JP4847261B2 - 木材の加工方法 - Google Patents

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本発明は、木材を圧縮することによって3次元形状に加工する木材の加工方法および木材を圧縮成形した圧縮木製品に関する。
近年、自然素材である木材が注目されている。木材はさまざまな木目を有するため、原木から形取る箇所に応じて個体差が生じ、その個体差が製品ごとの個性となる。また、長期の使用によって生じる傷や色合いの変化自体も、独特の風合いとなって使用者に親しみを生じさせることがある。これらの理由により、合成樹脂や軽金属を用いた製品にはない、個性的で味わい深い製品を生み出すことのできる素材として木材が注目されており、その加工技術も飛躍的に進歩しつつある。
従来、かかる木材の加工技術として、吸水軟化した1枚の木材を圧縮し、その木材を圧縮方向と略平行にスライスして板状の一次固定品を得た後、この一次固定品を加熱吸水させながら所定の3次元形状に成形する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、軟化処理した状態で圧縮した1枚の木材を仮固定し、この木材を型に入れて回復させることによって型成形する技術も知られている(例えば、特許文献2を参照)。これらの技術では、木材の個体差や種類、加工後の木材の強度やその用途などを含むさまざまな点を考慮して、木材の肉厚や圧縮率が決められる。
特許第3078452号公報 特開平11−77619号公報
しかしながら、肉厚を均一にするように形取った木材を圧縮成形すると、例えば圧縮前後の形状変化によって周囲から木材成分が移動して集まってくるような箇所は、他の箇所に比べて圧縮率が高くなってしまうため、圧縮後の木材表面の色合いが他の箇所と異なるものとなり、美観を損ねてしまうことがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、木材を圧縮した後の木材表面の一様な色合いを実現することができる木材の加工方法および圧縮木製品を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、発明に係る木材の加工方法は、木材を圧縮成形することによって3次元形状に加工する木材の加工方法であって、原木から木材の形取りを行う形取工程と、前記形取工程で形取った木材を、形取った形状とは異なり、略均一な肉厚を有する3次元形状に圧縮成形する圧縮工程と、を含み、前記形取工程は、前記圧縮工程の際に木材を構成する木材成分が肉厚と略直交する方向に移動する箇所であって互いに交差する複数の方向から前記木材成分が移動して集まってくる箇所の肉厚を他の箇所の肉厚よりも薄く形取ることを特徴とする。
発明に係る木材の加工方法は、上記発明において、前記形取工程は、前記木材の肉厚が滑らかに変化するように形取りを行うことを特徴とする。
発明に係る木材の加工方法は、上記発明において、前記形取工程は、前記圧縮工程の際に前記木材成分が肉厚と略直交する方向に移動する箇所であって互いに交差する複数の方向から前記木材成分が移動して集まってくる箇所の肉厚方向に窪みを形成することを特徴とする。
発明に係る木材の加工方法は、上記発明において、前記形取工程は、前記木材の端面の一部を含む領域に切り欠きを形成することを特徴とする。
発明に係る圧縮木製品は、木材が原木から形取られた形状と異なる3次元形状に圧縮成形されて成り、繊維密度が一様であるとともに肉厚が略均一であることを特徴とする。
ここで、繊維密度とは、圧縮木製品の単位体積内に占める木材繊維成分の体積を意味するものとする。
発明に係る圧縮木製品は、上記発明に係る木材の加工方法によって加工されたことを特徴とする。
本発明によれば、原木から木材の形取りを行うにあたって、圧縮の際に木材を構成する木材成分が肉厚と略直交する方向に移動する箇所であって互いに交差する複数の方向から前記木材成分が移動して集まってくる箇所の肉厚を他の箇所の肉厚よりも薄くするような形取りを行い、この形取った木材を、略均一な肉厚を有する異形の3次元形状に圧縮成形することにより、木材を圧縮した後の木材表面の一様な色合いを実現することができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る圧縮木製品の構成を示す斜視図であり、図2は、図1の矢視A方向の矢視図である。また、図3は、図2のB−B線断面図である。これらの図に示す圧縮木製品1は、平板状の主板部11と、主板部11の周縁部から主板部11の表面に対して所定の方向に湾曲しながら立ち上がって延出する側板部12と、ラグビーボールの外周の如き楕円形状をなす薄肉の開口端面13とを備える。この圧縮木製品1は均一な肉厚Tを有する船形をなしており、図2のC−C線断面図は、寸法等の違いを除いて図3と同様の形状をなす。
