JP2006336310A - 門型の車止め及び門型の歩行者横断防止柵 - Google Patents

門型の車止め及び門型の歩行者横断防止柵 Download PDF

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勝美 安井
Yasuhiro Shibata
康博 柴田
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Abstract

【課題】
車両衝突時における衝突車両及びその乗員に対する衝撃を吸収緩和することができる門型の車止め及び歩行者横断防止柵を提供する。
【解決手段】
地面への設置状態において縦方向に延びる左右一対の柱部と、両柱部同士を横方向に連結する梁部とを備えた門型の車止め又は歩行者横断防止柵であって、柱部は、門型の車止めへの車両衝突時の外力により起立姿勢から変形し、かつ、その外力の解除により元の起立姿勢に復元するように構成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えばコンビニエンスストア等の駐車場等に設置される門型の車止め及び歩道と車道の間又は車道間に設置される門型の歩行者横断防止柵に関する。
例えばコンビニエンスストア等の駐車場に設置される門型の車止めとして、一対の脚部と、両脚部の上端部相互間を連結する水平部とから門型に一体成形された金属製のものを、その脚部の下部を地面に埋設することによって、地面上に固定させたものが知られている。
ところで、従来の門型の車止めは、その全体が金属製であって丈夫で変形し難いため、車両が衝突した場合、衝突による衝撃をほとんど吸収することができない。そのため、車両衝突時における衝突車両及びその乗員に対する衝撃が非常に大きくなり、物的及び人的に大きな被害が避けられないという問題を有していた。
また、車道と歩道との間又は車道間に設置される従来の門型の歩行者横断防止柵においても同様であって、その全体が門型の金属部材からなるため、車両が衝突した場合、従来の門型の車止めと同様に衝突による衝撃を殆んど吸収することができず、車両衝突時における物的及び人的に大きな被害が避けられないという問題を有している。
本発明は、このような問題に鑑み、車両衝突時における衝突車両及びその乗員に対する衝撃を吸収緩和することができる門型の車止め及び門型の歩行者横断防止柵を提供することを目的とする。
本発明に係る門型の車止めは、地面への設置状態において縦方向に延びる左右一対の柱部と、両柱部同士を横方向に連結する梁部とを備えた門型の車止めであって、柱部は、車止めへの車両衝突時の外力により起立姿勢から変形し、かつ、その外力の解除により元の起立姿勢に復元するように構成されていることを特徴とする。
上記構成によると、例えば、車両が梁部や柱部に衝突し、それによって柱部に外力を受けた場合には、その外力により柱部が起立姿勢から地面に対して傾倒するように弾性変形する。そのため、車両衝突による衝撃が吸収され、衝突車両及びその乗員に対する衝撃が緩和される。また、衝突車両が梁部や柱部から離れて柱部に対する外力が解除された場合には、柱部がそれ自身の復元作用により元の起立姿勢に復元それることにより自動的に元の状態に戻される。従って、本発明の門型の車止めでは、車両衝突時における衝突車両及びその乗員に対する衝撃を吸収緩和して物的及び人的被害を軽減できるとともに、衝突車両を離した後は自動的に元の状態に戻されて修復しなくてもそのまま使用できる。
また、柱部は、その下部のみが弾性変形可能に構成されてその下部を支点として傾倒姿勢となる。この構成によると、車両の梁部や柱部への衝突によって柱部に外力を受けた場合、柱部は外力により下部が弾性的に変形してその変形により柱部の下部を支点として地面に対して傾倒し、柱部に対する外力解除後は、柱部はその下部の弾性復元力により元の起立姿勢に復元する。即ち、柱部をその下部を支点として傾倒させるようにしたので、柱部を地面に対して大きく傾倒させることができ、それによって門型の車止めに作用する衝撃を効果的に吸収できる。
