JP2006335686A - 直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課 題】 本発明は、直接粉末圧縮打錠において優れた打錠性を有し、かつ結合性に優れた直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒を工業的有利に製造することを目的とする。
【解決手段】エリスリトールとソルビトールとを、99:1〜80:20の質量比で、含水アルコールを噴霧しながら高速撹拌混合して造粒することにより、直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒を製造する。
【選択図】なし
【解決手段】エリスリトールとソルビトールとを、99:1〜80:20の質量比で、含水アルコールを噴霧しながら高速撹拌混合して造粒することにより、直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒を製造する。
【選択図】なし
Description
本発明は、医薬品、健康食品及び食品等に用いられる直接粉末圧縮打錠用(直打用)のエリスリトールとソルビトールとから顆粒を製造する方法に関する。特に、ソルビトールが配合され、エリスリトールを主成分とする低カロリー及び低反応性の直打用顆粒の製造方法に関する。
従来、医薬品、健康食品及び食品等の錠剤用賦形剤としては結着性や崩壊性の優れている結晶乳糖や結晶セルロースおよびそれらの造粒物が汎用されている。これらのうち、結晶乳糖のような糖質の賦形剤には、糖質の持つ欠点、すなわち、アミノ酸との反応性やう蝕性、またエネルギー(カロリー)が高いなどの欠点がある。また、結晶セルロースは、淡黄色を帯びているために、最終製品の美観を損なうなどの欠点があった。さらに、これらの賦形剤を用いた錠剤がチュアブル錠や錠菓である場合には、錠剤の口解けやテクスチャーの点が問題にされていた。
また、これらの賦形剤を配合した組成物を圧縮して錠剤にするには、押出造粒法や流動層造粒コーティング法などの湿式造粒法によって予め顆粒状の造粒物をつくる工程が必須であった。湿式顆粒圧縮法は、打錠に適した顆粒を製造できる利点を有しているが、直接粉末圧縮打錠法(直打法)に比べて設備と工程数が多く、工程管理が複雑になるなどの問題がある。さらに、ビタミンCなどを主成分にした錠剤の場合、顆粒製造のために添加する水分によってビタミンCが分解したり、着色の原因になる。
この問題を解決するために、水分を使用せず、錠剤が製造できるように加工した直打用のビタミンC顆粒が製造され、販売されている。
直打法によって錠剤を製造するには、主剤の他に味や外観を改良するための成分や成形性や崩壊性を付与するための賦形剤も直打法に対応したものが必要になってくる。
この問題を解決するために、水分を使用せず、錠剤が製造できるように加工した直打用のビタミンC顆粒が製造され、販売されている。
直打法によって錠剤を製造するには、主剤の他に味や外観を改良するための成分や成形性や崩壊性を付与するための賦形剤も直打法に対応したものが必要になってくる。
従来から直打法による錠剤や錠菓に用いられている賦形剤には、結晶乳糖や結晶セルロース等が汎用されている。しかし、これらの賦形剤のうち、乳糖には、上述したように、アミノ基を有するアスパルテームのような特定の成分とメイラード反応を起こす活性基が含まれている。また、結晶セルロースは、結着性や崩壊性に優れているが、淡黄色を帯びているので、製品の美観を損なう恐れがある。さらに、これらの賦形剤をチュアブル状や錠菓とした場合には、口解けやテクスチャーの点において満足のいくものではなく、さらに優れた賦形剤が望まれていた。
一方、エリスリトールやソルビトールなどの糖アルコール類は、アミノ酸類との反応性がなく、エネルギーが低く、う蝕性もないため、上記した欠点を克服できる素材である。特に、エリストールは、エネルギー0kcal/gで、非う蝕性、血糖値やインスリン濃度を上げることなく、味質は良好で、大きな冷涼感がある糖アルコールであり、錠菓用の賦形剤として最適である。しかし、エリスリトールは結晶同士の結着力が弱く、他の原料との結着力が本質的に弱い為に圧縮成形が難しく、直打法によって高品質の錠剤や錠菓を製造するのは困難であった。さらに、エリスリトールの微結晶は放置する間に結晶どうしが固着して、ケーキングもしくはブロッキングを起こすなどの問題があり、賦形剤とするのは困難であった。
