JP2006125333A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼室へ導入される空気の温度を低下させて体積効率を向上させるとともに、燃料噴射弁を簡易に燃料分配管へ取り付けることができる内燃機関を提供すること。
【解決手段】この内燃機関1は、2個の吸気弁101、102それぞれの軸部11を含む平面PVと直交する平行な2枚の平面PS1、PS2上に、2個のポート噴射弁21、22をそれぞれ平行に配置する。そして、ポート噴射弁21、22から扁平状の燃料噴霧Fmを噴射して、これを吸気弁101、102の傘部12と吸気通路開口部との間を通過させ、燃焼室1b内へ流入させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、火花点火式の内燃機関に関する。
点火プラグによって燃焼室内の混合気に点火する火花点火式の内燃機関では、いわゆる吸気ポートに燃料を噴射する内燃機関が広く用いられている。このような内燃機関としては、例えば、特許文献1には、吸気通路の下方にインジェクタを備え、吸気弁が開いたときに吸気弁の傘部上方を通過して、点火プラグの近傍に燃料を噴射するものが開示されている。
特開平6−249108号公報
特許文献1に開示された技術は、吸気弁が開いたときに燃料を燃焼室へ向かって噴射するため、同時に燃焼室へ導入される空気の温度を、燃料の気化潜熱により低下させることができる。これによって、燃焼室へ導入される空気の体積効率を向上させて、内燃機関の性能を向上させることができる。
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、点火プラグ側から見たとき、インジェクタ同士の噴孔形成部が点火プラグに向かうように、すなわち、インジェクタ同士がハの字に配置される。このため、インジェクタへ燃料を分配する燃料分配手段の取り付けが事実上不可能になるという問題点があった。そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、燃焼室へ導入される空気の温度を低下させて体積効率を向上させるとともに、燃料噴射弁を簡易に燃料分配管へ取り付けることができる内燃機関を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内燃機関は、焼室室へ開口する吸気通路開口部を有する吸気通路と、軸部と、前記軸部の一端に形成されるとともに前記吸気通路開口部を開閉する傘部とを有する2個の吸気弁と、前記吸気通路に開口する噴孔を有するとともに、前記噴孔は、前記傘部と前記吸気通路開口部との間を通過して前記燃焼室内へ流入する、扁平形状の燃料噴霧を噴射し、さらに前記吸気弁のそれぞれの軸部を含む平面と直交する平行な2枚の平面上に、それぞれ平行に配置される2個の燃料噴射弁と、を含むことを特徴とする。
この内燃機関は、2個の吸気弁それぞれの軸部を含む平面と直交する、平行な2枚の平面上に、2個の燃料噴射弁をそれぞれ平行に配置する。そして、この燃料噴射弁から扁平状の燃料噴霧を噴射して、これを吸気弁の傘部と吸気通路開口部との間を通過させ、燃焼室内へ流入させる。これによって、燃焼室へ導入される空気の温度を低下させて体積効率を向上させるとともに、燃料噴射弁を簡易に燃料分配管へ取り付けることができる。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記2個の燃料噴射弁は、前記燃焼室の中心軸を通り、かつ前記燃料噴射弁と平行な平面に対して対称に配置されることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記2個の燃料噴射弁は、前記燃焼室の中心軸を通り、かつ前記燃料噴射弁と平行な平面に対して非対称に配置されることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記燃料噴射弁の燃料噴射弁中心軸が、前記吸気弁の前記軸部と交差することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記燃料噴射弁は、少なくとも2本の燃料噴霧を噴射するとともに、それぞれの前記燃料噴霧は、前記吸気弁の前記軸部を避けるように前記傘部と前記吸気通路開口部との間を通過することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記燃料噴霧の貫徹力は、前記噴孔と前記燃焼室の内壁面との距離が大きくなるにしたがって大きくなることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記燃料噴霧の濃度は、前記噴孔と前記燃焼室の内壁面との距離が大きくなるにしたがって高くなることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関では、燃焼室へ導入される空気の温度を低下させて体積効率を向上させるとともに、燃料噴射弁を簡易に燃料分配管へ取り付けることができるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。特に本発明は、燃焼室へ空気又は空気と燃料との混合気を導入するための吸気弁を備える内燃機関に対して好適である。また、本発明は、特に乗用車やバス、あるいはトラック等の車両に搭載される内燃機関に対して好ましく適用できる。
