JP2006335981A - ポリエステル組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリエステルが有する機械的特性を維持しつつ、特に湿熱下でも優れた耐水性や寸法安定性を有するポリエステル組成物を提供すること。
【解決手段】 ポリエステルを50〜90重量%、シンジオタクチック構造を有するビニル系重合体を1〜30重量%およびポリフェニレンエーテル系重合体を1〜30重量%溶融混合したポリエステル組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐水性および寸法安定性の改善されたポリエステル組成物に関するものである。さらに詳しくは、ビニル系重合体が分散された、機械的特性および寸法安定性にも優れた成形物を得るに適したポリエステル組成物に関するものである。
ポリエステル、特にポリエチレンナフタレート(PEN)は、抗張力、伸度、ヤング率、弾性回復率等の機械的性質、耐熱性、寸法安定性等の物理的性質、耐薬品性、耐水性等の化学的性質に優れ、繊維、タイヤコード、ボトル、フィルム等の分野で広く用いられ、例えばフィルムの分野では、磁気記録媒体、コンデンサー、フレキシブル基板、光学部材、食品包装、装飾用などとして多く用いられている。
しかしながら、PENなどのポリエステルは、極性が比較的大きいエステル結合に起因して、特に湿熱下での耐水性や寸法安定性が十分ではなく、また電気的特性例えば絶縁耐電圧などもまだ十分ではなく、近年ますます高度な物理特性が要求されている分野、例えば自動車部品、電子部品、電照板、耐熱食品容器等の分野では使用が制限されてきた。
例えば磁気記録媒体、特にデータストレージ用磁気記録媒体では、テープの記憶容量の高容量化や高密度化に伴って、ベースフィルムにテープ幅方向の寸法変化の抑制が求められており、湿度変化に対する寸法安定性の改善が求められている。
このような要求に答えるため、特開平5−212787号公報(特許文献1)、国際公開第99/29488号パンフレット(特許文献2)、国際公開第00/76749号パンフレット(特許文献3)には、フィルムの製造条件を選択することによってテープ幅方向の湿度膨張係数を低減することが提案されている。しかしながら、これらに提案されている方法は、延伸条件やその後の熱固定処理条件の適正化のみによって達成するものであるため、ポリエステルが極性ポリマーであるが故に湿度の影響を受けやすいという根本的な問題の解決は未だ不十分であった。
一方、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂を混合した樹脂組成物は、特許第3551120号公報(特許文献4)に提案されている。しかしながら、ここでは該熱可塑性樹脂とポリエステルの界面が破壊されやすい特性を生かし、フィルム中にミクロボイドを形成して、例えば光学用の白色フィルムを提供するものであり、このようなミクロボイドを有するフィルムは、強度、伸度、ヤング率などの機械特性や絶縁耐電圧が低下するなどの問題がある。
特開平5−212787号公報 国際公開99/29488号パンフレット 国際公開00/76749号パンフレット 特許第3551120号公報
本発明は、上記背景技術を鑑みなされたもので、その目的は、ポリエステルの有する機械的特性を維持しつつ、特に湿熱下でも優れた耐水性や寸法安定性を有するポリエステル組成物を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究した結果、ポリエステルに特定の構造を有するビニル系重合体を、ポリフェニレンエーテル系重合体を併用して混合すれば、該ビニル系重合体が安定した状態でポリエステル中に微分散され、機械的特性および電気的特性に優れると同時に湿熱下での耐水性や寸法安定性にも優れ、しかも、安定した成形が可能で、得られる成形品中のミクロボイド形成も抑制することができることを見出だし、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、「組成物重量を基準として、ポリエステル(A)を50〜90重量%、シンジオタクチック構造を有するビニル系重合体(B)を1〜30重量%、および、ポリフェニレンエーテル系重合体(C)を1〜30重量%含有することを特徴とするポリエステル組成物。」が提供される。
また、本発明によれば、好ましい態様として、ビニル系重合体(B)がポリスチレン系重合体であること、ポリフェニレンエーテル系重合体(C)が不飽和カルボン酸を0.1〜10モル%共重合した変性ポリフェニレンエーテルであること、ポリエステルの全繰返し単位の80モル%以上がエチレンナフタレート単位であること、組成物の温度300℃、剪断速度1000(1/sec)における溶融粘度が400〜4000Pa・sであること、の少なくともいずれかの要件を具備するポリエステル組成物が提供される。
本発明のポリエステル組成物は、ポリフェニレンエーテル系重合体を併用してシンジオタクチック構造を有するビニル系重合体を混合しているため、該ビニル系重合体がポリエステル中に安定して分散されると共にこれらの界面の親和性が向上してミクロボイドの形成が抑制されるためと推定され、機械的性能や透明性を損なうことなく、湿熱下における耐水性や寸法安定性が改善された種々の成形品を安定して製造することができ、工業的に極めて有用なものである。