特許文献1にはエリスリトールに有効成分を混合してなる固形剤が記述されている。
特許文献2には糖アルコールにポリビニルピロリドンなどの結合剤を添加して低圧打錠の可能な賦形剤を得る方法が記述されている。
特許文献3にはマンニトールおよび乳糖を賦形剤とする方法が記述されている。
特許文献4にはエリスリトールを90%以上含有する組成物にエチルアルコールを加えて練合し、押出し造粒をした後に高速混合攪拌造粒装置によって球形化し、乾燥して得られる球形顆粒剤の製造法が記述されている。
特許文献5にはエリスリトールと砂糖を含有することを特徴とする顆粒の製造方法が記述されている。
特開平8−27033号公報
特開平8−291051号公報
特開平9−143100号公報
特開2000−119173号公報
特開2002−354986号公報
特許文献2には糖アルコールにポリビニルピロリドンなどの結合剤を添加して低圧打錠の可能な賦形剤を得る方法が記述されている。
特許文献3にはマンニトールおよび乳糖を賦形剤とする方法が記述されている。
特許文献4にはエリスリトールを90%以上含有する組成物にエチルアルコールを加えて練合し、押出し造粒をした後に高速混合攪拌造粒装置によって球形化し、乾燥して得られる球形顆粒剤の製造法が記述されている。
特許文献5にはエリスリトールと砂糖を含有することを特徴とする顆粒の製造方法が記述されている。
本発明の目的は、直接粉末圧縮打錠において優れた打錠性を有する直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒を工業的有利に製造することである。また、本発明の目的は、他成分との結合性に優れ、直打法により打錠した場合に高硬度の錠剤が得られる直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒の製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、前述した従来の問題点を解決し、実質的にエリスリトールとソルビトールとからなる錠剤の直打法による製造が可能な顆粒状賦形剤の製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明の目的は、結晶乳糖、結晶セルロースあるいはそれらを適宜比率で混合して原料とした従来の直打用賦形剤における問題点を解決し、直打法による打錠が可能な実質的にエリスリトールとソルビトールとからなる混合顆粒の製造方法、および該混合顆粒を錠菓用の顆粒状賦形剤として用いる錠剤の製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、前述した従来の問題点を解決し、実質的にエリスリトールとソルビトールとからなる錠剤の直打法による製造が可能な顆粒状賦形剤の製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明の目的は、結晶乳糖、結晶セルロースあるいはそれらを適宜比率で混合して原料とした従来の直打用賦形剤における問題点を解決し、直打法による打錠が可能な実質的にエリスリトールとソルビトールとからなる混合顆粒の製造方法、および該混合顆粒を錠菓用の顆粒状賦形剤として用いる錠剤の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、実質的にエリスリトールとソルビトールのみからなる、結合性や流動性に優れ、かつ長期保存においてもケーキングやブロッキングを起こさない直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒の新規製造方法を確立し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
〔1〕 エリスリトールとソルビトールとを、99:1〜80:20の質量比で、含水アルコールを噴霧しながら高速撹拌混合して造粒することを特徴とする直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒の製造方法、
〔2〕 エリスリトールとソルビトールとの質量比が、95:5〜80:20である前記〔1〕に記載の製造方法、
