JP2006333441A - 電気音響変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】無指向性を持った良好な点音源が得られる電気音響変換器を提供する。
【解決手段】正五角形の振動板セグメント12を複数個接合した振動板11を含んで略球殻状に多面状振動板組立体11Aを形成し、この多面状振動板組立体11Aの内面側に各振動板セグメント12と対向して各スピーカ駆動ユニット20Aを複数配置すると共に、各スピーカ駆動ユニット2ODの各ボビン24の一端部24aを各振動板セグメント12の内面の中心部位に接着して電気音響変換器10Dを構成した際に、振動板セグメント12と対向する面を多角形面52aとした多角錐52又は多角錐台52Aよりなるスピーカ取付台を複数含んで略球状に結合され、それぞれの多角形面52aにスピーカ駆動ユニット20Dが取り付けられて、多面状振動板組立体11A内に収納された多面状取付台組立体51を備えたことを特徴とする電気音響変換器10Dを提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、多角形の振動板セグメントを複数個接合した振動板を含んで略球殻状に形成された多面状振動板組立体と、この多面状振動板組立体の内面側に各振動板セグメントと対向して配置された複数のスピーカ駆動ユニットと、を備えた電気音響変換器に関するものである。
音声信号を拡声するための電気音響変換器(スピーカ)は、各種の構造形態があるものの、この種の電気音響変換器の一例として呼吸球に近い状態で振動する再生音を人の聴覚に与える点音源・無指向性・スピーカシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
尚、上記した呼吸球とは、無指向性スピーカの理想とされる発音体であり、例えば、風船がふくらんだり、しぼんだりして振動する運動と同じく、あらゆる方向に略同じ音圧を発生して完全無指向性が得られるもので、あたかも球が呼吸しているのに似ていることから呼吸球と名づけられたものである。
特開平9−70092号公報。
図28は従来の点音源・無指向性・スピーカシステムの一例を示した斜視図、
図29は従来の点音源・無指向性・スピーカシステムの一例を示したブロック図、
図30は従来の点音源・無指向性・スピーカシステムに使用したスピーカユニットにおける周波数レスポンスのピークとディップの例を摸式的に示した特性図である。
図28及び図29に示した従来の点音源・無指向性・スピーカシステム100は、上記した特許文献1(特開平9−70092号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
図28に示した如く、従来の点音源・無指向性・スピーカシステム100では、剛性を持った中空球面状のエンクロージャ101が、その外周面上に五角形で形成される12個の第1面101aと、六角形で形成される20個の第2面101bとで合計32面からなる多面体に形成されている。尚、上記したエンクロージャ101は、スピーカキャビネット、或いは、スピーカボックスに相当するものである。
この際、エンクロージャ101の各第1面101a及び各第2面101bにフルレンジのスピーカユニット102をそれぞれ取り付けている例が図28に示した如く開示されている。
また、上記の例とは異なって、図29に示したように、エンクロージャ101の各第1面101aに低音域用のスピーカユニット103をそれぞれ取り付け、且つ、各第2面101bに高音域用のスピーカユニット104をそれぞれ取り付ける例も開示されている。
更に、図29中において、110はデジタル入力信号、111はデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、112はDSP111に付設した操作パネル、113はD/Aコンバータ、114はアナログ・アッテネータ、115はパワーアンプであり、デジタル入力信号110はDSP111,D/Aコンバータ113,アナログ・アッテネータ114,パワーアンプ115を順に通って各スピーカユニット102又は各スピーカユニット103,104に供給されている。
ここで、エンクロージャ101の32面からなる多面体に、フルレンジのスピーカユニット102、又は、低音域用のスピーカユニット103及び高音域用のスピーカユニット104をそれぞれ配置したスピーカ体は、これをそのまま駆動した場合に、図30に摸式的に示したように、周波数レスポンスにピークPとディップDが生じるために、前記の各スピーカユニット102又は各スピーカユニット103,104の駆動信号に対して図29中に示したDSP111によりディップDへの逆特性のフィルタリングを行い、この後、D/Aコンバータ113によりデシタル信号をアナログ信号に変換して、アナログ・アッテネータ114,パワーアンプ115を順に介して各スピーカユニット102又は各スピーカユニット103,104に供給されている旨が開示されている。
ところで、上記した従来の点音源・無指向性・スピーカシステム100では、前述したように、エンクロージャ101の32面からなる多面体に、フルレンジのスピーカユニット102、又は、低音域用のスピーカユニット103及び高音域用のスピーカユニット104をそれぞれ配置しているものの、前記の各スピーカユニット102又は各スピーカユニット103,104に一体的に取り付けられた各自固有の振動板(図示せず)をそれぞれ振動させて各再生音を得ていることは明らかである。
この場合に、隣り合うスピーカユニット間には振動板が介在せずに、剛性を持ったエンクロージャ101の一部が介在しているために、前記の各スピーカユニット102又は各スピーカユニット103,104からの各再生音を合成した合成再生音は良好な点音源として得られない場合が起こり得る。
また、図30を用いて前述したように、前記の各スピーカユニット102又は各スピーカユニット103,104により得られる各再生音の周波数レスポンスにおいて生じるディップDに対してDSP111により逆補正しているものの、このディップDそのものの発生をスピーカユニットの構造形態により極力低減できれば、DSP111による逆補正も低減できることは明らかである。
そこで、呼吸球として無指向性を持った良好な点音源が得られ、且つ、複数のスピーカにより得られる各再生音の周波数レスポンスにおいて生じるディップも低減でき、且つ、多角形の振動板セグメントを複数個接合した振動板を含んで略球殻状に多面状振動板組立体を形成して、この多面状振動板組立体の内面側に各振動板セグメントと対向してスピーカ駆動ユニットを複数配置する際に、複数のスピーカ駆動ユニットを各振動板セグメントと対向して生産性良く3次元的に放射状に組み立てることができる構造形態を備えた電気音響変換器が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、電気音響変換器において、
多角形の振動板セグメントを複数個接合した振動板を含んで略球殻状に形成された多面状振動板組立体と、
スピーカハウジングと、前記スピーカハウジングに揺動自在に支持されて一端部が前記振動板セグメントの内面の中心部位に接着されたボビンと、前記ボビンの他端部に取り付けられたボイスコイルと、前記ボイスコイルに駆動力を発生させるヨーク及びマグネットとを少なくとも有し、前記多面状振動板組立体の内面側に前記振動板セグメントとそれぞれ対向して配置された複数のスピーカ駆動ユニットと、
前記振動板セグメントと対向する面を多角形面とした多角錐又は多角錐台よりなるスピーカ取付台を複数含んで略球状に結合され、それぞれの前記多角形面に前記スピーカ駆動ユニットが取り付けられて、前記多面状振動板組立体内に収納された多面状取付台組立体と、を備えたことを特徴とする電気音響変換器である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の電気音響変換器において、
前記多面状取付台組立体は、各前記スピーカ取付台の外周側面同士が凹凸嵌合により結合されていることを特徴とする電気音響変換器である。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の電気音響変換器において、
前記多面状振動板組立体の一部に前記振動板セグメントと同じ外形を有する少なくとも一つの台座を含むことにより、前記多面状振動板組立体が略球殻状に形成されていることを特徴とする電気音響変換器である。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の電気音響変換器において、
前記多面状取付台組立体は、前記スピーカ取付台と略同じ形状を有する少なくとも一つの支持台を含んで略球状に結合され、且つ、前記支持台は前記台座と対向しており、
各前記スピーカ駆動ユニットの配線を通すためのパイプ部材を少なくとも一つ備え、
前記パイプ部材は一端部が前記支持台に固着され、且つ、前記台座に形成した貫通孔を通されて前記台座に接着されていることを特徴とする電気音響変換器である。
また、請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の電気音響変換器において、
前記多面状振動板組立体は、前記振動板のみで略球殻状に形成され、且つ、前記振動板中で少なくとも一つの前記振動板セグメントの中心部位にパイプ挿入孔を有してなり、
各前記スピーカ駆動ユニットの配線を通すためのパイプ部材を少なくとも一つ備え、
前記パイプ部材は前記パイプ挿入孔内に挿通されて一端部が前記スピーカ駆動ユニットに支持されていることを特徴とする電気音響変換器である。
また、請求項6記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の電気音響変換器において、
前記多面状振動板組立体は、前記振動板のみで略球殻状に形成され、且つ、前記振動板中で少なくとも一つの前記振動板セグメントの中心部位にパイプ挿入孔を有してなり、
各前記スピーカ駆動ユニットの配線を通すためのパイプ部材を少なくとも一つ備え、
前記パイプ部材は前記パイプ挿入孔内に挿通されて一端部が前記スピーカ駆動ユニットの中心部位を挿通して該スピーカ駆動ユニットを取り付けた前記スピーカ取付台に支持されていることを特徴とする電気音響変換器である。
また、請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項6のうちいずれか1項記載の電気音響変換器において、
前記多面状振動板組立体を構成する各前記振動板セグメントの内面側の各辺の接合部位と、前記多面状取付台組立体を構成する各前記スピーカ取付台とを連結する複数の振動板連結部材を備えたことを特徴とする電気音響変換器である。
更に、請求項8記載の発明は、請求項7記載の電気音響変換器において、
前記振動板連結部材は、前記振動板セグメントの可撓性よりも大なる可撓性を有することを特徴とする電気音響変換器である。
請求項1記載の電気音響変換器によれば、多角形の振動板セグメントを複数個結合した振動板を含んで略球殻状に多面状振動板組立体を形成し、この多面状振動板組立体の内面側に各振動板セグメントと対向して各スピーカ駆動ユニットを複数配置すると共に、各スピーカ駆動ユニットの各ボビンの一端部を各振動板セグメントの内面の中心部位に接着して電気音響変換器を構成した際に、振動板セグメントと対向する面を多角形面とした多角錐又は多角錐台よりなるスピーカ取付台を複数含んで略球状に結合され、それぞれの多角形面にスピーカ駆動ユニットが取り付けられて、多面状振動板組立体内に収納された多面状取付台組立体を備えているので、多角形の振動板セグメントを複数個接合した振動板により呼吸球として無指向性を持った良好な点音源が得られ、且つ、各振動板セグメントの振動により得られる各再生音の周波数レスポンスにおいて生じるディップも低減できる。更に、電気音響変換器を量産するにあたって、一つのスピーカ駆動ユニットを一つのスピーカ取付台(多角錐又は多角錐台)の上面の中心部位に取り付けた状態で多数個用意しておき、スピーカ駆動ユニットを取り付けたスピーカ取付台を複数結合して多面状取付台組立体を組み立てることにより、電気音響変換器の生産性向上に寄与できる。
