JP2019138108A - 連結構造および軽量盛土構造物 - Google Patents
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Description
本発明の一態様に係る連結構造は、上記既設構造に埋設されて上記固定金具を固定するアンカーをさらに備えることがより好ましい。
本発明の一態様に係る連結構造は、上記既設構造に固定された固定金具の固定部における上下方向の中心よりも、上記長穴の中心が上に位置することがより好ましい。
本発明の一態様に係る連結構造は、上記型枠の周囲に路盤材の流入を防止する路盤材流入防止材をさらに備えることがより好ましい。
本発明の一態様に係る連結構造は、上記既設構造と上記軽量盛土構造のコンクリート床版との間に仕切り材をさらに備えることがより好ましい。
本発明の一態様に係る軽量盛土構造物は、上述した連結構造を含むことが好ましい。
本発明の一実施の形態における連結構造は、既設構造と、コンクリート床版および発泡樹脂材を備える、上記既設構造に増設される軽量盛土構造とが、連結金具を用いて連結されてなる連結構造であって、上記連結金具は、上記既設構造に固定される、上下方向に長穴を有する固定金具と、上記軽量盛土構造のコンクリート床版に固定される、上下方向に移動する移動部材を有する移動金具と、上記移動金具の移動領域を保護する型枠と、を備え、上記固定金具と上記移動金具とが連結している。
図1および図2の(b)に示すように、EPS盛土工法は、発泡ポリスチレン等の、軽量であり、かつ、強度および柔軟性を有する発泡樹脂材4の上に最上部のコンクリート床版3が設けられ、複数ある発泡樹脂材4の間に、後述するように必要に応じて中間のコンクリート床版3が設けられている軽量盛土構造2を施工(製造)する方法である。
既設構造1は、後述する軽量盛土構造と同様の軽量盛土構造であってもよく、軽量盛土構造でなくてもよい。既設構造1が軽量盛土構造である場合には、既設構造1の軽量盛土構造のコンクリート床版に連結金具の固定金具10を取り付けることが好ましい。軽量盛土構造でない既設構造1としては、例えば、コンクリート擁壁などで形成される道路、駐車場等が挙げられる。
(軽量盛土構造2)
図2の(a),(b)に示すように、軽量盛土構造2は、コンクリート床版3と発泡樹脂材4とを備えている。軽量盛土構造2は、例えば、「EDO−EPS工法設計・施工基準書(案)」に定められている工法により施工される。
図2の(a),(b)に示すように、連結金具は、固定金具10と、移動金具20と、型枠30とを備えている。連結金具の個数、つまり、連結構造100の個数は、軽量盛土構造2の大きさにもよるが、複数であることが好ましい。具体的には、連結金具一つ当たりの耐力を構造計算で求め、必要に応じて実証試験や解析を実施し、地震時における水平方向の移動の抑止力および上載荷重による接続面の目地開きの抑止力のそれぞれを上回る、連結金具の個数、つまり、連結構造100の個数であることが好ましい。また、複数の連結金具は、構造計算や実証試験を実施し、地震時における水平方向の移動の抑止力および上載荷重による接続面の目地開きの抑止力を充分に発揮することができる位置に設置(配置)されることが好ましい。これにより、複数の連結金具への応力の負荷を分散することができるため、各連結金具への応力の負荷を低減することができ、既設構造と軽量盛土構造を安定して連結することができる。固定金具10および移動金具20の材質としては、例えば、橋梁等の各種構造物に使用されるCT型鋼等が挙げられる。固定金具10および移動金具20は、防食メッキ処理を施されていることが好ましい。さらに、移動金具20がスムーズに移動することができるように、樹脂コーティングを施されていてもよい。
図2の(a),(b)に示すように、固定金具10は、既設構造1に固定される。図4の(a)〜(c)に示すように、固定金具10は、既設構造1に固定される固定部11と、軽量盛土構造2に固定される移動金具20と連結する連結部12とを備える。
図2の(a),(b)に示すように、移動金具20は、軽量盛土構造2に固定される。図4の(a)に示すように、移動金具20は、軽量盛土構造2に固定される固定部21と、固定金具10と連結する連結部22とを備える。
図2の(a),(b)に示すように、連結構造100において、型枠30は、移動金具20の移動領域の周囲を取り囲むように、および固定金具10の固定部11と接触するようにして配設され、軽量盛土構造2に埋設されている。型枠30により、移動金具20の移動領域を保護して当該移動領域に路盤材50(図3)が流入することを防止することができる。それゆえ、発泡樹脂材4の圧縮変形による最上部および中間のコンクリート床版3の沈下が進行するほど、型枠30が移動金具20の移動領域を保護しながら移動金具20の固定部21の位置と既設構造1側のアンカー6の位置とが近くなるため、既設構造1および連結金具への応力の負荷を低減することができる。
連結構造100は、図2の(b)に示すように、型枠30の上方を含む周囲に、路盤材50の流入を防止する路盤材流入防止材7をさらに備えていることがより好ましい。路盤材流入防止材7は、型枠30の少なくとも上方に、好ましくは型枠30に接触して配設され、型枠30と共に移動金具20の移動領域を覆っている。これにより、図3に示すように、軽量盛土構造2の最上部のコンクリート床版3上に路盤材50を打設したときに、移動金具20の移動領域に路盤材50が流入するのを防止することができる。つまり、移動金具20が移動することができる空間を確保することができる。
