JP2002331501A - 人工杢単板または人工杢板の製造方法 - Google Patents

人工杢単板または人工杢板の製造方法

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JP2002331501A
JP2002331501A JP2001137389A JP2001137389A JP2002331501A JP 2002331501 A JP2002331501 A JP 2002331501A JP 2001137389 A JP2001137389 A JP 2001137389A JP 2001137389 A JP2001137389 A JP 2001137389A JP 2002331501 A JP2002331501 A JP 2002331501A
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veneer
heather
artificial
veneers
grain
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JP2001137389A
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Susumu Okamoto
晋 岡本
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Hokusan Co Ltd
Original Assignee
Hokusan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 杢を有しない天然木を原料として、通常の木
理および杢を自然木に発現するものに近い形態で表す人
工杢単板または人工杢板を、確実に高い生産性をもって
製造することができる製造方法を提供する。 【解決手段】 1)丸太のロータリー切削または木材フ
リッチの反復切削により木理が連続する多数枚の素材単
板を作る段階、2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態
を形成したプレス金型を用いて、素材単板の静的曲げ強
度(比例限度)および比重により決定される枚数の素材
単板を同時に型押しし、凹凸形態を素材単板に形成する
段階、3)型押しした素材単板を木理が連続するように
積層しプレス金型で圧締する段階、および4)得られた
積層体を積層面に交叉する方向に切削して単板または板
を作る段階より成る人工杢単板または人工杢板の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工杢単板または
人工杢板の製造方法、より詳しくは、天然木に出現する
杢と同様の意匠を単板表面に有する人工杢単板または人
工杢板を効果的に製造する方法に関する。並びに、本発
明は、その製造方法に従って作られる人工杢単板または
人工杢板に関する。
【0002】
【従来の技術】人工杢単板は、一般に、原料となる多数
枚の素材単板を接着剤を介して積層して熱圧締し、その
後得られた積層体を再び切削して、所望厚さの集成単板
とする方法により製造されている。そして従来、この製
法に従い、素材単板に安価な樹種の単板を使用し、より
市場価値が高い樹種の銘木単板に似せた人工杢単板を作
る試みが為されてきた。例えば、アガチスの単板を原料
としてスギ板目の人工杢単板を作るといった具合であ
る。
【0003】この場合、人工杢単板を天然の銘木単板と
混同する程に似たものとするためには、その銘木単板が
本来有する木肌、道管、木理等を人工杢単板において忠
実に表現することが必要とされる。そこで、従来、素材
単板の漂白および着色、接着剤の特殊な塗布法(塗膜む
らの形成)、単板と単板の間への着色紙(樹脂含浸紙)
の挿入等、いろいろな方法が提案されてきた。これまで
になされた提案は、例えば特開昭57−156203号
公報、特開昭59−220305号公報および特開昭5
7−150503号公報等に開示されている。しかし、
これらの技術で作られる人工杢単板は、自然感に欠け、
天然木の木理、木肌等についての忠実度、再現度が十分
に(完全に)高いものとは言えないものであった。
【0004】また、木理、色合い等が全く異なる樹種の
単板を適宜寄せ集めた素材単板から作りあげた人工杢単
板も市販されている。その典型的な例を、図21に模式
的に示す。この種の人工杢単板では、各々の単板部分1
5(木目の曲線とその隣の曲線との間の部位)が木肌の
異なる様々な種類の樹木材より構成されており、自然木
が有する特定の木理、木肌等を如何に忠実に表現するか
に関しては殆ど考慮されていない。結果として、この種
の人工杢単板は、天然銘木の単板とは似ても似つかない
ものであった。
【0005】ところで、天然木の木理においては、杢
(もく、figure)と呼ばれる独特な模様が形成さ
れる場合がある。当業者に知られている主な杢として
は、玉杢、鳥眼杢、牡丹杢、鶉杢、葡萄杢、如輪杢、笹
杢等が挙げられる。そして、玉杢、鳥眼杢等を有する単
板は、一般に、意匠的、工芸的価値がより高いものと認
められており、市場価値もまた杢を有しない同じ樹種の
単板よりも相当に高価である。
【0006】図22は、天然木に見られる玉杢を表現す
ることを試みた人工杢単板の典型的な例を図示する模式
図である。同図に示される人工杢単板では、木肌が夫々
異なる樹木材より成る数多くの単板部位15を単に寄せ
集めて、玉杢を有する木理の木目曲線に合致させようと
するのみであり、天然銘木自体の木理に似ていないだけ
でなく、その天然銘木が具える玉杢の意匠が忠実に表現
されてはいない。上述のように、天然木に見られる玉
杢、鳥眼杢等の特に意匠工芸的価値の高い杢を有する木
理を忠実に表現することは非常に困難であった。
【0007】天然木の通常の木理に加えて、自然木に発
現するものに大変近い形態の杢を忠実に表現する人工杢
単板を、杢を有しない天然木を原料として製造する方法
としては、特開平9−123110号公報に開示される
ものが挙げられる。該方法では、1)木材フリッチの反
復切削により同一の樹種でかつ木理が連続する多数枚の
素材単板の組を作り、2)天然木の杢部位に対応する凹
凸形態が上型と下型の両型面に形成されたプレス金型を
用いて素材単板を各枚毎に型押しして、凹凸形態を素材
単板の表面に形成し、3)型押しされた素材単板の組を
再び木理が連続するようにかつ接着剤を各単板間に介在
させて積層し、これを前記プレス金型の上型と下型の間
に配置して圧締し、そして4)得られた積層体を積層面
に交叉する方向に切削して所望厚の単板または板とする
ことにより、人工杢単板または人工杢板において、天然
木に発現するものと大変近い形態の杢を有する木理を表
すことができる。
【0008】しかしながらこの方法は、素材単板を型押
しして素材単板に凹凸形態を形成する際に該素材単板を
一枚ずつ型押しする必要があるため、生産性が低いとい
う課題を有していた。生産性を向上させるには、素材単
板を複数枚同時に型押しすることが有効であるが、単に
幾数枚の素材単板を同時に型押しするのみでは、全ての
素材単板が一様に型押しされず、その結果、型押し後の
積層に際して同時に型押しした素材単板の組と隣の素材
単板の組との間に空隙部が生じるという問題が起こる。
該空隙部は、木理および杢の忠実な表現に対して害とな
るだけでなく、素材単板間の接着不良の原因となり、人
工杢単板の強度を著しく低下させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の事情を考慮してなされたものであって、その課題とす
るところは、天然木の通常の木理に加えて、杢の形態を
も自然のものに大変近い形態で表すことができ、従っ
て、杢を有しない天然木を原料として、杢を有する天然
木の木理を忠実に表現する人工杢単板または人工杢板
を、容易かつ確実に製造することができ、しかも生産性
の高い人工杢単板または人工杢板の製造方法を提供する
ことにある。本発明の他の課題は、本発明の製造方法に
従って得られる杢を有する木理の人工杢単板または人工
杢板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を行った結果、素材単板の有する静的曲げ強度(比例限
度)および比重に着目し、それらの値に応じて同時に型
押しする素材単板の枚数を決定することによって、複数
枚の素材単板を同時に型押しした場合においても、全て
の素材単板が一様に型押しされることを見出した。一様
に型押しされた素材単板は、積層時に素材単板の間での
空隙部を生じない。そして、複数枚の素材単板を同時に
型押しすることにより、一枚づつ型押ししていた従来の
方法と比較して、人工杢単板の生産性は大幅に向上す
る。
【0011】従って、本発明は、先ず、 1)ある樹種の木材フリッチの反復切削により、同一の
樹種でかつ木理が連続する多数枚の素材単板の組を作る
段階、 2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態が上型の型面と
下型の型面とにそれぞれ形成された上下一対のプレス金
型を用いて、前記素材単板の有する静的曲げ強度(比例
限度)および比重により決定される数の複数枚の該素材
単板を同時に型押しして、前記凹凸形態を該素材単板に
形成する段階、 3)型押しされた前記素材単板の組を再び木理が連続す
るようにかつ接着剤を各単板間に介在させて積層し、そ
してこれを前記プレス金型の上型と下型の間に配置して
圧締する段階、および 4)圧締により得られた積層体を積層面に交叉する方向
に切削して、所望厚の単板または板を作る段階より成
る、人工杢単板または人工杢板の製造方法に関する。
【0012】素材単板の有する静的曲げ強度(比例限
度)および比重と、同時に型押しする素材単板の枚数と
の関係は、具体的には以下のようになる。 ・比重≦0.49の場合 静的曲げ強度(比例限度)≦330kg/cm2ならば
3〜6枚 静的曲げ強度(比例限度)≧330kg/cm2ならば
4〜10枚 ・0.49≦比重≦0.61の場合 静的曲げ強度(比例限度)≦400kg/cm2ならば
3〜6枚 400kg/cm2≦静的曲げ強度(比例限度)≦54
0kg/cm2ならば3〜8枚 静的曲げ強度(比例限度)≧540kg/cm2ならば
4〜8枚 ・0.61≦比重≦0.75の場合 静的曲げ強度(比例限度)≦540kg/cm2ならば
2〜5枚 540kg/cm2≦静的曲げ強度(比例限度)≦71
0kg/cm2ならば3〜6枚 静的曲げ強度(比例限度)≧710kg/cm2ならば
3〜8枚 ・比重≧0.75の場合 静的曲げ強度(比例限度)≦820kg/cm2ならば
2〜3枚 静的曲げ強度(比例限度)≧820kg/cm2ならば
2〜6枚
【0013】それ故、本発明はまた、段階2)におい
て、前記素材単板の比重が0.49以下である場合、そ
の静的曲げ強度(比例限度)が330kg/cm2以下
であるときは3〜6枚、また330kg/cm2以上で
あるときは4〜10枚の該素材単板を同時に型押しす
る、上述の人工杢単板または人工杢板の製造方法、段階
2)において、前記素材単板の比重が0.49以上かつ
0.61以下である場合、その静的曲げ強度(比例限
度)が400kg/cm2以下であるときは3〜6枚、
400kg/cm2以上かつ540kg/cm2以下であ
るときは3〜8枚、また540kg/cm2以上である
ときは4〜8枚の該素材単板を同時に型押しする、上述
