JP2006332162A - シリコン系積層型薄膜太陽電池 - Google Patents

シリコン系積層型薄膜太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガラス基板上に順に積層された、非晶質シリコン光電変換層を含む非晶質光電変換ユニット、及び結晶質シリコン光電変換層を含む結晶質光電変換ユニット、を含むシリコン系積層型薄膜太陽電池において、その製造コストを下げることである。
【解決手段】 本発明のシリコン系積層型薄膜太陽電池は、ガラス基板上に順に積層された、非晶質シリコン光電変換層を含む非晶質光電変換ユニット、及び結晶質シリコン光電変換層を含む結晶質光電変換ユニットを含むシリコン系積層型薄膜太陽電池であって、シリコン系積層型薄膜太陽電池への光照射前後において、前記結晶質光電変換ユニットの分光感度積分電流が増加することを特徴とするとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガラス基板上に順に積層された、非晶質シリコン光電変換層を含む非晶質シリコン光電変換ユニット、及び結晶質シリコン光電変換層を含む結晶質シリコン光電変換ユニットを含むシリコン系積層型薄膜太陽電池に関するものである。
近年では薄膜太陽電池も多様化し、従来の非晶質薄膜太陽電池に加えて結晶質薄膜太陽電池も開発され、これらを積層したハイブリッド太陽電池と称される積層型薄膜太陽電池も実用化されている。
薄膜太陽電池は、一般に、透光性基板上に順に積層された透明導電膜、1以上の半導体薄膜光電変換ユニット、および裏面電極を含んでいる。そして、1つの光電変換ユニットはp型層とn型層でサンドイッチされたi型層を含んでいる。
透明導電膜は、透光性基板側から入射された光を有効に光電変換ユニット内に閉じ込めるために、その表面には通常微細な凹凸が多数形成されており、その高低差は一般的には0.05μm〜0.3μm程度である。透明導電膜の凹凸の度合いを表す指標としてヘイズ率がある。これは特定の光源の光を透明導電膜が付いた透光性基板に入射した際に透過する光のうち、光路が曲げられた散乱成分を全成分で割ったものに相当し、通常可視光を含むC光源を用いて測定される。一般的には凹凸の高低差を大きくするほど、または凹凸の凸部と凸部の間隔が大きくなるほどヘイズ率が高くなり、光電変換ユニット内に入射された光は有効に閉じ込められる。
i型層は実質的に真性の半導体層であって光電変換ユニットの厚さの大部分を占め、光電変換作用は主としてこのi型層内で生じる。このため、このi型層は通常i型光電変換層または単に光電変換層と呼ばれる。光電変換層は真性半導体層に限らず、ドープされた不純物(ドーパント)によって吸収される光の損失が問題にならない範囲で微量にp型またはn型にドープされた層であってもよい。光電変換層は光吸収のためには厚い方が好ましいが、必要以上に厚くすればその製膜のためのコストと時間が増大することになる。
他方、p型やn型の導電型半導体層は光電変換ユニット内に内部電界を生じさせる役目を果たし、この内部電界の大きさによって薄膜太陽電池の重要な特性の1つである開放電圧(Voc)の値が左右される。しかし、これらの導電型半導体層は光電変換に直接寄与しない不活性な層であり、導電型半導体層にドープされた不純物によって吸収される光は発電に寄与しない損失となる。したがって、p型とn型の導電型半導体層は、十分な内部電界を生じさせ得る範囲内であれば、できるだけ小さな厚さにとどめておくことが好ましい。導電型半導体層の厚さは一般的には20nm程度以下である。
ここで、光電変換ユニットまたは薄膜太陽電池は、それに含まれるp型とn型の導電型半導体層が非晶質か結晶質かにかかわらず、その主要部を占める光電変換層が非晶質のものは非晶質ユニットまたは非晶質薄膜太陽電池と称され、光電変換層が結晶質のものは結晶質ユニットまたは結晶質薄膜太陽電池と称される。
薄膜太陽電池の変換効率を向上させる方法として、2以上の光電変換ユニットを積層する方法がある。この場合、薄膜太陽電池の光入射側に大きなバンドギャップを有する光電変換層を含む前方ユニットを配置し、その後方に順に小さなバンドギャップを有する光電変換層を含む後方ユニットを配置することにより、入射光の広い波長範囲にわたって光電変換を可能にし、これによって太陽電池全体としての変換効率の向上が図られる。このような積層型太陽電池の中でも、特に非晶質シリコン光電変換ユニットと結晶質シリコン光電変換ユニットを各々1つずつ積層し電気的に直列接続したものはシリコンハイブリッド太陽電池と称される。