また、請求項2記載の電気音響変換器によれば、多面状取付台組立体は、各スピーカ取付台の外周側面同士が凹凸嵌合により結合されているので、多面状取付台組立体を位置精度良く組み立てることができる。
また、請求項3記載の電気音響変換器によれば、多面状振動板組立体の一部に振動板セグメントと同じ外形を有する少なくとも一つの台座を含むことにより、多面状振動板組立体が略球殻状に形成されているので、少なくとも一つの台座により多角形の振動板セグメントを複数個接合した振動板を支持でき、また、少なくとも一の台座は電気音響変換器の底面用として機能させることができ、更に、複数の電気音響変換器を連結する際にも必要となるものである。
また、請求項4記載の電気音響変換器によれば、多面状取付台組立体は、スピーカ取付台と略同じ形状を有する少なくとも一つの支持台を含んで略球状に結合され、且つ、支持台は台座と対向しており、各スピーカ駆動ユニットの配線を通すためのパイプ部材を少なくとも一つ備え、パイプ部材は一端部が支持台に固着され、且つ、台座に形成した貫通孔を通されて台座に接着されているので、少なくとも一つの台座により多角形の振動板セグメントを複数個接合した振動板を支持でき、また、パイプ部材によって各スピーカ駆動ユニット内に設けた各ボイスコイルの引き出し線を外部に引き出すことができ、且つ、少なくとも一つの電気音響変換器を支持することができ、更に、複数の電気音響変換器を連結することもできる。
また、請求項5記載の電気音響変換器によれば、多面状振動板組立体は、振動板のみで略球殻状に形成され、且つ、振動板中で少なくとも一つの振動板セグメントの中心部位にパイプ挿入孔を有してなり、各スピーカ駆動ユニットの配線を通すためのパイプ部材を少なくとも一つ備え、パイプ部材はパイプ挿入孔内に挿通されて一端部がスピーカ駆動ユニットに支持されているので、多面状振動板組立体中の全ての面に設けた各振動板セグメントが振動可能となり、全ての振動板セグメントを接続した振動板の振動特性を更に向上させることができると共に、パイプ部材によって各スピーカ駆動ユニット内に設けた各ボイスコイルの引き出し線を外部に引き出すことができ、且つ、少なくとも一つの電気音響変換器を支持することができ、更に、複数の電気音響変換器を連結することもできる。
また、請求項6記載の電気音響変換器によれば、多面状振動板組立体は、振動板のみで略球殻状に形成され、且つ、振動板中で少なくとも一つの振動板セグメントの中心部位にパイプ挿入孔を有してなり、各スピーカ駆動ユニットの配線を通すためのパイプ部材を少なくとも一つ備え、パイプ部材はパイプ挿入孔内に挿通されて一端部がスピーカ駆動ユニットの中心部位を挿通してスピーカ駆動ユニットを取り付けたスピーカ取付台に支持されているので、多面状振動板組立体中の全ての面に設けた各振動板セグメントが振動可能となり、全ての振動板セグメントを接続した振動板の振動特性を更に向上させることができると共に、パイプ部材によって各スピーカ駆動ユニット内に設けた各ボイスコイルの引き出し線を外部に引き出すことができ、且つ、少なくとも一つの電気音響変換器を支持することができ、更に、複数の電気音響変換器を連結することもできる。
また、請求項7記載の電気音響変換器によれば、多面状振動板組立体を構成する各振動板セグメントの内面側の各辺の接合部位と、多面状取付台組立体を構成する各スピーカ取付台とを連結する複数の振動板連結部材を備えているので、多面状振動板組立体が比較的大きい場合とか、多面状振動板組立体中の各エッジ部材が柔らかい部材で形成されている場合でも、多面状振動板組立体中の各振動板セグメント自体の自重による変形が生じないので良好な音響特性が得られる。
更に、請求項8記載の電気音響変換器によれば、振動板セグメントの可撓性よりも大なる可撓性を有しているので、振動板セグメントの振動に影響なく、振動板セグメントを支持することができる。
以下に本発明に係る電気音響変換器の一実施例について図1〜図27を参照して実施例1〜実施例6の順に詳細に説明する。
本発明に係る電気音響変換器では、多角形の振動板セグメントを複数個接合した振動板を含んで略球殻状に多面状振動板組立体を形成し、この多面状振動板組立体の内面側に各振動板セグメントと対向して複数のスピーカ駆動ユニットットを3次元的に放射状に配置したものである。
尚、以下の実施例1,2,4,5では、多角形の振動板セグメントとして例えば正五角形に形成した一例を示し、この正五角形の振動板セグメントを複数個接合した振動板を含んで略球殻状に多面状振動板組立体を形成する時に、振動板は正五角形の振動板セグメントを例えば11面有して形成される場合について説明するが、多角形の振動板セグメントの角数は上記した五角形に限られるものでもなく、適宜な角数の振動板セグメントにより適宜な面数による振動板を得ることも可能である。
また、以下の実施例3,6では、多角形の振動板セグメントとして例えば正五角形に形成した一例を示し、この正五角形の振動板セグメントを複数個接合した振動板を含んで略球殻状に多面状振動板組立体を形成する時に、振動板は正五角形の振動板セグメントを例えば12面からなる全ての面に形成される場合について説明するが、この場合でも、多角形の振動板セグメントの角数は上記した五角形に限られるものでもなく、適宜な角数の振動板セグメントにより多面状の全ての面に振動板セグメントを有する振動板を得ることも可能である。
図1は本発明に係る実施例1の電気音響変換器の外観形状を正面側から見た斜視図、
図2は本発明に係る実施例1の電気音響変換器の外観形状を底面側から見た斜視図、
図3は本発明に係る実施例1の電気音響変換器の概略構成を摸式的に示した斜視図である。
図1及び図2に示した如く、本発明に係る実施例1の電気音響変換器10Aは、樹脂シート材などを用いて多角形に形成した振動板セグメント12を複数個接合した振動板11を含んで略球殻状に形成した多面状振動板組立体11Aと、この多面状振動板組立体11Aの内面側に各振動板セグメント12と対向して3次元的に放射状に配置した複数のスピーカ駆動ユニットット20A(図3)とから構成されて、呼吸球に近い無指向性の点音源が得られるようになっている。
この際、後述するように、上記した振動板11を作成する際に、多角形の振動板セグメント12を複数個に亘って平面的に展開し、この後、複数個の振動板セグメント12を略球殻状に形成する方法を採用したものであり、複数個の振動板セグメント12と対向して配置される複数のスピーカ駆動ユニット20A(図3)は振動板なしの状態でユニット化されているものである。
即ち、この実施例1では、樹脂シート材などを用いて例えば正五角形に形成した振動板セグメント12を11個接合した振動板11と、この振動板11の底面と対応する部位に振動板セグメント12と同じ外形を有して剛性を持って形成した正五角形の台座13とを、隣り合う振動板セグメント12間にそれぞれ形成した複数のエッジ部12f及び下記する複数のエッジ部材14を介して略球殻状に結合して合計12面からなる多面状振動板組立体11Aを得ている。
この際、隣り合う正五角形の振動板セグメント12同士を結合すると共に、底面となる正五角形の台座13を隣り合う正五角形の振動板セグメント12に結合する時には、結合が必要な正五角形の各辺にゴム材などを用いた可撓性を有するエッジ部材14を取り付けて結合している。
また、図2に示したように、正五角形の台座13の中心部位には貫通孔13aが形成されて、この貫通孔13a内に配線用兼支持用のパイプ部材15が進入しており、このパイプ部材15の一端部に形成したネジ部(図示せず)は、後述する多面状スピーカハウジング組立体26中でスピーカハウジング27と略同じ外形を有して底面となる一つの支持板(以下、五角形板と記す)28{図7(b)}に形成したネジ孔(図示せず)に螺合して固着されているので、多面状スピーカハウジング組立体26に取り付けられた11個のスピーカ駆動ユニット20Aの配線用ワイヤがパイプ部材15内に挿通されて外部に引き出し可能になっている。
この際、台座13の貫通孔13aとパイプ部材15の外周面との間に接着剤を充填することで、正五角形の台座13がパイプ部材15に支持されると共に、合計12面からなる多面状振動板組立体11A中で11面からなる振動板11は正五角形の台座13の各辺に各エッジ部材14を介して支持されることになる。
また、図3に示した如く、略球殻状に形成された多面状振動板組立体11Aの内部には、11個設けられた振動板セグメント12の各内面側と対向してスピーカ駆動ユニット20Aが3次元的に放射状に11個配置されている。
そして、11個のスピーカ駆動ユニット20Aの各構成部材は、後述するように正五角形の振動板セグメント12と同じ角数に設定され且つ略正五角形に形成された11個のスピーカハウジング27内にそれぞれ取り付けられた後に、11個のスピーカハウジング27と、スピーカハウジング27と略同じ外形を有し且つ多面状振動板組立体11A中の台座13と対向して底面用として設けられた一つの五角形板28{図7(b)}とを略球殻状に結合して、多面状振動板組立体11Aと略相似で且つ多面状振動板組立体11Aよりも小型で12面を有する多面状スピーカハウジング組立体26が組み立てられている。
これにより、11個の振動板セグメント12と台座13とによる12面の多面状振動板組立体11Aの内面側に、各スピーカ駆動ユニット20Aを取り付けた11個のスピーカハウジング27と一つの五角形板28{図7(b)}とによる合計12面の多面状スピーカハウジング組立体26が収納されることになる。
ここで、本発明に係る実施例1の電気音響変換器10Aの構造について図4〜図8を用いて詳述する。
図4は本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、11個の正五角形の振動板セグメントを接続した振動板を平面的に展開して示した平面図、
図5は図4に示した正五角形の振動板セグメントを拡大して示した斜視図、
図6は本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、隣り合うスピーカ駆動ユニットを組み立てた状態を拡大して示した縦断面図、
図7(a)は図6に示したスピーカハウジングを拡大して示した斜視図であり、(b)は複数のスピーカハウジングと底面用の一つの五角形板とを組み立てた多面状スピーカハウジング組立体を示した斜視図、
図8は本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、隣り合うスピーカ駆動ユニットを組み立てる状態を示した斜視図である。
まず、図4に示した如く、本発明に係る実施例1の電気音響変換器10Aに用いられる振動板11は、樹脂シート材などを用いて例えば正五角形に形成した振動板セグメント12が11個に亘って平面的に展開した状態で予め形成されている。ここでは、振動板11に用いられる樹脂シート材の一例として、振動特性が良好な発泡ポリプロピレンシート材が適用されている。
また、振動板11中で図示中央部に位置する正五角形の振動板セグメント12を天面用として用いた時に、この天面用の振動板セグメント12の各辺(5辺)に上側面用の振動板セグメント12がそれぞれ連接して合計5個形成され、且つ、合計5個の上側面用の振動板セグメント12に下側面用の振動板セグメント12がそれぞれ連接して合計5個形成されている。この際、振動板セグメント12同士が接続している部位はエッジ部12fが予め形成されているものの、振動板セグメント12同士が切り離されている部位は、隣り合う振動板セグメント12のうちで互いに対向する辺同士にエッジ部材14(図1,図2)が接着剤を用いて接着されることで略球殻状に結合されている。
