JP2006329439A - コールドプレート - Google Patents
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Abstract
【課題】 寸法精度に優れ、簡便に製造可能であり、更に、低コストで、リサイクル性に優れた大型のコールドプレートを提供する。
【解決手段】 重ね合わせ面の少なくとも一方に冷却水溝を有する複数枚の金属板を重ね合わせて、接着剤により一体化することによって内部に冷却水溝を備えるコールドプレートであって、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方にシール部材を備え、前記複数枚の金属板が前記シール部材及び接着剤により接合一体化されていることを特徴とするコールドプレート。
【選択図】 図1
【解決手段】 重ね合わせ面の少なくとも一方に冷却水溝を有する複数枚の金属板を重ね合わせて、接着剤により一体化することによって内部に冷却水溝を備えるコールドプレートであって、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方にシール部材を備え、前記複数枚の金属板が前記シール部材及び接着剤により接合一体化されていることを特徴とするコールドプレート。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶や半導体の製造における被処理ガラス基板の熱処理工程に使用される冷却装置の製造方法に関する。
LCD、PDP、EL、カラーフィルター等の表示デバイスを構成するガラス基板は様々な機能を持たせるために種々の成膜工程を経る。成膜工程においては、焼き付け工程や乾燥工程の他に、皮膜の化学変化を目的とした熱処理が施される場合が多い。
例えば、液晶パネルを構成するガラス基板の場合、TFT形成のためのCVD処理、液晶配向膜の成膜、トップコートの成膜、シール剤乾燥、フォトレジスト剤の焼き付けなどで熱処理が行なわれる。
各々の処理により温度は異なるが、加熱されたガラス基板の冷却が不均一であるとガラス基板内に熱的な歪が生じるため、寸法精度に悪影響を及ぼしたり、基板の破損が生じることがある。そのため、冷却時のガラス基板全体の温度分布は常に1℃程度以内に制御することが要求されている。
各々の処理により温度は異なるが、加熱されたガラス基板の冷却が不均一であるとガラス基板内に熱的な歪が生じるため、寸法精度に悪影響を及ぼしたり、基板の破損が生じることがある。そのため、冷却時のガラス基板全体の温度分布は常に1℃程度以内に制御することが要求されている。
従来、均一な冷却を行なうためにコールドプレート又はクールプレートと呼ばれる冷却水路が設けられた冷却板が用いられてきた。冷却板には熱伝導性が高く、安価なアルミニウム合金が使用される。冷却水路はコールドプレート全体が均一な温度になるように配置される。コールドプレートは加熱されたガラス基板に数百ミクロン程度の距離をおいて配置され、ガラス基板の熱を均一になお且つ徐々に奪う。
図6〜8に示すように、コールドプレートとしては主に3つのタイプのものが用いられている。
A.銅管又はアルミニウム管9にアルミニウム圧延板1を溶接したもの(図6)
B.銅管9を鋳込んだアルミニウム鋳塊を切削加工したもの(図7)
C.冷却水溝2とシール材4の溝を有するアルミニウム圧延板1と平坦なアルミニウム圧延板1を挟んで、ボルト10で締めたもの(図8)
A.銅管又はアルミニウム管9にアルミニウム圧延板1を溶接したもの(図6)
B.銅管9を鋳込んだアルミニウム鋳塊を切削加工したもの(図7)
C.冷却水溝2とシール材4の溝を有するアルミニウム圧延板1と平坦なアルミニウム圧延板1を挟んで、ボルト10で締めたもの(図8)
表示ディスプレイは年々の大型化が進んでおり、より大型のガラス基板の製造が要求されている。例えば液晶ディスプレイは、現在、第4世代、第5世代と呼ばれる730×920mm、1215×1315mmサイズのものが主に製造されているが、第6世代では1705×2015mmサイズのガラス基板の製造が要求される。さらに、第8世代では、2315×2765mmサイズのガラス基板の製造が要求される。
このようなガラス基板の大型化に伴い、ガラス基板自体のハンドリングや寸法精度の要求が厳しくなると同時に、コールドプレートや製造周辺機器の寸法精度や製造コストへの要求も厳しくなっている
このようなガラス基板の大型化に伴い、ガラス基板自体のハンドリングや寸法精度の要求が厳しくなると同時に、コールドプレートや製造周辺機器の寸法精度や製造コストへの要求も厳しくなっている
上記各種コールドプレートには大型化に伴い以下に示すような問題点が挙げられる。
Aのタイプのコールドプレートはパイプと圧延板の溶接に起因する熱歪により平坦度が損なわれる恐れがある。また大型化に伴い溶接部分の増加が考えられるので製造コストが増大する。更に、パイプがアルミニウム板と異種材料の場合には、リサイクル性が損なわれる。
Aのタイプのコールドプレートはパイプと圧延板の溶接に起因する熱歪により平坦度が損なわれる恐れがある。また大型化に伴い溶接部分の増加が考えられるので製造コストが増大する。更に、パイプがアルミニウム板と異種材料の場合には、リサイクル性が損なわれる。
