JP2006337065A - 物質間の相互作用するバイオアッセイ用基板と相互作用検出装置 - Google Patents

物質間の相互作用するバイオアッセイ用基板と相互作用検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
電界アッセイを実施できる基板や装置の新規な構成を提供すること。
【解決手段】
物質間の相互作用が進行する場となる反応領域2群と、各反応領域2に直接又は絶縁層を介して臨むように設けられた電極Eと、外部電源Vからの電力を各電極Eに供給する給電配線3と、を備える相互作用検出用の基板である。この基板1の前記電極E群は、反射性の導電性材料から形成されており、該電極E群と同材料で形成された前記給電配線3の道筋上に配設されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、物質間の相互作用を検出するときに有用な技術に関する。より詳しくは、電気力学的作用を有効に利用して、プローブ物質の固定化や相互作用の促進を達成するアッセイを実施するときに適するバイオアッセイ用基板と装置に関する。
近年、マイクロアレイ技術によって所定のDNAが微細配列された、いわゆるDNAチップ又はDNAマイクロアレイ(以下、本願では「DNAチップ」と総称。)と呼ばれるバイオアッセイ用の集積基板が、遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等に利用されるようになり、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、進化の研究、法医学その他の分野において広範囲に活用され始めている。
この「DNAチップ」は、ガラス基板やシリコン基板上に多種・多数のDNAオリゴ鎖やcDNA(complementary DNA)等のヌクレオチド鎖が集積されていることから、ハイブリダイゼーションの網羅的解析が可能となる点が特徴とされている。その他、核酸分子以外の生体分子間の相互作用を検出するセンサーチップ(例えば、プロテインチップ)や検出装置が種々開発されている。
ここで、所定の反応領域において、物質間の相互作用を進行させてこれを検出するアッセイ系において、電気泳動や誘電泳動などの電気的力学的効果を利用する技術が近年提案され始めている。以下、当該技術を例示する。
まず、特許文献1には、鋳型基板上に固定された核酸プローブ鋳型鎖を用い、該鋳型鎖に沿って核酸プローブ鎖を合成し、この合成されたプローブを、電界を利用して別のアレイ基板上に固定することにより、簡易かつ低コストで核酸鎖固定化アレイを製造する技術が開示されている。
特許文献2には、互いに着脱可能な本体部とフレームとから構成され、本体部の内側にはマトリックス状に多数のピン電極が突出され、このピン電極には異なる遺伝子配列から成るオリゴヌクレオチドを固定し、このピン電極と接触しないようにフレームの窪みに共通電極が配設し、共通電極とピン電極間に電圧を印加し、電流を検出して前記オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションにより得られた二本鎖DNAを検出する技術が開示されている。
特許文献3には、検出用ヌクレオチド鎖と該検出用ヌクレオチド鎖と相補性のある塩基配列を備える標的ヌクレオチド鎖との間のハイブリダイゼーションの場となる反応領域が、前記検出用ヌクレオチド鎖を電界により伸長させながら、誘電泳動の作用によって走査電極の端部に固定できる構成とされたハイブリダイゼーション検出部が開示されている。
特開2001−330608号公報。 特開2001−242135号公報。 特開2004−135512号公報。
現在、DNAチップに代表されるバイオアッセイ用基板を用いた相互作用検出では、基板上に多数の反応領域を整列配設しておくことによって、より多様又は多種類の相互作用を、一つの基板で一斉同時に検出することが、基板開発の一つの潮流となっている。
また、このような多数の反応領域が配設された基板を用いて、上掲した先行技術のように、反応領域に対向配置された電極又は電極群を介して電界を印加し、その電気力学的効果を目的の相互作用(例えば、ハイブリダイゼーション)を実施する場合、その基板構造はより複雑化し、各反応領域の所定位置に電極を配置し、なおかつ、各電極に対する給電配線の這い回り構成についても工夫が必要となる。