ここで、振動板11(図1〜図4)の一部を構成する正五角形の振動板セグメント12を図5に拡大して示すと、正五角形の振動板セグメント12はこの中心軸Oを中心にして凹球面状の凹球面部12aが上方に向かって僅かな高さで突出形成され、この凹球面部12aを囲むように凸状リング部12bが同心でリング状に突出形成されており、この凸状リング部12bの内周面に沿って後述するスピーカ駆動ユニット20Aのボビン24(図6)の一端部が接着されるようになっているので、正五角形の振動板セグメント12の中心軸Oはスピーカ駆動ユニット20Aのボビン24の中心軸と同心である。
尚、実施例1では、正五角形の振動板セグメント12の中心部位に凹球面部12aが形成されているが、この凹球面部12aに代えて平坦な円形面部又は僅かに凸状に突出した凸球面部であっても良い。
更に、振動板セグメント12の凸状リング部12bの外周に連接して傾斜面部12cが振動板セグメント12の中心軸Oに対して偏心量Hだけ偏って偏心軸OHを中心になだらかな傾斜で外周側の平坦面部12eに向かって錐状に形成されている。そして、振動板セグメント12の傾斜面部12cと平坦面部12eとが交わる境界部位に上記した偏心軸OHを中心にして凸状リング部12bに対して偏心量Hだけ偏った大径円12dの軌跡が得られている。これを言い換えると、振動板セグメント12上で偏心した大径円12dの外周から振動板セグメント12の中心部位に設けた凸状リング部12bに向かって傾斜面部12cが形成されていることになる。
ここで、振動板セグメント12の傾斜面部12cの傾斜形状を分かりやすく図示するために仮想線で図示しており、図示右側の仮想線の長さは短く傾斜が急であるが、図示左側の仮想線の長さは長く傾斜がゆるくなっている。尚、傾斜部12の外周側の大径円12dは真円に限定されず、楕円であっても良い。
この際、振動板セグメント12上での偏心量Hと大径円12dの径は正五角形の振動板セグメント12の外形サイズに応じて決めれば良いものであり、後述するように偏心量Hが大きくなれば音響特性が良好に得られる。
また、正五角形に形成された振動板セグメント12上で得られる傾斜面部12c及び大径円12dの偏心方向は、振動板セグメント12が1個だけの場合について言えば、正五角形の一つの頂角側に偏心させれば音響特性が良好となる。
更に、正五角形に形成された振動板セグメント12上で得られる傾斜面部12c及び大径円12dの偏心方向は、振動板セグメント12を略球殻状に11個結合した場合について言えば、先に図4で示した天面用の振動板セグメント12に対しては適宜な方向でかまわないものの、5個の上側面用の振動板セグメント12に対しては5個の下側面用の振動板セグメント12に向かう方向に偏心させる一方、5個の下側面用の振動板セグメント12に対しては5個の上側面用の振動板セグメント12に向かう方向に偏心させることで、上側面用の振動板セグメント12の傾斜面部12c及び大径円12dと下側面用の振動板セグメント12の傾斜面部12c及び大径円12dとが上下対称に偏心されているために、各振動板セグメント12により得られる各再生音の周波数レスポンスにおいて生じるディップD(図11)の発生が減少され、より良好な音響特性が得られる。
次に、図6に拡大して示した如く、振動板セグメント12と対向してこの振動板セグメント12を振動させるためのスピーカ駆動ユニット20Aは、振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして下記する各構成部材が同心的に組み立てられている。この際、振動板セグメント12は、スピーカ駆動ユニット20Aを組み立てた後に振動板セグメント12の凸状リング部12bの内周面に沿って下記するボビン24の一端部24aが接着されるので、前述したように実施例1で用いられるスピーカ駆動ユニット20Aは振動板なしの状態でユニット化されたものである。
上記したスピーカ駆動ユニット20Aは、後述するように、このスピーカ駆動ユニット20Aの基台となる一つのスピーカハウジング27が互いに隣り合うスピーカハウジング27同士に対して接合可能になっている。
ここで、スピーカ駆動ユニット20Aの各構成部材について順に説明すると、ヨーク21は、軟磁性材を用いて内部を円形凹状に肉抜きした円形凹部21aと、この円形凹部21aの外壁となるリング状外壁部21bとが同心的に形成されている。
また、円筒状のマグネット22は、ヨーク21の円形凹部21a内で振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして接着剤などを用いて同心的に固着され、且つ、この円形凹部21a内でマグネット22の外周面22aとの間にリング状隙間Sを持って配置されている。
また、円筒状のポールピース23は、円筒状のマグネット22上に振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして接着剤などを用いて同心的に固着され、且つ、マグネット22の外周面22aの径と略同径の外周面23aが形成されている。
また、ボビン24は、非磁性の樹脂材を用いて長尺な管状に形成され、且つ、スピーカ駆動ユニット20Aを組み立てた後に一端部24aが振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして形成した凸状リング部12bの内周面に沿って接着剤を用いて接着されると共に、他端部24b側の内周面24cがポールピース23の外周面23aに対してごく僅かな隙間を隔てて対向するように配設されている。
また、リング状のボイスコイル25は、ボビン24の他端部24b側の外周面24dに接着剤を用いて固着されており、このボイスコイル25を固着したボビン24の他端部24b側がヨーク21の円形凹部21a内でこのヨーク21のリング状外壁部21bとポールピース23の外周面23aとの間に形成されたリング状隙間S内に挿入されている。
また、スピーカハウジング27は、非磁性の樹脂材を用いて5個の外周側面27aの内側上方に略正五角形の上面27bが形成されていると共に、振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして内部下方部位に肉抜きして形成した下方円形凹部27c内にヨーク21のリング状外壁部21bが接着剤を用いて固着され、且つ、下方円形凹部27cの上方にボビン24が進入する貫通孔27d及び上方円形凹部27eが同心的に形成され、更に、各外周側面27aの頂角部位に空気流通用円弧状切り欠き部27fが形成されている。
また、第1のサスペンション29は、ポリイミドなどを用いて薄い厚みでリング状に形成されており、外周部がスピーカハウジング27の上方に形成した上方円形凹部27eの外周面上に接着剤を用いて固着され、且つ、内周部がボビン24の軸方向の中間部位に位置する外周面24dに接着剤を用いて固着されて、ボビン24と一体に中心軸方向に揺動自在になっている。
また、リング状スペーサ30は、樹脂材を用いて所定の厚みを持ってリング状に形成され、且つ、スピーカハウジング27の上面27b上に接着剤を用いて固着されている。
更に、第2のサスペンション31は、上記した第1のサスペンション29と同様に形成されてこの第1のサスペンション29よりも上方に位置しており、外周部が所定の厚みを持ったリング状スペーサ30上に接着剤を用いて固着され、且つ、内周部がボビン24の外周面24dに接着剤を用いて固着されて、ボビン24と一体に中心軸方向に揺動自在になっている。
尚、この実施例1では、ボイスコイル25の引き出し線25aを、ヨーク21の底面21cに形成して絶縁皮膜が施された孔21c1を通して外部に引き出すようにしているが、これに限ることなく、ボイスコイル25の引き出し線25aをスピーカハウジング27側から外部に引き出すようにしても良い。
そして、スピーカ駆動ユニット20Aを組み立てる時には、スピーカハウジング27の下方円形凹部27c内にヨーク21のリング状外壁部21bを接着剤により固着し、且つ、ヨーク21の円形凹部21a内に円筒状のマグネット22と円筒状のポールピース23とを振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして積層して取り付けている。更に、ボビン24の他端部24b側の外周面24dにボイスコイル25を接着した状態で、このボビン24の外周面24dの中間部位を、スピーカハウジング27の上方円形凹部27e内に取り付けた第1のサスペンション29とリング状スペーサ30を介して取り付けた第2のサスペンション31とで揺動自在に支持し、且つ、ボビン24の他端部24b側の内周面24cをポールピース23の外周面23aに対してごく僅かな隙間を隔てて対向するように配設している。
更に、スピーカ駆動ユニット20Aを組み立てた後に、ボビン24の一端部24aを振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして形成した凸状リング部12bの内周面に沿って接着剤を用いて接着している。
上記のように各構成部材により構成された一つのスピーカ駆動ユニット20Aにおいて、ヨーク21と、マグネット22と、ポールピース23と、ボビン24の外周面24dに固着したボイスコイル25とにより磁気回路を形成し、外部からボイスコイル25に駆動電流を供給すると、上記した磁気回路によりボイスコイル25に駆動力が発生してボビン24が第1,第2のサスペンション29,31に揺動自在に支持されながら中心軸方向に移動するので、このボビン24の一端部24aに接着された振動板セグメント12が振動して再生音を得るものである。そして、合計で11個のスピーカ駆動ユニット20Aを駆動すると、多面状多角形振動板セグメント12を構成する11個の振動板セグメント12が振動し、各振動板セグメント12の振動を合成して得た再生音(以下、合成再生音と記す)が得られるようになっている。
ここで、図7(a)に拡大して示した如く、上記したスピーカハウジング27は、実施例1の要部を構成する部材であり、樹脂材を用いて5個の外周側面27aの内側上方に上面27bが正五角形の振動板セグメント12と同じ角数で略正五角形状に形成されている。
この際、スピーカハウジング27の各外周側面27aは、内側に向かって外形が小さくなるような傾斜面となっており、且つ、各外周側面27aにピン部27a1が突出形成されていると共に、このピン部27a1に並んでピン嵌合孔27a2が形成されている。
また、スピーカハウジング27は、先に図6を用いて説明したように内部下方部位に下方円形凹部27c(図6のみ図示)が凹状に肉抜きして形成され、且つ、内部上方部位に上方円形凹部27eが凹状に肉抜きして形成されていると共に、下方円形凹部27cと上方円形凹部27eとの間に貫通孔27dが貫通して形成されている。
更に、スピーカハウジング27の各外周側面27aの頂角部位には、空気流通用円弧状切り欠き部27fが形成されている。
ここで、上記のように形成した11個のスピーカハウジング27と一つの五角形板28{図7(b)}とを仮に合体させて12面の多面状スピーカハウジング組立体26を得る場合には、複数のスピーカハウジング27中で互いに接合していない各外周側面27a同士を対向させて、一方のスピーカハウジング27の外周側面27aから突出させたピン部27a1を他方のスピーカハウジング27の外周側面27aに形成したピン嵌合孔27a2に嵌め合わせて凹凸嵌合により位置出しを行って両者を結合し、これを繰り返して11個のスピーカハウジング27と底面用の一つの五角形板28{図7(b)}とを凹凸嵌合により略球殻状に結合させると多面状スピーカハウジング組立体26が得られる。
尚、この実施例1では、隣り合うスピーカハウジング27同士を結合する際に、ピン部27a1とピン嵌合孔27a2とにより凹凸嵌合させているものの、これに限定されることなく、相互に位置出し可能な凹凸嵌合でも良い。
