JP2006104624A - 高不透明度新聞用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽量でありながら紙力低下がなく、印刷適性にすぐれ、不透明度、特に印刷後不透明度が高い新聞用紙を提供する。
【解決手段】 二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を、セルロースを主体とした紙に内添、もしくは塗工することにより0.5〜15質量%含有せしめた高不透明度新聞用紙。
【選択図】 なし

Description

本発明は、白紙不透明性、印刷後不透明性に優れ、白色度も高い新聞用紙に関するものである。
近年、新聞用紙はオフセット化、カラー化、高速化とともに、環境保護施策や省資源(節約)の理由から、古紙脱墨パルプの高配合化や、新聞用紙の増頁に対応する一環としての軽量化が進んでいる。軽量化が用紙品質に与える影響は大きく、新聞用紙として特に重要である不透明度、特に印刷後不透明度に大きな影響を与える。不透明度が低い場合には、下の紙の印刷画像が透けて見えるショースルーといった現象が起こり、印刷後不透明度が低い場合には、印刷インキ中のビヒクル(樹脂や溶剤)が印刷用紙中に浸透して用紙の光学特性を低下させることにより、印刷物の裏面側に表面の印刷画像が透き通ってみえるストライクスルーといわれる現象が起こる。印刷後不透明度は、両面印刷をして仕上がった印刷物が反対面の文字、絵柄が裏抜けせずに読みやすいことの指標となっており、不透明度が低いということは新聞の読者に読みにくい、見にくいというという問題を生じる。
古紙脱墨パルプは、従来高配合されていた機械パルプに比べて不透明度は低いため、軽量化を目的として古紙脱墨パルプ配合する場合には、不透明度が不足することが大きな問題になってきている。
紙の不透明度には、印刷後不透明度と白紙不透明度がある。不透明度を上げるには、主原料である繊維パルプとして、不透明度を高める効果のあるMP(機械パルプ)を使用する方法や、内添填料として不透明度に優れる填料を使用するなどの方法が考えられる。MPの多配合化は環境保護施策や省資源(節約)の面から考えるとましくない。また、紙の不透明度を高めるための填料としては、水和珪酸や二酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機顔料や尿素ホルムアルデヒド樹脂などの有機顔料が上げられ、なかでも、通称ホワイトカーボンと称される水和珪酸類は低コストで不透明度向上効果が認められるため、最も広く使用されているが、非晶質であるため透明性があり、高添加量としても達成できる白紙不透明度に限界がある。
紙の不透明度は、原料の有する光の吸収率や散乱率、屈折率に左右され、これらの中でも、特に空気と填料、パルプ繊維相互間の光の屈折率に大きく影響を受けるものである。先に例示した填料の中でも、二酸化チタンは光に対する屈折率が最も高い。さらに、一般に、二酸化チタンの粒子径は、一次粒子径が0.1〜0.4μmであるが、填料の粒子径が可視光線の波長の1/2前後、即ち約0.3μmのときに光の散乱が最大となり、不透明度が最も高くなる。このように二酸化チタンは、屈折率や粒子径が紙の不透明度向上に適していることから、不透明度改良効果が非常に優れた材料である。
しかしながら、二酸化チタンは、製紙用に使用されている他の填料、例えば軽質炭酸カルシウムやタルク、あるいはカオリンなどと比較して非常に高価である。また、平均粒子径が他の填料より小さく、抄紙用填料として使用した場合は、紙への歩留り(ワイヤーパートでの歩留り)が他の填料に比べて著しく低いため、原料調成系内の白水中に填料が増加することによる操業の不安定化や白水回収系の負荷が増加するといった問題が付随し、一般的には殆ど使用されていないのが実状である。
近年、紙の保存性及び耐久性への要求が高まるにつれ、中性〜弱アルカリ性のpH域で抄紙する方法、所謂中性抄紙が注目されている。中性抄紙では、比較的安価で、白色度が高く、かつプラスチックワイヤーに対する耐摩耗性に優れる軽質炭酸カルシウムが好ましく使用されている。しかし、軽質炭酸カルシウムは、二酸化チタンなどに比べて不透明度改良効果が少なく、満足なレベルとするためには高率添加しなければならず、品質面では表面強度や紙力の低下、また、操業面では、紙切れの増加や白水回収系の負荷が増加するなどの問題が懸念される。
