JP2006334923A - 液滴吐出ヘッドへの液体充填方法、および液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッドへの液体充填方法、および液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、簡易かつ迅速な工程で、液体貯留部内の液体をノズル孔先端まで充填する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、液滴吐出ヘッド(10)のノズル孔(26)の先端まで液体を充填する方法であって、液体貯留部(16)に液体を供給する第1工程と、ノズル孔を覆うキャッピング手段(60)をノズル孔形成面(12)に密着させ、キャッピング手段とノズル孔形成面との間に空間(66)を形成する第2工程と、液滴吐出ヘッドおよび前記キャッピング手段を密閉容器(A)内に載置し、空間(66)内も十分に減圧されるまで、密閉容器内を減圧する第3工程と、密閉容器を開放し、空間(66)内が減圧状態に保持されることによって生じるキャッピング手段内外の圧力差を利用して、ノズル孔から液体を吸引し、ノズル孔先端まで到達させる第4工程と、を含む液体充填方法を提供するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液滴吐出ヘッドのノズル孔先端まで、吐出する液体を効率よく充填する方法等に関する。
近年、核酸やタンパク質、細胞等の生体由来物質をプローブとして基板上に固定化したいわゆるマイクロアレイを用い、生体分子間の結合の特異性を利用して、サンプル中の標的物質を検出・測定する方法が広く用いられている。
特開平11−187900号公報(特許文献1)には、このようなマイクロアレイを作製する方法として、標的物質に対して特異的に結合可能であるプローブを含む液体を、インクジェット法により固相表面に吐出し、該固相表面にプローブを付着させることを特徴とするプローブの固相へのスポッティング方法が開示されている。
また、マイクロアレイには、標的物質をハイスループットに検出するため、微小な領域に多種類のプローブ分子を固定する必要がある。このような必要性に応えるものとして、特開2004−160904号公報(特許文献2)には、複数の液体貯留部を有する第1の基板と、前記複数の液体貯留部にそれぞれ独立に連通する複数の流路を有する第2の基板と、前記複数の流路にそれぞれ独立に連通し、液滴を吐出する複数のノズルを有する一または複数のヘッドチップとを備えたインクジェットヘッドが開示されている。このようなインクジェットヘッドによれば、それぞれ異なる試料を搭載した複数の液体貯留部と、マイクロアレイのスポットの配置に対応させた複数のノズル孔とが、それぞれ流路で連通されているので、多数のプローブを微小領域に固定したマイクロアレイを高速に作製することができる。
特開平11−187900号公報 特開2004−160904号公報
しかしながら、インクジェットヘッドから吐出されるのは微小な液滴であり、液体貯留部とノズル孔とを連通させる流路は極めて微細である上に、ノズル孔もその先端で液体がメニスカスを形成する程の細孔である。そのため、液体貯留部に供給された液体は、液体貯留部側から加圧するか、ノズル孔側から吸引しなければ、ノズル孔先端に到達しない。加圧、吸引等を行うためには、液滴吐出装置に、加圧ポンプや吸引ポンプ等の加圧手段や吸引手段等を設ける必要があり、装置の構成が複雑になってしまう。
そこで、本発明は、簡易かつ迅速な工程で、液体貯留部内の液体をノズル孔先端まで充填する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる液体充填方法は、液滴を吐出するノズル孔と、前記ノズル孔から吐出する液体を収容し、該液体に加圧するための加圧手段を備えた加圧室と、前記加圧室と流路により連通された液体貯留部と、を備える液滴吐出ヘッドの前記ノズル孔先端まで前記液体を充填する方法であって、前記液体貯留部に前記液体を供給する第1工程と、前記ノズル孔を覆うキャッピング手段を前記ノズル孔形成面に密着させ、該キャッピング手段と該ノズル孔形成面との間に空間を形成する第2工程と、前記液滴吐出ヘッドおよび前記キャッピング手段を密閉容器内に載置し、前記空間も十分に減圧されるまで、該密閉容器内を減圧する第3工程と、前記密閉容器を開放し、前記空間内が減圧状態に保持されることによって生じる前記キャッピング手段内外の圧力差を利用して、前記ノズル孔から前記液体を吸引し、ノズル孔先端まで到達させる第4工程と、を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、密閉容器内を所定の圧力に減圧して維持することにより、空間内の空気は、液滴吐出ヘッドの流路を通過し、液体貯留部の液体を介して周囲に放出され、空間内も減圧される。