実施例1に係る内燃機関は、次の点に特徴がある。すなわち、2個の燃料噴射手段と2個の吸気弁とを備え、前記ポート噴射弁が有する噴孔は、扁平形状の燃料噴霧を噴射する。この燃料噴霧は、吸気弁の傘部と吸気通路が燃焼室に開口する吸気通路開口部との間を通過して燃焼室内へ流入する。そして、前記2個のポート噴射弁は、両吸気弁のそれぞれの軸部を含む平面と直交する2枚の平行な平面上にそれぞれ平行に配置される。図1は、実施例1に係る内燃機関の一例を示す説明図である。実施例1では、内燃機関が備える単一の気筒を取り出して説明するが、本発明は多気筒の内燃機関、単気筒の内燃機関を問わずに適用できる。なお、「平行」とは、製造上発生する誤差や、製造上必要な公差は含む(以下同様)。
図1に示すように、実施例1に係る内燃機関1は、いわゆるレシプロ式の内燃機関であり、点火プラグ7によって燃焼室1b内の混合気に点火する、火花点火式の内燃機関である。内燃機関1は、気筒1sの燃焼室1b内へ、吸気通路の一部である吸気ポート41(42)へ燃料Fを噴射するポート噴射弁21(22)を備える。ここで、ポート噴射弁が、燃料噴射弁に相当する。なお、前記燃焼室1b内へ直接燃料を噴射する直噴噴射弁をさらに備え、内燃機関1の運転条件に応じて両者の燃料噴射割合を変更して、内燃機関1へ燃料Fを供給してもよい。
内燃機関1は、その運転を制御するため、クランク角センサ41、アクセル開度センサ42、エアフローセンサ43その他のセンサ類が取り付けられている。機関ECU(Electronic Control Unit)30は、前記センサ類からの出力を取得して、内燃機関1の点火時期や燃料噴射量を決定したり、前記ポート噴射弁21(22)の燃料噴射時期を制御したりする。
内燃機関1に供給される燃料Fは、前記ポート噴射弁21(22)から吸気ポート41(42)内へ噴射され、吸気弁101(102)から流入する空気と混合気を形成する。内燃機関1に供給される空気Aは、吸気通路の一部であるインテークパイプ8の入口に取り付けられるエアクリーナ8cでごみ等が除去されてから、内燃機関1へ送られる。内燃機関1へ供給される空気は、インテークパイプ8に設けられるスロットル弁45によって流量が調整される。このスロットル弁45は、バタフライ弁をスロットルアクチュエータで駆動する、いわゆる電子スロットル弁である。
実施例1において、アクセル42pの開度はアクセル開度センサ42で検出されて、機関ECU30に取り込まれる。機関ECU30は、スロットル弁45を開閉する。このように、スロットル弁45の開度は、アクセル42pと連動するように構成される。アクセル42pの開度が大きくなると、スロットル弁45の開度は大きくなり、アクセル42pの開度が小さくなると、スロットル弁45の開度は小さくなる。
内燃機関1へ供給される空気は、インテークパイプ8であってスロットル弁45の上流に設けられるエアフローセンサ43で流量が計測されて、その計測値は機関ECU30に取り込まれる。機関ECU30は、エアフローセンサ43により計測される吸入空気量Qaと、回転数センサで計測される内燃機関1の機関回転数NEとから、内燃機関1に対する燃料噴射量τを決定する。
燃焼室1b内に導かれた空気と、ポート噴射弁21(22)から噴射された燃料Fとによって形成された混合気は、シリンダヘッド1hに取り付けられる点火プラグ7で着火されて燃焼し、燃焼ガスとなる。燃焼ガスの燃焼圧力はピストン5に伝えられ、ピストン5を往復運動させる。ピストン5の往復運動は、コネクティングロッド3を介してクランク軸6へ伝達され、ここで回転運動に変換される。内燃機関1の燃焼室1bで燃焼した混合気は、排ガスExとなって排気弁151(152)を通って排気ポート9へ排出される。この排ガスExは、浄化触媒で浄化されてから大気中へ排出される。
実施例1に係る内燃機関1は、2個の吸気弁101(102)と、2個の排気弁151(152)を備える。なお、実施例1に係る内燃機関1は、少なくとも2個の吸気弁を備えていればよく、排気弁は1個でもよい。実施例1に係る内燃機関1において、ポート噴射弁21(22)は、吸気弁101(102)1個あたり1個配置される。
ポート噴射弁21(22)には、燃料分配手段であるデリバリパイプ20から燃料が供給される。図2−1、図2−2は、ポート噴射弁とデリバリパイプとの取り付け状態を示す説明図である。図2−1に示すように、デリバリパイプ20には、ガスケット23を介してポート噴射弁21(22)が差し込まれる。デリバリパイプ20には、燃料供給管22から燃料Fが供給される。図2−1に示すように、実施例1においては、1の燃焼室(1の気筒)あたり、2個のポート噴射弁21、22が用いられる。