先ず、本発明で用いられるポリエステル(A)は、例えばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分と、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のグリコール成分とから構成される芳香族ポリエステルが好ましく、なかでもポリエチレンナフタレートが好ましく、特にポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが、湿熱下の耐水性や寸法安定性がより向上するので好ましい。これらのポリエステルは、ホモポリエステルであっても第3成分を共重合したコポリエステルであってもよいが、共重合成分の割合は多くなりすぎると耐熱性や機械的特性が低下する場合があるので、全繰返し単位を基準として20モル%以下、好ましくは10モル%以下とすることが好ましく、特にホモポリエステルが好ましい。
かかるポリエステルの固有粘度(重量比が6/4のフェノール/トリクロロエタン混合溶媒を用いて温度35℃で測定)は、小さすぎると機械的性能が不十分となる場合があり、逆に大きすぎると成形が難しくなる場合があるので、0.4〜0.8dl/g、特に0.5〜0.7dl/gの範囲であることが好ましい。なお、本発明の目的を阻害しない範囲内で、従来公知の各種添加剤を含有していてもよく、例えば有機または無機の滑剤粒子、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤などをあげることができる。
また、本発明で用いられるビニル系重合体は、その立体規則性がシンジオタクチック構造を有している必要があり、イソタクチック構造やアタクチック構造である場合には得られる組成物の耐熱性や機械的性能が低下するので好ましくない。好ましく用いられるシンジオタクチック構造を有するビニル系重合体(B)としては、シンジオタクチック構造を有する、ポリスチレン系重合体、ポリプロピレン系重合体、ポリ−α−メチルスチレン系重合体、ポリメチルメタクリレート系重合体などをあげることができる。なかでもポリスチレン系重合体、例えばポリスチレン、α−メチルスチレン共重合ポリスチレンが、高強度、高寸法安定性、耐湿熱性、高絶縁破壊電圧といった特性が得られるので好ましい。なお、上記ビニル系重合体はホモ重合体であることが好ましいが、40モル%以下、特に10モル%以下の範囲内であれば共重合成分を含有していても構わない。
なお、好ましく用いられるポリスチレン系重合体は、その分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が大きくなりすぎると得られる組成物を成型する際に物性斑が発生しやすくなるので3.0以下、特に2.0以下とするのが好ましい。
また、ポリエステル(A)中へのビニル系重合体(B)の分散度を高めるために、ビニル系重合体(B)の溶融粘度はポリエステル(A)の溶融粘度に近い範囲で大きいことが好ましく、両者の溶融粘度の比(前者:後者)は4:1〜1:1、特に2:1〜1:1の範囲であることが好ましい。このような粘度比とするためには、用いられるポリエステルとビニル系重合体の種類によって変わるが、ポリエステルとしてポリエチレンナフタレートを用い、ビニル系重合体としてポリスチレン系重合体を用いる場合には、ビニル系重合体の重量平均分子量は5万〜40万、特に10万〜30万の範囲であることが好ましい。
本発明の組成物においては、上記ポリエステルおよびシンジオタクチック構造を有するビニル系重合体に加えて、ポリフェニレンエーテル系重合体(C)を含有していることが肝要である。ここで用いられるポリフェニレンエーテル系重合体とは、主鎖が2,6−ジ置換フェニレンオキシ単位を繰返し単位とするポリフェニレンエーテルであって、繰返し単位の20モル%以下の範囲であればその他の繰返し単位を有するものであってもよいが、実質的に2,6−ジ置換フェニレンオキシ単位のみからなるものが好ましい。
さらにかかるポリフェニレンエーテル系重合体は、例えば不飽和カルボン酸およびそのモノまたはジエステル、不飽和ポリエステルなどを反応させた変性ポリフェニレンエーテルであることが、シンジオタクチック構造を有するビニル系重合体のポリエステル中への分散がより安定するので好ましい。なお、ここで用いられる不飽和カルボン酸または不飽和ポリエステルの酸成分である不飽和カルボン酸としては、具体的にはフマル酸、マレイン酸が好ましく、なかでもフマル酸が好ましい。変性はグラフト重合によるのが好ましく、その変性割合は、前記ポリフェニレンエーテルの繰返し単位を基準として、不飽和カルボン酸の量が0.1〜30モル%となる範囲が好ましく、特に1〜10モル%の範囲が好ましい。
また、かかるポリフェニレンエーテル系重合体エステルの固有粘度(クロロホルムを溶媒として用い温度25℃で測定)は、0.2〜0.8dl/gの範囲が適当であり、特に0.3〜0.6dl/gの範囲が好ましい。
