JP2006337804A - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、光触媒含有層の表面の濡れ性の差を利用して形成された着色層を有し、上記着色層に白抜けや色ムラ等のない、高品質なカラーフィルタ、およびその製造方法を提供することを主目的としている。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、基材と、前記基材上に形成された遮光材料および樹脂を含有する遮光部と、前記基材および前記遮光部を覆うように形成された光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層と、前記遮光部の開口部の前記光触媒含有層上に形成された着色層とを有するカラーフィルタであって、
前記遮光部は、前記遮光部の中心部に対してテーパー状に膜厚が減少している両側部の薄膜領域の幅が、それぞれ遮光部線幅の20%〜40%の範囲内であり、前記光触媒含有層の膜厚が0.01μm〜0.5μmの範囲内であることを特徴とするカラーフィルタを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、着色層をインクジェット方式で着色することにより得られる、カラー液晶ディスプレイに好適なカラーフィルタ、およびその製造方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。また、液晶ディスプレイの大型化も求められている。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルタにおいては、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来より行われているカラーフィルタの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。しかしながら、いずれの方法も、R、G、およびBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
そこで、本出願人において光触媒と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する材料とを含有する特性変化パターン形成用塗工液を用いて光触媒含有層を形成し、パターン状に露光することにより、特性が変化したパターンを形成し、インクジェット法等により着色層を形成するカラーフィルタの製造方法等が検討されてきた(特許文献1)。この方法によれば、光触媒含有層の特性を利用して、容易に着色層を形成することを可能とすることができる。
ここで、このような方法に用いられる上記光触媒含有層の形成は、例えば図5に示すように、遮光部2が形成された基材1上に光触媒含有層形成用組成物13を塗布し(図5(a))、この光触媒含有層形成用組成物13を乾燥させることにより行われる(図5(b))。この際、上記遮光部が樹脂製遮光部である場合には、クロム等の金属からなる遮光部と比較して、その遮光性等の面から膜厚を厚くする必要があり、光触媒含有層の膜厚と比較すると、10倍程度の膜厚が必要とされる。また、通常、塗布された光触媒含有層形成用組成物は、1/100程度の膜厚まで乾燥させて、光触媒含有層とされる。したがって、この樹脂製遮光部が形成されている基材上に光触媒含有層形成用組成物を塗布し乾燥させる際、遮光部が基材に対して垂直な形状を有する場合等には、遮光部の端部で膜厚が急激に変化するため、遮光部の形状に沿って光触媒含有層を形成することが困難となり、特に、遮光部の側面において、光触媒含有層が薄くなったり、欠けたりすること等があった。光触媒含有層に膜厚のムラや、欠けが生じている場合には、光触媒含有層の濡れ性の差を利用して、遮光部の開口部に着色層形成用塗工液を塗布する際、この光触媒含有層が欠けている領域等において、例えば撥液性の遮光部が露出したりすること等により、着色層形成用塗工液が十分に濡れ広がらず、白抜けや色ムラ等が発生したりする場合があった。
特開2001−074928号公報
そこで、光触媒含有層の表面の濡れ性の差を利用して形成された着色層を有し、上記着色層に白抜けや色ムラ等のない、高品質なカラーフィルタ、およびその製造方法の提供が望まれている。
本発明は、基材と、上記基材上に形成された遮光材料および樹脂を含有する遮光部と、上記基材および上記遮光部を覆うように形成された光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層と、上記遮光部の開口部の上記光触媒含有層上に形成された着色層とを有するカラーフィルタであって、上記遮光部は、上記遮光部の中心部に対してテーパー状に膜厚が減少している両側部の薄膜領域の幅が、それぞれ遮光部線幅の20%〜40%の範囲内であり、上記光触媒含有層の膜厚が0.01μm〜0.5μmの範囲内であることを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、遮光部の両側部が上述したような範囲、薄膜領域を有するように形成されていることから、遮光部の膜厚の変化を緩やかなものとすることができる。したがって、この遮光部を覆うように光触媒含有層を形成する光触媒含有層形成用組成物を塗布し、乾燥させることにより、目的とする膜厚の光触媒含有層を遮光部の形状に沿って形成することができ、遮光部の側面等で光触媒含有層に欠けや膜厚のムラ等が生じないものとすることができる。これにより、エネルギー照射に伴う光触媒の作用によって光触媒含有層表面の濡れ性を均一に変化させることができ、この光触媒含有層表面の濡れ性の差を利用して、白抜けや色ムラ等のない着色層が容易に形成された、高品質なカラーフィルタとすることができる。