〔3〕 撹拌羽根と粉砕羽根とを具備する高速撹拌造粒装置を用いて、高速撹拌混合して造粒することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の製造方法、
〔4〕 撹拌羽根(アジテーター)の回転速度が20〜250rpmであり、かつ粉砕羽根(チョッパー)の回転速度が500〜3000rpmである前記〔3〕に記載の製造方法、
〔5〕 造粒後、さらに通気式乾燥機を用いて乾燥を行う前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法、
〔6〕 乾燥後、さらに10〜90メッシュの篩を用いて整粒する前記〔5〕に記載の製造方法、
〔7〕 含水アルコールが含水エチルアルコールである前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法、および
〔8〕 エリスリトールとソルビトールとを、99:1〜80:20の質量比で、含水アルコールを噴霧しながら高速撹拌混合して造粒し、得られたエリスリトール・ソルビトール混合顆粒を薬効成分または栄養成分とともに直打法により打錠することを特徴とする錠剤の製造方法、
に関する。
〔1〕 エリスリトールとソルビトールとを、99:1〜80:20の質量比で、含水アルコールを噴霧しながら高速撹拌混合して造粒することを特徴とする直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒の製造方法、
〔2〕 エリスリトールとソルビトールとの質量比が、95:5〜80:20である前記〔1〕に記載の製造方法、
〔3〕 撹拌羽根と粉砕羽根とを具備する高速撹拌造粒装置を用いて、高速撹拌混合して造粒することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の製造方法、
〔4〕 撹拌羽根(アジテーター)の回転速度が20〜250rpmであり、かつ粉砕羽根(チョッパー)の回転速度が500〜3000rpmである前記〔3〕に記載の製造方法、
〔5〕 造粒後、さらに通気式乾燥機を用いて乾燥を行う前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法、
〔6〕 乾燥後、さらに10〜90メッシュの篩を用いて整粒する前記〔5〕に記載の製造方法、
〔7〕 含水アルコールが含水エチルアルコールである前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法、および
〔8〕 エリスリトールとソルビトールとを、99:1〜80:20の質量比で、含水アルコールを噴霧しながら高速撹拌混合して造粒し、得られたエリスリトール・ソルビトール混合顆粒を薬効成分または栄養成分とともに直打法により打錠することを特徴とする錠剤の製造方法、
に関する。
本発明方法は、直接粉末圧縮打錠において優れた打錠性を有する直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒を工業的有利に製造することができる。また、本発明方法により得られた直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒は、打錠性のみならず、他成分との結合性に優れているため、このエリスリトール・ソルビトール混合顆粒を直打法により打錠すると高硬度の錠剤が得られる。また、本発明方法は、直打法による打錠が可能な実質的にエリスリトールとソルビトールとからなる混合顆粒を製造することができる。
またさらに、本発明方法により得られた直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒は、流動性に優れているため、直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒を長期保存しても顆粒同士が固着してケーキングやブロッキングを起こさない。
またさらに、本発明方法により得られた直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒は、流動性に優れているため、直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒を長期保存しても顆粒同士が固着してケーキングやブロッキングを起こさない。