例えば、i型非晶質シリコンが光電変換し得る光の波長は長波長側において800nm程度までであるが、i型結晶質シリコンはそれより長い約1150nm程度の波長までの光を光電変換することができる。
シリコンハイブリッド太陽電池の出力特性のうち、短絡電流密度(Jsc)は、前方に配置される非晶質シリコン光電変換ユニット(以降これを単にトップセルと称す)の分光感度積分電流(分光感度を測定し、それらにエアマス1.5に代表される太陽光スペクトル強度を波長毎に乗じて積分し算出される出力電流密度)と後方に配置される結晶質シリコン光電変換ユニット(以降これを単にボトムセルと称す)の分光感度積分電流との大小関係によって決定される。具体的には、トップセルの分光感度積分電流よりもボトムセルの分光感度積分電流が大きければ、太陽電池全体のJscはトップセルの分光感度積分電流により制限される。逆にボトムセルの分光感度積分電流のほうが小さければ、全体のJscはボトムセルの分光感度積分電流により制限される。
ところで、光吸収係数の大きな非晶質シリコン光電変換層は光吸収のためには0.3μm程度以下の厚さでも十分なJscを得ることができるが、光吸収係数の小さな結晶質シリコン光電変換層は長波長の光をも十分に吸収するためには1.5〜3μm程度の厚さを有することが好ましい。すなわち、結晶質シリコン光電変換層は、通常は非晶質シリコン光電変換層に比べて5〜10倍程度の厚さを有することが望まれる。同様に、シリコンハイブリッド太陽電池においても、両者の厚さの比を概ね5〜10倍とすることが必要である。仮に結晶質シリコン光電変換層の厚さをそれよりも薄くすれば、全体のJscはボトムセルの分光感度積分電流で制限された値となる。
一般的にはトップセルとボトムセルの分光感度積分電流値が概ね一致するように、前記の両者の厚さの比を設定することが変換効率を大きくするには有効である。しかしながら、結晶質シリコン光電変換層の製膜速度は非晶質シリコン光電変換層の製膜速度に比べてそれほど大きくないことから、シリコンハイブリッド太陽電池の場合、結晶質シリコン光電変換層の厚さによって太陽電池全体の製造コストが左右される。
また一方で、シリコンハイブリッド太陽電池のトップセルに用いられる非晶質シリコンはステブラー・ロンスキー効果によって光劣化し分光感度積分電流も低下することが広く知られている。
このため、結晶質シリコン光電変換層の厚さは、(1)全体の性能を低下させない範囲でできるだけ薄くし、かつ(2)非晶質シリコン光電変換層の光劣化による分光感度積分電流の低下も考慮してあらかじめ薄く設計する必要がある。しかし、このような設計を行っても、なおシリコンハイブリッド太陽電池においては、結晶質シリコン光電変換層の厚さによって太陽電池全体の製造コストが左右される状況には変わりがない。
特許文献1には、非晶質シリコン光電変換層の厚さを0.3μm、結晶質シリコン光電変換層の厚さを4.0μmとした場合のシリコンハイブリッド太陽電池の初期および光照射後の変換効率の値が記載されている。
また、特許文献2には非晶質シリコン光電変換層の厚さと結晶質シリコン光電変換層の厚さの組合せを変えたシリコンハイブリッド太陽電池の初期および光照射後の変換効率の値が記載されている。しかしながら、いずれの文献もその目的はシリコンハイブリッド太陽電池のレーザー集積化に関するものであり、結晶質シリコン光電変換層の厚さをできるだけ薄くし、かつ光照射後の性能を大きくするための方策を示唆するものは記載されていない。
公開特許公報H11−186583号 公開特許公報2001−177134号
上述のような状況に鑑み、本発明は、ガラス基板上に順に積層された、非晶質シリコン光電変換層を含む非晶質光電変換ユニット、及び結晶質シリコン光電変換層を含む結晶質光電変換ユニット、を含むシリコン系積層型薄膜太陽電池、特に非晶質シリコンから成るトップセルと結晶質シリコンから成るボトムセルを各々1つずつ配置したシリコンハイブリッド太陽電池に関し、その全体の製造コストを左右する結晶質シリコン光電変換層の厚さを減らすことにより、製造コストを下げることを目的としている。
