JP2006329132A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火プラグの周辺に乱れ渦を安定して形成すること。
【解決手段】この内燃機関100aは、シリンダ1s内の燃焼室1bへ、第1タンブル流G1と、前記第1タンブル流G1とは旋回方向が逆向きとなる、第2タンブル流G2とが生成される。また、この内燃機関100aの燃焼室1b内であってシリンダヘッド2の内側には、前記第1タンブル流G1と前記第2タンブル流G2との間に設けられるシリンダヘッド隔壁2Bが設けられる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、いわゆる火花点火式のレシプロ式の内燃機関に関する。
内燃機関の燃焼室内にタンブル流やスワール流を形成し、燃料の微粒化及び気化を促進して、失火を抑制するとともに燃焼を改善する技術が知られている。このような技術として、例えば特許文献1には、吸気の順タンブル流と逆タンブル流とを燃焼室内で形成し、燃焼室内へ均質混合気を生成し、出力の向上を図るものが知られている。
特開平9−242550号公報
ところで、燃焼室内にタンブル流を形成すると燃焼が促進されるが、かかる点について本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、燃焼室内に形成されたタンブル流が圧縮行程においてつぶされることにより発生する乱れ渦によって、燃焼が促進されることを見出した。そして、混合気の燃焼時において、前記乱れ渦が点火プラグの近傍に形成されていると、より燃焼が促進されることを見出した。
特許文献1に開示された技術は、順タンブル流と逆タンブル流とが混合することにより両者が弱め合ってしまう。その結果、混合気が燃焼する際には前記乱れ渦が弱まって、燃焼促進が不十分となる問題があった。そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、点火プラグの周辺に乱れ渦を安定して形成できる内燃機関を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内燃機関は、シリンダ内をピストンが往復運動する内燃機関であって、前記シリンダ内の燃焼室へ流入する吸気の第1タンブル流を発生させる第1タンブル流発生手段と、前記第1タンブル流とは旋回方向が逆向きとなる、前記燃焼室へ流入する吸気の第2タンブル流を発生させる第2タンブル流発生手段と、前記燃焼室の内部であって、前記燃焼室内へ形成される前記第1タンブル流と前記第2タンブル流との間に設けられるタンブル流仕切り手段と、を含むことを特徴とする。
この内燃機関は、燃焼室に流入する吸気の第1タンブル流と、この第1タンブル流とは旋回方向が逆向きとなる第2タンブル流とを燃焼室内に形成するとともに、両者を仕切るタンブル流仕切り手段を燃焼室の内部に備える。これにより、圧縮行程で第1及び第2タンブル流がつぶされたときに速度せん断層から発生する乱れ渦を、点火プラグ近傍に形成するとともに、点火時期近傍まで前記乱れ渦を維持できる。このように、点火プラグの周辺に乱れ渦を安定して形成できるので、内燃機関の幅広い運転領域において安定した着火が得られるとともに、初期火炎伝播速度が向上して燃焼が促進される。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記タンブル流仕切り手段は、前記燃焼室内の混合気に点火するための点火プラグの位置に、切り欠き部が設けられることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記タンブル流仕切り手段は、前記シリンダが備えるシリンダヘッドの内側に設けられることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記タンブル流仕切り手段は、前記ピストンの頂部に設けられることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記第1タンブル流を形成する吸気の流れに沿って、かつ前記第1タンブル流を形成する吸気が前記燃焼室へ流入する第1吸気口に向かって燃料を噴射する第1の燃料噴射手段と、前記第2タンブル流を形成する吸気の流れに沿って、かつ前記第2タンブル流を形成する吸気が前記燃焼室へ流入する第2吸気口に向かって燃料を噴射する第2の燃料噴射手段と、を備えることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記第1タンブル流を形成する吸気が前記燃焼室へ流入する第1吸気口と、前記第2タンブル流を形成する吸気が前記燃焼室へ流入する第2吸気口とは、前記シリンダの中心軸に対して対称に設けられることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関は、点火プラグの周辺に乱れ渦を安定して形成できるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、本発明はレシプロ式の内燃機関に対して好適に適用でき、特に乗用車やバス、あるいはトラック等の車両に搭載される内燃機関に対して好ましい。
実施例1に係る内燃機関は、燃焼室の吸気口から排気口へ向かう第1タンブル流と、この第1タンブル流とは旋回方向が逆向きとなる第2タンブル流とを燃焼室内に形成するとともに、両者を仕切るタンブル流仕切り手段を燃焼室内に備える点に特徴がある。
図1は、実施例1に係る内燃機関を示す概略断面図である。図1に示す内燃機関100では、単一のシリンダが示されているが、内燃機関100のシリンダ数は限定されるものではなく、また、シリンダ配置も限定されるものではない。実施例1に係る内燃機関100は、ガソリン等の炭化水素系燃料が燃焼することにより、ピストン7をシリンダ1s内で往復運動させる内燃機関である。