図2−2に示すように、ポート噴射弁21(22)は、デリバリパイプ20に取り付けられるとともに、内燃機関1のシリンダヘッド1hに設けられる取り付け孔1hpに挿入される。そして、デリバリパイプ20を、スペーサ21を介して締結手段であるボルト24によってシリンダヘッド1hに固定する。これによって、デリバリパイプ20、及び複数のポート噴射弁21(22)がシリンダヘッド1hに固定される。なお、スペーサ21は、シリンダヘッド1hからデリバリパイプ20への伝熱を抑制し、デリバリパイプ20内の燃料Fの昇温を抑制するため、熱伝導率の低い材料(例えば樹脂)で製造されている。このようにポート噴射弁21(22)は内燃機関1に取り付けられて、吸気ポート41(42)へ燃料を噴射する。
吸気ポート41(42)が燃焼室1bに開口する部分には、バルブシート1ivsが設けられる。バルブシート1ivsが燃焼室1bに開口している部分が、吸気通路開口部4oとなる。吸気弁101(102)は、バルブシート1ivsに接したり離れたりして、前記吸気通路開口部4oを開閉する。これにより、吸気通路である吸気ポート41(42)から、空気又は空気と燃料との混合気を燃焼室1b内へ導入する。
図3は、吸気弁を示す説明図である。実施例1に係る内燃機関1は、1の燃焼室(1の気筒)あたり2本の吸気弁101、102を備える。吸気弁101(102)は、吸気弁軸ZViと平行な軸部11と、この軸部11の一方の端部に形成される傘部12とで構成される。傘部12とは反対側における軸部11の端部は吸気カムによって押されて、吸気弁101(102)を吸気弁軸ZViと平行に往復運動させる。これによって、傘部12が内燃機関1の燃焼室1bに開口する吸気通路開口部4oを開閉する。次に、実施例1に係るポート噴射弁21(22)について説明する。
図4−1〜図4−3は、実施例1に係るポート噴射弁を示す説明図である。図4−1〜図4−3に示すように、実施例1に係るポート噴射弁21(22)は、燃料噴射弁中心軸ZIと直交する断面が略円形の円筒形状である。図4−2に示すように、実施例1に係るポート噴射弁21(22)は、吸気通路である吸気ポート41(42)に開口するスリット状の噴孔2oを備える。そして、図4−1、図4−2に示すように、この噴孔2oから燃料Fが噴射されて、燃料噴霧Fmが形成される。
実施例1に係るポート噴射弁21(22)から噴射される燃料噴霧Fmは、図4−1、図4−3に示すように偏平形状であり、より具体的には扁平形状かつ扇形状である。そして、燃料噴霧Fmは、広がり角度αをもって燃焼室1bの内壁面(ボア壁面)1twに向かって広がる。また、燃料噴霧Fmの広がり方向に直交する方向の厚さtは、広がり方向の寸法に対して小さい。これによって、吸気弁101(102)の傘部12と吸気通路開口部4o(図2−2)との間に燃料噴霧Fmを通過させる際においては、吸気ポート41(42)の壁面や傘部12に対する衝突が低減される。その結果、吸気ポート41(42)の壁面や傘部12に燃料Fが付着することによる燃料の潜熱の消費が抑制されるので、燃焼室1bへ導入される空気の冷却効果の低下を抑制することができる。また、吸気ポート41(42)の壁面に燃料Fが付着することによる燃料消費も抑制できる。
実施例1において、燃料噴霧Fmの広がり方向と直交する方向から見た場合、ポート噴射弁21(22)の燃料噴射弁中心軸ZIと、燃料噴霧中心軸ZFとは一致する(図4−3)。一方、燃料噴霧Fmの厚さ方向と直交する方向から見た場合、燃料噴射弁中心軸ZIと、燃料噴霧中心軸ZFとは角度をもつ(図4−1)。燃料噴射弁中心軸ZIと燃料噴霧中心軸ZFとの関係は、ポート噴射弁21(22)とシリンダヘッド1hとの取り付け方や吸気弁101(102)の配置その他の仕様によって、適宜変更できる。次に、ポート噴射弁21(22)と、吸気弁101(102)との関係について説明する。
図5は、実施例1に係る内燃機関を、そのシリンダヘッド側から見た平面図である。図6は、実施例1に係る内燃機関を、そのピストンの往復方向に直交する方向から見た断面図である。図5、図6に示すように、実施例1に係る内燃機関1では、2個のポート噴射弁21、22はそれぞれ平行で、かつ2個の吸気弁101、102のそれぞれの軸部11を含む平面PVと直交する2枚の平行な平面PS1、PS2上に、それぞれ2個のポート噴射弁21、22が配置される。ここで、2個のポート噴射弁21、22の燃料噴射弁中心軸ZI(図4−1、図4−2、図6)はそれぞれ平行で、かつ2個の吸気弁101、102それぞれの吸気弁軸ZViを含む平面PVと直交する平行な2枚の平面PS1、PS2上に、それぞれ2個の前記燃料噴射弁中心軸ZIが配置されることが好ましい。
このようにポート噴射弁21、22を配置すれば、図6に示すように、ポート噴射弁21、22の噴孔2oから扁平形状の燃料噴霧Fmを噴射した場合に、この燃料噴霧Fmが吸気弁101、102の傘部12と吸気通路開口部4oとの間を通過して燃焼室1b内へ流入する。この場合、図1に示すように、ポート噴射弁21、22は、吸気ポート41、42のクランク軸6に配置することが好ましい。このようにすれば、ポート噴射弁21、22の噴孔2oから噴射した燃料噴霧Fmを、吸気弁101、102の傘部12と吸気通路開口部4oとの間を通過させる構成を実現しやすくなる。
