JP2006329821A - X線回折装置およびx線回折パターンの測定方法 - Google Patents

X線回折装置およびx線回折パターンの測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】単結晶試料の結晶方位を容易かつ高精度に調整可能なX線回折装置を提供する。
【解決手段】単結晶基板10を傾斜補正治具20を用いて試料固定台1に固定する。傾斜補正治具20は、単結晶基板10の格子面11の結晶方位12と表面10Sとのなす傾斜角αに対応した傾斜面21を有しており、結晶方位12と支持面1Sにおける法線方位1Pとが互いに平行になる。これにより、あおり角と回転角とをそれぞれ独立して最適化することができ、入射X線2Aおよび回折X線3Aの各方向に対して結晶方位12を正確かつ容易に調整し、単結晶基板10の格子面11におけるX線回折パターンを高精度に測定することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、X線の照射方向に対する単結晶基板の結晶方位を調整しつつ、そのX線回折パターンを測定するX線回折装置およびそれを用いたX線回折パターンの測定方法に係り、特に、基板表面に対して検出対象とする結晶格子面が傾斜しており、基板法線方向に有効な反射点がない場合の単結晶基板の測定に好適なX線回折装置およびX線回折パターンの測定方法に関する。
一般に、単結晶基板の構造解析、格子定数測定、結晶の不均一性(揺らぎ)の評価および構造欠陥の評価などを行うにあたっては、X線回折装置を用いて測定されたX線回折パターンが有用である。このX線回折パターンを高精度に測定するには、単結晶基板へ照射される入射X線および単結晶基板からの回折X線の各方向に対して、結晶方位を正確に調整する必要がある。最近では、特に、複数の分光結晶によって単色化させ、かつ広がり角を抑えるようにした入射X線を利用した高分解能X線回折装置が主流となっており、結晶方位の調整精度がより重要となっている。
ところで、単結晶基板の種類としては、平行基板と傾斜基板とに分類することができる。平行基板とは、基板表面と、低次の面方位指数で表される結晶格子面(以下、低次の結晶格子面という。)とが互いに平行をなすものである。これに対し、傾斜基板とは、基板表面が低次の結晶格子面に対して傾斜をなすものである。傾斜基板を用いる例としては、表面モフォロジーの改善、結晶性の改善、量子細線の作製、不純物取り込み効率の制御または自然超格子の制御などを目的とする場合が挙げられる。傾斜基板では、例えば(001)方向から(110)方向へ3°の傾斜を設けるようにしている。傾斜基板の表面は、X線回折において基板法線方向に有効な反射点がない。例えば(001)方向から(110)方向へ3°傾斜させた場合は(1127)とほぼ同等であるが、このような面はX線ピークを測定することができない。傾斜角度は用途によって様々であるが、ガリウム砒素(GaAs)基板上においてAlGaInP系の材料を成長させる場合は5°から15°程度の傾斜が用いられる。なお、低次の結晶格子面とは、X線回折に有効な(信号強度が十分得られる)面群を最小次数で表したものであり、例えばガリウム砒素(GaAs)基板では(001)面、(111)面、(112)面、(113)面((有効な面は 銅(Cu)のα線を用いた場合、(002)、(004)、(006)、(444)、(224)、(113)等)などがこれに相当する。
これらの平行基板および傾斜基板のX線回折パターンを測定するにあたっては、下記のように実施する。ここでは、入射X線および回折X線を含む面(以下、入射面という。)に対して直交する軸をω軸とし、基板支持面の法線方向をφ軸とし、さらに、ω軸およびφ軸の双方と直交する軸をψ軸と定義して説明する。
まず、平行基板において低次の結晶格子面と平行な測定対象面を測定する場合(例えば、(001)面を低次の結晶格子面とする平行基板において、(004)面を測定する場合)には、入射面に対して測定対象面が必ず垂直となる。このため、入射X線を照射した状態でω軸を中心として平行基板を回転させつつ回折X線の検出を行うようにすればよい。但し、実際には、回折X線の検出器が入射X線のX線源を含む同一平面内においてのみ移動可能である場合が多いので、ψ軸を中心として平行基板を回転させてあおり角の調整を行うことにより、検出器を入射面内に収めるようにする。このあおり角の大きさは、回折X線のピーク強度が最大となる位置またはピーク強度半値幅が最小となる位置(通常は一致する)が最適値となる。
