JP2006328605A - 新聞用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学的不透明度の向上と裏移りの防止とが可能な新聞用紙を得る。
【解決手段】JIS−P8128に準拠し、燃焼温度525度で灰化した新聞用紙の灰分が6〜12重量%であり、クレーが1〜10重量%を占める新聞用紙であって、この灰分粒子の重量平均粒径が4〜15μmの範囲に入る様にクレーが内添されている。
【選択図】なし。

Description

本発明は新聞用紙に関するものである。更に詳しくは、不透明度、印刷特性および紙力の全てに優れる新聞用紙に関するものである。
新聞用紙には配達時の重量負担軽減に起因する低坪量化が求められており、低坪量化に伴って起こりやすくなる印刷裏抜けを防止する為に、高い不透明度が求められている。また、印刷技術が向上するに連れて、近年になり増えてきた印刷物の多色化や緻密化に対応できるように、インキの滲みが少ない印刷特性に優れる新聞用紙の開発も求められている。
新聞用紙の不透明度を向上させる為、原料パルプに機械パルプが多用されてきたが、環境負荷軽減が望まれる近年にあっては、新聞用紙を前記機械パルプのみで形成するのは困難であり、環境負荷の低減が可能な古紙パルプの利用しつつ、填料による不透明度向上を行う必要がある。
填料の添加方法には、バインダ等と共に填料を表面塗工する外添と、填料をパルプ原料と混合して抄紙する内添とがある。微細な填料粒子は光の散乱係数と吸収係数とが良好であるが、填料歩留が低く、主に外添により添加されることが多い。しかし、外添は不透明度を向上させるのにその塗工厚さを稼ぐ必要があり、表面強度、版汚れ、コスト及び生産性が内添に比べて良くない。
そこで、光の散乱係数と吸収係数とが良好な、可視光線波長の1/2前後の填料粒子を、内添により歩留良く添加して不透明度、生産性の双方に優れる用紙を得ようとする試みが為されてきた。
例えば、特許文献1に示すように、カチオン化澱粉等を用いて紙中に平均粒子径0.05〜0.5μmの炭酸カルシウム粒子を増量しているものが知られている。
他方、紙中に増量しにくい微細な粒子の代わりに、特許文献2のように1〜15μmの水和珪酸塩粒子を用い、低下する傾向にある散乱係数を上げる為に、金属酸化物を水和珪酸塩粒子に含有せしめたものもある。
特開平10−60794号公報 特開2004−250268号公報
特許文献1で用いられる平均粒子径0.05〜0.5μmの炭酸カルシウム粒子は、紙パルプ繊維の隙間に比べて小さく、填料粒子がパルプ繊維に間から抜け落ちる為、紙中に留まりにくい傾向がある。カチオン化澱粉等を用いて紙中に炭酸カルシウムの填料粒子が留まりやすいようにしているものの、添加量の割には不透明度向上効果は大きくないという問題を有している。
また、特許文献1の炭酸カルシウム粒子にはパルプ繊維同士で作られる網目構造を充填できるほどの大きさはなく、印刷インキのビヒクル及びピグメントが双方通り抜けやすく、インキ滲みが生じる可能性がある為印刷特性は良好とは言えない。
一方、填料歩留の大きな水和珪酸塩粒子を用いた特許文献2では、平均粒径が大きな填料粒子を用いているので填料歩留は良好であるが、金属酸化物を加えて不透明度向上効果を補充しているものの不透明度は十分ではない。また、水和珪酸塩粒子とパルプ繊維とで作られる網目構造は粗い為、印刷インキのピグメントよりサイズの小さいビヒクルの浸透
は止められない可能性が高く、裏移りをする可能性があり、印刷後の不透明度が十分とは言えない。
本発明は、このような問題点を解決し得る新聞用紙を提供することを目的とする。
本発明は、光学的不透明度の向上と裏移りの防止とが可能となる新聞用紙を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は次の手段を講じた。
即ち、JIS−P8251に準拠し、燃焼温度525度で灰化した新聞用紙の灰分が6〜12重量%であり、灰分中にクレーが1〜10重量%を占める新聞用紙であって、この灰分粒子の重量平均粒径が4〜15μmの範囲に入る様にクレーが内添されている。
これによれば、クレーは6角板状結晶構造を基本構造として有するため、繊維間で光学的不透明度の向上と裏移りの防止とが可能となる。
前記灰分のJIS−K5101に規定される吸油度が、10〜50ml/100gとされている。