上記のように、高価な二酸化チタンを単独で填料用顔料として使用するには、操業上、さらには経済的な負担が大き過ぎることから実用的といえない。一方、二酸化チタンは、最も光散乱率の高く(不透明性に優れる)高白色度を有する材料であり、二酸化チタンを効率良く、かつ有効に利用することができれば、その適用範囲も極めて増大すると考えられる。そこで、二酸化チタンを他の填料と併用して、二酸化チタンの問題点を解決する方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、炭酸カルシウムに二酸化チタンを坦持させた複合粒子が提案されている。しかしながら、この提案の方法によると、粒径が小さく屈折率が高いという二酸化チタンの効果が、粒子径の大きい炭酸カルシウムに坦時することによって減殺され、二酸化チタンが本来有する高隠蔽性効果(高不透明性)が十分に得られないといった難点がある。
また、炭酸カルシウム粒子表面を結合剤としてポリアクリル酸のアルカリ金属塩で処理した後、予めアクリル酸モノマーを吸着せしめた酸化チタンと粉末同士の混合撹拌を行う方法(例えば特許文献2)、さらに、紡錘状軽質炭酸カルシウムと柱状軽質炭酸カルシウム混合物に二酸化チタンを混ぜて填料として用いる方法(例えば、特許文献3)等が提案されているが、未だ満足できる結果を得るまでには至っていない。
特開2002−284523号公報 特開平6−093204号公報 特開平9−217292号公報
本発明は、軽量でありながら、紙力の低下のない、印刷適性にすぐれ、不透明度、特に印刷後不透明度が高い新聞用紙を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明者らは、二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子をセルロースを主体とした紙に内添、もしくは塗工により含有せしめることにより、効果的に上記目的を達成できることを見出した。即ち、本発明は以下の各発明を包含する。
(1)二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を、セルロースを主体とした紙に内添、もしくは塗工することにより0.5〜15質量%含有せしめた高不透明度新聞用紙。
(2)坪量が45g/m2以下であり、不透明度が93%以上である(1)に記載の高不透明度新聞用紙。
(3)前記複合粒子の二酸化チタンと炭酸カルシウムとの質量比が、二酸化チタン:炭酸カルシウム=1:99〜50:50である前項(1)又は(2)に記載の高不透明度新聞用紙。
(4)前記複合粒子の比表面積が5〜30m2/gであり、吸油量(アマニ油)が20〜50mL/100gである前項(1)〜(3)のいずれかに記載の高不透明度新聞用紙。
本発明の高不透明度新聞用紙は、二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子をセルロースを主体とした紙に内添、もしくは塗工により含有せしめることにより得ることができ、軽量でありながら、紙力が落ちておらず、印刷適性にすぐれ、不透明度、特に印刷後不透明度が高い新聞用紙である。
本発明の新聞用紙が従来のものより高不透明度新聞用紙であることの理由について、本発明者らは、二酸化チタンを核にすることより二酸化チタンの屈折率を最大限に利用できて高い隠蔽性が発現され、かつ、二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウムが定着されていることによって、粒子の特性が炭酸カルシウムに近づいて歩留り性が向上した結果であると推測している。
本発明は、二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子をセルロースを主体とした紙に内添、もしくは塗工することにより、新聞用紙に含有させることにより高い不透明度を備える新聞用紙としたものである。
本発明の新聞用紙は、二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子からなる填料を0.5〜15質量部含有することにより、高い不透明度が達成されている。紙中填料量が0.5質量部より少ないと、十分な不透明度が得ることができない。また、15質量部より多くなると高い不透明度達成されるが紙力の低下が懸念される。