ピストン7の頂部7tには、キャビティ7Cが設けられている。また、ピストン7の頂部7tには、タンブル流仕切り手段であるピストン隔壁7Bが、吸気口5iから排気口5eへ向かう方向と平行に設けられている。ピストン隔壁7Bには、切り欠き部7BCが設けられる。この切り欠き部BCは、ピストン隔壁7Bと内燃機関100のシリンダヘッド2へ取り付けられる点火プラグ10とが対向する位置に設けられる。
この内燃機関100は、吸気通路の一部である吸気ポート3i内に燃料Fを噴射するポート噴射弁4により燃料Fが供給される。ポート噴射弁4から噴射された燃料Fは、吸気ポート3iに導入される空気Aと混合気を形成し、吸気口5iを通って内燃機関100の燃焼室1b内へ流入する。なお、内燃機関100は、シリンダ1s内の燃焼室1b内へ燃料Fを直接噴射する直噴噴射弁を備える、いわゆる直噴式の内燃機関であってもよい。
ここで、ポート噴射弁4により燃料Fが噴射されるいわゆるポート噴射式の内燃機関では、吸気ポート3iを流れる空気Aと燃料Fとの混合気が内燃機関100の燃焼室1b内へ流入する。一方、直噴式の内燃機関である場合、吸気ポート3iを流れる空気Aはそのまま燃焼室1b内へ流入し、直噴噴射弁から燃焼室1b内へ噴射される燃料によって混合気を形成する。説明の便宜上、以下において、燃焼室1b内へ流入する混合気又は空気を特に区別しない場合、両者をともに吸気という。
この実施例に係る内燃機関100の吸気ポート3iには、第1タンブル流発生手段である第1フラップ21、及び第2タンブル流発生手段である第2フラップ22が備えられる。第1フラップ21は第1フラップ駆動用アクチュエータ23により、第2フラップ22は第2フラップ駆動用アクチュエータ24により動作する。第1及び第2フラップ21、22は、それぞれ吸気ポート3iの内側に向かって、すなわち、吸気ポート3iを閉じるように動作する。なお、第1フラップ駆動用アクチュエータ23及び第2フラップ駆動用アクチュエータ24の動作は、機関ECU(Electronic Control Unit)20により制御される。
吸気口5iには、吸気カム6iで駆動される吸気弁14が設けられており、吸気口5iを開閉する。ピストン7の上昇により圧縮された燃焼室1b内の混合気は、ピストン7が上死点に到達する前に点火プラグ10により点火されて燃焼する。そして、混合気の燃焼圧力により、ピストン7は往復運動する。ピストン7の往復運動は、コネクティングロッド9を介してクランク軸8に伝えられ、ここで回転運動に変換されて、内燃機関100の出力として取り出される。
燃焼後の混合気は、排ガスExとなって排気口5eを通って排気通路である排気ポート3eへ排出される。排気口5eには、排気カム6eで駆動される排気弁15が設けられており、排気口5eを開閉する。排気ポート3eから排出された排ガスExは、浄化触媒12で浄化された後、消音器13で消音されて、大気中へ放出される。
図1に示すように、内燃機関100には、クランク軸8の回転角度を検出するクランク角センサ51が取り付けられている。また、カム位置検出センサ52により吸気カム6iの位置が検出され、この検出信号に基づいて、ピストン7がシリンダ1sのどの位置にあるかが判定される。クランク角センサ51及びカム位置検出センサ52からの検出信号により、機関ECU20は、内燃機関100のシリンダ1sに対する燃料噴射時期及び点火時期を決定する。
また、内燃機関100には、エアフローセンサ53、アクセル開度センサ54等の、内燃機関100の運転を制御するために必要な情報を取得するためのセンサ類が取り付けられる。機関ECU20は、これら各種センサからの信号に基づいて、内燃機関100の運転を制御する。次に、この実施例1に係る内燃機関の燃焼室1b内に形成されるタンブル流について説明する。
図2は、実施例1に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。図3−1は、図2のA−A断面図である。図3−2は、図2のB−B断面図である。図4−1は、この実施例に係る内燃機関が備えるピストンをその頂部側から見た状態を示す平面図である。図4−2は、図4−1のC−C断面図である。図5は、実施例1に係る内燃機関の圧縮行程を示す説明図である。図6は、燃焼室内における吸気の乱れの、時間に対する変化を示す説明図である。
この実施例に係る内燃機関100が備えるシリンダ1sは、吸気口、排気口をそれぞれ2個ずつ持つ。説明の便宜上、それぞれの吸気口を、第1吸気口5i1、第2吸気口5i2とし、それぞれの排気口を、第1排気口5e1、第2排気口5e2とする。そして、第1吸気口5i1へ接続する吸気ポートを第1吸気ポート3i1とし、第2吸気口5i2へ接続する吸気ポートを第2吸気ポート3i2とする。
第1及び第2吸気口5i1、5i2は、シリンダ1sの径方向に平行かつシリンダ1sの中心軸Zを通る平面Pに対して同じ側に、並んで設けられる。また、第1及び第2排気口5e1、5e2は、シリンダ1sの径方向に平行かつ点火プラグ10を通る平面に対して同じ側に、並んで設けられる。
図2、図3−1に示すように、この実施例に係る内燃機関100では、第1吸気ポート3i1内の第1フラップ21が、第1フラップ駆動用アクチュエータ23により第1吸気ポート3i1の内側へ向かって動く。そして、第1吸気ポート3i1内を流れる空気又は混合気(吸気)は、第1吸気口5i1の点火プラグ10側から燃焼室1b内へ導入される。これによって、第1吸気口5i1から燃焼室1b内へ導入される吸気は、図2、図3−1に示すように、第1吸気口5i1から第1排気口5e1へ向かう時計回りの第1タンブル流G1を形成する。