また、柱部は、梁部と剛接合された金属製の棒状体部と、該棒状体部の下側に棒状体部と軸線を合わすように位置して傾倒時に弾性変形するコイルスプリングとを備えている。この構成によると、車両の梁部や柱部への衝突によって柱部に外力を受けた場合、柱部は外力によりコイルスプリングが弾性的に変形して棒状体部が地面に対して傾倒し、柱部に対する外力解除後は、柱部はコイルスプリングの弾性復元力により傾倒された棒状体部が元の起立姿勢に復元する。即ち、柱部はコイルスプリングの弾性復元力により復元されるので、柱部の復元は確実にかつ速やかに行われる。
また、コイルスプリングの内側又は外側に樹脂製の筒体が同心状に設けられている。この構成によると、車両の梁部や柱部への衝突によって柱部に外力を受けた場合、柱部は外力によりコイルスプリングと筒体とが弾性的に変形して地面に対して傾倒し、柱部に対する外力解除後は、柱部はコイルスプリングと筒体との弾性復元力により元の起立姿勢に復元する。即ち、柱部はコイルスプリングの弾性復元力と筒体の弾性復元力とを合わせた大きな復元力により復元されることになるので、柱部をより確実に元の起立姿勢に復元することが可能である。しかも、筒体からも復元力が得られることになるので、コイルスプリングの強さを必要以上に強くする必要がなく、車両衝突時におけるコイルスプリングによる衝突車両及びその乗員に対する衝撃を軽減することができる。
また、柱部は、地面に固着されるベースと、該ベースに立設されて棒状体部の下部とコイルスプリングと筒体を外側から覆うとともに、その上部において棒状体部に固定された中空状の樹脂製支柱本体とを備えている。この構成によると、棒状体部とコイルスプリングとを接合せずに棒状体部でコイルスプリングを上方から押さえ込むことができるので、コイルスプリングと棒状体部とを接合する必要がなくなり、接合の手間やその接合部分周辺での破損を防止できる。
また、筒体を外側に、コイルスプリングを内側にして設けられている。この構成によると、コイルスプリングは支柱本体と筒体との二重構造で保護されることになるので、車両が柱部に衝突しても、コイルスプリングは支柱本体及び筒体により二重に保護されて破損が防止される。
また、筒体が、支柱本体よりも硬質の樹脂から形成されている。具体的には、支柱本体を日本工業規格(JIS)のK7215に基づくデュロメータ硬さAが90〜100のポリウレタン樹脂から形成させ、筒体を日本工業規格のK7215に基づくデュロメータ硬さAが95〜100のポリウレタン樹脂から形成させる。この構成によると、筒体は弾性変形時に外側になる部分の表面の延伸が抑えられることになるので、傾倒された柱部が元の起立姿勢に復元される場合に、筒体にコイルスプリングが噛み込んだりすること等がなく、柱部をスムーズに元の起立姿勢に復元することが可能である。
また、地面に立設される一対の支柱と、支柱の上部にそれぞれ挿入される一対の脚部と両脚部の上端部同士を連結する水平部とから門型に一体形成された金属製の門状部材とを備え、支柱と門状部材の脚部が前記柱部を構成し、門状部材の水平部が前記梁部を構成する。この構成によると、車両の門状部材や支柱への衝突によって支柱に外力を受けた場合、支柱と門状部材が地面に対して傾倒し、車両衝突による衝撃が吸収され、衝突車両及びその乗員に対する衝撃が緩和される。また、支柱に対する外力解除後は、支柱と門状部材は元の起立姿勢に復元して元の状態に戻される。
更に、本発明の門型の歩行者横断防止柵は、地面への設置状態において縦方向に延びる左右一対の柱部と、両柱部同士を横方向に連結する梁部とを備えた門型の歩行者横断防止柵であって、柱部は、歩行者横断防止柵への車両衝突時の外力により起立姿勢から変形し、かつ、その外力の解除により元の起立姿勢に復元するように構成されていることを特徴とする。