本発明で使用する二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子は、炭酸カルシウム表面に二酸化チタンを定着させたものと異なり、粒子が凝集を起こさず、ある程度の間隔で二酸化チタン粒子が存在することとなるため、不透明化効果が高い。不透明度をもっとも効果的に改善するには二酸化チタンの光に対する屈折率を損なうことがなく、歩留まりを高めることが可能となる粒子径であることが重要である。
本発明の二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の複合粒子の粒度は0.1〜2μmであり、平均粒子径が0.7〜1.3μmであることが好ましい。更に好ましくは平均粒子径0.9〜1.1μmである。該複合粒子における二酸化チタンと炭酸カルシウムの質量比は、二酸化チタン:炭酸カルシウム=1:99〜50:50であることが好ましく、より好ましくは5:95〜40:60、最も好ましくは15:85〜30:70である。二酸化チタンに比して炭酸カルシウムが少な過ぎると二酸化チタン粒子が凝集して隠蔽性が低下し、多すぎても二酸化チタン屈折率が低下するため隠蔽性が低下する。
また、上記複合粒子の比表面積は5〜30m2/gであることが好ましく、特に8〜15m2/gであることが好ましい。本発明の複合粒子の比表面積は、BET法において、比表面積測定装置(商品名:フローソーブII2300、島津製作所社製)を用い、窒素ガス吸着法により測定した値である。比表面積が5m2/g未満では下記に述べる吸油量を示すものを得ることができない。
上記複合粒子は吸油量(アマニ油)が20〜50mL/100gであることが好ましい。インキ中に含まれる溶剤成分を顔料中に留めておくことが必要であり、吸油量が20ml/100g未満であると印刷後不透明度が下がり、印字された新聞が読みにくくなるため好ましくない。
二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の製造方法については、特に限定されないが、例えば、直径40〜400nmの範囲の炭酸カルシウム粒子を含む凝集体を形成させた懸濁液に核となる二酸化チタンを添加し、適正なpH、Z電位にして攪拌混合することにより製造される。具体的には、二酸化チタンと被覆材料(炭酸カルシウム)とが同じ符号で両者のZ電位の和が最小値となるようにこの水性懸濁液のpHを調節する。pH6.3での二酸化チタンのZ電位は±0mV、炭酸カルシウムのZ電位はpH6.3で+10mV、pH10.8で±0mVであることから、pH6.3〜10.8の範囲で両者のZ電位の和が最小となる。
核となる二酸化チタンの粒径としては0.05〜0.5mμが好ましく、結晶型は特に限定されないが、例えば、アナターゼ型又はルチル型を用いることができる。ルチル型は熱的には安定で白色顔料にや塗料に多く用いられている。また、アナターゼ型は結晶格子常数が大きく、嵩高になり易く硬度もルチル型に比べて小さいため、ワイヤーの摩耗等には有利であると思われる。
本発明の高不透明度新聞用紙は、前述の複合粒子をパルプスラリー中に内添して抄造するか、あるいは澱粉などの水性接着剤とともに混合し、原紙に塗工することによって製造される。
本発明の複合粒子を内添した新聞用紙の抄造に使用されるパルプとしては、化学パルプ(NBKP、LBKP等)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMP等)、古紙パルプ(DIP等)等の公知のものを組み合わせて使用することが可能である。中でもDIPを多配合することは環境保全の面からは好ましい。なお、化学パルプを製造する際の漂白方法についても、特に限定するものではないが、漂白工程で塩素ガスのような分子状塩素を使用しないで漂白したECFパルプ、さらには、二酸化塩素のような塩素化合物をも使用しないで漂白したTCFパルプの使用が、環境保全の観点から好ましい。
填料内添法で本発明の高不透明度新聞用紙を製造する場合には、内添用の填料として、例えば、タルクやクレーなどの該複合粒子以外の填料の併用も可能である。また、本発明の高不透明度新聞用紙を抄造する際には、必要に応じて、パルプスラリー中に紙力増強剤、歩留り向上剤、強化ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤等のサイズ剤、耐水化剤、紫外線防止剤等の公知公用の抄紙用薬品が添加され、公知公用の抄紙機にて抄紙される。
さらに、上記の方法で得られた紙の表面に、網点再現性などの印刷品質要求のために他の有機顔料や無機顔料と接着剤を主成分とする表面処理剤を必要に応じて塗布することも可能である。有機顔料は、不透明度や印刷品質を改良する効果が高く、好ましい。