図7は、2個のポート噴射弁が平行でない場合を示す平面図である。図7に示すように、2個のポート噴射弁21、22が平行でない場合には、共通のデリバリパイプ20に2個のポート噴射弁21、22を取り付けることができない。この場合には、各ポート噴射弁21、22に対してそれぞれ燃料供給配管を用意する必要があるため、燃料配管系が複雑となり、また、組み立ても複雑になる。
一方、実施例1に係る内燃機関1のように、2個のポート噴射弁21、22が平行である場合には、共通のデリバリパイプ20に2個のポート噴射弁21、22を取り付けることができる。この場合には、各ポート噴射弁21、22に対して共通のデリバリパイプ20で燃料を供給できるので燃料配管系が簡略化でき、また、組み立ても簡単になる。その結果、内燃機関1の信頼性が向上するとともに、整備性も向上し、また、製造コストも低減できる。なお、内燃機関が複数の燃焼室を備える場合、共通のデリバリパイプ20にすべてのポート噴射弁を取り付ける観点から、各燃焼室が備えるすべてのポート噴射弁を平行に配置することが好ましい。
図8は、実施例1に係る内燃機関において、ポート噴射弁側から吸気弁及びバルブシートを見た状態を示す説明図である。実施例1においてポート噴射弁21、22から燃料Fを噴射する場合、吸気非同期、すなわち吸気行程を避けて燃料Fを噴射する場合と、吸気同期、すなわち吸気行程で燃料Fを噴射する場合がある。前者は、燃料の均質化が促進させることができ、後者では、燃焼室1bに導入される空気Aの温度を低下させて体積効率を向上させることができる。
吸気同期でポート噴射弁21、22から燃料Fを噴射する場合、図6に示すように吸気弁101(102)の傘部12と吸気通路開口部4oとの間に燃料噴霧Fmを通過させる。上述したように、実施例1に係るポート噴射弁21、22からは、偏平形状の燃料噴霧Fmが形成されるため(図4−3)、吸気ポート41(42)の壁面や傘部12に対する衝突が低減される。また、図5、図6に示すように、実施例1では、吸気弁101(102)の吸気弁101(102)の軸部11と、ポート噴射弁21(22)の燃料噴射弁中心軸ZIとが交差するように配置される。
このようにすると、図8に示すように、ポート噴射弁21(22)側から見た場合における、吸気弁101(102)の傘部12とバルブシート1ivsとの間に形成される開口面積Sを最も大きくとることができる。これによって、同じ吸気弁のリフト量でも前記開口面積Sが大きくなるので、吸気ポート41(42)の壁面や傘部12に対する燃料Fの付着量を低減できる。その結果、より多くの燃料を燃焼室1b内に導いて燃焼室1b内へ導入される空気の冷却に供することができるので、体積効率をより向上させ、より高い出力を得ることができる。また、前記燃料付着による燃料消費も抑制できる。かかる観点からは、吸気弁101(102)の吸気弁軸ZViと、ポート噴射弁21(22)の燃料噴射弁中心軸ZIとが交差するように配置することがより好ましい。
なお、前記燃料噴射弁中心軸ZIと、前記軸部11(又は前記吸気弁軸ZVi)とが交差する場合、前記開口面積Sを大きくするという観点からは、必ずしも2個のポート噴射弁21、22を、燃焼室1bの中心軸Zを通り、かつポート噴射弁21(22)と平行な平面PPに対して対称に配置する必要はない。例えば、2個のポート噴射弁21、22が前記平面PPに対して非対称であり、かつ2個の吸気弁101、102も前記平面PPに対して非対称であるような場合でも、前記開口面積Sを大きくするという目的は達成できる。しかし、燃焼室1b内全体に均質な混合気を形成するという点では、2個のポート噴射弁21、22を、燃焼室1bの中心軸Zを通り、かつポート噴射弁21(22)と平行な平面PPに対して対称に配置することが好ましい。
また、実施例1では、各吸気弁101(102)に対してポート噴射弁21(22)がそれぞれ1個づつ配置される。これによって、図5に示すように、大量の燃料噴霧Fmが点火プラグ7に衝突することを避けて燃焼室1b内へ燃料噴霧Fmを噴射することができる。その結果、いわゆる、点火プラグ7のかぶりを抑制して確実に点火プラグ7から放電させて、確実に燃焼室1b内の混合気へ着火することができる。
また、実施例1に係る内燃機関1では、各吸気弁101(102)に対してポート噴射弁21(22)をそれぞれ1個づつ配置する。これによって、燃料噴霧Fmの広がり角度を大きくしないでポート噴射弁21(22)を吸気弁101(102)の近傍に配置しても、燃焼室1b内全体の混合気の均質性を維持できる。そして、ポート噴射弁21(22)と吸気弁101(102)との距離を近づけることにより、燃料噴霧Fmが吸気ポート41(42)内を飛行する時間が短くなるので、燃料Fは気化潜熱の消費が抑えられて燃焼室1b内へ導入される。これにより、燃焼室1b内へ導入される空気をより効率よく冷却できるので、体積効率をより向上させ、より高い出力を得ることができる。
(変形例1)
実施例1の第1変形例に係る内燃機関は、実施例1の内燃機関と略同様の構成であるが、ポート噴射弁の燃料噴射弁中心軸が、吸気弁の軸部と離れている点が異なる。すなわち、ポート噴射弁の燃料噴射弁中心軸が、吸気弁の軸部とオフセットして配置される点が異なる。他の構成は実施例1と同様なので、同一の構成には同一の符号を付す。図9、図10は、実施例1の変形例に係る内燃機関を、そのシリンダヘッド側から見た平面図である。
