JP2007210118A - 木材の加工方法および圧縮木製品 - Google Patents

木材の加工方法および圧縮木製品 Download PDF

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Abstract

【課題】木材を用いた製品の一部に光を透過する部分を設ける場合であっても、部品点数および作業工数が少なく作業自体も容易であり、経済的な木材の加工方法および圧縮木製品を提供する。
【解決手段】木材の加工後の形状に対応する金属製の入れ子71を隣接する木材41および42の間に挿入して木材41および42を肉厚方向に積層し、この積層した木材41および42を一対の金型51および61によって肉厚方向に挟持して圧縮力を加える。その際、各木材の肉厚方向の圧縮率が0.75以上である部分が含まれ、当該部分の肉厚は他の部分の肉厚よりも小さくなるようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、木材を圧縮加工する木材の加工方法および木材を圧縮して形成した圧縮木製品に関する。
近年、自然素材である木材が注目されている。木材はさまざまな木目を有するため、原木から形取る箇所に応じて個体差が生じ、その個体差が製品ごとの個性となる。また、長期の使用によって生じる傷や色合いの変化自体も、独特の風合いとなって使用者に親しみを生じさせることがある。これらの理由により、合成樹脂や軽金属を用いた製品にはない、個性的で味わい深い製品を生み出すことのできる素材として木材が注目されており、その加工技術も飛躍的に進歩しつつある。
従来、かかる木材の加工技術として、吸水軟化した1枚の木材を圧縮し、その木材を圧縮方向と略平行にスライスして板状の一次固定品を得た後、この一次固定品を加熱吸水させながら所定の3次元形状に成形する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、軟化処理した状態で圧縮した一枚の木材を仮固定し、この木材を型に入れて回復させることによって型成形する技術も知られている(例えば、特許文献2を参照)。これらの技術では、木材の個体差や種類、加工後の木材の強度やその用途などを含むさまざまな点を考慮して、木材の肉厚や圧縮率が決められる。
このように圧縮成形した木材をドアやふすまなどの室内建具として適用する場合には、光を透過する窓部を設けるのが一般的である。従来、窓部を形成する場合には、該当する部分を切削して開口部を形成し、この形成した開口部に光を透過するガラス等の別部材を取り付けていた。
特許第3078462号公報 特開平11−77619号公報
しかしながら、上記の如く別部材を取り付ける際には、木材を傷つけたり、別部材を木材に接着する際に使用する接着剤が外部から見えたりしてしまうことがあり、木材を含む製品全体の美観を損なわないように慎重に取り付けを行わなければならなかった。このため、部品点数が多い上、作業工数も多くて手間がかかり、必ずしも経済的ではなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、木材を用いた製品の一部に光を透過する部分を設ける場合であっても、部品点数および作業工数が少なく作業自体も容易であり、経済的な木材の加工方法および圧縮木製品を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1記載の発明は、平板状の複数の木材を一括して加工する木材の加工方法であって、木材の加工後の形状に対応する金属製の入れ子を隣接する木材の間に挿入して前記複数の木材を各木材の肉厚方向に積層し、この積層した木材を一対の金型によって肉厚方向に挟持して圧縮力を加える圧縮工程を有し、前記圧縮工程で圧縮した木材には肉厚方向の圧縮率が0.75以上である部分が含まれ、当該部分の肉厚は同じ木材の他の部分の肉厚よりも小さいことを特徴とする。
本発明における圧縮率とは、圧縮による木材の肉厚の減少分ΔRとその木材の圧縮前の肉厚Rの比の値ΔR/Rを意味する。ここで、圧縮率の定義域は、0≦(ΔR/R)<1である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記入れ子は、前記複数の木材の表面と略同形の表面を有し、平板状をなす平板部と、前記平板部の相反する表面のいずれか一方からそれぞれ突起する複数の突起部と、を備え、前記一対の金型は、前記複数の木材の表面と略同形をなし、前記圧縮工程の際に複数の木材のいずれかの表面と当接する当接面と、前記当接面から突起する突起部と、をそれぞれ備え、前記圧縮工程において、前記一対の金型がそれぞれ有する突起部の中心軸は、前記入れ子が有する複数の突起部の中心軸のいずれかと一致することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記入れ子が有する複数の突起部には、同一の中心軸を有し、互いに合同な形状をなす突起部が含まれることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記入れ子が有する複数の突起部には、同一の中心軸を有し、外周の形状が異なる突起部が含まれ、前記同一の中心軸を有する突起部の各々は、前記一対の金型がそれぞれ有する突起部のいずれかと合同な形状をなすことを特徴とする。