これに対し、平行基板において低次の結晶格子面と非平行をなす測定対象面を測定する場合(例えば、(001)面を低次の結晶格子面とする平行基板において、(115)面を測定する場合)には、ψ軸を回転中心としたあおり角およびφ軸を回転中心とした回転角の双方の調整が必要となる。この場合、あおり角および回転角の調整は、各々独立して行うことができる。
一方、傾斜基板において低次の結晶格子面と平行または非平行をなす測定対象面を測定する場合、いずれも、あおり角および回転角の双方の調整が必要である。但し、上記の平行基板とは異なり、基板表面が低次の結晶格子面に対して傾斜をなしていることから、あおり角の調整と回転角の調整とが互いに影響を及ぼし合うこととなる。すなわち、仮に最初にψ軸のあおり角を十分に調整したとしても、そのあおり角の大きさは、のちに行うφ軸の回転角の調整に依存して最適値から外れてしまうのである。逆にφ軸の回転角の調整を先に行った場合でも、ψ軸のあおり角の調整に伴って同様の結果となる。傾斜基板の傾斜角が大きいほど、互いに与える影響は大きくなってしまう。
このような問題に対応するため、例えば、ψ軸のあおり角調整とφ軸の回転角調整とを交互に繰り返すことにより両者の最適化を図る手法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
ジャーナル・オブ・マテリアルズサイエンス:マテリアルズ・イン・エレクトロニクス,14(9)541.2003年(Journal of Materials Science:Matrials in Electronics)
しかしながら、上記のような方法では、あおり角および回転角を、それぞれの最適値に収束させるまでに長時間を要するうえ、収束した値も初期値に依存するので再現性に乏しい。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、X線の照射方向に対する単結晶試料の結晶方位を容易かつ高精度に調整可能なX線回折装置およびそれを用いたX線回折パターンの測定方法を提供することにある。
本発明の第1のX線回折装置は、以下の(A)〜(D)に記載された各構成要件を備えるようにしたものである。
(A)表面が、検出対象となる結晶格子面の結晶方位とは異なる法線方位を示す被検出基板を支持するための支持面を有する基板支持手段。
(B)被検出基板の結晶格子面と表面とのなす角度に対応した傾斜面を有すると共に、基板支持手段と被検出基板との間に介在し、被検出基板を、その結晶格子面における結晶方位が基板支持手段の支持面における法線方位と平行となるように保持する補正部材。
(C)補正部材により保持された被検出基板に対し、入射X線を照射するX線源。
(D)入射X線が照射された被検出基板からの回折X線を検出する検出手段。
本発明の第1のX線回折装置では、被検出基板が、結晶格子面の結晶方位と被検出基板の表面とのなす角度と同等の傾斜面を有する補正部材を介して基板支持手段の支持面によって支持される。このとき、検出対象となる結晶格子面の結晶方位が基板支持手段の支持面における法線方位と平行となるように、被検出基板が保持される。このため、被検出基板に対して、被検出基板のあおり角と、回転角とが互いに独立して調整可能となる。
本発明の第2のX線回折装置は、以下の(a)〜(d)に記載された各構成要件を備えるようにしたものである。
(a)表面が、検出対象となる結晶格子面の結晶方位とは異なる法線方位を示す被検出基板を支持するための支持面を有する基板支持手段。
(b)基板支持手段により支持された被検出基板に対して入射X線を照射するX線源。
(c)入射X線が照射された被検出基板からの回折X線を検出する検出手段。
(d)入射X線が照射された被検出基板を、入射X線および回折X線を含む入射面と被検出基板の表面とが交わる第1の軸を中心として回転させる第1駆動機構、および、被検出基板の表面と直交する第2の軸を中心として回転させる第2駆動機構を含み、被検出基板の結晶方位が入射面内に含まれるように制御する駆動手段。
本発明のX線回折パターンの測定方法は、検出対象となる結晶格子面の結晶方位が自らの表面の法線方位とは異なる被検出基板のX線回折パターンを測定する方法であって、以下の(I)〜(IV)に記載された各構成要件を備えるようにしたものである。
(I)X線源により、被検出基板に対して入射X線を照射するステップ。
(II)駆動手段を用いて、入射X線および被検出基板からの回折X線を含む入射面と被検出基板の表面とが交わる第1の軸を中心として被検出基板を回転させることにより、この第1の軸を回転中心としたあおり角の最適化を行うステップ。
(III )駆動手段を用いて結晶方位が入射面内に含まれるように、第1の軸および被検出基板の表面と直交する第2の軸をそれぞれ中心として被検出基板を回転させることにより、第2の軸を回転中心とした回転角の最適化およびあおり角の補正を行うステップ。
