JP4218257B2 - バイオアッセイ方法及びバイオアッセイ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイオインフォマティクス(生命情報科学)分野において特に有用なバイオアッセイ方法並びにバイオアッセイ用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
本発明の主たる従来技術を以下説明する。現在、マイクロアレイ技術によって所定のDNAが微細配列された、いわゆるDNAチップ又はDNAマイクロアレイ(以下、「DNAチップ」と総称。)と呼ばれるバイオアッセイ用の集積基板が、遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等に利用されており、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範囲に活用され始めている。
【0004】
このDNAチップは、ガラス基板やシリコン基板上に多種・多数のDNAオリゴ鎖やcDNA(complementary DNA)等が集積されていることから、ハイブリダイゼーション等の分子間相互作用の網羅的解析が可能となる点が特徴とされている。
【0005】
DNAチップによる解析手法の一例を簡潔に説明すれば、ガラス基板やシリコン基板上に固相化されたDNAプローブに対して、細胞、組織等から抽出したmRNAを逆転写PCR反応等によって蛍光プローブdNTPを組み込みながらPCR増幅し、前記基板上においてハイブリダイゼーションを行い、所定の検出器で蛍光測定を行うという手法である。
【0006】
ここで、DNAチップは二つのタイプに分類できる。第1のタイプは、半導体露光技術を応用したフォトリソグラフィーの技術を用いて、所定の基板上に直接オリゴヌクレオチドを合成していくものであり、アフィメトリクス社(Affymetrix社)によるものが代表的である(例えば、特表平4−505763号公報参照)。この種のチップは、集積度は高いが、基板上でのDNA合成には限界があって、数十塩基程度の長さである。第2のタイプは、「スタンフォード方式」とも称されるもので、先割れピンを用いて、予め用意されたDNAを基板上に分注・固相化していくことによって作製されるものである(例えば、特許第3272365号公報参照)。この種のチップは、集積度は前者に比べて低いが、1kb程度のDNA断片を固相化できるという利点がある。
【0007】
また、現在、プロテインチップを含むバイオセンサーチップと称される、薄い平板上に設けられた微小な検出表面部位に所定の検出用物質を固相化し、この検出用物質に対して、標的物質を含む溶液を微容量通水し、両物質の相互作用を表面プラズモン共鳴原理や水晶発振子等の原理を用いて観察・分析するバイオセンサー技術が進展しており、抗体抗原反応やホルモン応答反応等の物質間相互作用の分析における有用な技術となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のDNAチップ技術やバイオセンサー技術では、二次元である基板の狭小な検出部において、DNAプローブ等の検出用ヌクレオチド鎖やタンパク質等を固相化(固定化)し、ハイブリダイゼーション反応や光源抗体反応等の物質間の相互作用を進行させるという技術であることから、空間的に反応生成物の自由度が制限され、また、反応の際に立体障害が発生する可能性もあるという必ずしも好適とは言えない反応条件下で、専ら反応生成物のブラウン運動に基づいて相互作用を進行させるという構成であった。このため、従来のDNAチップ技術又はバイオセンサー技術では、相互反用の効率が悪く、反応時間が長いという技術的課題があった。
【0009】
また、既存のDNAチップ等では、試料溶液は、基板上の所定のスポット部位(検出部)に滴下されるのみであって、前記試料溶液に含まれている標的物質と、前記スポット部位に固定された状態の検出物質との相対的な位置決めを行うための工夫は、何ら講じられていなかった。
【0010】
そこで、本発明では、ハイブリダイゼーション等の物質間の相互反応作用が行われる反応領域の電場形成をコントロールして、検出用物質と標的物質との間の相対的位置決めや物質構造の調整を行うことによって、相互反応作用の効率を高めることを可能にしたバイオアッセイ方法並びにバイオアッセイ装置を提供することを主目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、まず、本願においては、以下の「バイオアッセイ方法」を提供する。なお、本願において「バイオアッセイ」とは、ハイブリダイゼーションその他の物質間の相互作用に基づく生化学的分析を広く意味する。
【0012】