本発明によるシリコン系積層型薄膜太陽電池は、ガラス基板上に順に積層された、非晶質シリコン光電変換層を含む非晶質光電変換ユニット、及び結晶質シリコン光電変換層を含む結晶質光電変換ユニットを含むシリコン系積層型薄膜太陽電池であって前記薄膜太陽電池への光照射後に前記結晶質光電変換ユニットの分光感度積分電流が増加することを特徴とする。これにより、結晶質光電変換ユニットを含むシリコンハイブリッド太陽電池などのシリコン系積層型薄膜太陽電池において、その結晶質シリコン光電変換層の厚さを減らすことができ、その結果全体の製造コストを下げることができる。
本発明によるシリコン系積層型薄膜太陽電池は、好ましくは前記ガラス基板として、波長700nm以上1500nm以下におけるその光線透過率が光照射前後において増加するものを用いることを特徴とする。これにより、前記結晶質光電変換ユニットの分光感度積分電流が光照射前後において増加するので、結晶質光電変換ユニットの厚さをあらかじめ薄く設計できる。
本発明によれば、ガラス基板上に順に積層された、非晶質シリコン光電変換層を含む非晶質光電変換ユニット、及び結晶質シリコン光電変換層を含む結晶質光電変換ユニット、を含むシリコン系積層型薄膜太陽電池に対し、その全体の製造コストを左右する結晶質シリコン光電変換層の厚さを減らすことができ、製造コストを下げることができる。
本発明においては、ガラス基板の光線透過率が光照射後に照射前よりも高くなるものを用い、好ましくは光照射後に概ね波長700nm以上1500nm以下におけるその光線透過率が増加するガラスを用いるので、そのような光線透過率増加のないガラス基板を用いた場合に比べて、結晶質シリコン光電変換層の厚さを薄く設計でき、太陽電池全体の製造コストを低減することができる。
つまり本発明は、光線透過率が光照射後に照射前よりも高くなる性質を有するガラス基板を利用したものであり、特にハイブリッド太陽電池の結晶質シリコン光電変換層の製造コスト低減に効果がある。
ここで、光照射とは擬似太陽光を太陽光強度に近い照射強度(約100mW/cm2)で1000時間程度、または太陽光強度の5倍(約500mW/cm2)程度の照射強度で数十時間程度照射することを指し、概ね屋外曝露1年以上に相当するものとする。例えば、前記ガラス基板として含有鉄量を限定した白板ガラスを用いた場合、これに光照射を行うとその近赤外域の光線透過率が照射前の光線透過率よりも、4mm厚さのガラスに換算して1%程度高くなることがあり、それに応じて結晶質光電変換層ユニットの分光感度積分電流が増加する。
以下に、本発明の実施の形態としてのシリコンハイブリッド太陽電池を、図1を参照しつつ説明する。
透光性基板1の上に透明導電膜2が形成されている。
透光性基板1としては、ガラス、透明樹脂等から成る板状部材やシート状部材が用いられる。特にガラスを用いる場合には、光照射による可視域の透過率低下を抑制するために、ガラス中に含まれるFe23に換算した全酸化鉄ができるだけ少ないことが望ましく、具体的には0.02重量%程度以下であることが望ましい。さらにガラス中にはセリウムが含まれていないことが望ましい。例えば、公表特許公報2001−866477号には含有鉄量とセリウム量を一定範囲に制御したガラスが開示されており、近赤外域の光線透過率が紫外線照射後に増加することが記載されている。このようなガラスを用いたガラス板は、本願の透光性基板1として好適に用いることができる。このようなガラス板を透光性基板1として用いた場合、前記ガラスに光照射を行うと近赤外域の光線透過率が向上し、4mm厚さのガラスに換算した場合の透過率が照射前に比べて1%程度増加すると考えられる。
透明導電膜2としては酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物が用いられる。透明導電膜2はCVD、スパッタ、蒸着等の方法を用いて形成される。透明導電膜2は、形成条件の工夫によりその表面に微細な凹凸を生じさせて入射光の散乱を増大させる効果を有している。凹凸の高低差は0.05〜0.3μm程度であり、シート抵抗は5〜20Ω/□程度に設定される。
透明導電膜2の上にはトップセルである非晶質光電変換ユニット3が形成される。非晶質光電変換ユニット3は非晶質p型シリコンカーバイド層3p、ノンドープ非晶質i型シリコン光電変換層3i、n型シリコン層3nから成り立っている。ノンドープ非晶質i型シリコン光電変換層3iの材料はシリコンのみならず、シリコンカーバイド、シリコンゲルマニウム等の合金でもよい。また、n型シリコン層3nの代わりに、非晶質i型シリコン光電変換層3iで吸収しきれずに後方に抜けた光を再度非晶質i型シリコン光電変換層3i側に反射させるために、微結晶シリコンを含むシリコンオキサイド等の低屈折率層が配置されていてもよい。
