JP2006329233A - 転がり軸受及び工作機械用主軸装置 - Google Patents

転がり軸受及び工作機械用主軸装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 外輪案内保持器を用いた軸受でグリース潤滑や油潤滑においても保持器の挙動を安定させ、保持器音の発生を防止できる転がり軸受及び工作機械用主軸装置を提供する。
【解決手段】 アンギュラ玉軸受10は、外輪12に案内される保持器14を備え、保持器14の案内面14bには、軸方向に傾斜する少なくとも2つの傾斜溝14cが形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転がり軸受及び工作機械用主軸装置に関し、特に、保持器音の抑制を図った転がり軸受及び工作機械用主軸装置に関する。
一般に、転がり軸受の保持器の案内方式としては、外輪案内、内輪案内、玉或いはころ案内の方式がある。このうち、工作機械用主軸装置で使用される転がり軸受は内輪回転で用いられることが多いため、内輪案内の保持器では遠心力により潤滑油が案内面に保持されない。このため、工作機械用主軸装置で使用される転がり軸受は、潤滑性の面から外輪案内、玉或いはころ案内の保持器が用いられる。
玉或いはころ案内の保持器の場合には、保持器音の発生を小さく抑えることができるが、高速回転の際には、遠心力によって保持器の振れまわりが大きくなる可能性がある。一方、外輪案内の保持器の場合には、保持器の振れまわりを外輪で抑えることができるため、軸受を高速回転させることができるが、潤滑状態が悪化すると保持器音が発生しやすい。
外輪案内の保持器において保持器音が発生しやすい理由は潤滑剤の抵抗が保持器の挙動を乱し、保持器ポケットと転動体、外輪と保持器とを激しく衝突させるからである。特に転がり軸受にグリースを封入して初めて回す初期運転時には、グリースが軸受内部でまだ馴染んでいないため、転動体が軌道面上に付着したグリースを撹拌し、保持器案内面に潤滑剤を押し出そうとする。このため、保持器案内面におけるグリースが抵抗となり保持器のスムーズな回転が妨げられ、保持器が激しい振動を起こす。そして、保持器案内面と外輪(内輪)案内面、保持器ポケット面と玉とが衝突し、保持器音と呼ばれる激しい騒音が発生する。
グリースは転がり軸受をしばらく回転させることで馴染み、これにより保持器音の発生は収束する。しかしながら、保持器の案内すきまによっては保持器音が収束しづらい場合がある。一般的に、案内すきまが小さい方が保持器の振れ回り成分(fc)による軸受振動は発生しにくく、工作機械主軸のように低振動性能が要求される場合には案内すきまを小さくした方が良い。しかし、案内すきまが小さいとグリースを排出するすきまが小さいため、グリースが馴染みにくく保持器音が収束しにくい。このため、慣らしが終わった後でも潤滑状態が不安定になると保持器音が発生しやすい。またオイルエア潤滑やオイルミスト潤滑でも潤滑状態が不安定になると保持器音は発生してしまう。
上述のように、外輪案内の保持器では保持器の挙動が不安定になると保持器音を発生しやすいため、従来からこれらの課題を解決するための技術が知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特許文献1に記載の転がり軸受では、外輪あるいは内輪案内の保持器において、保持器の案内面に軸方向及び周方向に溝を設けて油の排出を促進させている。また、特許文献2に記載の転がり軸受では、図13に示すように、外輪101がカウンターボア101aを有し、保持器102のカウンターボア側の外径をテーパ状の案内面102aとし、さらに保持器102の案内面102aにヘリングボーンと呼ばれるV字溝(図示せず)を設けることで保持器102の軸方向、ラジアル方向の動きを安定させている。
特開2003−184888号公報 特開2001−140870号公報
しかしながら、特許文献1に記載の転がり軸受では、油潤滑のように流動しやすい潤滑剤に対して、ある程度排出効果を有するが、高速回転で使用される場合には、より良好な排出効果が期待され、さらに、グリースのようにペースト状になって流動性に乏しい潤滑剤においてもより良好な排出効果が望まれる。