そして、密閉容器を急激に開放して容器内を大気圧に戻すと、空間内ば密閉されていて減圧状態に保持されているため、キャッピング手段の内外に大きな圧力差が生じる結果、液体貯留部の液体がノズル孔側に吸引される。本方法によれば、減圧された環境下に置くという簡易な方法によって、キャッピング手段に吸引ポンプを接続して直接吸引する場合に比較して大きな吸引力を発生させることができ、極めて短時間で液体をノズル孔に到達させることが可能となる。また、周囲を減圧することにより、液体中の溶存ガスが除去されて周囲に放出されるので、気泡の発生が抑制され、液体の吐出を安定に行うことができるという利点もある。さらに、複数の液滴吐出ヘッドを一つの密閉容器内に載置して、一度に、ノズル先端まで液体を充填することも可能である。
上記キャッピング手段は、弾性材料により形成されていることが好ましい。このような構成によれば、キャッピング手段のノズル孔形成面に対する密着性を高めることができる。弾性材料は特に限定されないが、例えばブチルゴムであれば成型も容易で扱いやすい。
上記第3工程においては、前記空間の容積をVc、液体貯留部からノズル先端までの容積をVp、減圧時の密閉容器内の圧力をPv、大気圧をPaとしたとき、これらが下記式[1]の関係を満たすことが好ましい。
Pv<Pa・Vc/(Vp+Vc)・・・[1]
式[1]を満たすPvにまで減圧することによって、キャッピング内外の圧力差を十分に得ることができる。
また、上記キャッピング手段は、気液分離フィルターを備え、前記キャッピング手段を前記ノズル孔形成面に密着させたとき、前記気液分離フィルターが前記ノズル孔に密着する構成であることが好ましい。気液分離フィルターをノズル孔に密着させることにより、ノズル孔から液体が排出されてノズル孔形成面が汚染され、コンタミネーションが生じるのを防ぐことができる。また、液体の浪費を抑制できるという効果もある。
尚、気液分離フィルターを使用しない場合、ノズル先端まで充填された液体は、さらに吸引されると、キャッピング手段とノズル孔形成面との間の空間に排出される。これを利用して、液体貯留部に洗浄液を供給し、本発明に係る液体充填方法によってノズル孔からこの洗浄液を排出させることにより、液滴吐出ヘッド内部を洗浄することもできる。さらに、液滴吐出ヘッド内の流路やノズル孔に気泡や試料が付着して詰まりが生じた場合も、本発明に係る液体充填方法によってノズル孔から試料液体を排出させることにより、詰まりを解消することが可能である。このような洗浄方法や詰まり解消方法も、本発明に包含される。排出させる液体の量は、キャッピング手段とノズル孔形成面との間に形成される空間の容積を制御することによって、制御可能である。
本発明は、上述した本発明に係る液体充填方法を好適に行うことができる液滴吐出装置も提供する。この液滴吐出装置は、液滴を吐出するノズル孔と、前記ノズル孔から吐出する液体を収容し、該液体に加圧するための加圧手段を備えた加圧室と、前記加圧室と流路により連通された液体貯留部と、を備える液滴吐出ヘッドを装着して使用する液滴吐出装置であって、前記液滴吐出ヘッドを収容し、その内部を減圧することが可能な減圧室を備えるものである。
このような装置によれば、減圧室内でノズル先端まで液体を充填した液滴吐出ヘッドを直ちに吐出位置に移動させ、吐出工程を迅速に行うことが可能である。試料溶液を吐出した後は、液滴吐出ヘッドを減圧室に移動させ、減圧雰囲気下で洗浄を行うこともでき、より迅速に効率よく液滴の吐出を繰り返すことが可能となる。
上記液滴装置は、前記減圧室に、前記液滴吐出ヘッドのノズル孔を覆ってノズル孔形成面に密着するキャッピング手段を、該ノズル孔形成面に当接する部分を上方に向けて載置することが可能な基台と、前記基台上に設けられ、前記液滴吐出ヘッドを載置可能な支持台と、が備えられ、前記支持台上に、前記液滴吐出ヘッドを、ノズル孔形成面を下方に向けて載置したとき、前記キャッピング手段と前記ノズル孔形成面との間に空間が形成されるように構成されていることが好ましい。このような構成によれば、減圧室内に液滴吐出ヘッドを載置するだけで、キャッピング手段とノズル孔形成面との間に空間を形成することが可能であり、キャッピング手段をノズル孔に密着させて保持する手段や離間させる手段等も必要とせず、構成を単純化できる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(液滴吐出ヘッド)