ところで、図1〜図3においては、圧縮木製品1の木目を省略して記載しているが、これは、本実施の形態1に係る圧縮木製品および木材の加工方法が、木目によらずに実施可能なためである。この意味で、圧縮木製品1を構成する木材は、木材の成形後の形状、強度、美観等の条件を考慮した結果、最適な繊維方向や木目を有するように形取りを行えばよく、例えば柾目材、板目材、追柾材、または木口材でもよい。
次に、本実施の形態1に係る木材の加工方法を説明する。本実施の形態1に係る木材の加工方法においては、原木から木材の形取りを行う形取工程と、この形取工程で形取った木材を、形取った形状とは異なる3次元形状に圧縮成形する圧縮工程とを少なくとも行う。以下では、上述した構成を有する圧縮木製品1を形成する場合を説明するが、これはあくまでも一例に過ぎない。すなわち、本実施の形態1に係る木材の加工方法は、他の形状をなす圧縮木製品を形成する場合にも適用可能である。
まず、形取工程について説明する。この形取工程においては、木材の容積が、圧縮工程によって減少する分の容積を予め加えた容積となるように形取りを行う。図4は、無圧縮状態の無垢材等の原木から形取った木材の構成例を示す図であり、図5は、図4の矢視D方向の矢視図である(ここでも、圧縮木製品1の場合と同じ理由により、木材の木目を省略している)。また、図6は図5のE−E線断面図であり、図7は図5のF−F線断面図である。これらの図4〜図7に示す木材2は、略椀状をなす主板部21と、外周および内周がともに略楕円形状をなす開口端面22と、を備える。開口端面22の外周の面積は、圧縮木製品1の開口端面13の外周の面積より大きい。また、開口端面22の外周は、開口端面13の外周よりも円形に近い形状をなしている。
開口端面22の肉厚は、長径方向の端部の肉厚t1が最も小さく、短径方向の端部の肉厚t2が最も大きい(t1<t2)。これ以外の開口端面22の肉厚は、長径方向の端部から短径方向の端部に向かって徐々に増加していく。このときの肉厚の増加の態様は、急激な変化を伴うものではなく、滑らかに変化するものである。なお、長径方向の端部から短径方向の端部に至る途中で肉厚がt2となるようにして、短径方向の端部を含む領域が均一な肉厚t2を有するようにしてもよい。
主板部21は、短径方向の縦断面と長径方向の縦断面とで異なる形状をなす。すなわち、図6に示す長径方向の縦断面では、主板部21の肉厚は開口端面22に近い程小さく、底面にいくにしたがって徐々に肉厚が増加し、底面で最大となる。図6に示す場合には、開口端面22付近の肉厚t3と主板部21の底面付近の肉厚t4との間にt3<t4が成り立っている。この縦断面においては、底面付近の肉厚を均一とすることも可能である。これに対して、図7に示す短径方向の縦断面では、主板部21の肉厚t4はほぼ均一である。なお、図示しない主板部21の縦断面の形状は、木材2の形状や肉厚の変化の度合いなどの条件に応じて適宜設定すればよく、少なくとも上述した木材2の形状を実現するものであればよい。
肉厚が他の部分よりも薄く形取られる箇所は、圧縮工程の際に、木材成分が肉厚と略直交する方向に移動する箇所であって互いに交差する複数の方向から木材成分が移動して集まってくる箇所であるため、それ以外の箇所に比べて圧縮前後の変形の度合いが大きい。換言すれば、肉厚が他の部分よりも薄く形取られる箇所は、圧縮前後の繊維密度の増加量が他の部分よりも相対的に大きい箇所であるともいうことができる。この意味で、上述した形取工程によれば、圧縮によって木材の繊維密度が他の箇所に比べて極端に大きい箇所が生じるのを防止することができる。したがって、圧縮後の木材表面の色合いが非一様となって美観を損ねたりすることがない上、過度の圧縮によって木材に割れが生じたりすることもない。