図9、図10に示す内燃機関1A、1Bは、2個の吸気弁101、102それぞれの軸部11を含む平面PVと直交する2枚の平面PS1、PS2上に、それぞれ2個のポート噴射弁21、22が配置される。この2個のポート噴射弁21、22は両者が平行になるように配置されるとともに、ポート噴射弁21、22の燃料噴射弁中心軸ZIは、吸気弁101、102の吸気弁軸ZViと交差せず、ZIとZViとは一定の距離x(あるいはy)をもって離れて配置される。すなわち、ポート噴射弁21、22の燃料噴射弁中心軸ZIは、吸気弁101、102の吸気弁軸ZViに対してオフセットして配置される。
これによって、燃料噴霧Fmが燃焼室1b内へ流入する位置を変更できるので、燃料噴霧Fmを燃焼室1b内へ導入する際には、吸気弁101、102の軸部11や傘部12と燃料噴霧Fmとの干渉を回避しやすくなる。その結果、燃料Fは気化潜熱の損失をより抑えることができるので、燃焼室1b内へ導入される空気をより効率よく冷却できる。その結果、体積効率をより向上させ、より高い出力を得ることができる。また、燃料噴霧Fmが燃焼室1b内へ流入する位置を変更できるので、燃焼室1b内における混合気の濃度分布を変更して、好ましい混合気分布を形成しやすくなる。
ここで、図9に示す内燃機関1Aでは、ポート噴射弁21、22の燃料噴射弁中心軸ZIは、吸気弁101、102の吸気弁軸ZViよりも、燃焼室1bの径方向外側に配置される。一方、図10に示す内燃機関1Bでは、ポート噴射弁21、22の燃料噴射弁中心軸ZIは、吸気弁101、102の吸気弁軸ZViよりも、燃焼室1bの径方向内側、すなわち、吸気弁101、102の吸気弁軸ZVi間に配置される。
また、図9、図10に示す例において、吸気弁軸ZViとポート噴射弁の燃料噴射弁中心軸ZIとの距離x(あるいはy)は、2個のポート噴射弁21、22の間でそれぞれ等しくしてある。すなわち、燃焼室1bの中心軸Zを通り、かつポート噴射弁21、22に平行な平面PPに対して、2個のポート噴射弁21、22を対称に配置してある。しかし、これに限られず、前記距離x(あるいはy)を2個のポート噴射弁21、22でそれぞれ異ならせてもよい。すなわち、前記平面PPに対して、2個のポート噴射弁21、22を非対称に配置してもよい。このようにすれば、燃焼室1b内へ燃料噴霧を形成する自由度が向上する。
(変形例2)
実施例1の第2変形例に係る内燃機関は、実施例1の内燃機関と略同様の構成であるが、ポート噴射弁から噴射される燃料噴霧が少なくとも二股に分岐して、吸気弁の軸部を避けて燃焼室へ流入させる点が異なる。他の構成は実施例1と同様なので、同一の構成には同一の符号を付す。図11は、実施例1の変形例に係る内燃機関を、そのシリンダヘッド側から見た平面図である。図12は、実施例1の第2変形例に係るポート噴射弁を示す正面図である。
図11に示す内燃機関1Cは、2個のポート噴射弁2a1、2a2は両者が平行になるように配置されるとともに、2個の吸気弁101、102それぞれの軸部11を含む平面PVと直交する2枚の平行な平面PS1、PS2上に、それぞれ2個のポート噴射弁2a1、2a2が配置される。また、2個のポート噴射弁2a1、2a2の燃料噴射弁中心軸ZIは、吸気弁101、102の軸部11(あるいは吸気弁軸ZVi)と交差している。すなわち、2個のポート噴射弁2a1、2a2は、燃焼室1bの中心軸Zを通り、かつポート噴射弁2a1、2a2に平行な平面PPに対して略対称となるように配置されている。
第2変形例に係るポート噴射弁2a1(2a2)は、2個のスリット状の噴孔2ao1、2ao2を備えている。この2個の噴孔2ao1、2ao2は、前記平面PS1、PS2に対して対称であるとともに、噴孔2ao1、2ao2のそれぞれの長手方向が一直線上に位置するように配置される。この2個の噴孔2ao1、2ao2から燃料を噴射すると、図11に示すように、燃料噴霧Fmが二股に分かれて噴射される。そして、この燃料噴霧Fmは、吸気弁101(102)の軸部11を回避して燃焼室1b内へ流入する。これによって、燃料噴霧Fmの軸部11に対する衝突が極めて低減されるので、燃料Fの気化潜熱損失が極めて低減される。その結果、燃焼室1b内へ導入される空気をさらに効率よく冷却できるので、体積効率をさらに向上させ、より高い出力を得ることができる。また、燃料噴霧Fmが少なくとも二股に分かれて燃焼室1bへ流入するので、点火プラグ7への燃料噴霧Fmの直撃を抑制しつつ、燃焼室1b内における混合気分布を均一にしやすくなる。
図13−1は、第2変形例の他の例に係るポート噴射弁を示す正面図である。図13−2は、第2変形例の他の例に係るポート噴射弁を用いた場合において、ポート噴射弁側から吸気弁及び吸気通路開口部を見た状態を示す説明図である。この例に係るポート噴射弁2b1(2b2)は、前記平面PS1、PS2に対して対称に配置される、2個のスリット状の噴孔2bo1、2bo2を備えている。この2個の噴孔2bo1、2bo2は、燃料噴射弁中心軸ZIを中心として、中心角θ(≠180度)で配置されている。