この発明において、外周とは入れ子の平板部と突起部との境界を意味する。また、複数の突起部の外周の形状が異なる場合としては、互いの形状が相似であって中心軸から外周までの最大径が異なる場合や、互いの形状が非相似である場合などが含まれる。
請求項5記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項記載の発明において、前記入れ子および前記金型がそれぞれ有する突起部は錐台形状をなすことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項記載の発明において、前記圧縮工程で圧縮した木材には肉厚方向の圧縮率が0.80以上である部分が含まれることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、平板状をなす複数の木材を各木材の肉厚方向に一括して圧縮することによって形成された圧縮木製品であって、略均一な肉厚を有し平板状をなす主板部と、前記主板部と一体的に形成され、前記主板部の肉厚よりも小さい肉厚を有し、少なくとも一部が光を透過する光透過部と、を備えたことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記光透過部は、圧縮による肉厚方向の圧縮率が0.75以上である部分を有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記光透過部は、圧縮による肉厚方向の圧縮率が0.80以上である部分を有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項7〜9のいずれか一項記載の発明において、前記圧縮木製品が室内建具であることを特徴とする。
本発明における室内建具とは、ドア、ふすま、障子、窓などの部屋の出入り口を開閉自在に仕切るための建具、およびパーテーションなどの室内の空間を仕切るための建具のことである。
本発明によれば、複数の平板状の木材を各木材の肉厚方向に一括して圧縮し、この圧縮した木材の一部として光を透過する部分を他の部分と一体的に木材から形成することにより、木材を用いた製品の一部に光を透過する部分を設ける場合であっても、部品点数および作業工数が少なく作業自体も容易であり、経済的な木材の加工方法および圧縮木製品を提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る圧縮木製品の構成を模式的に示す斜視図である。また、図2は図1のA−A線断面図である。これらの図に示す圧縮木製品としてのドア部材1は、平板状の主板部11と、図1で主板部11の略中央部上方に主板部11と一体的に形成され、光を透過する性質を有する光透過部12と、主板部11の長手方向の一方の側面付近に設けられ、ドアの取っ手を取り付ける開口部13とを備える。
ドア部材1は、ヒノキ、ヒバ、桐、杉、松、桜、欅、黒檀、竹、チーク、マホガニー、ローズウッドなどのいずれかの原木を平板状に形取り、この形取った木材を肉厚方向に圧縮することによって形成される。
光透過部12は、図2にも示すように、主板部11の相反する表面の各々から同一の中心軸を有し、互いに合同な円柱状に窪んでおり、その肉厚r12は主板部11の肉厚r11よりも小さい(r12<r11)。また、光透過部12は、木材としての性質が失われて流動化現象を起こす程度まで圧縮することによって形成されている。これにより光透過部12は、一方の表面側から他方の表面側へ光を透過する性質を有している。
ドア部材1の原材料である木材を原木(例えば、無圧縮状態の無垢材)から形取る際には、木材の容積が、圧縮によって減少する分の容積を予め加えた分の容積となるようにする。なお、ドア部材1の大きさによっては、1枚の木材で平板を構成することが難しい場合もある。このような場合には、複数の木材を接着等によって適当に組み合わせることにより、全体として1枚の平板をなすようにしてもよい。但し、この場合でも、光透過部12の全体が継目のない1枚の平板に含まれるように構成することはいうまでもない。また、木材としては、柾目材、板目材、追柾材、木口材などの中から木材の種類や美観等の条件に応じて最適なものを選択して用いることが可能である。これらの点に鑑みて、添付図面で木材を記載する際には、木目や継目がある場合の継目を省略している。