このような電界アッセイを実現する基板においても、相互作用の自動検出を実現するためには、多数の反応領域群の中から各反応領域の位置を正確に特定し、所定位置へ蛍光励起光やサーボ光などの光を正確に照射する作業や、所定位置(スポット部位)へ試料物質を供給する作業を自動制御できることが要求される。
そこで、本発明は、基板上に多数配設された反応領域群のそれぞれで電界アッセイを行うことが可能な基板において、できるだけ簡易な基板構成により、反応領域の位置の特定作業(トラッキング作業)やそれに基づく光照射や試料供給などの作業動作を実現できるバイオアッセイ用基板や装置を提供することを主な目的とする。
本発明は、まず、物質間の相互作用が進行する場となる反応領域群と、各反応領域に直接又は絶縁層を介して臨むように設けられた電極と、外部電源からの電力を各電極に供給する給電配線と、を備える前記相互作用検出用の基板であって、前記電極群を反射性の導電性材料から形成し、該電極群と同材料で形成した前記給電配線の道筋上に配設した構成のバイオアッセイ用基板を提供する。前記給電配線の延設形態は、狭く限定されないが、例えば、上方から視たときに、同心円又はらせん状をなしてもよい。
また、前記電極に対向するように配置され、前記反応領域を閉塞する役割を担う上方基板を設ける場合、この上方基板を所定波長の光を透過する材料で形成するように工夫する。これにより、上方基板側からの反応領域への光照射が可能となる。例えば、光トラッキングサーボ光、蛍光励起光、蛍光などを上方基板側から入射させる相互作用蛍光検出が可能となる。また、この上方基板を、前記反応領域に臨設された前記電極の対向する電極基板(基板全体が導電材料である基板)、あるいは、基板の一部に対向電極層を有する基板としてもよい。
また、本発明では、基板に設けられた反応領域に臨設されている電極の表面は、プローブ物質を固定するための表面として利用できる。本発明に係るバイオアッセイ用基板の全体形態は、特に限定されないが、全体外観視、円盤状の形態をなすものを採用すれば、基板上への反応領域の配列やそのグルーピング、給電配線の這い回りなどが容易となり、また、CDやDVDなどの光ディスク媒体で用いられる情報読取技術を応用し易くなる。
次に、本発明では、上記構成のバイオアッセイ基板を用いて、物質間の相互作用を蛍光検出する装置を提供する。具体的には、光源からの出射光を前記基板に照射することにより、前記反応領域内で発生した蛍光と、電極及び給電配線からの反射光と、を取得し、前記蛍光により前記相互作用を検出するとともに、前記反射光により前記反応領域群をトラッキングすることを特徴とする相互作用検出装置を提供する。
即ち、この装置では、基板に形成された電極とこれに接続(連結)する給電配線からの反射光情報をトラッキング信号として利用し、基板上の反応領域の位置を正確に特定しながら追従し、光照射や試料物質の供給を行うことができる。
ここで、本発明に関連する主たる技術用語について説明する。まず、「相互作用」とは、物質間の非共有結合、共有結合、水素結合を含む化学的結合あるいは解離を広く意味し、例えば、核酸分子間のハイブリダイゼーション、タンパク質間の相互作用、抗原抗体反応などの物質間の化学的結合あるいは解離を広く含む。なお、「ハイブリダイゼーション」は、相補的な塩基配列構造を備える間の相補鎖(二本鎖)形成反応を意味する。
「核酸鎖」とは、プリンまたはピリミジン塩基と糖がグリコシド結合したヌクレオシドのリン酸エステルの重合体(ヌクレオチド鎖)を意味し、プローブDNAを含むオリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、プリンヌクレオチドとピリミジンヌクレオチオドが重合したDNA(全長あるいはその断片)、逆転写により得られるcDNA(cプローブDNA)、RNA、ポリアミドヌクレオチド誘導体(PNA)等を広く含む。
「反応領域」は、ハイブリダイゼーションなどの相互作用の場を提供できる領域であり、一例を挙げるなら、液相やゲルなどを貯留できるウエル形状を有する反応場である。
「バイオアッセイ用基板」は、基板上の所定の反応領域において、物質間の相互作用を進行させ、該相互作用を検出するための基板を意味し、前記物質の種類に関係なく広く包含し、前記相互作用の検出原理は問わない。DNAプローブなどの核酸鎖が固定化されて微細配列された状態とされたDNAチップ(DNAマイクロアレイ)やタンパク質間の相互作用や抗原抗体反応などの検出に適するたんぱくチップなどを少なくとも含む。