このポート噴射弁2b1(2b2)は、図13−2に示すように、燃料噴霧Fmが二股に分岐して吸気弁101(102)の軸部11を回避するとともに、吸気通路開口部4oと傘部12との開口の傾きに沿って流れる。これによって、燃料噴霧Fmが吸気通路開口部4oと傘部12との開口を通過する際においては、バルブシート1ivsや傘部12に対する燃料噴霧Fmの衝突が効果的に抑制できるので、燃料Fの気化潜熱損失は極めて低減される。その結果、燃焼室1b内へ導入される空気をさらに効率よく冷却できるので、体積効率をさらに向上させ、より高い出力を得ることができる。なお、バルブシート1ivsや傘部12に対する燃料噴霧Fmの衝突を効果的に抑制するという観点からは、吸気通路開口部4oと傘部12との開口部の傾き角度θ1と、噴孔2bo1、2bo2同士の中心角θとは、略等しいことが好ましい。
以上、実施例1及びその変形例によれば、2個の吸気弁それぞれの軸部を含む平面と直交する平行な2枚の平面上に、2個の燃料噴射弁をそれぞれ平行に配置する。そして、燃料噴射弁から扁平状の燃料噴霧を噴射して、これを吸気弁の傘部と吸気通路開口部との間を通過させ、燃焼室内へ流入させる。これによって、燃焼室へ導入される空気の温度を低下させて体積効率を向上させるとともに、燃料噴射弁を簡易に燃料分配管へ取り付けることができる。なお、実施例1で開示した構成は、以下の実施例に対しても必要に応じて適宜適用することができる。また、実施例1で開示した構成と同様の構成を備えれば、実施例1と同様の作用、効果を奏する。
実施例2に係る内燃機関は、燃焼室内における燃料噴霧の貫徹力又は燃料噴霧の濃度のうち少なくとも一方を、ポート噴射弁の噴孔から燃焼室の内壁面(ボア壁面)までの距離が大きくなるほど大きく(あるいは高く)する点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なのでその説明を省略するとともに、同一の構成には同一の符号を付す。
図14は、実施例2に係る内燃機関において、噴孔からボア壁面までの距離を説明する平面図である。なお、次の説明では、2個のポート噴射弁2c1、2c2のうち、ポート噴射弁2c2のみについて説明するが、ポート噴射弁2c1でも同様である。ポート噴射弁2c2(2c1)の噴孔2coから、内燃機関1Dの燃焼室1bのボア壁面1twまでの距離は、Lで表される(o、cは添え字)。ここで、点火プラグ7側、すなわち、燃焼室1bの中心軸Zを通り、かつポート噴射弁2c1、2c2に平行な平面PP側における噴孔2coからボア壁面1twまでの距離がLcである。また、前記平面PPと対向するボア壁面1tw側における噴孔2coからボア壁面1twまでの距離がLoである。図14に示すように、前記平面PP側から前記平面PPと対向するボア壁面1tw側にしたがって、噴孔2coからボア壁面1twまでの距離は小さくなる。次に、燃料噴霧の貫徹力Wの変更について説明する。
(貫徹力の変更)
図15は、噴孔からボア壁面までの距離と貫徹力との関係を示す説明図である。図16は、ボア壁面までの距離に応じて貫徹力を変更した状態を示す概念図である。ここで、燃料噴霧の貫徹力Wは、噴孔から噴射された燃料噴霧の到達可能な距離を表す尺度である。吸気弁101(102)の軸部11や傘部12等との干渉を回避して燃料噴霧を燃焼室1bへ導入すると、その背反として、空気と燃料との混合が不十分となり、燃焼室1b内における混合気が不均質となることがある。
実施例2においては、燃料と空気との混合距離に応じて、燃料の飛行距離を増減し、燃焼室1b内の混合気の不均質を抑制する。より具体的には、図15に示すように、燃料噴霧の貫徹力Wを、ポート噴射弁2c2(2c1)の噴孔2coから、燃焼室1bのボア壁面1twまでの距離Lが大きくなるほど大きく、すなわち、前記距離が小さくなるほど小さくする。これにより、ポート噴射弁2c2(2c1)の噴孔2coから噴射された燃料噴霧Fmの到達距離は、噴孔からボア壁面までの距離Lが大きくなるにしたがって大きくなる。その結果、噴孔2coからボア壁面1twまでの距離Lが大きい場合でも、十分に燃料噴霧を到達させることができるので、燃焼室1b内の混合気の不均質を抑制できる。
また、ポート噴射弁の噴孔から、燃焼室1bのボア壁面1twまでの距離Lが小さいにもかかわらず燃料噴霧の貫徹力Wが大きい場合には、ボア壁面1twへ燃料が付着して、燃料Fの気化潜熱損失が大きくなる。また、付着した燃料はほとんど燃焼せずに排出されるため、燃料消費も増加する。実施例2では、ポート噴射弁の噴孔から、燃焼室1bのボア壁面1twまでの距離Lが小さくなるほど燃料噴霧の貫徹力Wを小さくすることにより、ボア壁面1twへの燃料付着を抑制できる。その結果、燃料Fの気化潜熱損失を抑制して、空気を効率よく冷却できるので、体積効率を向上させて高い出力を得ることができる。また、燃焼に供されない燃料の量を低減できるので、燃料を効率的に燃焼させて燃料消費を抑制できる。さらに、点火プラグ7近傍の混合気がリーンになることを抑制して、混合気への着火性を十分に確保できる。次に、燃料噴霧の貫徹力Wを変更する手段について説明する。