本発明に係る「バイオアッセイ方法」は、検出用ヌクレオチド鎖が固定可能なように表面処理が施された検出表面と、前記検出表面に固定され状態の検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖とのハイブリダイゼーションの場を提供する反応領域と、前記反応領域内に不均一電界を形成する電界形成手段と、を少なくとも備える検出部においてヌクレオチド鎖間の相互作用を検出する方法を前提とする方法であって、所定のタイミングで、前記電界形成手段により、前記反応領域内に不均一電界を形成し、前記反応領域中の前記検出用ヌクレオチド鎖と前記標的ヌクレオチド鎖とを一方向に向いた状態で接近させるように移動させる手順を少なくとも含む方法である。
【0013】
前記反応領域に形成された不均一電界は、主に、(1)検出用ヌクレオチド鎖、標的ヌクレオチド鎖を伸長させる作用、(2)検出用ヌクレオチド鎖と離れて存在している標的ヌクレオチド鎖を電気力線に沿って前後方向に移動させる作用、(3)検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖ハイブリダイゼーションによって得られた生成物(検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖の結合体)の高次構造を、蛍光標識された標的ヌクレオチド鎖や前記反応生成物に特異的に結合する蛍光インターカレータから発せられる蛍光の読み取りをより高精度に行うことができる構造に整える作用等を発揮する。
【0014】
即ち、検出部の反応領域に対して、好適な所定のタイミングで、所望の不均一電界を形成したり(印加オン)、不均一電界を形成しなかったり(印加オフ)することによって、上記(1)〜(3)の作用を順次発揮させることができる。
【0015】
より具体的には、高周波高電圧の印加によって上記(1)の作用を得て、検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖ハイブリダイゼーションし易い構造、例えば、ヌクレオチド鎖の塩基配列が重層されていない直鎖状構造(伸長した構造)に整えることができる。
【0016】
続いて、不均一電界を印加することによって、上記(2)の作用を得て、反応領域に遊離して存在する標的ヌクレオチド鎖を、検出表面に固定された状態にある検出用ヌクレオチド鎖に接近させてもよい。これにより、反応効率(反応機械)が高まるので、反応時間を短縮できる。
【0017】
そして、検出の段階においても、反応領域に不均一電界を印加することによって、(3)の作用を得て、反応領域に存在する相互作用生成物からの蛍光等を、光学的手段等の検出手段によって正確に検出することができる。
【0018】
ここで、検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖のハイブリダイゼーションを確実に進行させるために、ヌクレオチド鎖のブラウン運動に専ら委ねることができる反応領域に形成した方がよい場合は、一連の電界形成手順において、前記反応領域に電場を形成しない時間を積極的に設けるようにしてもよい。即ち、前記矩形波電圧オンに続いて、矩形波電圧オフの時間を設けてもよい。
【0019】
ここで、本発明に係る「バイオアッセイ方法」においては、「標的ヌクレオチド鎖」は蛍光標識その他の標識が付されているもの、付されていないものの双方を含む。「検出用ヌクレオチド鎖」は、検出表面に直接的に、又はリンカーを介して間接的に固定化され、蛍光物質等により標識された標的ヌクレオチド鎖と特異的なハイブリダイゼーションを発揮するヌクレオチド鎖を広く包含し、狭く解釈されない。
【0020】
「検出表面」は、ヌクレオチド鎖等の末端を固定化できる好適な表面処理が施された表面部位を意味する。例えば、ストレプトアビジンによって表面処理された場合には、ビオチン化されたヌクレオチド鎖の固定化に適した検出表面となる。
【0021】
本方法は、本発明の目的、効果に合致する範囲において、タンパク質−タンパク質間、ヌクレオチド鎖−ヌクレオチド鎖間(DNA―DNA、DNA−RNAの双方を含む。)、タンパク質−ヌクレオチド鎖(二本鎖含む。)間その他の高分子間の相互反応、高分子と低分子の相互反応、低分子間の相互反応の全てに適用可能である。
【0022】
本方法を用いてハイブリダイゼーションを行う場合においては、狭小な反応領域(スポット領域)でもハイブリダイゼーション効率を確実に高めることができるので、反応時間が短く、かつ読み取り精度の高いDNAチップ又はマイクロアレイ手法を新規に提供できる。
【0023】
ここで、好適なバイオアッセイ方法としては、(a)前記検出表面に末端部位が固定され状態の検出用ヌクレオチド鎖を伸長させるように電場を形成する手順と、(b)前記反応領域に対して標的ヌクレオチド鎖を添加する手順と、(c)前記反応領域に不均一電界を形成し、反応領域中の検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖とを接近させるように移動させる手順と、を含む方法である。以下、(a)〜(c)の各手順について具体的に説明する。