本発明の直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒の製造方法は、エリスリトールとソルビトールとを、99:1〜80:20の質量比で、含水アルコールを噴霧しながら高速撹拌混合して造粒することを特徴とする。
本発明で原料として用いられるエリスリトールは、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、微結晶状、粉末状などのいずれの形態で用いられてもよいが、好ましい形態は微結晶である。
また、本発明で原料として用いられるソルビトールは、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、粉末、微粒子などのいずれの形態で用いられてもよいが、好ましい形態は粉末である。
エリスリトールとソルビトールとの質量比は、99:1〜80:20であるが、好ましくは、95:5〜80:20である。エリスリトールとソルビトールとの質量比を95:5〜80:20とすることで、得られる顆粒の流動性が優れたものになる。
また、本発明では、原料として、実質的にエリスリトールとソルビトールとのみを用いるのがよい。
また、本発明で原料として用いられるソルビトールは、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、粉末、微粒子などのいずれの形態で用いられてもよいが、好ましい形態は粉末である。
エリスリトールとソルビトールとの質量比は、99:1〜80:20であるが、好ましくは、95:5〜80:20である。エリスリトールとソルビトールとの質量比を95:5〜80:20とすることで、得られる顆粒の流動性が優れたものになる。
また、本発明では、原料として、実質的にエリスリトールとソルビトールとのみを用いるのがよい。
本発明で用いられる含水アルコールは、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは、含水エチルアルコールであり、より好ましくは50%〜80%の含水エチルアルコールである。含水アルコールの噴霧量は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは、エリスリトールおよびソルビトールに対して、5質量%〜20質量%である。
エリスリトールとソルビトールとを高速撹拌混合して造粒する方法としては、撹拌羽根と粉砕羽根とを具備する高速撹拌造粒装置(ハイスピードミキサー)を用いる方法が挙げられる。前記高速撹拌造粒装置における撹拌羽根(アジテーター)の回転速度は、20〜250rpmであるのが好ましく、25〜75rpmであるのがより好ましく、粉砕羽根(チョッパー)の回転速度は、500〜3000rpmであるのが好ましい。アジテーターおよびチョッパーの回転速度をそれぞれ、このような好ましい範囲内の高速回転速度とすることで、得られる顆粒は、直打法による打錠性により優れ、打錠された場合の錠剤の硬度がより高くなる。
また、本発明方法では、含水アルコールを噴霧しながら、エリスリトールとソルビトールとを高速撹拌混合して造粒するので、前記高速撹拌造粒装置は、噴霧装置をさらに備えているのが好ましい。前記噴霧装置は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の噴霧装置であってよい。
前記高速撹拌造粒装置の好適な例としては、例えば、ハイスピードミキサー(深江工業製)が挙げられる。
前記高速撹拌造粒装置の好適な例としては、例えば、ハイスピードミキサー(深江工業製)が挙げられる。
造粒後、得られたエリスリトール・ソルビトール混合顆粒は湿顆粒であるので、この湿顆粒を乾燥工程に付して、エリスリトール・ソルビトール混合顆粒の水分量を調節するのがよい。乾燥手段としては、特に限定されず、例えば、常圧加熱乾燥、加熱通風(熱風)乾燥、減圧加熱乾燥、流動層乾燥などが挙げられ、中でも、好ましくは、通気式乾燥機を用いる手段が挙げられる。乾燥によって調節されるエリスリトール・ソルビトール混合顆粒の水分量は、好ましくは1.0%以下である。エリスリトール・ソルビトール混合顆粒の水分量を1.0%以下とすることにより、エリスリトール・ソルビトール混合顆粒は、湿度を遮断した容器中に室温で3ヶ月間顆粒を放置されても、ケーキングやブロッキングを起こすことなく、流動性が保たれ得る。