連結構造100は、図2の(a)に示すように、既設構造1と最上部および中間のコンクリート床版3との間に、仕切り材8をさらに備えていることがより好ましい。これにより、既設構造1と軽量盛土構造2の最上部および中間のコンクリート床版3との間に形成される隙間を縮小させる、または満たすことができる。
本発明の一実施の形態における連結構造においては、図3に示すように、軽量盛土構造2の最上部のコンクリート床版3上に、路盤材50が打設されている。当該連結構造においては、打設した路盤材50の重量により発泡樹脂材4が圧縮変形して最上部および中間のコンクリート床版3が沈下するのと連動して、移動金具20が下方向に移動することができるため、既設構造1および連結金具への応力の負荷を低減することができる。
本発明の一実施の形態における軽量盛土構造物は、上述した連結構造を含む。これにより、軽量盛土構造の発泡樹脂材の圧縮変形が生じて最上部および中間のコンクリート床版が沈下することによる、既設構造および連結金具への応力の負荷を低減することができ、かつ、移動金具の移動領域を保護することができる。
本発明の一実施の形態における連結構造の施工方法は、既設構造に、上下方向に長穴を有する固定金具を取り付ける固定金具取り付け工程と、上記既設構造に、最上部および中間のコンクリート床版並びに発泡樹脂材を備える軽量盛土構造を増設する軽量盛土構造増設工程と、増設された軽量盛土構造の上記最上部および中間のコンクリート床版に、上下方向に移動する移動部材を有する移動金具を取り付けて、上記固定金具と上記移動金具とを連結する移動金具取り付け工程と、型枠取り付け工程と、路盤材打設工程とを含む方法である。また、連結構造の施工方法は、路盤材流入防止材取り付け工程および/または仕切り材取り付け工程をさらに含む方法である。
固定金具取り付け工程は、既設構造に、上下方向に長穴を有する固定金具を取り付ける工程である。固定金具取り付け工程では、上記既設構造に穴を開け、当該穴にアンカーを、上記固定金具を介して差し込み、例えば接着剤等によって固定して取り付ける。連結構造を軽量盛土構造の二段階施工に用いる場合には、既設構造側となる軽量盛土構造の最上部および中間のコンクリート床版に、上記アンカーを予め埋設して取り付けておいてもよい。
軽量盛土構造増設工程は、既設構造に、最上部および中間のコンクリート床版並びに発泡樹脂材を備える軽量盛土構造を増設する工程である。
移動金具取り付け工程は、軽量盛土構造のコンクリート床版に、上下方向に移動する移動部材を有する移動金具を取り付けて、上記固定金具と上記移動金具とを連結する工程である。固定金具の長穴内に移動部材を通して、締結部材により移動部材を移動金具に固定することにより、固定金具と移動金具とを連結する。
型枠取り付け工程は、路盤材の流入を防止する型枠を移動金具の移動領域の周囲に取り付ける工程である。これにより、移動金具の移動領域にコンクリート床版を形成するための生コンクリートが流入するのを防止することができ、型枠によって移動金具の移動領域を保護することができる。型枠取り付け工程では、型枠部材同士を接着して型枠を組み立てることが好ましい。これにより、連結金具を連結した後に、移動金具の移動領域の周囲に型枠を取り付けることができる。
路盤材流入防止材取り付け工程は、型枠の上方を含む周囲に、路盤材の流入を防止する路盤材流入防止材を取り付ける工程である。これにより、軽量盛土構造の最上部のコンクリート床版上に路盤材を打設したときに、移動金具の移動領域に路盤材が流入するのを防止することができる。それゆえ、移動金具が移動することができる空間を確保することができる。
仕切り材取り付け工程は、既設構造に仕切り材を取り付ける工程である。仕切り材取り付け工程は、軽量盛土構造増設工程を行うよりも前に仕切り材取り付け工程を実施することが好ましい。
路盤材打設工程は、本発明の一実施の形態に係る連結構造を施工した後に、当該連結構造の最上部のコンクリート床版上に路盤材を打設する工程である。
2 軽量盛土構造
3 コンクリート床版
4 発泡樹脂材
5 鉄筋
6 アンカー
7 流入防止材
8 仕切り材
10,10’ 固定金具
11 (固定金具の)固定部
12,12’ (固定金具の)連結部
13 長穴
20 移動金具
21 (移動金具の)固定部
22 (移動金具の)連結部
23 U字部材
24 移動部材
25 締結部材
26 長ナット
30 型枠
31 孔
32,33 型枠部材
50 路盤材
100 連結構造
Claims (6)
- 既設構造と、コンクリート床版および発泡樹脂材を備える、上記既設構造に増設される軽量盛土構造とが、連結金具を用いて連結されてなる連結構造であって、
上記連結金具は、上記既設構造に固定される、上下方向に長穴を有する固定金具と、上記軽量盛土構造のコンクリート床版に固定される、上下方向に移動する移動部材を有する移動金具と、上記移動金具の移動領域を保護する型枠と、を備え、
上記固定金具と上記移動金具とが連結している、連結構造。 - 上記既設構造に埋設されて上記固定金具を固定するアンカーをさらに備える、請求項1に記載の連結構造。
- 上記既設構造に固定された固定金具の固定部における上下方向の中心よりも、上記長穴の中心が上に位置する、請求項1または2に記載の連結構造。
- 上記型枠の周囲に路盤材の流入を防止する路盤材流入防止材をさらに備える、請求項1〜3の何れか一項に記載の連結構造。
- 上記既設構造と上記軽量盛土構造のコンクリート床版との間に仕切り材をさらに備える、請求項1〜4の何れか一項に記載の連結構造。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の連結構造を含む軽量盛土構造物。
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