【0024】
ここで、本願において「ヌクレオチド鎖」とは、プリンまたはピリミジン塩基と糖がグリコシド結合したヌクレオシドのリン酸エステルの重合体を意味し、DNAプローブを含むオリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、プリンヌクレオチドとピリミジンヌクレオチオドが重合したDNA(全長あるいはその断片)、逆転写により得られるcDNA(cDNAプローブ)、RNA等を広く含む。
【0025】
検出表面に末端部位が固定されるべき検出用ヌクレオチド鎖(一本鎖)は必ずしも直鎖状のコンフォーメーションをとっているとは限らないことから、上記(a)手順によって、検出用ヌクレオチド鎖を電気力線に沿って、直鎖状に伸長させる。これにより、反応領域に対して検出用ヌクレオチド鎖の塩基配列が露出し、相補的な塩基配列との水素結合反応が進行し易い状態を形成できる。
【0026】
より詳細には、リン酸イオン等を備えるヌクレオチド鎖の陰電荷とイオン化した水素原子の陽電荷で構成される多数の分極ベクトルからなるヌクレオチド鎖が不均一電界の印加により伸長し、このため、塩基同士が重層することが無くなり、この結果、立体障害がなくなって、近在する標的ヌクレオチドとのハイブリダイゼーション反応が円滑に行われるようになる。
【0027】
ヌクレオチド鎖が伸長又は移動する原理を詳説すると、ヌクレオチド鎖の骨格をなすリン酸イオン(陰電荷)とその周辺にある水がイオン化した水素原子(陽電荷)とによってイオン曇を作っていると考えられ、これらの陰電荷及び陽電荷により生じる分極ベクトル(双極子)が、高周波高電圧の印加により全体として一方向を向き、その結果としてヌクレオチド鎖が伸長すると考えられる。加えて、電気力線が一部に集中する不均一電界が印加された場合、ヌクレオチド鎖は電気力線が集中する部位に向かって移動する(Seiichi Suzuki, Takeshi Yamanashi, Shin-ichiTazawa, Osamu Kurosawa and Masao Washizu: ”Quantitative analysis on electrostatic orientation of DNA in stationary AC electric field using fluorescence anisotropy”,IEEE Transaction on Industrial Applications,Vol.34,No.1,P75-83(1998)参照)。
【0028】
続いて、前記(a)手順後に、電圧印加をオンの状態にしたままか、或いは電圧印加を一旦オフにした状態で、反応領域の液相中に標的ヌクレオチド鎖を含む試料溶液を添加する(b)手順を実行する。
【0029】
この(b)手順に続いて、反応領域に電場を形成して、反応領域中の検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖とを互いに接近させるように移動させる上記(c)手順を一度以上実行し、ハイブリダイゼーションが進行し易い反応環境を形成する。即ち、(c)手順によれば、反応領域に電場を形成することによって、従来、専らブラウン運動にのみに基づいていた両ヌクレオチド鎖間の反応機会を格段に増加させることができるので、反応効率が高まり、検出精度を向上させることができる。
【0030】
なお、前記(c)手順終了後に、印加をオフした状態を形成し、ブラウン運動に基づくハイブリダイゼーションを行うようにしてもよい。この手順において不均一電界印加オフの条件にした理由は、ハイブリダイゼーションが相補的な塩基対間の水素結合に専ら委ねられる反応だからである。
【0031】
次に、本願では、上記バイオアッセイ方法を好適に実施できるツールとして、以下の構成を備える「バイオアッセイ装置」を提供する。
【0032】
即ち、本発明に係るバイオアッセイ装置は、検出用ヌクレオチド鎖が固定可能なように表面処理が施された検出表面と、前記検出表面に固定された状態の検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖とのハイブリダイゼーションの場を提供する反応領域と、該反応領域内に所定タイミングで交流不均一電界を形成し、前記反応領域中の前記検出用ヌクレオチド鎖と前記標的ヌクレオチド鎖とを一方向に向いた状態で接近させるように移動させる電界形成手段と、を少なくとも備える検出部を用いる。
【0033】
前記「検出部」は、検出表面と反応領域と電界形成手段、以上3つを必須構成とし、それ以外の構成、構造について特に限定されない。例えば、周辺から区画された微小なセル構造やチャンネル構造等を基板上に形成し、これらの構造部分に前記必須構成を設け、検出部としてもよい。基板上の検出部の数は、目的、用途に応じて決定でき、基板の形態は、矩形状、円盤状その他の平板状の形態を適宜選択決定することができる。
【0034】