図1は、本発明に係る液体充填方法の各工程を示す説明図であり、図1(A)に断面図が示されたインクジェットヘッド10は、本発明に係る液体充填方法によって液体が充填される液滴吐出ヘッドの一例である。
ここで、図4にインクジェットヘッド10の概略斜視図を示して、その構成を説明する。インクジェットヘッド10には、図示されたように液体貯留部であるリザーバ16が、8行×12列で96個設けられている。汎用されるマイクロタイタープレートのウェルの数および配置に従ってリザーバ16を設けることによって、マイクロタイタープレートから分注機等を使用して各リザーバに液体を供給することができる。
一方、液体貯留部が設けられた面14に対向する面が、ノズル孔形成面12であり、この中央にノズル孔26が設けられている(図1(A)参照)。
このような構成のインクジェットヘッド10は、図5に示されるような液滴吐出装置に装着して用いられる。液滴吐出装置については後述する。
図1(A)に示されるインクジェットヘッド10の概略断面図は、図4におけるIA−IA線に沿ってインクジェットヘッド10を切断した様子を示すものである。本実施形態においては、インクジェットヘッド10は基板30、40および50を積層して形成されており、ノズル孔形成面12の中央には、ノズル孔26および加圧室22等が形成されたヘッドチップ20が接着されている。リザーバ16は、基板50に設けられた貫通孔により形成され、リザーバ16に供給された液体は流路13を通って加圧室22に到達し、加圧手段によって加圧され、ノズル孔26から吐出される。ノズル孔形成面12は、基板30の図中下側の面となる。
ここで、図2に基板30、40および50の平面図を示し、これらの構成について説明する。図2(A)に基板30の平面図を示す。基板30には、基板40を積層することによって流路13を形成する溝13’が96本形成されている。溝13’は、基板17の周縁部から中央に向かって集束し、各溝13’の基板周縁側の末端はリザーバ16のピッチ(形成間隔)と一致していている。一方、各溝13’の基板中央側の末端には、圧力室に接続する貫通孔が設けられている。
図2(B)に基板30上に積層される基板40の平面図を示す。基板40には8行×12列で96個の貫通孔42が形成されている。貫通孔42のピッチは、リザーバ16のピッチに一致する。貫通孔42は、流路13とリザーバ16とを連通させる流路となる。
図2(C)に、基板40上に積層される基板50の平面図を示す。基板50には、貫通孔52が96個形成されており、基板50を基板40上に積層することによって、貫通孔52がリザーバ16を形成する。
基板30、40および50は、ガラス、樹脂等の材料で形成することができ、溝や貫通孔は、エッチング、射出成形等、材料に適した方法によって形成することができる。基板30〜50を積層し、熱溶着、または接着剤等を用いる方法により接着した後、さらに、基板30の中央にヘッドチップ20を接着して、インクジェットヘッド10が完成する。
ヘッドチップ20は、電気的に接続するだけで単独で加圧室の加圧手段を作動させ、ノズル孔から液滴を吐出可能な構成となっている。図3に、ヘッドチップ20の一例として静電駆動方式のヘッドチップの拡大断面図を示す。説明の便宜上、基板40および50は省略し、基板30のみ示している。ヘッドチップ20は、電極108が形成された電極基板121、加圧室22を形成する加圧室基板122、およびノズル孔26が形成されたノズル基板123により構成されている。加圧室22、ノズル孔26は、リザーバ16と同数設けられ、それぞれ一対一で対応している。加圧室109に流入した液体は、図示しない共通電極と電極108との間に電圧を加えると、振動板109が弾性変位することによって加圧され、ノズル孔26から吐出される。尚、電極基板121には、図中下側の面から溝が形成され、その天井部に電極108が形成されているため、電極108と振動板109との間にはわずかな空隙(エアギャップ)が形成されている。本実施形態では、電極108と振動板109とが加圧手段に該当する。加圧室基板122、ノズル基板123、電極基板121の材料は特に限定されないが、吐出する液体に生体試料が含まれる場合には、ガラス、シリコン等が適している。