上記構成によると、例えば、車両が梁部や柱部に衝突し、それによって柱部に外力を受けた場合には、その外力により柱部が起立姿勢から地面に対して傾倒するように変形する。そのため、車両衝突による衝撃が吸収され、衝突車両及びその乗員に対する衝撃が緩和される。また、衝突車両が梁部や柱部から離れて柱部に対する外力が解除された場合には、柱部がそれ自身の復元作用により元の起立姿勢に復元することにより元の状態に自動的に戻される。従って、本発明の歩行者横断防止柵は、車両衝突時における衝突車両及びその乗員に対する衝撃を吸収緩和して物的及び人的被害を軽減できるとともに、衝突車両を離した後は自動的に元の状態に戻されて修復しなくてもそのまま使用できる。
以上説明したように、本発明の門型の車止め及び門型の歩行者横断防止柵は、車両衝突時における衝撃を柱部の傾倒変形により吸収緩和できるので、物的及び人的被害を大幅に軽減できるとともに、衝突車両を離した後は元の状態に自動的に戻されるので、修復しなくてもそのまま使用できるとういう効果がある。また、柱部が元の起立姿勢に復帰する際に、筒体の表面にコイルスプリングが噛み込んだりする等の不都合がないので、スムーズに元の状態に自己復帰することが可能であるという効果がある。更に、柱部はコイルスプリングが支柱本体と筒体との二重構造で保護されているので、柱部に大きな衝撃を受けても、コイルスプリングは支柱本体と筒体とにより破損が防止されるという効果がある。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図3は、本実施形態の門型の車止めAを示す。この門型の車止めAは、図1に示すように、地面Gに所定の間隔(例えば1m程度)で一対の支柱1,1を立設し、これら支柱1,1間に支柱1,1同士を連結するように門状部材4を架け渡して構成されている。
支柱1は、支柱本体11、筒体12、ベース13及びコイルスプリング14を備えている。
支柱本体11は、上下両端部が開口された円筒体からなる。支柱本体11は、例えばウレタン樹脂等の弾性変形自在な合成樹脂から形成されている。ここでは日本工業規格(JIS)のK7215に基づくデュロメータ硬さAが90〜100のポリウレタン樹脂から形成されている。支柱本体11は、ベース13上に立設されており、その上端部に上端部材15を取付けている。
筒体12は、上下両端部が開口された円筒体からなり、支柱本体11よりも小径で、かつ、支柱本体11よりも短軸である。筒体12は、例えばウレタン樹脂等の弾性変形自在な合成樹脂から形成されている。ここでは支柱本体11に用いられた合成樹脂よりも硬質の合成樹脂、具体的には日本工業規格のK7215に基づくデュロメータ硬さAが95〜100のポリウレタン樹脂から形成されている。筒体12は、支柱本体11の内部に同軸状に挿入された状態でベース13上に立設されており、その上端は支柱本体11の上端部付近まで延びている。
ベース13は、例えばウレタン樹脂等の弾性変形自在な合成樹脂から略円錐台形状に形成されている。ここでは筒体12に用いられた合成樹脂と硬度が同じ合成樹脂、具体的には日本工業規格のK7215に基づくデュロメータ硬さAが95〜100のポリウレタン樹脂から形成されている。ベース13は、支柱本体11の下端部が挿入される環状の凹溝部131を凹設するとともに、この凹溝部131より内側に間隔をおいて筒体12の下端部が嵌挿される円筒薄壁部132を門状部材4の後述する棒状体部である脚部41の下端付近まで一体形成で凸設する。ベース13の凹溝部131に支柱本体11の下端部を挿入し、支柱本体11の下端部をベース13に融着することにより、ベース13上に支柱本体11を一体的に立設させるとともに、ベース13の円筒薄壁部132内に筒体12の下端部を挿入し、筒体12の下端部をベース13の円筒薄壁部132に融着することにより、ベース13上に筒体12を一体的に立設させている。これにより、ベース13上に支柱本体11と筒体12とを環状の隙間Sを介して一体的に内外二重に立設させている。