これによって、微細粒子単体の吸油度と異なり、用紙中に実際に含まれる微細粒子における吸油度を実質的に測定し、測定結果に基づき微細粒子の添加量を調整することができ、インキのビヒクルの浸透も精細に抑制でき、印刷特性を更に向上させることができる。
坪量38〜46g/m2に抄紙され、JAPAN−TAPPI−No.45による印刷不透明度が88〜97%、JIS−P8113による引張強さが2.2〜3.0kN/m又はJIS−P8116による引裂強さが290〜490mNの内の少なくともひとつを満足する。
坪量が38g/m2未満では、新聞用紙に求められるコシ(剛度)が不充分であるだけでなく、不透明性の低下、高速輪転機印刷における強度不足による断紙が生じる。
坪量が46g/m2以上では、輪転機印刷における連量(長さ)と巻取り径の問題で、輪転機への供給が困難であり、新聞用紙一部当たりの重量が増しハンドリングしずらくなる問題と、高速での折適正に問題が生じる。従って、前記 坪量38〜46g/m2に抄紙され、JAPAN−TAPPI−No.45による印刷不透明度が88〜97%、JIS−P8113による引張強さが2.2〜3.0kN/m又はJIS−P8116による引裂強さが290〜490mNの内の少なくともひとつを満足することによって、印刷後に文字の裏移りが起こりにくく、高速オフセットで断紙する心配もなく、紙力に優れている新聞紙を得ることが可能となる。
本発明の新聞用紙により、光学的不透明度の向上と裏移りの防止とが可能となる。
本発明の新聞用紙は、古紙パルプに由来するパルプ原料より抄紙されるものであって、古紙由来の微細な填料粒子(以下、微細粒子と呼ぶ。)を紙中に留める為に内添填料として前記微細粒子より粒径の大きなクレー(以下、径大クレーと呼ぶ。)を内添して成る。
前記パルプ原料は、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧砕木パルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、RGP(リファイナ砕木パルプ)等の機械パルプとDIP(脱墨パルプ)等の古紙パルプとを含んでいる。更に、KP(クラフトパルプ)、SP(亜硫酸パルプ)等の化学パルプやケナフ等を原料とする非木材性のパルプを一部に含んでも良い。パルプ原料に古紙パルプが含まれていることで、チラシ等に外添填料として含まれる微細粒子を再利用することが可能となる。
前記微細粒子は、例えば、炭酸カルシウム、含水珪酸塩、カオリン、クレー、二酸化チタン、タルク等であって、これらの中でも可視光線の吸収特性に優れる炭酸カルシウム、クレー、含水珪酸塩又は二酸化チタンが含まれるように、例えば炭酸カルシウムが外添されているチラシ等を多く含む古紙原料を選ぶのが好ましい。
前記微細粒子の平均粒子径は、波長3800〜8000Åの可視光線に対してその波長の1/2以上の粒子径を有するように、1次粒子径で0.4〜1.0μmとされるのが好ましく、光の散乱効果が最も良く発揮される粒子径である0.4〜1.0μmの填料粒子が含まれるような古紙原料、即ち粒径の小さな填料を用いる傾向の強い外添填料を含む古紙原料を選ぶのが良い。
前記微細粒子は、古紙のリサイクル工程等において一部凝集する場合もあるが、非凝集状態では微細粒子は光の散乱効果が良好な粒子径を有している。しかし、非凝集状態の微細粒子はパルプ繊維の繊維間をすり抜けやすく、この微細粒子をそのまま内添しても紙中に留まりにくく、光学的不透明度の向上効果は十分に発揮されない。
一方、凝集している微細粒子は粒径が大きいので、パルプ繊維間に留まりやすく、パルプ繊維間に挟まると周囲のパルプ繊維を押し詰めて、パルプ繊維の網目構造の目を細かくし、微細粒子をこの網目構造に留める効果を有する。しかし、一般には凝集粒子の数は多くないので、凝集粒子のみでは微細粒子を留めるのに十分ではない。
よって、径大クレーを内添して、前記凝集粒子のみではなく径大クレーがパルプ繊維との間に形成する網目構造でも微細粒子をトラップすることにより、微細粒子を歩留良く紙中に残留させる。
前記径大クレーは、天然の白色粘土を粉砕・分級等して得られる精製粘土であって、含水ケイ酸アルミニウムを主成分とし、カオリナイト、ハロイサイト、セリサイト又はパイロフィライト、あるいはその混合物であって、その平均粒子径は4〜15μm、好ましくは6〜12μmとされるのが良い。前記径大クレーの平均粒子径を4〜15μmとすることで、この径大クレーが添加される新聞用紙の灰分の重量平均粒子径を4〜15μmに維持しやすくなるからである。