非晶質光電変換ユニット3の上にボトムセルである結晶質光電変換ユニット4が形成されている。結晶質光電変換ユニット4は結晶質p型シリコン層4p、結晶質i型シリコン光電変換層4i、および結晶質n型シリコン層4nから成り立っている。結晶質n型シリコン層4nの代わりに、微結晶シリコンを含むシリコンオキサイド等の低屈折率層と結晶質n型シリコン層を積層したものを用いることにより、ボトムセルで吸収しきれなかった長波長光を再度ボトムセル側に有効に反射させてもよい。
非晶質光電変換ユニット3、および結晶質光電変換ユニット4(以下、この両方のユニットをまとめて単に光電変換ユニットと称する)の形成には高周波プラズマCVD法が適している。光電変換ユニットの形成条件としては、基板温度100〜250℃、圧力30〜1500Pa、高周波パワー密度0.01〜0.5W/cm2が好ましく用いられる。
光電変換ユニット形成に使用する原料ガスとしては、SiH4、Si26等のシリコン含有ガスまたは、それらのガスと水素を混合したものが用いられる。光電変換ユニットにおけるp型またはn型層を形成するためのドーパントガスとしては、B26またはPH3等が好ましく用いられる。
n型シリコン層4nの上には裏面電極層5が形成される。裏面電極層5にはAg、Alまたはそれらの合金が好ましく用いられる。裏面電極層5とn型シリコン層4nとの間には、裏面電極層5からn型シリコン層4nへの金属の拡散を防止するため、透明反射層5tを挿入してもよい。透明反射層5tにはZnO、ITO等の高抵抗で透明性の優れた金属酸化物が用いられる。透明反射層5tおよび裏面電極層5の形成においては、スパッタ、蒸着等の方法が好ましく用いられる。
以下に、本発明によるシリコン系積層型薄膜太陽電池として実施例1〜3を、図2を参照しつつ、比較例1と比較しながら説明する。
(実施例1)
図2は、実施例1で作製した集積型シリコンハイブリッド太陽電池を模式的に示す断面図である。
まず、透光性基板1として910mm×455mm×4mm厚の白板ガラスを用いた。このガラス中に含まれる微量成分のうち、Fe23に換算した全酸化鉄は0.02重量%であり、また、セリウムは検出されなかった。白板ガラスの光線透過率は波長600nmにおいて91.4%、波長900nmにおいて89.3%であった。一方、この白板ガラスに照射エネルギー密度500mW/cm2の擬似太陽光をガラス表面温度50±5℃の条件で20時間照射した後の光線透過率は、波長680nm付近以下においては変化がなく、それ以上の波長では波長1500nm付近までにわたって増加し、波長900nmにおいては1.1%増加した。
次に、透光性基板1の一主面上に、酸化錫からなる表面に微細な凹凸構造を有する透明導電膜2を熱CVD法により形成した。得られた透明導電膜2の厚さは0.8μm、ヘイズ率は14%、シート抵抗は12Ω/□であった。次に、透明導電膜2を複数の帯状パタ−ンへと分割するためにYAG基本波パルスレーザーを透光性基板1に照射することにより、幅50μmの透明電極層分離溝2aを形成し、超音波洗浄および乾燥を行った。
さらに、非晶質光電変換ユニット3を形成するために、透明導電膜2が形成された透光性基板1を高周波プラズマCVD装置内に導入し、厚さ150Åの非晶質p型シリコンカーバイド(p型a−SiC)層3pを形成した。引き続いて所定厚さのノンドープ非晶質i型シリコン光電変換層3iを、さらに、厚さ250Åのn型シリコン層3nを順次積層した。p型a−SiC層3pの形成においては、SiH4、水素、水素希釈されたB26、CH4を反応ガスとして用い、p型a−SiC層3pの厚さが80Å相当となった時点で放電を維持したまま、水素希釈されたB26およびCH4の供給を止めて残り70Åの製膜を行った。
次に、結晶質光電変換ユニット4を形成するために、引き続きプラズマCVD装置を用いて厚さ150Åのp型結晶質シリコン層4p、所定厚さの結晶質i型シリコン光電変換層4i、厚さ100Åのn型結晶質シリコン層4nを順次積層した。さらに、真空状態を保持したまま基板をDCスパッタ装置に移動して、厚さ600ÅのZnOから成る表面保護層(図示せず)を形成した。