以上のように、本発明は、DNAチップやバイオセンサーチップに関連する新規技術を提供するという技術的意義を有している。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0036】
図1(A)〜(F)は、本発明に係るバイオアッセイ方法の好適な手順並びに本発明に係るバイオアッセイ装置の好適な実施形態を説明するためのフロー図、図2は、前記方法又は前記装置において実施される電圧印加のオン/オフの手順の一実施例を説明するための波形図である。
【0037】
なお、以下、本発明に関し、検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖が双方一本鎖のヌクレオチド鎖であって、本発明に係るバイオアッセイ方法をハイブリダイゼーションに用いる場合を代表例として説明する。
【0038】
まず、本発明に係るバイオアッセイ方法又は装置は、図1中に符号Dで示された検出用ヌクレオチド鎖が固定可能なように表面処理が施された検出表面Sと、この検出表面Sに固定され状態の検出用ヌクレオチド鎖Dと添加された標的ヌクレオチド鎖Tとのハイブリダイゼーションの場を提供する反応領域Rと、この反応領域R内に電位差を生じさせて、該反応領域R内に電位差を生じさせる電場形成手段Eとして機能する電極E1,電極E2とを少なくとも備える検出部1を利用することを前提としている。なお、符号2は、前記検出部1を備える基板の一部を表しており、符号Vは、電極E1,電極E2に通電する電源である。
【0039】
図1(A)は、前記検出表面Sに対して、一本鎖の検出用ヌクレオチド鎖(例えば、DNAプローブ)Dの末端部位が固定されている状態を簡潔に表している。この状態では、検出用ヌクレオチド鎖Dの高次構造は、直鎖状ではなく、例えば、図1(A)にように鎖が絡み合った如き重層状の形態をとっていることが多い。このため、すべての塩基配列が反応領域Rに露出しているとは限らないから、反応領域Rに後に添加されてくる標的ヌクレオチド鎖Tとの効率の良いハイブリダイゼーションは得難い状態にあると考えられる。
【0040】
そこで、本発明では、電極E1と電極E2との間にある反応領域Rの液相(塩溶液など)に、高周波高電圧を印加して、反応領域R中に電位差を生じさせて、不均一電界を形成する。この不均一電界は、検出用ヌクレオチド鎖D1を電界に沿って直鎖状(直線状)に伸長させる作用を発揮する。この結果、検出用ヌクレオチド鎖D1の塩基配列が液相に露出する(図1(B)参照)。
【0041】
次に、高周波高電圧の印加を一旦オフするか、又はオンした状態で、所定構造のノズル3から的確に反応領域Rに標的ヌクレオチド鎖T(T1)を含む試料溶液を添加する。標的ヌクレオチド鎖T1は、添加当初、図1(C)に示されているように、必ずしも直鎖状ではないが、高周波電圧が印加された液相では、図1(D)に示されているように、直鎖状に伸長した状態(符号T2で示す。)となり、同様に直鎖状とされた検出用ヌクレオチド鎖D2と相補鎖を形成し易い状態となる。
【0042】
次に、矩形波電圧の印加のオン/オフを数回繰り返すことによって、両ヌクレオチド鎖D、Tを段階的に接近させたり、あるいは標的ヌクレオチド鎖を前後に移動させたり、更には、反応のタイミングを調整したりする。
【0043】
矩形波電圧の印加をオフする理由は、直鎖状の標的ヌクレオチド鎖Tと直鎖状の検出用ヌクレオチド鎖Dとの間の相補鎖形成反応、即ちハイブリダイゼーションを、専らブラウン運動に委ねて進行させるためである。なお、図1(E)は、両鎖D,Tの相補的な塩基配列部分が水素結合して、二本鎖となった状態の反応生成物(D+T)を簡略に表している。
【0044】
なお、本発明では、検出用ヌクレオチド鎖D(D)と相補的な塩基配列を有する標的ヌクレオチド鎖T(T)の検出を行う目的以外に、上記手順を利用して、目的とする二本鎖ヌクレオチド鎖(DNA)を作製し、転写因子等の特定のタンパク質と前記二本鎖ヌクレオチド鎖(DNA)中の特定応答配列部分との相互反応作用を検出する方法、更にこの方法を利用した内分泌攪乱物質の探索、検定等に展開してもよい。
【0045】
図1(F)は、光学的手段4に基づいて、標識(例えば、蛍光標識)された標的ヌクレオチド鎖Tを検出、読み取る手順を表しており、本発明においては、標識方法は狭く限定されることない。例えば、蛍光インターカレータを用いてもよい。蛍光インターカレータは、検出用ヌクレオチド鎖Dと標的ヌクレオチド鎖Tとの塩基間の水素結合中に挿入されるように、ハイブリダイゼーションした二本鎖ヌクレオチド鎖に取り込まれる。これにより、長波長側に蛍光波長がシフトし、かつ、蛍光強度と二本鎖DNAに取り込まれた蛍光インターカレータの量との間の相関関係に基づいて、定量的な検出が可能になる。蛍光インターカレータに用いる蛍光色素としては、POPO−1やTOTO−3等が考えられる。
【0046】
検出段階においては、高周波高電圧を印加することによって、反応領域Rに形成されている反応生成物(二重鎖ヌクレオチド鎖)の高次構造を重層にない構造に整えることにより、光学的手段4によって正確に検出することができる。
