JP3659082B2 - 電気音響変換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、球体の形状を有する電気音響変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、球体形状を有する球状スピーカ(電気音響変換器)として図16及び図17に示すものを提案した(特願平10−173450号出願書類参照)。
【0003】
図16及び図17において、球状スピーカSは2つの半球体1にて構成され、この2つの半球体1同士が組み付けられて構成されている。各半球体1は偏平円環状のベース部材2と半球状の内側電極板3と半球状の振動板4と半球状の外側電極板5と半球状のカバー6とを有する。
【0004】
ベース部材2はポリカーボネート等の樹脂にて構成され、一方の面には180度対向位置に位置決めピン2bが突出して設けられ、ベース部材2の他方の面が他の半球体と接合される接合面2aとして構成されている。又、ベース部材2には適当間隔にネジ挿通孔(図示せず)が設けられている。
【0005】
内側電極板3は銅、真鍮等にクロムメッキした金属にて構成され、半球状の半球形状部3aとこの半球形状部3aの外周で、且つ、半径方向に延設された円環状の鍔部3bとから構成されている。鍔部3bには位置決め孔(特に符号を付さず)とネジ挿通孔(図示せず)が設けられ、この位置決め孔にベース部材2の位置決めピン2bが挿入されている。これによって内側電極3はその半球形状部3aの中心がベース部材2の中心と一致するべくベース部材2上に位置決めされて配置されている。
【0006】
振動板4は、前記内側電極板3より若干大きめであるが同様に、半球状の半球形状部4aとこの半球形状部4aの外周で、且つ、半径方向に延設された円環状の鍔部4bとから構成されている。又、同様に、鍔部4bには図示しないが位置決め孔(特に符号を付さず)とネジ挿通孔(図示せず)が設けられ、この位置決め孔にベース部材2の位置決めピン2bが挿入されている。振動板4の鍔部4bと内側電極板3の鍔部3bとの間には円環状のスペーサ7が配置されている。スペーサ7は確保したい間隔によって適宜1又は2以上の部材にて構成される。
【0007】
また、振動板4の断面構成は、半径方向に伸縮自在な樹脂にて形成された樹脂基層と、この樹脂基層の一方の面に導電性の金属を蒸着して形成された導電層と、前記樹脂基層の他方の面に配置された強度補強層とを積層して構成されている。
【0008】
外側電極板5は、振動板4よりさらに若干大きめであるが前記内側電極板3と同様な材質で、同様に半球状の半球形状部5aとこの半球形状部5aの外周で、且つ、半径方向に延設された円環状の鍔部5bとから構成されている。又、同様に、鍔部5bには位置決め孔(特に符号を付さず)とネジ挿通孔(図示せず)が設けられ、この位置決め孔にベース部材2の位置決めピン2bが挿入されている。外側電極板5の鍔部5bと振動板4の鍔部4bとの間には円環状のスペーサ8が配置されている。スペーサ8は確保したい間隔によって適宜1又は2以上の部材にて構成される。
【0009】
カバー6は、例えば空気の通りが良いウレタン樹脂にて形成され、外側電極板5よりさらに大きめに、半球状の半球形状部6aとこの半球形状部6aの外周で、且つ、半径方向に延設された円環状の鍔部6bとから構成されている。この鍔部6bの下面には位置決め凹部6cが形成され、この位置決め凹部6cにベース部材2の位置決めピン2bが挿入されている。又、カバー6の鍔部6bにはネジ挿通孔(図示せず)が設けられている。
【0010】
又、振動板4と内側電極板3と外側電極板5とにはスペーサ7,8の電極部(図示せず)を介してそれぞれ電源を供給できるように構成されている。
【0011】
以上のように構成された半球体1が2つ設けられ、この2つの半球体1,1が互いの接合面2a同士を接合された状態でネジ挿通孔を用いてネジ締結によって固定され、図16に示す球状スピーカSが構成されている。
【0012】
上記構成において、各半球体1の振動板4にバイアス電圧を印加すると、このバイアス電圧によって各半球体1の振動板4と内側電極板3及び外側電極板5との間にそれぞれコンデンサが形成され、静電効果が生じる状況が構成される。この状態で、各半球体1に音声信号である駆動電流を供給すると、この駆動電流に応じて伸縮自在な各半球体1の振動板4が同期して半径方向に変動して呼吸運動を行い、この結果、球面波音場が実現される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の球状スピーカ(静電型電気音響変換器)Sでは、振動板4の鍔部4bの箇所で半径方向の変動が制限されるため、ほぼ完全な呼吸球に近い音源(球面波音場)を実現することができない。