の人工杢単板または人工杢板の製造方法、段階2)にお
いて、前記素材単板の比重が0.61以上かつ0.75
以下である場合、その静的曲げ強度(比例限度)が54
0kg/cm2以下であるときは2〜5枚、540kg
/cm2以上かつ710kg/cm2以下であるときは3
〜6枚、また710kg/cm2以上であるときは3〜
8枚の該素材単板を同時に型押しする、上述の人工杢単
板または人工杢板の製造方法、および段階2)におい
て、前記素材単板の比重が0.75以上である場合、そ
の静的曲げ強度(比例限度)が820kg/cm2以下
であるときは2〜3枚、また820kg/cm2以上で
あるときは2〜6枚の該素材単板を同時に型押しする、
上述の人工杢単板または人工杢板の製造方法にも関す
る。
【0014】上記の製造方法における素材単板の型押し
では、複数の素材単板を上下一対のプレス金型を用いて
型押しするが、型押しの際には所定の圧力値まで一度に
加圧しても、また段階的に加圧しても良い。よって、本
発明は、段階2)において、圧力を所定の圧力値まで連
続的に増加させて前記素材単板を型押しする、上述の人
工杢単板または人工杢板の製造方法、および段階2)に
おいて、圧力を所定の圧力値まで段階的に増加させて前
記素材単板を型押しする、上述の人工杢単板または人工
杢板の製造方法に関する。
【0015】素材単板を型押しする際には、素材単板と
プレス金型との間にクッション材を挿入して型押しする
ことにより、プレス金型の凹凸形態を該素材単板の表面
に良好に形成できる場合がある。従って、本発明はさら
に、段階2)において、前記素材単板と前記プレス金型
との間にクッション材を介在させて該素材単板を型押し
する、上述の人工杢単板または人工杢板の製造方法をそ
の目的とする。
【0016】上述の製造方法は、原料として、ある特定
の樹種の木材フリッチより得られた同一樹種の素材単板
の組を使用する方法であるが、そのような木材フリッチ
の替わりに、原料として、ある特定の科またはある特定
の属の樹木の木材フリッチより得られる類似した木肌を
有する素材単板の組を使用した場合も、前記の製造法の
場合と同様の効果が期待される。即ち、上記の本発明の
製造方法は、同一樹種の素材単板を用いる場合だけでな
く、ある特定の科または属の素材単板を用いる場合にま
で応用することができる。
【0017】従って、本発明は、また、 1)ある科またはある属の樹木の木材フリッチの反復切
削により、似た木肌を有しかつ木理が実質的に連続する
多数枚の素材単板の組を作る段階、 2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態が上型の型面と
下型の型面とにそれぞれ形成された上下一対のプレス金
型を用いて、前記素材単板の有する静的曲げ強度(比例
限度)および比重により決定される数の複数枚の該素材
単板を同時に型押しして、前記凹凸形態を該素材単板に
形成する段階、 3)型押しされた前記素材単板の組を再び木理が実質的
に連続するようにかつ接着剤を各単板間に介在させて積
層し、そしてこれを前記プレス金型の上型と下型の間に
配置して圧締する段階、および 4)圧締により得られた積層体を積層面に交叉する方向
に切削して、所望厚の単板または板を作る段階より成
る、人工杢単板または人工杢板の製造方法にも関する。
【0018】さらに、本発明は、上述の総ての方法のう
ちのいずれかの方法により製造された人工杢単板または
人工杢板をも主題とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】一般に、荷重が小さい場合、木材
に加える荷重と該加重による木材の曲げの量との間には
比例関係が存在する。しかしながら、荷重が次第に増加
しある特定の値を超えると、木材に加える荷重と木材の
曲げの量とが比例しなくなり、そして荷重がさらに増大
して木材が耐え得る最大値を超過すると木材は破断す
る。本発明でいう“静的曲げ強度(比例限度)”は、J
IS Z 2113に従い測定し、木材に加える荷重と
該加重による木材の曲げの量との間に比例関係が存在す
る最大の荷重の値をPとして、以下の式によって導かれ
る値を意味する。
【式1】 P:最大加重(kg) l:スパン(cm) Z:断面係数(cm2) 一般に、素材単板の静的曲げ強度(比例限度)が大きい
程、素材単板はより柔軟でしなやかであり、より多くの
素材単板を同時に型押しすることができ、逆に、静的曲
げ強度(比例限度)が小さいと、素材単板は脆く割れ易
いので、素材単板の型押しを少ない枚数で行う必要があ
る。
【0020】本発明でいう“比重”とは、JIS Z
2102によって測定された値を意味する。ほとんどの
木材は、0.35ないし1.05の範囲の比重を示す。
一般に、素材単板の比重が大きければ大きい程、素材単
板は組織がより緻密であるので、より少ない枚数で素材
単板の型押しをしなければならず、それに対して、比重
がより小さいければ、多数の素材単板を一度に型押しす
ることができる。
【0021】以下に、本発明の人工杢単板または人工杢
板の製造方法の各工程について詳細に説明する。
【0022】−段階1)について− この段階は、木材フリッチの反復切削により、木理が完
全にまたは実質的に連続する多数枚の素材単板の組を作
る段階であり、一つの方法では、ある特定の樹種の木材
フリッチを反復切削してこれを切削順に配列することに
より、同一の樹種よりなる素材単板の組を作成し、もう
一つの方法では、ある科またはある属の樹木の木材フリ
ッチを反復切削してこれを木理が実質的に連続するよう
に配列することにより、似た木肌を有する素材単板の組
を作成する。
【0023】段階1において、素材単板を切削した後、
所望により該素材単板を乾燥する。該乾燥は例えば、高
周波真空乾燥機において行われる。低温(50℃前後)
で乾燥を行うと、素材単板を平滑なまま乾燥することが
でき、所謂アバレが生じない。
【0024】−段階2)について− この段階は、上下一対のプレス金型を用いて前段階で得
られた素材単板を複数枚同時に型押しする段階である。
プレス金型としては、天然木の杢部位に対応する凹凸形
態が上型の型面と下型の型面とにそれぞれ対称に形成さ
れた上下一対の金型が使用される。この種のプレス金型
は、例えば、玉杢、鳥眼杢等の杢を有する天然木の上に
溶融または液状シリコン樹脂を流し込んで固化させ、そ
の後、固化したシリコン樹脂からなる型の表面に杢の部
位に対応する凹凸形態を形成し、このようにして得られ
たシリコン樹脂型を原型(マスターモデル)として石膏
型または合成樹脂(エポキシ樹脂)型等である上型の模
型と下型の模型を製作し、さらにこれら模型を用いて鋳
造を行なって製作される。プレス金型の型面に形成する
凹凸形態の形状を変更することにより、様々な杢を再現
することができる。例えば、該凹凸形態を細長い島状突
起および島状孔とすると玉杢を再現することができ、ま
た小豆大の小突起および小孔とすると鳥眼杢を再現する
ことができる。
【0025】素材単板の型押しは、素材単板、場合によ
っては霧吹きによって水でいくらか湿らせた単板を上記
の上下一対のプレス金型の間に置き、これを例えば、温
度150℃ぐらい、時間約20秒の条件で熱圧締すると
いう方法により為される。而して、この型押しにより、
天然木の杢部位に対応する凹凸形態が、同時に型押しし
た全ての素材単板について同様に形成される。
【0026】前記型押しにおいて、各々の素材単板に加
える圧力を所定の圧力値にまで増加させる方法には二通
りの方法が存在する。即ち、 1)圧力の増加量を一定に保ちつつ所定の圧力値にまで
到達させる方法、および 2)圧力の増加量を変化させ、段階的に所定の圧力値に
まで到達させる方法である。図18は、型押しにおける
加圧の様子を模式的に表すグラフであり、縦軸は圧力
を、そして横軸は時間を表す。図18(a)は、圧力増
加量を変化させず、圧力を一定に増加させる加圧(1度
押し)の様子を表す。この場合では、圧力と時間との間
には比例関係があり、グラフは直線状となる。一方、図
18(b)は、圧力増加量を変化させ、圧力を段階的に
増加させる加圧の様子を表す。この場合では、圧力と時
間との関係を示すグラフは、圧力が増加する期間と圧力
が一定に保たれる期間とからなる階段状となる。圧力を
増加させる段階の数は任意であるが、例えば、圧力が増
加する期間が五つ存在する5段階押しが用いられる。ま
た、所定の圧力値まで加圧した後に一度減圧し、そして
その後さらに所定の圧力にまで加圧する方法は、加圧時
にガスが発生する木材に対して、該ガスを除去すること
ができるので有効である。さらに、1度押しおよび複数
回押し、並びに加圧および減圧を様々に組み合わせるこ
とも可能である。
【0027】前記型押しにおいて、プレス金型と素材単
板との間のクッション材を介在させて型押しを行うこと
が好ましい。クッション材の材質、厚さ等に関して特別
な制限は無いが、厚さ1〜2mmのシリコンシートをク
ッション材として用いることが好ましい。クッション材
は、素材単板と上下いずれかのプレス金型との間、また
は双方のプレス金型との間に介在させることができ、ま
た上下のプレス金型の双方についてクッション材を介在
させる場合、上下のクッション材の厚さを変えることも
可能である。
【0028】本発明の型押しにおいて同時に型押しする
ことができる素材単板の枚数は、該素材単板の有する静
的曲げ強度(比例限度)および比重に依存する。一般
に、素材単板の静的曲げ強度(比例限度)が大きく、比
重が小さい程、より多くの素材単板を同時に型押しする
ことができ、逆に、静的曲げ強度(比例限度)が小さ
く、比重が大きい程、素材単板の型押しを少ない枚数で
行う必要がある。比重0.49以下の場合、静的曲げ強
度(比例限度)が330kg/cm2以下ならば3〜6
枚、好ましくは4〜5枚、また330kg/cm2以上
ならば4〜10枚、好ましくは6〜8枚の素材単板を同
時に型押しすることができる。同様に、比重が0.49
以上でかつ0.61以下の場合、静的曲げ強度(比例限
度)が400kg/cm2以下ならば3〜6枚、好まし
くは4〜5枚、400kg/cm2と540kg/cm2
との間ならば3〜8枚、好ましくは5〜6枚、また54
0kg/cm2以上ならば4〜8枚、好ましくは5〜7
枚;比重が0.61以上でかつ0.75以下の場合、静
的曲げ強度(比例限度)が540kg/cm2以下なら
ば2〜5枚、好ましくは3〜4枚、540kg/cm2
と710kg/cm2との間ならば3〜6枚、好ましく
は4〜5枚、また710kg/cm2以上ならば3〜8
枚、好ましくは5〜6枚;比重が0.75以上の場合、
静的曲げ強度(比例限度)が820kg/cm2以下な
らば2〜3枚、また820kg/cm2以上ならば2〜
6枚、好ましくは3〜5枚である。
【0029】−段階3)について− この段階は、型押しされた素材単板を木理が完全にまた
は実質的に連続するようにかつ接着剤を各単板間に介在
させて積層し、そして、これを前段階で使用したプレス
金型の上型と下型の間に配置して圧締する段階である。
この段階で用いる接着剤としては、有機溶剤系(水分を
含まない)接着剤が好適である。使用時に接着剤の水分
が高いと、型押しされた素材単板の寸法変化が相当なも
のとなり、従って、最終的に得られる人工杢単板の表面
に整合しない木理部分が現われてくるが、水分を含まな
い溶剤系の接着剤を使用したときには、そのような不具
合は生じない。また、採用した樹木種の断面の色合いお
よび木肌を忠実に再現するという観点から、より好まし
い接着剤は、無色透明でかつ経時的に黄変しにくい接着