その後、非晶質光電変換ユニット3及び結晶質光電変換ユニット4を複数の帯状パターンへと分割するために、大気中に基板を取り出し、YAG第2高調波パルスレーザーを透光性基板1に照射することにより幅60μmの接続溝4aを形成した。次に、厚さ300ÅのZnOから成る透明反射層(図示せず)と厚さ2000ÅのAgから成る裏面電極層5をDCスパッタ法によって形成した。
最後に、非晶質光電変換ユニット3、結晶質光電変換ユニット4、及び裏面電極層5を複数の帯状パターンへと分割するために、YAG第2高調波パルスレーザーを透光性基板1に照射することにより、幅60μmの裏面電極層分離溝5aを形成し、図2に示すような左右に隣接する短冊状ハイブリッド太陽電池が電気的に直列接続された集積型シリコンハイブリッド太陽電池を作製した。
この集積型シリコンハイブリッド太陽電池は、幅8.9mm×長さ430mmのハイブリッド太陽電池が100段直列接続されて構成されている。
実施例1で作製した集積型シリコンハイブリッド太陽電池上に、さらに小さな集積型の太陽電池領域を形成するために、透明導電膜2、非晶質光電変換ユニット3、結晶質光電変換ユニット4、及び裏面電極層5の全てを図3に示すように矩形状に除去する太陽電池分離溝6aをYAG基本波パルスレーザーとYAG第2高調波パルスレーザーを透光性基板1に続けて照射することにより形成した。
さらに、透明導電膜2とコンタクトを取るための電極取り出し用裏面電極層分離溝7a、7bを図3のように両端の太陽電池上に形成した。そして、電極取り出し用裏面電極層分離溝7a、7b上に各々リード線をはんだ付けした(図示せず)。これにより、910mm×455mmの透光性基板1上に、幅8.9mm×長さ100mmのハイブリッド太陽電池が11段直列接続された集積型シリコンハイブリッド太陽電池ミニモジュール(以下単にミニモジュールと称す)を複数個形成した。
これらのミニモジュールを、透光性基板1を図3の分割線8aに沿って折り割りすることにより125mm×125mmの大きさに分割した後、そのうちの3個につき、エアマス1.5に近似されたスペクトルでエネルギー密度100mW/cm2の擬似太陽光を、測定雰囲気及び太陽電池の温度25±1℃の条件下で照射し、ミニモジュールの電流−電圧特性を測定した。短絡電流密度Jsc、変換効率Effの測定結果(3個の平均値)を表1に示す。表1においては、実施例1で用いた結晶質i型シリコン光電変換層4iの厚さを1、JscおよびEffを1として、以下の比較例または実施例で得られた値を規格化している。次に、先の3個のミニモジュールのトップセルとボトムセルの分光感度特性を測定し、エアマス1.5下の分光感度積分電流の平均値を求めた。トップセルとボトムセルの分光感度積分電流を、先程測定したJscで規格化した値をも表1に示す。
次に、先の3個のミニモジュールに、照射エネルギー密度500mW/cm2の擬似太陽光をミニモジュールの裏面電極の表面温度50±5℃の条件で20時間照射した。光照射後の3個のミニモジュールのJsc、Effおよびトップセルとボトムセルの分光感度積分電流値の平均値を併せて表1に示す。
Figure 2006332162
(比較例1)
比較例1においては、実施例1と比較して白板ガラスのみが変更され、他は実施例1と全く同様にして太陽電池の作製を行った。白板ガラスの光線透過率は波長600nmにおいて90.8%、波長900nmにおいて88.3%であった。この白板ガラスに照射エネルギー密度500mW/cm2の擬似太陽光をガラス表面温度50±5℃の条件で20時間照射した後の光線透過率は、波長650nm以下では減少し逆にそれ以上では波長1500nm付近までにわたって増加した。具体的には波長600nmにおいては0.3%減少し、波長900nmにおいては0.7%増加した。比較例1で作製したミニモジュールの光照射前後の出力測定結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例2においては、実施例1と比較して結晶質i型シリコン光電変換層4iの厚さのみが0.95倍に変更され、他は実施例1と全く同様にして太陽電池の作製を行った。実施例2で作製したミニモジュールの光照射前後の出力測定結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例3においては、実施例1と比較して結晶質i型シリコン光電変換層4iの厚さのみが0.8倍に変更され、他は実施例1と全く同様にして太陽電池の作製を行った。実施例3で作製したミニモジュールの光照射前後の出力測定結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2においては、比較例1と比較して結晶質i型シリコン光電変換層4iの厚さのみが0.8倍に変更され、他は比較例1と全く同様にして太陽電池の作製を行った。比較例2で作製したミニモジュールの光照射前後の出力測定結果を表1に示す。