【0014】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、ほぼ完全な呼吸球に近い音源(球面波音場)を実現することができる電気音響変換器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、本発明の特徴は、導電層を有する略球面形状の振動板と、この振動板の内周側と外周側の少なくともいずれか一方に間隔をおいて配置された略球面形状の電極板と、前記振動板と前記電極板とを間隔を置いた状態で支持すると共に前記振動板及び前記電極板に電圧を供給する球体支持構造体とを備えた電気音響変換器であって、前記振動板は、nを4以上の整数としたときに、n角形である第1の多角形において、その重心から各頂点へ引いた線分と辺とによりなる各3角形が重心から各辺へと引いた垂線によってV字形に折られてなる第1の形状と、(n+1)角形である第2の多角形において、その重心から各頂点へ引いた線分と辺とによりなる各3角形が重心から各辺へと引いた垂線によってV字形に折られてなる第2の形状とを用い、辺同士を連結して組み合わされた略球面形状であって、前記重心は半径の大きくなる方向に突出する位置に配置され、前記垂線は半径の小さくなる方向に折られており、且つ、隣り合う前記各形状の共通の辺に引かれた双方の垂線の足が連続するように構成されて成る一方、前記球体支持構造体は、前記振動板の略球面形状の中心点を中心として略点対称の2カ所の前記重心部分のみを支持して成ることにある。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態を示す球状スピーカ(静電型電気音響変換器)を正面から見た構成図、図2はその側面から見た構成図、図3はその平面から見た構成図である。
【0019】
図1〜図3において、球状スピーカSは、導電層を有する略球面形状の振動板10と、この振動板10の同芯状で内周側に配置され、略球面形状の電極板である内側電極板11と、この振動板10の同芯状で外周側に配置され、略球面形状の電極板である外側電極板12と、振動板10と内側電極板11と外側電極板12とを所定の間隔を置いた状態で支持し、且つ、これらに電源を供給する手段を有する球体支持構造体13と、この球体支持構造体13を接地面に対して支持する台座体14とから構成されている。
【0020】
振動板10は組立て前の段階では縦方向に3分割部材として構成され、各分割部材の頂点箇所には軸挿入孔10a(図8及び図9に示す)が形成されている。この振動板10の構成については後述する。
【0021】
内側電極板11及び外側電極板12は、銅、真鍮等にクロムメッキした金属にて構成され、それぞれ上下2つの半球体11a,12aにて構成され、この2つの半球体11a,12a同士が組み付けられる。各分割部材である半球体11a,12aには多数の空気流通孔(図示せず)が形成されていると共に、各半球体11a,12aの頂点箇所には軸挿入孔11b,12b(図8及び図9に示す)が形成されている。
【0022】
前記球体支持構造体13は、内側電極板11の内側スペースにあって、垂直方向に対してやや傾斜して配置された中心支持部材20と、内側電極板11の内側スペースにあってこの中心支持部材20に固定され、内側電極板11を支持する内側電極支持部材21と、外側電極板12の外周スペースに配置され、前記中心支持部材20の上端と台座体14とに両端が固定された一対の経度支持部材22,22と、この各経度支持部材22に固定され、外側電極板12を固定する外側電極支持部材23と、前記中心支持部材20の上端部と下端部で振動板10と内側電極板11及び外側電極板12をそれぞれ支持すると共に、電圧供給する上極側支持部24及び下極側支持部25とから構成されている。つまり、振動板10と内側電極板11と外側電極板12は、その球面形状の中心点を中心として略点対称の2カ所の頂点箇所部分で支持されている。そして、振動板10自体はこの2カ所の頂点部分でのみ支持されており、他の部分では他部材によって何等拘束を受けないように構成されている。
【0023】
中心支持部材20は、図4にも示すように、ロッド状を有し、この内部には電線挿通孔20aが形成されており、この電線挿通孔20aを介して電圧供給用の電線(図示せず)が導かれている。中心支持部材20の下端は台座体14の電線挿通孔42aに圧入されることによって台座体14に固定されている。
【0024】
