JP2006333672A - モータ軸における排油構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軸受外部への潤滑剤の漏れ量が多くなった場合でも、ケーシング等の外部への潤滑剤の流出を防止することができるモータ軸における排油構造を提供する。
【解決手段】 回転軸1と、回転軸1を支持する軸受2と、軸受2を収納し、回転軸1との間に間隙を有するケーシング4と、軸受2に潤滑剤を供給する潤滑剤注入口5と、前記潤滑剤を排出する潤滑剤排出口6とを備えたモータ軸における排油構造において、回転軸1のケーシング4に面した外周面に潤滑剤を導く螺旋溝1aを設け、且つ螺旋溝1aの両端部にそれぞれ環状の端溝1b及び1cを設け、且つ端溝1bはケーシング4の内壁部4aに面する構造とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 回転軸1と、回転軸1を支持する軸受2と、軸受2を収納し、回転軸1との間に間隙を有するケーシング4と、軸受2に潤滑剤を供給する潤滑剤注入口5と、前記潤滑剤を排出する潤滑剤排出口6とを備えたモータ軸における排油構造において、回転軸1のケーシング4に面した外周面に潤滑剤を導く螺旋溝1aを設け、且つ螺旋溝1aの両端部にそれぞれ環状の端溝1b及び1cを設け、且つ端溝1bはケーシング4の内壁部4aに面する構造とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、モータ軸における排油構造に関するものである。
モータの軸受には、モータの振動や騒音の抑制、また摩擦・磨耗の低減などの目的で、潤滑剤が注入されている。従来のモータにおいては、軸受の側方に配置され、回転軸との間に空間を有し、更に互いに隙間を有して並設された二組のシールリングを有するモータにおいて、この二組のシールリングの内周面に、回転軸の回転方向に向かうに従って、それぞれ他方のシールリングの方へと延びる螺旋溝を施した構成としたものがある(例えば、特許文献1)。
特許文献1によれば、二組のシールリング間の隙間から回転軸とそれぞれのシールリングとの間の空間に流出した潤滑剤は、回転軸の回転方向と同方向に回転しながらシールリングの外部へと軸方向に流れるが、シールリングに螺旋溝を施したことで、螺旋溝に入った潤滑剤は二組のシールリング間の隙間へと誘導される。このシールリング間の隙間へ誘導される潤滑剤の流れと、これとは反対に二組のシールリング間の隙間から、回転軸とそれぞれのシールリングとの間の空間に流出しようとする潤滑剤の流れとの相互作用によって、潤滑剤の量を抑制することができるとしている。
ところがこの潤滑剤は、モータの起動に伴う回転軸の回転の作用によって回転方向に回りながら軸方向に流出するなど、軸受の外部に漏れ出ることがある。軸受に注入されている潤滑剤が外部に漏れると、漏れた潤滑剤が飛散して部材を汚損するなどモータ本体や、他の装置などに悪影響を与えることがある。
そこで従来、図3に示すような構成のものもある。図中、11は回転軸、12は軸受、13は配管、14はケーシング、15はグリース注入口、16はグリース排出口である。回転軸11は軸受12に回転自在に支持され、軸受12はケーシング14に収納され、軸受12の左上方にはグリース注入口15が、また軸受12の右下方にはグリース排出口16が設けられている。ケーシング14内周面と回転軸11との間には狭い隙間が設けられており、更に、ケーシング14の内周面にはラビリンス溝14aが施されている。なお、ケーシング14は、回転軸11を突出させた状態で軸受12を収納している。
潤滑剤としてのグリース(油)は、定期点検時又は分解組立時などに配管13を通ってグリース注入口15から軸受12に供給され、その後余剰分のグリースがグリース排出口16から排出される構成となっている。また、定期点検時又は分解組立時などのグリース供給時以外であっても、長時間運転又は放置することによりグリースの油分が分離した場合には、この油分についてもグリース排出口16へ排出される。
図3に示す従来例においては、モータの起動による回転軸11の回転の作用などによって回転軸11とケーシング14との隙間へとグリースやグリースから分離した油分(以下、単にグリース等という)が漏れた場合であっても、ケーシング14の内周面にラビリンス溝14aを設けたことで、漏れたグリース等は外部へ流出する前にラビリンス溝14aによって保持される。なお、図中に矢印でグリースの流れを示している。