また、本発明は、基材と、上記基材上に形成された遮光材料および樹脂を含有する遮光部と、上記基材および上記遮光部を覆うように形成された光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層と、上記遮光部の開口部の上記光触媒含有層上に形成された着色層とを有するカラーフィルタの製造方法であって、上記遮光部を、上記遮光部の中心部に対してテーパー状に膜厚が減少している両側部の薄膜領域の幅が、それぞれ遮光部線幅の20%〜40%の範囲内となるように形成する遮光部形成工程と、少なくとも光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有し、固形分濃度0.1%〜10%の範囲内の光触媒含有層形成用組成物を1μm〜100μmの範囲内の膜厚で塗布し、乾燥させることにより光触媒含有層を形成する光触媒含有層形成工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、遮光部の薄膜領域の幅が、上記範囲内となるように遮光部を形成することから、遮光部の膜厚の変化を比較的緩やかなものとすることができる。したがって、上記固形分濃度の光触媒含有層形成用組成物を上記の膜厚となるように塗布して乾燥させた際、遮光部の形状に沿って光触媒含有層が形成されたものとすることができる。これにより、その光触媒含有層のエネルギー照射に伴う光触媒の作用によって、表面の濡れ性が変化する特性を利用して形成される着色層に、白抜けや色ムラ等のないものとすることができ、高品質なカラーフィルタを製造することができる。
本発明によれば、遮光部の膜厚の変化を緩やかなものとすることができ、遮光部の側面等で光触媒含有層に欠けや膜厚のムラ等が生じないものとすることができ、着色層に白抜けや色ムラ等のない、高品質なカラーフィルタとすることができる。
本発明は、着色層をインクジェット方式で着色することにより得られる、カラー液晶ディスプレイに好適なカラーフィルタ、およびその製造方法に関するものである。以下、それぞれについて詳しく説明する。
A.カラーフィルタ
まず、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、基材と、上記基材上に形成された遮光材料および樹脂を含有する遮光部と、上記基材および上記遮光部を覆うように形成された光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層と、上記遮光部の開口部の上記光触媒含有層上に形成された着色層とを有するカラーフィルタであって、上記遮光部は、上記遮光部の中心部に対してテーパー状に膜厚が減少している両側部の薄膜領域の幅が、それぞれ遮光部線幅の20%〜40%の範囲内であり、上記光触媒含有層の膜厚が0.01μm〜0.5μmの範囲内であることを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタは、例えば図1(a)に示すように、基材1と、その基材1上に形成された遮光部2と、基材1および遮光部2を覆うように形成された光触媒含有層3と、その光触媒含有層3上の遮光部2の開口部に形成された着色層4とを有するものであって、遮光部2は、遮光部2の中心部aに対してテーパー状に膜厚が減少している両側部の薄膜領域tの幅が、それぞれ遮光部2の線幅sに対して所定の範囲内となるものである。ここで、上記側部とは、遮光部の側面を含む領域をいうこととし、また遮光部線幅とは、遮光部の端部から端部までの幅をいうこととする。また、遮光部の中心部とは、遮光部の線幅を20等分した際の中央の2つの領域をいうこととする。またさらにテーパー状に膜厚が減少しているとは、上記中央部の膜厚に対して、徐々に膜厚が薄くなっていることをいう。
遮光部の形状が、例えば基材に対して垂直な場合等には、遮光部の端部で膜厚が急激に変化するため、遮光部上に光触媒含有層形成用組成物を塗布して乾燥させる際に、光触媒含有層形成用組成物が遮光部の形状に沿って形成することが困難となり、遮光部の側部で光触媒含有層が欠けたり、膜厚にムラが生じたりする場合があった。これにより、着色層を形成するパターン状に光触媒含有層にエネルギーを照射して、着色層を形成する着色層形成用塗工液を塗布した際、例えば撥液性を有する遮光部が露出すること等によって、この部分で着色層形成用塗工液が十分に濡れ広がることができず、着色層に白抜けや色ムラ等が生じる場合があった。
一方、本発明によれば、上記遮光部の薄膜領域の幅が、遮光部全体の遮光部線幅に対して、上記範囲内となることから、遮光部の両側部において膜厚の変化を緩やかものとすることができる。したがって、遮光部端部等で急激な膜厚の変化がないため、光触媒含有層を遮光部の形状に沿って形成することが可能となり、光触媒含有層に欠けや、膜厚のムラ等がないものとすることができる。これにより、この光触媒含有層のエネルギー照射に伴う光触媒の作用によって濡れ性が変化する性質を利用して、遮光部の開口部に着色層を形成する着色層形成用塗工液を塗布した際、着色層形成用塗工液が十分に濡れ広がることができ、着色層に白抜けや色ムラ等のない、高品質なカラーフィルタとすることができるのである。なお、上記遮光部の端部において着色層の膜厚が変化することとなるが、この部分では遮光部と着色層とが積層されているため、実質的には遮光部として用いられることとなる。そのため、遮光部により区画された開口部においては着色層は均一な膜厚を有するものとされ、色ムラ等のないものとすることができるのである。
以下、本発明のカラーフィルタの各構成ごとに詳しく説明する。
(遮光部)
まず、本発明のカラーフィルタに用いられる遮光部について説明する。本発明のカラーフィルタに用いられる遮光部は、後述する基材上に形成され、遮光材料および樹脂を含有するものであり、遮光部の中心部に対してテーパー状に膜厚が減少している両側部の薄膜領域の幅が、それぞれ遮光部線幅に対して所定の範囲内とされているものである。
具体的には、遮光部の両側部の薄膜領域の幅は、それぞれ遮光部線幅の20%〜40%の範囲内とされ、中でも25%〜35%の範囲内、特に28%〜32%の範囲内とされていることが好ましい。薄膜領域の幅を遮光部線幅に対して上記範囲内とすることにより、遮光部の膜厚の変化を緩やかなものとすることができ、後述する光触媒含有層に欠けや膜厚ムラ等がないものとすることができるからである。上記遮光部線幅や薄膜領域の幅は、例えば遮光部の断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)等で撮影したもの等から算出することができる。
また、本発明で用いられる遮光部全体の幅、すなわち遮光部線幅としては、カラーフィルタの形状等にもよるものであるが、通常6μm〜35μm、中でも10μm〜30μm、特に16μm〜30μmの範囲内とされる。また、遮光部の中央部の膜厚についても適宜選択されるものであるが、通常0.5μm〜2.5μm、中でも0.8μm〜2.5μm、特に0.8μm〜1.5μm程度とされる。
本発明においては、遮光部の両側部においてその一部を被覆するように後述する着色層が形成されるが、この着色層に被覆される遮光部の両側部の幅としては、通常遮光部の各端部からそれぞれ、0.6μm〜7μm程度、好ましくは1.25μm〜5.3μm程度とされる。これにより、白抜け等のない、高品質なカラーフィルタとすることができるからである。