本発明に係るバイオアッセイ用基板では、電極や該電極に電力を供する給電配線から得られる反射光を利用してトラッキング信号やフォーカシング信号を取得できるように工夫したので、この信号に基づいて反応領域の特定やこの特定動作に基づいて光照射や試料物質の供給を行うことができる。即ち、本発明では、電界印加手段である電極や給電配線をトラッキング信号やフォーカシングに利用したので、トラッキング信号等を得るための特別の構造(例えば、ピット)を基板に形成する必要がない。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、添付図面に示された各実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
図1は、本発明に係るバイオアッセイ用基板の要部基本構成を説明する図である。
まず、この図1に示された符号Eは、基板1に配設された反応領域2,2,2・・・のそれぞれに設けられた電極であり、該電極Eの面が、各反応領域Rに直接又は絶縁層を介して臨むように設けられている。各電極Eには、検出目的の物質間の相互作用を検出するためのプローブとして利用されるオリゴDNAやタンパク質などの物質(以下「プローブ物質」)が電極表面に対して化学結合等により固定され、電極表面近傍で相互作用が進行する。
なお、プローブ物質の固定は、例えば、電極Eの表面とプローブ物質の末端をカップリング反応等の反応によって行うことができる。例えば、ストレプトアビジンによって電極表面が表面処理されている場合には、ビオチン化されたプローブ物質の末端の固定に適している。あるいは、チオール(SH)基によって表面処理されている場合には、チオール基が末端に修飾されたプローブ物質をジスルフィド結合(−S−S−結合)で固定することに適している。
図1中の符号3は、外部電源からの電力を各電極Eに供給するための給電用の配線(以下「給電配線」)を示している。この図1からわかるように、反応領域Rと該反応領域Rにそれぞれ形成された電極E群は、給電配線3の道筋上に、所定間隔で配設されていることが特徴である。なお、基板1に対する給電配線3の形成方法は、特に限定されず、エッチングや蒸着技術などを利用して形成できる。
ここで、各電極E群は、金やアルミニウムなどの反射性を有する導電性材料から形成されており、前記給電配線3も該電極E群と同じ材料で形成されている。即ち、各電極E群と給電配線3は、同じ光反射性質を備える。
したがって、給電配線3に対して所定波長の光Pを照射することによって得られるその反射光Rを取得しながら該給電配線3を追従(トラッキング)していくことによって、基板1上の電極Eのそれぞれの位置を順番に正確に検出し、この当該電極Eに対する蛍光励起光の光照射や反応領域2への試料物質の供給作業などを確実に実施することができる。即ち、前記反射光Rは、トラッキング信号などの取得に利用できる(すべての実施形態に共通)。
ここで、図2は、本発明に係るバイオアッセイ用基板のより具体的な実施形態例を示す図である。この図は、反応領域2群が形成されている基板層を上方から視た平面図であり、基板A部の拡大図も付されている。
図2において符号1aで示す基板は、円盤(ディスク)状の外観形態を有し、その中央部には、貫通する孔4が形成されている(なお、孔4は、貫通しない穴であってもよい)。この孔4の内周面は、該孔4に挿着される給電部材(図示せず。)と接触するコンタクト部5が形成され、該コンタクト部5を介して、外部電源からの電力が給電配線3へ送り込まれる(他の実施形態でも同様)。
基板1aには、図2に示すように、同心円状をなすように給電配線3,3・・・が設けられており、各給電配線3や最内周の給電配線とコンタクト部5は、半径方向に延びる配線31によって連結されている。反応領域2と該反応領域2内の電極Eは、この同心円状をなす給電配線3,3…のそれぞれの道筋上に配設されており、その結果、上方視、放射状をなして配列されている。
図3は、本発明に係るバイオアッセイ用基板のより具体的な実施形態の他の例を示す図である。この図3は、反応領域2群が形成されている基板層を上方から視た平面図である。