本発明で使用する上記有機顔料の構造は、特に限定されるものでなく、中空、非中空のいずれのタイプでも良い。ここで用いられる有機顔料は、一般にスチレン・アクリル系共重合体、ポリスチレン系重合体、スチレン・ブタジエン系共重合体、アクリル系重合体などの粒子として提供されるものである。因みに、不透明度を向上させるには、有機顔料は中空構造で、粒径が大きいものが良いが、中空有機顔料はその殻の部分の厚みが薄いため、乾燥工程やカレンダー処理により粒子がつぶれやすいという欠点があり、粒子がつぶれた状態では、不透明度向上の効果が得られ難くなる。有機顔料は、以上の高分子の水分散体として提供されており、不透明度や白色度を向上させる効果がある。
また、無機顔料としては、カオリン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、焼成クレーなどの公知の材料が例示される。
接着剤としては、例えば、酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースなどの水溶性セルロース化合物、ポリビニルアルコール類やポリアクリルアミド類などの水溶性バインダー、また、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックスなどの重合体ラテックスバインダーが挙げられ、これらのバインダーを単独もしくは併用することが可能である。これらの中でも、特に水溶性バインダーが、操業性などの点から好ましく用いられる。
また、表面塗工剤としては、上記の接着剤や顔料の他に、抄紙分野で通常使用される表面サイズ剤や、消泡剤、防腐剤、増粘剤、導電剤として炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸三ナトリウム、塩化ナトリウム等の塩類等が適宜併用される。
上記のような接着剤及び/又は有機顔料などを含有する表面処理剤が必要に応じて塗工・乾燥されるが、その場合の塗工装置としては、特に限定されるものではなく、例えば、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、2本ロールサイズプレス等の従来公知のサイズプレス装置が適宜使用される。中でも、2ロールサイズプレスやゲートロールコーター、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレスが好ましく使用される。
本発明の新聞用紙に用いられる前記複合粒子は、塗工用顔料として単独もしくは公知の塗工用顔料と併用して用いることも可能であり、その使用方法も特に限定されるものでなく、その配合量もまた、特に限定されるものでなく、塗工紙製品の品質に応じて適宜配合されるべきものである。不透明度改良効果を得る目的を考慮すると、顔料成分100質量%あたり5〜100質量%、好ましくは10〜100質量%の範囲で使用される。
次に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、各実施例は本発明をなんら限定するものではない。本実施例中では、百分率(%)はすべて質量%を意味し、また、本明細書記載の紙中填料量とは、填料添加後の手抄きシートの灰分(ISO 2144に準拠)から填料未添加の手抄き紙(パルプ由来分)の灰分を差し引いたものとする。
(二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の調製)
平均粒径200nmのアナターゼ型二酸化チタンと平均粒径100nmの立方体形状の沈降性炭酸カルシウムとを、20:80の割合で混合した後、水を加え20%スラリーに調整した。この混合スラリーに二酸化炭素を吹き込むことにより、そのpHを7.8に調節した。pHが安定化されたスラリーをコロイドミルに通した。コロイドミルのロータとステータとの間隙は100μmに設定した。また、コロイドミル内での滞留時間は0.1秒未満にした。混合物の温度は20℃であった。
生成した100nmの沈降性炭酸カルシウム粒子がファンデルワールス力によって二酸化チタンの表面に付着した。得られた複合粒子は、表4に示すように、二酸化チタン:炭酸カルシウムの質量比が20:80であり、その比表面積は8.2m2/g、吸油量39mL/100g、粒径0.93μmであった。
実施例1