そして、図7(b)に示したように、11個のスピーカハウジング27と一つの五角形板28とを仮に合体させると、12面の多面状スピーカハウジング組立体26が略球殻状に得られるが、この際、多面状スピーカハウジング組立体26の各頂角部位には各スピーカハウジング27の頂角部位に形成した空気流通用円弧状切り欠き部27fを3個合わせた空気流通用孔が形成され、この空気流通用孔を通して振動板11(図1〜図6)と多面状スピーカハウジング組立体26との間の空気が多面状スピーカハウジング組立体26内に流れ込むことができるので、多面状スピーカハウジング組立体26内での空気容量の増加に伴ってより低い周波数側に低域の共振周波数foがシフトするために特に低音域において良好な音響特性が得られる。
尚、この実施例1では、多面状スピーカハウジング組立体26に形成した空気流通用孔は、各スピーカハウジング27の頂角部位に形成した空気流通用円弧状切り欠き部27fを3個合わせた例を提示したが、これに限ることなく、空気流通用孔を多面状スピーカハウジング組立体26の適宜な位置に適宜な形状で少なくとも一つ以上形成しておけば良いものである。
更に尚、実施例1におけるスピーカハウジング27は、この上面27bが振動板セグメント12と同じように略正五角形に形成されることで、このスピーカハウジング27を略球殻状に複数個結合した時に小型化が図れるが、これに限ることなく、スピーカハウジングの上面は振動板セグメント12の角数よりも大きな角数を有した多角形であれば良く、この多角形のスピーカハウジングを略球殻状に複数個結合して多面状スピーカハウジング組立体を得た時に、スピーカハウジングの数は各振動板セグメント12と対向できる面数を有すれば良いものである。
ところで、実施例1の電気音響変換器10Aを実際に組み立てる場合には、図6及び図8に示したように、一つのスピーカハウジング27をベースにして、このスピーカハウジング27の内側に、スピーカ駆動ユニット20Aを構成する各構成部材としてヨーク21と、マグネット22と、ボールピース23と、ボイスコイル25を固着させたボビン24と、第1のサスペンション29と、スペーサ30と、第2のサスペンション31とを上記順で組み立ててスピーカ駆動ユニット20Aを得た後、スピーカ駆動ユニット20Aを11個のスピーカハウジング27の上面27bに取り付けると共に、これら11個のスピーカハウジング27に底面となる一つの五角形板28{図7(b)}を合体させて多面状スピーカハウジング組立体26を得て、一つの五角形板28{図7(b)}に配線用兼支持用のパイプ部材15(図1〜図3)を固着させている。
この後、多面状スピーカハウジング組立体26中の一つの五角形板28{図7(b)}と対向した台座13(図2)の貫通孔13a内に一つの五角形板28{図7(b)}に固着させたパイプ部材15(図1〜図3)を挿通し、更に、11個のスピーカ駆動ユニット20A中の各ボビン24の一端部24aに接着剤を充填し、且つ、各ボビン24の一端部24aの上方から11面の振動板11をかぶせて、各ボビン24の一端部24aを振動板11中の各振動板セグメント12の凸状リング部12b内にそれぞれ接着することで、11面の振動板11と台座13(図2)とによる12面の多面状振動板組立体11A内に、これと略相似で小型に形成した12面の多面状スピーカハウジング組立体26が収納されて、実施例1の電気音響変換器10Aが完成する。
尚、図8中には、スピーカ駆動ユニット20A中のボビン24を中心軸方向に揺動自在に支持する第1,第2のサスペンション29,31の形状を具体的に図示している。
上記から、複数のスピーカ駆動ユニット20Aを多面状スピーカハウジング組立体26中の複数のスピーカハウジング27に取り付けているので、複数のスピーカ駆動ユニット20Aを取り付けるための多面状支持体を別に設ける必要がないために、実施例1の電気音響変換器10Aを安価に提供できる。
次に、上記のように作製した実施例1の電気音響変換器10Aの音響特性について図9〜図13を用いて説明する。
図9は本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、振動板セグメントの傾斜面部及び大径円が偏心していない場合に、振動板セグメント表面の定在波分布を説明するための図、
図10は本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、振動板セグメントの傾斜面部及び大径円が偏心している場合に、振動板セグメント表面の定在波分布を説明するための図、
図11は本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、振動板セグメントによる再生音の周波数特性を示した図、
図12は本発明に係る実施例1の電気音響変換器における合成再生音の周波数特性を示した図、
図13は本発明に係る実施例1の電気音響変換器の指向特性を示した図である。
図9及び図10は、振動板セグメント12の中心軸Oに対して振動板セグメント12の傾斜面部12c及び大径円12dが偏心していない場合と、偏心している場合とに対して振動解析をそれぞれ行った時の振動の様子を示しており、振動解析条件として、実際の磁気回路の磁界の強さ、実効コイル長と巻き数から得られる力を正弦振動としてボイスコイル25(図6)に加え、例えば12K(Hz)の時に各振動板セグメント12の中心軸方向の変位の分布を実線で示し、且つ、振動板A−A断面形状を二点鎖線で示している。
そして、図9に示したように、振動板セグメント12の傾斜面部12c及び大径円12dが偏心していない場合に、定在波は振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして明らかに対称になっているので、11個の振動板セグメント12による合成再生音では各定在波が重なり合って強調されてしまう。
一方、図10に示したように、一つの振動板セグメント12の傾斜面部12c及び大径円12dが偏心している場合に、定在波は振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして明らかに非対称になっているので、11個の振動板セグメント12による合成再生音では振動板セグメント12上の各定在波による音波の重ね合わせによる強めあい、弱めあいが緩和されるので音響特性が良好となる。
ここで、図11に示した如く、振動板セグメント12による再生音の周波数特性において、正五角形に形成した振動板セグメント12の一辺の長さを例えば34mmに設定し、且つ、振動板セグメント12の傾斜面部12c及び大径円12dの偏心量H(図5,図10)を正五角形の一つの頂角側に例えば0mm, 1.5mm, 3mmとそれぞれ偏心させた場合に、偏心量Hが大きくなるにつれて150(Hz)付近に現れるピークPのレベル値が低くなると共に、8K(Hz)付近に現れるディップDの深さも偏心させることによってなだらかに小さくなるので、偏心量Hが大きい方が各振動板12により得られる各再生音の周波数レスポンスにおいて生じるディップDも低減できるので音響特性が良好となる。
そして、振動板セグメント12の傾斜面部12c及び大径円12dの偏心量H(図5,図10)を例えば3mmに設定した場合、11個の振動板セグメント12を略球殻状に形成した電気音響変換器10Aにおける合成再生音の周波数特性は図12に示したようになる。この場合、11個の振動板セグメント12においては偏心により抑制された合成再生音のピークPGが現れる周波数は、一つの振動板セグメント12による再生音のピークP(図11)が現れる150(Hz)付近の周波数よりも一般的に高くなり500(Hz)付近になる。この合成再生音のピークPGは既に抑制されているので、不図示のデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)により点線で示したように合成再生音のピークPGのレベル値が小さくなるように容易に補正することができる。
更に、図13に示したように、11個の振動板セグメント12を略球殻状に形成した電気音響変換器10Aの指向特性は、例えば2K(Hz),5K(Hz),10K(Hz)のいずれの周波数においてもそれぞれ円形な無指向性となり、且つ、3次元的にも略同様の無指向性が得られるので、呼吸球として無指向性を持った良好な点音源が得られる。
次に、実施例1の電気音響変換器10Aの応用例について図14及び図15を用いて簡略に説明する。
図14は本発明に係る実施例1の電気音響変換器の応用例1を示した斜視図、
図15は本発明に係る実施例1の電気音響変換器の応用例2を示した斜視図である。
図14に示した如く、本発明に係る実施例1の電気音響変換器10Aの応用例1では、12面を有する電気音響変換器10A中で底面及び天面に振動板セグメント12を設けずに、12面のうちで底面及び天面を、振動板セグメント12と同じ外形を有する台座13に置き換えて、各台座13を介して配線用兼支持用のパイプ部材15をそれぞれ取り付けることで、複数の電気音響変換器10Aをシリーズに連結して使用することができる。
この際、各パイプ部材15は各台座13に取り付けられると共に、各パイプ部材15の一端部は、各台座13と対向して内部に設けられ且つ多面状スピーカハウジング組立体26中でスピーカハウジング27と略同じ外形を有して略球殻状に結合された各五角形板(各支持板)28{図7(b)}に支持されている。
一方、図15に示した如く、本発明に係る実施例1の電気音響変換器10Aの応用例2では、12面を有する電気音響変換器10A中で適宜ないくつかの面に振動板セグメント12を設けずに、これら複数の面に各台座13を介して配線用兼支持用のパイプ部材15をそれぞれ取り付けることで、複数の電気音響変換器10Aを適宜な方向に向けて連結することができる。
図16は本発明に係る実施例2の電気音響変換器を説明するために模式的に示した斜視図である。
図16に示した本発明に係る実施例2の電気音響変換器10Bは、先に説明した実施例1の電気音響変換器10Aの構成と一部を除いて同様の構成であり、ここでは説明の便宜上、先に示した構成部材に対しては同一の符号を付し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、実施例1に対して異なる点について説明する。
図16に示した如く、本発明に係る実施例2の電気音響変換器10Bも、実施例1と同様に、呼吸球に近い無指向性の点音源が得られるように構成されている。
この実施例2では、11個の振動板セグメント12を有する振動板11を作成する際に、実施例1とは異なって、例えば正五角形に形成された振動板セグメント12が一個づつ予め切り離されて11個用意されており、略正五角形に形成された一つのスピーカハウジング27をベースにして実施例1と同じ構造形態でスピーカ駆動ユニットを組み立てた後に、このスピーカ駆動ユニットのボビン24の一端部に正五角形に形成された振動板セグメント12を接着することで、ユニット化した振動板付きスピーカ駆動ユニット20Bを11個得ている。
この後、実施例2の電気音響変換器10Bを多面状に組み立てる時に、11個のスピーカハウジング27と一つの五角形板28{図7(b)}とを略球殻状に結合して12面の多面状スピーカハウジング組立体26を得ている。
更に、上記した多面状スピーカハウジング組立体26の外側に、11個の振動板付きスピーカ駆動ユニット20Bにそれぞれ取り付けられた11個の振動板セグメント12を略球殻状に接合して振動板11を得ると共に、この振動板11に正五角形に形成された一つの台座13(図2)を略球殻状に結合させて12面の多面状振動板組立体11Aを得ている
この際、振動板セグメント12の各辺が予め切り離されているので、11個の振動板セグメント12を接合した振動板11を略球殻状に形成する場合に、各振動板セグメント12を先に実施例1で図4を用いて説明したと同様の向きに配列させて、隣り合う振動板セグメント12の全ての辺にエッジ部材14(図1,図2)を取り付けて結合している。