次に、上記の如く形取った木材を圧縮する圧縮工程について詳細に説明する。この圧縮工程を行うに際して、木材を大気よりも高温高圧の水蒸気雰囲気中に所定時間放置することにより、その木材に水分を過剰に吸収させて軟化させる。ここでいう高温高圧とは、温度が100〜230℃、より好ましくは150〜230℃、さらに好ましくは180〜200℃程度であり、圧力が0.1〜3.0MPa(メガパスカル)、より好ましくは0.45〜2.5MPa、さらに好ましくは1.0〜1.6MPa程度の状態を指す。なお、上述した水蒸気雰囲気中で木材を放置して軟化させる代わりに、例えば木材をマイクロウェーブの如き高周波の電磁波によって加熱して軟化させてもよい。
この後、軟化させたときと同様の水蒸気雰囲気中で木材に対してその木材の肉厚方向に所定の圧縮力を加える。図3は、この圧縮工程の概要を示す図であり、木材に関して図2と同じ切断面で見た場合の断面図である。同図に示す圧縮工程では、互いに略合同な形状をなす2枚の平板状の木材41および42を一括して圧縮する。より具体的には、隣接する木材41と木材42との間に金属製の入れ子71を挿入して各木材の肉厚方向に積層し、この積層した木材41および42を一対の金型51および61によって肉厚方向に挟持して所定の圧縮力を加える。
木材41の上方から圧縮力を加える金型51は、木材41を嵌入可能な凹部52と、この凹部52の表面のうち木材41の上面に当接する当接面(木材41の表面と略同形をなす)から円柱状に突起した突起部53とを備える。他方、木材42の下方から圧縮力を加える金型61は、木材42を嵌入可能な凹部62と、この凹部62の表面のうち木材42の下面に当接する当接面(木材42の表面と略同形をなす)から円柱状に突起した突起部63とを備える。突起部53および63は互いに合同な円柱状をなし、木材41および42の圧縮を行うために金型51および61を所定の位置に設置した状態で、互いに対向するように形成されている。
入れ子71は、木材41等の表面と略同形の表面を有する平板部72と、平板部72の相反する表面の各々から同一の中心軸を有して互いに合同な円柱状にそれぞれ突起した突起部73aおよび73bとを備える。突起部73aは、圧縮工程の際に木材41を介して金型51の突起部53と対向する。同様に、突起部73bは、圧縮工程の際に木材42を介して金型61の突起部63と対向する。これにより、突起部73aおよび73bの各中心軸は、金型51の突起部53および金型61の突起部63の各中心軸と一致する。
以上の構成を有する金型51および61、ならびに入れ子71を用いて木材41および42を圧縮する際には、図3に示す状態から金型51および61のうちの一方を他方に近づけることによって木材41および42、ならびに入れ子71を挟持し、所定の圧縮力を加える。この際には、しかるべき駆動手段を用いて金型51および61の少なくともいずれか一方を電気的に駆動させるようにしてもよいし、金型51と金型61とをねじで連結し、このねじを手動または自動で締めることによって金型51を金型61に対して上下動させるようにしてもよい。
図4は、一対の金型51および61が2枚の木材41および42を肉厚方向に挟持し、圧縮力を加えている状態を示す図であり、木材41および42の変形がほぼ完了した状態を示す図である。図4に示すように、木材41は金型51と入れ子71との隙間に相当する形状に変形する一方、木材42は金型61と入れ子71との隙間に相当する形状に変形する。図4に示す場合、木材41の変形後の形状と木材42の変形後の形状は同じである。
図3に示す状態から図4に示す状態へと遷移する際、木材41において金型51の突起部53と入れ子71の突起部73aとによって挟持されている部分は、木材41において金型51の凹部52と入れ子71の平板部72とによって挟持されている部分よりも肉厚方向に大きく圧縮され、肉厚が相対的に小さくなっている。同様に、木材42において金型61の突起部63と入れ子71の突起部73bとによって挟持されている部分は、木材42において金型61の凹部62と入れ子71の平板部72とによって挟持されている部分よりも肉厚方向に大きく圧縮され、肉厚が相対的に小さくなっている。
図4に示す状態で所定時間(1〜数十分、より好ましくは5〜10分程度)だけ木材41および42に圧縮力を加えた後、上記水蒸気雰囲気を解いて木材41および42を乾燥させ、金型51と金型61を離間して圧縮を解除することにより、圧縮工程が終了する。