ここで、上記遮光部には、少なくとも遮光材料および樹脂が含有されていれば、その材料等は特に限定されるものではなく、通常、遮光材料や樹脂に、光開始剤やモノマー等を添加して遮光部形成用組成物として上記遮光部を形成することができる。
上記遮光材料としては、一般的にカラーフィルタに用いられる樹脂製遮光部に用いられる材料を用いることができ、例えばカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子等が挙げられる。
また、本発明に用いられる遮光部に含有される樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等を例示することができる。
さらに、重合可能なモノマーであるメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの中から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸、アクリル酸の二量体(例えば、東亞合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの無水物の中から選ばれる1種以上からなるポリマー又はコポリマーも例示できる。また、上記のコポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマー等も例示できるが、これらに限定されるものではない。
上記例示の中でも、エチレン性不飽和結合を含有する樹脂は、モノマーと共に架橋結合を形成し、優れた強度が得られるので、特に好ましく用いられる。
また、本発明に用いられる遮光部の形成に用いることが可能なモノマーとしては、例えば多官能アクリレートモノマーが挙げられ、アクリル基やメタクリル基等のエチレン性不飽和結合含有基を2つ以上有する化合物を用いることができる。具体的には、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を例示することができる。
多官能アクリレートモノマーは、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本実施態様において(メタ)アクリルとはアクリル又はメタクリルのいずれかであることを意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート基又はメタクリレートのいずれかであることを意味する。
また、本発明に用いることが可能な光開始剤としては、紫外線、電離放射線、可視光、或いは、その他の各波長、特に365nm以下のエネルギー線で活性化し得る光ラジカル重合開始剤を使用することができる。そのような光重合開始剤して具体的には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、アデカ社製N1717、四臭化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性色素とアスコルビン酸やトリエタノールアミンのような還元剤との組み合わせ等を例示できる。本実施態様では、これらの光重合開始剤を1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、本発明において、上述した形状を有するように遮光部を形成する方法としては、上記遮光部形成用組成物中に含有される樹脂を上述した樹脂の中でも低分子の材料を用いたり、上述したモノマーを多量に添加すること等により、遮光部形成用組成物に熱可塑性を付与する方法等が挙げられる。この場合、遮光部を形成する領域に一般的な遮光部と同様の方法によって、矩形の遮光部を形成した後、その遮光部に熱をかけることにより、遮光部形成用組成物を軟化させて、上述したような形状とすることができるのである。
また、例えば上記樹脂組成物中に含有される光開始剤として、上述した光開始剤の中でも、表面硬化性の光開始剤を多量に用いる方法が挙げられる。この場合、例えばフォトリソグラフィー法等においてエッチングが行われる際、遮光部が形成される領域の表面は硬化されているが、遮光部の内側においては、光硬化が完全に進行していないため、角度の高い逆テーパー状にエッチングされることとなる。したがってエッチング終了後、この逆テーパー状の遮光部をポストベークすることによって、テーパー状の部分が下がり、上述したような形状を有する遮光部を形成することができるのである。
またさらに、上記遮光部形成用組成物を、遮光部を形成する形状の型に流し込み、硬化させた後、透明基板上にこの遮光部を貼り合わせる方法等を用いることもできる。また、ハーフトーンマスクを利用して、露光量を変えることにより、上述したような形状を有する遮光部を形成することもできる。
ここで、本発明においては、後述する光触媒含有層と上記遮光部との間にプライマー層を形成してもよい。このプライマー層の作用・機能は必ずしも明確なものではないが、プライマー層を形成することにより、光触媒含有層の上記濡れ性変化を阻害する要因となる遮光部および遮光部間に存在する開口部からの不純物、特に、遮光部をパターニングする際に生じる残渣や、不純物の拡散を防止する機能を示すものと考えられる。したがって、プライマー層を形成することにより、高感度で光触媒含有層の濡れ性を変化させることができ、その結果、高解像度のパターンを得ることが可能となるのである。
なお、本発明においてプライマー層は、遮光部のみならず遮光部間に形成された開口部に存在する不純物が光触媒の作用に影響することを防止するものであるので、プライマー層は開口部を含めた遮光部全面にわたって形成されていることが好ましい。
本発明におけるプライマー層は、上記遮光部と上記光触媒含有層とが接触しないようにプライマー層が形成された構造であれば特に限定されるものではない。
このプライマー層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、光触媒の作用により分解されにくい無機材料が好ましい。具体的には無定形シリカを挙げることができる。このような無定形シリカを用いる場合には、この無定形シリカの前駆体は、一般式SiXで示され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物であり、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
また、プライマー層の膜厚は、0.001μmから1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.001μmから0.1μmの範囲内であることが好ましい。