この図3に示された基板1bでは、該基板1bを上方視したときに、給電配線3が、螺旋状、あるいは渦巻き状をなすように形成されている。この給電配線3の最内周側の末端部位は、孔4のコンタクト部5に接続されており、もう一方の最外周側の終端部は、最後の電極Eに接続されている。
このような延設形態をなす給電配線3を内側から外周側へトラッキングしていくと、すべての反応領域2及び電極Eの位置を特定して、光照射やサンプル溶液の供給を行うことができる。なお、図2に示された基板1aでは、周回するトラッキング動作に加えて、別の周の給電配線3に移行するトラッキング動作が必要となるが、基板1bでは、螺旋状の給電配線3を辿っていく一連の周回トラッキング動作で対応できる。
図4は、本発明に係るバイオアッセイ用基板1の好適な基板層構造の一例を説明するための図である。
図4にその要部断面が示されている基板1は、下層側から順番に、支持基板11と、該支持基板11に積層された電極形成層12と、該電極形成層12に積層され、反応領域2が形成された反応領域形成層13と、該反応領域形成層13を閉塞する上方基板14と、から構成されている。
支持基板11は、電極Eや給電配線3とは反射性質の異なる合成樹脂などの材料で形成されている。電極形成層12は、光透過性の材料で形成されたベース層121と、該ベース層121を覆うように、SiO、SiC、SiN、SiOC、SiOF、TiO等から選択される材料によって形成された絶縁層122と、を備えている。
この絶縁層122は、反応領域2中に貯留される場合があるイオン溶液による電気化学的な反応を防止する役割や電極と溶媒との間の電子授受を防いで電極の腐食を防止する役割を果たし、さらには、電気分解による気泡の発生によって起こり得る電極Eの剥離を防止する役割も果たす。
ここで、前記ベース層121には、反応領域2の中央部に位置決めされた所定面積の電極Eと、該電極Eに接続して延設されている給電配線3と、が形成されている。なお、このような構成の電極形成層12の電極Eや給電配線3は、ベース部材121に対するエッチング加工などによって形成できる。
電極形成層12の上には、感光性のポリイミド樹脂などの合成樹脂で形成された反応領域形成層13が形成されている。この反応領域形成層13には、所定サイズのウエル状をなす微少容積の反応領域2が形成されている。尚、反応領域2は、公知の光マスタリング技術により形成できる。
この反応領域形成層13の上には、前記反応領域2を閉塞する蓋基板として機能する上方基板14が、着脱自在又は固定されて設けられている。この上方基板14は、それ全体をITO(インジウム−スズ−オキサイド)のような光透過性の導電性の材料で形成してもよいが、図4に示されたように、光透過性の電極層Eと該電極層Eに積層された光透過性の合成樹脂層141の複層構造としてもよい。なお、上方基板14の反応領域2に面する電極層Eを絶縁層122と同様の絶縁層(図示せず)で覆うのは自由である。
ここで、電極(電極層)E,Eは、反応領域2を挟む対向電極をなしており、この対向電極E-Eを介して外部電源VからスイッチSのオンオフ操作により、反応領域2内へ電界が印加できる構成となっている。電界は、アッセイ目的に応じて、選択すればよく、例えば、直流電界、交流電界、あるいは、高周波電界、低周波電界のいずれでもよい。誘電泳動の電気力学的効果を利用する場合は、高周波交流電界を選択するのが好適である。
なお、「誘電泳動」は、電界が一様でない場において、分子が電界の強い方へ駆動する現象である。交流電圧をかけた場合も、かけた電圧の極性の反転につれて分極の極性も反転するので、直流の場合と同様に駆動効果が得られる(監修・林 輝、「マイクロマシンと材料技術(シーエムシー発行)」、P37〜P46・第5章・細胞およびDNAのマニピュレーション参照)。特に、高周波交流電界中においては、時間的平均電場の自乗の勾配に比例して双極子に力が働き、泳動する。
