JP2006332299A - ハロゲン化アルミニウムと異種金属又は金属化合物とを含む混合雰囲気における多結晶シリコン薄膜の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化アルミニウムと異種金属又は金属化合物とを含む混合雰囲気における多結晶シリコン薄膜の製造方法 Download PDF

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Ji Hye Eom
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Abstract

【課題】 本発明は、ハロゲン化アルミニウム、より好ましくは、塩化アルミニウム(AlCl3)と異種金属又はこれらの金属化合物とを含む混合雰囲気の低温条件で非晶質シリコン薄膜を結晶化することによって、経済的且つ効率的に多結晶シリコン薄膜を製造することを目的とする。
【解決手段】 本発明の多結晶シリコン薄膜の製造方法は、基板上に形成された非晶質シリコン薄膜をハロゲン化アルミニウムと異種金属又はこれらの金属化合物を99:1〜1:99の比で混合された雰囲気下、400℃〜600℃の温度で熱処理する工程を含む。
【選択図】 図1b

Description

本発明は、多結晶シリコン薄膜の製造方法に関し、より詳しくは、非晶質シリコン薄膜を、ハロゲン化アルミニウム、より好ましくは、塩化アルミニウム(AlCl3)と異種金属又はこれらの金属化合物とを含む混合雰囲気中で熱処理することにより、経済的に多結晶シリコン薄膜を製造する方法に関する。
最近、OLED(有機発光ダイオード)用TFT(薄膜トランジスタ)、SRAM(静的ランダム・アクセス・メモリ)用TFT、EEPROM(電気的読み出し及び書き込み可能メモリ)用TFT、太陽電池、イメージセンサーなどのような電子素子の製作のために、多結晶シリコン薄膜の製造技術がますます重要になっている。従って、低コストで多結晶シリコン薄膜を製造するための数多くの研究がなされている。
低コストで多結晶シリコン薄膜を製造するためには、非結晶シリコン薄膜を多結晶シリコン薄膜に変換する熱処理工程において、熱処理温度を下げるとともに熱処理の時間を短縮することが必要である。
非晶質シリコン薄膜が金属成分と接触した場合、多結晶シリコン薄膜の形成に必要な固相結晶化の温度が低くなる。このために、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)及びアルミニウム(Al)などの金属を非晶質シリコン薄膜に直接蒸着した後熱処理するか、あるいは前記の金属又は金属化合物が酸に溶解した金属溶液をシリコン薄膜にスピンコーティングした後熱処理することによって、結晶化の温度を低下させる種々の方法が研究されている。
特に、前記金属の中でアルミニウムは、他の金属とは異なり、シリコン内の0.067eVの浅いアクセプターレベル(shallow acceptor level)で存在する。従って、アルミニウムは、残留する金属成分によってほとんどいかなる電気的欠陥をも招くことなく、実際の素子に好適に適用することができる。しかし、アルミニウムを金属溶液の形態でシリコン薄膜に適用した場合、アルミニウム酸化物の生成に起因して、結晶化温度の低下に効果を奏しない(D.K. Shonら、Japanese Journal of Applied Physis, Vol 35 Part 1, No. 2B, pp.1005(1996))。あるいは、アルミニウム金属をシリコン薄膜に直接蒸着して熱処理する場合において、結晶化温度は低下を示す。しかし、この工程は、非晶質シリコンがアルミニウムに溶解した後に、アルミニウムから結晶質シリコンが析出されることによって、多結晶シリコン薄膜が生成されるので、薄膜の表面が平滑にならないという欠点がある。さらに、上記工程は、結晶化の後、残留するアルミニウムを除去する工程を有し、また、結晶化されたシリコン薄膜内には、なおも相当量のアルミニウムが残存する(M. Shahidul Haque. H. A. Naseem及びW. D. Brown, J. Appl. Phys. Vol 75(8), 3928(1994))。
従って、本発明の目的は、ハロゲン化アルミニウム、好ましくは、塩化アルミニウム(AlCl3)と異種金属又はこれらの金属化合物とを含む混合雰囲気において、低温で非晶質シリコン薄膜の結晶化によって多結晶シリコン薄膜を効率的に製造する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、上記方法によって製造された多結晶シリコン薄膜を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、ハロゲン化アルミニウム、好ましくは、塩化アルミニウム(AlCl3)と異種金属又はこれらの金属化合物とを含む混合雰囲気中で非晶質シリコン薄膜を熱処理することにより、アルミニウム蒸着薄膜を熱処理する方法における問題を解決すると共に、アルミニウム金属溶液を用いる従来の熱処理方法とは異なり、結晶化温度を下げることができる多結晶シリコン薄膜の製造方法を提供する。