本発明のポリエステル組成物は、上記のポリエステル(A)、シンジオタクチック構造を有するビニル系重合体(B)およびポリフェニレンエーテル系重合体(C)を含有してなるものであるが、それぞれの含有量は、該組成物重量を基準として、ポリエステル(A)が50〜90重量%、好ましくは60〜85重量%、シンジオタクチック構造を有するビニル系重合体(B)は1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%、特に好ましくは5〜20重量%、ポリフェニレンエーテル系重合体(C)は1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲である必要がある。ポリエステル(A)の含有量が50重量%未満の場合には、ポリエステル自体が有する機械的性能や耐熱性が発現されなくなり、一方90重量%を超える場合にはビニル系重合体(B)およびポリフェニレンエーテル系重合体(C)の含有量が低下して湿熱下での耐水性や寸法安定性の改善効果が不十分となるので好ましくない。一方、ビニル系重合体(B)の含有量が1重量%未満の場合には、湿熱下での耐水性や寸歩安定性の改善効果が不十分となり、逆に30重量%を超える場合には、ポリフェニレンエーテル系重合体を併用しても成形性が不十分となるだけでなく、機械的性能も不十分となるので好ましくない。さらに、ポリフェニレンエーテル系重合体(C)の含有量が1重量%未満の場合には、ビニル系重合体(B)のポリエステル中への分散性改善効果が不十分となり、逆に30重量%を超える場合には、該分散性の改善効果は飽和してそれ以上の効果が期待できないので好ましくない。
以上に説明した成分を含有してなる本発明のポリエステル組成物は、温度300℃、剪断速度1000(1/sec)における溶融粘度が100〜800Pa・sの範囲、好ましくは200〜400Pa・sの範囲にあることが望ましい。溶融粘度がこの範囲にある場合には、ビニル系重合体(B)がポリエステル中に微分散されやすく、また、成形時の成形性も良好となり、得られる成形物の斑も抑制される。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、上記の成分を従来公知の方法でそれぞれの成分を溶融混合すればよく、例えば二軸混練押出機を用いて溶融混練すればよい。また、ポリエステルの重縮合反応が終了した時点で、シンジオタクチック構造を有するビニル系重合体(B)とポリフェニレンエーテル系重合体(C)とを添加し、溶融混合後に押出しても構わない。
このようにして得られた本発明のポリエステル組成物は、一旦ペレット状に成形した後に再度溶融して、あるいはペレット状に成形することなく連続して種々の成形品に成形することができる。例えば、Tダイ法や共押出法などにより延伸されたまたは無延伸のシート類、これを深絞り加工した深絞り容器、ブロー成形された成形体などとして用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、本発明における各種特性は、以下の測定方法にしたがった。
(1)固有粘度
ポリエステルは、フェノール/トリクロロエタン=6/4(重量比)を溶媒に用いて35℃恒温下オストワルト型粘度計を用いて測定した。一方、ポリフェニレンエーテル系重合体は、クロロホルムを溶媒に用いて25℃恒温下オストワルト型粘度計を用いて測定した。
(2)溶融粘度
測定装置として島津製作所製フローテスターCF−500を用い、測定温度:300℃、予熱時間:1分、ノズル径:1mm、ノズル長:10mmで測定し、回帰式より剪断速度1000(1/秒)における溶融粘度を求めた。
(3)機械的特性(ヤング率)
ポリエステル組成物からなるペレットを、170℃で5時間乾燥した後、1軸の溶融混練押出機に供給し、290℃まで加熱して溶融状態でダイから回転冷却ドラムの上にシート状に押出し、急冷固化した後に、ポリエステルがポリエチレンナフタレートの場合には125℃、ポリエチレンテレフタレートニテの場合には90℃にて製膜方向および幅方向にそれぞれ3.5倍に延伸して厚み75μmの二軸配向フィルムを得る。
得られたフィルムから幅10mm、長さ15cmの試料を切り出し、インストロンタイプの万能引張試験機を用いて、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分で荷重−伸び曲線を測定し、その立上り部の接線よりヤング率を計算する。なお、測定方向は試料の長手方向とし、10回測定してその平均値を求めた。
(4)絶縁破壊電圧
上記のとおり作成したフィルムを用い、JIS C2151記載の平板電極法に準拠して、東京精電株式会社製ITS−6003を用い、直流電圧の昇圧速度を160V/秒として絶縁破壊電圧を測定した。
(5)湿度膨張係数(αh)
上記のとおり作成したフィルムから、幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmの試料を切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、温度30℃、湿度30%RHの窒素雰囲気下で1時間保持した後の長さ(L30)、次いで、温度30℃、湿度70%RHの窒素雰囲気下で1時間保持した後の長さ(L70)を測定し、次式にて湿度膨張係数を算出した。なお、10個の試料について行いその平均値を求めた。
αh=(L70−L30)/40
(6)耐湿熱性
上記のとおり作成したフィルムから、縦、横100mmの試料を切り出し、温度130℃湿度100%RHのオーブン内で100時間湿熱処理し、その処理前の固有粘度に対する処理後の固有粘度保持率(%)を測定した。この値が70%以上であれば湿熱下での耐水性良好とした。
[製造例1:シンジオタクチックポリスチレン(SPS)の製造]