【0047】
続いて、図2に基づいて、印加オン/オフ手順の一実施例について説明する。なお、この実施例は、図1(C)以降の手順に対応している。
【0048】
<ステップa>
高周波高電圧の印加により形成される不均一電界下にヌクレオチド鎖を置くことによって、該ヌクレオチド鎖の誘導分極を図り、これによりヌクレオチド鎖を伸長させる。そこで、本ステップaでは、高周波高電圧を印加することにより、標的ヌクレオチド鎖T1を伸長させ、同様に検出用ヌクレオチド鎖D2についても伸長させる(図1(C)、図1(D)に示された状態を参照)。
【0049】
なお、前記高周波高電圧は、1×10V/m、約1MHz付近が好適条件と考えられる(Masao Washizu and Osamu Kurosawa:”Electrostatic Manipulation of DNA in Microfabricated Structures”,IEEE Transaction on Industrial Application Vol.26,No.26,p.1165-1172(1990)参照)。
【0050】
<ステップb>
両ヌクレオチド鎖D,Tが相対的に移動し、接近したと思われるタイミングで、電圧の印加をオフし、専らブラウン運動に基づいてハイブリダイゼーションを進行させる(図1(E)に示された状態を参照)。
【0051】
<ステップc>
+方向へ矩形波電圧の印加をオンして、依然として未接近状態にある標的ヌクレオチド鎖Tを、クーロン力で移動させることによって、検出用ヌクレオチド鎖Dとのハイブリダイゼーションに適した位置とする(図1(D)の状態から図1(E)の状態へ移行する過程を参照)。
【0052】
<ステップd>
再び電圧の印加をオフし、専らブラウン運動に基づいてハイブリダイゼーションを進行させる(図1(E)の状態を参照)。
【0053】
<ステップe>
次に、−方向へ矩形波電圧の印加をオンして、依然として未接近状態にある標的ヌクレオチド鎖Tの移動を行う(図1(D)の状態から図1(E)の状態へ移行する過程を参照)。
【0054】
<ステップf>
再び電圧の印加をオフし、専らブラウン運動に基づいてハイブリダイゼーションを進行させる(図1(E)に示された状態を参照)。
【0055】
<ステップg>
再び+方向へ高矩形波電圧の印加をオンして、依然として未接近状態にある標的ヌクレオチド鎖Tの移動を行う(図1(D)の状態から図1(E)の状態へ移行する過程を参照)。
【0056】
<ステップh>
再び電圧の印加をオフし、専らブラウン運動に基づいてハイブリダイゼーションを進行させる(図1(E)に示された状態を参照)。
【0057】
<ステップi>
再び−方向へ矩形波電圧の印加をオンして、依然として未接近状態にある標的ヌクレオチド鎖Tの移動を行う(図1(D)の状態から図1(E)の状態へ移行する過程を参照)。
【0058】
<ステップj>
再び電圧の印加オフにし、専らブラウン運動に基づいてハイブリダイゼーションを進行させる(図1(E)に示された状態を参照)。
【0059】
<ステップk>
ハイブリダイゼーションによる反応生成物である二本鎖ヌクレオチド鎖(D+T)を、高周波高電圧下で伸長させて、蛍光読み取りにかける(図1(F)を参照)。
【0060】
なお、以上説明した矩形波電圧等の印加オン/オフの手順は、取り扱う反応生成物の種類に応じて、好適な手順、タイミングを選択、決定できるのであって、上記手順、タイミングに限定されない。また、目的に応じて、周波数、電圧の大きさも適宜決定することができる。
【0061】
続いて、本発明で採用できるバイオアッセイ用基板及び該基板に関連するバイオアッセイ装置について説明する。
【0062】
図3は、所定構成の検出部が多数配設されたバイオアッセイ用基板の外観斜視図、図4は、同基板に設けられた「検出部」の好適な実施形態の拡大外観図である。なお、本発明で採用できる基板は、図示された形態に限定されない。
【0063】
まず、図3に示されたバイオアッセイ用基板2(以下、「基板2」と略称)は、CD、DVD、MD等の光情報記録媒体に用いられる円盤基板(ディスク)に採用される基材から形成されている。
【0064】
該基材は、石英ガラスやシリコン、ポリカーボネート、ポリスチレンその他の円盤状に成形可能な合成樹脂、好ましくは射出成形可能な合成樹脂によって円盤状に形成されている。なお、安価な合成樹脂基板を用いることで、従来使用されていたガラスチップに比して低ランニングコストを実現できる。基板2の中心には、基板を回転する場合に試用されるスピンドル固定用の孔(図示せず)が形成される場合もある。
【0065】