ヘッドチップ20を、基板30に接着することにより、電極基板および加圧室基板122に設けられた貫通孔が、基板30の貫通孔に接続し、図示しないリザーバと加圧室22が連通され、インクジェットヘッド10が完成する。尚、本実施形態では、ヘッドチップのノズルが形成された面と基板30の下側の面とにわずかな段差が存在する構成となっているが、双方を併せてノズル孔形成面12と呼ぶ。
(液体充填方法)
次に、本発明に係る液体充填方法を用いて、インクジェットヘッド10に液体を充填する工程を説明する。図1(A)は、上述のようにインクジェットヘッド10の断面図である。本発明に係る液体充填方法では、図1(B)に示すように、まず、液体貯留部であるリザーバ16に、吐出すべき液体を供給する。液体の供給方法は特に限定されず、分注機等を使用して公知の方法によって、各リザーバ16に同一の、または異なる液体を注入することができる。
このとき、基板30および40の貫通孔や溝によって形成される流路は、極めて微細なため、リザーバ16に液体を供給しても、そのままではノズル先端まで液体が到達しない。また、気泡が流路の内壁に付着することによって、液体が流路を通過しにくくなることもあり、この場合も加圧室まで液体が流入せず、そのままでは液体を連続して吐出することができない。
次に、図1(C)に示すように、ノズル孔26すべてを覆うキャッピング手段60を、インクジェットヘッド10のノズル孔形成面12に密着させる。キャッピング手段60の材料は特に限定されないが、弾性材料とすることによって、ノズル孔形成面12に密着させやすくなるのでブチルゴム等が適している。キャッピング手段60が弾性材料で構成されていれば、キャッピング手段60の開口部が上方を向くように設置し、この上にインクジェットヘッド10をノズル孔形成面12が下方を向くように載置することによって、インクジェットヘッド10の重さにより、キャッピング手段60をノズル孔形成面12に密着させることが可能となる。
本実施形態では、キャッピング手段60は、圧力制御手段を備えた容器A内に設けられた基台Bに、その開口部が上方を向くように載置しておく。また、基台B上に、キャッピング手段60と同様の弾性材料によって形成された支持台62を適当な高さに設けておくことによって、ノズル孔形成面12とキャッピング手段との密着性を制御することもできる。こうして、ノズル孔形成面12とキャッピング手段60との間に、空間66が形成される。また、本実施形態では、キャッピング手段60には、その開口部に気液分離フィルター64が備えられており、キャッピング手段60をノズル孔形成面12に密着させることにより、気液分離フィルター64がノズル孔26に密着する。
続いて、図1(D)に示されるように、容器Aを密閉し、圧力制御手段により内部を減圧する。周囲が減圧されることによって、当初空間66に大気圧で閉じ込められていた空気は、流路13を通過し、リザーバ16内の液体中を通過して、周囲に放出される。こうして容器A内の減圧速度より遅れて、空間66の圧力も低下していく。
ここで、容器A内の圧力Pvは、空間66の容積をVc、リザーバ16からノズル26の先端までの容積をVp、大気圧をPaとしたとき、下記式[1]の関係を満たすまで低下させる。
Pv<Pa・Vc/(Vp+Vc)・・・[1]
Pvが、この条件を満たす圧力とすることにより、容器A内を大気圧に戻した時、リザーバ16中の液体をノズル孔から吸引するのに十分な圧力差を得ることが可能となる。
そして、空間66内の圧力も上記Pvまで低下したところで、図1(E)に示すように容器Aを開放する。これにより、容器A内は直ちに大気圧に戻るが、空間66はキャッピング手段60とリザーバ16の液体とによって、周囲と隔てられているため、すぐには圧力が上昇せず、減圧状態に保持される。こうして、空間66内と、周囲との圧力に大きな差ができることによって、リザーバ16の液体はノズル孔26に向かう方向に圧力を受けて、流路13に流入し、加圧室22を経てノズル孔26に達する。本方法によってもたらされる空間66内と周囲との圧力差は、吸引ポンプによる吸引力よりも大きく、リザーバ16内の液体は、極めて短時間で効率的にノズル孔先端まで充填される。
この状態で、インクジェットヘッド10を液滴吐出装置に装着し、加圧室22の加圧手段によって加圧すれば、好適に液滴が吐出される。尚、上述した減圧工程の際、リザーバ16内の液体中の溶存ガスも周囲に放出されるため、減圧工程後の液体中には気泡が発生しにくく、本発明に係る液体充填方法によれば、気泡が壁面に付着して液滴の吐出を阻害する現象も抑制することが可能である。
(洗浄方法および詰まり解消方法)
上述した、本発明に係る液体充填方法を利用して、液滴吐出ヘッドの中を洗浄したり、液滴吐出ヘッド内の詰まりを解消することができる。