Bのタイプのコールドプレートは、要求された平坦度をクリアするために切削加工又は研削加工が必要である。大型化に伴い大面積の高精度切削加工等が要求される。更に、大型になるほどパイプを正確な位置に鋳込むことが困難となる。また、鋳造欠陥による歩留まりの低下が懸念され、材料強度は圧延材料に比べて劣る。
Cのタイプのコールドプレートは高精度に寸法が制御された圧延板に溝加工を施し、溝加工面を接合面とする組み合わせで要求される寸法精度を達成できるが、大型化に伴うパッキンの配置、ボルト締めの工数を考えるとコスト増大が不可避である。5世代型では、パッキン締め付けのため300程度のボルト締結個所があるが、第6〜8世代では600個所に増加すると見られている。特開平05−213299で紹介されているような複数ボルトを締結する工具を用いるとしても大変な作業であることには変わりがない。
特開平05−213299号公報
本発明は、寸法精度に優れた大型のコールドプレートを簡便に製造することを課題とし、更に、低コスト及びリサイクル性の向上も課題とする。
本発明は請求項1において、重ね合わせ面の少なくとも一方に冷却水溝を有する複数枚の金属板を重ね合わせて、接着剤により一体化することによって内部に冷却水溝を備えるコールドプレートであって、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方にシール部材を備え、前記複数枚の金属板が前記シール部材及び接着剤により接合一体化されていることを特徴とするコールドプレートとした。
本発明は請求項2において、前記シール部材を、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方に塗布されたシール剤とした。
本発明は請求項3において、前記シール部材を、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方に設けられたシール溝に装着されたシール材とした。
本発明は請求項4において、重ね合わせ面の少なくとも一方に冷却水溝を有する複数枚の金属板を重ね合わせて、接着剤により一体化することによって内部に冷却水溝を備えるコールドプレートであって、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方に接着剤溝を備え、前記複数枚の金属板が前記接着剤により接合一体化されていることを特徴とするコールドプレートとした。
本発明は請求項5において、前記金属板をアルミニウム又はアルミニウム合金とし、前記金属板の重ね合わせ面が陽極酸化皮膜を備えるようにした。
本発明は請求項6において、前記金属板をホットプレス機又は錘焼鈍による圧着により接合一体化するようにした。
本発明の一実施態様では、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方に備えられるシール部材によって、冷却水溝からの水漏れを防止することができる。また、他の実施態様では、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方に設けた接着剤溝によってトラップされた接着剤によって、冷却水溝からの水漏れを防止することができる。この実施態様では、金属板の接合面に、例えばペースト状接着剤を塗布又はフィルム状接着剤を貼り合わせることのみによって金属板同士を圧着して一体化できる。このように本発明では、水漏れ防止効果や接着作用によって、複雑な水漏れ防止機構や接着機構、例えば上記Cタイプのようなボルト締結による組み立てを不要とするため、製造工程が簡略化され、寸法精が優れ、更に接合に要する時間の短縮化された大型コールドプレートを簡便に製造することが可能となる。
本発明のコールドプレートは、上記した従来のCタイプのコールドプレートからボルト締結を大幅に削減又は廃したものである。
A.金属板
コールドプレートを構成する主部材である金属板は熱間圧延が可能であれば合金組成等に特に制約はない。金属板は厚さ数百mmのブロック状の鋳塊を目標板圧の数十mmまで熱間圧延して製造する。熱間圧延を施すことにより、鋳塊中に存在する微細な空孔が圧着され、材質、強度が良化する。圧延は板の平坦度が大幅に損なわれないように制御して行なう。また、圧延後には目標の寸法精度に近付けるために、多くの場合に焼鈍矯正が行われる。また、表面切削及び/又は表面研削後の2枚の圧延板を合わせたときに140μm/2765mm以上の平坦度を得るために、各板の平坦度が70μm/2765mm以上となるように表面切削及び/又は表面研削が施される。平坦度が70μm/2765mm未満の平坦性が不十分な金属板を用いると、接着剤を用いて接合する際に、接合面に接着剤の不足箇所が生じてしまうため、耐水圧性に優れたコールドプレートを提供できない。また、平坦性が十分でない場合には、加熱されたガラス基板が均一に冷却されない不都合も生じる。
ここで、金属板の平坦度とは、基準となる常盤上に平坦度を有する側が接するように所定長さの金属板を載置し、平坦部と常盤との間に生じる長さ方向に沿った隙間の厚さ方向における最大値として定義されるものである。例えば、平坦度が70μm/2765mm以上とは、任意幅で長さが2765mmの金属板を常盤上に載置した際の、金属板と常盤との間に生じる長さ方向に沿った隙間の厚さ方向における最大値が70μmということである。