剤である。以上の理由から、とりわけ好ましい接着剤
は、二液硬化型ウレタン系接着剤または一液湿気硬化型
ウレタン系接着剤である。接着剤の塗布量は任意である
が、55〜88g/m2程度とするのが好ましい。ま
た、接着剤の塗布は、好ましくは、スポンジロールコー
ターまたはカーテンフローコーター等を使用して行なわ
れる。さらに、型押しされた素材単板の積層体(木理が
連続している)の圧締は、例えば15〜40kg/cm
2の圧力および6〜12時間の間、冷圧締することによ
り行なわれる。冷圧締に代えて、高められた適当な温度
にて熱圧締を行なってもよい。
【0030】−段階4)について− この段階は、前記の圧締により得られた積層体を積層面
に交叉する方向に切削して、所望の厚さの単板(厚さ約
0.2〜0.5mm)または板(厚さ約1〜10cm)
を作る段階である。この場合の切削加工には、スライサ
ー、ハーフロータリー等の単板切削機が用いられる。ま
た、積層体の切削方向は、積層面に交叉する方向である
限り任意であり、積層面に対して垂直な方向でも、ある
いは5〜15°程度の斜め方向でもよい。こうして、人
工杢単板または人工杢板が製作されるが、人工杢板はよ
り厚肉の製品であり、あたかも天然銘木の厚肉の板であ
るかのような印象を需要者に与えることができるので、
製品により高級な印象が求められる場合においてより有
利である。
【0031】本発明で使用される木材の樹種について
は、基本的には任意であるが、より好ましくは、杢を生
ずる種類の樹木が利用される。例えば、以下に挙げる樹
種の中から、単板化粧材の用途、消費者の嗜向等に応じ
て適宜選択される。国産材として唐松、杉(屋久杉)、
檜、楢、欅、桜、楡、黒柿、桑、栃、楓、楠木、桂、
槐、黄蘗、潮路、タモ、ヤチダモ、翌檜、赤松;外国産
材として、シカモア、ローズウッド、チーク、マホガニ
ー、アフリカンマホガニー、ラワン類(ダークレッドメ
ランチ、イエローメランチ、ホワイトメランチ)、コク
タン、シタン、アメリカンブラックウォールナット、カ
リン、ゼブラウッド、マンガシロ、ブラジリアンロー
ズ、バーシモン、シルキーオーク、シルバーハート、タ
イワンクス、チェリー、ミルトル、黒レオ、白レオ、サ
ペリ、ブビンガ、マコレ、マドローナ、ソフトメープ
ル、ハードメープル、クラロウォールナット、アッシ
ュ、アスペン、バスウッド。特に有利な樹種としては、
玉杢を生ずるもの(欅、ヤチダモ、桑、楠等)、鳥眼杢
を生ずるもの(メープル)、鶉杢を生ずるもの(屋久
杉、ネズコ等)、葡萄杢を生ずるもの(楠、ヤチダモ
等)、リボン杢を生ずるもの(アフリカンマホガニー、
ラワン等)、笹杢を生ずるもの(杉等)、牡丹杢を生ず
るもの(欅、ヤチダモ、桑、ケンポナシ等)、如輪杢を
生ずるもの(欅、ヤチダモ、タブノキ等)、蟹杢を生ず
るもの(赤松等)等が挙げられる。
【0032】本発明に従い製造された人工杢単板は、単
板自体の形態のままでも利用可能であるが、その人工杢
単板を紙および不織布等の繊維質シートでまたは合成樹
脂フィルムで裏打ち貼着することにより、人工杢単板シ
ートの形態で利用することも可能である。ここで用いら
れる紙としては、和紙、洋紙(中質紙、上質紙等)、板
紙(クラフト紙)および樹脂含浸紙等が挙げられる。ま
た不織布としては、レーヨン、ナイロン、ポリエステ
ル、アクリル、ポリエチレン、ビニロン、キュプラ、ポ
リプロピレン等の各繊維を原料繊維とする不織布が使用
される。また、ここで用いられる合成樹脂フィルムとし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の鎖状ポリオレ
フィンや環状ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル等の合成樹脂(共重合体樹脂も含む。)から
なるフィルムが使用される。
【0033】また、本発明の人工杢単板は、木質積層体
の表面材として利用することも可能であり、特に、下記
2種の積層体の表面材として利用するのがより好まし
い。 1)人工杢単板/紙または不織布/合成樹脂フィルム/
紙または不織布からなる積層体 該積層体において、合成樹脂フィルムとしては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の鎖状ポリオレフィンや環状
ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等
の合成樹脂(共重合体樹脂も含む。)からなるフィルム
が使用され、また、紙または不織布としては上記と同様
のものが利用される。 2)人工杢単板/紙または不織布/合成樹脂フィルム/
金属箔/合成樹脂フィルム/紙または不織布からなる積
層体 該積層体において、金属箔としては、鉄箔、アルミニウ
ム箔、ステンレススチール箔が使用され、また、紙また
は不織布、および合成樹脂フィルムとしては、上記と同
様のものが利用される。
【0034】さらに、本発明の人工杢単板および人工杢
単板シートは、例えば下記の基材の上に貼着して、様々
な木質製品に仕上げることも可能である。 −曲げ可能な厚肉の繊維質シート この繊維質シートは、厚肉の可撓性柔軟材料であって、
特にクッション性に富むものが適する。シートの素材と
しては、例えば洋紙、和紙、板紙、織布および不織布が
使用され得る。 −発泡樹脂シート 発泡樹脂シートとしては、発泡ポリウレタンまたは発泡
ポリスチレンが挙げられ、とりわけ好ましくは発泡ポリ
スチレンである。 −木質合板 木質合板としては、従来より頻繁に使用されている3層
合板、5層合板等が利用され得る。 −中質繊維板 中質繊維板は、その厚さ、繊維の種類および集密度等に
つき特に制限されない。 −無機質板 無機質板としては、火山性ガラス質複層板、石膏ボー
ド、珪酸カルシウム板、繊維混入珪酸カルシウム板、繊
維混入石膏ボード、ガラス繊維混入無機質・フェノール
樹脂発泡板またはガラス繊維・水酸化アルミニウム混入
フェノール樹脂発泡板、および発泡コンクリート等も利
用可能である。 −ガラス板 板ガラスよりなるものは、表面が平坦であるので、より
好ましい。 −合成樹脂板 合成樹脂板としては、例えば、メラミン樹脂板、ABS
樹脂板、ポリウレタン樹脂板、エポキシ樹脂板、アクリ
ル樹脂板等が利用でき、また、エポキシ樹脂等を木材等
に含浸させた板も、同様に利用することができる。
【0035】こうして製造された本発明の人工杢単板お
よび人工杢板、並びにこれらを使用した人工杢単板シー
ト、木質積層体および木質製品は、新規な化粧材であ
り、木造建築物、コンクリート建造物等の天井、内壁お
よび床の表面に貼着される内装材として、また家具、調
度品、什器、家電製品(キャビネット等)および事務用
品等の表面被覆材として、さらには、自動車のインスト
ルメントパネル等の交通機関の内装材として、あるい
は、楽器の表面材として、有利に利用することができ
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明の最良の実施形態と思われるい
くつかの実施例により、本発明をさらに明らかにする。
【0037】実施例1 本実施例は、表面に玉杢を有しない木材フリッチから、
図1に図示されるような玉杢2を有する木理の人工杢単
板1を作る例である。即ち、本例は、天然銘木の玉杢を
有する木理を人工杢単板において表現することを試みた
ものである。その製造方法の詳細は、以下の通りであっ
た。
【0038】−段階1)− 素材単板の原料である木材としては、表面に玉杢を有し
ない木材(樹種:タモ)を用意した。この木材のフリッ
チまたは丸太を適当な厚さに反復切削し、そしてこれを
切削順に配列することにより、図2ないし図5に示すよ
うな、同一の樹種からなりかつ木理が連続する多数枚
(n枚)の素材単板3の組を作製した。素材単板3は杢
を全く有さず、ロータリーカットされた板目の木理4を
有するのみであった。
【0039】−段階2)− 段階1)において作製した素材単板3を、図6ないし図
10に示した上下一対のプレス金型を用いて型押しし
た。素材単板3の型押しおよびその後の圧締に用いるプ
レス金型としては、図6および8に図示する上型と、図
7に図示する下型とからなるプレス金型を使用した。図
9に図示するように、上型5の型面6には、人工杢単板
において玉杢となる部位に対応する凸形態7(例えば細
長い島状突起)が形成され、一方、図10に図示するよ
うに、下型8の型面9には、型面6上の凸形態7に合致
する凹形態10(例えば細長い島状孔)が形成されてい
る。なお、凸形態7と凹形態10は互いに対称的に形成
されている。次に、素材単板3の静的曲げ強度(比例限
度)および比重から、同時に型押しすべき素材単板3の
枚数を決定した。素材単板3の原料であるタモは、56
5kg/cm2の静的曲げ強度(比例限度)と0.55
の比重を有するものであったので、同時に型押しするこ
とが可能な素材単板3の枚数は4〜8枚である。そこで
5枚の素材単板3を同時に型押しすることに決定した。
5枚の素材単板3の各々を、場合によっては水の霧吹き
によりある程度湿らせた後、図11に図示するように、
素材単板3を重ねて組とした。さらに素材単板3の組の
上側および下側に厚さ1mmのシリコンシートからなる
クッション材11をそれぞれ重ね、型押しの準備を整え
た。続いて、5枚の素材単板3とその上下に各々1枚存
在するクッション材11からなる積層体を、上型5と下
型8の間に入れ、これを温度約150℃の条件で熱圧締
して型押した。型押しの様子を図19により図示する。
図19は、縦軸が圧力を表しそして横軸が時間を表す模
式的なグラフである。該型押しは、先ず60秒間圧力を
加えずに予熱し、その後、30秒の間に5段階押しによ
り7.5kg/cm2まで加圧し、そして該圧力を90
秒間保持することからなる全体で180秒間のサイクル
により行った。この操作により、上型5および下型8の
型面上の凹凸形態が形成された素材単板3を作製した。
各々の素材単板3に形成した凹凸形態は、5枚の素材単
板3について全て一様であった。この型押し操作を繰返
し、玉杢部位に対応する凹凸形態をn枚全ての素材単板
3について一様に形成した。
【0040】−段階3)− 型押し後の素材単板12を、切削した順番、即ち1、
2、・・・n−1、nの順番で、木理が連続しかつ形成
された凹凸形態が合致するように積層した。さらに該積
層においては、無色透明で熱黄変しにくい二液硬化型ウ
レタン系接着剤(有機溶剤系)13を型押し後の素材単
板12の間に介在させた。接着剤13の塗布には、カー
テンフローコーターを用いた。次に、積層接着された型
押し後の素材単板12の組を、段階2)において使用し
たプレス金型の上型5と下型8の間に配置して、圧力1
5〜20kg/cm3、時間6〜12時間の条件で冷圧
締した。
【0041】−段階4)− 段階3)における圧締により得られた積層体14を、図
14に示する積層面の法線方向(図14中の矢印Pの方
向)に、スライサー(図示しない)を用いて切削して、
所望厚さ(厚さ約0.2〜0.5mm)の単板を作製し
た。
【0042】図15ないし図17は、上記の段階1)な
いし段階4)を経て作製された人工杢単板1を図示す
る。これらの図より、製作された人工杢単板1は、杢を
全く有しないタモの木材フリッチを原料とするにも拘ら
ず、天然のタモの木理および木肌と共に玉杢を有するも
のとなり、従って、天然の玉杢を有するタモの木理を忠
実に表現するものとなり得ていることがわかる。
【0043】実施例2 実施例1と同様にして、樹種がバスウッドである木材フ