また、乾燥後、水分量が調節されたエリスリトール・ソルビトール混合顆粒を、常法に従い、整粒して粒度を揃えるのがよい。整粒手段は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、とりわけ、篩(好ましくは、10〜90メッシュの篩、より好ましくは12〜83メッシュの篩)を用いて、エリスリトール・ソルビトール混合顆粒を篩過する手段が好ましい。
エリスリトール・ソルビトール混合顆粒は、直打用に用いられ、より具体的には、錠剤用賦形剤(特に錠菓用の顆粒状賦形剤)として好適に用いられる。前記エリスリトール・ソルビトール混合顆粒を、常法に従い、錠剤賦形剤として薬効成分や栄養成分などとともに直打法により打錠すると、結合力が強く、かつ高硬度の錠剤が得られる。本発明方法では、エリスリトール・ソルビトール混合顆粒を用いることによって、例えばビタミンCのような薬効成分を用いても好適に打錠および錠剤化することができる。
以下、実験例および実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、下記「部」は特に断りのない限り、「質量部」を意味する。
(実験例1)
微結晶エリスリトールと粉末ソルビトールを表1に示す比率によって混合して試料−1から試料−6までの各粉末試料を作成した。これらの粉末試料をそれぞれ用いて、直打法による打錠テストを下記の通り行った。
粉末試料687mg、ビタミンC顆粒−97(BASF武田ビタミン製)273mg、DKエステルF−20W(第一工業製薬製のショ糖脂肪酸エステル)40mgの組成で直径15mm、1錠あたり1000mgの錠剤を直打法にて試作した。打錠機(HT−AP15−SSU、畑鉄所製)、打錠圧は2.75トンで打錠してスティッキングやキャッピング等の打錠障害などの打錠性と錠剤硬度(木屋式デジタル硬度計、KUT−20N、藤原製作所製)を評価した。打錠性の評価については、スティッキングやキャッピング等の打錠障害があるものや打錠できないものを「不良」とし、打錠障害がないものを「良好」とした。評価結果を表1に示した。
エリスリトール粉末、およびエリスリトールとソルビトールとの各比率での混合粉末のいずれの粉末も実用上打錠できないことがわかった。すなわち、単なる粉末では直打法における賦形剤としては使えないことがわかった。
微結晶エリスリトールと粉末ソルビトールを表1に示す比率によって混合して試料−1から試料−6までの各粉末試料を作成した。これらの粉末試料をそれぞれ用いて、直打法による打錠テストを下記の通り行った。
粉末試料687mg、ビタミンC顆粒−97(BASF武田ビタミン製)273mg、DKエステルF−20W(第一工業製薬製のショ糖脂肪酸エステル)40mgの組成で直径15mm、1錠あたり1000mgの錠剤を直打法にて試作した。打錠機(HT−AP15−SSU、畑鉄所製)、打錠圧は2.75トンで打錠してスティッキングやキャッピング等の打錠障害などの打錠性と錠剤硬度(木屋式デジタル硬度計、KUT−20N、藤原製作所製)を評価した。打錠性の評価については、スティッキングやキャッピング等の打錠障害があるものや打錠できないものを「不良」とし、打錠障害がないものを「良好」とした。評価結果を表1に示した。
エリスリトール粉末、およびエリスリトールとソルビトールとの各比率での混合粉末のいずれの粉末も実用上打錠できないことがわかった。すなわち、単なる粉末では直打法における賦形剤としては使えないことがわかった。
(実験例2)
微結晶エリスリトールと粉末ソルビトールとを表2に示す比率によって混合した後、混合物100kgを、流動層乾燥造粒機(FLO−120型、フロイント産業製)を用いて、0.5%グアーガム水溶液10Lを約20分間噴霧しながら吸気温度90℃、排気温度50℃で造粒し、その後約30分間乾燥して顆粒試料を得た。22メッシュの篩で整粒して顆粒の試料−7から試料−12を得た。これらの顆粒試料(試料−7から試料−12)をそれぞれ用いて直打法による打錠テストを下記の通り行った。