以上説明した圧縮工程の結果、木材41および42の各肉厚のうち金型の突起部や入れ子の突起部が当接していない部分の肉厚は、圧縮工程を行う前の肉厚の30〜80%程度となる。換言すれば、それらの部分の圧縮率(圧縮による肉厚の減少分ΔRと圧縮前の肉厚Rとの比の値ΔR/R)は、0.20〜0.70程度である。
他方、木材41および42の各々に当接する突起部同士で挟持、圧縮された部分、すなわち圧縮後に光透過部12となる部分の圧縮率は0.75以上、より好ましくは0.80以上である。このように高圧縮率となる圧縮が施された部分の圧縮後の比重は1.4以上となり、一般的な木材細胞壁実質部の比重である1.5に近づく。
比重が1.5に近くなるまで圧縮された木材は、変質を起こして木材としての性質が消失し、例えば木目が消滅して流動化現象を起こすことが知られている(例えば、北澤、北村、渋谷、小島著、「圧密限界近くまで圧密されたスギ圧縮木材の永久固定現象」、日本木材加工技術協会第21回年次大会要旨集(2003)を参照)。この場合、木材は実質的に樹脂となり、圧縮によってべっ甲の如き色合いを有しつつも、光を透過する性質を獲得する。したがって、本実施の形態1に係る木材の加工方法によれば、光を透過する部分(光透過部)を、ガラス等の別部材を取り付けることなく木材から主板部と一体的に形成することができる。
上記の如く形成された光透過部12は、光を透過するがその透過率が低いため、反対側にある物体の形状等を認識することができる程度の透明性は有していない。この意味で、ドア部材1は、電球の光や人影は透過するものの、その形状等を含む実像を認識可能な程度に透過することがないような窓部を光透過部12として設ける場合に好適である。かかる窓部を備えたドアとしては、例えばトイレ用のドアなどを挙げることができる。
以上説明した圧縮工程の後、開口部13を切削等によって形成する。なお、図1では取っ手を取り付けるための開口部13のみを図示しているが、例えばドア部材1に錠前を取り付ける場合には、そのための開口部を開口部13から主板部11の側面に達するように形成すればよい。このように、圧縮工程後の木材には、適用されるドアの種類や構成等に応じて適宜必要な加工が施され、ドア部材1が完成する。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、複数の平板状の木材を各木材の肉厚方向に一括して圧縮し、この圧縮した木材の一部として光を透過する部分を他の部分と一体的に木材から形成することにより、木材を用いた製品の一部に光を透過する部分を設ける場合であっても、部品点数および作業工数が少なく作業自体も容易であり、経済的な木材の加工方法および圧縮木製品を提供することが可能となる。
また、本実施の形態1によれば、光を透過する部分(光透過部)が他の部分(本体部)と混在した状態で同じ素材(木材)から一体的に形成されるため、同様の機構をガラスや樹脂等の別部材によって構成するよりも部品点数が少なくて済み、加工も容易であるため、製造コストを削減することができる。
なお、金型51の凹部52、金型61の凹部62、および入れ子71の平板部72の各表面に、突起部53、63、73a、および73bよりも各表面からの突起量が顕著に小さく、該当する表面上で所定の模様をなす突起部を形成することにより、圧縮後の主板部11の表面に模様を設けることも可能である。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る圧縮木製品であるドア部材要部の構成を示す断面図である。同図に示すドア部材2は、平板状の主板部21と、主板部21の所定の位置に主板部21と一体的に形成され、少なくとも一部が光を透過する性質を有する光透過部22とを備える。なお、図5で記載を省略している部分のドア部材2の構成は、図1に示すドア部材1の構成と同様である。すなわち、ドア部材2は、図1に示すドア部材1と同様の外観形状を有し、開口部13と同様の開口部を備えている。
光透過部22は、主板部21の相反する表面の各々から、同一の中心軸を有する円錐台形状に窪んでいる。より具体的には、光透過部22は、図5の上面側から円錐台形状に下方に窪んだ窪み221と、図5で下面側から円錐台形状に上方に窪んだ窪み222とを有する。窪み221は、円形をなす底面部221a、および底面部221aと主板部21の表面(図5の上面)との間に形成された斜面部221bを有する。また、窪み222は、円形をなす底面部222a、および底面部222aと主板部21の表面(図5の下面)との間に形成された斜面部222bを有する。図5に示す場合、底面部221aの面積は底面部222aの面積よりも小さい。また、窪み221の外縁のなす円の面積も窪み222の外縁のなす円の面積より小さい。