従って、実施例2の電気音響変換器10Bでも、先に図1〜図3を用いて説明した実施例1の電気音響変換器10Aと外観形状が同じになり、且つ、実施例1と同様な音響特性となるので、実施例2の電気音響変換器10Bも無指向性を持った点音源として得られ、且つ、ユニット化した振動板付きスピーカ駆動ユニット20Bを多数用意しておけば生産効率を向上させることができると共に、多面状スピーカハウジング組立体26により複数の振動板付きスピーカ駆動ユニット20Bを取り付けるための多面状支持体を別に設ける必要がないために、実施例2の電気音響変換器10Bを安価に提供できる。
更に、ここでの図示を省略するものの、実施例2の電気音響変換器10Bでも、先に図14及び図15を用いて説明した実施例1の応用例1,2と同様に、複数の電気音響変換器10Bを配線用兼支持用のパイプ部材15を介して連結することが可能である。
図17は本発明に係る実施例3の電気音響変換器の外観形状を底面側から見た斜視図、
図18は本発明に係る実施例3の電気音響変換器において、12個の正五角形の振動板セグメントを接続した振動板を平面的に展開して示した平面図、
図19は本発明に係る実施例3の電気音響変換器を説明するために、底面側を主体にして一部破断して模式的に示した斜視図、
図20(a)〜(c)は本発明に係る実施例3の電気音響変換器において、振動板の内面側の各辺の接合部位と、スピーカハウジングとを連結するために、必要に応じて取り付けた振動板連結部材を説明するために示した斜視図である。
図17に示した本発明に係る実施例3の電気音響変換器10Cは、先に説明した実施例1,2の電気音響変換器10A,10Bの構成と一部を除いて同様の構成であり、ここでは説明の便宜上、先に示した構成部材に対しては同一の符号を付し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、実施例1,2と異なる構成部材に新たな符号を付して実施例1,2に対して異なる点について説明する。
図17に示した如く本発明に係る実施例3の電気音響変換器10Cでは、実施例1,2とは異なって、この電気音響変換器10Cの底面となる部位に台座13(図2)が設けられてなく、これに代えて、底面となる部位に配線用兼支持用のパイプ部材15を挿通可能な一つの五角形の振動板セグメント12’を用意して、図18にも示したように、11個の振動板セグメント12と、底面側と対応する一つの振動板セグメント12’とで合計12個が連接した振動板11’を形成し、この振動板11’を隣り合う振動板セグメント12,12’間にそれぞれ形成した複数のエッジ部12f及び複数のエッジ部材14を介して略球殻状に結合させることで、多面状の全ての面に振動板セグメント12,12’が設けられた振動板11’のみで12面の多面状振動板組立体11A’が組み立てられている。
尚、上記した多面状振動板組立体11A’を略球殻状に組み立てる際に、図18に示したように、11個の振動板セグメント12と底面と対応する一つの振動板セグメント12’とを予め連接しておく方法と、11個の振動板セグメント12と底面と対応する一つの振動板セグメント12’とをそれぞれ切り離して後述する各スピーカ駆動ユニット20B,20Cにそれぞれ取り付けた後に12個の振動板セグメント12,12’を接合する方法のいずれでも良い。
ここで、図19に示した如く、上記に伴って、電気音響変換器10Cの底面となる部位に配線用兼支持用のパイプ部材15を取り付ける場合には、底面側と対応する一つの振動板セグメント12’の凹球面部12a内にパイプ挿入孔12a1がこの振動板セグメント12’の中心軸Oを中心にしてパイプ部材15の外径に略一致させて貫通して形成されている。
この際、パイプ部材15の材料は、一つの振動板セグメント12’の内面側に取り付けられる一つのスピーカ駆動ユニット20C内を挿通させるために、アルミ材とか樹脂材などの非磁性材を用いている。
また、一つの振動板セグメント12’に形成した凹球面部12aの内面に、フェルトとか布を用いて管状に形成した管状緩衝材41がパイプ挿入孔12a1の外周に沿って接着されて振動板セグメント12’と一体に中心軸方向に揺動自在になっており、この管状緩衝材41はパイプ部材15をパイプ挿入孔12a1内に挿入した時にパイプ部材15とパイプ挿入孔12a1との隙間から上記振動板セグメント12’の内面側の空気が外部に漏れるのを防ぐために設けたものである。
また、実施例3の電気音響変換器10Cは、11個の振動板セグメント12と対応して各振動板セグメント12の内面側に、実施例1(又は実施例2)で説明した11個のスピーカ駆動ユニット20A(又は20B)が各振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして同心的に取り付けられ、更に、底面側と対応する一つの振動板セグメント12’の内面側にも、11個のスピーカ駆動ユニット20A(又は20B)と一部構造が異なる一つのスピーカ駆動ユニット20Cが振動板セグメント12’の中心軸Oを中心にして同心的に取り付けられており、この一つのスピーカ駆動ユニット20Cによって一つの振動板セグメント12’が11個の振動板セグメント12と同様に振動可能になっている。
更に、11個のスピーカ駆動ユニット20A(又は20B)をそれぞれ取り付けた11個のスピーカハウジング27と、底面側と対応する一つのスピーカ駆動ユニット20Cを取り付けたスピーカハウジング27とによる12面の多面状スピーカハウジング組立体26が実施例1,2と略同様に略球殻状に結合されている。
上記した一つのスピーカ駆動ユニット20Cは、11個のスピーカ駆動ユニット20A(又は20B)の各構成部材中でヨーク21と、マグネット22と、ポールピース23とがパイプ部材15を取り付けるために一部形状を違えている。
具体的に説明すると、一つのスピーカ駆動ユニット20Cの各構成部材中で、ヨーク21は、この底面21cにパイプ部材15の一端部に形成したネジ部15aを螺合させるネジ孔21c2が振動板セグメント12’の中心軸Oを中心にして貫通して形成されている。
また、マグネット22及びポールピース23は、パイプ部材15を挿通させるための各パイプ挿入孔22b,23bが振動板セグメント12’の中心軸Oを中心にしてパイプ部材15の外径に略一致させて貫通して形成されている。
従って、パイプ部材15を電気音響変換器10Cの底面側と対応する一つの振動板セグメント12’の凹球面部12aに形成したパイプ挿入孔12a1から挿入し、更に、パイプ部材15の一端部側をマグネット22,ポールピース23に形成した各パイプ挿入孔22b,23b内を挿通させた後に、パイプ部材15の一端部に形成したネジ部15aをヨーク21の底面21cに形成したネジ孔21c2に螺合させることで、パイプ部材15がヨーク21に固定され、且つ、パイプ部材15内に複数のボイスコイル25の各引き出し線25aを挿通させて外部に引き出している。
上記のように、実施例3における振動板11’は、11個の振動板セグメント12と、底面側と対応した一つの振動板セグメント12’とが連接されて、多面状の全ての面に設けた振動板セグメント12,12’がそれぞれ振動するために、実施例1,2の場合よりも振動板11’の振動特性を更に向上させることができる。
尚、この実施例3では、電気音響変換器10Cの底面側と対応する振動板セグメント12’にパイプ部材15を取り付ける場合について説明したが、先に図14及び図15を用いて説明した実施例1の応用例1,2と同様に、複数の電気音響変換器10Cを配線用兼支持用のパイプ部材15を介して連結する場合には、12個の振動板セグメント12,12’のいくつかに対してパイプ部材15を挿入するためのパイプ挿入孔12a1を中心部位に形成して、各パイプ部材15が取り付けられる上記形状の各振動板セグメント12’に対して上記形状の各スピーカ駆動ユニット20Cを取り付ければ良いものである。
更に、図19に示したように、本発明に係る実施例3の電気音響変換器10Cでは、多面状振動板組立体11A’が比較的大きい場合とか、多面状振動板組立体11A’中の各エッジ部材14が柔らかい部材で形成されている場合に、多面状振動板組立体11A’中の各振動板セグメント12(又は12’)自体の自重により歪まないように、各振動板セグメント12(又は12’)の内面側の各辺の接合部位と、各振動板セグメント12(又は12’)と対向する各スピーカ駆動ユニット20A(又は20B),(20C)を取り付けた各スピーカハウジング27の上面27bとを連結する複数の振動板連結部材42が必要に応じて取り付けられている。
ここで、図20(a)〜(c)に示した如く、上記した振動板連結部材42は、振動板11’(図19)を構成する各振動板セグメント12(又は12’)の振動に対して悪影響を及ぼさないように各振動板セグメント12(又は12’)の可撓性よりも大なる可撓性を有する例えばウレタンゴムなどの材料を用いて形成されている。
この振動板連結部材42は、五角形に形成されたスピーカハウジング27の上面27bの外形寸法に略合わせて底面42aが五角形に形成され、且つ、この底面42a内にスピーカハウジング27の上面27bに取り付けられたリング状スペーサ30を逃げるための円形状逃げ孔42a1が貫通して形成されていると共に、底面42aの各頂角部位に空気流通孔42a2がスピーカハウジング27の空気流通用円弧状切り欠き部27fと対向して形成されている。
また、振動板連結部材42の底面42aの各辺から振動板セグメント12(又は12’)の各辺に向かって徐々に外側に広がるような傾斜面42bが5面に亘って形成されており、各傾斜面42b同士は互いに接続されて、各傾斜面42bの内部に剛性を弱めるための矩形状逃げ孔42b1が貫通してそれぞれ形成されている。
そして、振動板連結部材42の底面42aをスピーカハウジング27の上面27b上に接着剤を用いて取り付けると共に、各傾斜面42bの端部を振動板セグメント12(又は12’)の各辺の接合部位となるエッジ部12f(図18),エッジ部材14に対して内面側から接着剤を用いて取り付けている。
更に、実施例3では、振動板連結部材42の各傾斜面42bの端部は、振動板セグメント12(又は12’)の各辺全部に亘って接着されているが、これに限ることなく、振動板セグメント12(又は12’)の各辺の中央部位だけとか、振動板セグメント12(又は12’)の各辺の両端部位だけを部分的に支持できるような形状の振動板連結部材であっても良い。
上記により、合計12個の振動板セグメント12,12’ を接続した振動板11’を略球殻状に形成した多面状振動板組立体11A’では、個々の振動板セグメント12,12’の各内面側が個々の振動板連結部材42により支持されるので、多面状振動板組立体11A’中の各振動板セグメント12,12’の自重による変形が生じないので良好な音響特性が得られる。
尚、振動板セグメント12の内面側を振動板連結部材42により支持する技術的思想は、先に説明した実施例1,2における11個の振動板セグメント12を接続した振動板11を略球殻状に形成した多面状振動板組立体11A(図1〜図3)にも適用することが可能である。
図21は本発明に係る実施例4の電気音響変換器の概略構成を摸式的に示した斜視図、
図22は本発明に係る実施例4の電気音響変換器において、隣り合うスピーカ駆動ユニットを組み立てた状態を拡大して示した縦断面図、
図23は本発明に係る実施例4の電気音響変換器において、(a)は多面状取付台組立体中の五角錐を拡大して示した斜視図であり、(b)は多面状取付台組立体中の五角錐台を拡大して示した斜視図、
図24は複数の五角錐を組み立てた多面状取付台組立体を示した斜視図である。
図21に示した本発明に係る実施例4の電気音響変換器10Dは、先に説明した実施例1の電気音響変換器10Aの構成と一部を除いて同様の構成であり、ここでは説明の便宜上、先に示した構成部材に対しては同一の符号を付し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、実施例1と異なる構成部材に新たな符号を付して実施例1に対して異なる点について説明する。