(光触媒含有層)
次に、本発明のカラーフィルタに用いられる光触媒含有層について説明する。本発明のカラーフィルタに用いられる光触媒含有層は、上記遮光部を少なくとも光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する層であり、かつ所定の膜厚を有するものであれば、特に限定されるものではない。通常、光触媒含有層中においては、光触媒微粒子がオルガノポリシロキサンにより一部または全部被覆されたものの混合物の状態で形成されており、光触媒微粒子が部分的に表面に露出することとなる。
ここで、本発明に用いられる光触媒含有層の膜厚として具体的には、0.01μm〜0.5μmの範囲内、好ましくは0.05μm〜0.4μmの範囲内、特に0.1μm〜0.2μmとされることが好ましい。光触媒含有層の乾燥時の膜厚がこのような範囲内となるように形成されることにより、上記遮光部の側面等において欠けのない光触媒含有層とすることができる。またこのような膜厚を有することにより、エネルギー照射に伴う光触媒の作用によって、表面の濡れ性を変化させることができ、後述する着色層をこの表面の濡れ性の差を利用して、高精細に形成することができるからである。また上記範囲より厚い場合には、上記遮光部と着色層との間の距離が離れるため、カラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合、バックライトの光漏れ等の問題が生じる可能性があるため、好ましくないといえるからである。
ここで上記光触媒含有層には、オルガノポリシロキサンが含有されていることから、エネルギー照射された際に、光触媒の作用によって表面の濡れ性を変化させることができ、エネルギー照射された領域を親液性領域、エネルギー照射されていない領域を撥液性領域とすることができる。
本発明においては、エネルギー照射されていない部分、すなわち撥液性領域においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が、10°以上、中でも表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上であることが好ましい。これは、エネルギー照射されていない部分が、撥液性が要求される部分であることから、上記液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、例えば後述する着色層を形成する着色層形成用塗工液をインクジェット方式等により塗布し、硬化させて形成する場合等に、撥液性領域にも着色層形成用塗工液が付着する可能性があることから、高精細に着色層を形成することが困難となるからである。
また、上記光触媒含有層は、エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が9°未満、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となるような層であることが好ましい。エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域における液体との接触角が高い場合は、例えば着色層を形成する着色層形成用塗工液を、親液性領域においてもはじいてしまう可能性があり、例えばインクジェット法により着色層形成用塗工液を塗布した際等に、着色層形成用塗工液が十分に塗れ広がらず、着色層を形成することが難しくなる可能性があるからである。
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
本発明に用いられる光触媒含有層は、この光触媒含有層中にフッ素が含有され、さらにこの光触媒含有層表面のフッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていてもよく、またエネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を含むように形成されていてもよい。
以下、このような光触媒含有層を構成する、光触媒、オルガノポリシロキサン、およびその他の成分について説明する。
a.光触媒
まず、本発明に用いられる光触媒について説明する。本発明に用いられる光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
また光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下であることが好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
本発明に用いられる光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。
b.オルガノポリシロキサン
次に、本発明に用いられるオルガノポリシロキサンについて説明する。本発明に用いられるオルガノポリシロキサンは、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、光触媒含有層表面の濡れ性を変化させることが可能なものであれば、特に限定されるものではなく、特に主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものであって、光触媒の作用により分解されるような有機置換基を有するものが好ましい。具体的には、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
上記の(1)の場合、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基、クロロアルキル基、イソシアネート基、もしくはエポキシ基、またはこれらを含む有機基であり、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでXで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。また、Yで示される有機基全体の炭素数は1〜20の範囲内、中でも5〜10の範囲内であることが好ましい。
これにより、上記光触媒含有層を形成した際に、オルガノポリシロキサンを構成するYにより表面を撥液性とすることができ、またエネルギー照射に伴う光触媒の作用により、そのYが分解等されることによって、親液性とすることが可能となるからである。