また、前記径大クレーの平均粒子径を4μm以上、好ましくは6μm以上とすると、紙中に径大クレーが留まりやすくなり、前記微細粒子がトラップされやすくなって、この微細粒子による光散乱効果により新聞用紙の光学的不透明度が向上する。一方、径大クレーの粒径を15μm、好ましくは12μmより大きくすると、径大クレーの価格が大きくなりすぎるので、好ましいとは言えない。
前記径大クレーは、灰分中に含まれる古紙由来及び内添のすべてのクレーを含めて、対パルプで1〜10重量%、好ましくは3〜10重量%になるように添加するのが好ましい。紙中の全クレーを1〜10重量%、好ましくは3〜10重量%になるように径大クレーを内添することで、少量の填料添加でも大きな不透明度の向上効果が得られ、填料の過剰添加による引裂強さや引張強さの低下も防止できる。なお、灰分中での径大クレーの秤量は以下により行われる。
前記灰分は、JIS P−8251(2003年)に規定される灰分測定法による灰分量で6〜12重量%である。炭酸カルシウムの分解が生じない前記測定法により、用紙に含まれる填料粒子(特に、炭酸カルシウム)がその性状を変化せずに灰分粒子となり、配合量の計測が容易となるからである。
前記灰分中に含まれる粒子の測定は、前記灰分のEPMA(X線マイクロアナライザ)を用いた定性分析により、まず填料の種類を同定して行う。即ち、EPMAの観察画面に示される填料粒子に対して、Al、Si、Mg、Ca、Ti等の元素分析を行い、これにより填料粒子が炭酸カルシウム、含水珪酸塩、カオリン、クレー、二酸化チタン、タルクのいずれかであることを判断する。その際、EPMAには検出元素のマッピング機能等を
有する方が測定が容易となるので好ましい。
次に、同観察画面に示される填料粒子のサイズ計測を行う。即ち、観察画像から粒子面積を計測し、この粒子面積から粒径を計算する。この場合も、EPMAに画像処理機能を有する方が計測が容易であり好ましい。填料粒子の同定と粒径計測を、統計的に満足できるだけの観察画面数行うことで各填料粒子の粒子径及び粒子容積、並びに粒子容積と粒子の種類とから粒子重量が求められ、灰分の重量平均粒径(灰分中に含まれる填料粒子の、重量濃度−粒径の分布関数において、平均重量濃度が示す粒径を示す。以下、同じ。)が計算される。
前記径大クレーは、前述のように灰分粒子に関して重量平均粒径を求めた場合に、その平均重量粒径が4〜15μmとなるように添加されるのが良い。これによって、径大クレー又は前記微細粒子の凝集粒子がパルプ繊維との間に網目構造を形成し、この網目構造に微細粒子がトラップされ、光学的不透明度の向上効果が発揮される。
前記灰分のJIS K5101−13−1(2004年)に規定される吸油度は、10〜50ml/100g、好ましくは20〜50ml/100gとされるのが良い。一般に平均粒子径と言われる場合は1次粒子の粒子径を示すが、灰分粒子は燃焼時に凝集しやすいので、平均粒子径に加えて吸油度でその表面積を規定する方が好ましい。即ち、灰分の吸油度は10〜50ml/100g、好ましくは20〜50ml/100gとされるのが良く、吸油度を10〜50ml/100g、好ましくは20〜50ml/100gとすることで、灰分粒子がインキのビヒクルを吸収できる程度に凝集するようになり、印刷インキによる裏移りを防止することが可能となる。
即ち、印刷インキにはピグメント(顔料)と呼ばれる示色性の無機又は有機粒子と、亜麻仁油やひまし油等のビヒクル(展色剤)とが含まれている。ピグメントは示色性粒子であって、パルプ繊維の網目構造を通り抜けにくくするように網目構造の網目を小さくする方が良く、灰分粒子に重量平均粒子径が15μm以下のものを用いるのが良い。
ビヒクルは油分子が主でありピグメントよりは小さい粒子径を有する粒子と考えられ、このビヒクル粒子の浸透を防止するには灰分の表面積である吸油度を10〜50ml/100g、好ましくは20〜50ml/100gとするのが好ましい。
前記灰分は、古紙由来の微細な前記填料粒子と径大クレーとを含む灰分として計測され、6〜12重量%とするのが好ましい。灰分を6〜12重量%とすることで、微細粒子が前記網目構造を充填できる程度に含まれるようになり、光学的不透明度の向上と裏移りの防止との双方を満足させることができる。また、灰分量が12重量%以下であれば、多量に填料を添加することで引き起こされる引裂強さや引張強さの低下を防止することも可能となる。
