]は25μm以上であるが、この膜厚t0.5L[μm]が厚すぎると膜厚ダレ抑制効果が乏しくなるため、膜厚t0.5L[μm]は40μm以下であることが好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
本発明の電子写真感光体は、円筒状支持体上に電荷発生層および電荷輸送層を有する、いわゆる積層型感光層を有する電子写真感光体である。積層型感光層には、円筒状支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、円筒状支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。
円筒状支持体(以下、単に「支持体」ともいう。)としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金、白金などの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、これら金属(合金)を真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂など)製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体などを用いることもできる。
また、支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体と電荷発生層もしくは電荷輸送層または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。
導電層の膜厚は、1〜40μmであることが好ましく、特には2〜20μmであることがより好ましい。
また、支持体または導電層と電荷発生層または電荷輸送層との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層は、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などの樹脂や、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。また、中間層には、金属、合金、それらの酸化物、塩類、界面活性剤などを含有させてもよい。
中間層の膜厚は0.05〜7μmであることが好ましく、特には0.1〜2μmであることがより好ましい。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを加熱および/または放射線の照射などによって乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。
電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ブチラール樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層中の結着樹脂の割合は、電荷発生層全質量に対して90質量%以下であることが好ましく、特には50質量%以下であることがより好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は0.001〜6μmであることが好ましく、特には0.01〜1μmであることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
電荷輸送層については、上述のとおりである。
電荷輸送層(順層型感光層の場合)または電荷発生層(逆層型感光層の場合)上には、これを保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種結着樹脂を溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、これを加熱および/または放射線の照射などによって乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。
また、本発明の電子写真感光体の表面層には、潤滑剤を含有させてもよい。潤滑剤としては、例えば、ケイ素原子やフッ素原子を含むポリマー、モノマーおよびオリゴマーなどが挙げられる。具体的には、N−(n−プロピル)−N−(β−アクリロキシエル)−パーフルオロオクチスルホン酸アミド、N−(n−プロピル)−(β−メタクリロキシエル)−パーフルオロオクチルスルホン酸アミド、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロカプリル酸、N−n−プロピル−n−パーフルオロオクタンスルホン酸アミド−エタノール、3−(2−パーフルオロヘキシル)エオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、N−n−プロピル−N−2,3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミドなどが挙げられる。また、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などのフッ素原子含有樹脂の粒子なども挙げられる。これらは単独または混合して1種または2種以上用いることができる。また、潤滑剤の数平均分子量は、3000〜5000000であることが好ましく、特には10000〜3000000であることがより好ましい。潤滑剤が粒子である場合、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、特には0.05〜2.0μmであることがより好ましい。
また、本発明の電子写真感光体の表面層には、抵抗調整剤を含有させてもよい。抵抗調整剤としては、例えば、SnO、ITO、カーボンブラック、銀粒子などが挙げられる。また、これらに疎水化処理を施したものを用いてもよい。抵抗調整剤を添加した場合の表面層の抵抗は10〜1014Ω・cmであることが好ましい。
なお、保護層を設ける場合は保護層が電子写真感光体の表面層であり、保護層を設けない場合であって感光層が順層型感光層の場合は電荷輸送層が電子写真感光体の表面層であり、保護層を設けない場合であって逆層型感光層の場合は電荷発生層が電子写真感光体の表面層である。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。ただし、上述のとおり、電荷輸送層は浸漬塗布法が用いられる。
図4に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図4において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図4に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図4では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、実施例で用いたポリアリレート樹脂は、すべて、テレフタル酸構造とイソフタル酸構造とのモル比(テレフタル酸構造:イソフタル酸構造)が50:50(モル比)のものである。また、実施例において、電荷輸送層の「膜厚」は、上記膜厚t0.5L[μm]のことを意味し、他の層の「膜厚」は、上記膜厚t0.5L[μm]を測定した箇所と同じ位置で測定した膜厚である。
(実施例1)
直径30mm、長さ254mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、酸化スズコート処理酸化チタン10部、酸化チタン10部、フェノール樹脂10部、シリコーンオイル0.001部、メタノール15部およびメチルセロソルブ15部をサンドミル装置で3時間分散して、導電層用塗布液を調整した。