また、図2、図3−2に示すように、この実施例に係る内燃機関100では、第2吸気ポート3i2内の第2フラップ22が、第2フラップ駆動用アクチュエータ24により第2吸気ポート3i2の内側へ向かって動く。そして、第2吸気ポート3i2内を流れる空気又は混合気(吸気)は、第2吸気口5i2の燃焼室内面側から燃焼室1b内へ導入される。これによって、第2吸気口5i2から燃焼室1b内へ導入される吸気は、図2、図3−2に示すように、第2排気口5e2から第2吸気口5i2へ向かう反時計回りの第2タンブル流G2を形成する。すなわち、第2タンブル流G2は、燃焼室1b内において、第1タンブル流G1とは旋回方向が反対となる。このように、第1タンブル流G1と第2タンブル流G2との旋回方向が燃焼室1b内で反対になるということは、燃焼室1b内において、第1タンブル流G1と第2タンブル流G2とが互いに打ち消し合う方向に旋回することになる。
内燃機関100の圧縮行程では、ピストン7による吸気の圧縮にともなって、第1及び第2タンブル流G1、G2が押しつぶされて、第1及び第2タンブル流G1、G2には速度せん断層が形成される。そして、速度せん断層の部分から乱れ渦S(図2参照)が生成され、燃焼促進に寄与する。この実施例に係る内燃機関100では、旋回方向が異なる複数のタンブル流、すなわち第1及び第2タンブル流G1、G2を燃焼室1b内へ形成する。そして、吸気ポートの形状、寸法や、第1、第2フラップ21、22の開度等を調整することにより、第1タンブル流G1が旋回するときの角速度と第2タンブル流G2が旋回するときの角速度とが略同じになるように設定する。
これによって、燃焼室1bのボア中心、すなわち点火プラグ10の近傍には、常に前記速度せん断層が形成される。その結果、内燃機関100の圧縮行程の広いクランク角の範囲において、点火プラグ10の近傍に乱れ渦Sが発生し(図6の点線)、内燃機関100の幅広い運転領域において安定した着火が得られるとともに、初期火炎伝播速度が向上する。特に、燃焼速度が遅い希薄燃焼領域では燃焼速度が向上するので効果的である。
ここで、この実施例に係る内燃機関100が備えるピストン7は、図4−1、図4−2に示すように、頂部7t(図4−2参照)にタンブル流仕切り手段であるピストン隔壁7Bが設けられる。ピストン隔壁7Bは、ピストン7の径方向と平行であって、第1タンブル流G1と第2タンブル流G2との間に位置するように設けられる。このピストン隔壁7Bによって、ピストン7の頂部7tに設けられるキャビティは、第1キャビティ7C1と第2キャビティ7C2とに仕切られる。また、ピストン隔壁7Bの、点火プラグ10と対向する位置には、切り欠き部7BCが設けられる。
圧縮行程が進行するにしたがって第1タンブル流G1と第2タンブル流G2とが混合すると、両者は互いに弱めあうので、点火プラグ10の近傍へ形成される乱れ渦Sが安定して生成されにくくなる。しかし、上述したように、この実施例に係る内燃機関100が備えるピストン7は、頂部7tにピストン隔壁7B、及び第1、第2キャビティ7C1、7C2を備える。燃焼室1b内へ形成された第1タンブル流G1と第2タンブル流G2とは、ピストン7の頂部7tに設けられるピストン隔壁7Bで仕切られて、それぞれ第1キャビティ7C1内、第2キャビティ7C2で旋回しながら圧縮される。
これによって、内燃機関100の圧縮行程においては、燃焼室1b内へ形成された第1及び第2タンブル流G1、G2を圧縮上死点付近まで分離した状態で維持することができる。そして、点火時期近傍まで第1及び第2タンブル流G1、G2を持続させて、点火プラグ10の近傍へ乱れ渦Sを安定して生成させることができる(図6の実線)。また、そのときの乱れ渦Sの乱れはより大きいものとなる(図6の実線)。その結果、ピストン隔壁7B等を設けない場合と比較して、より安定した着火が得られるとともに、燃焼速度はより向上する。また、ピストン隔壁7Bに設けられる切り欠き部7BCは、燃焼室1b内に突出する点火プラグ10を避けるとともに、点火プラグ10の近傍へ、より乱れの大きい乱れ渦Sを形成する機能も有する。これによって、着火性、燃焼速度をより向上させることができる。
(変形例)
図7は、実施例1の変形例に係るピストンを示す説明図である。このピストン7aは、ピストン隔壁7Baが、ピストン7の頂面7tpから突出して設けられる。そして、ピストン隔壁7Baの、点火プラグ10と対向する位置には、燃焼室1b内に突出する点火プラグ10を避けるための切り欠き部7BCaが設けられる。このような構成であっても、上記ピストン7と同様の作用、効果を得ることができる。なお、このピストン7aは、ピストン7の頂部7tにキャビティ7Caを設けなくてもよい。しかし、図7に示すように、ピストン7aの頂部7tへピストン隔壁7Baで仕切られるキャビティ7Caを設けることにより、第1タンブル流G1と第2タンブル流G2との分離効果が高くなるので、圧縮上死点近傍まで、点火プラグ10の近傍へより安定して乱れ渦Sを生成させることができる。
以上、実施例1及びその変形例では、燃焼室の吸気口から排気口へ向かう第1タンブル流と、この第1タンブル流とは旋回方向が逆向きとなる第2タンブル流とを燃焼室内に形成するとともに、両者を仕切るタンブル流仕切り手段をピストン頂部に備える。これにより、圧縮行程で第1及び第2タンブル流がつぶされ、速度せん断層の部分から発生する乱れ渦を、点火プラグ近傍に形成することができる。そして、タンブル流仕切り手段により、点火時期近傍まで第1及び第2タンブル流を持続させて、点火プラグの近傍へ乱れ渦を安定して生成させることができる。その結果、内燃機関の幅広い運転領域において安定した着火が得られるとともに、初期火炎伝播速度が向上して燃焼が促進される。
また、燃焼室内に吸気のスワール流が形成される場合、タンブル流仕切り手段によって前記スワール流を抑制できるので、燃焼室内にはタンブル流がより形成されやすくなる。なお、実施例1で開示した構成は、以下の実施例に対しても適用でき、また、実施例1に開示した構成と同様の構成を備えていれば、実施例1に係る内燃機関と同様の作用・効果を奏する。