顆粒試料687mg、ビタミンC顆粒−97(BASF武田ビタミン製)273mg、DKエステルF−20W(第一工業製薬製)40mgの組成で直径15mm、1錠あたり1000mgの錠剤を直打法にて試作した。打錠機(HT−AP15−SSU、畑鉄所製)、打錠圧は2.75トンで打錠して打錠性と錠剤硬度(木屋式デジタル硬度計、KUT−20N、藤原製作所製)を評価した。打錠性の評価については、スティッキングやキャッピング等の打錠障害があるものや打錠できないものを「不良」とし、打錠障害がないものを「良好」とした。評価結果を表2に示した。
試料−9から試料−11では打錠はできるが錠剤硬度が不足しており、打錠性を「やや不良」とした。さらに、エリスリトール単品およびソルビトール40部(配合比率)の顆粒試料では、スティッキングやキャッピング等の打錠障害が起こり打錠できなかった。すなわち、流動層造粒コーティング法によって得られる顆粒では直打法における賦形剤としては使えないことがわかった。
微結晶エリスリトールと粉末ソルビトールとを表2に示す比率によって混合した後、混合物100kgを、流動層乾燥造粒機(FLO−120型、フロイント産業製)を用いて、0.5%グアーガム水溶液10Lを約20分間噴霧しながら吸気温度90℃、排気温度50℃で造粒し、その後約30分間乾燥して顆粒試料を得た。22メッシュの篩で整粒して顆粒の試料−7から試料−12を得た。これらの顆粒試料(試料−7から試料−12)をそれぞれ用いて直打法による打錠テストを下記の通り行った。
顆粒試料687mg、ビタミンC顆粒−97(BASF武田ビタミン製)273mg、DKエステルF−20W(第一工業製薬製)40mgの組成で直径15mm、1錠あたり1000mgの錠剤を直打法にて試作した。打錠機(HT−AP15−SSU、畑鉄所製)、打錠圧は2.75トンで打錠して打錠性と錠剤硬度(木屋式デジタル硬度計、KUT−20N、藤原製作所製)を評価した。打錠性の評価については、スティッキングやキャッピング等の打錠障害があるものや打錠できないものを「不良」とし、打錠障害がないものを「良好」とした。評価結果を表2に示した。
試料−9から試料−11では打錠はできるが錠剤硬度が不足しており、打錠性を「やや不良」とした。さらに、エリスリトール単品およびソルビトール40部(配合比率)の顆粒試料では、スティッキングやキャッピング等の打錠障害が起こり打錠できなかった。すなわち、流動層造粒コーティング法によって得られる顆粒では直打法における賦形剤としては使えないことがわかった。
(実験例3)
微結晶エリスリトールと粉末ソルビトールを表3に示す比率によって混合した後、混合物2500gをハイスピードミキサー(FS−GS−5J型、深江工業製)で70%含水エチルアルコール250gを噴霧しながらアジテーター(200rpm)、チョッパー(2000rpm)の条件で5分間、混合して混合物を得た。これらの混合物をトレイに2cm厚さに広げて、通気式乾燥機(100E型、不二パウダル製)を用いて、70℃の温風で1時間乾燥した後、16メッシュの篩で整粒して顆粒の試料−13から試料−18の各顆粒試料を得た。これらの顆粒試料(試料−13から試料−18)を用いて直打法による打錠テストを下記の通り行った。
顆粒試料687mg、ビタミンC顆粒−97(BASF武田ビタミン製)273mg、DKエステルF−20W(第一工業製薬製)40mgの組成で直径15mm、1錠あたり1000mgの錠剤を直打法にて試作した。
打錠機(HT−AP15−SSU、畑鉄所製)、打錠圧は2.75トンで打錠して打錠性と錠剤硬度(木屋式デジタル硬度計、KUT−20N、藤原製作所製)で評価した。打錠性の評価については、スティッキングやキャッピング等の打錠障害があるものや打錠できないものを「不良」とし、打錠障害がないものを「良好」とした。評価結果を表3に示した。
試料−14から試料−17のエリスリトールとソルビトールの比率で得られた顆粒試料は打錠障害もなく、錠剤硬度も充分で目的とした錠剤用賦形剤として評価された。
試料−13および試料−18は、打錠はできるがスティッキングやキャッピング等の打錠障害が起こり実用上打錠できなかった。
微結晶エリスリトールと粉末ソルビトールを表3に示す比率によって混合した後、混合物2500gをハイスピードミキサー(FS−GS−5J型、深江工業製)で70%含水エチルアルコール250gを噴霧しながらアジテーター(200rpm)、チョッパー(2000rpm)の条件で5分間、混合して混合物を得た。これらの混合物をトレイに2cm厚さに広げて、通気式乾燥機(100E型、不二パウダル製)を用いて、70℃の温風で1時間乾燥した後、16メッシュの篩で整粒して顆粒の試料−13から試料−18の各顆粒試料を得た。これらの顆粒試料(試料−13から試料−18)を用いて直打法による打錠テストを下記の通り行った。