図17は、実施例2に係るポート噴射弁を示す正面図である。噴孔の間隔が密の部分では、噴孔から噴射された燃料の粒子が合体する。これによって、合体した後の燃料粒子は、合体前よりも運動量が増えるので、このような燃料粒子を多く含む燃料噴霧は貫徹力Wが増加する。図17に示すポート噴射弁2c2(2c1)は、燃料噴霧の貫徹力Wを小さくしたい部分よりも大きくしたい部分の方が噴孔2coを密に配置する。実施例2では、点火プラグ7側、すなわち、燃焼室1bの中心軸Zを通り、かつポート噴射弁2c1、2c2に平行な平面PP側にしたがって、噴孔2coが密に配置される。これによって、燃料噴霧の貫徹力Wを、ポート噴射弁2c2(2c1)の噴孔2coから、燃焼室1bのボア壁面1twまでの距離が大きくなるほど大きくできる。
図18−1、実施例2に係るポート噴射弁の他の例を示す正面図である。図18−2は、実施例2に係るポート噴射弁の他の例を示す側面図である。このポート噴射弁2d2(2d1)は、二つの噴孔2do_a、2do_bから噴射される燃料をC点で衝突させることによって、扁平形状の燃料噴霧Fmを形成する。二つの噴孔2do_a、2do_bから噴射される燃料の衝突角度β(図18−2)を大きくすると、これによって形成される燃料噴霧Fmの貫徹力Wは小さくなる。一方、二つの噴孔2do_a、2do_bから噴射される燃料の衝突角度βを小さくすると、これによって形成される燃料噴霧Fmの貫徹力Wは大きくなる。
このポート噴射弁2d2(2d1)は、二つの噴孔2do_a、2do_bから噴射される燃料の衝突角度βを、点火プラグ7側、すなわち、燃焼室1bの中心軸Zを通り、かつポート噴射弁2c1、2c2に平行な平面PP側(図14)にしたがって小さくする。これによって、燃料噴霧の貫徹力Wを、ポート噴射弁2d2(2d1)の噴孔2do_a、2do_bから、燃焼室1bのボア壁面1twまでの距離Lが大きくなるほど大きくすることができる。次に、燃料噴霧の濃度の変更について説明する。
(濃度の変更)
図19は、噴孔からボア壁面までの距離と燃料噴霧の濃度との関係を示す説明図である。図20は、ボア壁面までの距離に応じて燃料噴霧の濃度を変更した状態の一例を示す概念図である。吸気弁101(102)の軸部11や傘部12等との干渉を回避して燃料噴霧を燃焼室1bへ導入すると、その背反として、空気と燃料との混合が不十分となり、燃焼室1b内における混合気が不均質となることがある。
実施例2においては、図19、図20に示すように、燃料噴霧Fmの濃度ρを、ポート噴射弁2e2(2e1)の噴孔2eoから、燃焼室1bのボア壁面1twまでの距離Lが大きくなるほど高く、すなわち、前記距離Lが小さくなるほど低くする。これにより、噴孔2eoからボア壁面1twまでの距離Lが変化しても、燃料と空気との混合気の濃度を略一定に保つことができるので、燃焼室1b内の混合気の不均質を抑制できる。また、点火プラグ7近傍の混合気がリーンになることを抑制して、混合気への着火性を十分に確保できる。
例えば、図20に示す例では、複数の噴孔を備えるポート噴射弁2e2(2e1)を用いている。そして、それぞれの噴孔から噴射される燃料噴霧Fmの角度を調整して燃料噴霧を重ねる。そして、燃料噴霧Fm同士の重なり量を変更することにより、ポート噴射弁2e2(2e1)の噴孔2eoから、燃焼室のボア壁面までの距離が大きくなるにしたがって、燃料噴霧Fmの濃度ρを高くすることができる。次に、燃料噴霧の濃度ρを変更する他の手段について説明する。
図21−1は、実施例2に係る他のポート噴射弁を示す正面図である。噴孔の開口面積が大きくなれば、その噴孔からはより多くの燃料が噴射されるので、燃料噴霧の濃度ρは高くなる。図21−1に示すポート噴射弁2f2(2f1)は、燃料噴霧の濃度ρを低くしたい部分よりも高くしたい部分の方が、噴孔2foの開口面積が大きくなるようにしてある。実施例2では、スリット状の噴孔2foを用い、点火プラグ7側にしたがって、噴孔2foの開口面積が大きくなるようにしてある。これによって、燃料噴霧の濃度ρを、ポート噴射弁2f2(2f1)の噴孔2foから、燃焼室1bのボア壁面1twまでの距離が大きくなるほど高くできる。
図21−2は、実施例2に係るポート噴射弁の他の例を示す正面図である。このポート噴射弁2g2(2g1)は、異なる径の噴孔2goを備え、点火プラグ7側にしたがって、噴孔2goの開口面積のより大きい噴孔を配置している。これによって、燃料噴霧の濃度を、ポート噴射弁2g2(2g1)の噴孔2goから、燃焼室1bのボア壁面1twまでの距離が大きくなるほど高くできる。
以上、実施例2では、燃焼室内における燃料噴霧の貫徹力又は燃料噴霧の濃度のうち少なくとも一方を、燃料噴射弁の噴孔から燃焼室の内壁面までの距離が大きくなるほど大きく(あるいは高く)する。吸気弁の軸部や傘部等との干渉を回避して燃料噴霧を燃焼室へ導入すると、その背反として、空気と燃料との混合が不十分となり、燃焼室内における混合気が不均質となることがある。実施例2では、上記構成によって、吸気弁の軸部や傘部等との干渉を回避して燃料噴霧を燃焼室へ導入するとともに、燃焼室内の混合気の不均質を抑制することができる。