実施例2に係る内燃機関は、実施例1に係る内燃機関と略同様の構成であるが、タンブル流仕切り手段をシリンダヘッドに設けた点が異なる。他の構成は実施例1と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付す。
図8は、実施例2に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。図9は、実施例2に係る内燃機関を図8の矢印D側から見た説明図である。図8、図9に示すように、この内燃機関100aは、燃焼室1b内であってシリンダヘッド2の内側に、タンブル流仕切り手段であるシリンダヘッド隔壁2Bを備える。シリンダヘッド隔壁2Bは、燃焼室1bの径方向に対して平行、かつ第1及び第2吸気口5i1、5i2側から第1及び第2排気口5e1、5e2側に向かって設けられる。このように構成することで、シリンダヘッド隔壁2Bは、第1タンブル流G1と第2タンブル流G2との間に設けられる。また、シリンダヘッド隔壁2Bには、点火プラグ10が燃焼室1b内へ突出する位置に、切り欠き部2BCが設けられる。
第1吸気口5i1及び第2吸気口5i2から燃焼室1b内へ導入される吸気は、第1吸気ポート3i1内の第1フラップ21及び第2吸気ポート3i2内の第2フラップ22(図1等参照)によって、それぞれ第1タンブル流G1及びこれと旋回方向が異なる第2タンブル流G2を形成する。圧縮行程が進行するにしたがって、ピストン7は第1タンブル流G1と第2タンブル流G2とを圧縮する。
このとき、第1タンブル流G1と第2タンブル流G2とは、シリンダヘッド2へ設けられるシリンダヘッド隔壁2Bによって分離される。これによって、内燃機関100aの圧縮行程においては、燃焼室1b内へ形成された第1及び第2タンブル流G1、G2を圧縮上死点付近まで分離した状態で維持することができる。そして、点火時期近傍まで第1及び第2タンブル流G1、G2を持続して、点火プラグ10の近傍へ乱れ渦Sを安定して生成させることができる。また、そのときの乱れ渦Sの乱れはより大きいものとなる。さらにシリンダヘッド隔壁2Bの端部2Btから剥離した剥離渦Ss(図9参照)も生成されるので、前記乱れ渦Sとともに、点火プラグ10の近傍における吸気の乱れをさらに大きくできる。その結果、シリンダヘッド隔壁2Bを設けない場合と比較して、より安定した着火が得られるとともに、燃焼速度はより向上する。
以上、実施例2では、燃焼室の吸気口から排気口へ向かう第1タンブル流と、この第1タンブル流とは旋回方向が逆向きとなる第2タンブル流とを燃焼室内に形成するとともに、両者を仕切るタンブル流仕切り手段をシリンダヘッドの内側に備える。これによって、点火時期近傍まで第1及び第2タンブル流を持続させて、点火プラグの近傍へ乱れ渦を安定して生成させることができる。その結果、内燃機関の幅広い運転領域において安定した着火が得られるとともに、初期火炎伝播速度が向上して燃焼が促進される。なお、実施例2で開示した構成は、以下の実施例に対しても適用でき、また、実施例2に開示した構成と同様の構成を備えていれば、実施例2に係る内燃機関と同様の作用・効果を奏する。
実施例3に係る内燃機関は、実施例2に係る内燃機関と略同様の構成であるが、吸気口がシリンダの中心軸に対して対称に配置される点が異なる。他の構成は実施例2と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付す。図10は、実施例3に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。図11−1、図11−2は、実施例3に係る内燃機関を図10の矢印D側から見た説明図である。
図10、図11−1、図11−2に示すように、この内燃機関100bは、燃焼室1b内であってシリンダヘッド2の内側に、タンブル流仕切り手段であるシリンダヘッド隔壁2Bを備える。シリンダヘッド隔壁2Bは、燃焼室1bの径方向に対して平行、かつ第1吸気口5i1側から第1排気口5e1側に向かって形成される。これによって、シリンダヘッド隔壁2Bは、第1タンブル流Gb1と第2タンブル流Gb2との間に設けられる。また、シリンダヘッド隔壁2Bには、点火プラグ10が燃焼室1b内へ突出する位置に、切り欠き部2BCが設けられる。なお、タンブル流仕切り手段は、ピストン7に設けてもよい(ピストン隔壁7B(図4−1等))。
図10に示すように、この内燃機関100bは、シリンダヘッド側から見た場合、第1吸気口5i1と第2吸気口5i2とが、シリンダ1sの中心軸Zに対して対称に配置される、いわゆるクロス吸気型の内燃機関である。これにともなって、第1排気口5e1と第2排気口5e2とは、シリンダ1sの中心軸Zに対して対称に配置される。
図11−1は、第1吸気口5i1から燃焼室1b内へ流入する吸気による第1タンブル流Gb1を示している。また、図11−2は、第2吸気口5i2から燃焼室1b内へ流入する吸気による第2タンブル流Gb2を示している。第1吸気ポート3i1内の第1フラップ21は、第1フラップ駆動用アクチュエータ23によって第1吸気ポート3i1の内側へ向かって動く。これにより、第1吸気口5i1から燃焼室1b内へ導入される吸気は、第1吸気口5i1の点火プラグ10側から燃焼室1b内へ導入される。その結果、第1吸気口5i1から燃焼室1b内に導入される吸気は、図10、図11−1に示すように、第1吸気口5i1から第1排気口5e1へ向かう時計回りの第1タンブル流Gb1を形成する。