また、特に上記オルガノポリシロキサンを構成するYがフルオロアルキル基であるオルガノポリシロキサンを用いた場合には、エネルギー照射前の光触媒含有層を、特に撥液性の高いものとすることができることから、高い撥液性が要求される場合等には、これらのフルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFSON(C)CCHSi(OCH
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
Figure 2006337804
ただし、nは2以上の整数であり、R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
上記オルガノポリシロキサンは、光触媒含有層中に、5重量%〜90重量%、中でも30重量%〜60重量%程度含有されることが好ましい。
c.その他の物質
また、本発明に用いられる光触媒含有層中には、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合してもよい。またさらに、バインダとして、主骨格が上記光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有する、有機置換基を有しない、もしくは有機置換基を有するポリシロキサンを挙げることができ、具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を加水分解、重縮合したものを含有させてもよい。
またさらに、上記オルガノポリシロキサンの濡れ性を変化させる機能を補助するため等に、エネルギー照射に伴い、分解される分解物質を含有させてもよい。このような分解物質としては、光触媒の作用により分解し、かつ分解されることにより光触媒含有層表面の濡れ性を変化させる機能を有する界面活性剤を挙げることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を挙げることができる。
d.フッ素の含有
また、本発明においては、光触媒含有層がフッ素を含有し、さらにこの光触媒含有層表面のフッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていることが好ましい。これにより、エネルギーをパターン照射することにより、後述するように容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親液性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥液性域内に親液性領域のパターンを形成することとなる。
したがって、このような光触媒含有層を用いた場合は、エネルギーをパターン照射することにより、撥液性領域内に親液性領域のパターンを容易に形成することができるので、例えばインクジェット法等により、着色層形成用塗工液を塗布した場合に、高精細な着色層を形成することが可能となるからである。
上述したような、フッ素を含む光触媒含有層中に含まれるフッ素の含有量としては、エネルギーが照射されて形成されたフッ素含有量が低い親液性領域におけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下である。
このような範囲内とすることにより、エネルギー照射部分と未照射部分との親液性に大きな違いを生じさせることができる。したがって、このような光触媒含有層に、例えば着色層形成用塗工液を付着させることにより、フッ素含有量が低下した親液性領域のみに正確に着色層を形成することが可能となり、精度の良いカラーフィルタを得ることができるからである。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
このような光触媒含有層中のフッ素含有量の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いることが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
また、本発明においては、光触媒として上述したように二酸化チタンが好適に用いられるが、このように二酸化チタンを用いた場合の、光触媒含有層中に含まれるフッ素の含有量としては、X線光電子分光法で分析して定量化すると、チタン(Ti)元素を100とした場合に、フッ素(F)元素が500以上、このましくは800以上、特に好ましくは1200以上となる比率でフッ素(F)元素が光触媒含有層表面に含まれていることが好ましい。
フッ素(F)が光触媒含有層にこの程度含まれることにより、光触媒含有層上における臨界表面張力を十分低くすることが可能となることから表面における撥液性を確保でき、これによりエネルギーをパターン照射してフッ素含有量を減少させたパターン部分における表面の親液性領域との濡れ性の差異を大きくすることができ、最終的に得られるカラーフィルタの精度を向上させることができるからである。
さらに、このようなカラーフィルタにおいては、エネルギーをパターン照射して形成される親液領域におけるフッ素含有量が、チタン(Ti)元素を100とした場合にフッ素(F)元素が50以下、好ましくは20以下、特に好ましくは10以下となる比率で含まれていることが好ましい。
光触媒含有層中のフッ素の含有率をこの程度低減することができれば、カラーフィルタを形成するためには十分な親液性を得ることができ、上記エネルギーが未照射である部分の撥液性との濡れ性の差異により、カラーフィルタを精度良く形成することが可能となり、利用価値の高いカラーフィルタを得ることができる。
e.光触媒含有層の形成方法
上述したような光触媒含有層の形成方法としては、上記光触媒とオルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して光触媒含有層形成用塗工液を調製し、この光触媒含有層形成用塗工液を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより、光触媒含有層を形成することができる。
ここで、上記光触媒含有層形成用塗工液は、通常、固形分濃度が0.1%〜10%程度とされて、上記遮光部および基材を覆うように1μm〜100μm程度の膜厚で塗布されることとなる。これにより、上記膜厚となるように光触媒含有層を形成することができる。また、このような膜厚で光触媒含有層形成用塗工液を塗布して、上記膜厚となるように光触媒含有層を形成することによって、遮光部の側面等で光触媒含有層が欠けること等がなく、形成することが可能となるからである。
f.光触媒含有層上に濡れ性変化パターンを形成する方法