図21に示した本発明に係る実施例4の電気音響変換器10Dも、実施例1と同様に、先に図4で示したような正五角形に形成した振動板セグメント12を11個接続した振動板11と、この振動板11の底面となる部位に剛性を持って形成した正五角形の台座13(図2)とを略球殻状に結合して合計12面からなる多面状振動板組立体11Aを得ていると共に、台座13の中心部位に配線用兼支持用のパイプ部材15を取り付けている。
従って、実施例4の電気音響変換器10Dの外観形状は、先に図1,図2を用いて説明した実施例1の電気音響変換器10Aと同じになることで、呼吸球に近い無指向性の点音源が得られるように構成されているものの、略球殻状に12面を有して形成された多面状振動板組立体11Aの内部構造が実施例1に対して異なっている。
即ち、本発明に係る実施例4の電気音響変換器10Dでは、12面を有して略球殻状に形成した多面状振動板組立体11Aの内部に、11個のスピーカ駆動ユニット20Dを取り付けるためにそれぞれ五角錐に形成された11個のスピーカ取付台(以下、五角錐と記す)52と、底面用として五角錐52と略同じ形状に形成した一つの支持台(以下、一つの五角錐と記す)52とを略球状に結合して、多面状振動板組立体11Aと略相似で且つ多面状振動板組立体11Aよりも小型に形成された12面の多面状取付台組立体51が収納されている。
ここで、図22に拡大して示した如く、振動板11中で隣り合う振動板セグメント12同士は必要に応じてエッジ部材14を用いて結合し、また、台座13(図2)と隣り合う各振動板セグメント12に対してもエッジ部材14を用いて結合している。
また、振動板セグメント12と対向してこの振動板セグメント12を振動させるためのスピーカ駆動ユニット20Dは、振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして下記する各構成部材が同心的に組み立てられている。この際、振動板セグメント12はスピーカ駆動ユニット20Dを組み立てた後に振動板セグメント12の内面の中心部位に下記するボビン24の一端部24aが接着されるので、実施例4で用いられるスピーカ駆動ユニット20Dは振動板なしの状態でユニット化されたものである。
上記したスピーカ駆動ユニット20Dは、実施例1と異なって、このスピーカ駆動ユニット20Dの基台となるスピーカハウジング53が隣り合うスピーカハウジング53に対して切り離されている。
上記したスピーカハウジング53は、非磁性の樹脂材を用いて円筒状の外周側面53aの内側上方に上面53bがリング状に形成されていると共に、振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして内部下方部位に下方円形凹部53cが肉抜きして形成され、且つ、下方円形凹部53cの上方に貫通孔53d及び上方円形凹部53eが同心的に形成されている。
そして、スピーカ駆動ユニット20Dを組み立てる時には、実施例1と略同様に、スピーカハウジング53の下方円形凹部53c内にヨーク21のリング状外壁部21bを接着剤により固着し、且つ、ヨーク21の円形凹部21a内に円筒状のマグネット22と円筒状のポールピース23とを振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして積層して取り付けている。更に、ボビン24の他端部24b側の外周面24dにボイスコイル25を接着した状態で、このボビン24の外周面24dの中間部位を、スピーカハウジング53の上方円形凹部53e内に取り付けた第1のサスペンション29とリング状スペーサ30を介して取り付けた第2のサスペンション31とで揺動自在に支持し、且つ、ボビン24の他端部24b側の内周面24cをポールピース23の外周面23aに対してごく僅かな隙間を隔てて対向するように配設している。
尚、この実施例4では、ボイスコイル25の引き出し線25aをスピーカハウジング53の外周側面53a側から外部に引き出している。
更に、スピーカ駆動ユニット20Dを組み立てた後に、ボビン24の一端部24aを振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして形成した凸状リング部12bの内周面に沿って接着剤を用いて接着している。
上記のように各構成部材により構成された一つのスピーカ駆動ユニット20Dにおいて、ヨーク21と、マグネット22と、ポールピース23と、ボビン24の外周面24dに固着したボイスコイル25とにより磁気回路を形成し、外部からボイスコイル25に駆動電流を供給すると、上記した磁気回路によりボイスコイル25に駆動力が発生してボビン24が第1,第2のサスペンション29,31に揺動自在に支持されながら中心軸方向に移動するので、このボビン24の一端部24aに接着された振動板セグメント12が振動して再生音を得るものである。そして、合計で11個のスピーカ駆動ユニット20Dを駆動すると、振動板11を構成する11個の振動板セグメント12が振動して合成再生音が得られるようになっている。
ここで、多面状振動板組立体11A内に11個のスピーカ駆動ユニット20Dを多面状取付台組立体51により支持する場合、スピーカ取付台となる五角錐52について、図23(a)を用いて説明する。
図23(a)に拡大して示した如く、上記したスピーカ取付台となる五角錐52は、実施例4の要部を構成する部材であり、非磁性の樹脂材を用いて正五角形の振動板セグメント12の内面と対向する面が多角形面52aとして振動板セグメント12と相似な五角形で且つ振動板セグメント12よりも小型に形成され、且つ、この多角形面(以下、五角形面と記す)52aの各辺から各外周側面52bが錐状に一体的に形成されていると共に、且つ、各外周側面52bは内部中心部に向かうようになっている。この際、五角錐52の各外周側面52bには、ピン部52b1が突出形成されていると共に、このピン部52b1に並んでピン嵌合孔52b2が形成されている。
また、スピーカ取付台となる五角錐52の五角形面52aの中心部位には、スピーカ駆動ユニット20Dの一部を構成するヨーク21を位置決めして固着させるための位置決め用円形凹部52a1が僅かに凹んで形成されており、この位置決め用円形凹部52a1内に接着剤を充填して図22及び図24に示したようにヨーク21の底面部21cを接着することで、五角錐52の五角形面52aにスピーカ駆動ユニット20Dが振動板セグメント12の内面の中心部位に向かって取り付けられるようになっている。
図22に戻り、上記のように形成した五角錐52を隣り合わせて各外周側面52b同士を互いに対向させて、一方の五角錐52の外周側面52bから突出させたピン部52b1を他方の五角錐52の外周側面52bに形成したピン嵌合孔52b2に嵌め合わせて凹凸嵌合により位置出しを行って両者を結合し、これを繰り返して11個の五角錐52と底面用の一つの五角錐52とを凹凸嵌合により略球状に結合させると12面の多面状取付台組立体51が得られ、更に、台座13(図2)と対向した底面用の一つの五角錐52に配線用兼支持用のパイプ部材15の一端部を固着させている。
尚、この実施例4では、隣り合う五角錐52の各外周側面52b同士を結合する際に、ピン部52b1とピン嵌合孔52b2とにより凹凸嵌合させているものの、これに限定されることなく、相互に位置出しが可能な凹凸嵌合でも良い。
尚、実施例4における五角錐52は、この五角形面52aが振動板セグメント12と同じように正五角形に形成されることで、この五角錐52を略球状に複数個結合した時に小型化が図れるが、これに限ることなく、振動板セグメント12の角数よりも大きな角数の多角形面を有した多角形の多角錐であれば良く、この多角錐を略球状に複数個結合して多面状取付台組立体を得た時に、多角錐の数は各振動板セグメント12と対向できる面数を有すれば良いものである。
更に尚、この実施例4において、図23(a)に示した五角錐52に代えて、図23(b)に示したような五角錐台52Aをスピーカ取付台として用い、この五角錐台52Aを略球状に複数結合して不図示の多面状取付台組立体を構成することもできる。
上記した五角錐台52Aは、五角形面52aと、五角錐状の各外周側面52bと、五角錐の先端の尖った部位を切断して形成した下面52cとからなり、五角錐状の各外周側面52bに結合用のピン部52b1とピン嵌合孔52b2が形成されているものである。この場合に、不図示の多面状取付台組立体は、複数の五角錐台52Aを略球状に結合した際に、各五角錐台52Aの下面52c側に不図示の内部空間が形成されるので、実施例1と略同様に、各五角錐台52Aの頂角部位とか、不図示の多面状取付台組立体中の適宜な位置とかに空気流通孔を適宜な形状で形成すれば良い。
そして、実施例4の電気音響変換器10Dを実際に組み立てる場合には、図22及び図24に示したように、一つのスピーカハウジング53をベースにして、このスピーカハウジング53の外周側面53aの内側に、スピーカ駆動ユニット20Dを構成する各構成部材としてヨーク21と、マグネット22と、ボールピース23と、ボイスコイル25を固着させたボビン24と、第1のサスペンション29と、スペーサ30と、第2のサスペンション31とを上記順で組み立ててスピーカ駆動ユニット20Dを得た後、11個のスピーカ駆動ユニット20Dを11個の五角錐52の五角形面52a上に取り付けると共に、これら11個の五角錐52に底面となる一つの五角錐52を合体させて多面状取付台組立体51を得て、底面となる一つの五角錐52に配線用兼支持用のパイプ部材15を固着させている。
この後、多面状取付台組立体51中の一つの五角錐52と対向した台座13(図2)の貫通孔13a内に一つの五角錐52に固着させた配線用兼支持用のパイプ部材15を挿通し、更に、11個のスピーカ駆動ユニット20D中の各ボビン24の一端部24aに接着剤を充填し、且つ、各ボビン24の一端部24aの上方から11面の振動板11をかぶせて、各ボビン24の一端部24aを振動板11中の各振動板セグメント12の凸状リング部12b内にそれぞれ接着することで、11面の振動板11と台座13(図2)とによる12面の多面状振動板組立体11A内に、これと略相似で小型に形成した多面状取付台組立体51の各五角錐52に各スピーカ駆動ユニット20Dが取り付けられた状態で収納されて、実施例4の電気音響変換器10Dが完成する。
尚、図24中には、ボビン24を中心軸方向に揺動自在に支持する第1,第2のサスペンション29,31の形状を具体的に図示している。
上記から、電気音響変換器10Dを量産するにあたって、一つのスピーカ駆動ユニット20Dを一つの五角錐(スピーカ取付台)52の五角形面52aの中心部位に取り付けた状態で多数個用意しておき、電気音響変換器10Dを組み立てる時にスピーカ駆動ユニット20Dを取り付けた五角錐(スピーカ取付台)52を複数結合して多面状取付台組立体51を組み立てることにより、電気音響変換器10Dの生産性向上に寄与できる。
従って、実施例4の電気音響変換器10Dも、先に図12及び図13を用いて説明した実施例1の電気音響変換器10Aと同様な音響特性となるので、呼吸球として無指向性を持った良好な点音源が得られる。
更に、ここでの図示を省略するものの、実施例4の電気音響変換器10Dでも、先に図14及び図15を用いて説明した実施例1の応用例1,2と同様に、複数の電気音響変換器10Dを配線用兼支持用のパイプ部材15を介して連結することが可能である。
図25は本発明に係る実施例5の電気音響変換器を説明するために模式的に示した斜視図である。
図25に示した如く、本発明に係る実施例5の電気音響変換器10Eでは、実施例4とは異なって、正五角形に形成された振動板セグメント12が一個づつ予め切り離されて11個用意されており、一つのスピーカハウジング53をベースにして実施例4と同じ構造形態でスピーカ駆動ユニットを組み立てた後に、このスピーカ駆動ユニットのボビン24の一端部に正五角形に形成された振動板セグメント12を接着することで、振動板付きスピーカ駆動ユニット20Eを11個得ている。