コールドプレートを構成する主部材である金属板は熱間圧延が可能であれば合金組成等に特に制約はない。金属板は厚さ数百mmのブロック状の鋳塊を目標板圧の数十mmまで熱間圧延して製造する。熱間圧延を施すことにより、鋳塊中に存在する微細な空孔が圧着され、材質、強度が良化する。圧延は板の平坦度が大幅に損なわれないように制御して行なう。また、圧延後には目標の寸法精度に近付けるために、多くの場合に焼鈍矯正が行われる。また、表面切削及び/又は表面研削後の2枚の圧延板を合わせたときに140μm/2765mm以上の平坦度を得るために、各板の平坦度が70μm/2765mm以上となるように表面切削及び/又は表面研削が施される。平坦度が70μm/2765mm未満の平坦性が不十分な金属板を用いると、接着剤を用いて接合する際に、接合面に接着剤の不足箇所が生じてしまうため、耐水圧性に優れたコールドプレートを提供できない。また、平坦性が十分でない場合には、加熱されたガラス基板が均一に冷却されない不都合も生じる。
ここで、金属板の平坦度とは、基準となる常盤上に平坦度を有する側が接するように所定長さの金属板を載置し、平坦部と常盤との間に生じる長さ方向に沿った隙間の厚さ方向における最大値として定義されるものである。例えば、平坦度が70μm/2765mm以上とは、任意幅で長さが2765mmの金属板を常盤上に載置した際の、金属板と常盤との間に生じる長さ方向に沿った隙間の厚さ方向における最大値が70μmということである。
金属板としては、アルミニウム合金板、銅合金板、ステンレス板等が好適に用いられる。なお、本発明において「アルミニウム合金板」とは、アルミニウムと他の金属からなるアルミニウム合金板だけでなく、純アルミニウム板も含むものとする。
本発明で用いる金属板には、重ね合わされる2枚の金属板において対向面の少なくとも一方に冷却水溝が設けられる。したがって、重ね合わされる一方の金属板のみに形成されていても、両方に形成されていてもよい。両方に形成する場合、両方の金属板の同じ位置に半断面ずつ形成されていても、一方の金属板に全断面の冷却水溝が形成されたものが上下交互に配列しても良い。
B.接着剤
本発明では、上記複数枚の金属板を重ね合わせて金属板間に介在させた接着剤によってこれら金属板を一体化する。このような接着剤には、ポリプロピレン系、エポキシ系、ポリオレフィン系、ウレタン系、フェノール系、PET系のような、耐水性に優れたペースト状接着剤又はフィルム状接着剤が含まれる。このような接着剤を用いることによって、より一層、気密性に優れたコールドプレートが製造できる。接着剤としては、金属板の接着面に挟んで加熱することにより溶融し、その後に冷却して接着する「ホットメルト型のフィルム状接着剤(以下、「ホットメルト型接着フィルム」又は単に「接着フィルム」と記す)」が好適に用いられる。
本発明では、上記複数枚の金属板を重ね合わせて金属板間に介在させた接着剤によってこれら金属板を一体化する。このような接着剤には、ポリプロピレン系、エポキシ系、ポリオレフィン系、ウレタン系、フェノール系、PET系のような、耐水性に優れたペースト状接着剤又はフィルム状接着剤が含まれる。このような接着剤を用いることによって、より一層、気密性に優れたコールドプレートが製造できる。接着剤としては、金属板の接着面に挟んで加熱することにより溶融し、その後に冷却して接着する「ホットメルト型のフィルム状接着剤(以下、「ホットメルト型接着フィルム」又は単に「接着フィルム」と記す)」が好適に用いられる。
従来、アルミニウム合金等の金属同士を接着フィルムによって接着する技術は、古くから確立されていたが、ホットメルト型の接着フィルムでは、接着部分の密着性を向上させるべく接着層から空気を廃するのが極めて困難なため、コールドプレートのような高気密性が要求される用途ではホットメルト型の接着フィルムを使用できなかった。一方、ホットメルト型の接着フィルムは、接着剤や熱硬化型の接着フィルムに比べて低コストである上に利便性に優れる利点を有する。本発明者らは、ホットメルト型接着フィルムによる圧着条件を選択することにより、コールドプレートを良好に接合できることを見出した。
このようなホットメルト型の接着フィルムは、上述のポリプロピレン系接着フィルム等の合成樹脂製接着フィルムであって、耐水性に優れたものが用いられる。このような接着フィルムを用いることにより、接着層の厚み精度を高く維持できる。さらに、接着フィルムは両金属板の接合部への挟み込みが容易であるため、コールドプレートの生産性にも優れている。
上記ホットメルト型接着フィルムによる圧着条件は適宜選択されるところであるが、接着温度をTa、ホットメルト型接着フィルムの融点をTmとしたときに、Tm+30℃<Ta<Tm+90℃を満足する加熱条件、ならびに、ホットメルト型接着フィルムの溶融流れ速度(メルトフローレート、以下「MFR」と記す)が6〜15g/10分となる条件の少なくともいずれか一方を満たす条件下を選択して圧着することにより、コールドプレートの接着層に凝固不良のない極めて良好な接合が可能となることを見出した。なお、上記加熱条件及び上記MFR条件の双方を共に満たすことによって圧着接合するのが好ましい。
ここで、MFRは一般的な測定方法に従った。ホットメルト型接着フィルムの場合には、シリンダーの中で180℃に加熱した接着フィルムに0.2MPaの圧力をかけて、細孔(オリフィス)から10min間に流出する樹脂の重量とした。