さらに、特許文献2に記載の転がり軸受では、運転中軸受内に、矢印wに示すような空気の流れが発生し、グリースGは外輪101のカウンターボア側に集まる。このため、集まったグリースGが保持器102の回転抵抗となり、保持器の挙動が不安定になる可能性がある。また、外輪101のカウンターボア側を案内としているため、軸受内部にグリースGが残留できる空間が小さくなって、潤滑性が乏しくなり、軸受の寿命が低下する可能性がある。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、外輪案内保持器を用いた軸受でグリース潤滑や油潤滑においても保持器の挙動を安定させ、保持器音の発生を防止できる転がり軸受及び工作機械用主軸装置を提供することにある。
本発明の目的は、下記の構成によって達成される。
(1) 外輪に案内される保持器を備える転がり軸受であって、
前記保持器の案内面には、軸方向に対して傾斜する少なくとも2つの傾斜溝が形成されることを特徴とする転がり軸受。
(2) 前記傾斜溝の傾斜角度は、前記軸方向に対して5度以上60度以下であることを特徴とする(1)に記載の転がり軸受。
(3) グリースによって潤滑されることを特徴とする(1)または(2)に記載の転がり軸受。
(4) 前記転がり軸受は、前記外輪がカウンターボアを有するアンギュラ玉軸受であり、前記グリースは、前記カウンターボア側に封入されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の転がり軸受。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の転がり軸受を用いることを特徴とする工作機械用主軸装置。
本発明によれば、外輪に案内される保持器の案内面には、軸方向に対して傾斜する少なくとも2つの傾斜溝が形成されるので、グリース潤滑や油潤滑においても保持器の挙動を安定させ、保持器音の発生を防止できる。
以下、本発明の各実施形態に係る転がり軸受について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4に示すように、第1実施形態の転がり軸受は、工作機械用主軸装置等に適用可能なアンギュラ玉軸受である。アンギュラ玉軸受10は、外周面に内輪軌道面11aを有する内輪11と、内周面に外輪軌道面12aを有する外輪12と、内輪軌道面11a及び外輪軌道面12a間に円周方向に沿って配置される複数の転動体である玉13と、玉13を転動自在に保持する保持器14とを備える。
図1(b)に示すように、外輪12は、外輪軌道面12aに対して軸方向一方側にカウンターボア12bを有し、軸方向他方側に肩部12cを有する。図2及び図3に示すように、保持器14は、PPS樹脂等の樹脂材料からなり、玉13をそれぞれ保持する複数のポケット14aを備える。また、保持器14は外輪案内方式であり、外輪12の反カウンター側となる肩部12cの内周面と対抗する外周面を案内面14bとして外輪12に案内される。
外輪12の肩部12cの内周面における直径d1と保持器14の案内面14bにおける直径(案内径)d2の差である保持器14の案内すきまgは、保持器14の案内径d2に対して0.05〜0.7%に設定される。また、保持器14のポケット14aと玉13との間のすきまである保持器14のポケットすきまは、上記案内すきまgに対して0.8〜1.8倍に設定される。このように設定することで高速時に保持器14が振れまわることによる軸のFc振れ(保持器回転周波数での振れ)発生を低減されることができる。
また、保持器14の案内面14bには、軸方向に傾斜する複数の傾斜溝14c(本実施形態では12箇所)が円周方向に亘って等間隔に配置されている。これら複数の傾斜溝14cは、それぞれ所定の幅wを持って軸方向に傾斜しており、互いに平行に配置されている。傾斜溝14cは、その傾斜角度αを軸方向に対して5度以上60度以下、幅wを玉径に対して50%以上にそれぞれ設定される。また、傾斜溝14cの深さsは、厚さtに対して0.075〜0.66倍となるように設定される。また、傾斜溝14cと案内面14bとの間の縁部14dには、保持器14がエッジあたりを生じて摩耗しないように丸みRを持った形状としている。
また、内輪11の外周面と外輪12の内周面との間の内部空間には、この内部空間容積に対して所定量のグリースが封入されている。なお、グリースは、保持器音の収束を考慮して、外輪12のカウンターボア12b側の位置Aから封入されることが好ましい。