この後、実施例5の電気音響変換器10Eを組み立てる時に、11個の振動板付きスピーカ駆動ユニット20Eを、先に実施例4で図23(a)を用いて説明した多面状取付台組立体51を構成する11個の五角錐52にそれぞれ形成した五角形面52aの中心部位に取り付け、且つ、11個の五角錐52と、底面用の一つの五角錐52とを略球状に結合して多面状取付台組立体51を得ている。
更に、上記した多面状取付台組立体51の外側に、11個の振動板付きスピーカ駆動ユニット20Eにそれぞれ取り付けられた11個の振動板セグメント12を略球殻状に接合して振動板11を得ると共に、この振動板11に正五角形に形成された一つの台座13(図2)を略球殻状に結合させて12面の多面状振動板組立体11Aを得ている。
この際、振動板セグメント12の各辺が予め切り離されているので、11個の振動板セグメント12を接合して振動板11を形成する場合に、各振動板セグメント12を先に実施例1で図4を用いて説明したと同様の向きに配列させて、隣り合う振動板セグメント12の全ての辺にエッジ部材14(図22)を取り付けて結合している。
従って、実施例5の電気音響変換器10Eでも、先に図21,図22を用いて説明した実施例4の電気音響変換器10Dと外観形状が同じになり、且つ、実施例4と同様な音響特性となるので、実施例5の電気音響変換器10Eも無指向性を持った点音源として得られる。また、ユニット化した一つの振動板付きスピーカ駆動ユニット20Eを一つの五角錐52の五角形面52aの中心部位に取り付けた状態で多数個用意しておき、電気音響変換器10Eを組み立てる時に振動板付きスピーカ駆動ユニット20Eを取り付けた五角錐52を複数結合して組み立てることにより、電気音響変換器10Eの生産性向上に寄与できる。
更に、ここでの図示を省略するものの、実施例5の電気音響変換器10Eでも、先に図14及び図15を用いて説明した実施例1の応用例1,2と同様に、複数の電気音響変換器10Eを配線用兼支持用のパイプ部材15を介して連結することが可能である。
尚、この実施例5でも、11個の振動板付きスピーカ駆動ユニット20Eを、先に実施例4で図23(b)を用いて説明した多面状取付台組立体(図示せず)を構成する11個の五角錐台52Aにそれぞれ形成した五角形面52aの中心部位に取り付け、且つ、11個の五角錐台52Aと、底面側と対応する一つの五角錐台52Aとを略球状に結合することも可能である。
図26は本発明に係る実施例6の電気音響変換器を説明するために、底面側を主体にして一部破断して模式的に示した斜視図、
図27(a)〜(c)は本発明に係る実施例6の電気音響変換器において、振動板の内面側の各辺の接合部位と、五角錐とを連結するために、必要に応じて取り付けた振動板連結部材を説明するために示した斜視図、
図26に示した本発明に係る実施例6の電気音響変換器10Fは、先に説明した実施例4,5の電気音響変換器10D,10Eの構成と一部を除いて同様の構成であり、ここでは説明の便宜上、先に示した構成部材に対しては同一の符号を付し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、実施例4,5と異なる構成部材に新たな符号を付して実施例4,5に対して異なる点について説明する。
図26に示した如く本発明に係る実施例6の電気音響変換器10Fでは、実施例4,5とは異なって、この電気音響変換器10Fの底面となる部位に台座13(図2)が設けられてなく、これに代えて、底面となる部位に配線用兼支持用のパイプ部材15を挿通可能な一つの五角形の振動板セグメント12’を用意して、先に実施例3で図18を用いて説明したように、11個の振動板セグメント12と、底面側と対応する一つの振動板セグメント12’とで合計12個が連接した振動板11’を形成し、この振動板11’を隣り合う振動板セグメント12,12’間にそれぞれ形成した複数のエッジ部12f及び複数のエッジ部材14を介して略球殻状に結合させることで、多面状の全ての面に振動板セグメント12,12’が設けられた振動板11’のみで12面の多面状振動板組立体11A’が組み立てられている。
尚、この実施例6でも、実施例3と同様に、上記した多面状五角形振動板(多面状多角形振動板)11’を略球殻状に形成する際に、先に図18に示したように、11個の振動板セグメント12と底面と対応する一つの振動板セグメント12’とを予め連接しておく方法と、11個の振動板セグメント12と底面と対応する一つの振動板セグメント12’とをそれぞれ切り離して後述する各スピーカ駆動ユニット20E,20Fにそれぞれ取り付けた後に12個の振動板セグメント12,12’を接合する方法のいずれでも良い。
従って、実施例6の電気音響変換器10Fの外観形状は、先に図17を用いて説明した実施例3の電気音響変換器10Cと同じになる。
ここで、図26に示した如く、上記に伴って、電気音響変換器10Fの底面となる部位に配線用兼支持用のパイプ部材15を取り付ける場合には、底面側と対応する一つの振動板セグメント12’の凹球面部12a内にパイプ挿入孔12a1がこの振動板セグメント12’の中心軸Oを中心にしてパイプ部材15の外径に略一致させて貫通して形成されている。
この際、パイプ部材15の材料は、一つの振動板セグメント12’の内面側に取り付けられる一つのスピーカ駆動ユニット20F内を挿通させるために、アルミ材とか樹脂材などの非磁性材を用いている。
また、一つの振動板セグメント12’に形成した凹球面部12aの内面に、フェルトとか布を用いて管状に形成した管状緩衝材41がパイプ挿入孔12a1の外周に沿って接着されて振動板セグメント12’と一体に中心軸方向に揺動自在になっており、この管状緩衝材41はパイプ部材15をパイプ挿入孔12a1内に挿入した時にパイプ部材15とパイプ挿入孔12a1との隙間から上記振動板セグメント12’の内面側の空気が外部に漏れるのを防ぐために設けたものである。
また、実施例6の電気音響変換器10Fは、11個の振動板セグメント12と対応して各振動板セグメント12の内面側に、実施例4(又は実施例5)で説明した11個のスピーカ駆動ユニット20D(又は20E)が各振動板セグメント12の中心軸Oを中心にして同心的に取り付けられ、更に、底面側と対応する一つの振動板セグメント12’の内面側にも、11個のスピーカ駆動ユニット20D(又は20E)と一部構造が異なる一つのスピーカ駆動ユニット20Fが振動板セグメント12’の中心軸Oを中心にして同心的に取り付けられており、この一つのスピーカ駆動ユニット20Fによって一つの振動板セグメント12’が11個の振動板セグメント12と同様に振動可能になっている。
更に、11個のスピーカ駆動ユニット20D(又は20E)をそれぞれ取り付けた11個の五角錐(スピーカ取付台)52と、底面側と対応する一つのスピーカ駆動ユニット20Fを取り付けるために五角錐52と略同じ形状に形成した一つの五角錐(スピーカ取付台)52’とによる12面の多面状取付台組立体51’が実施例4,5と略同様に略球状に結合されている。この際、一つの五角錐(スピーカ取付台)52’は、各スピーカ駆動ユニット20D(又は20E),20Fからの配線ワイヤを配線用兼支持用のパイプ部材15に導くために上面52aの形状が11個の五角錐(スピーカ取付台)52に対して一部異なっているだけである。
上記した一つのスピーカ駆動ユニット20Fは、11個のスピーカ駆動ユニット20D(又は20E)の各構成部材中でヨーク21と、マグネット22と、ポールピース23とがパイプ部材15を取り付けるために一部形状を違えている。
具体的に説明すると、一つのスピーカ駆動ユニット20Fの各構成部材中で、ヨーク21は、この底面21cにパイプ部材15の一端部に形成したネジ部15aを螺合させるネジ孔21c2が振動板セグメント12’の中心軸Oを中心にして貫通して形成されている。
また、マグネット22及びポールピース23は、パイプ部材15を挿通させるための各パイプ挿入孔22b,23bが振動板セグメント12’の中心軸Oを中心にしてパイプ部材15の外径に略一致させて貫通して形成されている。
従って、パイプ部材15を電気音響変換器10Fの底面側と対応する一つの振動板セグメント12’の凹球面部12aに形成したパイプ挿入孔12a1から挿入し、更に、パイプ部材15の一端部側をマグネット22,ポールピース23に形成した各パイプ挿入孔22b,23b内を挿通させた後に、パイプ部材15の一端部に形成したネジ部15aをヨーク21の底面21cに形成したネジ孔21c2に螺合させることで、パイプ部材15がヨーク21に固定され、且つ、一つの五角錐52’の五角形面52aに幅狭く形成した配線用溝52a2を通した複数のボイスコイル25の各引き出し線25aをパイプ部材15内に挿通させて外部に引き出している。
尚、実施例6においても、12個のスピーカ駆動ユニット20D(又は20E),20Fを、先に実施例4で図23(b)を用いて説明した12個の五角錐台52Aの各五角形面52aにそれぞれ取り付けても良い。
更に尚、実施例6では、実施例3と略同様に、パイプ部材15の一端部をスピーカ駆動ユニット20F内のヨーク21の底面21cに固着させたが、これに限ることなく、パイプ部材15の一端部をスピーカ駆動ユニット20F内のヨーク21の中心部位を挿通させた後に一つの五角錐52の五角形面52a(又は一つの五角錐台52Aの五角形面52a)に固着させることも可能である。
上記のように、実施例6における振動板11’は、11個の振動板セグメント12と、底面側と対応した一つの振動板セグメント12’とが連接されて、多面状の全ての面に設けた振動板セグメント12,12’がそれぞれ振動するために、実施例4,5の場合よりも振動板11’の振動特性を更に向上させることができる。
尚、この実施例6では、電気音響変換器10Fの底面側と対応する振動板セグメント12’にパイプ部材15を取り付ける場合について説明したが、先に図14及び図15を用いて説明した実施例1の応用例1,2と同様に、複数の電気音響変換器10Fを配線用兼支持用のパイプ部材15を介して連結する場合には、12個の振動板セグメント12,12’のいくつかに対してパイプ部材15を挿入するためのパイプ挿入孔12a1を中心部位に形成して、各パイプ部材15が取り付けられる上記形状の各振動板セグメント12’に対して上記形状の各スピーカ駆動ユニット20Fを取り付ければ良いものである。
更に、図26に示したように、本発明に係る実施例6の電気音響変換器10Fでは、多面状振動板組立体11A’が比較的大きい場合とか、多面状振動板組立体11A’中の各エッジ部材14が柔らかい部材で形成されている場合に、多面状振動板組立体11A’中の各振動板セグメント12(又は12’)自体の自重により歪まないように、各振動板セグメント12(又は12’)の内面側の各辺の接合部位と、各振動板セグメント12(又は12’)と対向する各スピーカ駆動ユニット20D(又は20E),(20F)を取り付けた各五角錐52(又は52’)の五角形面52aとを連結する複数の各振動板連結部材54が必要に応じて取り付けられている。
ここで、図27(a)〜(c)に示した如く、上記した振動板連結部材54は、振動板11’(図26)を構成する各振動板セグメント12(又は12’)の振動に対して悪影響を及ぼさないように各振動板セグメント12(又は12’)の可撓性よりも大なる可撓性を有する例えばウレタンゴムなどの材料を用いて形成されている。
この振動板連結部材54は、五角錐52(又は52’)の五角形面52aの外形寸法に略合わせて底面54aが五角形に形成され、且つ、この底面54a内にスピーカハウジング53の下面側に取り付けられたヨーク21を逃げるための円形状逃げ孔54a1が貫通して形成されている。
また、振動板連結部材54の底面54aの各辺から振動板セグメント12(又は12’)の各辺に向かって徐々に外側に広がるような傾斜面54bが5面に亘って形成されており、各傾斜面54b同士は互いに接続されて、各傾斜面54bの内部に剛性を弱めるための矩形状逃げ孔54b1が貫通してそれぞれ形成されている。
そして、振動板連結部材54の底面54aを五角錐52(又は52’)の五角形面52a上に接着剤を用いて取り付けると共に、各傾斜面54bの端部を振動板セグメント12(又は12’)の各辺の接合部位となるエッジ部12f(図18),エッジ部材14に対して内面側から接着剤を用いて取り付けている。