リッチから人工杢単板を作製した。但し、型押しは1度
押しで行った。用いたバスウッドのフリッチは、静的曲
げ強度(比例限度)が307kg/cm2であり、また
比重が0.41であったので、4枚の素材単板を同時に
型押しした。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹凸
形態を4枚全て一様に有しており、圧締および切削後、
天然の玉杢を有する木理を忠実に表現するバスウッドの
人工杢単板を作製することができた。
【0044】実施例3 実施例1と同様にして、樹種がアスペンである木材フリ
ッチから人工杢単板を作製した。但し、型押しは5段階
押しで行った。用いたアスペンのフリッチは、静的曲げ
強度(比例限度)が360kg/cm 2であり、また比
重が0.36であったので、7枚の素材単板を同時に型
押しした。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹凸形
態を7枚全て一様に有しており、圧締および切削後、天
然の玉杢を有する木理を忠実に表現するアスペンの人工
杢単板を作製することができた。
【0045】実施例4 実施例1と同様にして、樹種がアフリカンマホガニーで
ある木材フリッチから人工杢単板を作製した。但し、型
押しは1度押しで行った。用いたアフリカンマホガニー
のフリッチは、静的曲げ強度(比例限度)が380kg
/cm2であり、また比重が0.53であったので、4
枚の素材単板を同時に型押しした。型押し後の素材単板
は、プレス金型の凹凸形態を4枚全て一様に有してお
り、圧締および切削後、天然の玉杢を有する木理を忠実
に表現するアフリカンマホガニーの人工杢単板を作製す
ることができた。
【0046】実施例5 実施例1と同様にして、樹種がソフトメープルである木
材フリッチから人工杢単板を作製した。但し、型押しは
5段階押しで行った。用いたソフトメープルのフリッチ
は、静的曲げ強度(比例限度)が500kg/cm2
あり、また比重が0.55であったので、5枚の素材単
板を同時に型押しした。型押し後の素材単板は、プレス
金型の凹凸形態を5枚全て一様に有しており、圧締およ
び切削後、天然の玉杢を有する木理を忠実に表現するソ
フトメープルの人工杢単板を作製することができた。
【0047】実施例6 実施例1と同様にして、樹種がマコレである木材フリッ
チから人工杢単板を作製した。但し、型押しは1度押し
で行った。用いたマコレのフリッチは、静的曲げ強度
(比例限度)が480kg/cm2であり、また比重が
0.66であったので、3枚の素材単板を同時に型押し
した。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹凸形態を
3枚全て一様に有しており、圧締および切削後、天然の
玉杢を有する木理を忠実に表現するマコレの人工杢単板
を作製することができた。
【0048】実施例7 実施例1と同様にして、樹種がクラロウォールナットで
ある木材フリッチから人工杢単板を作製した。クラロウ
ォールナットは型押し時にガスを発生することが知られ
ているので、型押しを図20に図示するように行った。
図20は、縦軸が圧力を表しそして横軸が時間を表す模
式的なグラフである。クラロウォールナットの型押にお
いては、先ず60秒間、圧力を加えずに予熱し、その後
30秒の間に15.0kg/cm2まで5段階押しによ
り加圧した。該圧力で30秒間保持した後、一度、圧力
を0kg/cm2にまで減じてガス抜きを行い、そして
1度押しにより15.0kg/cm2まで加圧した。同
様な保持、減圧および加圧をさらに2回繰り返した後、
15.0kg/cm2の圧力で保持し、最後に再び減圧
によるガス抜きを行った。これら一連の加圧および減圧
の段階からなる型押し工程の1サイクルは300秒であ
った。用いたクラロウォールナットのフリッチは、静的
曲げ強度(比例限度)が620kg/cm2であり、ま
た比重が0.63であったので、4枚の素材単板を同時
に型押しした。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹
凸形態を4枚全て一様に有しており、圧締および切削
後、天然の玉杢を有する木理を忠実に表現するクラロウ
ォールナットの人工杢単板を作製することができた。
【0049】実施例8 実施例1と同様にして、樹種が楓である木材フリッチか
ら人工杢単板を作製した。但し、型押しは1度押しで行
った。用いた楓のフリッチは、静的曲げ強度(比例限
度)が742kg/cm2であり、また比重が0.67
であったので、5枚の素材単板を同時に型押しした。型
押し後の素材単板は、プレス金型の凹凸形態を5枚全て
一様に有しており、圧締および切削後、天然の玉杢を有
する木理を忠実に表現する楓の人工杢単板を作製するこ
とができた。
【0050】実施例9 実施例1と同様にして、樹種がマドローナである木材フ
リッチから人工杢単板を作製した。但し、型押しは5段
階押しで行った。用いたマドローナのフリッチは、静的
曲げ強度(比例限度)が679kg/cm2であり、ま
た比重が0.80であったので、2枚の素材単板を同時
に型押しした。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹
凸形態を2枚全て一様に有しており、圧締および切削
後、天然の玉杢を有する木理を忠実に表現するマドロー
ナの人工杢単板を作製することができた。
【0051】実施例10 実施例1と同様にして、樹種がブビンガである木材フリ
ッチから人工杢単板を作製した。但し、型押しは1度押
しで行った。用いたブビンガのフリッチは、静的曲げ強
度(比例限度)が873kg/cm 2であり、また比重
が0.88であったので、4枚の素材単板を同時に型押
しした。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹凸形態
を4枚全て一様に有しており、圧締および切削後、天然
の玉杢を有する木理を忠実に表現するブビンガの人工杢
単板を作製することができた。
【0052】
【発明の効果】以上の説明よりわかるように、本発明の
方法によれば、杢を有しない天然木を原料として、杢を
有する天然木の木理を忠実に表現する人工杢単板または
人工杢板を、確実に高い生産性をもって製造することが
できるという効果が得られる。該人工杢単板または人工
杢板は、天然木の通常の木理に加えて杢の形態を自然木
に発現するものと大変近い形態で表すことができ、さら
に本発明の方法に従うと、従来の素材単板を一枚づつ型
押しする方法と比較して、素材単板の型押しに要する時
間は1/2〜1/8に短縮される。
【0053】また、本発明の製造方法に従って得られる
人工杢単板または人工杢板は、杢を有する木理の新規な
人工杢単板または人工杢板であり、各種の木製品および
その部品の表面化粧材として大変有用であるという利点
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1の方法により製造
した玉杢を有する木理の人工杢単板を表す模式図であ
る。
【図2】 図2は、実施例1の方法において使用した素
材単板(樹種:タモ)の表面を撮影した写真である。
【図3】 図3は、実施例1の方法において使用した素
材単板の表面の拡大写真である。
【図4】 図4は、実施例1の方法において使用した素
材単板の表面を図示する模式図である。
【図5】 図5は、実施例1の方法における素材単板の
組を図示する模式図である。
【図6】 図6は、実施例1の方法において素材単板の
型押しに使用したプレス金型の上型の表面を撮影した写
真である。
【図7】 図7は、実施例1の方法において素材単板の
型押しに使用したプレス金型の下型の表面を撮影した写
真である。
【図8】 図8は、図6に示したプレス金型の上型の拡
大写真である。
【図9】 図9は、図6に示したプレス金型の上型を図
示する模式図である。
【図10】 図10は、図7に示したプレス金型の下型
を図示する模式図である。
【図11】 図11は、実施例1の方法において素材単
板を型押しする工程を図示する模式図である。
【図12】 図12は、実施例1の方法において型押し
した素材単板を撮影した写真である。
【図13】 図13は、実施例1の方法において型押し
した素材単板の積層体を接着剤を介して圧締する工程を
図示する模式図である。
【図14】 図14は、実施例1の方法において圧締さ
れた積層体を図示する模式図である。
【図15】 図15は、実施例1の方法に従い製造した
玉杢を有する木理の人工杢単板の表面を撮影した写真で
ある。
【図16】 図16は、図15に示した人工杢単板の拡
大写真である。
【図17】 図17は、図16に示した人工杢単板の拡
大写真である。
【図18】 図18(a)は圧力を一定に増加させた場
合、および図18(b)は圧力を段階的に増加させた場
合について、素材単板の型押しにおける圧力と時間との
関係を表すグラフである。
【図19】 図19は、ある型押しの態様において圧力
と時間との関係を表すグラフである。
【図20】 図20は、他の型押しの態様において圧力
と時間との関係を表すグラフである。
【図21】 図21は、従来の人工杢単板の典型的な例
を図示する模式図である。
【図22】 図22は、玉杢を有する木理に似せた従来
の人工杢単板の一つの例を図示する模式図である。
【符号の説明】
1 玉杢を有する木理の人工杢単板 2 玉杢 3 素材単板 4 素材単板のロータリーカットで製作した
板目木理 5 上型 6 型面 7 玉杢部位に対応する凸形態 8 下型 9 型面 10 玉杢部位に対応する凹形態 11 クッション材 12 型押し後の素材単板 13 接着剤 14 積層体 15 単板部分 1、2、・・・n−1、n 木理が連続する素材単板
の組
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月11日(2001.6.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 人工杢単板または人工杢板の製造方
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工杢単板または
人工杢板の製造方法、より詳しくは、天然木に出現する
杢と同様の意匠を単板表面に有する人工杢単板または人
工杢板を効果的に製造する方法に関する。並びに、本発
明は、その製造方法に従って作られる人工杢単板または
人工杢板に関する。
【0002】
【従来の技術】人工杢単板は、一般に、原料となる多数
枚の素材単板を接着剤を介して積層して熱圧締し、その
後得られた積層体を再び切削して、所望厚さの集成単板
とする方法により製造されている。そして従来、この製
法に従い、素材単板に安価な樹種の単板を使用し、より
市場価値が高い樹種の銘木単板に似せた人工杢単板を作
る試みが為されてきた。例えば、アガチスの単板を原料
としてスギ板目の人工杢単板を作るといった具合であ
る。
【0003】この場合、人工杢単板を天然の銘木単板と
混同する程に似たものとするためには、その銘木単板が
本来有する木肌、道管、木理等を人工杢単板において忠
実に表現することが必要とされる。そこで、従来、素材
単板の漂白および着色、接着剤の特殊な塗布法(塗膜む
らの形成)、単板と単板の間への着色紙(樹脂含浸紙)
の挿入等、いろいろな方法が提案されてきた。これまで
になされた提案は、例えば特開昭57−156203号
公報、特開昭59−220305号公報および特開昭5