(IV)第1および第2の軸の双方と直交する第3の軸を回転中心として被検出基板またはX線源を回転させながら、検出器を用いて回折X線を検出するステップ。
本発明の第2のX線回折装置およびX線回折パターンの測定方法では、駆動手段により、被検出基板に対して第1の軸を中心とした回転駆動と第2の軸を中心とした回転駆動とが互いに連動して行われる。このとき、検出対象となる結晶格子面の結晶方位が入射X線および回折X線を含む入射面内に常に含まれるように回転駆動される。このため、被測定基板に関し、第1の軸を回転中心としたあおり角の最適化と、第2の軸を回転中心とした回転角の最適化とが同時に実施可能となる。
本発明の第1のX線回折装置によれば、検出対象となる結晶格子面と被検出基板の表面とのなす角度に対応した傾斜面を有する補正部材を用いることにより、その結晶格子面における結晶方位と基板支持手段の支持面における法線方位とが互いに平行となるように被検出基板を保持するようにしたので、被検出基板に関し、あおり角の最適化と、回転角の最適化とをそれぞれ独立して行い、入射X線および回折X線の各方向に対して結晶方位を正確かつ容易に調整することができる。よって、検出対象とする結晶格子面のX線回折パターンを高精度に測定することができる。
本発明の第2のX線回折装置またはX線回折パターンの測定方法によれば、駆動手段により、被測定基板において第1の軸を中心とした回転駆動と第2の軸を中心とした回転駆動とを互いに連動しておこない、検出対象となる結晶格子面の結晶方位を入射X線および回折X線を含む入射面内に収めるようにしたので、あおり角の最適化と、回転角の最適化とを同時におこなうことができ、入射X線および回折X線の各方向に対して結晶方位を正確かつ容易に調整することが可能となる。よって、検出対象とする結晶格子面のX線回折パターンを高精度に測定することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態としてのX線回折装置について説明する。図1は、本実施の形態のX線回折装置における構成を表している。図2は、図1の要部を拡大して示したものである。
このX線回折装置は、各種の単結晶試料のX線回折パターンを測定するものである。このX線回折パターンを基に構造解析、格子定数測定、結晶の不均一性(揺らぎ)の評価および構造欠陥の評価などを行うことができる。このX線回折装置は、被測定試料となる単結晶基板10を固定する基板支持手段としての試料固定台1と、単結晶基板10へ入射X線2Aを照射するX線源としてのX線管2と、単結晶基板10からの回折X線3Aを検出する検出手段としての検出器3とを備えている。単結晶基板10とX線管2との間にはモノクロメータ4が配設され、単結晶基板10と検出器3との間にはアナライザ5が配設される。ここで、単結晶基板10は、補正部材としての傾斜補正治具20を介して試料固定台1に固定されている。
試料固定台1は、傾斜補正治具20を固定する支持面1Sを有しており、互いに直交する3つの回転軸ψ,φ,ω(以下、それぞれψ軸,φ軸,ω軸と記載する。)を回転中心としてゴニオメータ(図示せず)により回転するように構成されている。具体的には、試料固定台1は、入射X線2Aおよび回折X線3Aを含む入射面と直交し、かつ、単結晶基板10の基板表面10Sに含まれるω軸を回転中心として回転駆動され、支持面1Sと直交するφ軸を回転中心として回転駆動され、さらに、入射面と支持面1Sとの交差する線に沿ったψ軸を回転中心として回転駆動されるようになっている。ゴニオメータは、図示しない制御部によって動作を制御される。
X線管2は、例えば銅(Cu)をターゲットとするものであり、その場合には入射X線2Aとして銅の特性X線Kαを発生するものである。X線管2は、入射面においてω軸を回転中心として回転することにより、単結晶基板10への入射X線2Aの入射角度ωを変化させるように構成されている。検出器3は、所定のガスを用いた比例計数管であり、回折X線3Aのフォトンをカウントするものである。検出器3は、入射面においてω軸を回転中心として回転することにより、単結晶基板10からの回折X線3Aの回折角度θ(2θ)を変化させるように構成されている。
モノクロメータ4は、単結晶材料からなり、X線管2が発生した入射X線2Aを受けて回折し単一波長化(単色化)するものである。モノクロメータ4は、使用する単結晶の種類、数、結晶方位、位置関係によって、入射X線の強度や単色性を選択することができる。高精度な測定を行う場合には、一般的に4結晶法が用いられる。モノクロメータ4としては、例えば、Ge(220)対称反射を用いたものがある。アナライザ5も、モノクロメータ4と同様に単結晶材料により構成されており、単結晶基板10からの回折X線3Aの単色化を行い、分解能の向上を図るものである。