光透過部22の肉厚は、窪み222の外縁部から中心部にいくにしたがって徐々に小さくなり、窪み221の底面部221aで最小値r22となる。この光透過部22の肉厚の最小値r22は主板部21の肉厚r21よりも小さく(r22<r21)、少なくともこの部分は光を透過する性質を有している。
図6は、本実施の形態2に係る木材の加工方法の圧縮工程の概要を示す図であり、木材に関して図5と同じ切断面で見た場合の断面図である。本実施の形態2に係る木材の加工方法の圧縮工程においても、同じ平板状をなす2枚の木材41および42の間に入れ子74を挿入した後、木材41および42を肉厚方向に積層し、この積層した木材41および42を一対の金型54および64によって肉厚方向に挟持して所定の圧縮力を加える。なお、圧縮工程の前処理として行う木材41および42の軟化処理は、上記実施の形態1と同様に行えばよい。
ここで、金型54および64の構成を説明する。木材41の上方から圧縮力を加える金型54は、木材41を嵌入可能な凹部55と、この凹部55の表面のうち木材41の上面に当接する当接面(木材41の表面と略同形をなす)から円錐台状に突起した突起部56とを備える。木材42の下方から圧縮力を加える金型64は、木材42を嵌入可能な凹部65と、この凹部65の表面のうち木材42の下面に当接する当接面(木材42の表面と略同形をなす)から円錐台状に突起した突起部66とを備える。金型54の突起部56の形状は、圧縮後のドア部材2の窪み221の形状と一致する一方、金型64の突起部66の形状は、圧縮後のドア部材2の窪み222の形状と一致している。
次に、入れ子74の構成を説明する。入れ子74は、木材41等の表面と略同形の表面を有する平板部75と、平板部72の相反する表面の各々から同一の中心軸を有する円錐台形状にそれぞれ突起する突起部76aおよび76bと、を備える。突起部76aは、木材41を圧縮するときに木材41を介して金型54の突起部56と対向する。同様に、突起部76bは、木材42を圧縮するときに木材42を介して金型64の突起部66と対向する。これにより、突起部76aおよび76bの各中心軸は、金型54の突起部56および金型64の突起部66の各中心軸と一致する。
なお、図6では突起部周辺の部分を拡大して示しているが、省略されている部分の金型54および64、ならびに入れ子74の構成は、金型51および61、ならびに入れ子71の構成とそれぞれ同じである(図3を参照)。
本実施の形態2に係る木材の加工方法における圧縮工程では、上記実施の形態1と同様の水蒸気雰囲気中で、図6に示す状態から金型54および64のうちの一方を他方に近づけることによって木材41および42、ならびに入れ子74を挟持し、所定時間(1〜数十分、より好ましくは5〜10分程度)だけ木材41および42に圧縮力を加える。その後、上記水蒸気雰囲気を解いて木材41および42を乾燥させ、金型54と金型64を離間させて圧縮を解除する。その後、開口部を切削等によって形成する処理を行うことにより、ドア部材2が完成する。
本実施の形態2においても、圧縮工程の結果、木材41および42のうち金型の突起部や入れ子の突起部が当接していない部分の肉厚方向の圧縮率は、0.20〜0.70程度である。他方、木材41および42のうち、各木材の表面に当接する突起部同士で挟持、圧縮された部分の圧縮率の最大値は0.75以上、より好ましくは0.80以上である。したがって、少なくとも肉厚が最小値r22である部分は光を透過する性質を有している。
また、本実施の形態2においては、各突起部の形状を円錐台形状としたため、ドア部材2の主板部21の表面と窪み221の底面部221aおよび窪み222の底面部222aとの間に斜面部221bおよび222bがそれぞれ形成されている。このことに加えて、窪み221と窪み222について外縁をなす円の径が異なるため、光透過部22の断面形状は図5で上下対称とはならない。したがって、窪み222の底面部222aの外縁部付近の上方で窪み221を斜面部221bとすることにより、主板部21から光透過部22に至る部分の圧縮率を徐々に変化させることができる。この結果、強度が弱く圧縮によって割れ等を生じる恐れのある種類の木材を用いてドア部材を形成する場合であっても、圧縮率が急激に変化する部分に発生しやすい割れ等を生じることなく光透過部22を形成することが可能となる。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、複数の平板状の木材を各木材の肉厚方向に一括して圧縮し、この圧縮した木材の一部として光を透過する部分を他の部分と一体的に木材から形成することにより、上記実施の形態1と同様、木材を用いた製品の一部に光を透過する部分を設ける場合であっても、部品点数および作業工数が少なく作業自体も容易であり、経済的な木材の加工方法および圧縮木製品を提供することが可能となる。