この基板2の一方の表面には、反射膜である厚さ40nm程度のアルミ蒸着層が形成されており、該層は反射膜として機能している。この反射膜は、屈折率1.5以上の基盤単体からの表面反射4%以上とする。この反射膜の上層には、透明なガラスや透明樹脂等からなる光透過層が成膜されている。なお、基材が高反射率の材料である場合には、基材表面自体が反射面として機能するので前記反射膜は形成しなくてもかまわない。なお、金属膜などの高反射率膜を形成すれば蛍光標識された標的ヌクレオチド鎖の蛍光強度を、感度良く検出することができる。
【0066】
前記光透過層には、図4に拡大して示されている検出部1が所定箇所に多数配列されている。なお、以下の検出部1に係わる説明は、検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖が共に一本鎖のヌクレオチド鎖である場合を代表例として説明する。
【0067】
ここで、検出部1には、符号Dで示す検出用ヌクレオチド鎖の末端部位が固定できるように表面処理が施されている検出表面Sと、該検出表面Sに予め固定された前記検出用ヌクレオチド鎖Dを伸長させる電場を形成するための電極並びに電極と、前記検出用ヌクレオチド鎖Dと標的ヌクレオチド鎖Tとの間のハイブリダイゼーション反応の場となる反応領域Rとを備えている。ここでは、反応領域Rは、上方に開口する上方視矩形状のセル、例えば、深さ1μm、長さ100μm、幅50μmのセルとして形成されているが、図示された形状、サイズに限定されない。
【0068】
検出表面Sは、電極E 側の反応領域R側に対向する内壁面部位に形成されている。この検出表面Sは、検出用ヌクレオチド鎖Dの末端がカップリング反応等の化学結合によって固定されるように表面処理されている。即ち、検出表面Sは、DNAプローブ等の検出用ヌクレオチド鎖Dの予め加工された末端部位を固定化するのに好適な表面処理が施されていればよいのであって、狭く限定されない。一例を挙げれば、ストレプトアビジンによって表面処理された検出表面Sの場合には、ビオチン化されたヌクレオチド鎖末端の固定化に適している。
【0069】
ここで、検出表面Sに対する検出用ヌクレオチド鎖の固定するための好適な方法を説明すると、反応領域Rに不均一電界を印加することによって、該電界の作用で得られた(反応領域Rに遊離している状態の)検出用ヌクレオチド鎖が、前記電気力線が集中する検出表面S部分に向かって移動し、その末端部位が検出表面Sに衝突することになる。これにより、該ヌクレオチド鎖を検出表面Sに確実に固定することができる。この方法を好適に実行するために、電極は、図4に示すように櫛形とする。なお、図4の符号Vは、電極電極に通電する電源である
【0070】
ここで、図4中の符号は、試料溶液5を滴下するノズルの先端部を示している。ノズル4は、基板2から提供される位置情報と回転同期情報に基づいて、検出用ヌクレオチド鎖Dを含有する試料溶液5並びに標的ヌクレオチド鎖Tを含有する試料溶液5’を、反応領域R位置に正確に追従して滴下する構成とされている。
【0071】
滴下手段としては、インクジェットプリンティング方法を好適に採用することができる。その理由は、所定の反応領域R部位に正確に追従して、微小滴微小滴を、正確に滴下することができるからである(後述する基板20でも同様)。
【0072】
「インクジェットプリンティング法」は、インクジェットプリンターで用いられるノズルを応用する方法であって、電気を用いてインクジェットプリンターのようにプリンターヘッドから基板に検出用ヌクレオチド鎖を噴射し、固定する方法である。この方法には、圧電式インクジェット法、バブルジェット(登録商標)法、超音波ジェット法がある。
【0073】
圧電式インクジェット法は、圧電体にパルスを印加することによって生じる変位の圧力によって液滴を飛ばす方法である。バブルジェット(登録商標)法は、熱方式であって、ノズル中のヒーターを熱して発生させた気泡の圧力によって液滴を飛ばす方式である。ノズル内にヒーターとなるシリコン基板を埋め込み、約300℃/sで制御して一様な気泡を作成し、液滴を押し出す。しかしながら、高温に液体が曝されることになることから、生体物質試料に用いる際には注意を要する。超音波ジェット法は、超音波ビームを液体の自由面に当てて、局所的に高い圧力を与えることによってその箇所から小滴を放出させる方式である。ノズルを必要とせず、高速で直径約1μmの小滴を形成できる。
【0074】
本発明においては、「インクジェットプリンティング法」として、「圧電式インクジェッティング法」を好適に採用できる。印加するパルスの形状を変えることによって、液滴(微小滴)のサイズを制御することができるので、解析精度向上に好適である。液滴表面の曲率半径が小さいときは液滴を小さくし、液滴の曲率半径が大きいときは、液滴を大きくすることができる。また、パルスを急激に負の方向に変化させることにより液滴表面を内側に引っ張り、曲率半径を小さくすることも可能である。
【0075】
ここで、前記反応領域Rに滴下されてきた検出用ヌクレオチド鎖Dの多くは、塩基が重層した状態で検出表面Sに固定されているので(図1(A)参照)、後から滴下された標的ヌクレオチド鎖Tとのハイブリダイゼーションの際には、立体障害の問題等が発生し、反応効率が良くない。