なお、形取工程において使用される原木は、檜、檜葉、桐、杉、松、桜、欅、黒檀、竹、チーク、マホガニー、ローズウッドなどの中から、圧縮木製品1の用途などに応じて最適なものを選択すればよい。また、形取工程において木材を平板状に形取ってもよい。この場合には、圧縮後の形状変化が大きい箇所の肉厚を他の箇所の肉厚よりも薄く形取ればよい。
続いて、上記の如く形取った木材2を圧縮成形する圧縮工程について説明する。この圧縮工程を行うに際して、木材2を大気よりも高温高圧の水蒸気雰囲気中で所定時間放置し、木材2に水分を過剰に吸収させることによって軟化させる。ここでいう高温高圧とは、温度が100〜230℃、より好ましくは180〜230℃、さらに好ましくは180〜200℃程度であり、圧力が0.1〜3.0MPa(メガパスカル)、より好ましくは0.45〜2.5MPa、さらに好ましくは1.0〜1.6MPa程度の状態を指す。なお、上述した水蒸気雰囲気中で木材2を放置して軟化させる代わりに、例えば木材2をマイクロウェーブの如き高周波の電磁波によって加熱して軟化させてもよい。
この後、上記同様の水蒸気雰囲気中で木材2を一対の金型によって挟持し、所定の圧縮力を加える。図8は、一対の金型を用いて行う木材2の圧縮工程の概要を示す縦断面図である。同図における木材2の断面は、図6に示す断面と同じである。図8に示すように、圧縮時に木材2の上方から圧縮力を加える金型61は、木材2の内側面に嵌合する形状をなす凸部62を有する。また、圧縮時に木材2の下方から圧縮力を加える金型71は、木材2の外側面を嵌入する凹部72を有する。図8に示すように、凸部62が有する曲面の曲率半径RAは、木材2の主板部21の底面付近の内側面の曲率半径よりも小さい。また、凹部72が有する曲面の曲率半径RBは、木材2の主板部21の外側面の曲率半径よりも小さい。ここで説明した曲率半径の関係は、他の縦断面でも成立する。
図9は、以上の構成を有する金型61および71によって木材2を挟持、圧縮している状態を示す図である。同図に示す状態で、木材2の変形はほぼ完了している。すなわち、木材2は、圧縮されることによって金型61と金型71との隙間に相当する3次元形状に変形する。この際には、肉厚が相対的に薄く形取られた箇所に、互いに交差する複数の方向から木材成分が移動して集まってくるため、その薄肉部分の肉厚が徐々に他の部分の肉厚に近づいていくとともに、金型61の凸部62と接触することで金型61および金型71から圧縮力を受けるようになり、最終的に図9に示す状態に到達した段階で他の部分の肉厚と同じになる。
図9に示す状態で所定時間(1〜数十分、より好ましくは5〜10分程度)放置した後、上述した水蒸気雰囲気を解いて木材2を乾燥させる。その後、金型61と金型71を離間させることにより、圧縮木製品1が完成する。
上述した圧縮工程において、木材2では、肉厚が薄い薄肉部分の周囲にある厚肉部分の木材成分が、その薄肉部分を埋めるようにして木材2の肉厚方向と略直交する方向に移動する。換言すると、木材2では、圧縮前に肉厚が薄い分だけ周辺より木材繊維成分が少ないような箇所にも、圧縮によってその周辺から木材繊維成分が補充される。この結果、圧縮木製品1は、ほぼ均一な繊維密度を有することになり、形取工程で形取った木材2の形状とは異なる3次元形状をなすとともに、その表面の色合いが一様となる。なお、主板部21のうち肉厚が薄くない部分の肉厚方向の圧縮率(T−t4)/T(圧縮による木材の肉厚の減少分とその木材の圧縮前の肉厚との比の値)は、0.5〜0.7程度である。
なお、圧縮工程の後で最終形状への整形が必要な場合には、開口端面22やその他の必要な箇所に切削等の処理を施す整形工程をさらに行ってもよい。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、原木から木材の形取りを行うにあたって、圧縮の際に木材を構成する木材成分が肉厚と略直交する方向に移動する箇所であって互いに交差する複数の方向から前記木材成分が移動して集まってくる箇所の肉厚を他の箇所の肉厚よりも薄くするような形取りを行い、この形取った木材を、略均一な肉厚を有する異形の3次元形状に圧縮成形することにより、木材を圧縮した後の木材表面の一様な色合いを実現することができる。
また、本実施の形態1によれば、圧縮による変形の度合いが大きく、他の部分から木材成分が移動して集まってくるような箇所に対して形取工程の際に肉厚を薄くするので、そのような箇所に対して圧縮時に過度の応力が加わることがない。したがって、圧縮工程によって木材に割れが生じるのを防止することができる。