ここで、MFRは一般的な測定方法に従った。ホットメルト型接着フィルムの場合には、シリンダーの中で180℃に加熱した接着フィルムに0.2MPaの圧力をかけて、細孔(オリフィス)から10min間に流出する樹脂の重量とした。
上記加熱条件に関し、TaがTm+30℃以下となる圧着温度、又は、MFRが6g/10分未満では、圧着時に溶融した接着フィルムが十分な流動性を備えることができない
。従って、接着面と接着フィルムとの層間に取り込まれた空気を押し流すことができず、接着層に凝固不良が多く発生し十分な密着強度が得られず、耐水性が劣ることになる。そして、最悪の場合には、このような凝固不良箇所から水漏れが起こることになる。更に、溶融した接着フィルムの十分な流動性が得られない場合には、圧着時に後述のフィレットが形成されず、十分なシーリング効果が得られない。
。従って、接着面と接着フィルムとの層間に取り込まれた空気を押し流すことができず、接着層に凝固不良が多く発生し十分な密着強度が得られず、耐水性が劣ることになる。そして、最悪の場合には、このような凝固不良箇所から水漏れが起こることになる。更に、溶融した接着フィルムの十分な流動性が得られない場合には、圧着時に後述のフィレットが形成されず、十分なシーリング効果が得られない。
一方、TaがTm+90℃以上となる圧着温度、又は、MFRが15g/10分を超えると、圧着時に流動性が高くなり過ぎてしまう。従って、加圧と同時に溶融した接着フィルムが局所的にサイドに流出してしまい、凝固後の接着層の厚みが極端に薄くなる。その結果、平坦度が十分でない部分では接着フィルムの膜切れが生じるため十分な密着性が得られず、耐リーク性が劣って水漏れの原因となる。更に、溶融した接着フィルムの流動性が大き過ぎると、金属板の平坦部と冷却水溝との接線部(冷却水溝の側面と金属板の接合面が交差する線部)に溶融したフィルムが保持されないため、後述するような良好なフィレットが形成されない。
そこで、上記加熱条件又はMFR条件を採用することにより、接合面の平坦性不具合から生じる接合面の荷重分布不均一性を改善し、凝固不良を低減することができる。
ここで、耐リーク性に更に優れたコールドプレートを提供するために、圧着時に流動した溶融接着フィルムによって冷却水溝接線部にフィレット8が形成可能となるように、金属板の平坦部11と冷却水溝2との接線部を面取りすることが好ましい(図5)。フィレットの形成により、シーリング効果を高めることができるからである。面取り量は接着層の厚みにもよるが、各辺長さ100〜200μm程度が適当であり、接着時の加圧は0.05〜0.2MPa程度が好ましい。接着時の加圧が0.05MPa未満であるとフィレットは殆ど形成されず、0.2MPaを超えたのではその効果が飽和し、加圧工程で無駄が生じる。面取り部(図5の12)の形状は、接着フィルムによるフィレットが形成されれば特に制約はない。一般的な角度である45°の傾斜面でも、その他の角度でも、さらには曲率を有した面でもよい。このような面取り加工を施すことによって、良好なフィレットを形成し易くなる。
C.シール部材
例えば第5世代型のような1215×1315mmの広面積を接着する場合、均一な接着が施されなければ接着層に接着剤の凝固不良部が発生してしまう。この凝固不良部は、空気の巻き込みによって発生する場合が多く、これら凝固不良部の存在は、コールドプレート使用中の水漏れを誘発する。そこで、さらなる気密性を追求するために金属板の重ね合わせ面における少なくとも一方に、シール部材を配設する必要がある。このようなシール部材としては、シール溝に設けられる弾性シール材や、塗布型シール剤が好適に用いられる。
例えば第5世代型のような1215×1315mmの広面積を接着する場合、均一な接着が施されなければ接着層に接着剤の凝固不良部が発生してしまう。この凝固不良部は、空気の巻き込みによって発生する場合が多く、これら凝固不良部の存在は、コールドプレート使用中の水漏れを誘発する。そこで、さらなる気密性を追求するために金属板の重ね合わせ面における少なくとも一方に、シール部材を配設する必要がある。このようなシール部材としては、シール溝に設けられる弾性シール材や、塗布型シール剤が好適に用いられる。
C−1.シール剤
シール剤としては、耐水性に優れたポリプロピレン系、エポキシ系、ポリオレフィン系
、ウレタン系、フェノール系、PET系、シリコン系の材質から成る熱硬化型又はホットメルト型のシール剤が好適に用いられる。このようなシール剤は、通常、基材である金属板に塗布した後に乾燥して用いられる。シール剤を用いる場合には、シール材を設ける場合と比べてシール溝を設ける必要がないので、より低コストでコールドプレートを提供することが可能となる。
シール剤としては、耐水性に優れたポリプロピレン系、エポキシ系、ポリオレフィン系
、ウレタン系、フェノール系、PET系、シリコン系の材質から成る熱硬化型又はホットメルト型のシール剤が好適に用いられる。このようなシール剤は、通常、基材である金属板に塗布した後に乾燥して用いられる。シール剤を用いる場合には、シール材を設ける場合と比べてシール溝を設ける必要がないので、より低コストでコールドプレートを提供することが可能となる。
C−2.シール材
シール材の材質としては、シーリング性を有し耐熱性に優れていれば特に制約はないが