【0076】
そこで、本発明に係るバイオアッセイ方法に基づき、検出部1に配設された上記電極E1,E2に通電し、反応領域Rに電位差を生じさせることによって、反応領域Rに貯留されている液相(塩溶液)に不均一電界を形成し、該電界の向きに沿って検出用ヌクレオチド鎖D並びに標的ヌクレオチド鎖が直鎖状(直線状)に伸長する作用を得る。
【0077】
直鎖状とされた検出用ヌクレオチド鎖Dと例えば蛍光色素等によって標識された標的ヌクレオチド鎖Tとの塩基間の水素結合(相補結合)は、立体障害等が少なくなるので、相補性のある塩基配列同士が接近し易くなり、効率良く進行することになる。
【0078】
即ち、検出用ヌクレオチド鎖Dと前記標的ヌクレオチド鎖Tとのハイブリダイゼーション反応が効率良く進行するという結果が得られる。この結果、ハイブリダイゼーションの反応時間が短縮されるとともに、読み取り時において擬陽性又は偽陰性を示す確率も減少するという好ましい結果が得られる。
【0079】
なお、基板情報の読み取りは、基板2にレーザー光(例えば、青色レーザー光)を照射して各反応領域Rを励起させ、蛍光強度の大きさを検出器(図示せず。)によって検出し、検出用ヌクレオチド鎖Dと標識された標的ヌクレオチド鎖の間の結合反応状況を判断する。最後に、各反応領域Rに対する蛍光強度を、A/D変換して結合反応割合をコンピュータCの画面に分布表示することによって、視覚化する(後述の基板20でも同様)。
【0080】
次に、図5を参照して、本発明で用いることができる基板の第2実施例について説明する。図5(A)は、第2実施例である基板20の上方視平面図、図5(B)は、図5(A)中のX部の拡大平面図、である。
【0081】
図5に符号20で示された基板は、条溝検出部10を備える。この検出部10は、反応領域R’が円盤状基板の上に放射状に延びる条溝状に形成され、該条溝を形成する長手方向の片側の内壁面Yには、上記検出部1の検出表面Sと同様の構成を備える検出表面S’が、所定間隔で配設されている。また、検出表面S’が形成された各部位には、反応領域R’を挟むように電極、Eが対設されている(図5(B)参照)。なお、条溝検出部10は、セル状の上記検出部1が条溝21内に配列された構成とも言える。
【0082】
電極,E・・は、共通電極化することができ、同様に、電極E,E・・・についても共通電極化できる。即ち、反応領域R’を挟んで対向するように、共通電極Eと共通電極Eを並設することができる。この構成では、針状のプローブを共通電極Eと共通電極Eに上方から押し当てることによって、通電させることができる。
【0083】
反応領域R’は、各条溝21内に配列形成したピット(図示せず)に形成してもよい。このピット内の反応領域に微小滴を滴下することによって、ほぼ同一のスポットサイズを実現し、再現性の良い蛍光強度検出を実現できる。
【0084】
また、上記構成の条溝検出部10を採用した場合は、毛細管現象を利用した送液や、円盤状の基板を所定の方法で回転させることによって生じる遠心力を生かした送液手段も利用することができる。
【0085】
具体的には、基板20の中央部に液溜部21を設け、この液溜部21に、試料溶液5(5’)(図4参照)や反応後にアクティブに結合しなかった余分な標的ヌクレオチド鎖を除去するための洗浄液等を注入し、基板20を回転させることによって、基板中心領域から条溝21内(即ち反応領域R’)に、円滑かつ確実に送液することができる。
【0086】
上記基板2の検出部1又は基板20に設けられた条溝検出部10のいずれの場合でも、検出部単位又はグルーピングされた複数の検出部単位に、異なる検出用ヌクレオチド鎖Dを固定することができる。
【0087】
ここで、基板2(20)の位置情報及び回転同期情報について簡潔に説明しておくことにする。基板2(20)の回転方向には、予め光ディスクマスタリングプロセスにより形成された多数のアドレスピットが形成されている。基板2(20)を光ディスクとして考えた場合、滴下検出位置である反応領域R(R’)をユーザーデータ領域と考え、他の領域は、サンプルサーボ方式等により同期ピットを配列し、かつトラッキングサーボとしても利用し、更に、直後にアドレス部(ディスク上の地理的な番地)を挿入することによって位置情報を与える。
【0088】
アドレス部は、先頭パターンであるセクターマークから始まり、実際に回転しているディスクの回転位相を与えるVFO(Variable Frequency Oscillator)とアドレスデータの開始位置を与えるアドレスマークとトラックとセクタのナンバーが入ったID(Identifer)などが組み合わされてなる。
【0089】