具体的には、本実施形態の保持器14は、案内径d2:86mm、厚さt:4mm、傾斜溝の傾斜角度α:15°、傾斜溝の深さs:1.5mm、傾斜溝の幅w:10mm、傾斜溝と案内面との間の縁部における丸みR:0.2mmに設定されている。また、案内すきまgは0.4mmに設定され、グリースは内部空間容積に対して15%の量が封入されている。
このように形成される保持器14では、図4(a)に示すように、保持器14の傾斜溝14cに付着したグリースGに、保持器14の運転中、軸方向に傾斜した傾斜溝14cによって保持器14の外側に押し出すような分力Faが作用する。これにより、図4(b)に示すように、グリースGは傾斜溝14cを通じて案内面14bから逃げやすくなり、グリースGによる抵抗を回避できるので、保持器14の挙動が安定して保持器音の発生を防止することができる。また、傾斜溝14cは少なくとも2つ円周方向に等間隔に配置されているので、保持器14が高速回転したときのアンバランスによる挙動の乱れを防ぐことができる。
さらに、回転時におけるアンギュラ玉軸受10内のグリースは、遠心力や玉13による撹拌、軸受内部の空気の流れによりカウンターボア側に移動し、その移動中に保持器14の運動の抵抗となりうる。そこで予めグリースを外輪12のカウンターボア12b側に封入しておけば運転中のグリースの移動を極力避けられ、撹拌抵抗による保持器挙動の乱れを回避し、保持器音の発生を抑える効果が高くすることができる。
従って、本実施形態のアンギュラ玉軸受10によれば、外輪12に案内される保持器14の案内面14bに、軸方向に傾斜する少なくとも2つの傾斜溝14cが形成されるので、グリースは傾斜溝14cを通じて案内面14bから逃げやすくなり、グリースによる抵抗を回避でき、保持器14の挙動が安定して保持器音の発生を防止することができる。
また、傾斜溝14cの傾斜角度は、軸方向に対して5度以上60度以下であるように設定されるので、グリースに十分な分力が作用し、且つ、傾斜溝14cが円周方向に長くなることがないので、グリースをよる抵抗をより確実に回避でき、保持器14の挙動が安定して保持器音の発生を防止することができる。
なお、本実施形態では、保持器14の樹脂材料としてPPS樹脂を用いたが、他の樹脂材料でも同様な効果が得られる。
例えば、合成樹脂材料としては、ポリアミド66やポリアミド46、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等を母材として使用することができる。さらに、保持器14の強度向上のために、ガラス繊維を、10〜40重量%、炭素繊維、アラミド繊維を10〜30重量%程度添加することが好ましい。また、高速回転で使用される場合には、炭素繊維やアラミド繊維がより好ましいが、使用に応じてガラス繊維も選択できる。炭素繊維やアラミド繊維の添加量が、10重量%より少ない場合は強度の保持が不十分であり、30重量%より多くすると成形性が悪くなり外観も悪くなる。また、さらに好ましくは、炭素繊維やアラミド繊維の添加量を20〜30重量%とすると強度、成形性も共に良好になる、ガラス繊維の場合は10〜40重量%が好ましく、この理由は上記と同様である。
その他にも、ガラス転移温度が100℃を超え、融点が270℃を超える樹脂に、繊維径2μm以下のウィスカーを充填した樹脂組成物からなる合成樹脂が適用可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る転がり軸受について図5を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
図5に示すように、本実施形態のアンギュラ玉軸受20は、第1実施形態より幅wが大きい保持器21の傾斜溝14cが6箇所に形成されている点において第1実施形態のものと異なる。このように構成される保持器21を用いたアンギュラ玉軸受20においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、図6に示す本実施形態の変形例のように、保持器31の傾斜溝14cは3箇所に配置されてもよい。