、特にシーリング性に優れたシール材を用いることが好ましい。例えば、耐熱性ゴム等からなる弾性を有するOリング等が好適に用いられる。
シール材の材質としては、シーリング性を有し耐熱性に優れていれば特に制約はないが
、特にシーリング性に優れたシール材を用いることが好ましい。例えば、耐熱性ゴム等からなる弾性を有するOリング等が好適に用いられる。
C−3.シール部材を配設する位置
本発明では、シール部材はコールドプレートの冷却水溝からの水漏れを防止するために
、コールドプレートの構造や用途に応じた位置に配設するのが好ましい。すなわち、プレート表面に施されたリフトピンの穴の位置や液晶半導体製造装置等へ取り付けるためのねじ穴の位置などといった、通常、水漏れの原因と成り得るような上記の穴の近傍や、冷却水溝に沿って配設するのが好ましい。
したがって、シール剤を用いる場合には、上記水漏れ原因となる穴の近傍や冷却溝に沿ってシール剤を金属板表面に塗布してシーリング部を形成するものである。また、シール材を用いる場合には、上記水漏れ原因となる穴の近傍や冷却溝に沿ってシール溝を形成し、この溝にシール材を装着してシーリング部を形成するものである。
本発明では、シール部材はコールドプレートの冷却水溝からの水漏れを防止するために
、コールドプレートの構造や用途に応じた位置に配設するのが好ましい。すなわち、プレート表面に施されたリフトピンの穴の位置や液晶半導体製造装置等へ取り付けるためのねじ穴の位置などといった、通常、水漏れの原因と成り得るような上記の穴の近傍や、冷却水溝に沿って配設するのが好ましい。
したがって、シール剤を用いる場合には、上記水漏れ原因となる穴の近傍や冷却溝に沿ってシール剤を金属板表面に塗布してシーリング部を形成するものである。また、シール材を用いる場合には、上記水漏れ原因となる穴の近傍や冷却溝に沿ってシール溝を形成し、この溝にシール材を装着してシーリング部を形成するものである。
D.接着剤によるシーリング
上記シール部材を用いないで、冷却水溝からの水漏れを防止するシーリング作用を、金属板を接合する接着剤に備えさせるようにしてもよい。このような接着剤としては、好ましくは、上述したプロピレン系、エポキシ系、ポリオレフィン系、ウレタン系、フェノール系、PET系のような耐水性に優れた接着剤が用いられる。より好ましくは、上述した加熱条件及びMFR条件の少なくともいずれかを満たす条件で圧着するホットメルト型接着フィルムが用いられる。また、更に好ましくは、圧着時に流動した溶融接着フィルムによって冷却水溝接線部にフィレットが形成可能となるように、金属板の平坦部と冷却水溝との接線部を面取りすることが好ましい。
上記シール部材を用いないで、冷却水溝からの水漏れを防止するシーリング作用を、金属板を接合する接着剤に備えさせるようにしてもよい。このような接着剤としては、好ましくは、上述したプロピレン系、エポキシ系、ポリオレフィン系、ウレタン系、フェノール系、PET系のような耐水性に優れた接着剤が用いられる。より好ましくは、上述した加熱条件及びMFR条件の少なくともいずれかを満たす条件で圧着するホットメルト型接着フィルムが用いられる。また、更に好ましくは、圧着時に流動した溶融接着フィルムによって冷却水溝接線部にフィレットが形成可能となるように、金属板の平坦部と冷却水溝との接線部を面取りすることが好ましい。
シール部材を用いないで接着剤のみで金属板を接合する場合は、接合面に接着剤を塗布又は接着フィルムを貼る際に、冷却水溝の接線部(冷却水溝の側面と金属板の接合面が交差する線部)まで塗布又は貼ってしまうと、圧着の際の圧力によって冷却水溝の中まで塗布した接着剤又は溶融した接着剤が過剰にはみ出る。このような接着剤の過剰なはみ出しを防止しつつ、接着剤のはみ出しを接線部から冷却溝側に1mm以内に制御することにより、圧着の際においてシーリング性のより高いフィレット部分が接線部近傍に形成可能となる。これにより、一層気密性に優れたコールドプレートが製造できる。しかし、接着剤が接線部から冷却溝側に1mm以上はみ出してしまうと、過剰にフィレットが形成され、さらにはそのフィレットが冷却水流に対して圧力損失を誘発してしまうことから、品質の不具合が生じる。
乾燥した接着剤が接線部から冷却溝側に1mm以上はみ出さないようにするには、金属板に接着剤溝を設け、圧着の際に冷却水溝にはみ出す過剰な接着剤をこの接着剤溝によってトラップする必要がある。このような接着剤溝は、冷却水溝に沿って設けるのが好ましい。接着剤を金属板に塗布する際には、接着剤溝の冷却水溝とは反対側の金属表面部分に接着剤を塗布又は接着フィルムを貼ることによって、接着剤の冷却水溝への過剰なはみ出しを防止できる。
また、シール部材を用いない接着剤のみによる圧着では前述したような凝固不良によって、シーリング性が損なわれることが多いが、圧着時に接着剤溝に流れ込んだ接着剤は、シール部材としての機能を発揮するため、一層、気密性の向上が期待できる。
このような接着剤のみの使用によって一体化されるコールドプレートにおいては、上記シール材をシール溝に配設したり、シール剤を塗布する必要がないため、作業性にも優れ、より一層低コストにコールドプレートを提供できる利点がある。
E.接着接合の前処理