上記構成の基板2(20)を用いてバイオアッセイを行うためには、少なくとも次の手段及び機構を備える装置を使用するのが好適である。即ち、前記基板2(20を回転可能に保持する基板回転手段と、この基板回転手段によって、前記基板2(20)を回転R(R’)に対して、所定の順序、タイミングで滴下する滴下手段と、該滴下手段(のさせながら検出用ヌクレオチド鎖含有溶液5並びに標的ヌクレオチド鎖含有溶液5’を反応領域ノズル)と基板2(20)との間の距離を一定に保持するためのフォーカスサーボ機構と、基板2(20)から提供される位置情報と回転同期情報に基づいて、前記溶液5,5’の滴下を基板2(20)の反応領域R(R’)に追従させるトラッキングサーボ機構を少なくとも備えている装置(図示せず。)である。
【0090】
以上説明した基板2,20及びこれらを用いるバイオアッセイ装置を採用すれば、既述した本発明に係るバイオアッセイ方法を好適に実施することができる。
【0091】
【発明の効果】
(1)本発明に係るバイオアッセイ方法又はバイオアッセイ装置では、検出部に設けられた反応領域の不均一電界形成のタイミングをコントロールすることによって、前記反応領域における検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖ハイブリダイゼーションの反応効率を高めることができ、反応のタイミングを制御することができる。
【0092】
(2)DNAチップやバイオセンサーチップに基づくバイオアッセイ方法に特に有用であり、遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等に利用でき、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範囲に活用でき、更には、抗原抗体反応の検査、内分泌攪乱物質の検定等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るバイオアッセイ方法の好適な手順並びに本発明に係るバイオアッセイ装置の好適な実施形態を説明するためのフロー図
【図2】 同バイオアッセイ方法又は装置の電圧印加のオン/オフの手順の実施例を説明するための波形図
【図3】 検出部(1)が多数配設されたバイオアッセイ用基板(2)の外観斜視図
【図4】 同基板(2)に設けられた検出部(1)の好適な実施形態の拡大外観図
【図5】 (A)本発明に係るバイオアッセイ装置で用いる基板の第2実施例である基板(20)の上方視平面図
(B)(A)図中のX部の拡大平面図
【符号の説明】
1,10 検出部
3 ノズル
2,20 バイオアッセイ用基板
E(E1,E2、E3,E4) 電界形成手段
D 検出用ヌクレオチド鎖
T 標的ヌクレオチド鎖
R,R’ 反応領域
S,S’ 検出表面

Claims (6)

  1. 検出用ヌクレオチド鎖が固定可能なように表面処理が施された検出表面と、
    前記検出表面に固定された状態の前記検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖とのハイブリダイゼーションの場を提供する反応領域と、
    該反応領域内に不均一電界を形成する電界形成手段と、
    を少なくとも備える検出部においてヌクレオチド鎖間の相互作用を検出する方法であって、
    所定のタイミングで、前記電界形成手段により、前記反応領域内に不均一電界を形成し、前記反応領域中の前記検出用ヌクレオチド鎖と前記標的ヌクレオチド鎖とを一方向に向いた状態で接近させるように移動させる手順を少なくとも含むバイオアッセイ方法。
  2. 前記不均一電界を形成する手順を、前記ハイブリダイゼーションが完了する前に行うことを特徴とする請求項記載のバイオアッセイ方法。
  3. 前記標的ヌクレオチド鎖を、前記検出用ヌクレオチド鎖が固定された前記検出表面へ向けて移動させることを特徴とする請求項1または2に記載のバイオアッセイ方法。
  4. 前記検出用ヌクレオチド鎖と前記標的ヌクレオチド鎖とを接近させるように移動させる手順の後に、さらに不均一電界印加を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のバイオアッセイ方法。
  5. 前記検出表面に対して固定された状態の前記検出用ヌクレオチド鎖を伸長させるように前記不均一電界を形成する手順を行なうことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のバイオアッセイ方法。
  6. 検出用ヌクレオチド鎖が固定可能なように表面処理が施された検出表面と、
    前記検出表面に固定された状態の検出用ヌクレオチド鎖と標的ヌクレオチド鎖とのハイブリダイゼーションの場を提供する反応領域と、
    前記反応領域内に、所定タイミングで不均一電界を形成し、前記反応領域中の前記検出用ヌクレオチド鎖と前記標的ヌクレオチド鎖とを一方向に向いた状態で接近させるように移動させる電界形成手段と、
    を少なくとも備える検出部を用いることを特徴とするバイオアッセイ装置。
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