実施例1と比較例1との比較から、透光性基板1を変更することで光照射後にボトムセルの分光感度積分電流が1%増加していることがわかる。ただし、ミニモジュールのJscはトップセルにより電流制限されているので、ミニモジュールのJscおよびEffには影響を与えていない。なお、比較例1においても透光性基板1の波長約650nm以上における透過率は光照射後に増加している。それにもかかわらず、その効果がボトムセルの分光感度積分電流の増加となって現れないのは、図4の分光感度特性からわかるように、ボトムセルは波長500nm以上の領域に感度を有しており、透光性基板1の波長650nm以下での透過率の光照射後における低下の影響により増加分が相殺されたためと考えられる。次に、実施例2と比較例1の比較から、光照射後による透光性基板1の近赤外域の透過率増加により、実施例2で比較例1に比べて結晶質i型シリコン光電変換層4iの厚さを0.95倍にしても、光照射後はボトムセルの分光感度積分電流が同一となることがわかる。このことから透光性基板1を変更することで結晶質i型シリコン光電変換層4iの厚さを減らすことができ、シリコンハイブリッド太陽電池の製造コストを下げることができる。また、実施例3と比較例2の比較から、光照射後のJscがボトムセルにより電流制限されるように結晶質i型シリコン光電変換層4iの厚さを決めた場合、透光性基板1を変更することで光照射後のミニモジュールのJsc、Effが増加することがわかる。
なお、本実施例および比較例では非晶質シリコンユニットと結晶質シリコンユニットを1つずつ積層したシリコンハイブリッド太陽電池のみを挙げたが、非晶質シリコンユニットは2つ以上あってもよく、また、結晶質シリコンユニットも2つ以上あってもよい。透光性基板の透過率が光照射後に増加し、その増加する波長領域が結晶質シリコンユニットの感度領域と一致していればよい。
以上のことから、本発明によれば、ガラス基板上に順に積層された、非晶質シリコン光電変換層を含む非晶質光電変換ユニット、及び結晶質シリコン光電変換層を含む結晶質光電変換ユニットを含むシリコン系積層型薄膜太陽電池において、該シリコン系積層型薄膜太陽電池への光照射前後において、該結晶質光電変換ユニットの分光感度積分電流を増加させることができる。この結果、シリコン系積層型薄膜太陽電池の製造コストを低減することができる。
シリコンハイブリッド太陽電池の模式的断面図である。 集積型シリコンハイブリッド太陽電池の模式的断面図である。 集積型シリコンハイブリッド太陽電池上にミニモジュールを形成する方法の説明図である。 シリコンハイブリッド太陽電池のトップセルとボトムセルの分光感度特性の一例を示した図である。
符号の説明
1 透光性基板
2 透明導電膜
3 非晶質光電変換ユニット
3p 非晶質p型シリコンカーバイド層
3i ノンドープ非晶質i型シリコン光電変換層
3n n型シリコン層
4 結晶質光電変換ユニット
4p p型結晶質シリコン層
4i 結晶質i型シリコン光電変換層
4n n型結晶質シリコン層
5 裏面電極層
5t 透明反射層
2a 透明電極層分離溝
4a 接続溝
5a 裏面電極層分離溝
6a 太陽電池分離溝
7a、7b 電極取り出し用裏面電極層分離溝
8a 分割線

Claims (2)

  1. ガラス基板上に順に積層された、非晶質シリコン光電変換層を含む非晶質光電変換ユニット、及び結晶質シリコン光電変換層を含む結晶質光電変換ユニットを含むシリコン系積層型薄膜太陽電池であって、該シリコン系積層型薄膜太陽電池への光照射前後において、該結晶質光電変換ユニットの分光感度積分電流が増加することを特徴とするシリコン系積層型薄膜太陽電池。
  2. 前記ガラス基板の波長700nm以上1500nm以下における光線透過率が光照射前後において増加することを特徴とする請求項1に記載のシリコン系積層型薄膜太陽電池。
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