JP2006326878A - 加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工対象の木材の圧縮前後における形状変化が大きい場合であっても、その木材に割れを生じさせることなく成形することが可能な加工装置を提供する。
【解決手段】所定の方向に移動可能であり、外力によって変形する部分を有する上型枠31(第1の型枠)と、この上型枠31が移動すべき方向を案内するガイド枠51と、上型枠31との間で加工対象の木材を挟持して圧縮力を加える金属製の下型枠41(第2の型枠)と、を備える。ガイド枠51は、当該ガイド枠51の本体部分を略錐台状に貫通することによって形成されたガイド部52を有し、ガイド枠51の開口面のうち面積が小さい方の開口面が、下型枠41の開口面と同じ形状をなす。
【選択図】 図6

Description

本発明は、木材を圧縮して所定の3次元形状に加工する加工装置に関する。
近年、自然素材である木材が注目されている。木材はさまざまな木目を有するため、原木から形取る箇所に応じて個体差が生じ、その個体差が製品ごとの個性となる。また、長期の使用によって生じる傷や色合いの変化自体も、独特の風合いとなって使用者に親しみを生じさせることがある。これらの理由により、合成樹脂や軽金属を用いた製品にはない、個性的で味わい深い製品を生み出すことのできる素材として木材が注目されており、その加工技術も飛躍的に進歩しつつある。
従来、かかる木材の加工技術として、吸水軟化した一枚の木材を圧縮し、その木材を圧縮方向と略平行に切断して板状の一次固定品を得た後、この一次固定品を加熱吸水させながら所定の3次元形状に成形する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、軟化処理した状態で圧縮した一枚の木材を仮固定し、この木材を型に入れて回復させることによって型成形する技術も知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特許第3078452号公報 特開平11−77619号公報
しかしながら、上述した従来の木材加工技術では、木材表面が所望の木目をなすように木目優先の形取りを行うと、その形状が型枠の形状から大きく逸脱してしまう場合があった。このような場合には、形取った木材の形状を大きく変形させなければならず、圧縮の際に木材に割れを生じやすかった。すなわち、圧縮による木材の形状変化が大きい場合には、その木材に割れを生じさせることなく成形することが困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、木材の圧縮前後における形状変化が大きい場合であっても、その木材に割れを生じさせることなく成形することが可能な加工装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1記載の発明は、加工対象の木材を圧縮することによって前記木材を所定の3次元形状に加工する加工装置であって、所定の方向に移動可能であり、外力によって変形する部分を有する第1の型枠と、前記第1の型枠が移動すべき方向を案内するガイド枠と、前記第1の型枠との間で前記木材を挟持して圧縮力を加える金属製の第2の型枠と、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の型枠は、前記木材を圧縮する際に該木材の表面に当接し、この当接する表面の領域を該表面の中央部から周縁部へと徐々に広げながら圧縮力を加える突出部と、前記木材を圧縮する際に該木材の端面に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える端面押圧部と、を備え、前記突出部および前記端面押圧部は、粘性および弾性のうち少なくともいずれか一方の性質を有する材質から成ることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の型枠は、当該第1の型枠の本体部分の所定の外周方向に進退自在に突起して成り、前記木材を圧縮する際に該木材の端面に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える端面押圧部を複数備えた金型であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記端面押圧部は、当該端面押圧部と前記第1の