ベース13の底部には取付ボルト16が突設されている。取付ボルト16は、ベース13の成形時に同時にインサート成形で植設されている。取付ボルト16は、その頭部161がベース13に埋設され、ねじ軸部162がベース13から下方に突出されている。この取付ボルト16を地面Gに埋設した埋込みアンカー17にねじ込むことにより、ベース13を地面G上に固定することができる。埋込みアンカー17は、例えばアルミニュウム合金等の金属製の円筒体からなる。埋込みアンカー17は、その中央部に取付ボルト10のねじ軸部162がねじ込まれるねじ穴部171を設けているとともに、このねじ穴部171の入口にパッキン18が嵌合される嵌合座172を設けている。埋込みアンカー17を地面Gに埋設して取り付ける方法は、地面Gの種類に応じて種々あるが、ここでは地面Gに掘った埋設穴19に埋込みアンカー17を収容した後、埋設穴19に注入して固化させられた例えばエポキシ樹脂系接着剤等の接着剤20によって埋込みアンカー17を地中に結合させることにより、地面Gに埋込みアンカー17を埋設する。
コイルスプリング14は、例えばピアノ線等をコイル状に巻付けて形成されている。コイルスプリング14は、無荷重で最も収縮した状態となるように形成されている。コイルスプリング14は、筒体12の内部に同軸状に嵌挿され、ベース13の上面と筒体12の内部に嵌挿される門状部材4の脚部41の下端との間に介在された状態にある。この状態において、筒体12の内部に嵌挿されたコイルスプリング14と門状部材4の脚部41とは、筒体12の内周面との間に隙間がない状態なので、筒体12によりコイルスプリング14と門状部材4の脚部41とが同芯状に位置している。
上端部材15は、支柱本体11の内径と略同一の外径を有する円筒状の筒体からなり、その外周の下方寄りに支柱本体11の外径と略同一の外径を有する鍔151を設けている。上端部材15は、例えばウレタン樹脂等の弾性変形自在な合成樹脂から形成されている。ここでは支柱本体11と同じ日本工業規格(JIS)のK7215に基づくデュロメータ硬さAが90〜100のポリウレタン樹脂から形成されている。上端部材15は、鍔151より下部側を支柱本体11の上端開口部に嵌合し、鍔151より上部側を支柱本体11から上方に突出して支柱本体11に取付けられている。この取付構造としては、例えばねじ止めや接着等があるが、ねじ止め等により上端部材15を支柱本体11に着脱自在に取付ける構造が好ましい。上端部材15は、その上方から門状部材4の脚部41を挿入させてその脚部41を固定手段、例えばリベット21によって固定するようになっている。これにより、筒体12の内部に同心状に挿入されたコイルスプリング14を、同じく筒体12の内部に挿入された門状部材4の脚部41の下端により上方から押えた状態で保持できる。
支柱1は、ベース13に支柱本体11及び筒体12の下端部を融着してベース13上に支柱本体11及び筒体12を立設した後、コイルスプリング14を筒体12の内部に挿入させて筒体12の下端部に配置するとともに、支柱本体11の上端開口部に上端部材15を取付けることでユニットとして組み立てられる。
門状部材4は、支柱1,1にそれぞれ挿入される一対の脚部41,41と、両脚部41,41の上端部同士を連結する水平部42とを門型に一体形成したものある。例えばアルミニウムパイプをコ字状に折り曲げて形成されている。門状部材4は、両脚部41,41を地面Gに立設された一対の支柱1,1にそれぞれ挿入させることよって一対の支柱1,1間に架け渡すように配置されている。これにより、支柱1,1と門状部材4の脚部41,41とで構成される柱部A’と門状部材4の水平部42で構成される梁部A”とが剛接合された状態となっている。