7−150503号公報等に開示されている。しかし、
これらの技術で作られる人工杢単板は、自然感に欠け、
天然木の木理、木肌等についての忠実度、再現度が十分
に(完全に)高いものとは言えないものであった。
【0004】また、木理、色合い等が全く異なる樹種の
単板を適宜寄せ集めた素材単板から作りあげた人工杢単
板も市販されている。その典型的な例を、図21に模式
的に示す。この種の人工杢単板では、各々の単板部分1
5(木目の曲線とその隣の曲線との間の部位)が木肌の
異なる様々な種類の樹木材より構成されており、自然木
が有する特定の木理、木肌等を如何に忠実に表現するか
に関しては殆ど考慮されていない。結果として、この種
の人工杢単板は、天然銘木の単板とは似ても似つかない
ものであった。
【0005】ところで、天然木の木理においては、杢
(もく、figure)と呼ばれる独特な模様が形成さ
れる場合がある。当業者に知られている主な杢として
は、玉杢、鳥眼杢、牡丹杢、鶉杢、葡萄杢、如輪杢、笹
杢等が挙げられる。そして、玉杢、鳥眼杢等を有する単
板は、一般に、意匠的、工芸的価値がより高いものと認
められており、市場価値もまた杢を有しない同じ樹種の
単板よりも相当に高価である。
【0006】図22は、天然木に見られる玉杢を表現す
ることを試みた人工杢単板の典型的な例を図示する模式
図である。同図に示される人工杢単板では、木肌が夫々
異なる樹木材より成る数多くの単板部位15を単に寄せ
集めて、玉杢を有する木理の木目曲線に合致させようと
するのみであり、天然銘木自体の木理に似ていないだけ
でなく、その天然銘木が具える玉杢の意匠が忠実に表現
されてはいない。上述のように、天然木に見られる玉
杢、鳥眼杢等の特に意匠工芸的価値の高い杢を有する木
理を忠実に表現することは非常に困難であった。
【0007】天然木の通常の木理に加えて、自然木に発
現するものに大変近い形態の杢を忠実に表現する人工杢
単板を、杢を有しない天然木を原料として製造する方法
としては、特開平9−123110号公報に開示される
ものが挙げられる。該方法では、1)木材フリッチの反
復切削により同一の樹種でかつ木理が連続する多数枚の
素材単板の組を作り、2)天然木の杢部位に対応する凹
凸形態が上型と下型の両型面に形成されたプレス金型を
用いて素材単板を各枚毎に型押しして、凹凸形態を素材
単板の表面に形成し、3)型押しされた素材単板の組を
再び木理が連続するようにかつ接着剤を各単板間に介在
させて積層し、これを前記プレス金型の上型と下型の間
に配置して圧締し、そして4)得られた積層体を積層面
に交叉する方向に切削して所望厚の単板または板とする
ことにより、人工杢単板または人工杢板において、天然
木に発現するものと大変近い形態の杢を有する木理を表
すことができる。
【0008】しかしながらこの方法は、素材単板を型押
しして素材単板に凹凸形態を形成する際に該素材単板を
一枚ずつ型押しする必要があるため、生産性が低いとい
う課題を有していた。生産性を向上させるには、素材単
板を複数枚同時に型押しすることが有効であるが、単に
幾数枚の素材単板を同時に型押しするのみでは、全ての
素材単板が一様に型押しされず、その結果、型押し後の
積層に際して同時に型押しした素材単板の組と隣の素材
単板の組との間に空隙部が生じるという問題が起こる。
該空隙部は、木理および杢の忠実な表現に対して害とな
るだけでなく、素材単板間の接着不良の原因となり、人
工杢単板の強度を著しく低下させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の事情を考慮してなされたものであって、その課題とす
るところは、天然木の通常の木理に加えて、杢の形態を
も自然のものに大変近い形態で表すことができ、従っ
て、杢を有しない天然木を原料として、杢を有する天然
木の木理を忠実に表現する人工杢単板または人工杢板
を、容易かつ確実に製造することができ、しかも生産性
の高い人工杢単板または人工杢板の製造方法を提供する
ことにある。本発明の他の課題は、本発明の製造方法に
従って得られる杢を有する木理の人工杢単板または人工
杢板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を行った結果、素材単板の有する静的曲げ強度(比例限
度)および比重に着目し、それらの値に応じて同時に型
押しする素材単板の枚数を決定することによって、複数
枚の素材単板を同時に型押しした場合においても、全て
の素材単板が一様に型押しされることを見出した。一様
に型押しされた素材単板は、積層時に素材単板の間での
空隙部を生じない。そして、複数枚の素材単板を同時に
型押しすることにより、一枚づつ型押ししていた従来の
方法と比較して、人工杢単板の生産性は大幅に向上す
る。
【0011】従って、本発明は、先ず、 1)ある樹種の丸太のロータリー切削または木材フリッ
チの反復切削により、同一の樹種でかつ木理が連続する
多数枚の素材単板の組を作る段階、 2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態が上型の型面と
下型の型面とにそれぞれ形成された上下一対のプレス金
型を用いて、前記素材単板の有する静的曲げ強度(比例
限度)および比重により決定される数の複数枚の該素材
単板を同時に型押しして、前記凹凸形態を該素材単板に
形成する段階、 3)型押しされた前記素材単板の組を再び木理が連続す
るようにかつ接着剤を各単板間に介在させて積層し、そ
してこれを前記プレス金型の上型と下型の間に配置して
圧締する段階、および 4)圧締により得られた積層体を積層面に交叉する方向
に切削して、所望厚の単板または板を作る段階より成
る、人工杢単板または人工杢板の製造方法に関する。
【0012】素材単板の有する静的曲げ強度(比例限
度)および比重と、同時に型押しする素材単板の枚数と
の関係は、具体的には以下のようになる。 ・比重≦0.49の場合 静的曲げ強度(比例限度)≦330kg/cm2ならば
3〜6枚 静的曲げ強度(比例限度)≧330kg/cm2ならば
4〜10枚 ・0.49≦比重≦0.61の場合 静的曲げ強度(比例限度)≦400kg/cm2ならば
3〜6枚 400kg/cm2≦静的曲げ強度(比例限度)≦54
0kg/cm2ならば3〜8枚 静的曲げ強度(比例限度)≧540kg/cm2ならば
4〜8枚 ・0.61≦比重≦0.75の場合 静的曲げ強度(比例限度)≦540kg/cm2ならば
2〜5枚 540kg/cm2≦静的曲げ強度(比例限度)≦71
0kg/cm2ならば3〜6枚 静的曲げ強度(比例限度)≧710kg/cm2ならば
3〜8枚 ・比重≧0.75の場合 静的曲げ強度(比例限度)≦820kg/cm2ならば
2〜3枚 静的曲げ強度(比例限度)≧820kg/cm2ならば
2〜6枚
【0013】それ故、本発明はまた、段階2)におい
て、前記素材単板の比重が0.49以下である場合、そ
の静的曲げ強度(比例限度)が330kg/cm2以下
であるときは3〜6枚、また330kg/cm2以上で
あるときは4〜10枚の該素材単板を同時に型押しす
る、上述の人工杢単板または人工杢板の製造方法、段階
2)において、前記素材単板の比重が0.49以上かつ
0.61以下である場合、その静的曲げ強度(比例限
度)が400kg/cm2以下であるときは3〜6枚、
400kg/cm2以上かつ540kg/cm2以下であ
るときは3〜8枚、また540kg/cm2以上である
ときは4〜8枚の該素材単板を同時に型押しする、上述
の人工杢単板または人工杢板の製造方法、段階2)にお
いて、前記素材単板の比重が0.61以上かつ0.75
以下である場合、その静的曲げ強度(比例限度)が54
0kg/cm2以下であるときは2〜5枚、540kg
/cm2以上かつ710kg/cm2以下であるときは3
〜6枚、また710kg/cm2以上であるときは3〜
8枚の該素材単板を同時に型押しする、上述の人工杢単
板または人工杢板の製造方法、および段階2)におい
て、前記素材単板の比重が0.75以上である場合、そ
の静的曲げ強度(比例限度)が820kg/cm2以下
であるときは2〜3枚、また820kg/cm2以上で
あるときは2〜6枚の該素材単板を同時に型押しする、
上述の人工杢単板または人工杢板の製造方法にも関す
る。
【0014】上記の製造方法における素材単板の型押し
では、複数の素材単板を上下一対のプレス金型を用いて
型押しするが、型押しの際には所定の圧力値まで一度に
加圧しても、また段階的に加圧しても良い。よって、本
発明は、段階2)において、圧力を所定の圧力値まで連
続的に増加させて前記素材単板を型押しする、上述の人
工杢単板または人工杢板の製造方法、および段階2)に
おいて、圧力を所定の圧力値まで段階的に増加させて前
記素材単板を型押しする、上述の人工杢単板または人工
杢板の製造方法に関する。
【0015】素材単板を型押しする際には、素材単板と
プレス金型との間にクッション材を挿入して型押しする
ことにより、プレス金型の凹凸形態を該素材単板の表面
に良好に形成できる場合がある。従って、本発明はさら
に、段階2)において、前記素材単板と前記プレス金型
との間にクッション材を介在させて該素材単板を型押し
する、上述の人工杢単板または人工杢板の製造方法をそ
の目的とする。
【0016】上述の製造方法は、原料として、ある特定
の樹種の木材フリッチより得られた同一樹種の素材単板
の組を使用する方法であるが、そのような木材フリッチ
の替わりに、原料として、ある特定の科またはある特定
の属の樹木の木材フリッチより得られる類似した木肌を
有する素材単板の組を使用した場合も、前記の製造法の
場合と同様の効果が期待される。即ち、上記の本発明の
製造方法は、同一樹種の素材単板を用いる場合だけでな
く、ある特定の科または属の素材単板を用いる場合にま
で応用することができる。
【0017】従って、本発明は、また、 1)ある科またはある属の樹木の丸太のロータリー切削
または木材フリッチの反復切削により、似た木肌を有し
かつ木理が実質的に連続する多数枚の素材単板の組を作
る段階、 2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態が上型の型面と
下型の型面とにそれぞれ形成された上下一対のプレス金
型を用いて、前記素材単板の有する静的曲げ強度(比例
限度)および比重により決定される数の複数枚の該素材
単板を同時に型押しして、前記凹凸形態を該素材単板に
形成する段階、 3)型押しされた前記素材単板の組を再び木理が実質的
に連続するようにかつ接着剤を各単板間に介在させて積
層し、そしてこれを前記プレス金型の上型と下型の間に
配置して圧締する段階、および 4)圧締により得られた積層体を積層面に交叉する方向
に切削して、所望厚の単板または板を作る段階より成
る、人工杢単板または人工杢板の製造方法にも関する。
【0018】さらに、本発明は、上述の総ての方法のう
ちのいずれかの方法により製造された人工杢単板または
人工杢板をも主題とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】一般に、荷重が小さい場合、木材
に加える荷重と該加重による木材の曲げの量との間には
比例関係が存在する。しかしながら、荷重が次第に増加
しある特定の値を超えると、木材に加える荷重と木材の
曲げの量とが比例しなくなり、そして荷重がさらに増大
して木材が耐え得る最大値を超過すると木材は破断す
る。本発明でいう“静的曲げ強度(比例限度)”は、J