金属板には、接着接合の前処理として、脱脂洗浄、陽極酸化処理を行なうことが好ましい。陽極酸化処理により、冷却水溝及び外表面に形成された陽極酸化皮膜によって冷却水溝の耐食性と外表面の耐疵付き性が向上することにより、コールドプレートとしての耐久性が顕著に向上する。また、陽極酸化処理後に接着面に封孔処理を施さなければアンカー効果による接着強度の上昇が期待できる。
また、コールドプレート外表面(非接着面)については陽極酸化処理以外にメッキ処理、遠赤外線塗料の塗布などを施し、熱交換能力の向上を図るのが好ましい。
金属板には、接着接合の前処理として、脱脂洗浄、陽極酸化処理を行なうことが好ましい。陽極酸化処理により、冷却水溝及び外表面に形成された陽極酸化皮膜によって冷却水溝の耐食性と外表面の耐疵付き性が向上することにより、コールドプレートとしての耐久性が顕著に向上する。また、陽極酸化処理後に接着面に封孔処理を施さなければアンカー効果による接着強度の上昇が期待できる。
また、コールドプレート外表面(非接着面)については陽極酸化処理以外にメッキ処理、遠赤外線塗料の塗布などを施し、熱交換能力の向上を図るのが好ましい。
F.ホットプレス機と錘
本発明によるコールドプレートは、好ましくは、ホットプレス機又は錘焼鈍による圧着によって金属板を接合一体化して製造される。使用するホットプレス機、ならびに、錘や炉の構造は、特に限定されるものではない。ホットプレス機としては、圧着する金属板を挟む上下2枚のホットプレートからなる構造のものが通常用いられる。特に、上方のホットプレートが錘としても作用するタイプのもの、上下プレートが油圧等により締め付けられるタイプのもの等が好適に用いられる。ホットプレス機のホットプレートを所定温度に加熱し、間に挟んだ金属板を所定時間の加熱して圧着する。
本発明によるコールドプレートは、好ましくは、ホットプレス機又は錘焼鈍による圧着によって金属板を接合一体化して製造される。使用するホットプレス機、ならびに、錘や炉の構造は、特に限定されるものではない。ホットプレス機としては、圧着する金属板を挟む上下2枚のホットプレートからなる構造のものが通常用いられる。特に、上方のホットプレートが錘としても作用するタイプのもの、上下プレートが油圧等により締め付けられるタイプのもの等が好適に用いられる。ホットプレス機のホットプレートを所定温度に加熱し、間に挟んだ金属板を所定時間の加熱して圧着する。
また、錘焼鈍では、例えば炉内において土台上に圧着する金属板を載置し、その上に鉄錘等の錘を載置して、土台と錘によって金属板を挟み、炉内を所定温度で所定時間維持し金属板を圧着する。この場合、炉としては、内部温度ができるだけ均一に保持可能なものが好適に用いられる。
G.接着接合における加圧
接着接合時には、シール部材や接着剤の硬度にもよるが、ある程度の加圧が必要である
。加圧することによって、シール部材や接着剤と金属板との密着性が向上するため、より高いシーリング効果が期待できるからである。更に、加圧することにより、接着面と接着剤との密着性が向上し、接着力が増加する効果が得られる。Oリングなどに使用されるシール材を用いる場合には、0.05〜0.2MPa程度加圧することが好ましい。加圧される圧力が0.05MPa以下であると十分な密着効果が得られず、0.2MPa以上では密着効果が飽和するからである。
接着接合時には、シール部材や接着剤の硬度にもよるが、ある程度の加圧が必要である
。加圧することによって、シール部材や接着剤と金属板との密着性が向上するため、より高いシーリング効果が期待できるからである。更に、加圧することにより、接着面と接着剤との密着性が向上し、接着力が増加する効果が得られる。Oリングなどに使用されるシール材を用いる場合には、0.05〜0.2MPa程度加圧することが好ましい。加圧される圧力が0.05MPa以下であると十分な密着効果が得られず、0.2MPa以上では密着効果が飽和するからである。
実施例1
まず、シール材を用いた本発明を実施例により詳細に説明する。
金属板としてアルミニウム合金の圧延板を用いた。Al−Mg合金である5052合金に対し、テンパーをH112に調質した2250mm角の板厚20mmと板厚10mmの圧延板を用意した。板厚20mmの圧延板には冷却水溝及びシール溝を加工形成した後、平坦度70μm/2765mmとなるように切削加工を施し、表面粗度Rzが3〜20μmとなるように表面仕上げ研削を施した。また、板厚10mmの冷却水溝及びシール溝が形成されていない圧延板においても接着面の平坦度を70μm/2765mmとなるように切削加工を施し、表面粗度Rzが3〜20μmとなるように表面仕上げ研削を施した。
まず、シール材を用いた本発明を実施例により詳細に説明する。
金属板としてアルミニウム合金の圧延板を用いた。Al−Mg合金である5052合金に対し、テンパーをH112に調質した2250mm角の板厚20mmと板厚10mmの圧延板を用意した。板厚20mmの圧延板には冷却水溝及びシール溝を加工形成した後、平坦度70μm/2765mmとなるように切削加工を施し、表面粗度Rzが3〜20μmとなるように表面仕上げ研削を施した。また、板厚10mmの冷却水溝及びシール溝が形成されていない圧延板においても接着面の平坦度を70μm/2765mmとなるように切削加工を施し、表面粗度Rzが3〜20μmとなるように表面仕上げ研削を施した。