次に、上記光触媒含有層にエネルギーを照射して、後述する着色層を形成するパターン状に、濡れ性の変化した濡れ性変化パターンを形成する方法について説明する。本発明においては、上述したように光触媒含有層中のオルガノポリシロキサンがエネルギー照射に伴う光触媒の作用によって濡れ性が変化する。したがって、例えば図2に示すように、上記光触媒含有層3にフォトマスク5等を用いてエネルギー6を照射することによって(図2(a))、光触媒含有層3上に濡れ性の変化した濡れ性変化パターン7が形成されるのである(図2(b))。光触媒含有層上に濡れ性変化パターンが形成されていることにより、後述する着色層を形成する着色層形成用塗工液をインクジェット法等によって塗布した際、エネルギーが照射されていない領域にはインクが付着せず、濡れ性が変化した濡れ性変化パターン7上にのみ、高精細に着色層形成用塗工液を付着させることができ、高精細な着色層を形成することができるのである。
ここで、上記光触媒含有層に照射されるエネルギーとしては、上記光触媒含有層の濡れ性を変化させることが可能なエネルギーを照射する方法であれば、その方法は特に限定されるものではない。本発明でいうエネルギー照射(露光)とは、光触媒含有層表面の濡れ性を変化させることが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、可視光の照射に限定されるものではない。
通常このようなエネルギー照射に用いる光の波長は、400nm以下の範囲、好ましくは150nm〜380nm以下の範囲から設定される。これは、上述したように光触媒含有層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
このようなエネルギー照射に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。また、上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行う方法の他、エキシマ、YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
なお、エネルギー照射に際してのエネルギーの照射量は、光触媒含有層中の光触媒の作用により光触媒含有層表面の濡れ性の変化が行われるのに必要な照射量とする。
この際、光触媒含有層を加熱しながらエネルギー照射することにより、より感度を上昇させることが可能となり、効率的な濡れ性の変化を行うことができる点で好ましい。具体的には30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ましい。
本発明におけるエネルギー照射方向は、後述する基材が透明である場合は、基材側および光触媒含有層側のいずれの方向からフォトマスクを介したパターンエネルギー照射もしくはレーザの描画照射を行っても良い。本発明においては、特に上記の中でも散乱光が用いられることが好ましい。本発明においては基材上にテーパー状の遮光部が形成されており、基材側からエネルギーを全面に照射した場合であっても、遮光部のテーパー状の部分上に形成された光触媒含有層についても濡れ性を変化させることができるからである。
なお、上記基材側からエネルギー照射を行う場合には、フォトマスク等の位置合わせ等の工程が必要なく、効率よく上記濡れ性変化パターンを形成することができる、という利点も有する。一方、基材が不透明な場合は、光触媒含有層側からエネルギー照射を行なう必要がある。
(着色層)
次に、本発明のカラーフィルタに用いられる着色層について説明する。本発明のカラーフィルタに用いられる着色層は、上述した光触媒含有層上に形成されるものであり、光触媒含有層上でエネルギーが照射されて親液性領域がパターン状に形成された濡れ性変化パターンに沿って形成されたものである。
このような着色層は、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。この着色層における着色パターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。
本発明において、この着色層を着色する方法としても特に限定されるものではなく、例えば、公知の塗料をスプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の方法で塗布する塗布方式や、真空薄膜形式等を挙げることができるが、本発明においては、インクジェット方式により着色されることが好ましい。これにより、上記濡れ性変化パターン上に高精細に着色層を形成することができるからである。
ここで、このような着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液等としては、一般的なカラーフィルタの着色層に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
(基材)
次に、本発明に用いられる透明基材について説明する。本発明に用いられる透明基材としては、上記遮光部および光触媒含有層を形成可能なものであれば、特に限定されるものではなく従来よりカラーフィルタに用いられているもの等を用いることができる。具体的には石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等を挙げることができる。
(カラーフィルタ)
本発明のカラーフィルタは、基材、遮光部、光触媒含有層、および着色層を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば上記部材の他に透明電極層であるITO膜や、オーバーコート層等、通常カラーフィルタに形成される他の部材を有するものであってもよい。これらについても、通常のカラーフィルタと同様であるので、ここでの説明は省略する。