型枠の本体部分との間に設けられた弾性部材によって前記外周方向に付勢されて成ることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項記載の発明において、前記ガイド枠は、当該ガイド枠の本体部分を略錐台状に貫通することによって形成されたガイド部を有し、前記ガイド部の端部に形成された開口面のうち面積が小さい方の開口面が、前記第2の型枠の開口面と同じ形状をなすことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記ガイド枠は、前記ガイド部の端部に形成された開口面のうち面積が大きい方の開口面から前記第1の型枠を挿入可能であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項記載の発明において、前記ガイド枠は、前記第2の型枠と一体に形成されたことを特徴とする。
本発明に係る加工装置によれば、所定の方向に移動可能であり、外力によって変形する部分を有する第1の型枠と、前記第1の型枠が移動すべき方向を案内するガイド枠と、前記第1の型枠との間で加工対象の木材を挟持して圧縮力を加える金属製の第2の型枠と、を備えたことにより、木材の圧縮前後における形状変化が大きい場合であっても、その木材に割れを生じさせることなく成形することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、実施の形態と称する)を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る加工装置によって形成された圧縮木製品の構成を模式的に示す斜視図である。また、図2は図1のA−A線断面図である。これら二つの図に示す圧縮木製品1は、略長方形状の表面をなす主板部1aと、この主板部1a表面の長手方向に略平行な2辺の各々から当該主板部1aに対して所定の角度をなして延出する二つの側板部1bと、主板部1a表面の短手方向に略平行な2辺の各々からその主板部1aに対して所定の角度をなして延出する二つの側板部1cとを備える。この圧縮木製品1の肉厚(rとする)はほぼ均一であり、その主板部1aの表面は板目面をなす。なお、図1のB−B線断面は、寸法が異なる点を除いて、図2に示すA−A線断面と略同形である。
次に、圧縮木製品1を形成するための木材の加工方法について説明する。以後の説明では、上述した形状を有する圧縮木製品1を形成する場合を説明するが、ここで説明する加工方法は、他の形状を有する圧縮木製品に対しても適用可能である。
まず、圧縮木製品1の原材料となる木材を原木から形取る。図3は、原木である無圧縮状態の無垢材から切削等によって形取った加工前の木材の構成を模式的に示す斜視図である。また、図4は、図3のC−C線断面図である。これらの図に示す木材11は、成形後の圧縮木製品1(図1を参照)よりも椀状に近く、外側面11aおよび内側面11bは、それぞれ滑らかな曲面をなしており、肉厚(r0とする)はほぼ均一である。木材11の外形は、平面視で(図4の上方から見て)、角が丸みを帯びた略長方形状をなしている。かかる木材11は、後述する圧縮工程によって減少する分の容積を予め加えた容積を有する。なお、図3のD−D線断面は、寸法が異なる点を除いて、図4に示すC−C線断面と略同形をなす。
図5は、以上の構成を有する木材11を形取る時の形取位置を模式的に示す図であり、より具体的には、図4に示す断面部分の無垢材からの形取位置を模式的に示す断面図である。圧縮木製品1の主板部1aが図1に示すような板目面をなすためには、木材11の表面が板目面をなすように無垢材から形取らなければならない。このため、無垢材10から木材11を形取る際には、図5に示すように木目10Gの曲率よりも木材11の側面の曲率の方が概ね大きくなるように形取る。この無垢材10として、檜、檜葉、桐、杉、松、桜、欅、黒檀、竹、チーク、マホガニー、ローズウッドなどを用いることができる。
なお、木材11は板目材以外でもよく、柾目材、追柾材、または木口材などでもよい。すなわち、加工対象の木材を無垢材10からどのように形取るかは、その木材を用いて加工された結果物としての圧縮木製品の用途や、その圧縮木製品に要求される強度または美観など、各種条件を考慮して決定すればよい。