表面粗度を小さい程、シール材と圧延板の密着性は向上するものの、接着剤と圧延板との接着強度が低下するため十分な耐水圧性が得られなくなる。一方、表面粗度が大きい程
、接着剤と圧延板との接着強度は増すが、シール材と圧延板の密着性は低下し十分なシーリング性が得られない。このような観点から、表面粗度Rzを3〜20μmとするのが好ましい。ここで、表面粗度Rzが3〜20μmとは、圧延板の接着面の表面に存在する各凹凸の凹部の底から凸部の頂までの長さの最大値が3〜20μmの範囲にあることを意味する。
、接着剤と圧延板との接着強度は増すが、シール材と圧延板の密着性は低下し十分なシーリング性が得られない。このような観点から、表面粗度Rzを3〜20μmとするのが好ましい。ここで、表面粗度Rzが3〜20μmとは、圧延板の接着面の表面に存在する各凹凸の凹部の底から凸部の頂までの長さの最大値が3〜20μmの範囲にあることを意味する。
シール材としては耐熱性を有する硬度75°のOリングを用いた。また、接着剤としては、ポリプロピレン(PP)を主成分とするホットメルト型の接着フィルム用いた。この接着フィルムの膜厚は150μmであり、融点は139℃である。
接着処理は下記手順で行なった。まず、シール溝に上記Oリングを装着し、接合する圧延板間に上記ホットメルト型接着フィルムを挟んで仮組みを行なった。図1に仮組みした際のコールドプレート断面図を示す。図1において、1はアルミニウム合金の圧延板、2は冷却水溝、3はシール溝、4はシール溝に装着したOリング、5は接着フィルムを示す。
次に仮組みしたコールドプレートの接合部に0.2MPaの圧力が加わるように30トンの錘を載置し、180℃に加熱された炉内に入れ、接着フィルム5を溶融し接着を行なった。圧着温度Ta(180℃)は、Tm(139℃)+30℃<Ta<Tm(139℃)+90℃を満足する。また、このときのMFRは14g/10分であり、6〜15g/10分の条件を満たしていた。得られたコールドプレートは平坦度70μm/2765mm以上の目標に対して、平坦度50μm/2765mmを達成していた。得られたコールドプレートに対して0.6MPa及び1MPaの水圧をかけて水圧テストを行なった結果、いずれの水圧でも水漏れは無かった。
実施例2
次に、シール剤を用いた本発明を実施例により詳細に説明する。
金属板として、実施例1と同じ2枚のアルミニウム合金圧延板を用意した。板厚20mmの圧延板には冷却水溝を加工し、板厚10mmの圧延板には冷却水溝を設けなかった
。厚さ20mm及び10mmの圧延板にはそれぞれ、実施例1と同様に、平坦度70μm/2765mmとなるように切削加工を施し、表面粗度Rzが3〜20μmとなるように表面仕上げ研削を施した。
シール剤としては、一液熱硬化型のエポキシ系ペースト状シール剤を用いた。接着剤は実施例1で用いたのと同じものを用いた。
次に、シール剤を用いた本発明を実施例により詳細に説明する。
金属板として、実施例1と同じ2枚のアルミニウム合金圧延板を用意した。板厚20mmの圧延板には冷却水溝を加工し、板厚10mmの圧延板には冷却水溝を設けなかった
。厚さ20mm及び10mmの圧延板にはそれぞれ、実施例1と同様に、平坦度70μm/2765mmとなるように切削加工を施し、表面粗度Rzが3〜20μmとなるように表面仕上げ研削を施した。
シール剤としては、一液熱硬化型のエポキシ系ペースト状シール剤を用いた。接着剤は実施例1で用いたのと同じものを用いた。
接着処理は下記手順で行なった。まず冷却水溝に沿ってシール剤を塗布し、両圧延板間の接合部には実施例1で用いたのと同じホットメルト型接着フィルムを挟んで仮組みを行なった。図2に仮組みした際のコールドプレートの断面図を示す。図2において、6はシール剤を示し、1、2及び5は図1と同じである。
次に仮組みしたコールドプレートの接合部に0.1MPaの圧力が加わるように30トンの錘を載置し、180℃に加熱された炉内に入れ、接着フィルム5を溶融し接着を行なった。得られたコールドプレートは平坦度70μm/2765mm以上の目標に対して、平坦度50μm/2765mmを達成していた。得られたコールドプレートに対して0.6MPa及び1MPaの水圧をかけて水圧テストを行なった結果、いずれの水圧でも水漏れは無かった。
実施例3
次に、シール部材を用いないで接着剤のみで圧着接合する手段を用いた本発明を実施例により詳細に説明する。
金属板として、実施例1と同じ2枚のアルミニウム合金圧延板を用意した。板厚20mmの圧延板には冷却水溝及び接着剤溝を加工し、板厚10mmの圧延板には冷却水溝及び接着剤溝を設けなかった。板厚20mmの圧延板には冷却水溝及び接着剤溝を加工した後、平坦度70μm/2765mmとなるように切削加工を施し、表面粗度Rzが3〜20μmとなるように表面仕上げ研削を施した。表面粗度をRz3〜20μmに調整することにより、接着剤と圧延板の密着性が向上する。また、板厚10mmの冷却水溝及び接着剤溝のない圧延板においても接着面の平坦度を70μm/2765mmとなるように切削加工を施し、表面粗度Rz3〜20μmとなるように表面仕上げ研削を施した。
接着剤には一液熱硬化型であるエポキシ系のペースト状接着剤を用いた。この接着剤の硬化条件は120℃で1時間ある。接着剤を接着剤溝に対して冷却水溝と反対側に接着剤を塗布した。図3に仮組みした際のコールドプレートの断面図を示す。図3において、7は接着剤溝であり、1、2、5は図1と同じである。