例えば、核酸分子は、液相中において電界の作用を受けると伸長又は移動することが知られている。その原理は、骨格をなすリン酸イオン(陰電荷)とその周囲にある水がイオン化した水素原子(陽電荷)とによってイオン曇を作っていると考えられ、これらの陰電荷及び陽電荷により生じる分極ベクトル(双極子)が、高周波高電圧の印加により全体として一方向を向き、その結果として伸長し、加えて、不均一電界が印加された場合、電気力線が集中する部位に向かって移動する(Seiichi Suzuki,Takeshi Yamanashi,Shin-ichi Tazawa,Osamu Kurosawa and Masao Washizu:“Quantitative analysis on electrostatic orientation of DNA in stationary AC electric field using fluorescence anisotropy”,IEEE Transaction on Industrial Applications,Vol.34,No.1,P75-83(1998))。
このような誘電泳動の効果によって、電界が集中する電極Eの表面部位へ向けて、電荷や双極子を形成するプローブ物質Xを周辺から引き寄せて固定することができ、さらには、当該プローブ物質Xが固定されている電極Eの表面部位へターゲット物質Yを引き寄せて、ハイブリダイゼーションなどの相互作用効率を高めることができる。あるいは、物質の高次構造や配向を、電気力学的作用を利用して調整し、ハイブリダイゼーションなどの相互作用時の立体障害の影響を軽減することができる。ひいては、ハイブリダイゼーションなどの相互作用の精度向上も達成できる。
ここで、図4の反応領域2には、電極Eの表面に固定されたプローブ物質Xと、該プローブフ物質Xと相補結合しているターゲット物質Yが模式的に示されている。この場合、ターゲット物質Yには、予め蛍光物質(蛍光色素)fが標識(ラベル)されている。
したがって、ハイブリダイゼーション後に反応領域2を洗浄した後に、反応領域2から得られる蛍光Fは、プローブ物質Xと相補結合して留まるターゲット物質Yからの蛍光であるので、この蛍光Fを測定することによって、プローブ物質Xとターゲット物質Yのハイブリダイゼーションを検出できる。
なお、本発明では、ハイブリダイゼーション検出に用いる蛍光の発生源は、特に限定されず、例えば、ターゲット物質Yに標識された蛍光物質fからの蛍光を測定する前記方法に加え、プローブ物質Xに、二本鎖形成時にのみ蛍光を発する蛍光物質を標識しておく方法、あるいは、相補鎖部位に特異的に結合する蛍光インターカレーターを用いる方法などを適宜、自由に採用できる。
ここで、再び図4を参照すると、この図4には、符号Pで示された光が示されている。この光Pは、トラッキングサーボと蛍光励起の両方の役割を担う。具体的には、光Pは、図4矢印U方向に、給電配線3からの反射光Rを手がかりとして基板1に向けて連続照射されていきながら給電配線3を追従(トラッキング)し、該給電配線3の道筋途中に形成されている反応領域2内の電極Eの位置を正確に特定する。そして、該電極Eに光Pを照射することにより励起された蛍光Fを反射光Rとともに取得し(図4参照)、続いて、隣接する反応領域2内の電極E(図示せず。)へ向けて移動しながら、同様の反射光Rの取得によるトラッキング動作と蛍光Fの取得による相互作用検出動作を行う。
なお、図4に示されたような実施形態では、給電配線3と上方基板14の電極Eとの間での電界印加が行われるので、電極Eに効果的に電界を集中させることができない。そこで、その対策の一例として、絶縁層122において、電極E1上部領域の絶縁層122aの誘電率(ε)をそれ以外の領域の絶縁層122bの誘電率(ε)よりも大きくすることで(ε>ε)、電極E表面(絶縁層122a表面)に電界を集中させることができる。例えば、絶縁層122aをTiO(誘電率40)で形成し、それ以外の絶縁層122bをSiO(誘電率4)で形成する。図4の符号Zは、電極Eに電界が集中している様子を示す模式的な電気力線を表している。別の例では、絶縁層122aの膜厚をそれ以外の絶縁層122bの膜厚よりも薄くすることで、絶縁層122a(即ち、電極E表面)に電界を集中させることができる。
図5は、本発明に係る相互作用検出装置の基本構成の一例を示す図である。
符号Gは、レーザ光源であって、所定波長の光Pを出射する。この光Pは、反応領域2に存在する蛍光物質fを励起できる波長の光である。即ち、光Pは、蛍光励起光である。また、この光Pは、トラッキングサーボやフォーカシングを行うために利用する反射光Rを得るためのサーボ光としも機能する。