しかしながら、上述した図3に示す従来例のような構造においては、軸受12の外部に漏れたグリース等をラビリンス溝14a部分に留めるのみの構成となっているため、軸受12外部へのグリースの漏れ量が多くなると、図3に示すように、グリース等がケーシング14などの外部へ徐々に漏れ出してしまうおそれがある。
このようなことから本発明は、軸受外部への潤滑剤の漏れ量が多くなった場合でも、ケーシング等の外部への潤滑剤の流出を防止することができるモータ軸における排油構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の請求項1に係るモータ軸における排油構造は、回転軸と、前記回転軸を支持する軸受と、前記軸受を収納し、前記回転軸との間に間隙を有するケーシングと、前記軸受に潤滑剤を供給する潤滑剤注入口と、前記潤滑剤を排出する潤滑剤排出口とを備えたモータ軸における排油構造において、前記回転軸の前記ケーシングに面した外周面に前記潤滑剤を導く螺旋溝を設け、且つ前記螺旋溝の両端部にそれぞれ環状の端溝を設け、且つ前記端溝のうち、ケーシング外部側に設けられた端溝は、前記ケーシングの内壁に面することを特徴とする。
本発明の請求項2に係るモータ軸における排油構造は、請求項1記載のモータ軸における排油構造において、前記内壁部を前記軸受側に向かうに従って広がる形状としたことを特徴とする。
上述した本発明に係るモータ軸における排油構造によれば、軸受の外部に潤滑剤が漏れ出た場合であっても、モータの正転又は反転に伴って、軸受から漏れ出た潤滑剤は螺旋溝に誘導され、いずれか一方の端溝を伝って下方へ流れる。従って、潤滑剤のケーシングなどから外部への流出を防止することが可能となる。
更にケーシングの内径を軸受側が広くなった形状とすれば、モータの正転又は反転に伴い、螺旋溝に誘導された潤滑剤は、端溝によって下方へ流れ落ち、ケーシングの傾きに誘導されて正規の排出口に排出されることとなり、モータの回転の向きに関わらず、外部への潤滑剤の流出を防止することができる。なお、潤滑剤が端溝まで誘導される前に下方に流れ落ちた場合であっても、ケーシング内周面の傾斜によって排出口へ導かれることはいうまでもない。
本発明を実施するための最良の形態については、後述する実施例により説明するものとする。
図1に本発明によるモータ軸における排油構造の一実施例を示す。図中、1は回転軸、2は軸受、3は配管、4はケーシング、5はグリース注入口、6はグリース排出口である。回転軸1は軸受2に回転自在に支持され、軸受2はケーシング4に収納されている。また、グリース注入口5は軸受2の左上方に、グリース排出口6は軸受2の右下方に設けられ、グリース注入口5には配管3からグリースが供給される。
回転軸1はケーシング4に面した部分に右ネジ方向の螺旋溝1aを有し、螺旋溝1aの始点及び終点には環状となった端溝1b及び1cが設けられている。ケーシング4は、内壁部4aが回転軸1と間隙を有する構成となっており、この内壁部4aは軸受2に向かうに従って広がる、テーパ穴となっている。なお、端溝1bは、内壁部4aの左端部より内側に設けるものとする。また、本実施例において、図中左側面からみて時計回りを正転、反時計回りを反転方向として説明する。
以下に、本実施例の作用について説明する。軸受2には、モータの振動や騒音の抑制、また摩擦・磨耗の低減などの目的で、定期点検時又は分解組立時などにグリース注入口5より潤滑剤としてグリースが供給され、余剰分のグリースはグリース排出口6から排出される。また、定期点検時や分解組立時などのグリース供給時以外に、長時間にわたり運転又は放置することによってグリースの油分が分離した場合には、この油分はグリース排出口6から排出される。
回転軸の回転による作用などによってグリース等が回転軸1とケーシング4との隙間に漏れ出た場合、モータの回転に伴い、グリース等は螺旋溝1aに誘導されることとなる。螺旋溝1aに誘導されたグリース等は、例えば正転時には図2(a)に矢印で示すように軸受2方向(図中、右方向)へ誘導され、端溝1cを伝って下方へ流れ落ちてグリース排出口6へと排出される。また、反転時には図2(b)に矢印で示すようにケーシング4の外側方向(図中、左方向)へ誘導され、端溝1bを伝って下方へ流れ落ち、内壁部4aの傾斜に沿って軸受2側へと誘導されてグリース排出口5へと排出される。