針葉樹クラフトパルプ15%、サーモメカニカルパルプ25%、脱墨古紙(DIP)パルプ60%を混合したパルプスラリー(CSF:200mL程度)に紙中填料量10%になるように前記二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を添加し、固形分としてカチオン化澱粉(商品名:エースK、王子コーンスターチ製)1%、固形分として硫酸バンド0.5%、固形分として中性サイズ剤(商品名:KW−504、荒川化学工業製)0.1%添加し、調製した紙料を実験用角型手抄シートマシン(熊谷理機工業社)を使用して、坪量45g/m2のシートを調製した。次いで、Tappi標準条件でプレス後、このシートをシリンダードライヤー(105℃、1分間)した後、実験用キャレンダー(由利ロール社)を使用して緊度0.6g/cm3になるように圧力を調整して、手抄き試験紙を得た。
実施例2
実施例1において、紙中填料量1%となるように表4に示す二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を添加したこと以外は実施例1と同様に行い、手抄き試験紙を得た。
実施例3
実施例1において、紙中填料量5%となるように表4に示す二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を添加したこと以外は実施例1と同様に行い、手抄き試験紙を得た。
実施例4
針葉樹クラフトパルプ15%、サーモメカニカルパルプ25%、脱墨古紙(DIP)パルプ60%を混合したパルプスラリー(CSF:200mL程度)に、固形分としてカチオン化澱粉(商品名:エースK、王子コーンスターチ製)1%、固形分として硫酸バンド0.5%、固形分として中性サイズ剤(商品名:KW−504、荒川化学工業製)0.1%添加し、調製した紙料を実験用角型手抄シートマシン(熊谷理機工業社)を使用して、坪量45g/m2のシートを調製した。次いで、Tappi標準条件でプレス後、このシートをシリンダードライヤー(105℃、1分間)した後、実験用キャレンダー(由利ロール社)を使用して緊度0.6g/cm3になるように圧力を調整して、手抄き試験紙を得た。
上記手抄き試験紙に、熱水に溶解した酸化デンプン(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)100%、表4に示す二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子30%からなる表面処理剤を、上記の手抄き紙の両面にゲートロールコーターを使用して、乾燥後の塗布量が片面当たり0.5g/m2となるように塗工、乾燥した後、線圧100kg/cmの条件でソフトカレンダー通紙を行い、手抄き試験紙を得た。
比較例1
実施例1において、填料の種類、紙中填料量を表4に示す軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業製)5%、表4に示す二酸化チタン(商品名:KR−380、チタン工業社)5%に変えた以外は実施例1と同様に行った。
(二酸化チタン坦持炭酸カルシウム複合粒子の調製)
濃度11%の水酸化カルシウム水性懸濁液(固形分1000kg)を撹拌しながら、20容量%の二酸化炭素含有ガスを水酸化カルシウム1kg当たり二酸化炭素ガスとして2.5リットル/分の割合で吹き込み、炭酸化率(炭酸化反応率)が55%になったところで、ルチル型の二酸化チタン〔商品名:FR−44、古河機械金属社製、平均粒子径(二次粒子径)0.9μm/一次粒子径0.25μm〕に水及び分散剤を加えて懸濁液とした濃度45%の二酸化チタン水性懸濁液を固形分が120kgとなる割合で加え、pH値が7.5となるまで炭酸化反応を続行して反応を完了し、表4に示すように、平均粒子径8.3μm、比表面積5.0m2/g、吸油量70mL/100gの二酸化チタン坦持炭酸カルシウム複合粒子を得た。
比較例2
実施例1において、填料の種類を上記二酸化チタン坦持炭酸カルシウム複合粒子に変えた以外は実施例1と同様に行った。
比較例3
実施例1において、填料の種類を表4記載の平均粒径25μm、比表面積160m2/g、吸油量280mL/100gのホワイトカーボンに変えた以外は実施例1と同様に行った。
比較例4
実施例1において、紙中填料量0.3%となるように表4に示す二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を添加したこと以外は実施例1と同様に行った。
比較例5