2リットルの反応容器に、精製スチレン1.0リットル、トリエチルアルミニウム1ミリモルを加え、80℃に加熱したのち、予備混合触媒〔ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリメトキシド90マイクロモル、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート90マイクロモル、トルエン29.1ミリモル、トリイソブチルアルミニウム1.8ミリモル〕16.5ミリリットルを添加し、80℃で5時間重合を行った。反応終了後、生成物をメタノールで繰返し洗浄し、乾燥して重合体380gを得た。この重合体の重量平均分子量を、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒とし、130℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定したところ、150000であった。また、重量平均分子量/数平均分子量は2.70であった。さらに、融点及び13C−NMR測定により、この重合体はSPSであることを確認した。
[製造例2:フマル酸変性ポリフェニレンエーテルの製造]
ポリフェニレンエーテル(固有粘度0.45dl/g)1kg、フマル酸30g、ラジカル発生剤として2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン〔日本油脂(株)製,ノフマーBC,商品名〕20gをドライブレンドし、30mm二軸押出機を用いてスクリュー回転数200rpm、設定温度300℃で溶融混練を行った。この際樹脂温度は約330℃であった。ストランドを冷却後ペレット化し、フマル酸変性ポリフェニレンエーテルを得た。得られた変性ポリフェニレンエーテル1gをエチルベンゼンに溶解後、メタノールに再沈し、回収したポリマーをメタノールでソックスレー抽出し、乾燥後IRスペクトルのカルボニル吸収の強度および滴定により変性率を求めたところ、フェニレンエーテル単位に対して1.7モル%(変性率は1.6重量%)であった。
[実施例1]
固有粘度が0.62dl/gのポリエチレンナフタレート70重量部、製造例1で得た重量平均分子量が15万のシンジオタクチックポリスチレン20重量部、および、製造例2で得たフマル酸変性ポリフェニレンエーテル10重量部をヘンシェルミキサーでドライブレンドした後、神戸製鋼製2軸押出機KTX−46を用いて温度245℃、回転数400rpmにて溶融混練して押出し、ついでペレット化した。得られたペレットを用いて評価した結果を表2に示す。
[実施例2〜5、比較例1〜2]
表1記載のポリエステル、ビニル系重合体およびポリフェニレンエーテル系重合体を表1記載の割合で溶融混練する以外は実施例1と同様にした。結果を表2にあわせて示す。
Figure 2006335981
表中、各略号は下記を表す。
PEN:固有粘度が0.62dl/gのポリエチレンナフタレート
PET:固有粘度が0.76dl/gのポリエチレンテレフタレート
SPS1:重量平均分子量が15万、分子量分布が2.7のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン
SPS2:重量平均分子量が30万、分子量分布が2.9のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン
SPS3:重量平均分子量が5万、分子量分布が2.6のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン
SPS4:α−メチルスチレンを10モル%共重合した、重量平均分子量が15万、分子量分布が2.49のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン
Figure 2006335981
以上に説明した本発明のポリエステル組成物によれば、ビニル系重合体がポリエステル中に安定して分散されると共にこれらの界面の親和性が向上してミクロボイドの形成が抑制されるため、機械的性能や透明性を損なうことなく、湿熱下における耐水性や寸法安定性が改善された種々の成形品を安定して製造することができる。

Claims (5)

  1. 組成物重量を基準として、ポリエステル(A)を50〜90重量%、シンジオタクチック構造を有するビニル系重合体(B)を1〜30重量%、および、ポリフェニレンエーテル系重合体(C)を1〜30重量%含有することを特徴とするポリエステル組成物。
  2. ビニル系重合体(B)が、ポリスチレン系重合体である請求項1記載のポリエステル組成物。
  3. ポリフェニレンエーテル系重合体(C)が、繰返し単位あたり不飽和カルボン酸を0.1〜10モル%共重合した変性ポリフェニレンエーテルである請求項1または2記載のポリエステル組成物。
  4. ポリエステル(A)の全繰返し単位の80モル%以上がエチレンナフタレート単位である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル組成物。
  5. ポリエステル組成物の温度300℃、剪断速度1000(1/sec)における溶融粘度が100〜800Pa・sである請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル組成物。
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