このよう地面Gに立設された一対の支柱1,1に門状部材4の脚部41,41をそれぞれ挿入させて一対の支柱1,1間に門状部材4を架け渡すように配置させることにより、本実施形態の門型の車止めAが構成されている。この本実施形態の門型の車止めAにおいては、支柱1,1と門状部材4の脚部41,41とで柱部A’を構成し、門状部材4の水平部42で梁部A”を構成している。
本実施形態の門型の車止めAを設置するには、先ず、前述したように地面Gに埋設した埋込みアンカー17のねじ穴部171に、支柱1のベース13に植設された取付ボルト16のねじ軸部162をねじ込んでベース13を地面G上に固定することで、支柱1を地面G上に起立した状態で立設する。これにより、一対の支柱1,1を所定の間隔で地面Gに立設させる。この後、門状部材4の脚部41,41を支柱1,1の上端部材15から筒体12の内部にその下端がコイルスプリング14に当接するまで挿入させるとともに、門状部材4の脚部41を上端部材15にリベット21で固定させて門状部材4の脚部41を支柱1に固定して支柱1,1間に門状部材4を架け渡すように配置する。これにより、地面G上に縦方向に延びる一対の支柱1,1同士を門状部材4によって横方向に連結した本実施形態の門型の車止めAが設置される。
次に、上述のように地面G上に設置した本実施形態の門型の車止めAの作用について説明する。例えば、図4に示すように、通常は車両Wを門型の車止めAから離れた所定の停車位置に停止するようになっているが、車両Wを所定の停車位置に停止しきれなくて車両Wが門型の車止めAの支柱1や門状部材4に衝突した場合、それによって門型の車止めAの柱部A’に横方向(支柱1,1と門状部材4とにより囲われて形成される面と直交する方向)から外力が加わる。車止めAの柱部A’に横方向から外力が加わると、柱部A’は外力により起立姿勢から傾倒姿勢に変形する。即ち、車止めAの柱部A’に横方向から外力が加わると、支柱1における支柱本体11のベース13に近い下端部分、即ち、門状部材4の脚部41の下端からベース13までの部分が弾性的に変形するとともに、この支柱本体11の変形に追従して筒体12も同様にベース13に近い下端部分、即ち、門状部材4の脚部41の下端からベース13までの部分がベース13の円筒薄壁部132とともに弾性的に変形し、更に、コイルスプリング14も支柱本体11及び筒体12の変形に追従して弾性力に抗して弾性的に変形することにより、図5に示すように、支柱1の下部が弾性変形してその弾性変形により支柱1の下部を支点として柱部A’が起立姿勢から傾倒姿勢に変形する。この柱部A’の変形によって支柱1及び門状部材4が地面Gに対して傾倒し、車両衝突による衝撃を吸収する。また、衝突した車両Wを門型の車止めAから離して柱部A’に対する外力が解除された場合には、柱部A’は傾倒姿勢から元の起立姿勢に自動的に復元する。即ち、柱部A’に対する外力を解除すると、支柱1の支柱本体11、筒体12、ベース13の円筒薄壁部132及びコイルスプリング14がそれぞれの弾性復元力によってそれぞれ元の形状に復元されることにより、柱部A’は元の起立姿勢に自動的に復元される。これにより、支柱1及び門状部材4が元の起立姿勢に復元され、門型の車止めAは元の状態に戻される。
以上のように本実施形態の門型の車止めAは、車両Wが衝突しても、衝突による衝撃を支柱1の弾性変形により吸収できるので、衝突した車両W及びその乗員に対する衝撃が緩和されて物的及び人的被害を大幅に軽減できるとともに、衝突した車両Wを離した後は、支柱1及び門状部材4が元の起立姿勢に自動的に戻されるので、修復しなくてもそのまま使用できる。