また、第2吸気ポート3i2内の第1フラップ21は、第1フラップ駆動用アクチュエータ23によって第2吸気ポート3i2の内側へ向かって動く。これにより、第2吸気口5i2から燃焼室1b内へ導入される吸気は、第2吸気口5i2の点火プラグ10側から燃焼室1b内へ導入される。その結果、第2吸気口5i2から燃焼室1b内に導入される吸気は、図10、図11−2に示すように、第2吸気口5i2から第2排気口5e2へ向かう反時計回りの第2タンブル流Gb2、すなわち、燃焼室1b内において第1タンブル流Gb1と旋回方向の異なる第2タンブル流Gb2を形成する。なお、第1吸気口5i1の燃焼室1bの内面側から、燃焼室1b内へ吸気を導入するようにしてもよい。このときには、第2吸気口5i2から燃焼室1b内へ導入される吸気は、第2吸気口5i2の燃焼室1bの内面側から燃焼室1b内へ導入させる。
この実施例に係る内燃機関100bは、第1吸気口5i1と第2吸気口5i2とを、シリンダ1sの中心軸Zに対して対称に配置する。このため、吸気を第1及び第2吸気口5i1、5i2の点火プラグ10側から燃焼室1b内へ導入することにより、燃焼室1b内においては、旋回方向の異なる第1及び第2タンブル流Gb1、Gb2を形成することができる。第1吸気口5i1と第2吸気口5i2とをシリンダ1sの中心軸Zに対して対称に配置すれば、例えば、吸気ポートや吸気口等の形状寸法等によりタンブル流を形成する場合、第1及び第2吸気ポート3i1、3i2や第1及び第2吸気口5i1、5i2等の寸法、形状等を同一にできる。その結果、内燃機関100bの構造を簡略化できるので好ましい。
圧縮行程においては、ピストン7が第1タンブル流Gb1と第2タンブル流Gb2とを圧縮する。第1タンブル流Gb1と第2タンブル流Gb2とは、燃焼室1b内において、旋回方向が反対かつ旋回速度は略等しいので、第1タンブル流Gb1と第2タンブル流Gb2とが圧縮されると、点火プラグ10の近傍に、乱れ渦Sを形成する。また、第1タンブル流Gb1と第2タンブル流Gb2とは、シリンダヘッド2へ設けられるシリンダヘッド隔壁2Bによって分離される。
これによって、内燃機関100bの圧縮行程においては、燃焼室1b内へ形成された第1及び第2タンブル流Gb1、Gb2を圧縮上死点付近まで分離した状態で維持することができる。そして、点火時期近傍まで第1及び第2タンブル流Gb1、Gb2を持続して、点火プラグ10の近傍へ乱れ渦Sを安定して生成させることができる。また、そのときの乱れ渦Sの乱れはより大きいものとなる。その結果、シリンダヘッド隔壁2Bを設けない場合と比較して、より安定した着火が得られるとともに、燃焼速度はより向上する。
さらに、第1吸気口5i1と第2吸気口5i2とが、シリンダ1sの中心軸Zに対して対称に配置されることで、燃焼室1b内にはスワール流が形成されるが、タンブル流仕切り手段であるシリンダヘッド隔壁2Bによって前記スワール流を抑制できる。これによって、燃焼室1b内のタンブル流は、より形成されやすくなる。
以上、実施例3では、吸気口をシリンダの中心軸に対して対称に配置することにより、燃焼室の吸気口から排気口へ向かう第1タンブル流と、この第1タンブル流とは旋回方向が逆向きとなる第2タンブル流とを燃焼室内に形成する。そして、燃焼室内には、両者を仕切るタンブル流仕切り手段を備える。これによって、点火時期近傍まで第1及び第2タンブル流を持続させて、点火プラグの近傍へ乱れ渦を安定して生成させることができる。その結果、内燃機関の幅広い運転領域において安定した着火が得られるとともに、初期火炎伝播速度が向上して燃焼が促進される。なお、実施例3で開示した構成は、以下の実施例に対しても適用でき、また、実施例3に開示した構成と同様の構成を備えていれば、実施例3に係る内燃機関と同様の作用・効果を奏する。
実施例4に係る内燃機関は、実施例3に係る内燃機関と略同様の構成であるが、吸気口をシリンダの中心軸に対して対称に配置するとともに、吸気通路の吸気口近傍に設けた燃料噴射手段により、燃焼室内に形成されるタンブル流を増強する点が異なる。他の構成は実施例3と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付す。図12は、実施例4に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。図13−1、図13−2は、実施例4に係る内燃機関を図12の矢印D側から見た説明図である。
図12、図13−1、図13−2に示すように、この内燃機関100cは、燃焼室1b内であってシリンダヘッド2の内側に、タンブル流仕切り手段であるシリンダヘッド隔壁2Bを備える。シリンダヘッド隔壁2Bは、燃焼室1bの径方向に対して平行、かつ第1吸気口5i1側から第1排気口5e1側に向かって形成される。また、シリンダヘッド隔壁2Bには、点火プラグ10が燃焼室1b内へ突出する位置に、切り欠き部2BCが設けられる。
図12に示すように、この内燃機関100cは、シリンダヘッド側から見た場合において、第1吸気口5i1と第2吸気口5i2とが、シリンダ1sの中心軸Zに対して対称に配置される、いわゆるクロス吸気型の内燃機関である。これにともなって、第1排気口5e1と第2排気口5e2とは、シリンダ1sの中心軸Zに対して対称に配置される。
図13−1は、第1吸気口5i1から燃焼室1b内へ流入する吸気による第1タンブル流Gc1を示している。第1吸気ポート3i1の回転軸Zr側であって第1吸気口5i1近傍には、第1の燃料噴射手段である第1ポート噴射弁41が設けられている。なお、第1ポート噴射弁41は、第1タンブル流発生手段である第1タンブル用フラップ211よりも第1吸気口5i1側に設けられる。第1ポート噴射弁41から噴射される第1の燃料噴霧Fm1は、第1吸気ポート3i1内を流れて第1タンブル流Gc1を形成する吸気の流れに沿って噴射される。そして、第1の燃料噴霧Fm1は、第1吸気弁141の傘部14u1と、第1吸気口5i1との間であって点火プラグ10側を通って燃焼室1b内へ流入する。