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2に係る木材の加工方法の形取工程における木材の構成例を示す図である。また、図11は、図10の矢視G方向の矢視図である(これらの図においても、圧縮木製品1の場合と同じ理由により、木材の木目を省略している)。さらに、図12は図11のH−H線断面図である。図10〜図12に示す木材3は、略椀状をなす主板部31と、外周および内周がともに略楕円形状をなす開口端面32と、開口端面32のうち楕円の長径方向の両端部付近の主板部31の内側面に沿って肉厚方向に一定の深さを有する帯状の窪み33とを備える。この意味で、開口端面32の内周は、長径方向の端部付近で外周方向に突起部を有する略楕円形状をなしている。
開口端面32の外周の面積は、圧縮木製品1の開口端面13の外周の面積より大きい。また、開口端面32の外周は、開口端面13の外周よりも円形に近い形状をなしている。図12からも明らかなように、窪み33が形成された部分の肉厚t5は、それ以外の部分の肉厚t6よりも薄い(t5<t6)。なお、図11のI−I線断面図は、図7と同様、略均一な肉厚t6を有する。
窪み33は、船形をなす圧縮木製品1の船首部や船尾部に相当する箇所であって開口端面32の中で最も曲率半径が小さい箇所に形成される。このような箇所は、圧縮工程の際に、木材成分が肉厚と略直交する方向に移動する箇所であって互いに交差する複数の方向から木材成分が移動して集まってくる箇所であるため、それ以外の箇所に比べて圧縮前後の変形の度合いが大きい。そこで、かかる箇所の端面付近の内側面に窪み33を形成し、この窪み33の肉厚t5が他の部分の肉厚t6よりも薄くなるような形取りを行う。換言すれば、この形取工程では、圧縮工程による繊維密度の増加量が他の部分よりも相対的に大きい箇所の肉厚を、他の部分の肉厚よりも小さくするような形取りを行う。
上記の如く形取った木材3は、実施の形態1と同様に圧縮成形され、船形をなす圧縮木製品1が得られる。この圧縮工程において、木材3は、窪み33の周辺部の木材成分が窪み33を埋めるようにして木材3の肉厚方向と直交する方向に移動しながら変形する。これにより、圧縮前の状態では窪んだ分だけ周辺よりも木材繊維成分が少ない窪み33の形成箇所にも、圧縮後にはその周辺から木材繊維成分が補充される。この結果、圧縮木製品1は、ほぼ均一な繊維密度を有することになり、形取工程で形取った木材3の形状とは異なる3次元形状をなすとともに、その表面の色合いが一様となる。なお、主板部31のうち窪み33が形成されていない部分の肉厚方向の圧縮率(T−t6)/T(圧縮による木材の肉厚の減少分とその木材の圧縮前の肉厚との比の値)は、0.5〜0.7程度である。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様、木材を圧縮した後の木材表面の一様な色合いを実現することができる。
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための最良の形態を説明してきたが、本発明は上記2つの実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。例えば、船形をなす圧縮木製品1の原材料として原木から形取られる木材の形状は、上述した木材2や木材3の形状に限られるわけではない。
図13は、圧縮木製品1を形成する場合に原木から形取った木材の別な構成例を示す図である。同図においても、上記同様の理由により、木材の木目を省略している。図13に示す木材4は、略椀状をなす主板部41と、外周および内周がともに略楕円形状をなす開口端面42と、開口端面42の長径方向の両端部付近を含む領域が切り欠かれて形成された切り欠き43と、を備える。この木材4は、上記実施の形態1で形取られた木材2に対して上述した切り欠き43を形成することによって得られる。この意味で、主板部41および開口端面42は、木材2の主板部21および開口端面22にそれぞれ対応している。