IS Z 2113に従い測定し、木材に加える荷重と
該加重による木材の曲げの量との間に比例関係が存在す
る最大の荷重の値をPとして、以下の式によって導かれ
る値を意味する。
【式1】 P:最大加重(kg) l:スパン(cm) Z:断面係数(cm2) 一般に、素材単板の静的曲げ強度(比例限度)が大きい
程、素材単板はより柔軟でしなやかであり、より多くの
素材単板を同時に型押しすることができ、逆に、静的曲
げ強度(比例限度)が小さいと、素材単板は脆く割れ易
いので、素材単板の型押しを少ない枚数で行う必要があ
る。
【0020】本発明でいう“比重”とは、JIS Z
2102によって測定された値を意味する。ほとんどの
木材は、0.35ないし1.05の範囲の比重を示す。
一般に、素材単板の比重が大きければ大きい程、素材単
板は組織がより緻密であるので、より少ない枚数で素材
単板の型押しをしなければならず、それに対して、比重
がより小さいければ、多数の素材単板を一度に型押しす
ることができる。
【0021】以下に、本発明の人工杢単板または人工杢
板の製造方法の各工程について詳細に説明する。
【0022】−段階1)について− この段階は、丸太のロータリー切削または木材フリッチ
の反復切削により、木理が完全にまたは実質的に連続す
る多数枚の素材単板の組を作る段階であり、一つの方法
では、ある特定の樹種の丸太をロータリー切削するかま
たは木材フリッチを反復切削してこれを切削順に配列す
ることにより、同一の樹種よりなる素材単板の組を作成
し、もう一つの方法では、ある科またはある属の樹木の
丸太をロータリー切削するかまたは木材フリッチを反復
切削してこれを木理が実質的に連続するように配列する
ことにより、似た木肌を有する素材単板の組を作成す
る。
【0023】段階1において、素材単板を切削した後、
所望により該素材単板を乾燥する。該乾燥は例えば、高
周波真空乾燥機において行われる。低温(50℃前後)
で乾燥を行うと、素材単板を平滑なまま乾燥することが
でき、所謂アバレが生じない。
【0024】−段階2)について− この段階は、上下一対のプレス金型を用いて前段階で得
られた素材単板を複数枚同時に型押しする段階である。
プレス金型としては、天然木の杢部位に対応する凹凸形
態が上型の型面と下型の型面とにそれぞれ対称に形成さ
れた上下一対の金型が使用される。この種のプレス金型
は、例えば、玉杢、鳥眼杢等の杢を有する天然木の上に
溶融または液状シリコン樹脂を流し込んで固化させ、そ
の後、固化したシリコン樹脂からなる型の表面に杢の部
位に対応する凹凸形態を形成し、このようにして得られ
たシリコン樹脂型を原型(マスターモデル)として石膏
型または合成樹脂(エポキシ樹脂)型等である上型の模
型と下型の模型を製作し、さらにこれら模型を用いて鋳
造を行なって製作される。プレス金型の型面に形成する
凹凸形態の形状を変更することにより、様々な杢を再現
することができる。例えば、該凹凸形態を細長い島状突
起および島状孔とすると玉杢を再現することができ、ま
た小豆大の小突起および小孔とすると鳥眼杢を再現する
ことができる。
【0025】素材単板の型押しは、素材単板、場合によ
っては霧吹きによって水でいくらか湿らせた単板を上記
の上下一対のプレス金型の間に置き、これを例えば、温
度150℃ぐらい、時間約20秒の条件で熱圧締すると
いう方法により為される。而して、この型押しにより、
天然木の杢部位に対応する凹凸形態が、同時に型押しし
た全ての素材単板について同様に形成される。
【0026】前記型押しにおいて、各々の素材単板に加
える圧力を所定の圧力値にまで増加させる方法には二通
りの方法が存在する。即ち、 1)圧力の増加量を一定に保ちつつ所定の圧力値にまで
到達させる方法、および 2)圧力の増加量を変化させ、段階的に所定の圧力値に
まで到達させる方法である。図18は、型押しにおける
加圧の様子を模式的に表すグラフであり、縦軸は圧力
を、そして横軸は時間を表す。図18(a)は、圧力増
加量を変化させず、圧力を一定に増加させる加圧(1度
押し)の様子を表す。この場合では、圧力と時間との間
には比例関係があり、グラフは直線状となる。一方、図
18(b)は、圧力増加量を変化させ、圧力を段階的に
増加させる加圧の様子を表す。この場合では、圧力と時
間との関係を示すグラフは、圧力が増加する期間と圧力
が一定に保たれる期間とからなる階段状となる。圧力を
増加させる段階の数は任意であるが、例えば、圧力が増
加する期間が五つ存在する5段階押しが用いられる。ま
た、所定の圧力値まで加圧した後に一度減圧し、そして
その後さらに所定の圧力にまで加圧する方法は、加圧時
にガスが発生する木材に対して、該ガスを除去すること
ができるので有効である。さらに、1度押しおよび複数
回押し、並びに加圧および減圧を様々に組み合わせるこ
とも可能である。
【0027】前記型押しにおいて、プレス金型と素材単
板との間のクッション材を介在させて型押しを行うこと
が好ましい。クッション材の材質、厚さ等に関して特別
な制限は無いが、厚さ1〜2mmのシリコンシートをク
ッション材として用いることが好ましい。クッション材
は、素材単板と上下いずれかのプレス金型との間、また
は双方のプレス金型との間に介在させることができ、ま
た上下のプレス金型の双方についてクッション材を介在
させる場合、上下のクッション材の厚さを変えることも
可能である。
【0028】本発明の型押しにおいて同時に型押しする
ことができる素材単板の枚数は、該素材単板の有する静
的曲げ強度(比例限度)および比重に依存する。一般
に、素材単板の静的曲げ強度(比例限度)が大きく、比
重が小さい程、より多くの素材単板を同時に型押しする
ことができ、逆に、静的曲げ強度(比例限度)が小さ
く、比重が大きい程、素材単板の型押しを少ない枚数で
行う必要がある。比重0.49以下の場合、静的曲げ強
度(比例限度)が330kg/cm2以下ならば3〜6
枚、好ましくは4〜5枚、また330kg/cm2以上
ならば4〜10枚、好ましくは6〜8枚の素材単板を同
時に型押しすることができる。同様に、比重が0.49
以上でかつ0.61以下の場合、静的曲げ強度(比例限
度)が400kg/cm2以下ならば3〜6枚、好まし
くは4〜5枚、400kg/cm2と540kg/cm2
との間ならば3〜8枚、好ましくは5〜6枚、また54
0kg/cm2以上ならば4〜8枚、好ましくは5〜7
枚;比重が0.61以上でかつ0.75以下の場合、静
的曲げ強度(比例限度)が540kg/cm2以下なら
ば2〜5枚、好ましくは3〜4枚、540kg/cm2
と710kg/cm2との間ならば3〜6枚、好ましく
は4〜5枚、また710kg/cm2以上ならば3〜8
枚、好ましくは5〜6枚;比重が0.75以上の場合、
静的曲げ強度(比例限度)が820kg/cm2以下な
らば2〜3枚、また820kg/cm2以上ならば2〜
6枚、好ましくは3〜5枚である。
【0029】−段階3)について− この段階は、型押しされた素材単板を木理が完全にまた
は実質的に連続するようにかつ接着剤を各単板間に介在
させて積層し、そして、これを前段階で使用したプレス
金型の上型と下型の間に配置して圧締する段階である。
この段階で用いる接着剤としては、有機溶剤系(水分を
含まない)接着剤が好適である。使用時に接着剤の水分
が高いと、型押しされた素材単板の寸法変化が相当なも
のとなり、従って、最終的に得られる人工杢単板の表面
に整合しない木理部分が現われてくるが、水分を含まな
い溶剤系の接着剤を使用したときには、そのような不具
合は生じない。また、採用した樹木種の断面の色合いお
よび木肌を忠実に再現するという観点から、より好まし
い接着剤は、無色透明でかつ経時的に黄変しにくい接着
剤である。以上の理由から、とりわけ好ましい接着剤
は、二液硬化型ウレタン系接着剤または一液湿気硬化型
ウレタン系接着剤である。接着剤の塗布量は任意である
が、55〜88g/m2程度とするのが好ましい。ま
た、接着剤の塗布は、好ましくは、スポンジロールコー
ターまたはカーテンフローコーター等を使用して行なわ
れる。さらに、型押しされた素材単板の積層体(木理が
連続している)の圧締は、例えば15〜40kg/cm
2の圧力および6〜12時間の間、冷圧締することによ
り行なわれる。冷圧締に代えて、高められた適当な温度
にて熱圧締を行なってもよい。
【0030】−段階4)について− この段階は、前記の圧締により得られた積層体を積層面
に交叉する方向に切削して、所望の厚さの単板(厚さ約
0.2〜0.5mm)または板(厚さ約1〜10cm)
を作る段階である。この場合の切削加工には、スライサ
ー、ハーフロータリー等の単板切削機が用いられる。ま
た、積層体の切削方向は、積層面に交叉する方向である
限り任意であり、積層面に対して垂直な方向でも、ある
いは5〜15°程度の斜め方向でもよい。こうして、人
工杢単板または人工杢板が製作されるが、人工杢板はよ
り厚肉の製品であり、あたかも天然銘木の厚肉の板であ
るかのような印象を需要者に与えることができるので、
製品により高級な印象が求められる場合においてより有
利である。
【0031】本発明で使用される木材の樹種について
は、基本的には任意であるが、より好ましくは、杢を生
ずる種類の樹木が利用される。例えば、以下に挙げる樹
種の中から、単板化粧材の用途、消費者の嗜向等に応じ
て適宜選択される。国産材として唐松、杉(屋久杉)、
檜、楢、欅、桜、楡、黒柿、桑、栃、楓、楠木、桂、
槐、黄蘗、潮路、タモ、ヤチダモ、翌檜、赤松;外国産
材として、シカモア、ローズウッド、チーク、マホガニ
ー、アフリカンマホガニー、ラワン類(ダークレッドメ
ランチ、イエローメランチ、ホワイトメランチ)、コク
タン、シタン、アメリカンブラックウォールナット、カ
リン、ゼブラウッド、マンガシロ、ブラジリアンロー
ズ、バーシモン、シルキーオーク、シルバーハート、タ
イワンクス、チェリー、ミルトル、黒レオ、白レオ、サ
ペリ、ブビンガ、マコレ、マドローナ、ソフトメープ
ル、ハードメープル、クラロウォールナット、アッシ
ュ、アスペン、バスウッド。特に有利な樹種としては、
玉杢を生ずるもの(欅、ヤチダモ、桑、楠等)、鳥眼杢
を生ずるもの(メープル)、鶉杢を生ずるもの(屋久
杉、ネズコ等)、葡萄杢を生ずるもの(楠、ヤチダモ
等)、リボン杢を生ずるもの(アフリカンマホガニー、
ラワン等)、笹杢を生ずるもの(杉等)、牡丹杢を生ず
るもの(欅、ヤチダモ、桑、ケンポナシ等)、如輪杢を
生ずるもの(欅、ヤチダモ、タブノキ等)、蟹杢を生ず
るもの(赤松等)等が挙げられる。
【0032】本発明に従い製造された人工杢単板は、単
板自体の形態のままでも利用可能であるが、その人工杢
単板を紙および不織布等の繊維質シートでまたは合成樹
脂フィルムで裏打ち貼着することにより、人工杢単板シ
ートの形態で利用することも可能である。ここで用いら
れる紙としては、和紙、洋紙(中質紙、上質紙等)、板
紙(クラフト紙)および樹脂含浸紙等が挙げられる。ま
た不織布としては、レーヨン、ナイロン、ポリエステ
ル、アクリル、ポリエチレン、ビニロン、キュプラ、ポ
リプロピレン等の各繊維を原料繊維とする不織布が使用
される。また、ここで用いられる合成樹脂フィルムとし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の鎖状ポリオレ
フィンや環状ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル等の合成樹脂(共重合体樹脂も含む。)から
なるフィルムが使用される。