次に、シール部材を用いないで接着剤のみで圧着接合する手段を用いた本発明を実施例により詳細に説明する。
金属板として、実施例1と同じ2枚のアルミニウム合金圧延板を用意した。板厚20mmの圧延板には冷却水溝及び接着剤溝を加工し、板厚10mmの圧延板には冷却水溝及び接着剤溝を設けなかった。板厚20mmの圧延板には冷却水溝及び接着剤溝を加工した後、平坦度70μm/2765mmとなるように切削加工を施し、表面粗度Rzが3〜20μmとなるように表面仕上げ研削を施した。表面粗度をRz3〜20μmに調整することにより、接着剤と圧延板の密着性が向上する。また、板厚10mmの冷却水溝及び接着剤溝のない圧延板においても接着面の平坦度を70μm/2765mmとなるように切削加工を施し、表面粗度Rz3〜20μmとなるように表面仕上げ研削を施した。
接着剤には一液熱硬化型であるエポキシ系のペースト状接着剤を用いた。この接着剤の硬化条件は120℃で1時間ある。接着剤を接着剤溝に対して冷却水溝と反対側に接着剤を塗布した。図3に仮組みした際のコールドプレートの断面図を示す。図3において、7は接着剤溝であり、1、2、5は図1と同じである。
次に仮組みしたコールドプレートの接合部に0.05MPaの圧力が加わるように15トンの錘を載置し、120℃に加熱された炉内に入れ、1時間保持することにより圧着した。この圧着条件は、使用した接着剤の接着強度が最大となる硬化処理条件である。得られたコールドプレートは平坦度70μm/2765mm以上の目標に対して、平坦度50μm/2765mmを達成していた。得られたコールドプレートに対して0.6MPa及び1MPaの水圧をかけて水圧テストを行なった結果、いずれの水圧でも水漏れは無かった。
また、図4には圧着後のコールドプレートの断面図を示す。図4からも分かるように、接着剤は圧着時に接着剤溝に流れ込み、さらには接着剤溝に流れ込んだ接着剤がシール材やシール剤と同様なシーリング性を発揮していることから、気密性に優れたコールドプレートが提供できるる。図4において、8は適量なフィレットを示し、1、2、5及び7は図3と同じである。
コールドプレートが実際に使用される際の水圧は最大でも0.6MPaなので、実施例1〜3によって得られたコールドプレートは十分なシーリング効果を有していることがわかる。
以上説明したように、本発明により、接着剤とシール部材とを用いて複数の金属板を一体化し、又は、ペースト状又はフィルム状等の接着剤のみを用いて複数の金属板を一体化することにより、寸法精度に優れ、製造コストも安価で、異材を含まないためにリサイクル性にも優れた大型コールドプレートを簡便に製造することが可能となる。
1 金属板又はアルミニウム圧延板
2 冷却水溝
3 シール溝
4 シール材
5 接着剤
6 シール剤
7 接着剤溝
8 フィレット
9 銅管又はアルミニウム管
10 ボルト
11 平坦部
12 面取り部
2 冷却水溝
3 シール溝
4 シール材
5 接着剤
6 シール剤
7 接着剤溝
8 フィレット
9 銅管又はアルミニウム管
10 ボルト
11 平坦部
12 面取り部
Claims (6)
- 重ね合わせ面の少なくとも一方に冷却水溝を有する複数枚の金属板を重ね合わせて、接着剤により一体化することによって内部に冷却水溝を備えるコールドプレートであって、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方にシール部材を備え、前記複数枚の金属板が前記シール部材及び接着剤により接合一体化されていることを特徴とするコールドプレート。
- 前記シール部材が、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方に塗布されたシール剤である、請求項1に記載のコールドプレート。
- 前記シール部材が、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方に設けられたシール溝に装着されたシール材である、請求項1に記載のコールドプレート。
- 重ね合わせ面の少なくとも一方に冷却水溝を有する複数枚の金属板を重ね合わせて、接着剤により一体化することによって内部に冷却水溝を備えるコールドプレートであって、前記金属板の対向する重ね合わせ面の少なくとも一方に接着剤溝を備え、前記複数枚の金属板が前記接着剤により接合一体化されていることを特徴とするクールプレート。
- 前記金属板がアルミニウム又はアルミニウム合金であって、前記金属板の重ね合わせ面が陽極酸化皮膜を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコールドプレート。
- 前記金属板をホットプレス機又は錘焼鈍による圧着により接合一体化した、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコールドプレート。
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- 2005-05-23 JP JP2005149018A patent/JP2006329439A/ja not_active Withdrawn
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