また、本実施形態の門型の車止めAは、支柱1における支柱本体11の変形部分の内側に筒体12とコイルスプリング14を設けたから、支柱1に対する外力が除去されると、支柱1の支柱本体11は筒体12とコイルスプリング14との弾性復元力により元の形状に復元される。即ち、支柱1の支柱本体11は筒体12の弾性復元力とコイルスプリング14の弾性復元力とを合わせた大きな復元力が得られることになるので、支柱1を確実にしかも速やかに元の起立姿勢に復元することが可能である。しかも、支柱1を筒体12の復元力とコイルスプリング14の復元力とを合わせた大きな復元力により復元させるから、コイルスプリング14の強さを必要以上に強くする必要がなく、これによって車両衝突時におけるコイルスプリング14による衝突車両及びその乗員に対する衝撃を軽減させることができるばかりではなく、コイルスプリング14の疲労変形度が軽減されるので、支柱1が繰り返して曲げられてもコイルスプリング14の破損を防止できる。因みに、本実施形態の門型の車止めAでは、筒体12をベース13の円筒薄壁部132内に挿入させているから、ベース13の円筒薄壁部132の弾性復元力も加えられて支柱1をより確実にしかもより速やかに元の起立姿勢に復元することが可能であるとともに、コイルスプリング14の強さをより押えることが可能である。
また、本実施形態の門型の車止めAは、支柱1の筒体12を硬質なポリウレタン樹脂から形成したから、筒体12は表面が硬くなるばかりでなく弾性変形時に外側となる膨れる部分の表面の延伸を抑えることができる。これにより、支柱1が元の起立姿勢に復元する際に、筒体12の表面にコイルスプリング14が噛み込んだりする等の不都合がなく、支柱1をスムーズに元の起立姿勢に復元することが可能である。
更に、本実施形態の門型の車止めAは、支柱1のコイルスプリング14を筒体12の内部に挿入したから、コイルスプリング14は支柱本体11、ベース13の円筒薄壁部132及び筒体12によって三重に保護されており、支柱1の支柱本体11に大きな衝撃力が作用しても、コイルスプリング14は支柱本体11、ベース13の円筒薄壁部132及び筒体12によって破損が防止される。
図6は、埋込みアンカー17を地面Gに埋設する他の例を示すもので、地面Gのコンクリート舗装の厚み寸法が埋込みアンカー17の長さ寸法に満たない地面Gに埋設する例である。図6(a)は、地面Gに大きな施工穴22を掘り、この施工穴22にコンクリートを流し込んで固化させてコンクリートブロック23を形成するか或いは施工穴22に相当する予め形成したコンクリートブロック23を施工穴22に埋め込み、このコンクリートブロック23に掘った埋設穴19に埋込みアンカー17を収容した後、埋設穴19に注入して固化させられた接着剤20によって埋込みアンカー17をコンクリートブロック23に結合させることにより、埋込みアンカー17を地面Gに埋設する。
また、図6(b)は、地中の内部に施工穴24を掘り、この施工穴24の内部にコンクリートを流し込んで固化させてコンクリートブロック25を形成するか或いは施工穴24に相当する予め形成したコンクリートブロック25を施工穴24に埋め込むが、コンクリートを流し込んでコンクリートブロック25を形成する際或いは予めコンクリートブロック25を形成する際に上端面が地面Gと面一になるように中間に抜止材26を有する基礎パイプ27を植設させておき、この基礎パイプ27の上端開口内部に栓体28を取り付けて埋込み空間29を形成し、この埋込み空間29内に埋込みアンカー17を収容した後、埋込み空間29に注入して固化させられた接着剤20によって埋込みアンカー17を基礎パイプ27に結合させることにより、埋込みアンカー17を地面Gに埋設する。
更に、図6(c)は、地面Gに管状の基礎杭30を上端面が地面Gと面一になるように打ち込み、この基礎杭30の上端開口内部に栓体31を取り付けて埋込み空間32を形成し、この埋込み空間32内に埋込みアンカー17を収容した後、埋込み空間32に注入して固化させられた接着剤20によって埋込みアンカー17を基礎杭30に結合させることにより、埋込みアンカー17を地面Gに埋設する。