上述したように、本実施例によれば、グリース等が一旦回転軸1とケーシング4との隙間へ漏れ出た場合であっても、漏れ出たグリース等をケーシング4外部ではなく軸受2方向へと導き、本来の排出口であるグリース排出口6から排出させることが可能となり、モータの回転を利用して、グリース等のケーシング4外部への流出を防止することができる。なお、本実施例においては回転軸の外周面を右ネジ方向の溝を有する螺旋溝としたが、右ネジ方向に限らず螺旋状の溝であれば効果を有する。また、ケーシングの内壁部の形状はテーパ穴に限らず、軸受側に向かうに従って内径が広くなる形状とすればよく、また、ラビリンス溝を設けるなどしてもよい。
本発明は、モータ軸における排油構造に利用可能である。
1 回転軸
1a 螺旋溝
1b,1c 端溝
2 軸受
3 配管
4 ケーシング
4a 内壁部
5 グリース注入口
6 グリース排出口
1a 螺旋溝
1b,1c 端溝
2 軸受
3 配管
4 ケーシング
4a 内壁部
5 グリース注入口
6 グリース排出口
Claims (2)
- 回転軸と、前記回転軸を支持する軸受と、前記軸受を収納し、前記回転軸との間に間隙を有するケーシングと、前記軸受に潤滑剤を供給する潤滑剤注入口と、前記潤滑剤を排出する潤滑剤排出口とを備えたモータ軸における排油構造において、前記回転軸の前記ケーシングに面した外周面に前記潤滑剤を導く螺旋溝を設け、且つ前記螺旋溝の両端部にそれぞれ環状の端溝を設け、且つ前記端溝のうち、ケーシング外部側に設けられた端溝は、前記ケーシングの内壁に面することを特徴とするモータ軸における排油構造。
- 請求項1記載のモータ軸における排油構造において、前記内壁部を前記軸受側に向かうに従って広がる形状としたことを特徴とするモータ軸における排油構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005156609A JP2006333672A (ja) | 2005-05-30 | 2005-05-30 | モータ軸における排油構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005156609A JP2006333672A (ja) | 2005-05-30 | 2005-05-30 | モータ軸における排油構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006333672A true JP2006333672A (ja) | 2006-12-07 |
Family
ID=37554762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005156609A Withdrawn JP2006333672A (ja) | 2005-05-30 | 2005-05-30 | モータ軸における排油構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006333672A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110172859A1 (en) * | 2010-01-12 | 2011-07-14 | Ford Global Technologies, Llc | E-Drive PWM Frequency Strategy |
WO2017178597A1 (de) * | 2016-04-15 | 2017-10-19 | Gkn Automotive Ltd. | Dichtungsanordnung für eine welle |
-
2005
- 2005-05-30 JP JP2005156609A patent/JP2006333672A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20110172859A1 (en) * | 2010-01-12 | 2011-07-14 | Ford Global Technologies, Llc | E-Drive PWM Frequency Strategy |
US8649923B2 (en) * | 2010-01-12 | 2014-02-11 | Ford Global Technologies, Llc | E-drive PWM frequency strategy |
WO2017178597A1 (de) * | 2016-04-15 | 2017-10-19 | Gkn Automotive Ltd. | Dichtungsanordnung für eine welle |
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