B.カラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法においては、基材と、上記基材上に形成された遮光材料および樹脂を含有する遮光部と、上記基材および上記遮光部を覆うように形成された光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層と、上記遮光部の開口部の上記光触媒含有層上に形成された着色層とを有するカラーフィルタの製造方法であって、上記遮光部を、上記遮光部の中心部に対してテーパー状に膜厚が減少している両側部の薄膜領域の幅が、それぞれ遮光部線幅の20%〜40%の範囲内となるように形成する遮光部形成工程と、少なくとも光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有し、固形分濃度0.1%〜10%の範囲内の光触媒含有層形成用組成物を1μm〜100μmの範囲内の膜厚で塗布し、乾燥させることにより光触媒含有層を形成する光触媒含有層形成工程とを有することを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、例えば図3に示すように、基材1上に、遮光部2の中心部aに対してテーパー状に膜厚が減少している両側部の薄膜領域tの幅が、遮光部2の線幅sに対して所定の範囲内となるように遮光部を形成する遮光部形成工程(図3(a))と、その遮光部2および基材1を覆うように、所定の固形分濃度を有する光触媒含有層形成用組成物13を、所定の膜厚で塗布し(図3(b))、乾燥させて光触媒含有層3を形成する光触媒含有層形成工程(図3(c))を有するものである。
本発明によれば、上記遮光部形成工程において、上述したような薄膜領域を有する、膜厚変化が緩やかな遮光部が形成されることから、上記光触媒含有層形成工程において、上記固形分濃度を有する光触媒含有層形成用組成物を上記膜厚で塗布して光触媒含有層を形成する際に、上記遮光部の側面においても、光触媒含有層が欠けることや、膜厚がムラになることなく形成することができる。
これにより、例えば図4に示すように、この光触媒含有層3表面に、フォトマスク5等を用いてエネルギー6を照射することによって(図4(a))、光触媒含有層3の表面の濡れ性が変化した濡れ性変化パターン7を形成する際(図4(b))、濡れ性変化パターン7の濡れ性を均一に変化させることができる。したがって、この濡れ性変化パターン7とエネルギー未照射部の光触媒含有層3との濡れ性の差を利用して、遮光部2の開口部に着色層を形成する着色層形成用塗工液を塗布し、着色層4を形成する際(図4(c))、着色層形成用塗工液を、均一に濡れ広がらせることができ、着色層4に白抜けや色ムラ等のない、高品質なカラーフィルタを製造することができるのである。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法における各工程ごとに説明する。
1.遮光部形成工程
まず、本発明のカラーフィルタの製造方法における遮光部形成工程について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法における遮光部形成工程は、基材上に所定の形状を有する遮光部を形成する工程であり、具体的には、上記遮光部の中心部に対してテーパー状に膜厚が減少している両側部の薄膜領域の幅が、それぞれ遮光部線幅の20%〜40%の範囲内、中でも25%〜35%の範囲内、特に28%〜32%の範囲内となるように形成する工程である。
ここで、本工程により形成される遮光部全体の幅、すなわち遮光部線幅としては、カラーフィルタの形状等にもよるものであるが、通常6μm〜35μm、中でも10μm〜30μm、特に16μm〜30μmの範囲内とされる。また、最大膜厚についても適宜選択されるものであるが、通常0.5μm〜2.5μm、中でも0.8μm〜2.5μm、特に0.8μm〜1.5μm程度とされる。
本工程においては、このような形状に遮光部を形成することが可能な方法であれば、上記遮光部の形成方法は特に限定されるものではない。このような形状に遮光部を形成する方法としては、例えば一般的な遮光部を形成する際に用いられる遮光部形成用材料に含有される樹脂を低分子量のものとすることや、例えば遮光部形成用材料にモノマーを多量に添加する方法等が挙げられる。また、例えば通常の遮光部と同様に遮光部を形成した後、熱をかけることにより遮光部形成用組成物を軟化させて上述したような形状とすること等とすることもできる。
このような遮光部の形成方法や、遮光部を形成する材料については、上述した「A.カラーフィルタ」で説明したものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
2.光触媒含有層形成工程
次に、本発明における光触媒含有層形成工程について説明する。本発明における光触媒含有層形成工程は、上述した遮光部および基材を覆うように光触媒含有層を形成する工程であり、少なくとも光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有し、所定の固形分濃度を有する光触媒含有層形成用組成物を所定の範囲内の膜厚で塗布し、乾燥させることにより光触媒含有層を形成する工程である。本工程においては、上記固形分濃度の光触媒含有層形成用組成物を上記膜厚で塗布することにより、目的とする膜厚で光触媒含有層を形成することができ、また例えば上記遮光部の側面にも均一な膜厚でムラや欠け等なく、光触媒含有層を形成することができるのである。
上記光触媒含有層の固形分濃度として具体的には、0.1%〜10%、中でも0.5%〜5%、特に1%〜3%の範囲内とされることが好ましい。また、上記光触媒含有層形成用組成物を塗布する膜厚として、具体的には、1μm〜100μm、中でも3μm〜80μm、特に5μm〜50μmの範囲内で塗布することが好ましい。上記膜厚は、光触媒含有層形成用組成物を塗布した直後の膜厚とする。これにより、本工程により形成された光触媒含有層の膜厚を0.01μm〜0.5μm程度、好ましくは0.05μm〜0.4μm程度、特に0.1μm〜0.2μm程度とすることができる。
ここで、上記光触媒含有層形成用組成物としては、上記光触媒と上記オルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して調製したもの等とすることができる。また、この光触媒含有層形成用組成物を、上記膜厚となるように塗布する方法としては、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。
また、上記光触媒含有層を乾燥させる方法としては、例えばホットプレート、赤外線ヒーターやオーブン等を用いて行うこと等ができる。
なお、本工程において用いられる光触媒、オルガノポリシロキサン、およびその他の材料等に関しては、「A.カラーフィルタ」の欄で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
3.その他
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、上述した遮光部形成工程および光触媒含有層形成工程の他に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、上記光触媒含有層の表面の濡れ性を変化させる濡れ性変化パターンを形成するエネルギー照射工程や、この光触媒含有層表面の濡れ性が変化した濡れ性変化パターン上に着色層を形成する着色層形成工程等を有していてもよい。