続いて、上記の如く形取った木材11を圧縮する(圧縮工程)。この圧縮工程を行う前に、木材11を高温高圧の水蒸気雰囲気中に所定時間放置する。ここでいう高温高圧とは、温度が100〜230℃、より好ましくは180〜230℃程度であり、圧力が0.1〜3MPa(メガパスカル)、より好ましくは0.45〜2.5MPa程度の状態を指す。これにより、木材11は過剰に水分を吸収して軟化する。なお、上述した水蒸気雰囲気中で木材11を放置する代わりに、例えば木材11をマイクロウェーブの如き高周波の電磁波によって加熱してから圧縮を行ってもよい。
その後、前述した水蒸気雰囲気中で木材11を圧縮する。図6は、この圧縮工程を行うための加工装置であって本実施の形態1に係る加工装置の要部の構成を示す斜視図である。同図に示す加工装置3は、加工対象の木材11の上方から木材11に対して圧縮力を加える上型枠31(第1の型枠)と、木材11の下方から木材11に対して圧縮力を加える下型枠41(第2の型枠)と、この下型枠41の上面に固定的に配設され、上型枠31が移動すべき方向を案内するガイド枠51とを備える。
図7は、加工装置3の要部の構成を示すとともに木材11の圧縮工程の概要を示す図であり、図6のE−E線断面を切断面としたときの縦断面図である。以下、図6および図7を用いて加工装置3の要部の構成を詳細に説明する。
まず、上型枠31は、木材11の表面の一つである内側面11bに変形自在に当接するシリコンゴム等の材質(弾性体)から成るゴム型32と、このゴム型32の上端に接着されて鉛直方向上下に移動可能な略直方体状の可動金型33とを備える。このうちゴム型32は、下方に突出して木材11の内側面11bの少なくとも一部に当接する突出部34と、木材11の端面11cを保持し、圧縮時にその端面11cの肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える端面押圧部35とを有する。なお、図7では、木材11の断面の上下が図4と逆転し、木材11の内側面11bの方が上方に位置している。
下型枠41は、金属を用いて実現され、木材11の外側面11aを嵌入する凹部42を有する。この凹部42の形状は、圧縮木製品1の主板部1aの外側面の形状に一致している。
ガイド枠51は、金属または硬質の樹脂を用いて形成される中空直方体形状をなす。この中空部分に面するガイド部52は、ガイド枠51本体部分をなす直方体の一組の対向する表面の一部を底面として略四角錐台状に貫通することによって形成される。このガイド部52の端部に形成された開口面は、加工装置3を組み立てたときに鉛直上方に位置する開口面の方が面積が大きい。したがって、ガイド部52が水平面と交差して形成される略長方形は鉛直下方に行くにしたがって小さくなっている。ガイド部52の端部に形成された開口面のうち鉛直下方に位置する開口面は、下型枠41の凹部42上端の開口面と合同な略長方形をなし、それら互いに合同な開口面が重なり合うようにして組み立てられる。この意味では、ガイド枠51を下型枠41と一体に形成しても構わない。
木材11を圧縮する際には、ガイド部52の上端部に形成される開口面(面積が大きい方の開口面)から上型枠31を挿入していく。前述したように、ガイド部52が水平面と交差して形成される略長方形は、鉛直下方に行くにしたがって小さくなっているので、上型枠31の外縁部は、下降していく途中でガイド部52に当接し、その後はガイド部52を摺動しながら所定の位置まで下降していく。
なお、図7に示す場合、ガイド部52の傾斜角と凹部42の上端付近の傾斜角とはほぼ一致しており、境界付近で滑らかに連なっているが、より一般的には、ガイド部52下端の開口面と凹部42上端の開口面とが同形をなし、その境界において段差が生じていなければよい。このように、貫通される中空部分の形状は変形すべき圧縮木製品の最終形状に依存しており、その最終形状に応じて、略多角錐台、略円錐台、または略楕円錐台を含む略錐台状をなす。
次に、上述した構成を有する加工装置3によって行う圧縮工程について、引き続き図7を参照して説明する。木材11は、その端面11cの外縁部がガイド部52に当接して支持されることによって静止している。その後、上型枠31を下降させていくと、まず突出部34の下端部が木材11の内側面11bの中央部に当接する。図7に示す状態では、内側面11bの形状と突出部34の形状とは完全に一致しているわけではないので、内側面11bの周縁部と突出部34との間にも隙間が生じている。