また、本実施の形態2によれば、光透過部22の主板部21との境界付近の圧縮率を徐々に変化させることができるので、比較的強度が弱い種類の木材を用いる場合であっても圧縮の際に割れ等を生じることなく光透過部22を形成することが可能となる。
図7は、本実施の形態2の一変形例に係る圧縮木製品であるドア部材要部の構成を示す断面図である。同図に示すドア部材3は、平板状の主板部31と、主板部31の所定の位置に主板部31と一体的に形成され、少なくとも一部が光を透過する光透過部32とを備える。なお、図7で記載を省略している部分のドア部材3の構成は、図1に示すドア部材1の構成と同様である。
光透過部32は、主板部31の相反する表面から椀形状をなしてそれぞれ窪んでおり、図7で上方に位置する窪み321の外縁をなす円の径は、図7で下方に位置する窪み322の外縁をなす円の径よりも小さい。したがって、上述したドア部材2の光透過部22と同様に、光透過部32の主板部31との境界付近の圧縮率を徐々に変化させることができ、比較的強度が弱い種類の木材を用いる場合であっても圧縮の際に割れ等を生じることなく光透過部を形成することが可能となる。
また、本変形例によれば、光透過部32がなだらかな曲線から成る椀形状をなすため、光透過部32の中心部から縁端部にいくにしたがって圧縮率の減少とともに徐々に透過率が減少していく。このような光の透過率の変化と、圧縮によって濃色化されたべっ甲の如き色合いの肉厚に応じた変化とが相俟って、光透過部32では明暗のグラデーションをつけて光を透過させることが可能となり、より意匠性を重視したいドア部材を構成する場合に好適である。
なお、光透過部32を形成する際には、木材41および42を挟持して圧縮力を加える一対の金型、および木材41と木材42との間に挿入する入れ子にそれぞれ形成する突起部の形状を椀形状とすればよい。本変形例では、光透過部32の肉厚は徐々に変化していき中心部で最小となるため、光透過部32のうちどの程度の領域で光を透過させるかは、ドア部材3の用途や意匠性に鑑みて決定すればよく、この決定に応じて金型や入れ子の設計を行えばよい。
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための最良の形態を実施の形態1および2として詳述してきたが、本発明はそれら2つの実施の形態によってのみ限定されるべきではない。例えば、一括して圧縮する木材は3枚以上であってもよい。その場合には、隣接する木材の間に入れ子71を挿入して上記同様に圧縮すればよい。これにより、圧縮木製品を効率よく大量生産することが可能となる。
また、本発明に係る圧縮木製品は、トイレのドア以外にも、ふすま、障子、窓などの部屋の出入り口を開閉自在に仕切るための建具、およびパーテーションなどの室内の空間を仕切るための建具等の室内建具として適用することが可能である。かかる室内建具を圧縮成形する際に使用する金型や入れ子の突起部の大きさ、形状、個数などは、加工後の室内建具の形状やデザインに加えて、使用する木材の種類などを考慮した上で定めればよい。
具体的には、複数の突起部を設けた金型や入れ子を用いることにより、一枚の木材に対して複数の光透過部を設けることができる。また、上記実施の形態においては、入れ子の両面に設けられた突起部の外周が合同または相似な円形状をなす場合についてのみ述べたが、そのうちの一方の突起部の外周を正方形とし、入れ子の両面に設けられる突起部を全くの異形とすれば、より意匠性に富んだ圧縮木製品を提供することができる。なお、突起部の外周を正方形以外の多角形としてもよく、この意味で突起部の形状を、多角柱や多角錐台などとすることもできる。
さらに、圧縮する際の水蒸気雰囲気の温度と圧力の値を調整すれば光透過部の色調に差を持たせることができるので、多様なグラデーションを実現することができ、個々の圧縮木製品に対して一段と個性的な味わいを付与することもできる。この意味では、例えば大気と同程度の温度および圧力をそれぞれ有する雰囲気中で圧縮工程を行うことも可能である。
このように、本発明は、ここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