本発明に基づいて、多結晶シリコン薄膜の製造方法は、従来の多結晶シリコン薄膜の製造において、基板上に形成された非晶質シリコン薄膜をハロゲン化アルミニウムと異種金属又はこれらの金属化合物とを含む混合雰囲気で熱処理する工程を含む。
前記において、基板上に非晶質シリコン薄膜を形成する方法は、基板上にシリコン薄膜を形成することができる方法であれば、例えば、化学気相蒸着法(CVD)、スパッタリング法、蒸着法の中の特定の工程に限られない。
さらに、シリコン薄膜が形成された基板は、ガラス板、石英板、電気絶縁体の非晶質酸化膜が被覆されたガラス板、電気絶縁体の非晶質酸化膜が被覆された石英板又はシリコンウエハを使用することができる。このとき、前記基板上に形成される非晶質シリコン薄膜の厚さは数十Åから数μmである。
本発明において、非晶質シリコン薄膜の熱処理は、ハロゲン化アルミニウム化合物と異種金属又はこれらの金属化合物とが99:1〜1:99の比で混合された混合雰囲気下、400℃〜600℃温度で、発熱体又は電磁波を用いて実施することができる。
前記ハロゲン化アルミニウムは、アルミニウムとハロゲン元素とからなる化合物であって、塩化アルミニウム(AlCl3)、ヨウ化アルミニウム(AlI3)、臭化アルミニウム(AlBr3)、フッ化アルミニウム(AlF3)からなる群から選択される。
また、ハロゲン化アルミニウムは、異種金属又は金属化合物を混合して金属誘導結晶化の金属供給源として使用される。また、ハロゲン化アルミニウムの他に使用できる金属供給源は、金属誘導結晶化の効果を表す。使用可能な金属供給源は、ハロゲン化アルミニウムを除いて、金属誘導結晶化の効果を表す金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)から選択されるいずれか一つ、あるいは、これらの金属の一つを含有する化合物を含む。本発明では、前記金属の金属化合物は、例えば、AuCl、AgCl、CuCl、CuCl2、NiCl2、PdClが例示される。
また、本発明において、非晶質シリコン薄膜の熱処理温度が400℃未満である場合は、多結晶シリコン薄膜の形成に要する時間が長くなり、一方、600℃を超える場合には、多結晶シリコン薄膜の形成に対する所望の効果を得られない。したがって、非晶質シリコン薄膜の熱処理工程は、400℃〜600℃の範囲で実施することが好ましい。
本発明によって非晶質シリコン薄膜を熱処理した後、多結晶シリコン薄膜の生成はラマン分光学又はX線回折(XRD)解析を用いて確認することができる。
ハロゲン化アルミニウムと異種金属又はこれらの金属化合物とを含む混合雰囲気中で非晶質シリコン薄膜の熱処理を実施するとき、多様な混合雰囲気下で熱処理を実施した結果、ハロゲン化アルミニウムと異種金属又はこれらの金属化合物とを99:1〜1:99の比で混合した混合雰囲気は、所望の多結晶シリコン薄膜の形成を導く。
また、非晶質シリコン薄膜を熱処理する前に、ハロゲン化アルミニウムと異種金属又はこれらの金属化合物とを150℃〜400℃で混合することによって、ハロゲン化アルミニウムと異種金属又はこれらの金属化合物とを含む雰囲気を均一に保持することができる。前記の温度が400℃より高ければ、ハロゲン化アルミニウムの昇華速度が早くなり、工程の進行中において、ハロゲン化アルミニウム及び異種金属又はこれらの金属化合物の供給源を一定に供給することが難しくなる。
さらに、本発明では、非晶質シリコン薄膜の基板を熱処理するためのハロゲン化アルミニウムと異種金属又はそれらの金属化合物とを含有する混合雰囲気を準備する前に、不活性雰囲気又は真空雰囲気を形成する工程を更に含むことによって、酸化され易い元素であるアルミニウムの酸化を防止して、効果的に熱処理を実施することができる。上記の不活性雰囲気のために、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトンから選択されるいずれかの不活性ガスが使用される。
本発明において、非晶質シリコン薄膜の結晶化のための熱処理は、非晶質シリコン薄膜の核生成を誘導するために、400℃〜600℃の温度で0.1〜5時間の間実施する1次熱処理の工程と、前記1次熱処理の後、粒子成長を促進させるために、不活性雰囲気又は真空雰囲気下にて、400℃〜900℃の温度で0.1〜10時間の間2次熱処理とに分割されている。これにより、前記1次、2次熱処理において、種々の熱処理条件から、上述した温度と時間の条件下にて、所望の多結晶シリコン薄膜を得ることができることを見出した。