図8は、図7に示す状態から上型枠31を下降させている途中の状態を示す図である。この図8に示すように、上型枠31を下降させることによってゴム型32自体も可動金型33と木材11とによって押圧されて変形し、内側面11bに当接する領域が木材11の表面の中央部から周縁部へと徐々に広がっていく。同時に、ゴム型32の端面押圧部35は、端面11cに当接してその端面11cの肉厚方向と直交する方向に圧縮力を加える。この結果、木材11の表面で圧縮力が作用する領域が上型枠31の下降とともに広がっていき、外側面11aと下型枠41との間の隙間、および内側面11bとゴム型32との間の隙間が変形に伴って徐々に減少していく。この際、木材11の肉厚も、中央部付近の肉厚が薄くなるのを端緒として、徐々に周縁部の肉厚も薄くなっていき、やがて全体的に肉厚が薄くなっていく。
ところで、ゴム型32の外縁部のガイド部52に対する摺動を円滑に行わせるために、ガイド部52の表面に予めテフロン(登録商標)等の素材をコーティングしておいてもよい。この場合には、木材11もガイド部52の表面を摺動しやすくなるため、木材11が下降していくときに割れが発生するのをより確実に防止することができる。なお、ゴム型32の外縁部にテフロン(登録商標)等の素材をコーティングしてもよい。
以上説明したように、外力によって変形自在なゴム型32を上型枠31に適用することにより、圧縮時のゴム型32自身の変形によって木材11の急激な変形を緩和することができる。また、端面押圧部35が端面11cを押圧することで、木材11が肉厚方向と直交する方向に伸張するのを規制するため、木材11の形状変化が大きい場合であっても、木材11に引張力が作用することがなくなり、圧縮力のみによって木材11を変形することができるので、木材11に割れ等が生じるのを防ぐことが可能となる。
この後、ゴム型32によって木材11との隙間が完全に埋め尽くされ、木材11に対して所定の圧縮力が加わる状態に達した時点で可動金型33の下降を止める。図9は、圧縮工程において、木材11の変形がほぼ完了した状態を示す図である。この図9に示す状態では、弾性体としてのゴム型32が有する特性により、ゴム型32から木材11に対して、場所によらずに均一な圧縮力が作用する。この状態で所定時間経過させた後、上型枠31と下型枠41を離間させる。
続いて、上記圧縮工程と同様の水蒸気雰囲気中で、上型枠31とは異なる整形用の金型(以後、整形金型と称する)を下降させ、下型枠41との間で木材11を挟持することによって整形を行う(整形工程)。図10は、この整形工程における木材圧縮時の状況(木材11の変形がほぼ完了した状態)を示す図であり、図7等と同じ切断面で見たときの縦断面図である。
この整形工程において、木材11の上方から圧縮力を加える整形金型61は、木材11の内側面11bに嵌合する形状をなす凸部62を有する。この凸部62は、圧縮木製品1の内側面の形状に正確に対応しており、木材11の端面11cの付近など、上記圧縮工程においてゴム型32による圧縮が不十分であった箇所を整形可能な形状をなしている。図10に示す圧縮状態で所定時間放置した後、下型枠41と整形金型61を離間して圧縮を解除し、上述した高温高圧の水蒸気雰囲気を解いて木材11を乾燥させることにより、圧縮木製品1が完成する。
以上説明した加工方法によって得られる圧縮木製品1の肉厚rは、無垢材10から形取った木材11の圧縮前の肉厚r0の30〜50%程度となる。換言すると、木材の圧縮率
(r0−r)/r0は、0.5〜0.7程度となる。個々の工程における圧縮率は、木材11の種類や圧縮木製品1の用途等の条件に応じて変更可能である。例えば、圧縮工程では肉厚をあまり変えないで形状のみを大きく変化させ、整形工程の方で肉厚方向の圧縮を主に行うようにしてもよい。
ところで、加工すべき圧縮木製品の形状や用途によっては、圧縮工程を終えた段階で所定の3次元形状が十分な精度で得られることもある。このような場合には、必ずしも整形工程を行う必要はない。
なお、上型枠31または整形金型61を下型枠41に対して上下動させる際には、これらの上型枠31または整形金型61を電気的に駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動制御を行う制御手段とを加工装置3に具備させ、上型枠31または整形金型61を電気的に駆動して木材11に加える圧縮力の制御を行うようにしてもよい。これに対して、上型枠31または整形金型61と下型枠41とをねじで連結し、このねじを手動または自動で締めることによって上型枠31または整形金型61を下型枠41に対して上下動させ、木材11に加える圧縮力を制御するようにしてもよい。