第1吸気ポート3i1内の第1タンブル用フラップ211は、第1アクチュエータ231により第1吸気ポート3i1の内側へ向かって動く。これによって、第1吸気ポート3i1内を流れる空気は前記第1タンブル用フラップ211によって流れの方向が変更される。そして、前記空気は、第1ポート噴射弁41から噴射される第1の燃料噴霧Fm1とともに混合気(吸気)を形成して、第1吸気口5i1の点火プラグ10側から燃焼室1b内へ導入される。その結果、第1吸気口5i1から燃焼室1b内に導入される吸気は、図12、図13−1に示すように、第1吸気口5i1から第1排気口5e1へ向かう時計回りの第1タンブル流Gc1を形成する。第1タンブル流Gc1は、第1の燃料噴霧Fm1の運動エネルギーが与えられることにより増強されて、旋回の角速度が大きくなる。
図13−2は、第2吸気口5i2から燃焼室1b内へ流入する吸気による第2タンブル流Gc2を示している。第2吸気ポート3i2の回転軸Zr側であって第2吸気口5i2近傍には、第2の燃料噴射手段である第2ポート噴射弁42が設けられている。なお、第2ポート噴射弁42は、第2タンブル流発生手段である第2タンブル用フラップ212よりも第2吸気口5i2側に設けられる。第2ポート噴射弁42から噴射される第2の燃料噴霧Fm2は、第2吸気ポート3i2内を流れて第2タンブル流Gc2を形成する吸気の流れに沿って噴射される。そして、第2の燃料噴霧Fm2は、第2吸気弁142の傘部14u2と、第2吸気口5i2との間であって点火プラグ10側を通って燃焼室1b内へ流入する。
第2吸気ポート3i2内の第2タンブル用フラップ212は、第2アクチュエータ232により第2吸気ポート3i2の内側へ向かって動く。第2吸気ポート3i2内を流れる空気は前記第2タンブル用フラップ212によって流れの方向が変更される。そして、前記空気は、第2ポート噴射弁42から噴射される第2の燃料噴霧Fm2とともに混合気(吸気)を形成して、第2吸気口5i2の点火プラグ10側から燃焼室1b内へ導入される。その結果、第2吸気口5i2から燃焼室1b内に導入される吸気は、図12、図13−2に示すように、第2吸気口5i2から第2排気口5e2へ向かう反時計回りの第2タンブル流Gc2を形成する。第2タンブル流Gc2は、第2の燃料噴霧Fm2の運動エネルギーが与えられることにより増強されて、旋回の角速度が大きくなる。
燃焼室1b内へ形成される第1タンブル流Gc1と第2タンブル流Gc2とは、シリンンダヘッド2へ設けられるシリンダヘッド隔壁2Bによって分離される。圧縮行程においては、ピストン7が、シリンダヘッド隔壁2Bによって分離された第1タンブル流Gc1と第2タンブル流Gc2とを圧縮するので、点火プラグ10の近傍には乱れ渦Sが圧縮上死点近傍まで維持される。また、第1タンブル流Gc1と第2タンブル流Gc2とは、第1及び第2の燃料噴霧Fm1、Fm2の運動エネルギーが与えられることによって増強されるので、ピストン7の圧縮により形成される乱れ渦Sも、より乱れが大きくなる。その結果、より安定した着火が得られるとともに、燃焼速度はより向上する。
なお、この実施例に係る内燃機関100cは、第1吸気口5i1と第2吸気口5i2とを、シリンダ1sの中心軸Zに対して対称に配置する。このため、第1及び第2ポート噴射弁41、42を、スペースに余裕のある第1及び第2吸気ポート3i1、3i2の回転軸Zr側に取り付けることができる。これにより、第1及び第2ポート噴射弁41、42の脱着が容易になるので、整備や交換における作業性が向上する。
(変形例)
実施例4の変形例に係る内燃機関は、実施例4に係る内燃機関と略同様の構成であるが、吸気通路の吸気口近傍に設ける燃料噴射手段の配置が異なる。他の構成は実施例3と同様であるので、同様の構成には同一の符号を付す。
図14は、実施例4の変形例に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。図15−1、図15−2は、実施例4の変形例に係る内燃機関を図14の矢印D側から見た説明図である。図14に示すように、この内燃機関100dは、シリンダ1sの径方向に平行かつシリンダ1sの中心軸Zを通る平面Pに対して同じ側に、第1及び第2吸気口5i1、5i2が並んで設けられる。また、第1及び第2排気口5e1、5e2は、シリンダ1sの径方向に平行かつ点火プラグ10を通る平面に対して同じ側に並んで設けられる。
図15−1は、第1吸気口5i1から燃焼室1b内へ流入する吸気による第1タンブル流G1を示している。第1吸気ポート3i1の回転軸Zr側であって第1吸気口5i1近傍には、第1の燃料噴射手段である第1ポート噴射弁41が設けられている。第1ポート噴射弁41から噴射される第1の燃料噴霧Fm1は、第1吸気弁141の傘部14u1と第1吸気口5i1との間であって、点火プラグ10側を通って燃焼室1b内へ流入する。
第1吸気ポート3i1内の第1フラップ21は、第1吸気ポート3i1の内側へ向かって動き、第1吸気ポート3i1内を流れる空気の流れの方向を変更する。そして、前記空気は、第1ポート噴射弁41から噴射される第1の燃料噴霧Fm1とともに混合気(吸気)を形成して、第1吸気口5i1の点火プラグ10側から燃焼室1b内へ導入される。その結果、第1吸気口5i1から燃焼室1b内に導入される吸気は、図14、図15−1に示すように、第1吸気口5i1から第1排気口5e1へ向かう時計回りの第1タンブル流G1を形成する。第1タンブル流G1は、第1の燃料噴霧Fm1の運動エネルギーが与えられることにより増強されて、旋回の角速度が大きくなる。
図15−2は、第2吸気口5i2から燃焼室1b内へ流入する吸気による第2タンブル流G2を示している。第2吸気ポート3i2の回転軸Zrとは反対側であって、第2吸気口5i2近傍には、第2の燃料噴射手段である第2ポート噴射弁42が設けられている。第2ポート噴射弁42から噴射される第2の燃料噴霧Fm2は、第1吸気弁141の傘部14u2と、第2吸気口5i2との間であって燃焼室1bの内面側を通って燃焼室1b内へ流入する。