顆粒試料687mg、ビタミンC顆粒−97(BASF武田ビタミン製)273mg、DKエステルF−20W(第一工業製薬製)40mgの組成で直径15mm、1錠あたり1000mgの錠剤を直打法にて試作した。
打錠機(HT−AP15−SSU、畑鉄所製)、打錠圧は2.75トンで打錠して打錠性と錠剤硬度(木屋式デジタル硬度計、KUT−20N、藤原製作所製)で評価した。打錠性の評価については、スティッキングやキャッピング等の打錠障害があるものや打錠できないものを「不良」とし、打錠障害がないものを「良好」とした。評価結果を表3に示した。
試料−14から試料−17のエリスリトールとソルビトールの比率で得られた顆粒試料は打錠障害もなく、錠剤硬度も充分で目的とした錠剤用賦形剤として評価された。
試料−13および試料−18は、打錠はできるがスティッキングやキャッピング等の打錠障害が起こり実用上打錠できなかった。
(実験例4)
実験例1から3で得られた各試料をガラス瓶(口径4.1cm、高さ16.2cm、内容量550ml)にそれぞれ100g入れて密栓し、40℃の恒温器で5日間放置した。
放置後、5日目にとりだして、密栓した瓶のままで静かに傾けて各試料の流動性を比較観察した。流動性の評価については、流動性のあるものを「良好」とし、流動性がなく、粒子が固まったものを「不良」とし、流動性がややないものの、粒子が固まらないものを「やや不良」とした。結果を表4に示した。
この結果、粉末混合した試料−1から6はいずれも粒子どうしが固まってケーキングまたはブロッキング状態で流動性は無くなった。
流動層造粒コーティング法および高速攪拌造粒法で得た一部の顆粒試料(9,10,11,14,15,16,17)は5日間40℃で放置しても粒子が固まらないものが観察された。
実験例1から3で得られた各試料をガラス瓶(口径4.1cm、高さ16.2cm、内容量550ml)にそれぞれ100g入れて密栓し、40℃の恒温器で5日間放置した。
放置後、5日目にとりだして、密栓した瓶のままで静かに傾けて各試料の流動性を比較観察した。流動性の評価については、流動性のあるものを「良好」とし、流動性がなく、粒子が固まったものを「不良」とし、流動性がややないものの、粒子が固まらないものを「やや不良」とした。結果を表4に示した。
この結果、粉末混合した試料−1から6はいずれも粒子どうしが固まってケーキングまたはブロッキング状態で流動性は無くなった。
流動層造粒コーティング法および高速攪拌造粒法で得た一部の顆粒試料(9,10,11,14,15,16,17)は5日間40℃で放置しても粒子が固まらないものが観察された。
(実施例1)
微結晶エリスリトール67.5kgと粉末ソルビトール7.5kgとをハイスピードミキサー(FS.GS.200型、深江工業製)に仕込み、ついで70%アルコール水溶液(エチルアルコール5.25kgと水2.25kg)7.5kgを5分間で噴霧しながら、アジテーター:55rpmおよびチョッパー:2000rpmの条件で高速撹拌混合して造粒した。得られた湿顆粒をトレイに取り出して2cm厚さに広げ、通気式乾燥機(600型、不二パウダル製)を用いて、70℃の温風で1時間乾燥した。乾燥後、顆粒は水分0.23%(島津電子式水分計、EB−330MOC、島津製作所製)であった。また、乾燥後、顆粒を16メッシュの篩(円形振動篩過機、TM−70、徳寿工作所製)でふるって73.5kgの顆粒製品を直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒として得た。
微結晶エリスリトール67.5kgと粉末ソルビトール7.5kgとをハイスピードミキサー(FS.GS.200型、深江工業製)に仕込み、ついで70%アルコール水溶液(エチルアルコール5.25kgと水2.25kg)7.5kgを5分間で噴霧しながら、アジテーター:55rpmおよびチョッパー:2000rpmの条件で高速撹拌混合して造粒した。得られた湿顆粒をトレイに取り出して2cm厚さに広げ、通気式乾燥機(600型、不二パウダル製)を用いて、70℃の温風で1時間乾燥した。乾燥後、顆粒は水分0.23%(島津電子式水分計、EB−330MOC、島津製作所製)であった。また、乾燥後、顆粒を16メッシュの篩(円形振動篩過機、TM−70、徳寿工作所製)でふるって73.5kgの顆粒製品を直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒として得た。