単結晶基板10は、図2に示したように、X線回折パターンの測定対象とする格子面11が基板表面10Sに対して傾斜角αをなすように構成されたものである。すなわち、基板表面10Sの法線方位が、格子面11の結晶方位12と傾斜角αをなすように構成されている。
傾斜補正治具20は、単結晶基板10における格子面11の傾斜角αと同等の傾斜角αをなす傾斜面21を有しており、格子面11の結晶方位12が試料固定台1の支持面1Sにおける法線方位1Pと一致するように(すなわち、格子面11と支持面1Sとが互いに平行となるように)単結晶基板10を保持するものである。
このように構成されたX線回折装置を用いて単結晶基板10における格子面11のX線回折パターンを測定するにあたっては、入射面に対して格子面11が必ず垂直となることから、入射X線2Aを照射した状態でω軸を中心として単結晶基板10を回転させつつ回折X線3Aの検出を行うようにすればよい。ここで、X線管2をω軸を中心として回転させ、入射角ωを変化させることにより、回折X線3Aの検出を行うようにしてもよい。どちらの場合も、検出器3と同じくω軸を中心として回転させることで回折角θを制御すればよい。なお、モノクロメータ4およびアナライザ5についても連動させることとする。
この際、ψ軸を回転中心としたあおり角の最適化およびφ軸を回転中心とした回転角の最適化が必要となるが、それらの操作は、制御部によってゴニオメータを駆動させることにより各々独立して行うことができる。例えば、あおり角の最適化を実施したのち、回転角の最適化を実施したとしても、先に調整したあおり角は最適値から外れることはない。これは逆の順序で最適化を実施した場合であっても同様である。ここで、あおり角および回転角の大きさについては、それぞれ、ゴニオメータにより単結晶基板10をω軸を中心に回転させながら、回折X線3Aのピーク強度が最大となる位置またはピーク強度半値幅が最小となる位置(通常は一致する)を最適値とするようにする。
このように、本実施の形態では、結晶方位12と単結晶基板10の表面10Sとのなす傾斜角αに対応した傾斜面21を有する傾斜補正治具20を用いることにより、結晶方位12と支持面1Sにおける法線方位1Pとが互いに平行となるように単結晶基板10を保持するようにしたので、あおり角と回転角とをそれぞれ独立して最適化し、入射X線2Aおよび回折X線3Aの各方向に対して結晶方位12を正確かつ容易に調整することができる。よって、単結晶基板10の格子面11におけるX線回折パターンを高精度に測定することができる。
[第2の実施の形態]
続いて、図3から図8を参照して、本発明の第2の実施の形態としてのX線回折装置およびX線回折パターンの測定方法について説明する。上記第1の実施の形態では、傾斜補正治具を用いて結晶格子面の結晶方位を調整するようにしたが、本実施の形態では、ψ軸の回転動作とφ軸の回転動作とを連動させることにより、結晶格子面の結晶方位を調整するようにしたものである。なお、本実施の形態におけるX線回折装置は、傾斜補正治具を備えていない点を除き上記第1の実施の形態のものと同様であるので、ここでは図示および構成の説明を省略する。
図3は、本実施の形態のX線回折装置における試料固定台1と、これに固定された単結晶基板10とを表している。この単結晶基板10は、第1の実施の形態のものと同種である。すなわち、単結晶基板10は平行平面板であり、X線回折パターンの測定対象とする格子面11が基板表面10Sに対して傾斜角αをなすように構成されたものである。
図3に示したように、単結晶基板10は試料固定台1の上に直接載置されている。ここでは、基板表面10Sが支持面1Sと平行となっている。したがって、格子面11の結晶方位12は、支持面1Sの法線方位1Pから傾斜角αのみ傾いた状態となっている。
このように構成されたX線回折装置を用いて単結晶基板10における格子面11のX線回折パターンを測定するにあたっては、ψ軸を回転中心としたあおり角の調整による一次最適化と、ψ軸を回転中心としたあおり角調整およびφ軸を回転中心とした回転角調整を同時に行う二次最適化とによるアライメントを行ったのち、入射X線2Aを照射した状態でω軸を中心として単結晶基板10を回転させつつ回折X線3Aの検出を行うようにすればよい。ここで、X線管2をω軸を中心として回転させ、入射角ωを変化させることにより回折X線3Aの検出を行うようにしてもよい。どちらの場合も、検出器3を同じくω軸を中心として回転させることで回折角θを制御すればよい。