前記径大クレーと古紙原料に由来する填料粒子とを内添して得られる新聞用紙は、JIS P−8124(1998年)に規定される坪量が38〜46g/m2になるような通常の新聞紙としては低坪量に抄紙しても、JAPAN TAPPI No.45に規定される印刷後の不透明度が88〜97%と印刷特性に優れ、填料の添加量が過剰とならないのでJIS−P8113による引張強さが2.2〜3.0kN/m、又はJIS−P8116による引裂強さが290〜490mNを満足できる。
「実施例」
以下に本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
チラシを含む新聞古紙を原料とするDIP70部と機械パルプ25部(PGW5部とTMP20部)とにラジアータパインのNBKP5部を加えて、パルプ組成100部(いずれも絶乾パルプ重量)とした原料パルプを得、ここに粒径12μmの焼結カオリナイトの
クレーを添加した。
また、凝集剤(薬品名「ポリミン PR8150」、BASFジャパン社製)を対パルプで0.2〜2.0重量%を加えてパルプ濃度3重量%のパルプスラリーを調整した。このパルプスラリーを抄紙機(三菱重工業社製)を用いて抄速1000m/分で、JIS−P8124(1998年)に規定される坪量で43g/m2に抄紙して、新聞用紙の試料を得た。
前記新聞用紙の試料をJIS−P8251に従って525℃、30分間燃焼させて灰化し、灰分試料を得ると共に灰分量を求めた。前記灰分試料は、X線マイクロアナライザ(堀場製作所製、機種:EMAX)により倍率300で、異なる試料面を12視野観察し、画像処理により粒径を各填料粒子に対して測定しその粒度分布を求めた。次に、Al、Si、Ca、Mg、及びTiの元素分析を各填料粒子に行い、各填料粒子の種類を判断した。各填料粒子の球体補正容積とその式量より粒子重量を計算して、各填料の粒径とその粒子重量の関係を重量粒度分布に示し、この粒度分布から灰分の重量平均粒径及びクレーの配合量(重量%)を求めた。
[サンプル調整]
得られた上記試料の性能評価は、JAPAN TAPPI No.45に規定される印刷後の不透明度、JIS−P8113に規定される引張強さ、JIS−P8116に規定される引裂強さ、リテンションモニター(Metso社製)を用いてインレットと白水の灰分濃度から算出した灰分歩留及び印刷汚れとして新聞輪転機でのヒッキーとセットオフ発生の有無を用いて評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006328605
なお、表1における評価項目の判定基準は、以下の通りとした。
不透明度については、88%未満を×、88%以上91%未満を△、91%以上94%未満を○、94%以上を◎と判定している。
引張強さについては、2.2kN/m未満を×、2.2kN/m以上2.6kN/m未満を△、2.6kN/m以上を○と判定している。
引裂強さについては、290mN未満を×、290mN以上390mN未満を△、390mN以上を○と判定している。
灰分歩留については、20%未満を×、20%以上40%未満を△、40%以上を○と判定している。
印刷汚れについては、ヒッキー又はセットオフの発生ありを×、ヒッキーおよびセットオフの発生なしを○と判定している。
総合評価として、印刷後の不透明度、引張強さ、引裂強さ、填料歩留および印刷汚れの評価項目の内一つでも×の判定を有する場合を×と評価し、それ以外を○と評価した。
灰分の重量平均粒径が4.0μmの実施例1は、重量平均粒径が3.2μmと小さな比較例1に比べて、歩留の評価が良好である。これは、灰分の重量平均粒径が4.0μm以上になるように径大クレーを配合すると、径大クレーの粒子が紙中に留まりやすくなり、径大クレーの粒子の網目構造にトラップされる微細粒子も増加する為、填料歩留が比較例1に比べて良好な評価となっているものと考えられる。このことから、填料の歩留を良好にするには径大クレーに平均粒径が4.0μm以上のものを選ぶのが好ましいと考えられる。
また、紙中への填料歩留が良好な平均粒径が4.0μm以上の径大クレーを配合する場合であっても、その配合量が1重量%で灰分量が6重量%の実施例1は、配合量0.5重量%で灰分量が5重量%の比較例6に比べて、不透明度が比較例6より良好である。これは、径大クレーの粒子が紙中に留まりやすい大きさであっても、紙中に含まれる径大クレーの絶対量が少なければ不透明度向上効果を得られなくなることを意味しており、このことから不透明度を良好にするには径大クレーの配合量は1.0重量%以上、その灰分量は6重量%以上となるようにするのが好ましいと考えられる。