上記構造の門型の車止めAは、横幅及び高さを変更すれば、図7に示すように、門型の歩行者横断防止柵Bにも適用することが可能である。この場合、一対の支柱1,1の間隔を例えば2〜4m程度に広くなるように変更するとともに、支柱1,1間に配置された門状部材4の水平部42の高さを例えは0.8〜1m程度に高くなるように変更することにより、歩道と車道の間又は車道間に設置される歩行者横断防止柵Bに適用することができる。
この歩行者横断防止柵Bによると、門型の車止めAと同様の効果が得られる。即ち、車両衝突時における衝撃を支柱1の傾倒変形により吸収緩和し、物的及び人的被害を大幅に軽減できるとともに、支柱1は一時的に傾倒変形するものの自動的に元の起立姿勢に復帰して修復せずにそのまま使用できる。また、支柱1に大きな復元力が得られ、支柱1を確実に元の起立姿勢に自動的に復帰することが可能であるとともに、支柱1のコイルスプリング14の強さを必要以上に強くする必要がなくて車両衝突時におけるコイルスプリング14による衝突車両及びその乗員に対する衝撃を軽減できるばかりでなく、コイルスプリング14は疲労変形度が軽減されて支柱1が繰り返して傾倒変形しても破損を防止できる。また、支柱1が元の起立姿勢に自動的に復帰する際に、筒体12の表面にスプリング14が噛み込んだりすること等がなく、支柱1をスムーズに元の姿勢に自己復帰することが可能である。更に、支柱1自体に大きな衝撃力が作用しても、支柱1のスプリング14は破損が防止される。
尚、本発明は、以上において説明した実施形態の門型の車止めA及び門型の歩行者横断防止柵Bに限定されるものではない。例えば、前記実施形態においては、門型の車止めA及び門型の歩行者横断防止柵Bを、地面Gに立設される一対の支柱1,1と、支柱1,1の上部にそれぞれ挿入される一対の脚部41,41と両脚部41,41の上端部同士を連結する水平部42とから門型に一体形成された門状部材4とにより構成しているが、これ以外にも例えば一対の支柱1,1と、支柱1,1の上部にそれぞれ挿入される金属製の一対の棒状体部と、棒状体部に剛接合されて両棒状体部同士を連結する梁部とにより構成するようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、一対の支柱1,1の上端部同士を連結しているが、一対の支柱1,1の中間部同士を連結するようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、支柱1の支柱本体11は円筒体を用いるようにしている、円筒対以外にも中空状であれば例えば四角筒体、六角筒体等を用いるようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、支柱1は、筒体12の内部側にコイルスプリング14を配置しているが、逆に筒体12の外部側にコイルスプリング14を配置するようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、支柱1は、筒体12の上端を支柱本体11の上端部付近まで形成して門状部材4の脚部41を筒体12の内部に挿入させているが、筒体12の門状部材4の脚部41が内部に挿入される部分は変形しなくて支柱1の復元には寄与していないから、筒体12の上端は門状部材4の脚部41の下端部付近が挿入できる程度に形成するだけでもよい。
また、前記実施形態においては、支柱1は、ベース13上に筒体12を立設させるためにベース13に円筒薄壁筒132を凸設しているが、ベース13上に筒体12を支柱本体11と同様にして立設させることができれば、ベース13に円筒薄壁筒132を凸設しなくてもよい。
また、前記実施形態においては、支柱1は、支柱本体11に日本工業規格のK7215に基づくデュロメータ硬さAが90〜100のポリウレタン樹脂、筒体12に日本工業規格のK7215に基づくデュロメータ硬さAが95〜100のポリウレタン樹脂を用いているが、支柱本体11及び筒体12に同様の物性を有する他の樹脂を用いるようにしてもよい。