以下、本実施の形態のX線回折装置を用いたX線回折パターンの測定方法について説明する。ここでは、図4〜図8を参照して、主にあおり角および回転角の最適化について説明する。図4は、X線回折パターンの測定方法における操作の流れを表した図であり、図5〜図8は、あおり角および回転角の最適化の方法を説明するための説明図である。
まず、試料固定台1の支持面1S上に、結晶方位12とω軸とがほぼ直交するように単結晶基板10を固定する(ステップS101)。ここで、試料固定台1は、ω軸と直交する面(ψ−φ面)と、入射X線2Aおよび回折X線3Aが通過することとなる入射面とが互いに平行となるように設定される。
続いて、X線管2により、単結晶基板10に対して入射X線2Aを照射する(ステップS102)。さらに、ψ軸を中心として単結晶基板10を回転させることにより、ψ軸を回転中心としたあおり角の一次最適化を行う(ステップS103)。ここでは、ψ軸を中心として単結晶基板10を少しずつ回転させてあおり角を変更しながら、駆動機構6によりω軸を回転中心としたスキャンニングを行い、その結果、単結晶基板10からの回折X線3Aのピーク強度が最大となった点、またはピーク半値幅が最小となった点(通常、これらは一致する)をあおり角の一次最適値(一応の最適値)と判断する。あおり角の一次最適化により、結晶方位12が、ω軸と直交する面に含まれることになる。ただし、結晶方位12は、φ軸との間に傾斜角αをなすように傾いた状態である。これをφ軸と直交する面(ψ−ω面)へ投影すると、図5に示したように、ψ軸の成分12ψが現れる。結晶方位12を単位ベクトルと考えると、成分12ψの大きさはsinαである。
ψ軸を回転中心としたあおり角の一次最適化を行ったのち、ゴニオメータを用いてφ軸およびψ軸をそれぞれ中心として単結晶基板10を回転させることにより、φ軸を回転中心とした回転角の最適化およびあおり角の二次最適化を行う(ステップS104)。ここでは、結晶方位12が入射X線2Aおよび回折X線3Aを含むこととなる入射面内に常に含まれるようφ軸の回転とψ軸の回転とを連動させる。φ軸を回転中心とした回転角を最適化するにあたっては、φ軸を中心として単結晶基板10を少しずつ回転させて回転角を変更しながら、駆動機構6によりω軸を回転中心としたスキャンニングを行い、その結果、単結晶基板10からの回折X線3Aのピーク強度が最大となった点、またはピーク半値幅が最小となった点を回転角の最適値と判断する。ここで、φ軸を中心として単結晶基板10を回転させると、これに伴って結晶方位12がω軸と直交する面から外れてしまう。例えば、図6に示したように、φ軸を中心として回転角θ2だけ単結晶基板10を回転させると、φ軸と直交する面(ψ−ω面)には成分12ψωが投影される。これを分解すると、ψ軸に沿った成分12ψとω軸に沿った成分12ωとが現れる。このように、φ軸を中心として回転動作を行うと、ω軸の成分12ωが現れてしまうので、あおり角を補正する必要が生じる。成分12ωの大きさはsinαsinθ2である。
ここで、図6のVII -VII線に沿った断面をみると、図7に示したように、φ軸に沿った成分12φの大きさはcosαとなっている。さらに、図6のVIII-VIII 線に沿った断面である図8から明らかなように、成分12ωを零とするにはψ軸を中心としてθ1に相当する角度分だけ回転させるようにすればよい。こうすることにより、あおり角の二次最適化を行うことができる。
補正角θ1は、
θ1=Tan-1(sinθ2・sinα/cosα)
=Tan-1(sinθ2・tanα) ……(1)
と表すことができる。
あおり角および回転角の最適化を行ったのち、ψ軸およびφ軸の双方と直交するω軸を回転中心として単結晶基板10を回転させながら、またはX線管2および検出器3を移動させながら検出器3を用いて回折X線3Aの検出を行う(ステップS105)。以上により、格子面11におけるX線回折パターンの測定が完了する。
このように、本実施の形態では、ゴニオメータにより、単結晶基板10においてψ軸を中心とした回転駆動とφ軸を中心とした回転駆動とを互いに連動しておこない、測定対象とする格子面11の結晶方位12を入射X線2Aおよび回折X線3Aを含む入射面内に常に収めるようにしたので、ψ軸を回転中心としたあおり角の最適化と、φ軸を回転中心とした回転角の最適化とを同時におこなうことができ、入射X線2Aおよび回折X線3Aの各方向に対して結晶方位12を正確かつ容易に調整することが可能となる。よって、格子面11のX線回折パターンを高精度に測定することができる。