さらに本発明は、前記の製造方法によって得られる多結晶シリコン薄膜を含む。
本発明は、本発明を限定することなく、説明のために示された以下の比較例及び実施例によってより理解されるであろう。
(比較例)
熱酸化法によって酸化シリコンが形成されたシリコンウエハを基板として使用し、基板温度550℃でSiH4 ガスを流しながら、LPCVD法によって1000Å厚の非晶質シリコン薄膜を蒸着した。
金属の供給源として、アルミニウムを、アルミニウム金属溶液の形態を使用して非晶質シリコン薄膜上に蒸着した。次いで、550℃で5時間の熱処理を実施した(D.K. Shon et. al.,Japanese Journal of Applied Physis, Vol 35 Part 1, No. 2B, pp.1005(1996))。
(実施例)
熱酸化法によって酸化シリコンが形成されたシリコンウエハを基板として使用し、基板温度550℃でSiH4 ガスを流しながら、LPCVD法によって1000Å厚さの非晶質シリコン薄膜を蒸着した。
金属の供給源として塩化アルミニウム(AlCl3)と塩化ニッケル(NiCl2)との混合粉末を10:1の比率、300℃で混合した後、前記金属の供給源を利用して、前記非晶質シリコン薄膜をアルゴン(Ar)雰囲気で、480℃、5時間、熱処理した。
図1aは、従来のアルミニウム金属溶液をアルミニウムを供給して550℃で5時間、熱処理したシリコン薄膜のX線回折パターンを示す。
図1bは、本発明の実施例によって非晶質シリコン薄膜を、10:1の比率で混合したAlCl3とNiCl2 とを含む雰囲気で480℃、5時間、熱処理したシリコン薄膜のX線回折パターンを示す。
これらの図面から、本発明の方法により、480℃、5時間熱処理した結果、(111)、(220)、(311)のピークがはっきりと観察されるが、従来の方法による場合、550℃で5時間熱処理した後、いかなるピークも観察されないので、非晶質シリコン薄膜が結晶化していないことが分かる。
図2は、本発明の前記実施例により、シリコン薄膜を製造するとき、480℃で、10時間熱処理した多結晶シリコン薄膜内のシリコン粒子を示すSEMイメージを示している。薄膜内の粒子のサイズは約15μmであり非常に均一である。
図3は、本発明の前記実施例による多結晶シリコン薄膜の製造時、480℃、10時間熱処理したシリコン薄膜のAFM(原子間力顕微鏡)の表面イメージを示すこれによれば、表面粗さの平均値が5Å未満で熱処理の後、非常に平坦な表面を示している。
図4は、前記実施例によって、480℃、5時間熱処理したシリコン薄膜のオージェ電子分光法を示す。前記AES分析法は、不純物を1%まで検出する分析方法であって、アルミニウムの含量が1%以上の時に、1393eVでアルミニウムのピークが現れ、ニッケルの含量が1%以上の時に、852eVでニッケルのピークが現れる。本発明の前記実施例従って結晶化した多結晶シリコン薄膜を分析した結果、アルミニウムピークとニッケルピークが現れないことから、結晶化されたシリコン薄膜の中には金属が1%以下に抑制されている事実を確認することができる。
上述したように、本発明は、ハロゲン化アルミニウムと異種金属又はこれらの金属化合物とを含む混合雰囲気中において多結晶シリコン薄膜を製造する方法を提供する。本発明の方法に従って製造される多結晶シリコン薄膜は、従来の技術より低温において結晶化が可能であると共に、結晶粒子がさらに大きく、結晶化されたシリコン薄膜内の残留金属の量が極度に制限され表面平坦度の優れた特性を有することになるため、有利である。
本発明の好ましい実施形態は、説明する目的で開示されているのであって、当業者は、添付の請求項に開示された発明の範囲及び意図から逸脱することなく、種々の改変、追加、置換が可能であることを認識するであろう。
本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付の図面とを併せて考慮することにより、より明確に理解されるであろう。
従来のアルミニウム金属溶液を使用する吸着法によって製造されたシリコン薄膜の結晶化程度を示すX線回折パターン(XRD)である。 本発明によって製造されたシリコン薄膜の結晶化程度を示すX線回折パターンである。 本発明によって製造された多結晶シリコン薄膜内のシリコン粒子を表す走査電子顕微鏡(SEM)である。 本発明によって製造された多結晶シリコン薄膜の表面粗さを表す原子間力顕微鏡(AFM)の写真図である。 本発明によって製造された多結晶シリコン薄膜の表面粗さを示す写真である。