内側電極支持部材21は、図5(A),(B)に示すように、円板状を有し、この中心にはロッド挿入孔21aが形成されている。このロッド挿入孔21aに中心支持部材20が挿入され、中心支持部材20の段差と抜止め防止部材26とで挾持されることによって中心支持部材20に固定されている。この内側電極支持部材21は内側電極板11の内側スペース内で中心支持部材20に直交するように配置され、水平方向にやや傾斜して配置されている。又、内側電極支持部材21には空気孔21bが4カ所に形成され、この空気孔21bによってほぼ上下方向に2分割されている内側電極板11の内側スペースが連通されている。又、内側電極支持部材21の上下両面の外周縁部には電極支持溝21cが形成され、この両側の電極支持溝21cに内側電極板11の各半球体11aの円周縁部分が挿入されることによって固定されている。
【0025】
一対の経度支持部材22,22は、図6に示すように、それぞれ略円弧状を有し、その両端の鍔部にネジ孔22aがそれぞれ形成されていると共に、中央部分の内側に凹部22bが形成されている。各経度支持部材22の両端の鍔部は、各ネジ孔22aに挿入されたネジ(図示せず)によって後述する極部キャップ部材38と、台座体14にそれぞれ締結されている。中央部分の凹部22bには外側電極支持部材23の外周縁部が嵌合され、この嵌合によって外側電極支持部材23が固定されている。尚、一対の経度支持部材22,22は、共に中心からの径が同じであるが、一方の円弧状寸法が他方のものより少し短く設定されている。
【0026】
外側電極支持部材23は、図7(A),(B)に示すように、リング状を有し、この180度対向位置に凹部23aがそれぞれ形成されている。この凹部23aに上記したように経度支持部材22が嵌合されている。又、外側電極支持部材23の上下両面の内周縁部には電極支持溝23bが形成され、この両側の電極支持溝23bに外側電極板12の各半球体12aの円周縁部分が挿入されることによって固定されている。
【0027】
上極側支持部24は、図8に示すように、それぞれ略偏平リング状を有する内側電極電圧供給部材30と、2枚のスペーサ31,32と、2枚の振動板電圧供給部材33,34と、2枚のスペーサ35、36及び外側電極電圧供給部材37と、極部キャップ部材38とから構成され、この順序で中心支持部材20の上端部に圧入されている。そして、内側電極電圧供給部材30とスペーサ31との間に内側電極板11が、2枚の振動板電圧供給部材33,34の間に振動板10が、スペーサ36と外側電極電圧供給部材37との間に外側電極板12がそれぞれ介在されることによって支持されている。
【0028】
下極側支持部25は、図9に示すように、それぞれ略偏平リング状を有する内側電極電圧供給部材30と、2枚のスペーサ31,32と、2枚の振動板電圧供給部材33,34と、2枚のスペーサ35,36及び外側電極電圧供給部材37とから構成され、この順序で中心支持部材20の下端部に圧入されている。
【0029】
そして、内側電極電圧供給部材30とスペーサ31との間に内側電極板11が、2枚の振動板電圧供給部材33,34の間に振動板10が、スペーサ36と外側電極電圧供給部材37との間に外側電極部材12がそれぞれ介在されることによって支持されている。又、各振動板電圧供給部材33,34は、図10(A),(B)に示すように、振動板10の多角形形状に対応するような放射状波形状を有する。
【0030】
又、上下極側の内側電極電圧供給部材30、振動板電圧供給部材33,34及び外側電極電圧供給部材37には、図11に示すように、電圧が供給されるように配線され、この配線は台座体14の電線挿通孔40a,42a及び中心支持部材20の電線挿通孔20aを通って導かれている。
【0031】
台座体14は、図12に示すように、基台40とこの基台40にネジ41で締結された立設台42とから構成され、この基台40と立設台42には電線挿通孔40a,42aがそれぞれ形成されている。基台40の電線挿通孔40aの一端には中心支持部材20の下端が圧入され、これによって中心支持部材20が台座体14に固定されていると共に、中心支持部材20の電線挿通孔20aと台座体14の電線挿通孔40a,42aとが連通されている。又、立設台42には一対の経度支持部材22,22の下端部が入り込む凹部42b及び一対の経度支持部材22,22をネジで締結するためのネジ孔42cが形成されている。
【0032】