また、整形工程として、加工対象の木材の表面を切削することによってその表面の形状を整形してもよい。かかる整形工程は、例えば圧縮工程後の状態において、木材の節の部分の肉厚が他の部分の肉厚よりも大きい状態で残っている場合、その木材の表面を平らに整形する場合などに好適である。
圧縮工程時における高温高圧の水蒸気雰囲気は、例えば圧力容器の内部で実現される。この場合、圧力容器の内部では限られた空間しか確保できないため、駆動側の型枠や金型のストロークを長く取ることができない。上述した上型枠31の場合、ゴム型32が変形する分だけ通常の金型よりもストロークを余分に取ることができるので、制限された空間内でも圧縮力を自在に加えることが可能となる。
以上説明した本発明の実施の形態1に係る加工装置によれば、木材に圧縮力を加えるため、木材との当接箇所がゴム型である上型枠と、前記上型枠の移動方向を案内するガイド枠と、前記上型枠との間で木材を挟持して圧縮力を加える下型枠と、を備えたことにより、木材の圧縮前後における形状変化が大きい場合であっても、その木材に割れを生じさせることなく成形することが可能となる。
また、本実施の形態1によれば、上型枠の木材と当接する面をゴム型とすることにより、そのゴム型が圧縮時に変形して木材表面に対して一様に圧縮力を加えることができるため、加工すべき木材の形状によらずにその木材の密度を一様にすることができ、圧縮後の木材に一様な強度を付与することが可能となる。
さらに、本実施の形態1によれば、圧縮工程によって少なくとも金型である下型枠に当接する表面の形状は正確に変形することができるので、圧縮木製品の一方の側面のみの形状精度が要求されている場合には、かかる圧縮工程で木材の加工を終了することもできる。したがって、圧縮木製品の用途や求められる美観等の条件に応じた多様な加工を行うことができる。
なお、弾性体であるゴム型を用いて上型枠を実現する代わりに、より一般の高分子ゲルを含む粘弾性体等から成る型を用いて上型枠を実現してもよい。すなわち、上型枠のうち加工対象の木材に当接する部分の材質として、粘性および弾性のうち少なくともいずれか一方を備えた材質を適用してもよい。
(実施の形態2)
図11は、本発明の実施の形態2に係る加工装置の一部をなす上型枠(第1の型枠)の構成を示す斜視図である。また、図12は、図11のF−F線断面図である。これらの図に示す上型枠71は、略直方体状をなす本体部72と、この本体部72側面の外周方向に進退自在に突起して成り、木材を圧縮する際に該木材の端面に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える複数の端面押圧部73とを備える。このうち本体部72は、各端面押圧部73を保持するために側面に穿設された保持部74と、加工対象の木材の表面に当接して圧縮力を加える底面部75とを有する。また、端面押圧部73は、保持部74に一端が固着されたばね等の弾性部材76の他端に連結され、本体部72側面の外周方向に付勢されている。
図13は、本実施の形態2に係る加工装置要部の構成を示すとともに木材の圧縮工程の概要を示す図であり、上記実施の形態1の図7に相当する縦断面図である。この図13に示す加工装置5は、上述した構成を有する上型枠71と、下型枠41と、ガイド枠51とを備える。このうち、下型枠41およびガイド枠51の構成は、上記実施の形態1で説明した通りである。また、上型枠71の駆動は、上述した上型枠31の駆動と同様に行われる。なお、加工対象の木材11は、上記実施の形態1と同様に無垢材50から形取られ、圧縮に先立って、上述した高温高圧の水蒸気雰囲気中で所定時間放置され、軟化しているものとする。
上記同様の水蒸気雰囲気中において、加工装置5の上型枠71が下降していくと、底面部75の一部が木材11の内側面11bに当接し始める。具体的には、底面部75のうち、湾曲した周縁部が内側面11bの周縁部に当接する。また、端面11cの一部(上端部付近)は、端面押圧部73の底面に当接する。図13に示す状態では、内側面11bの形状と底面部75の形状は一致していないので、内側面11bの中央部と底面部75の中央部との間や端面11cと端面押圧部73の底面との間に隙間が生じている。