【0033】また、本発明の人工杢単板は、木質積層体
の表面材として利用することも可能であり、特に、下記
2種の積層体の表面材として利用するのがより好まし
い。 1)人工杢単板/紙または不織布/合成樹脂フィルム/
紙または不織布からなる積層体 該積層体において、合成樹脂フィルムとしては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の鎖状ポリオレフィンや環状
ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等
の合成樹脂(共重合体樹脂も含む。)からなるフィルム
が使用され、また、紙または不織布としては上記と同様
のものが利用される。 2)人工杢単板/紙または不織布/合成樹脂フィルム/
金属箔/合成樹脂フィルム/紙または不織布からなる積
層体 該積層体において、金属箔としては、鉄箔、アルミニウ
ム箔、ステンレススチール箔が使用され、また、紙また
は不織布、および合成樹脂フィルムとしては、上記と同
様のものが利用される。
【0034】さらに、本発明の人工杢単板および人工杢
単板シートは、例えば下記の基材の上に貼着して、様々
な木質製品に仕上げることも可能である。 −曲げ可能な厚肉の繊維質シート この繊維質シートは、厚肉の可撓性柔軟材料であって、
特にクッション性に富むものが適する。シートの素材と
しては、例えば洋紙、和紙、板紙、織布および不織布が
使用され得る。 −発泡樹脂シート 発泡樹脂シートとしては、発泡ポリウレタンまたは発泡
ポリスチレンが挙げられ、とりわけ好ましくは発泡ポリ
スチレンである。 −木質合板 木質合板としては、従来より頻繁に使用されている3層
合板、5層合板等が利用され得る。 −中質繊維板 中質繊維板は、その厚さ、繊維の種類および集密度等に
つき特に制限されない。 −無機質板 無機質板としては、火山性ガラス質複層板、石膏ボー
ド、珪酸カルシウム板、繊維混入珪酸カルシウム板、繊
維混入石膏ボード、ガラス繊維混入無機質・フェノール
樹脂発泡板またはガラス繊維・水酸化アルミニウム混入
フェノール樹脂発泡板、および発泡コンクリート等も利
用可能である。 −ガラス板 板ガラスよりなるものは、表面が平坦であるので、より
好ましい。 −合成樹脂板 合成樹脂板としては、例えば、メラミン樹脂板、ABS
樹脂板、ポリウレタン樹脂板、エポキシ樹脂板、アクリ
ル樹脂板等が利用でき、また、エポキシ樹脂等を木材等
に含浸させた板も、同様に利用することができる。
【0035】こうして製造された本発明の人工杢単板お
よび人工杢板、並びにこれらを使用した人工杢単板シー
ト、木質積層体および木質製品は、新規な化粧材であ
り、木造建築物、コンクリート建造物等の天井、内壁お
よび床の表面に貼着される内装材として、また家具、調
度品、什器、家電製品(キャビネット等)および事務用
品等の表面被覆材として、さらには、自動車のインスト
ルメントパネル等の交通機関の内装材として、あるい
は、楽器の表面材として、有利に利用することができ
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明の最良の実施形態と思われるい
くつかの実施例により、本発明をさらに明らかにする。
【0037】実施例1 本実施例は、表面に玉杢を有しない木材フリッチから、
図1に図示されるような玉杢2を有する木理の人工杢単
板1を作る例である。即ち、本例は、天然銘木の玉杢を
有する木理を人工杢単板において表現することを試みた
ものである。その製造方法の詳細は、以下の通りであっ
た。
【0038】−段階1)− 素材単板の原料である木材としては、表面に玉杢を有し
ない木材(樹種:タモ)を用意した。この木材の丸太を
適当な厚さにロータリー切削し、そしてこれを切削順に
配列することにより、図2ないし図5に示すような、同
一の樹種からなりかつ木理が連続する多数枚(n枚)の
素材単板3の組を作製した。素材単板3は杢を全く有さ
ず、ロータリーカットされた板目の木理4を有するのみ
であった。
【0039】−段階2)− 段階1)において作製した素材単板3を、図6ないし図
10に示した上下一対のプレス金型を用いて型押しし
た。素材単板3の型押しおよびその後の圧締に用いるプ
レス金型としては、図6および8に図示する上型と、図
7に図示する下型とからなるプレス金型を使用した。図
9に図示するように、上型5の型面6には、人工杢単板
において玉杢となる部位に対応する凸形態7(例えば細
長い島状突起)が形成され、一方、図10に図示するよ
うに、下型8の型面9には、型面6上の凸形態7に合致
する凹形態10(例えば細長い島状孔)が形成されてい
る。なお、凸形態7と凹形態10は互いに対称的に形成
されている。次に、素材単板3の静的曲げ強度(比例限
度)および比重から、同時に型押しすべき素材単板3の
枚数を決定した。素材単板3の原料であるタモは、56
5kg/cm2の静的曲げ強度(比例限度)と0.55
の比重を有するものであったので、同時に型押しするこ
とが可能な素材単板3の枚数は4〜8枚である。そこで
5枚の素材単板3を同時に型押しすることに決定した。
5枚の素材単板3の各々を、場合によっては水の霧吹き
によりある程度湿らせた後、図11に図示するように、
素材単板3を重ねて組とした。さらに素材単板3の組の
上側および下側に厚さ1mmのシリコンシートからなる
クッション材11をそれぞれ重ね、型押しの準備を整え
た。続いて、5枚の素材単板3とその上下に各々1枚存
在するクッション材11からなる積層体を、上型5と下
型8の間に入れ、これを温度約150℃の条件で熱圧締
して型押した。型押しの様子を図19により図示する。
図19は、縦軸が圧力を表しそして横軸が時間を表す模
式的なグラフである。該型押しは、先ず60秒間圧力を
加えずに予熱し、その後、30秒の間に5段階押しによ
り7.5kg/cm2まで加圧し、そして該圧力を90
秒間保持することからなる全体で180秒間のサイクル
により行った。この操作により、上型5および下型8の
型面上の凹凸形態が形成された素材単板3を作製した。
各々の素材単板3に形成した凹凸形態は、5枚の素材単
板3について全て一様であった。この型押し操作を繰返
し、玉杢部位に対応する凹凸形態をn枚全ての素材単板
3について一様に形成した。
【0040】−段階3)− 型押し後の素材単板12を、切削した順番、即ち1、
2、・・・n−1、nの順番で、木理が連続しかつ形成
された凹凸形態が合致するように積層した。さらに該積
層においては、無色透明で熱黄変しにくい二液硬化型ウ
レタン系接着剤(有機溶剤系)13を型押し後の素材単
板12の間に介在させた。接着剤13の塗布には、カー
テンフローコーターを用いた。次に、積層接着された型
押し後の素材単板12の組を、段階2)において使用し
たプレス金型の上型5と下型8の間に配置して、圧力1
5〜40kg/cm2、時間6〜12時間の条件で冷圧
締した。
【0041】−段階4)− 段階3)における圧締により得られた積層体14を、図
14に示する積層面の法線方向(図14中の矢印Pの方
向)に、スライサー(図示しない)を用いて切削して、
所望厚さ(厚さ約0.2〜0.5mm)の単板を作製し
た。
【0042】図15ないし図17は、上記の段階1)な
いし段階4)を経て作製された人工杢単板1を図示す
る。これらの図より、製作された人工杢単板1は、杢を
全く有しないタモの木材フリッチを原料とするにも拘ら
ず、天然のタモの木理および木肌と共に玉杢を有するも
のとなり、従って、天然の玉杢を有するタモの木理を忠
実に表現するものとなり得ていることがわかる。
【0043】実施例2 実施例1と同様にして、樹種がバスウッドである木材フ
リッチから人工杢単板を作製した。但し、型押しは1度
押しで行った。用いたバスウッドのフリッチは、静的曲
げ強度(比例限度)が307kg/cm2であり、また
比重が0.41であったので、4枚の素材単板を同時に
型押しした。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹凸
形態を4枚全て一様に有しており、圧締および切削後、
天然の玉杢を有する木理を忠実に表現するバスウッドの
人工杢単板を作製することができた。
【0044】実施例3 実施例1と同様にして、樹種がアスペンである木材フリ
ッチから人工杢単板を作製した。但し、型押しは5段階
押しで行った。用いたアスペンのフリッチは、静的曲げ
強度(比例限度)が360kg/cm 2であり、また比
重が0.36であったので、7枚の素材単板を同時に型
押しした。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹凸形
態を7枚全て一様に有しており、圧締および切削後、天
然の玉杢を有する木理を忠実に表現するアスペンの人工
杢単板を作製することができた。
【0045】実施例4 実施例1と同様にして、樹種がアフリカンマホガニーで
ある木材フリッチから人工杢単板を作製した。但し、型
押しは1度押しで行った。用いたアフリカンマホガニー
のフリッチは、静的曲げ強度(比例限度)が380kg
/cm2であり、また比重が0.53であったので、4
枚の素材単板を同時に型押しした。型押し後の素材単板
は、プレス金型の凹凸形態を4枚全て一様に有してお
り、圧締および切削後、天然の玉杢を有する木理を忠実
に表現するアフリカンマホガニーの人工杢単板を作製す
ることができた。
【0046】実施例5 実施例1と同様にして、樹種がソフトメープルである木
材フリッチから人工杢単板を作製した。但し、型押しは
5段階押しで行った。用いたソフトメープルのフリッチ
は、静的曲げ強度(比例限度)が500kg/cm2
あり、また比重が0.55であったので、5枚の素材単
板を同時に型押しした。型押し後の素材単板は、プレス
金型の凹凸形態を5枚全て一様に有しており、圧締およ
び切削後、天然の玉杢を有する木理を忠実に表現するソ
フトメープルの人工杢単板を作製することができた。
【0047】実施例6 実施例1と同様にして、樹種がマコレである木材フリッ
チから人工杢単板を作製した。但し、型押しは1度押し
で行った。用いたマコレのフリッチは、静的曲げ強度
(比例限度)が480kg/cm2であり、また比重が
0.66であったので、3枚の素材単板を同時に型押し
した。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹凸形態を
3枚全て一様に有しており、圧締および切削後、天然の
玉杢を有する木理を忠実に表現するマコレの人工杢単板
を作製することができた。
【0048】実施例7 実施例1と同様にして、樹種がクラロウォールナットで
ある木材フリッチから人工杢単板を作製した。クラロウ
ォールナットは型押し時にガスを発生することが知られ
ているので、型押しを図20に図示するように行った。
図20は、縦軸が圧力を表しそして横軸が時間を表す模
式的なグラフである。クラロウォールナットの型押にお
いては、先ず60秒間、圧力を加えずに予熱し、その後
30秒の間に15.0kg/cm2まで5段階押しによ
り加圧した。該圧力で30秒間保持した後、一度、圧力
を0kg/cm2にまで減じてガス抜きを行い、そして
1度押しにより15.0kg/cm2まで加圧した。同
様な保持、減圧および加圧をさらに2回繰り返した後、
15.0kg/cm2の圧力で保持し、最後に再び減圧
によるガス抜きを行った。これら一連の加圧および減圧
の段階からなる型押し工程の1サイクルは300秒であ