次に、振動板10の構成について説明する。振動板10は、上記したように組付け前の段階では縦方向の3分割部材として構成されているが、組付け過程でこの3分割部材が接合され、この接合された状態ではほぼ図13に示すような形状を有する(尚、図13において、振動板10を構成する3分割部材の各接合部分(分割位置)を太線にて示してあるが、組立て後の各分割部材の接合部分は殆ど判らないようになっている)。つまり、図14に示すように、点線の5角形(n角形、但し、nは4以上の整数)と点線の6角形(n+1角形)の重心O1,O2から各頂点t1,t2へ引いた線分l1,l2によりなる各3角形が、重心O1,O2から各辺m1,m2へと引いた垂線v1,v2によってV字形に折られた形状の組み合わせであって、各多角形の重心O1,O2が半径の大きくなる方向に突出する位置に配置され、各辺m1,m2に引いた垂線v1,v2の足が半径の小さくなる方向に折られており、且つ、隣り合う多角形の共通の辺m1,m2に引かれた双方の垂線v1,v2の足が連続するように構成されている。この構造物は半径方向に外力が作用すると、図15にて矢印で示すように、垂線v1,v2の足を中心として容易に変位可能なものとなっている。垂線v1,v2の足の交点Nが最大振幅のポイントとなる。
【0033】
また、振動板10の断面構成は、半径方向に伸縮自在な樹脂にて形成された樹脂基層と、この樹脂基層の一方の面に導電性の金属を蒸着して形成された導電層と、前記樹脂基層の他方の面に配置された強度補強層と、強度補強層の一方の面に導電性の金属を蒸着して形成された導電層とを積層して構成されている。この強度補強層は、この実施形態では多孔質層である発泡ポリプロピレンシート(発泡材)にて構成されているが、樹脂基層の半径方向の伸縮を阻害せずに強度を補強できる部材であれば良い。
【0034】
上記構成において、振動板10に4000V以上(例えば4300V)の直流バイアス電圧を印加すると、この直流バイアス電圧によって振動板10と内側電極板11及び外側電極板12との間にそれぞれコンデンサが形成され、静電効果が生じる状況が構成される。この状態で、音声信号である駆動電流を供給すると、この駆動電流に応じて振動板4が同期して半径方向の外力を受けることによって次のような呼吸運動を行う。
【0035】
つまり、図14,図15において、各多角形は重心O1,O2を固定点としl1,m1にて構成される三角形やl2,m2にて構成される三角形が垂線v1,v2の足を中心として半径方向(図15の矢印方向)に振動する。垂線v1,v2の足の交点Nが最大振幅点となる。この半径方向の変動は、全体的にみれば呼吸運動に近似したものであり、この呼吸運動が上下極部以外の全ての多角形で行われるため、ほぼ完全な呼吸球に近い音源(球面波音場)が実現される。
【0036】
上記実施形態では、振動板10が所定の多角形の組み合わせ構造であるので、上記振幅は例えば圧電セラミックを用いた振動体のものよりも遥かに大きく、大きな音声出力が得られる。
【0037】
また、外側電極板12には複数の空気流通孔(図示せず)が形成され、この空気流通孔を介して音波が放射されるが、内側電極板11にも複数の空気流通孔(図示せず)が形成されているため、振動板10の内面側の空気圧力が軽減され、これによって低音再生限界周波数を低くすることができる。
【0038】
尚、前記実施形態によれば、振動板10は5角形と6角形を用いて構成したが、4角形以上のそれ以外の多角形を用いて構成することもできる。又、振動板10は多角形を用いて構成したもの以外で構成しても良く、このように構成した場合でも呼吸運動が上下極部以外の全てで行われるため、ほぼ完全な呼吸球に近い音源(球面波音場)が実現できる。但し、多角形の組み合わせ構造のように大きな振幅が得られないため、大きな音声出力を得るには上記実施形態のような振動体10で構成するのが好ましい。
【0039】
尚、前記実施形態によれば、振動板10の内側と外側に電極板11,12を設けた、いわゆるプッシュプル型の構成としたが、いずれか一方にのみ電極板を設ける、いわゆるシングル型の構成としても良い。
【0040】
尚、前記実施形態によれば、台座体14に対して球体支持構造体13が固定であり、振動体10等の方向調整ができないが、所定の回転角で球体支持構造体13を回転可能として振動体10等の方向調整ができるように構成しても良い。