第2吸気ポート3i2内の第2フラップ22は、第2吸気ポート3i2の内側へ向かって動き、第2吸気ポート3i2内を流れる空気の流れの方向を変更する。そして、前記空気は、第2ポート噴射弁42から噴射される第2の燃料噴霧Fm2とともに混合気(吸気)を形成して、燃焼室1bの内面側における第2吸気口5i2から燃焼室1b内へ導入される。その結果、第2吸気口5i2から燃焼室1b内に導入される吸気は、図14、図15−2に示すように、第2排気口5e2から第2吸気口5i2へ向かう反時計回りの第2タンブル流G2を形成する。第2タンブル流G2は、第2の燃料噴霧Fm2の運動エネルギーが与えられることにより増強されて、旋回の角速度が大きくなる。
このような構成によっても、燃焼室1b内へは、旋回の角速度が略等しく、かつ旋回の方向が反対の第1タンブル流G1と第2タンブル流G2とが形成される。また、これらの第1タンブル流G1と第2タンブル流G2とは、第1及び第2の燃料噴霧Fm1、Fm2の運動エネルギーが与えられることによって増強されるので、圧縮行程において形成される乱れ渦Sも、より乱れが大きくなる。これによって、この変形例に係る内燃機関100dにおいても、実施例4に係る内燃機関100cと同様の作用、効果を奏する。
以上、実施例4及びその変形例では、燃焼室の吸気口から排気口へ向かう第1タンブル流と、この第1タンブル流とは旋回方向が逆向きとなる第2タンブル流とを燃焼室内に形成するとともに、吸気口近傍に設けた燃料噴射手段により、第1及び第2タンブル流を増強する。そして、燃焼室内には、両者を仕切るタンブル流仕切り手段を備える。これによって、点火時期近傍まで第1及び第2タンブル流を持続させて、点火プラグの近傍へ乱れ渦を安定して生成させることができる。また、燃料噴射手段から噴射される燃料噴霧で第1、第2タンブル流を増強することにより、乱れ渦の乱れをより大きくすることができる。その結果、内燃機関の幅広い運転領域においてさらに安定した着火が得られるとともに、さらに初期火炎伝播速度が向上して、より燃焼が促進される。なお、実施例4で開示した構成は、以下の実施例に対しても適用でき、また、実施例4に開示した構成と同様の構成を備えていれば、実施例4に係る内燃機関と同様の作用・効果を奏する。
実施例5に係る内燃機関は、実施例1、実施例2等に係る内燃機関と略同様の構成であるが、吸気口の数が実施例1、実施例2に係る内燃機関よりも多い点が異なる。他の構成は、実施例1、実施例2等に係る内燃機関と同様である。図16は、実施例5に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。図17−1、図17−2は、実施例5に係る内燃機関を図16の矢印D側から見た説明図である。
この内燃機関100eは、3個の吸気口、すなわち、2個の第1吸気口5i1、5i1、及び第2吸気口5i2を備える。第2吸気口5i2は、2個の第1吸気口5i1、5i1の間に設けられる。図17−1に示すように、第2吸気ポート3i2内には、第2タンブル流G2を形成するための第2フラップ22が備えられる。第2フラップ22は、第2吸気ポート3i2の内側へ向かって動き、第2吸気ポート3i2内を流れる吸気の流れの方向を変更する。そして、前記吸気は、第2吸気口5i2の燃焼室1bの内面側から燃焼室1b内へ導入される。その結果、第2吸気口5i2から燃焼室1b内に導入される吸気は、図16、図17−1に示すように、第1及び第2排気口5e1、5e2から第2吸気口5i2へ向かう反時計回りの第2タンブル流G2を形成する。
図17−2に示すように、2個の第1吸気ポート3i1、3i1内には、第1タンブル流G1を形成するための第1フラップ21が備えられる。第1フラップ21は、第1吸気ポート3i1、3i1の内側へ向かって動き、2個の第1吸気ポート3i1、3i1内を流れる吸気の流れの方向を変更する。そして、前記吸気は、2個の第1吸気口5i1、5i1の点火プラグ10側から燃焼室1b内へ導入される。その結果、第1吸気口5i1、5i1から燃焼室1b内に導入される吸気は、図16、図17−2に示すように、第1吸気口5i1、5i1から第1及び第2排気口5e1、5e2へ向かう時計回りの第1タンブル流G1を形成する。このように、第1タンブル流G1と第2タンブル流G2とは、旋回方向が反対となる。
内燃機関100eの圧縮行程では、ピストン7による吸気の圧縮にともなって、第1及び第2タンブル流G1、G2が押しつぶされて、第1及び第2タンブル流G1、G2には速度せん断層が形成される。そして、速度せん断層の部分から乱れ渦S(図16参照)が生成され、燃焼促進に寄与する。この実施例に係る内燃機関100eでは、旋回方向が異なる複数のタンブル流、すなわち第1及び第2タンブル流G1、G2を燃焼室1b内へ形成する。これによって、点火プラグ10の近傍には、常に前記速度せん断層が形成される。その結果、内燃機関100eの圧縮行程の広いクランク角の範囲において乱れ渦Sが発生し、内燃機関100eの幅広い運転領域において安定した着火が得られるとともに、初期火炎伝播速度が向上する。
なお、図16、図17−1、図17−2に示すように、燃焼室1b内におけるシリンダヘッド2に、シリンダヘッド隔壁2Beを設けてもよい。このシリンダヘッド隔壁2Beは、第1タンブル流G1と第2タンブル流G2との間に設けられ、両者を分離する。これによって、内燃機関100eの圧縮行程においては、燃焼室1b内へ形成された第1及び第2タンブル流G1、G2を分離した状態で、圧縮上死点付近まで分離した状態で維持することができる。そして、点火時期近傍まで第1及び第2タンブル流G1、G2を持続して、点火プラグ10の近傍へ乱れ渦Sを安定して生成させることができる。また、シリンダヘッド隔壁2Beの端部2Betにおいて第1及び第2タンブル流G1、G2が剥離することにより剥離渦Ssが生成される。これらの乱れ渦S及び剥離渦Ssによって、点火プラグ10近傍の乱れはより大きくなる。その結果、シリンダヘッド隔壁2Beを設けない場合と比較して、より安定した着火が得られるとともに、燃焼速度はより向上する。