図1に示した液体充填方法において、気液分離フィルターを備えていないキャッピング手段60を使用すれば、液体はノズル孔26から空間66内に排出される。従って、リザーバ16に洗浄液を充填して、本発明に係る液体充填方法を行い、すべての洗浄液を空間66内に排出させれば、インクジェットヘッド10内のリザーバ、流路、加圧室、ノズル等を洗浄することが可能である。本方法によれば、吸引ポンプを使用する場合に比較して、大きな吸引力を得ることができるので、液体がノズル孔から勢いよく排出され、高い洗浄効果を得ることができる。洗浄液は、吐出した液体の洗浄に適した洗浄剤を含むものであってもよいし、純水であってもよい。洗浄剤を含む液体を使用した場合は、その後純水を使用して本発明に係る液体充填方法を行い、リンス工程としてもよい。排出される液体の量はキャッピング手段60の容積によって制御できるので、十分に容積の大きいキャッピング手段60を使用することによって、洗浄液をすべてインクジェットヘッド10から排出することが可能である。
また、液滴吐出工程において、気泡や試料によって流路13やノズル孔26に詰まりが生じた場合は、本発明に係る液体充填方法によって、少量の液体をノズル孔26から吸引することによって、詰まりを解消することができる。本方法によれば、上述したように大きな吸引力によってノズル孔26から液体を吸引することができるので、流路13やノズル孔26の内壁に付着した気泡や、粘性の高い試料等を内壁から引き剥がし、ノズル孔から排出させることが可能である。詰まりを解消する場合は、わずかな量の液体を排出させれば良く、また試料液体の浪費を防ぐためにも、容積の小さいキャッピング手段60を使用するとよい。
(液滴吐出装置)
次に、上述した本発明に係る液体充填方法を好適に行うことができる液滴吐出装置について説明する。
図5に、インクジェットヘッド10が装着された液滴吐出装置の一例として、マイクロアレイ製造装置200を示す。マイクロアレイ製造装置200は、ガラス等の基板202上に生体分子を含む試料溶液の液滴を複数配置して作製されるマイクロアレイを製造するためのものであり、複数の基板202を載置可能に構成されたテーブル204と、インクジェットヘッド10をY方向に自在に移動させるためのY方向駆動軸216と、テーブル204をX方向に自在に移動させるためのX方向駆動軸214と、を備える。また、インクジェットヘッド10を固定するための固定手段212と、固定手段212をZ方向に自在に移動させるためのZ方向駆動軸218と、をも備えている。同図には、固定手段212にインクジェットヘッド10を装着した状態が示されている。
さらに、マイクロアレイ製造装置200は、そのベース220に、インクジェットヘッド10を格納して密閉し、内部を減圧することが可能な減圧室Aが設けられている。減圧室A内部には、図1(C)に示すようなキャッピング手段60と、支持台62を備える基台Bが設置されている。キャッピング手段60は、吸引する液体の量によって、大きさ等の異なるものと交換できるようにされていることが好ましい。
マイクロアレイ製造装置200を用いれば、まず、Y方向駆動軸216を駆動させて、インクジェットヘッド10を減圧室Aの上方まで移動させ、Z方向駆動軸218を駆動させて、インクジェットヘッド10を減圧室A内の支持台62に載置し、キャッピング手段60とインクジェットヘッド10のノズル孔形成面12とを密着させる。次に、減圧室Aで本発明に係る液体充填方法を行い、インクジェットヘッド10のノズル孔先端まで吐出する液体を充填した後、Z方向駆動軸218とY方向区同軸216とを駆動させ、インクジェットヘッド10を基板202の上方に移動させる。そして、X方向区同軸214も作動させて、基板202上の好適な位置に試料溶液を吐出してマイクロアレイが作製される。
試料溶液の吐出中、インクジェットヘッド10の流路等に詰まりが生じた場合は、再びY方向区同軸216およびZ方向区同軸218を駆動させて、インクジェットヘッド10を減圧室A内に移動させ、本発明に係る液体充填方法を利用して、詰まりを解消することが可能である。また、リザーバ16に収容された試料溶液の吐出が完了した場合は、Y方向区同軸216およびZ方向区同軸218を駆動させて、インクジェットヘッド10を減圧室A内に移動させ、リザーバ16に次に吐出すべき試料液体を供給し、本発明に係る液体充填方法を用いて該試料液体をノズル孔先端まで充填させてもよいし、リザーバ16に洗浄液を供給し、本発明に係る液体充填方法を用いて内部を洗浄することも可能である。