った。用いたクラロウォールナットのフリッチは、静的
曲げ強度(比例限度)が620kg/cm2であり、ま
た比重が0.63であったので、4枚の素材単板を同時
に型押しした。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹
凸形態を4枚全て一様に有しており、圧締および切削
後、天然の玉杢を有する木理を忠実に表現するクラロウ
ォールナットの人工杢単板を作製することができた。
【0049】実施例8 実施例1と同様にして、樹種が楓である木材フリッチか
ら人工杢単板を作製した。但し、型押しは1度押しで行
った。用いた楓のフリッチは、静的曲げ強度(比例限
度)が742kg/cm2であり、また比重が0.67
であったので、5枚の素材単板を同時に型押しした。型
押し後の素材単板は、プレス金型の凹凸形態を5枚全て
一様に有しており、圧締および切削後、天然の玉杢を有
する木理を忠実に表現する楓の人工杢単板を作製するこ
とができた。
【0050】実施例9 実施例1と同様にして、樹種がマドローナである木材フ
リッチから人工杢単板を作製した。但し、型押しは5段
階押しで行った。用いたマドローナのフリッチは、静的
曲げ強度(比例限度)が679kg/cm2であり、ま
た比重が0.80であったので、2枚の素材単板を同時
に型押しした。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹
凸形態を2枚全て一様に有しており、圧締および切削
後、天然の玉杢を有する木理を忠実に表現するマドロー
ナの人工杢単板を作製することができた。
【0051】実施例10 実施例1と同様にして、樹種がブビンガである木材フリ
ッチから人工杢単板を作製した。但し、型押しは1度押
しで行った。用いたブビンガのフリッチは、静的曲げ強
度(比例限度)が873kg/cm 2であり、また比重
が0.88であったので、4枚の素材単板を同時に型押
しした。型押し後の素材単板は、プレス金型の凹凸形態
を4枚全て一様に有しており、圧締および切削後、天然
の玉杢を有する木理を忠実に表現するブビンガの人工杢
単板を作製することができた。
【0052】
【発明の効果】以上の説明よりわかるように、本発明の
方法によれば、杢を有しない天然木を原料として、杢を
有する天然木の木理を忠実に表現する人工杢単板または
人工杢板を、確実に高い生産性をもって製造することが
できるという効果が得られる。該人工杢単板または人工
杢板は、天然木の通常の木理に加えて杢の形態を自然木
に発現するものと大変近い形態で表すことができ、さら
に本発明の方法に従うと、従来の素材単板を一枚づつ型
押しする方法と比較して、素材単板の型押しに要する時
間は1/2〜1/8に短縮される。
【0053】また、本発明の製造方法に従って得られる
人工杢単板または人工杢板は、杢を有する木理の新規な
人工杢単板または人工杢板であり、各種の木製品および
その部品の表面化粧材として大変有用であるという利点
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1の方法により製造
した玉杢を有する木理の人工杢単板を表す模式図であ
る。
【図2】 図2は、実施例1の方法において使用した素
材単板(樹種:タモ)の表面を撮影した写真である。
【図3】 図3は、実施例1の方法において使用した素
材単板の表面の拡大写真である。
【図4】 図4は、実施例1の方法において使用した素
材単板の表面を図示する模式図である。
【図5】 図5は、実施例1の方法における素材単板の
組を図示する模式図である。
【図6】 図6は、実施例1の方法において素材単板の
型押しに使用したプレス金型の上型の表面を撮影した写
真である。
【図7】 図7は、実施例1の方法において素材単板の
型押しに使用したプレス金型の下型の表面を撮影した写
真である。
【図8】 図8は、図6に示したプレス金型の上型の拡
大写真である。
【図9】 図9は、図6に示したプレス金型の上型を図
示する模式図である。
【図10】 図10は、図7に示したプレス金型の下型
を図示する模式図である。
【図11】 図11は、実施例1の方法において素材単
板を型押しする工程を図示する模式図である。
【図12】 図12は、実施例1の方法において型押し
した素材単板を撮影した写真である。
【図13】 図13は、実施例1の方法において型押し
した素材単板の積層体を接着剤を介して圧締する工程を
図示する模式図である。
【図14】 図14は、実施例1の方法において圧締さ
れた積層体を図示する模式図である。
【図15】 図15は、実施例1の方法に従い製造した
玉杢を有する木理の人工杢単板の表面を撮影した写真で
ある。
【図16】 図16は、図15に示した人工杢単板の拡
大写真である。
【図17】 図17は、図16に示した人工杢単板の拡
大写真である。
【図18】 図18(a)は圧力を一定に増加させた場
合、および図18(b)は圧力を段階的に増加させた場
合について、素材単板の型押しにおける圧力と時間との
関係を表すグラフである。
【図19】 図19は、ある型押しの態様において圧力
と時間との関係を表すグラフである。
【図20】 図20は、他の型押しの態様において圧力
と時間との関係を表すグラフである。
【図21】 図21は、従来の人工杢単板の典型的な例
を図示する模式図である。
【図22】 図22は、玉杢を有する木理に似せた従来
の人工杢単板の一つの例を図示する模式図である。
【符号の説明】 1 玉杢を有する木理の人工杢単板 2 玉杢 3 素材単板 4 素材単板のロータリーカットで製作した
板目木理 5 上型 6 型面 7 玉杢部位に対応する凸形態 8 下型 9 型面 10 玉杢部位に対応する凹形態 11 クッション材 12 型押し後の素材単板 13 接着剤 14 積層体 15 単板部分 1、2、・・・n−1、n 木理が連続する素材単板
の組
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B002 AB03 AC12 BA01 BA17 BB06 DA01 DA02 DA03 DA04 DA06 2B242 BA11 BA25 BA35 2B250 AA05 AA06 AA13 AA21 AA31 BA03 CA11 DA04 EA02 EA13 FA01 FA18 FA21 FA31 FA37 GA03 HA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1)ある樹種の木材フリッチの反復切削
    により、同一の樹種でかつ木理が連続する多数枚の素材
    単板の組を作る段階、 2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態が上型の型面と
    下型の型面とにそれぞれ形成された上下一対のプレス金
    型を用いて、前記素材単板の有する静的曲げ強度(比例
    限度)および比重により決定される数の複数枚の該素材
    単板を同時に型押しして、前記凹凸形態を該素材単板に
    形成する段階、 3)型押しされた前記素材単板の組を再び木理が連続す
    るようにかつ接着剤を各単板間に介在させて積層し、そ
    してこれを前記プレス金型の上型と下型の間に配置して
    圧締する段階、および 4)圧締により得られた積層体を積層面に交叉する方向
    に切削して、所望厚の単板または板を作る段階より成
    る、人工杢単板または人工杢板の製造方法。
  2. 【請求項2】 段階2)において、前記素材単板の比重
    が0.49以下である場合、その静的曲げ強度(比例限
    度)が330kg/cm2以下であるときは3〜6枚、
    また330kg/cm2以上であるときは4〜10枚の
    該素材単板を同時に型押しする、請求項1記載の人工杢
    単板または人工杢板の製造方法。
  3. 【請求項3】 段階2)において、前記素材単板の比重
    が0.49以上かつ0.61以下である場合、その静的
    曲げ強度(比例限度)が400kg/cm2以下である
    ときは3〜6枚、400kg/cm2以上かつ540k
    g/cm2以下であるときは3〜8枚、また540kg
    /cm2以上であるときは4〜8枚の該素材単板を同時
    に型押しする、請求項1記載の人工杢単板または人工杢
    板の製造方法。
  4. 【請求項4】 段階2)において、前記素材単板の比重
    が0.61以上かつ0.75以下である場合、その静的
    曲げ強度(比例限度)が540kg/cm2以下である
    ときは2〜5枚、540kg/cm2以上かつ710k
    g/cm2以下であるときは3〜6枚、また710kg
    /cm2以上であるときは3〜8枚の該素材単板を同時
    に型押しする、請求項1記載の人工杢単板または人工杢
    板の製造方法。
  5. 【請求項5】 段階2)において、前記素材単板の比重
    が0.75以上である場合、その静的曲げ強度(比例限
    度)が820kg/cm2以下であるときは2〜3枚、
    また820kg/cm2以上であるときは2〜6枚の該
    素材単板を同時に型押しする、請求項1記載の人工杢単
    板または人工杢板の製造方法。
  6. 【請求項6】 段階2)において、圧力を所定の圧力値
    まで連続的に増加させて前記素材単板を型押しする、請
    求項1記載の人工杢単板または人工杢板の製造方法。
  7. 【請求項7】 段階2)において、圧力を所定の圧力値
    まで段階的に増加させて前記素材単板を型押しする、請
    求項1記載の人工杢単板または人工杢板の製造方法。
  8. 【請求項8】 段階2)において、前記素材単板と前記
    プレス金型との間にクッション材を介在させて該素材単
    板を型押しする、請求項1記載の人工杢単板または人工
    杢板の製造方法。
  9. 【請求項9】 1)ある科またはある属の樹木の木材フ
    リッチの反復切削により、似た木肌を有しかつ木理が実
    質的に連続する多数枚の素材単板の組を作る段階、 2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態が上型の型面と
    下型の型面とにそれぞれ形成された上下一対のプレス金
    型を用いて、前記素材単板の有する静的曲げ強度(比例
    限度)および比重により決定される数の複数枚の該素材
    単板を同時に型押しして、前記凹凸形態を該素材単板に
    形成する段階、 3)型押しされた前記素材単板の組を再び木理が実質的
    に連続するようにかつ接着剤を各単板間に介在させて積
    層し、そしてこれを前記プレス金型の上型と下型の間に
    配置して圧締する段階、および 4)圧締により得られた積層体を積層面に交叉する方向
    に切削して、所望厚の単板または板を作る段階より成
    る、人工杢単板または人工杢板の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし8のうちのいずれか一
    項に記載の方法により製造された人工杢単板または人工
    杢板。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の方法により製造された
    人工杢単板または人工杢板。
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