以上、実施例5では、3以上の吸気口を備えるとともに、燃焼室の吸気口から排気口へ向かう第1タンブル流と、この第1タンブル流とは旋回方向が逆向きとなる第2タンブル流とを燃焼室内に形成する。これによって、点火時期近傍まで第1及び第2タンブル流を持続させて、点火プラグの近傍へ乱れ渦を安定して生成させることができる。その結果、内燃機関の幅広い運転領域において安定した着火が得られるとともに、初期火炎伝播速度が向上して燃焼が促進される。なお、実施例5に開示した構成と同様の構成を備えていれば、実施例5に係る内燃機関と同様の作用・効果を奏する。
以上のように、本発明に係る内燃機関は、火花点火式の内燃機関に有用であり、特に、点火プラグの周辺に乱れ渦を安定して形成することに適している。
実施例1に係る内燃機関を示す概略断面図である。 実施例1に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 この実施例に係る内燃機関が備えるピストンをその頂部側から見た状態を示す平面図である。 図4−1のC−C断面図である。 実施例1に係る内燃機関の圧縮行程を示す説明図である。 燃焼室内における吸気の乱れの、時間に対する変化を示す説明図である。 実施例1の変形例に係るピストンを示す説明図である。 実施例2に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。 実施例2に係る内燃機関を図8の矢印D側から見た説明図である。 実施例3に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。 実施例3に係る内燃機関を図10の矢印D側から見た説明図である。 実施例3に係る内燃機関を図10の矢印D側から見た説明図である。 実施例4に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。 実施例4に係る内燃機関を図12の矢印D側から見た説明図である。 実施例4に係る内燃機関を図12の矢印D側から見た説明図である。 実施例4の変形例に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。 実施例4の変形例に係る内燃機関を図14の矢印D側から見た説明図である。 実施例4の変形例に係る内燃機関を図14の矢印D側から見た説明図である。 実施例5に係る内燃機関をシリンダヘッド側から見た状態を示す平面図である。 実施例5に係る内燃機関を図16の矢印D側から見た説明図である。 実施例5に係る内燃機関を図16の矢印D側から見た説明図である。
符号の説明
1b 燃焼室
1s シリンダ
2 シリンダヘッド
2B、2Be シリンダヘッド隔壁
2Bt、2Bet 端部
3i 吸気ポート
3i1 第1吸気ポート
3i2 第2吸気ポート
3e 排気ポート
4 ポート噴射弁
1 第1ポート噴射弁
2 第2ポート噴射弁
5i 吸気口
5i1 第1吸気口
5i2 第2吸気口
5e 排気口
5e1 第1排気口
5e2 第2排気口
7、7a ピストン
7B、7Ba ピストン隔壁
7C、7Ca キャビティ
7C1 第1キャビティ
7C2 第2キャビティ
7BC、7BCa 切り欠き部
14 吸気弁
141 第1吸気弁
142 第2吸気弁
15 排気弁
20 機関ECU
21、211、212 第1フラップ
22 第2フラップ
100、100a、100b、100c、100d、100e 内燃機関

Claims (6)

  1. シリンダ内をピストンが往復運動する内燃機関であって、
    前記シリンダ内の燃焼室へ流入する吸気の第1タンブル流を発生させる第1タンブル流発生手段と、
    前記第1タンブル流とは旋回方向が逆向きとなる、前記燃焼室へ流入する吸気の第2タンブル流を発生させる第2タンブル流発生手段と、
    前記燃焼室の内部であって、前記燃焼室内へ形成される前記第1タンブル流と前記第2タンブル流との間に設けられるタンブル流仕切り手段と、
    を含むことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記タンブル流仕切り手段は、
    前記燃焼室内の混合気に点火するための点火プラグの位置に、切り欠き部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記タンブル流仕切り手段は、
    前記シリンダが備えるシリンダヘッドの内側に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. 前記タンブル流仕切り手段は、
    前記ピストンの頂部に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関。
  5. 前記第1タンブル流を形成する吸気の流れに沿って、かつ前記第1タンブル流を形成する吸気が前記燃焼室へ流入する第1吸気口に向かって燃料を噴射する第1の燃料噴射手段と、
    前記第2タンブル流を形成する吸気の流れに沿って、かつ前記第2タンブル流を形成する吸気が前記燃焼室へ流入する第2吸気口に向かって燃料を噴射する第2の燃料噴射手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関。
  6. 前記第1タンブル流を形成する吸気が前記燃焼室へ流入する第1吸気口と、前記第2タンブル流を形成する吸気が前記燃焼室へ流入する第2吸気口とは、前記シリンダの中心軸に対して対称に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関。
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