光源Gから出射された光Pは、レンズLで平行光に変換される。その後、前方に配置された第1ダイクロイックミラーMに照射されて90°進路が変更された後、基板1近傍に配置されたレンズLで集光され、反応領域2内にフォーカシングされて照射される。なお、第1ダイクロイックミラーMは、光Pを一部透過させる性質を持つものが選択され、その前方には、集光レンズLと光吸収部Aが配置されている。
次に、基板1の反応領域2において光Pで励起された蛍光Fは、基板1の上方のレンズLに入射して平行光へ変換された後、前方の第1ダイクロイックミラーMを透過して直進し、さらにその前方に配置されたダイクロイックミラーMによって90°方向変換された後、フィルターCを通過し、レンズLで集光されて光ディテクタDでその蛍光強度が測定される。
一方、基板1から得られる光Pの反射光R、即ち、電極Eや給電配線3に照射された光Pの戻り反射光Rは、ダイクロイックミラーM,Mを透過して、直進し、さらに前方のダイクロイックミラーMによって90°方向変換された後、レンズLで集光されて光ディテクタDで検出される。検出された反射光Rは、トラッキングサーボ光やフォーカシングサーボ光などとして利用される。
なお、図5に示す装置では一つの光源Gを有する構成であるが、二つの光源(図示せず)を準備し、その一方の光源を蛍光励起光の光源として利用し、他方の光源を、反射光Rを得るための光の光源として利用する構成を採用するのは自由である。
本発明は、反応領域に印加された電界による電気力学的作用を利用して、物質間の相互作用を効率良く、短時間で、高精度に検出するための技術として利用できる。例えば、DNAチップやたんぱくチップなどに代表されるセンサーチップ技術や前記相互作用を検出するための技術として利用できる。
本発明に係るバイオアッセイ用基板の要部基本構成を説明する図である。 本発明に係るバイオアッセイ用基板のより具体的な実施形態例を示す図である。 本発明に係るバイオアッセイ用基板のより具体的な実施形態の他の例を示す図(反応領域2群が形成されている基板層を上方から視た平面図)である。 本発明に係るバイオアッセイ用基板(1)の好適な基板層構造の一例を説明するための図である。 本発明に係る相互作用検出装置の基本構成の一例を示す図である。
符号の説明
1(1a,1b) バイオアッセイ用基板
2 反応領域
3 給電配線
11 支持基板
12 電極形成層
13 反応領域形成層
14 上方基板
122 絶縁層
,E 電極
F 蛍光
f 蛍光物質
P 光(基板に照射される光)
R 反射光
S スイッチ
U 光の進行方向
V 電源
X プローブ物質
Y ターゲット物質
Z 電気力線

Claims (8)

  1. 物質間の相互作用が進行する場となる反応領域群と、
    各反応領域に直接又は絶縁層を介して臨むように設けられた電極と、
    外部電源からの電力を各電極に供給する給電配線と、を備える前記相互作用検出用の基板であって、
    前記電極群は、反射性の導電性材料から形成され、該電極群と同材料で形成された前記給電配線の道筋上に配設されているバイオアッセイ用基板。
  2. 前記給電配線は、上方から視たときに、同心円又はらせん状をなすことを特徴とする請求項1記載のバイオアッセイ用基板。
  3. 前記電極に対向配置され、前記反応領域を閉塞する上方基板が、所定波長の光を透過することを特徴とする請求項1記載のバイオアッセイ用基板。
  4. 前記上方基板は、トラッキングサーボ光と蛍光励起光と蛍光とを少なくとも透過することを特徴とする請求項3記載のバイオアッセイ用基板。
  5. 前記上方基板は、前記反応領域に臨設された前記電極の対向電極基板、又は対向電極層を有する基板であることを特徴とする請求項2記載のバイオアッセイ用基板。
  6. 前記反応領域に臨設された前記電極の表面にプローブ物質が固定されていることを特徴とする請求項1記載のバイオアッセイ用基板。
  7. 全体外観視、円盤状の形態をなす請求項1記載のバイオアッセイ用基板。
  8. 請求項1記載のバイオアッセイ基板を用いて、物質間の相互作用を蛍光検出する装置であって、
    光源からの出射光を前記基板に照射することにより、前記反応領域内で発生した蛍光と、電極及び給電配線からの反射光と、を取得し、
    前記蛍光により前記相互作用を検出するとともに、前記反射光により前記反応領域群をトラッキングすることを特徴とする相互作用検出装置。
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