Claims (11)

  1. 非晶質シリコン薄膜が蒸着された基板を、ハロゲン化アルミニウムと異種金属又はそれらの金属化合物とを含む混合雰囲気中で熱処理する工程を含む多結晶シリコン薄膜の製造方法。
  2. 前記非晶質シリコン薄膜は、ガラス板、石英板、電気絶縁体の非晶質酸化膜が被覆されたガラス板、電気絶縁体の非晶質酸化膜が被覆された石英板又はシリコンウエハから選択される基板に、化学気相蒸着法、スパッタリング法、又は蒸着法を利用して数十Åから数μmの厚さで形成される請求項1記載の方法。
  3. 前記ハロゲン化アルミニウムは、AlCl3、AlI3、AlBr3及びAlF3から選択される請求項1記載の方法。
  4. 前記異種金属は、Au、Ag、Cu、Ni及びPdから選択されるいずれかひとつであるか又は前記金属の一つが含有された異種金属化合物である請求項1記載の方法。
  5. 前記ハロゲン化アルミニウムと異種金属又はそれらの金属化合物とが、99:1〜1:99の比で混合されてなる請求項1記載の方法。
  6. 前記熱処理は400℃〜600℃の温度で実施される請求項1記載の方法。
  7. 前記熱処理は発熱体又は電磁波によって実施される請求項1記載の方法。
  8. 前記熱処理の前にハロゲン化アルミニウムと異種金属又は金属化合物とを150℃〜400℃の温度で混合する請求項1記載の方法。
  9. 前記非晶質シリコン薄膜の基板を熱処理するために、ハロゲン化アルミニウムと異種金属又はこれらの金属化合物とを含む混合雰囲気を準備する前に、不活性雰囲気又は真空雰囲気を形成する工程を更に含む請求項1記載の方法。
  10. 前記熱処理は、非晶質シリコン薄膜の核生成のために、400℃〜600℃の温度で0.1〜5時間実施する1次熱処理と、1次熱処理の後、粒子成長を促進させるために、不活性雰囲気又は真空雰囲気下、400℃〜900℃の温度で0.1〜10時間実施する2次熱処理とを含む請求項1記載の方法。
  11. 請求項1によって製造される多結晶シリコン薄膜。








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* Cited by examiner, † Cited by third party
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