液滴吐出装置200によれば、試料液体の吐出、詰まりの解消、インクジェットヘッド10の洗浄という一連の工程を、一つの装置で効率よく行うことができる。
以上のように本発明に係る液体の充填方法を用いれば、液滴吐出ヘッドを減圧環境下に置くという簡易な方法によって、短時間に効率よくインクジェットヘッドのノズル先端まで液体を充填することが可能となるとともに、インクジェットヘッド内部の洗浄、詰まりの解消も行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々に変更して実施することが可能である。例えば、液滴吐出ヘッドの構成は、液滴を吐出するノズル孔と、液体に加圧するための加圧手段を備えた加圧室と、加圧室と流路により連通された液体貯留部とを備えている限り、特に限定されず、基板30、40、50を積層するのではなく、射出成型等によって、一体的に形成されたものであってもよい。また、液体貯留部の数や配置も限定されず、目的に応じて変更できる。加圧手段は、静電駆動方式、圧電駆動方式のいずれであってもよい。
本発明にかかる液体充填方法の工程を示す説明図である。 積層して液滴吐出ヘッドを構成する基板の平面図である。 ヘッドチップの構成を示す概略断面図である。 液滴吐出ヘッドを示す概略斜視図である。 液滴吐出装置を示す概略斜視図である。
符号の説明
10…液滴吐出ヘッド、12…ノズル孔形成面、13…流路、16…リザーバ(液滴貯留部)、20…ヘッドチップ、22…加圧室、26…ノズル孔、30、40、50…基板、42、52…貫通孔、60…キャッピング手段、62…支持台、64…気液分離フィルター、66…空間、108…電極、109…振動板、121、122、123…基板、200…液滴吐出装置、A…減圧室(密閉容器)、B…基台

Claims (6)

  1. 液滴を吐出するノズル孔と、
    前記ノズル孔から吐出する液体を収容し、該液体に加圧するための加圧手段を備えた加圧室と、
    前記加圧室と流路により連通された液体貯留部と、を備える液滴吐出ヘッドの前記ノズル孔先端まで前記液体を充填する方法であって、
    前記液体貯留部に前記液体を供給する第1工程と、
    前記ノズル孔を覆うキャッピング手段を前記ノズル孔形成面に密着させ、該キャッピング手段と該ノズル孔形成面との間に空間を形成する第2工程と、
    前記液滴吐出ヘッドおよび前記キャッピング手段を密閉容器内に載置し、前記空間内も十分に減圧されるまで、該密閉容器内を減圧する第3工程と、
    前記密閉容器を開放し、前記空間内が減圧状態に保持されることによって生じる前記キャッピング手段内外の圧力差を利用して、前記ノズル孔から前記液体を吸引し、前記ノズル孔先端まで到達させる第4工程と、を含む液体充填方法。
  2. 前記キャッピング手段が、弾性材料により形成されている、請求項1に記載の液体充填方法。
  3. 前記第3工程において、前記空間の容積をVc、前記液体貯留部から前記ノズル先端までの容積をVp、減圧時の前記密閉容器内の圧力をPv、大気圧をPaとしたとき、これらが下記式[1]の関係を満たす、請求項1または2に記載の液体充填方法。
    Pv<Pa・Vc/(Vp+Vc)・・・[1]
  4. 前記キャッピング手段が気液分離フィルターを備え、前記キャッピング手段を前記ノズル孔形成面に密着させたとき、前記気液分離フィルターが前記ノズル孔に密着する、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体充填方法。
  5. 液滴を吐出するノズル孔と、前記ノズル孔から吐出する液体を収容し、該液体に加圧するための加圧手段を備えた加圧室と、前記加圧室と流路により連通された液体貯留部と、を備える液滴吐出ヘッドを装着して使用する液滴吐出装置であって、
    前記液滴吐出ヘッドを収容し、該液滴吐出ヘッドの内部を減圧することが可能な減圧室を備える、液滴吐出装置。
  6. 前記減圧室に、
    前記液滴吐出ヘッドの前記ノズル孔を覆ってノズル孔形成面に密着するキャッピング手段を、該ノズル孔形成面に当接する部分を上方に向けて載置することが可能な基台と、
    前記基台上に設けられ、前記液滴吐出ヘッドを載置可能な支持台と、が備えられ、
    前記支持台上に、前記液滴吐出ヘッドを、前記ノズル孔形成面を下方に向けて載置したとき、前記キャッピング手段と前記ノズル孔形成面との間に空間が形成されるように構成されている、請求項5に記載の液滴吐出装置。



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