また、支柱1の支柱本体11やベース13等に反射部材を取り付け、夜間でも門型の車止めA及び門型の歩行者横断防止柵Bを容易かつ確実に視認できるようにしてもよい。
更に、門状部材4の一対の脚部41,41の中間部間に補強用横梁を取付けて門状部材4を補強用横梁により強度補強するようにしてもよい。
本発明に係る門型の車止めの正面図である。 - 図1に示す門型の車止めにおける支柱の拡大正面図である。 図2に示す支柱の要部拡大断面図である。 門型の車止めと車両を示す平面図である。 車両が衝突して傾倒変形した状態を示す門型の車止めの概略図である。 埋込みアンカーの他の埋設例を示す図面である。 本発明に係る歩行者横断防止柵の正面図である。
符号の説明
A…門型の車止め、A’…柱部、A”…梁部、1,1…支柱、4…門状部材、11…支柱本体、12…筒体、13…ベース、131…凹溝部、132…円筒薄壁部、14…コイルスプリング、15…上端部材、16…取付ボルト、17…埋込みアンカー、19…埋設穴、20…接着剤、41…脚部(棒状体部)、42…水平部、B…歩行者横断防止柵

Claims (11)

  1. 地面への設置状態において縦方向に延びる左右一対の柱部と、両柱部同士を横方向に連結する梁部とを備えた門型の車止めであって、
    柱部は、車止めへの車両衝突時の外力により起立姿勢から変形し、かつ、その外力の解除により元の起立姿勢に復元するように構成されていることを特徴とする門型の車止め。
  2. 柱部は、その下部のみが弾性変形可能に構成されてその下部を支点として傾倒姿勢となることを特徴とする請求項1に記載の門型の車止め。
  3. 柱部は、梁部と剛接合された金属製の棒状体部と、該棒状体部の下側に棒状体部と軸線を合わすように位置して傾倒時に弾性変形するコイルスプリングとを備えていることを特徴とする請求項2に記載の門型の車止め。
  4. コイルスプリングの内側又は外側に樹脂製の筒体が同心状に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の門型の車止め。
  5. 柱部は、地面に固着されるベースと、該ベースに立設されて棒状体部の下部とコイルスプリングと筒体を外側から覆うとともにその上部において棒状体部に固定された中空状の樹脂製支柱本体とを備えている請求項4に記載の門型の車止め。
  6. 筒体を外側に、コイルスプリングを内側にして設けられていることを特徴とする請求項4に記載の門型の車止め。
  7. 筒体の上部に棒状体部が挿入されて筒体により棒状体部とコイルスプリングの軸線が合わせられていることを特徴とする請求項6に記載の門型の車止め。
  8. 筒体が、支柱本体よりも硬質の樹脂から形成されていることを特徴とする請求項5記載の門型の車止め。
  9. 支柱本体が日本工業規格(JIS)のK7215に基づくデュロメータ硬さAが90〜100のポリウレタン樹脂から形成され、筒体が日本工業規格のK7215に基づくデュロメータ硬さAが95〜100のポリウレタン樹脂から形成されている請求項8に記載の門型の車止め。
  10. 地面に立設される一対の支柱と、支柱の上部にそれぞれ挿入される一対の脚部と両脚部の上端部同士を連結する水平部とから門型に一体形成された金属製の門状部材とを備え、
    支柱と門状部材の脚部が前記柱部を構成し、門状部材の水平部が前記梁部を構成することを特徴とする請求項1に記載の門型の車止め。
  11. 地面への設置状態において縦方向に延びる左右一対の柱部と、両柱部同士を横方向に連結する梁部とを備えた門型の歩行者横断防止柵であって、
    柱部は、歩行者横断防止柵への車両衝突時の外力により起立姿勢から変形し、かつ、その外力の解除により元の起立姿勢に復元するように構成されていることを特徴とする門型の歩行者横断防止柵。
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