更に、実施例6では、振動板連結部材54の各傾斜面54bの端部は、振動板セグメント12(又は12’)の各辺全部に亘って接着されているが、これに限ることなく、振動板セグメント12(又は12’)の各辺の中央部位だけとか、振動板セグメント12(又は12’)の各辺の両端部位だけを部分的に支持できるような形状の振動板連結部材であっても良い。
上記により、合計12個の振動板セグメント12,12’を接続した振動板11’を略球殻状に形成した多面状振動板組立体11A’では、個々の振動板セグメント12,12’の各内面側が個々の振動板連結部材42により支持されるので、多面状振動板組立体11A’中の各振動板セグメント12,12’の自重による変形が生じないので良好な音響特性が得られる。
尚、振動板セグメント12の内面側を振動板連結部材42により支持する技術的思想は、先に説明した実施例4,5における11個の振動板セグメント12を接続した振動板11を略球殻状に形成した多面状振動板組立体11A(図21)にも適用することが可能である。
本発明に係る実施例1の電気音響変換器の外観形状を正面側から見た斜視図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器の外観形状を底面側から見た斜視図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器の概略構成を摸式的に示した斜視図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、11個の正五角形の振動板セグメントを接続した振動板を平面的に展開して示した平面図である。 図4に示した正五角形の振動板セグメントを拡大して示した斜視図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、隣り合うスピーカ駆動ユニットを組み立てた状態を拡大して示した縦断面図である。 (a)は図6に示したスピーカハウジングを拡大して示した斜視図であり、(b)は複数のスピーカハウジングと底面用の一つの五角形板とを組み立てた多面状スピーカハウジング組立体を示した斜視図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、隣り合うスピーカ駆動ユニットを組み立てる状態を示した斜視図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、振動板セグメントの傾斜面部及び大径円が偏心していない場合に、振動板セグメント表面の定在波分布を説明するための図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、振動板セグメントの傾斜面部及び大径円が偏心している場合に、振動板セグメント表面の定在波分布を説明するための図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器において、振動板セグメントによる再生音の周波数特性を示した図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器における合成再生音の周波数特性を示した図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器の指向特性を示した図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器の応用例1を示した斜視図である。 本発明に係る実施例1の電気音響変換器の応用例2を示した斜視図である。 本発明に係る実施例2の電気音響変換器を説明するために模式的に示した斜視図である。 本発明に係る実施例3の電気音響変換器の外観形状を底面側から見た斜視図である。 本発明に係る実施例3の電気音響変換器において、12個の正五角形の振動板セグメントを接続した振動板を平面的に展開して示した平面図である。 本発明に係る実施例3の電気音響変換器を説明するために、底面側を主体にして一部破断して模式的に示した斜視図である。 (a)〜(c)は本発明に係る実施例3の電気音響変換器において、振動板の内面側の各辺の接合部位と、スピーカハウジングとを連結するために、必要に応じて取り付けた振動板連結部材を説明するために示した斜視図である。 本発明に係る実施例4の電気音響変換器の概略構成を摸式的に示した斜視図である。 本発明に係る実施例4の電気音響変換器において、隣り合うスピーカ駆動ユニットを組み立てた状態を拡大して示した縦断面図である。 本発明に係る実施例4の電気音響変換器において、(a)は多面状取付台組立体中の五角錐を拡大して示した斜視図であり、(b)は多面状取付台組立体中の五角錐台を拡大して示した斜視図である。 複数の五角錐を組み立てた多面状取付台組立体を示した斜視図である。 本発明に係る実施例5の電気音響変換器を説明するために模式的に示した斜視図である。 本発明に係る実施例6の電気音響変換器を説明するために、底面側を主体にして一部破断して模式的に示した斜視図である。 (a)〜(c)は本発明に係る実施例6の電気音響変換器において、振動板の内面側の各辺の接合部位と、五角錐とを連結するために、必要に応じて取り付けた振動板連結部材を説明するために示した斜視図である。 従来の点音源・無指向性・スピーカシステムの一例を示した斜視図である。 従来の点音源・無指向性・スピーカシステムの一例を示したブロック図である。 従来の点音源・無指向性・スピーカシステムに使用したスピーカユニットにおける周波数レスポンスのピークとディップの例を摸式的に示した特性図である。
符号の説明
10A…実施例1の電気音響変換器、
10B…実施例2の電気音響変換器、
10C…実施例3の電気音響変換器、
10D…実施例4の電気音響変換器、
10E…実施例5の電気音響変換器、
10F…実施例6の電気音響変換器、
11…実施例1,2,4,5中の振動板(11面)、
11’…実施例3,6中の振動板(12面)、
11A…実施例1,2,4,5中の多面状振動板組立体、
11A’…実施例3,6中の多面状振動板組立体、
12…振動板セグメント、12a…凹球面部、12a1…パイプ挿入孔、
12b…凸状リング部、12c…傾斜面部、12d…大径円、12e…平坦面部、
12f…エッジ部、
13…台座、13a…貫通孔、14…エッジ部材、
15…配線用兼支持用のパイプ部材、
20A…実施例1のスピーカ駆動ユニット、
20B…実施例2の振動板付きスピーカ駆動ユニット、
20C…実施例3中の一つのスピーカ駆動ユニット、
20D…実施例4のスピーカ駆動ユニット、
20E…実施例5の振動板付きスピーカ駆動ユニット、
20F…実施例6中の一つのスピーカ駆動ユニット、
21…ヨーク、21a…円形凹部、21b…リング状外壁部、21c…底面、
22…マグネット、23…ポールピース、
24…ボビン、24a…一端部、24b…他端部、
25…ボイスコイル、
26…実施例1〜3中の多面状スピーカハウジング組立体、
27…実施例1〜3中のスピーカハウジング、
27a…外周側面、27a…ピン部、27a2…ピン嵌合孔、27b…上面、
27c…下方円形凹部、27d…貫通孔、27e…上方円形凹部、
27f…空気流通用円弧状切り欠き部、
28…支持板(五角形板)、
29…第1のサスペンション、30…スペーサ、31…第2のサスペンション、
41…実施例3,6中の管状緩衝部材、
42…実施例3中の振動板連結部材、
51…実施例4,5中の多面状取付台組立体、
51’…実施例6中の多面状取付台組立体、
52…実施例4,5中のスピーカ取付台(五角錐)、
52A…実施例4,5中のスピーカ取付台(五角錐台)、
52’…実施例6中の一つのスピーカ取付台(五角錐)、
52a…多角形面(五角形面)、52b…外周側面、
52b1…ピン部、52b2…ピン嵌合孔、
53…実施例4〜6中のスピーカハウジング、
53a…外周側面、53b…上面、53c…下方円形凹部、
53d…貫通孔、53e…上方円形凹部、
54…実施例6中の振動板連結部材、
D…ディップ、P…一つの再生音のピーク、PG…合成再生音のピーク、
O…振動板の中心軸、OH…振動板の偏心軸。

Claims (8)

  1. 電気音響変換器において、
    多角形の振動板セグメントを複数個接合した振動板を含んで略球殻状に形成された多面状振動板組立体と、
    スピーカハウジングと、前記スピーカハウジングに揺動自在に支持されて一端部が前記振動板セグメントの内面の中心部位に接着されたボビンと、前記ボビンの他端部に取り付けられたボイスコイルと、前記ボイスコイルに駆動力を発生させるヨーク及びマグネットとを少なくとも有し、前記多面状振動板組立体の内面側に前記振動板セグメントとそれぞれ対向して配置された複数のスピーカ駆動ユニットと、
    前記振動板セグメントと対向する面を多角形面とした多角錐又は多角錐台よりなるスピーカ取付台を複数含んで略球状に結合され、それぞれの前記多角形面に前記スピーカ駆動ユニットが取り付けられて、前記多面状振動板組立体内に収納された多面状取付台組立体と、を備えたことを特徴とする電気音響変換器。
  2. 前記多面状取付台組立体は、各前記スピーカ取付台の外周側面同士が凹凸嵌合により結合されていることを特徴とする請求項1記載の電気音響変換器。
  3. 前記多面状振動板組立体の一部に前記振動板セグメントと同じ外形を有する少なくとも一つの台座を含むことにより、前記多面状振動板組立体が略球殻状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電気音響変換器。
  4. 前記多面状取付台組立体は、前記スピーカ取付台と略同じ形状を有する少なくとも一つの支持台を含んで略球状に結合され、且つ、前記支持台は前記台座と対向しており、
    各前記スピーカ駆動ユニットの配線を通すためのパイプ部材を少なくとも一つ備え、
    前記パイプ部材は一端部が前記支持台に固着され、且つ、前記台座に形成した貫通孔を通されて前記台座に接着されていることを特徴とする請求項3記載の電気音響変換器。
  5. 前記多面状振動板組立体は、前記振動板のみで略球殻状に形成され、且つ、前記振動板中で少なくとも一つの前記振動板セグメントの中心部位にパイプ挿入孔を有してなり、
    各前記スピーカ駆動ユニットの配線を通すためのパイプ部材を少なくとも一つ備え、
    前記パイプ部材は前記パイプ挿入孔内に挿通されて一端部が前記スピーカ駆動ユニットに支持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電気音響変換器。
  6. 前記多面状振動板組立体は、前記振動板のみで略球殻状に形成され、且つ、前記振動板中で少なくとも一つの前記振動板セグメントの中心部位にパイプ挿入孔を有してなり、
    各前記スピーカ駆動ユニットの配線を通すためのパイプ部材を少なくとも一つ備え、
    前記パイプ部材は前記パイプ挿入孔内に挿通されて一端部が前記スピーカ駆動ユニットの中心部位を挿通して該スピーカ駆動ユニットを取り付けた前記スピーカ取付台に支持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電気音響変換器。
  7. 前記多面状振動板組立体を構成する各前記振動板セグメントの内面側の各辺の接合部位と、前記多面状取付台組立体を構成する各前記スピーカ取付台とを連結する複数の振動板連結部材を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちいずれか1項記載の電気音響変換器。
  8. 前記振動板連結部材は、前記振動板セグメントの可撓性よりも大なる可撓性を有することを特徴とする請求項7記載の電気音響変換器。
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