この場合、案内面14bを構成する3つの突起31aの幅w’は、例えば、案内径d2が86mmの保持器31において、5mm以上であればよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る転がり軸受について図7を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態では、転がり軸受に適用される保持器41の形状において、第1実施形態のものと異なる。即ち、図7に示すように、本実施形態の保持器41は、傾斜溝14c、14c’の軸方向に対する傾斜角度が円周方向に亘って交互に付けられている。即ち、傾斜溝14cが軸方向に対して傾斜角度α°だけ傾斜し、傾斜溝14c’は、軸方向に対して傾斜角度−α°だけ傾斜する。このように構成される保持器41を有する転がり軸受では、いずれの方向に回転する場合においても、第1実施形態と同様なグリース排出効果が得られ、保持器音の発生を抑制することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る転がり軸受について図8を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態の転がり軸受は、外輪案内方式の保持器54を有する円筒ころ軸受50であり、内外輪51,52間に配置されるころ53を保持する保持器54は、外輪52の外輪軌道面52aの両側の内周面と対向する外周面を案内面14bとし、さらに、第1実施形態と同様の傾斜溝14cが外周面に設けられている。このように構成される円筒ころ軸受50においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本実施形態では、アンギュラ玉軸受と円筒ころ軸受について説明したが、本発明はこれらの軸受に限定されず、他の転がり軸受にも適用可能である。
ここで、第1実施形態で用いた転がり軸受10と、図9及び図10に示す比較例としての従来品の転がり軸受60を用いて行われた3つの試験及びその試験結果について説明する。
なお、本発明品としての転がり軸受10は、第1実施形態で説明したように、案内径d2:86mm、厚さt:4mm、傾斜溝の傾斜角度α:15°、傾斜溝の深さs:1.5mm、傾斜溝の幅w:10mm、傾斜溝と案内面との間の縁部における丸みR:0.2mmに設定されている。また、案内すきまgは0.4mmに設定され、グリースは内部空間容積に対して15%の量が封入されている。
一方、従来品である転がり軸受60は、保持器61の外周面に傾斜溝がない点において転がり軸受10と異なる。
(試験1)
試験1では、上記2つの転がり軸受10,60を単体回転試験機で回転させ、保持器音の発生状況を確認した。なお、グリースは、いずれの転がり軸受10,60においても、内輪11の反カウンターボア側(位置B)に軸受の内部空間容積に対して15%となる量を封入した。各軸受10,60は慣らし運転をしていないものを使い、回転数は4000min−1でバネによって予圧50Nをかけて行った。その結果を表1に示す。
Figure 2006329233
これにより、従来品の軸受60が運転開始から保持器音が発生していたのに対して、発明品1の軸受10は100秒経過後には保持器音が発生していないことがわかる。
また、上記の転がり軸受10,60を用いて、各保持器14,61のラジアル方向の振動速度を検出し、保持器14,61の挙動を測定した。この測定では、図11に示すように、転がり軸受10,60を単体回転試験機70にセットしバネによってアキシアル荷重50Nを軸受10,60に負荷しながら、4000min−1で軸受10,60を回転させ、レーザードップラ振動計71という非接触の振動測定器を用いて保持器14,61の振動速度を検出した。レーザードップラ振動計71は運動している物体にレーザーを当てると、物体の振動状態によってそのレーザーの反射波の周波数が変化することを利用したものである。また、これら軸受10,60には軸受の内部空間容積に対して15%のグリースが封入されており、軸受10,60の外輪には孔が形成され、そこからレーザードップラ振動計71のレーザーを回転中の保持器14,61に直接当てて保持器14,61の振動速度を測定した。
その結果を図12に示す。なお、図12のグラフは横軸に時間、縦軸がラジアル方向の振動速度を表している。この図から、従来品の軸受60では、ラジアル方向の振動速度が不安定な挙動を示していることがわかる。一方で、本発明品の軸受10については、回転させてすぐに振動が安定状態に入っており、本発明品の軸受10が保持器14の挙動を安定させて保持器音の発生を抑える効果を有することがわかる。