この導電層用塗布液を、支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥および硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、ポリアミド樹脂(商品名:M−4000、東レ(株)製)10部を、メタノール100部/イソプロパノール90部の混合溶剤に溶解して、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を、支持体上に浸漬塗布し、これを10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が1μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°および28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)9部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名エスレックBX−1、積水化学(株)製)3部、および、テトラヒドロフラン100部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で3時間分散した後、これに酢酸ブチル200部を加えて希釈して、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬塗布し、これを15分間80℃で乾燥させることによって、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有するスチリル化合物(電荷輸送物質)10部
Figure 2006337921
および、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−400、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン(沸点132℃)120部に溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。調製した電荷輸送層用塗布液の沸点は132℃であった。
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、これを60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が30μm(=t0.5L[μm])の電荷輸送層を形成した。電荷輸送層の上端から支持体の下端までの長さL[mm]は250mmであった。
このようにして、表面層が電荷輸送層である電子写真感光体を作製した。
なお、電荷輸送層用塗布液の浸漬塗布は、図3に示す構成の被塗布体加温装置を用いて被塗布体(支持体上に導電層、中間層および電荷発生層を形成したもの)を加温しながら行った。被塗布体を加温するための液体(熱媒体)としては、83℃に温度制御したシリコーンオイルを用いた。浸漬塗布の際に被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引き上げるときの被塗布体の平均温度T[℃]は82.0℃であり(最大値83.1℃、最小値81.4℃)、被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引き上げるときの速度(以下、「引き上げ速度」という。)は340m/minであった。
(比較例1)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布する際に被塗布体の加温を行わず、引き上げ速度を200m/minに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。なお、浸漬塗布の際に被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引き上げるときの被塗布体の平均温度T[℃]は23.5℃であった(最大値24.2℃、最小値21.1℃)。
(評価1)
実施例1および比較例1で作製した電子写真感光体の電荷輸送層の膜厚を、浸漬塗布の際に上下させた方向に測定した。測定結果を表1に示す。また、この測定結果について、横軸に電荷輸送層の上端からの位置[mm]、縦軸に電荷輸送層の膜厚[μm]をプロットすると図5に示すグラフのようになる。
Figure 2006337921
比較例1の電子写真感光体は、電荷輸送層の上端から20mm下までの領域において膜厚ダレが見られるのに対して、実施例1の電子写真感光体は、膜厚ダレが著しく良化している。
(評価2)
実施例1および比較例1で作製した電子写真感光体の表面性を評価した。また、これら電子写真感光体を、キヤノン(株)製レーザービームプリンターLBP−SX(商品名)用のプロセスカートリッジに組み込み、このプロセスカートリッジをLBP−SXに装着して、ハーフトーン画像の出力を6000枚行って出力画像の評価および電子写真感光体の耐久性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2006337921
実施例1の電子写真感光体は、電荷輸送層の膜厚均一性の高く、帯電特性が安定しているため、出力画像濃度が均一であったが、比較例1の電子写真感光体は、実施例1に比べて電荷輸送層の膜厚均一性の低く、出力画像濃度が不均一であった(濃度勾配があった)。
(実施例2、3、比較例2)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液の被塗布体の温度および引き上げ速度を表3に示すようにした(電荷輸送層用塗布液は実施例1と同じ)以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。電荷輸送層の膜厚の測定結果を表3に、評価結果を表4に示す。
Figure 2006337921
Figure 2006337921
(実施例4〜24、比較例3〜8)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液の被塗布体の温度を表5、6に示すようにし(電荷輸送層用塗布液は実施例1と同じ)、引き上げ速度を表5、6に示すようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。電荷輸送層の膜厚の測定結果を表5、6に、評価結果を表7、8に示す。
Figure 2006337921
Figure 2006337921
Figure 2006337921
Figure 2006337921
(実施例25)
実施例1と同様にして支持体上に導電層、中間層および電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有するスチリル化合物(電荷輸送物質)10部
Figure 2006337921
および、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−400、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン(沸点132℃)120部に溶解して、電荷輸送物質・結着樹脂溶液を得た。
次に、この電荷輸送物質・結着樹脂溶液に四フッ化エチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)3部を加え、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で600kgf/cmの圧力で3回分散処理を行って、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、これを60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が30μm(=t0.5L[μm])の電荷輸送層を形成した。この浸漬塗布は、被塗布体の温度および引き上げ速度を表9に示したようにした以外は、実施例1と同様にして行った。電荷輸送層の上端から支持体の下端までの長さL[mm]は250mmであった。
このようにして、表面層が電荷輸送層である電子写真感光体を作製した。
このようにして作製した電子写真感光体を、実施例1と同様にして評価した。電荷輸送層の膜厚の測定結果を表9に、評価結果を表10に示す。
(実施例26)
実施例1と同様にして支持体上に導電層、中間層および電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有するスチリル化合物(電荷輸送物質)10部
Figure 2006337921
および、ビスフェノールA型ポリアリレート樹脂(商品名:UポリマーU−100、ユニチカ(株)製)9部を、モノクロロベンゼン(沸点132℃)97部/ジクロロメタン(沸点39.8℃)3部の混合溶剤に溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、これを60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が30μm(=t0.5L[μm])の電荷輸送層を形成した。この浸漬塗布は、被塗布体の温度および引き上げ速度を表9に示したようにした以外は、実施例1と同様にして行った。電荷輸送層の上端から支持体の下端までの長さL[mm]は250mmであった。