本発明の第1の実施の形態としてのX線回折装置の構成図である。 図1に示したX線回折装置の要部を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態としてのX線回折装置の要部を表す構成図である。 図3に示したX線回折装置を用いて行うX線回折パターンの測定方法における流れ図である。 図3に示したX線回折装置を用いて行うX線回折パターンの測定方法を説明するための説明図である。 図3に示したX線回折装置を用いて行うX線回折パターンの測定方法を説明するための第2の説明図である。 図3に示したX線回折装置を用いて行うX線回折パターンの測定方法を説明するための第3の説明図である。 図3に示したX線回折装置を用いて行うX線回折パターンの測定方法を説明するための第4の説明図である。
符号の説明
1…試料固定台、1P…法線方位、1S…支持面、2…X線管、2A…入射X線、3…検出器、3A…回折X線、4…モノクロメータ、5…アナライザ、10…単結晶基板、10S…表面、11…格子面、12…結晶方位、20…傾斜補正治具。

Claims (5)

  1. 表面が、検出対象となる結晶格子面の結晶方位とは異なる法線方位を示す被検出基板を支持するための支持面を有する基板支持手段と、
    前記被検出基板の結晶格子面と表面とのなす角度に対応した傾斜面を有すると共に、前記基板支持手段と前記被検出基板との間に介在し、前記被検出基板を、その結晶格子面における結晶方位が前記基板支持手段の支持面における法線方位と平行となるように保持する補正部材と、 前記補正部材により保持された被検出基板に対し、入射X線を照射するX線源と、
    前記入射X線が照射された被検出基板からの回折X線を検出する検出手段と
    を備えたことを特徴とするX線回折装置。
  2. 表面が、検出対象となる結晶格子面の結晶方位とは異なる法線方位を示す被検出基板を支持するための支持面を有する基板支持手段と、
    前記基板支持手段により支持された被検出基板に対して入射X線を照射するX線源と、
    前記入射X線が照射された被検出基板からの回折X線を検出する検出手段と、
    前記入射X線が照射された被検出基板を、前記入射X線および回折X線を含む入射面と前記被検出基板の表面とが交わる第1の軸を中心として回転させる第1駆動機構、および、前記被検出基板の表面と直交する第2の軸を中心として回転させる第2駆動機構を含み、前記被検出基板の結晶方位が前記入射面内に含まれるように制御する駆動手段と
    を備えたことを特徴とするX線回折装置。
  3. 前記駆動手段は、以下の条件式(1)を満足するように制御を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載のX線回折装置。
    但し、
    θ1:第1の軸を回転中心としたあおり角
    θ2:第2の軸を回転中心とした回転角
    α:結晶方位と第2の軸とがなす傾斜角
    とする。
    θ1=Tan-1(sinθ2・tanα) ……(1)
  4. 検出対象となる結晶格子面の結晶方位が自らの表面の法線方位とは異なる被検出基板のX線回折パターンを測定する方法であって、
    X線源により、前記被検出基板に対して入射X線を照射するステップと、
    駆動手段を用いて、前記入射X線および前記被検出基板からの回折X線を含む入射面と前記被検出基板の表面とが交わる第1の軸を中心として前記被検出基板を回転させることにより、この第1の軸を回転中心としたあおり角の最適化を行うステップと、
    前記駆動手段を用いて前記結晶方位が前記入射面内に含まれるように、前記第1の軸および前記被検出基板の表面と直交する第2の軸をそれぞれ中心として前記被検出基板を回転させることにより、前記第2の軸を回転中心とした回転角の最適化および前記あおり角の補正を行うステップと、
    前記第1および第2の軸の双方と直交する第3の軸を回転中心として前記被検出基板またはX線源を回転させながら、検出器を用いて前記回折X線を検出するステップと
    を含むことを特徴とするX線回折パターンの測定方法。
  5. 以下の条件式(1)を満足するように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項4に記載のX線回折パターンの測定方法。
    但し、
    θ1:あおり角
    θ2:回転角
    α:結晶方位と第2の軸とがなす傾斜角
    とする。
    θ1=Tan-1(sinθ2・tanα) ……(1)
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