図14は、圧縮木製品1を形成する場合に原木から形取った木材のさらに別な構成例を示す図である。同図に示す木材5は、略椀状をなす主板部51と、外周および内周がともに略楕円形状をなす開口端面52と、開口端面52の長径方向の両端部付近で開口端面52を含む領域が切り欠かれて形成された切り欠き53と、この切り欠き53の下端部から主板部51の内側面に沿って肉厚方向に一定の深さを有する帯状の窪み54とを備える。このような木材5は、上記実施の形態2で形取られた木材3に対して上述した切り欠き53を形成することによって得られる。この意味で、主板部51、開口端面52、および窪み54は、木材3の主板部31、開口端面32、および窪み33にそれぞれ対応している。
ここで説明した木材4および5は、例えば原木として伸縮性がよい無垢材を用いる場合や、開口端面付近の繊維方向が開口端面に略平行となるように形取る場合のように、切り欠き43および53を形成する開口端面付近が圧縮によって伸長しやすい場合の圧縮木製品1の原材料として好適な形状をなしている。
なお、木材3〜5に形成される窪みや切り欠きの形状は、圧縮前後の形状変化や原材料である木材の種類等に応じて圧縮後の木材の繊維密度を一様とすることができるように定めればよく、上述した形状に限られるわけではない。例えば、窪みを周辺部と画成した領域として形成する代わりに、周辺部となだらかに連なる凹曲面として形成してもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
本発明に係る木材の加工方法によって形成された圧縮木製品は、デジタルカメラ、携帯電話、PHSまたはPDA等の携帯型通信端末、携帯型オーディオ装置、ICレコーダ、携帯型テレビ、携帯型ラジオ、各種家電製品のリモコン、デジタルビデオなどの小型携帯用電子機器の外装材として適用することが可能である。また、本発明に係る木材の加工方法によって形成された圧縮木製品は、めがねケースや食器などに適用することも可能である。
本発明の実施の形態1に係る圧縮木製品の構成を示す斜視図である。 図1の矢視A方向の矢視図である。 図2のB−B線断面図である。 本発明の実施の形態1に係る木材の加工方法における形取工程で形取られた木材の構成を示す斜視図である。 図4の矢視D方向の矢視図である。 図5のE−E線断面図である。 図5のF−F線断面図である。 本発明の実施の形態1に係る木材の加工方法における圧縮工程の概要を示す図である。 圧縮工程において変形が完了した木材を圧縮している状態を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る木材の加工方法における形取工程で形取られた木材の構成例を示す斜視図である。 図10の矢視G方向の矢視図である。 図11のH−H線断面図である。 本発明の実施の形態1に係る圧縮木製品を形成する場合に原木から形取った木材の別な構成例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る圧縮木製品を形成する場合に原木から形取った木材のさらに別な構成例を示す斜視図である。
符号の説明
1 圧縮木製品
2、3、4、5 木材
11、21、31、41、51 主板部
12 側板部
13、22、32、42、52 開口端面
33、54 窪み
43、53 切り欠き
61、71 金型
62 凸部
72 凹部

Claims (1)

  1. 木材を圧縮成形することによって3次元形状に加工する木材の加工方法であって、
    略椀状をなす主板部と、外周および内周がともに略楕円形状をなす開口端面と、を備えた形状であって、前記主板部の肉厚は、長径方向の縦断面において、前記開口端面に近い程小さく、底面にいくにしたがって徐々に該主板部の肉厚が増加する一方、短径方向の縦断面において、略均一な肉厚を有し、かつ、前記開口端面の肉厚は、長径方向の端部が最も小さく、長径方向の端部から短径方向の端部に向かって該開口端面の肉厚が滑らかに増加し、短径方向の端部が最も大きい形状に、原木から木材の形取りを行う形取工程と、
    前記形取工程で形取った木材を、平板状の主板部と、前記主板部の周縁部から前記主板部の表面に対して所定の方向に湾曲しながら立ち上がって延出する側板部と、楕円形状をなす開口端面とを備え、略均一な肉厚を有する船形に圧縮成形する圧縮工程と、
    を含むことを特徴とする木材の加工方法。
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