このようにして、表面層が電荷輸送層である電子写真感光体を作製した。
このようにして作製した電子写真感光体を、実施例1と同様にして評価した。電荷輸送層の膜厚の測定結果を表9に、評価結果を表10に示す。
(実施例27)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液の溶剤であるモノクロロベンゼン100部をトルエン(沸点111℃)96部/テトラヒドロフラン(沸点65℃)4部の混合溶剤に変更し、電荷輸送層用塗布液の被塗布体の温度を表9に示すようにし(電荷輸送層用塗布液は実施例1と同じ)、引き上げ速度を表9に示すようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。電荷輸送層の膜厚の測定結果を表9に、評価結果を表10に示す。
(実施例28)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液の溶剤であるモノクロロベンゼン100部をジオキサン(沸点101.4℃)98部/ジクロロメタン(沸点39.8℃)2部の混合溶剤に変更し、電荷輸送層用塗布液の被塗布体の温度を表9に示すようにし(電荷輸送層用塗布液は実施例1と同じ)、引き上げ速度を表9に示すようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。電荷輸送層の膜厚の測定結果を表9に、評価結果を表10に示す。
(実施例29)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液の溶剤であるモノクロロベンゼン100部をモノクロロベンゼン65部/キシレン(沸点136〜144℃)30部/ジクロロメタン(沸点39.8℃)5部の混合溶剤に変更し、電荷輸送層用塗布液の被塗布体の温度を表9に示すようにし(電荷輸送層用塗布液は実施例1と同じ)、引き上げ速度を表9に示すようにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。電荷輸送層の膜厚の測定結果を表9に、評価結果を表10に示す。
Figure 2006337921
Figure 2006337921
また、実施例および比較例の結果を基づいて、良好な電荷輸送層が得られる被塗布体の温度と電荷輸送層の膜厚との相関を、図6に図示する。
浸漬塗布法を説明するための図である。 電荷輸送層の膜厚を説明するための図である。 液体(熱媒体)を用いて被塗布体を内側から加温する装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 実施例1および比較例1で作製した電子写真感光体の電荷輸送層の膜厚の測定結果を示すグラフである。 良好な電荷輸送層が得られる被塗布体の温度と電荷輸送層の膜厚との相関を示すグラフである。
符号の説明
101 被塗布体
1012 被塗布部
102 塗布液
103 塗膜
103’ 層
1031 塗膜の上端
1031’ 層の上端
201 円筒状支持体を有する被塗布体
2011 円筒状支持体
203’ 電荷輸送層
2031’ 電荷輸送層の上端
2032’ 電荷輸送層の下部
301 被塗布体
302 熱媒体容器
303 液体
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (9)

  1. 円筒状支持体ならびに該円筒状支持体上に設けられた電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体であって、該電荷輸送層が、電荷輸送物質、結着樹脂および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布し、これを乾燥および/または硬化させることによって形成された層であり、該電荷輸送層の上端から該円筒状支持体の下端までの長さをL[mm]としたとき該電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の該電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]が25μm以上である電子写真感光体において、
    該電荷輸送層の上端から20[mm]下の箇所の該電荷輸送層の膜厚t20[μm]が該電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の該電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]の90%以上であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の前記電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]が40μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 円筒状支持体ならびに該円筒状支持体上に設けられた電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体の製造方法であって、電荷輸送物質、結着樹脂および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布し、これを乾燥および/または硬化させることによって該電荷輸送層を形成する電荷輸送層形成工程を有し、該電荷輸送層の上端から該円筒状支持体の下端までの長さをL[mm]としたとき該電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の該電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]が25μm以上である電子写真感光体の製造方法において、
    該浸漬塗布の際に該電荷輸送層用塗布液の被塗布体を該電荷輸送層用塗布液から引き上げるときの該被塗布体の平均温度T[℃]と、該電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の該電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]との間に、下記式(1)で示される関係が成り立つことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2006337921
  4. 前記浸漬塗布を熱媒体としての液体を用いて前記被塗布体を内側から加温しながら行う請求項3に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記浸漬塗布の際に前記被塗布体を前記電荷輸送層用塗布液から引き上げるときの前記被塗布体の温度の最大値と最小値との差が5℃以下である請求項3または4に記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記溶剤が、モノクロロベンゼン、トルエン、キシレンおよびジオキサンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤である請求項3〜5のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記電荷輸送層の上端から0.5L[mm]下の箇所の前記電荷輸送層の膜厚t0.5L[μm]が40μm以下である請求項3〜6のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 請求項1もしくは2に記載の電子写真感光体または請求項3〜7のいずれかに記載の製造方法により製造された電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 請求項1もしくは2に記載の電子写真感光体または請求項3〜7のいずれかに記載の製造方法により製造された電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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