実施例1は灰分の吸油度が50ml/100gであり、これより吸油度が53ml/100gと大きい比較例4に比べると、印刷汚れが良好である。これは吸油度が53ml/100gの灰分では、微細粒子の平均粒子径が小さくなり、紙中への残留量が減って、填料歩留及び不透明度の低下を招いたものと思われる。これによって印刷汚れを防止するには灰分の吸油度が50ml/100g以下の径大クレーを用いるのが良いことがわかる。
径大クレーの配合量が3.0重量%の実施例2は、これより配合量が1重量%と小さな実施例1に比べて、不透明度が実施例1より良好となっている。これは紙中に配合される径大クレーの配合量を3重量%以上として、径大クレーを多めに加えて灰分の重量平均粒子径を6.0μmとした方が、トラップされる微細粒子が増して不透明度を向上させることを示している。よって、不透明度を更に良好にするには径大クレーの配合量は3.0重量%以上とするのが好ましいと考えられる。
灰分の吸油度が10ml/100gの実施例3は、これより吸油度が8ml/100gと小さな比較例3に比べて、印刷汚れの評価が良好である。これは、吸油度が10ml/100g以上であれば、ピグメントのみならずビヒクルの粒子を止めることができる程度に灰分粒子が細かい空孔を形成するようになり、印刷汚れが発生せずに印刷適性に優れる新聞用紙を得ることが可能となることを示している。
灰分の吸油度が20ml/100gの実施例3は、これより吸油度が10ml/100gと小さな実施例3に比べて、填料歩留の評価が良好である。これはより、填料歩留が低下することのない粒子の形状や凝集状態に灰分粒子をすることができ、填料歩留を良好に維持することが可能となる。
実施例5は、灰分の重量平均粒子径、灰分の吸油度、径大クレーの配合量、及び灰分量のすべてが好適範囲に含まれる。従って、実施例5は実施例4及び6を除く他の全ての実施例及び比較例の中で最も全ての評価項目で良好な結果となっている。即ち、実施例1、実施例8及び比較例1〜6より不透明度に優れ、実施例1〜3、比較例1、及び比較例4〜5より填料の歩留に優れ、比較例5より引張強さ及び引裂強さに優れ、比較例2〜5より印刷汚れの評価に優れている。これらの点から、実施例の中で最も好適に実施できる実施例と判断できる。
灰分の重量平均粒子径12.0μmの実施例6は、これより重量平均粒子径が15.0μmと大きな実施例7より、不透明度の評価に優れている。これは、灰分を構成する填料粒子の重量平均粒子径が大きくなりすぎると粒子間の空隙が光を透過する為、不透明度を低下させてしまったものと考えられ、このことから不透明度をより良好にするには灰分の重量平均粒子径12.0μm以下とするのが好ましいことが分かる。
また、灰分量が12重量%の実施例7は、これより灰分量が13重量%と多い比較例5より、引張強さ及び引裂強さの評価項目に優れており、填料の過剰配合を行うと紙力低下が生じることが分かる。よって、紙力低下を防止するには灰分量を12重量%以下とするのが良いことが分かる。
灰分の重量平均粒子径15.0μmのものを用いている実施例7は、これより重量平均粒子径が15.8μmと大きな比較例2より、印刷汚れの評価に優れている。これは、重量平均粒子径が大きくなると、ヒッキー又はセットオフが生じやすくなり、印刷汚れが発生しやすくなるからである。これにより印刷汚れを防止するには灰分の重量平均粒子径を15.0μm以下とするのが良いことがわかる。

Claims (3)

  1. JIS−P8251に準拠し、燃焼温度525度で灰化した新聞用紙の灰分が6〜12重量%であり、前記灰分中にクレーが1〜10重量%を占める新聞用紙であって、かつ、この灰分粒子の重量平均粒径が4〜15μmの範囲に入る様にクレーが内添されていることを特徴とする新聞用紙。
  2. 前記灰分のJIS−K5101に規定される吸油度が、10〜50ml/100gとされていることを特徴とする請求項1に記載の新聞用紙。
  3. 坪量38〜46g/m2に抄紙され、JAPAN−TAPPI−No.45による印刷不透明度が88〜97%、JIS−P8113による引張強さが2.2〜3.0kN/m又はJIS−P8116による引裂強さが290〜490mNの内の少なくともひとつを満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の新聞用紙。
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