このような工程におけるエネルギー照射方法や、着色層等の形成方法等については、上述した「A.カラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。また、本発明においては、上記工程以外にも例えば透明電極層であるITO膜を形成する工程や、オーバーコート層を形成する工程等、通常カラーフィルタに形成される他の部材を形成する工程が行われてもよい。これらについても、通常のカラーフィルタの製造方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
1.遮光部の形成
下記組成の混合物を90℃に過熱して溶解させ、12000rpmで遠心分離を行った。その後、1μmのグラスフィルタでろ過した。得られた溶液に架橋剤として重クロム酸アンモニウムを1重量%添加して遮光部形成用塗工液とした。
・カーボンブラック(三菱化学(株)製 #950) …4重量部
・ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製ゴーセノールAH−26)
…0.7重量部
・イオン交換水 …95.3重量部
得られた遮光部形成用塗工液を用いて、以下の如く遮光部のパターン(レジストパターン)を形成し、評価を行った。まず、上記遮光部形成用塗工液をスピンコーターにてソーダガラス製の透明な基材上に塗布し、ホットプレートにて80℃で1分間乾燥させた。乾燥後のレジストの膜厚を触針式膜厚計(αーステップ、テンコール社製)で測定したところ1μmであった。続いて、上記レジストを遮光部のパターン状に階調マスク(中心濃度2.0、(幅10μm)サイドは10ステップで最端濃度0.1)を通して水銀ランプで像露光した。続いて温度25℃、濃度0.05%の水酸化カリウム及び0.1%のノニオン系界面活性剤(エマルゲンA−60 花王社製)を含有する現像液に浸漬現像し、遮光パターンを得た。その後、60℃、30分間の加熱処理を施して遮光部を形成し、カラーフィルタ形成用基板とした。上記遮光部は、遮光部幅20μm、開口部幅80μmのライン&スペースのパターンとなるように形成された。
2.光触媒含有層の形成
光触媒無機コーティング剤であるST−K03(石原産業(株)製)を、イソプロパノールで10倍に希釈して光触媒含有層用組成物とした。この際、固形分濃度は0.1%であり、塗布膜厚は100μmであった。上記テーパー状の遮光部が形成されたガラス基板上に、上記光触媒含有層用組成物をスピンコータにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行い、透明な光触媒含有層(膜厚0.15μm)を形成した。次に、裏面から超高圧水銀ランプ(照度30mW/cm、365nm)を用いて露光した。これにより、開口部、および遮光部の両端部(最端から5μmまでの範囲内)上に形成された光触媒含有層が親液性とされた。
3.着色層の形成
開口部に対して、ピエゾ駆動式インクジェット装置にて赤色の熱硬化型インク(粘度:5cp)を吐出したところ、上記熱硬化型インクが、開口部および遮光部の両端部上に良好に濡れ広がった。なお、上記粘度は、粘度測定器 VIBROVISCOMETER CJV5000(A&D社製)を用いて温度20℃で測定した際の値である。その後、加熱処理を行い、赤色の着色層とした。上記着色層は、上記開口部に均一に濡れ広がり、白抜け等は生じなかった。続いて同様に、青色および緑色の着色層を形成し、カラーフィルタとした。青色および緑色の着色層についても赤色と同様、白抜けは生じていなかった。
[比較例]
遮光部形成の際、階調マスクを用いず、通常のフォトマスクを用いて露光を行った以外は、実施例と同様にカラーフィルタの形成を行った。この際、遮光部に区画された開口部で、着色層用の熱硬化型インクが均一にぬれ広がらず、遮光部の端部において白抜けが生じた。
本発明のカラーフィルタの一例を示す説明図である。 本発明に用いられる光触媒含有層の濡れ性を変化させる工程を示した説明図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す説明図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の他の例を示す説明図である。 従来の光触媒含有層の形成方法を説明する説明図である。
符号の説明
1…基材
2…遮光部
3…光触媒含有層
4…着色層

Claims (2)

  1. 基材と、前記基材上に形成された遮光材料および樹脂を含有する遮光部と、前記基材および前記遮光部を覆うように形成された光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層と、前記遮光部の開口部の前記光触媒含有層上に形成された着色層とを有するカラーフィルタであって、
    前記遮光部は、前記遮光部の中心部に対してテーパー状に膜厚が減少している両側部の薄膜領域の幅が、それぞれ遮光部線幅の20%〜40%の範囲内であり、前記光触媒含有層の膜厚が0.01μm〜0.5μmの範囲内であることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 基材と、前記基材上に形成された遮光材料および樹脂を含有する遮光部と、前記基材および前記遮光部を覆うように形成された光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層と、前記遮光部の開口部の前記光触媒含有層上に形成された着色層とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
    前記遮光部を、前記遮光部の中心部に対してテーパー状に膜厚が減少している両側部の薄膜領域の幅が、それぞれ遮光部線幅の20%〜40%の範囲内となるように形成する遮光部形成工程と、
    少なくとも光触媒およびオルガノポリシロキサンを含有し、固形分濃度0.1%〜10%の範囲内の光触媒含有層形成用組成物を1μm〜100μmの範囲内の膜厚で塗布し、乾燥させることにより光触媒含有層を形成する光触媒含有層形成工程と
    を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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