本発明の実施の形態1に係る圧縮木製品(ドア部材)の構成を示す斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の実施の形態1に係る木材の加工方法の圧縮工程の概要を示す図である。 圧縮工程における木材圧縮時の状態(木材の変形がほぼ完了した状態)を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る圧縮木製品(ドア部材)の要部の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る木材の加工方法の圧縮工程の概要を示す図である。 本発明の実施の形態2の一変形例に係る圧縮木製品(ドア部材)の要部の構成を示す断面図である。
符号の説明
1、2、3 ドア部材(圧縮木製品)
11、21、31 主板部
12、22、32 光透過部
13 開口部
41、42 木材
51、54、61、64 金型
52、55、62、65 凹部
53、56、63、66、73a、73b、76a、76b 突起部
71、74 入れ子
72、75 平板部
221、222、321、322 窪み
221a、222a 底面部
221b、222b 斜面部

Claims (10)

  1. 平板状の複数の木材を一括して加工する木材の加工方法であって、
    木材の加工後の形状に対応する金属製の入れ子を隣接する木材の間に挿入して前記複数の木材を各木材の肉厚方向に積層し、この積層した木材を一対の金型によって肉厚方向に挟持して圧縮力を加える圧縮工程を有し、
    前記圧縮工程で圧縮した木材には肉厚方向の圧縮率が0.75以上である部分が含まれ、当該部分の肉厚は同じ木材の他の部分の肉厚よりも小さいことを特徴とする木材の加工方法。
  2. 前記入れ子は、前記複数の木材の表面と略同形の表面を有し、平板状をなす平板部と、前記平板部の相反する表面のいずれか一方からそれぞれ突起する複数の突起部と、を備え、
    前記一対の金型は、前記複数の木材の表面と略同形をなし、前記圧縮工程の際に複数の木材のいずれかの表面と当接する当接面と、前記当接面から突起する突起部と、をそれぞれ備え、
    前記圧縮工程において、前記一対の金型がそれぞれ有する突起部の中心軸は、前記入れ子が有する複数の突起部の中心軸のいずれかと一致することを特徴とする請求項1記載の木材の加工方法。
  3. 前記入れ子が有する複数の突起部には、同一の中心軸を有し、互いに合同な形状をなす突起部が含まれることを特徴とする請求項2記載の木材の加工方法。
  4. 前記入れ子が有する複数の突起部には、同一の中心軸を有し、外周の形状が異なる突起部が含まれ、前記同一の中心軸を有する突起部の各々は、前記一対の金型がそれぞれ有する突起部のいずれかと合同な形状をなすことを特徴とする請求項2記載の木材の加工方法。
  5. 前記入れ子および前記金型がそれぞれ有する突起部は錐台形状をなすことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項記載の木材の加工方法。
  6. 前記圧縮工程で圧縮した木材には肉厚方向の圧縮率が0.80以上である部分が含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の木材の加工方法。
  7. 平板状をなす複数の木材を各木材の肉厚方向に一括して圧縮することによって形成された圧縮木製品であって、
    略均一な肉厚を有し平板状をなす主板部と、
    前記主板部と一体的に形成され、前記主板部の肉厚よりも小さい肉厚を有し、少なくとも一部が光を透過する光透過部と、
    を備えたことを特徴とする圧縮木製品。
  8. 前記光透過部は、圧縮による肉厚方向の圧縮率が0.75以上である部分を有することを特徴とする請求項7記載の圧縮木製品。
  9. 前記光透過部は、圧縮による肉厚方向の圧縮率が0.80以上である部分を有することを特徴とする請求項7記載の圧縮木製品。
  10. 前記圧縮木製品が室内建具であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項記載の圧縮木製品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013111621A1 (ja) * 2012-01-25 2013-08-01 オリンパス株式会社 筐体の製造方法、筐体および筐体の成形装置
JP2016003541A (ja) * 2014-06-19 2016-01-12 大建工業株式会社 アウトセット型ドアパネル
CN105888474A (zh) * 2016-04-26 2016-08-24 陈铁保 生产木门板的方法、木门板及木门

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