実施例1において、紙中填料量20%となるように表4に示す二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を添加したこと以外は実施例1と同様に行った。
比較例6
実施例4において、表面処理剤に含まれる二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の代わりに、填料の種類、紙中填料量を表4記載の軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業製)5%、同じく表4記載の二酸化チタン(商品名:KR−380、チタン工業社)5%に変えた以外は実施例4と同様に行った。
比較例7
実施例4において、表面処理剤に含まれる二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の代わりに表4記載の二酸化チタン坦持炭酸カルシウム複合粒子を用いた以外は実施例4と同様に行った。
比較例8
実施例4において、表面処理剤に含まれる二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子の代わりに表4記載のホワイトカーボンを用いた以外は実施例4と同様に行った。
これら実施例、比較例で得られた手抄き試験紙について下記の特性を測定し、その結果を表1及び表2に示した。
白色度 :ISO 2470に準拠して測定を行った。
不透明度:ISO 2471に準拠して測定を行った。
印刷後不透明度:RI印刷機で、オフセット輪転印刷用インキ(墨)のインキ量を変えて印刷し、印刷面反射率が9%の時の、印刷前の裏面反射率(印刷面の反対面)に対する印刷後の裏面反射率の比率を求めた。なお、反射率の測定にはSMカラーコンピューター(スガ試験機社製)を使用した。
裂断長:ISO 1924に準拠して測定を行った。
Figure 2006104624
Figure 2006104624
表1及び表2に示されるように、実施例1〜4の手抄き試験紙は、比較例のものに比べて不透明度及び印刷後不透明度のいずれにも優れ、かつ紙力の低下のないものである。
(填料歩留り評価)
比較例9
実施例1において、填料の種類を表4記載の二酸化チタン(商品名:KR−380、チタン工業社)に変えた以外は実施例1と同様に行った。
比較例10
実施例1において、填料の種類を表4記載の軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業製)に変えた以外は実施例1と同様に行った。
前記実施例1及び比較例3で得られた試験紙と、上記比較例9、比較例10で得られらた試験紙について、以下の式によって算出される填料歩留り評価を行った。その結果を表2及び表3に示した。
填料歩留り(%)=〔手抄き試験紙中の填料量(%)/手抄き時のパルプスラリー中の填
料量(%)〕×100
手抄き試験紙中の填料量(%)=手抄き試験紙中の灰分(4%)−実施例1で填料を使用
せずに手抄きした紙中の灰分(%)
手抄き時のパルプスラリー中の填料量(%)=手抄き時のパルプスラリー中の灰分(%)
−実施例1で填料を使用せずに手抄き時の パルプスラリー中の灰分(7.5%)
Figure 2006104624
Figure 2006104624
表3の結果から、二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を填料として含有する試験紙は、填料歩留においても優れているものである。
本発明は、新聞用紙の軽量化が計られる中で重要な品質項目である不透明度、印刷後不透明度の改善に大きく寄与し、同時に白色度の向上も達成できる。

Claims (4)

  1. 二酸化チタン粒子表面に炭酸カルシウム粒子を定着させた二酸化チタン−炭酸カルシウム複合粒子を、セルロースを主体とした紙に内添、もしくは塗工することにより0.5〜15質量%含有せしめた高不透明度新聞用紙。
  2. 坪量が45g/m2以下であり、不透明度が93%以上である請求項1記載の高不透明度新聞用紙。
  3. 前記複合粒子の二酸化チタンと炭酸カルシウムとの質量比が、二酸化チタン:炭酸カルシウム=1:99〜50:50である請求項1又は2に記載の高不透明度新聞用紙。
  4. 前記複合粒子の比表面積が5〜30m2/gであり、吸油量(アマニ油)が20〜50mL/100gである請求項1〜3のいずれか1項に記載の高不透明度新聞用紙。
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