(実施例2)
実施例1で得たエリスリトール・ソルビトール混合顆粒13.2kg、ビタミンC顆粒−97(武田BASF製)2.6kg、ビタミンCナトリウム顆粒−99(BASF武田ビタミン製)2.86kg、オレンジフレーバー粉末400g、ビタミンB2酪酸エステル(BASF武田ビタミン製)40g、アスパルテーム(味の素製)100g、DKエステルF−20W(第一工業製薬製)800gをV形混合機で均一に混合した。得られた混合原料を用いて直径15mm、1錠あたり1000mgのビタミンCチュアブル錠を打錠(打錠機:HT−AP45−DU,畑鉄所製、打錠圧は2.5トン)したところ、スティッキングやキャッピング等の打錠障害を起こすことなく順調に打錠が可能であった。得られた錠剤の硬度を錠剤硬度計(木屋式デジタル硬度計、KUT−20N、藤原製作所製)で測定した結果、硬度は13.1kgであった。
実施例1で得たエリスリトール・ソルビトール混合顆粒13.2kg、ビタミンC顆粒−97(武田BASF製)2.6kg、ビタミンCナトリウム顆粒−99(BASF武田ビタミン製)2.86kg、オレンジフレーバー粉末400g、ビタミンB2酪酸エステル(BASF武田ビタミン製)40g、アスパルテーム(味の素製)100g、DKエステルF−20W(第一工業製薬製)800gをV形混合機で均一に混合した。得られた混合原料を用いて直径15mm、1錠あたり1000mgのビタミンCチュアブル錠を打錠(打錠機:HT−AP45−DU,畑鉄所製、打錠圧は2.5トン)したところ、スティッキングやキャッピング等の打錠障害を起こすことなく順調に打錠が可能であった。得られた錠剤の硬度を錠剤硬度計(木屋式デジタル硬度計、KUT−20N、藤原製作所製)で測定した結果、硬度は13.1kgであった。
本発明の製造方法により得られるエリスリトール・ソルビトール混合顆粒は、医薬品、健康食品及び食品等の錠剤用賦形剤として有用である。また、このエリスリトール・ソルビトール混合顆粒を前記錠剤賦形剤として用いて、直打法により打錠すると、医薬品、健康食品及び食品等に有用な高硬度の錠剤が得られる。
Claims (8)
- エリスリトールとソルビトールとを、99:1〜80:20の質量比で、含水アルコールを噴霧しながら高速撹拌混合して造粒することを特徴とする直打用エリスリトール・ソルビトール混合顆粒の製造方法。
- エリスリトールとソルビトールとの質量比が、95:5〜80:20である請求項1に記載の製造方法。
- 撹拌羽根と粉砕羽根とを具備する高速撹拌造粒装置を用いて、高速撹拌混合して造粒することを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
- 撹拌羽根の回転速度が20〜250rpmであり、かつ粉砕羽根の回転速度が500〜3000rpmである請求項3に記載の製造方法。
- 造粒後、さらに通気式乾燥機を用いて乾燥を行う請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 乾燥後、さらに10〜90メッシュの篩を用いて整粒する請求項5に記載の製造方法。
- 含水アルコールが含水エチルアルコールである請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- エリスリトールとソルビトールとを、99:1〜80:20の質量比で、含水アルコールを噴霧しながら高速撹拌混合して造粒し、得られたエリスリトール・ソルビトール混合顆粒を薬効成分または栄養成分とともに直打法により打錠することを特徴とする錠剤の製造方法。
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- 2005-06-02 JP JP2005162621A patent/JP2006335686A/ja active Pending
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