図14は、図13に示す状態から上型枠71を下降させている途中の状態を示す図である。図13に示す状態から上型枠71を下降させていくと、端面押圧部73底面の外縁部がガイド部52の表面に当接して抗力を受け、弾性部材76の付勢力に抗して、端面押圧部73は徐々に保持部74内を本体部72の重心方向に徐々に退避していく。この際、端面押圧部73の下端は木材11の端面11cに当接し、この当接する端面11cの肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加えるので、木材11もその縁端部がガイド部52の表面を摺動しつつ下降していきながら、徐々に変形していく。この過程では、底面部75と木材11の内側面11bとの接触面積が増加していくとともに、端面押圧部73の底面と端面11cとの接触面積も増加していく。そして、図14に示す状態、すなわち外側面11aの中心部付近が下型枠41の凹部42に当接する状態に達する。
この後、上型枠71がさらに下降していくと、木材11の表面で圧縮力が作用する領域が徐々に広がっていき、外側面11aと下型枠41との間の隙間、および内側面11bと上型枠71との間の隙間がさらに減少していく。
図15は、上型枠71が最下点まで下降した結果、木材11の変形がほぼ完了した状態を示す図である。同図に示す状態においては、端面押圧部73の底面と端面11cとが対向して隙間なく接している一方、底面部75と内側面11bも隙間なく接している。この状態を所定時間持続することにより、木材11のうち、少なくとも端面押圧部73と凹部42との間で挟持された部分については、所定の形状に変形することができる。
なお、上述した圧縮工程後の端面11cのうち、端面押圧部73によって押圧されていない箇所は、端面押圧部73によって押圧された箇所から逃げてくる木材成分の影響によって歪んだ形状をなしている場合もある。このような場合には、上記実施の形態1と同様に整形金型を用いて整形工程を行ってもよいし、切削等によって端面11cの凹凸を均してもよい。
本実施の形態2では、上型枠71および下型枠41がともに金属製なので、端面押圧部73の退避に伴う上型枠71の変形を除けば、それらの型枠の表面形状が変わることはない。このため、圧縮による木材11の割れを防止するには、木材成分の一部が開放された空間に逃げていくことができる自由度を残しておく必要がある。したがって、例えば加工後の圧縮木製品1で側板部1bと側板部1cとの境界となる箇所のように、二つの方向から圧縮によって逃げてくる木材成分が集まるような箇所には、圧縮工程時に端面押圧部73による圧縮力が加わらないようにした方がより好ましい。このように、上型枠71に設ける端面押圧部73の個数、大きさ、設置位置等は、加工する木材11の最終形状、すなわち圧縮木製品の形状に応じて適宜定めればよい。
以上説明した本発明の実施の形態2に係る加工装置によれば、木材に圧縮力を加えるため、外周方向に進退自在な複数の端面押圧部を有する金属製の上型枠と、前記上型枠の移動方向を案内するガイド枠と、前記上型枠との間で前記木材を挟持して圧縮力を加える下型枠と、を備えたことにより、上記実施の形態1と同様に、木材の圧縮前後における形状変化が大きい場合であっても、その木材に割れを生じさせることなく成形することが可能となる。
また、本実施の形態2によれば、上型枠も金属製であるため、この上型枠が木材に当接している部分についても、より高い形状精度で圧縮成形を行うことができる。
ここまで、本発明を実施するための最良の形態として実施の形態1および2を説明してきたが、本発明はそれら二つの実施の形態によってのみ限定されるべきではない。すなわち、本発明は、ここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
本発明に係る加工装置によって加工された圧縮木製品は、デジタルカメラ、携帯電話、PHSまたはPDA等の携帯型通信端末、携帯型オーディオ装置、ICレコーダ、携帯型テレビ、携帯型ラジオ、各種家電製品のリモコン、デジタルビデオなどの外装材として適用することが可能である。この場合の圧縮木製品の肉厚は、1.6mm程度が好適である。