以上のように、本発明に係る内燃機関は、いわゆるポート噴射弁を備える内燃機関に有用であり、特に、燃焼室へ導入される空気の温度を低下させて体積効率を向上させるとともに、ポート噴射弁を簡易に燃料分配管へ取り付けることに適している。
実施例1に係る内燃機関の一例を示す説明図である。 ポート噴射弁とデリバリパイプとの取り付け状態を示す説明図である。 ポート噴射弁とデリバリパイプとの取り付け状態を示す説明図である。 吸気弁を示す説明図である。 実施例1に係るポート噴射弁を示す説明図である。 実施例1に係るポート噴射弁を示す説明図である。 実施例1に係るポート噴射弁を示す説明図である。 実施例1に係る内燃機関を、そのシリンダヘッド側から見た平面図である。 実施例1に係る内燃機関を、そのピストンの往復方向に直交する方向から見た断面図である。 2個のポート噴射弁が平行でない場合を示す平面図である。 実施例1に係る内燃機関において、ポート噴射弁側から吸気弁及びバルブシートを見た状態を示す説明図である。 実施例1の変形例に係る内燃機関を、そのシリンダヘッド側から見た平面図である。 実施例1の変形例に係る内燃機関を、そのシリンダヘッド側から見た平面図である。 実施例1の変形例に係る内燃機関を、そのシリンダヘッド側から見た平面図である。 実施例1の第2変形例に係るポート噴射弁を示す正面図である。 第2変形例の他の例に係るポート噴射弁を示す正面図である。 第2変形例の他の例に係るポート噴射弁を用いた場合において、ポート噴射弁側から吸気弁及び吸気通路開口部を見た状態を示す説明図である。 実施例2に係る内燃機関において、噴孔からボア壁面までの距離を説明する平面図である。 噴孔からボア壁面までの距離と貫徹力との関係を示す説明図である。 ボア壁面までの距離に応じて貫徹力を変更した状態を示す概念図である。 実施例2に係るポート噴射弁を示す正面図である。 実施例2に係るポート噴射弁の他の例を示す正面図である。 実施例2に係るポート噴射弁の他の例を示す側面図である。 噴孔からボア壁面までの距離と燃料噴霧の濃度との関係を示す説明図である。 ボア壁面までの距離に応じて燃料噴霧の濃度を変更した状態の一例を示す概念図である。 実施例2に係る他のポート噴射弁を示す正面図である。 実施例2に係るポート噴射弁の他の例を示す正面図である。
符号の説明
1、1A、1B、1C、1D 内燃機関
1h シリンダヘッド
1tw ボア壁面
1b 燃焼室
1s 気筒
1、22、2b1、2b2、2c1、2c2、2d1、2d2、2e1、2e2、2f1、2f2、2g1、2g2 ポート噴射弁
2o、2ao1、2ao2、2bo1、2bo2、2co、2do_a、2do_b、2eo、2fo、2go 噴孔
1、42、吸気ポート
4o 吸気通路開口部
5 ピストン
6 クランク軸
7 点火プラグ
101、102 吸気弁
11 軸部
12 傘部
20 デリバリパイプ

Claims (7)

  1. 燃焼室へ開口する吸気通路開口部を有する吸気通路と、
    軸部と、前記軸部の一端に形成されるとともに前記吸気通路開口部を開閉する傘部とを有する2個の吸気弁と、
    前記吸気通路に開口する噴孔を有するとともに、前記噴孔は、前記傘部と前記吸気通路開口部との間を通過して前記燃焼室内へ流入する、扁平形状の燃料噴霧を噴射し、さらに前記吸気弁のそれぞれの軸部を含む平面と直交する平行な2枚の平面上に、それぞれ平行に配置される2個の燃料噴射弁と、
    を含むことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記2個の燃料噴射弁は、前記燃焼室の中心軸を通り、かつ前記燃料噴射弁と平行な平面に対して対称に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記2個の燃料噴射弁は、前記燃焼室の中心軸を通り、かつ前記燃料噴射弁と平行な平面に対して非対称に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  4. 前記燃料噴射弁の燃料噴射弁中心軸が、前記吸気弁の前記軸部と交差することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関。
  5. 前記燃料噴射弁は、少なくとも2本の燃料噴霧を噴射するとともに、それぞれの前記燃料噴霧は、前記吸気弁の前記軸部を避けるように前記傘部と前記吸気通路開口部との間を通過することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関。
  6. 前記燃料噴霧の貫徹力は、前記噴孔と前記燃焼室の内壁面との距離が大きくなるにしたがって大きくなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関。
  7. 前記燃料噴霧の濃度は、前記噴孔と前記燃焼室の内壁面との距離が大きくなるにしたがって高くなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関。
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