このようにすれば、上極側支持部材24及び下極側支持部材25の位置、つまり、上下極部の位置を可変でき、リスナーの方向に対してより最適な球面波音場を実現可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、導電層を有する略球面形状の振動板と、この振動板の内周側と外周側の少なくともいずれか一方に間隔をおいて配置された略球面形状の電極板と、前記振動板と前記電極板とを間隔を置いた状態で支持すると共に前記振動板及び前記電極板に電圧を供給する球体支持構造体とを備えた電気音響変換器であって、前記振動板は、nを4以上の整数としたときに、n角形である第1の多角形において、その重心から各頂点へ引いた線分と辺とによりなる各3角形が重心から各辺へと引いた垂線によってV字形に折られてなる第1の形状と、(n+1)角形である第2の多角形において、その重心から各頂点へ引いた線分と辺とによりなる各3角形が重心から各辺へと引いた垂線によってV字形に折られてなる第2の形状とを用い、辺同士を連結して組み合わされた略球面形状であって、前記重心は半径の大きくなる方向に突出する位置に配置され、前記垂線は半径の小さくなる方向に折られており、且つ、隣り合う前記各形状の共通の辺に引かれた双方の垂線の足が連続するように構成されて成る一方、前記球体支持構造体は、前記振動板の略球面形状の中心点を中心として略点対称の2カ所の前記重心部分のみを支持して成るので、振動体が上下極部以外の全ての箇所で呼吸運動を行うため、ほぼ完全な呼吸球に近い音源(球面波音場)を実現できると共に、各多角形の重心を頂点とする三角形部分が多角形の重心を固定点として半径方向に変動可能な形状となり、振動板と電極板との間にコンデンサが形成され、静電効果が生じる状況が構成されることによって半径方向に振動して呼吸球に近い音源(球面波音場)が実現されるものであり、その振幅を大きく取ることができることで大きな音声出力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す球状スピーカ(静電型電気音響変換器)の正面から見た構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す球状スピーカの側面から見た構成図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す球状スピーカの平面から見た構成図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、中心支持部材の正面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示し、(A)は内側電極支持部材の平面図、(B)は内側電極支持部材の拡大断面図である。
【図6】本発明の一実施形態を示し、一対の経度支持部材の正面図である。
【図7】本発明の一実施形態を示し、(A)は外側電極支持部材の平面図、(B)は外側電極支持部材の拡大断面図である。
【図8】本発明の一実施形態を示し、上極側支持部の断面図である。
【図9】本発明の一実施形態を示し、下極側支持部の断面図である。
【図10】本発明の一実施形態を示し、(A)は振動板電圧供給部材の平面図、(B)はその側面図である。
【図11】本発明の一実施形態を示し、電圧供給の配線図である。
【図12】本発明の一実施形態を示し、台座体の断面図である。
【図13】本発明の一実施形態を示し、振動体の正面図である。
【図14】本発明の一実施形態を示し、振動体の構成を説明する図である。
【図15】本発明の一実施形態を示し、振動体の振動状態を示す図である。
【図16】従来のスピーカ(電気音響変換器)の断面図である。
【図17】従来のスピーカの要部断面図である。
【符号の説明】
S 球状スピーカ(電気音響変換器)
10 振動体
11 内側電極板(電極板)
12 外側電極板(電極板)
13 球体支持構造体
O1,O1 重心
v1,v2 垂線
t1,t2 頂点
Claims (1)
- 導電層を有する略球面形状の振動板と、
この振動板の内周側と外周側の少なくともいずれか一方に間隔をおいて配置された略球面形状の電極板と、
前記振動板と前記電極板とを間隔を置いた状態で支持すると共に前記振動板及び前記電極板に電圧を供給する球体支持構造体とを備えた電気音響変換器であって、
前記振動板は、nを4以上の整数としたときに、
n角形である第1の多角形において、その重心から各頂点へ引いた線分と辺とによりなる各3角形が重心から各辺へと引いた垂線によってV字形に折られてなる第1の形状と、
(n+1)角形である第2の多角形において、その重心から各頂点へ引いた線分と辺とによりなる各3角形が重心から各辺へと引いた垂線によってV字形に折られてなる第2の形状とを用い、辺同士を連結して組み合わされた略球面形状であって、
前記重心は半径の大きくなる方向に突出する位置に配置され、前記垂線は半径の小さくなる方向に折られており、且つ、隣り合う前記各形状の共通の辺に引かれた双方の垂線の足が連続するように構成されて成る一方、
前記球体支持構造体は、前記振動板の略球面形状の中心点を中心として略点対称の2カ所の前記重心部分のみを支持して成ることを特徴とする電気音響変換器。
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