本発明の実施の形態1に係る加工装置によって形成された圧縮木製品の構成を示す斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 加工対象の木材の加工前の構成を示す斜視図である。 図3のC−C線断面図である。 加工対象の木材を無垢材から形取る状況を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加工装置要部の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加工装置を用いて行う圧縮工程において、上型枠が木材に当接し始めたときの状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る加工装置を用いて行う圧縮工程において、木材が変形している途中の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る加工装置を用いて行う圧縮工程において、木材の変形が完了した状態を示す断面図である。 整形工程の概要を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態2に係る加工装置の一部をなす上型枠(第1の型枠)の構成を示す斜視図である。 図11のF−F線断面図である。 本発明の実施の形態2に係る加工装置要部の構成および該加工装置を用いて木材を圧縮する際に上型枠が木材に当接し始めたときの状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る加工装置を用いて行う圧縮工程において、木材が変形している途中の状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る加工装置を用いて行う圧縮工程において、木材の変形が完了した状態を示す断面図である。
符号の説明
1 圧縮木製品
1a 主板部
1b、1c 側板部
3、5 加工装置
10 無垢材
10G 木目
11 木材
11a 外側面
11b 内側面
11c 端面
31、71 上型枠(第1の型枠)
32 ゴム型
33 可動金型
34 突出部
35、73 端面押圧部
41 下型枠(第2の型枠)
42 凹部
51 ガイド枠
52 ガイド部
61 整形金型
62 凸部
72 本体部
74 保持部
75 底面部
76 弾性部材

Claims (7)

  1. 加工対象の木材を圧縮することによって前記木材を所定の3次元形状に加工する加工装置であって、
    所定の方向に移動可能であり、外力によって変形する部分を有する第1の型枠と、
    前記第1の型枠が移動すべき方向を案内するガイド枠と、
    前記第1の型枠との間で前記木材を挟持して圧縮力を加える金属製の第2の型枠と、
    を備えたことを特徴とする加工装置。
  2. 前記第1の型枠は、
    前記木材を圧縮する際に該木材の表面に当接し、この当接する表面の領域を該表面の中央部から周縁部へと徐々に広げながら圧縮力を加える突出部と、
    前記木材を圧縮する際に該木材の端面に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える端面押圧部と、
    を備え、
    前記突出部および前記端面押圧部は、粘性および弾性のうち少なくともいずれか一方の性質を有する材質から成ることを特徴とする請求項1記載の加工装置。
  3. 前記第1の型枠は、
    当該第1の型枠の本体部分の所定の外周方向に進退自在に突起して成り、前記木材を圧縮する際に該木材の端面に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える端面押圧部を複数備えた金型であることを特徴とする請求項1記載の加工装置。
  4. 前記端面押圧部は、
    当該端面押圧部と前記第1の型枠の本体部分との間に設けられた弾性部材によって前記外周方向に付勢されて成ることを特徴とする請求項3記載の加工装置。
  5. 前記ガイド枠は、
    当該ガイド枠の本体部分を略錐台状に貫通することによって形成されたガイド部を有し、
    前記ガイド部の端部に形成された開口面のうち面積が小さい方の開口面が、前記第2の型枠の開口面と同じ形状をなすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の加工装置。
  6. 前記ガイド枠は、
    前記ガイド部の端部に形成された開口面のうち面積が大きい方の開口面から前記第1の型枠を挿入可能であることを特徴とする請求項5記載の加工装置。
  7. 前記ガイド枠は、
    前記第2の型枠と一体に形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の加工装置。
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