(試験2)
次に、グリースの封入位置による保持器音の収束性について試験を行った。本試験では、本発明品の転がり軸受10を使用し、グリースの封入位置を外輪12のカウンターボア側の位置Aと、内輪11の反カウンターボア側の位置Bとしたもので比較を行った(図1参照。)。この結果、表1に示すように、封入位置を反カウンター側の位置Bとした発明品1よりも、カウンター側の位置Aとした発明品2の方が保持器音の収束が早く、保持器音の抑制に効果があることがわかる。
(試験3)
さらに、保持器14の案内面14bに設けられる傾斜溝14cの軸方向に対する傾斜角度α°を変更して試験を行った。なお、グリースの封入位置はカウンターボア側の位置Aとした。その結果を表2に示す。
Figure 2006329233
表2の結果から、軸方向に対して傾斜がないもの(0°)や傾斜角度が60°を越えるものは時間がたっても保持器音が発生していたが、傾斜角度を5〜60°にしたものは保持器音の発生が抑えられていることがわかる。
なお、図1のような本発明の転がり軸受10において傾斜溝14cの幅wや深さsを変更して試験をしてみたところ、幅wは玉径の50%以上、深さsは0.3mm以上としたものが保持器音発生防止により効果があることが確認された。また、図6のような形状の保持器31でも効果が確認され、この場合、突起31aの幅w’が玉径の50%以上あるとより好ましいことがわかった。
本発明の第1実施形態に係るアンギュラ玉軸受を示し、(a)はその正面図であり、(b)は(a)のI−I線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態に係るアンギュラ玉軸受の保持器を示す斜視図である。 (a)は図2の保持器の正面図であり、(b)は(a)の部分側面図である。 保持器の案内面に付着したグリースの運転中の動きを説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係るアンギュラ玉軸受の正面図である。 本発明の第2実施形態の変形例に係るアンギュラ玉軸受の保持器の正面図である。 本発明の第3実施形態に係るアンギュラ玉軸受の保持器を示し、(a)はその正面図であり、(b)はその部分側面図である。 本発明の第4実施形態に係る円筒ころ軸受を示す断面図である。 従来のアンギュラ玉軸受を示し、(a)はその正面図であり、(b)は(a)のIX−IX線に沿った断面図である。 図9のアンギュラ玉軸受の保持器を示す斜視図である。 レーザードップラ振動計を使った保持器挙動測定の概略図である。 保持器のラジアル方向振動速度の測定結果を示すグラフである。 従来のアンギュラ玉軸受の潤滑状態を示す断面図である。
符号の説明
10,20 アンギュラ玉軸受(転がり軸受)
11 内輪
12 外輪
12c カウンターボア
13 玉(転動体)
14,21,31,41 保持器
14b 案内面
14c,14c’ 傾斜溝
50 円筒ころ軸受(転がり軸受)
51 内輪
52 外輪
53 ころ(転動体)
54 保持器

Claims (5)

  1. 外輪に案内される保持器を備える転がり軸受であって、
    前記保持器の案内面には、軸方向に対して傾斜する少なくとも2つの傾斜溝が形成されることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記傾斜溝の傾斜角度は、前記軸方向に対して5度以上60度以下であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. グリースによって潤滑されることを特徴とする請求項1または2に記載の転がり軸受。
  4. 前記転がり軸受は、前記外輪がカウンターボアを有するアンギュラ玉軸受であり、前記グリースは、前記カウンターボア側に封入されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転がり軸受。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の転がり軸受を用いることを特徴とする工作機械用主軸装置。
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