JPH09123110A - 人工杢単板または人工杢板の製造方法 - Google Patents

人工杢単板または人工杢板の製造方法

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JPH09123110A
JPH09123110A JP31162895A JP31162895A JPH09123110A JP H09123110 A JPH09123110 A JP H09123110A JP 31162895 A JP31162895 A JP 31162895A JP 31162895 A JP31162895 A JP 31162895A JP H09123110 A JPH09123110 A JP H09123110A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】天然木の通常の木理に加えて、杢の形態を自然
木に発現するものと大変近い形態で表わすことができ、
従って、杢を有しない天然木を原料として、杢を有する
天然木の木理を忠実に表現する人工杢単板または人工杢
板を容易かつ確実に製造することができる製造法を提供
することにある。 【解決手段】1)木材フリッチの反復切削により同一の樹
種でかつ木理が連続する多数枚の素材単板の組を作る段
階、2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態が上型と下型
の両型面に形成されたプレス金型を用いて素材単板を各
枚毎に型押しして、凹凸形態を素材単板の表面に形成す
る段階、3)型押しされた素材単板の組を再び木理が連続
するようにかつ接着剤を各単板間に介在させて積層し、
これを前記プレス金型の上型と下型の間に配置して圧締
する段階および4)得られた積層体を積層面に交叉する方
向に切削して所望厚の単板、板を作る段階より成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工杢単板または
人工杢板の製造方法、より詳しくは、天然木に現出する
杢と同様の意匠を単板表面に有する人工杢単板または人
工杢板を効果的に製造する方法に関する。並びに、本発
明は、その製造方法に従って作られる人工杢単板または
人工杢板に関する。
【0002】
【従来の技術】人工杢単板は、従来より一般に、原料と
なる数多くの枚数の素材単板を接着剤を介して積層し、
続いて熱圧締し、その後得られた積層体を再び切削する
ことにより、所望厚さの集成単板に仕上げるという方法
により、製造されている。そして従来、この製法に従
い、より安価な樹種の単板を素材単板に使用し、これよ
り市場価値がより高い樹種の銘木単板に似せた人工杢単
板を作るという試みがよく採られてきた。例えば、アガ
チスの単板を原料としてスギ板目の人工杢単板を作ると
いった具合である。
【0003】その場合、人工杢単板が天然の銘木単板と
混同する程に似たものとするためには、その銘木単板が
本来有する木肌、道管、木理等を人工杢単板において忠
実に表現することが必要とされる。そこで、従来、素材
単板の漂白および着色、接着剤の特殊な塗布法(塗膜む
らの形成)、単板と単板の間への着色紙(樹脂含浸紙)
の介在など、いろいろな方法および手段が提案されてき
た。これまでになされた提案は、例えば特開昭 57-1562
03号公報、特開昭 59-220305号公報および特開昭 57-15
0503号公報等に開示されている。しかし、これらの改良
技術で作られる人工杢単板は、多くは自然感に欠け、天
然木の木理、木肌等についての忠実度、再現度が十分に
(完全に)高いものとは言えないものであった。
【0004】また、上記の製品よりもさらに粗悪な人工
杢単板も市販されており、それは、木理、色合い等が全
く異なる樹種の単板を適宜寄せ集めたものを素材単板と
して使用して人工杢単板に作りあげたものである。この
種の人工杢単板は、その典型的な例を模式的に表わした
図19に示されるように、単板の各部位19・・(例え
ば木目の曲線とその隣の曲線との間の部位)が木肌の夫
々異なる様々な種類の樹木材より構成されているもので
あり、ある特定の自然木が有する木理、木肌等を如何に
忠実に表現するかに関して殆ど考慮されておらず、天然
銘木の単板とは似ても似つかないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、天然木の木
理においては、杢(もく、figure)と呼ばれる独特な模
様が形成される場合がある。当業者に知られている主な
杢としては、玉杢、鳥眼杢、牡丹杢、鶉杢、葡萄杢、如
輪杢、笹杢などが挙げられる。そして、玉杢、鳥眼杢な
どを有する単板は、一般に、意匠的、工芸的価値がより
高いものと認められており、市場価値もまたそれら杢を
有しない同じ樹種の単板よりも相当に高価である。
【0006】しかし、天然木に見られる上記の杢が十分
忠実に表現された人工杢単板は、これまでに得られてい
ない。図20は、その種の人工杢単板の典型的な例を示
すものであるが、同図に示されるように、玉杢有り天然
木単板に似せた従来の人工杢単板は、木肌が夫々異なる
樹木材より成る数多くの単板部位19・・を単に寄せ集
めて、玉杢を有する木理の木目曲線に合致させようとし
たものにすぎず、天然銘木のそれ自体の木理とも似てい
ないだけでなく、その天然銘木が具える玉杢の意匠が忠
実に表現されていないものであった。上述のように、特
に、天然木に見られる玉杢、鳥眼杢等、特に意匠工芸的
価値の高い杢を有する木理をその天然木の木理のように
忠実に表現することは、従来満足に為し得なかった。
【0007】本発明は、かかる従来の事情を考慮してな
されたものであって、その課題とするところは、天然木
の通常の木理に加えて、杢の形態をも自然のものに大変
近い形態で表わすことができ、従って、杢を有しない天
然木を原料として、杢を有する天然木の木理を忠実に表
現する人工杢単板または人工杢板を、容易かつ確実に製
造することができる人工杢単板または人工杢板の製造方
法を提供することにある。本発明の他の課題は、本発明
の製造方法に従って得られる新規な、杢を有する木理の
人工杢単板または人工杢板を提供することにある。その
他の課題は、以下の記載および特許請求の範囲の記載並
びに図面を参照することにより理解される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、まず、 1)ある樹種の木材フリッチの反復切削により、同一の樹
種でかつ木理が連続する多数枚の素材単板の組を作る段
階、 2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態が上型の型面と下
型の型面とにそれぞれ形成された上下一対のプレス金型
を用いて前記素材単板を各枚毎に型押しして、前記凹凸
形態を該素材単板の表面に形成する段階、 3)型押しされた前記素材単板の組を再び木理が連続する
ようにかつ接着剤を各単板間に介在させて積層し、そし
てこれを前記プレス金型の上型と下型の間に配置して圧
締する段階、および 4)圧締により得られた積層体を積層面に交叉する方向に
切削して、所望厚の単板または板を作る段階より成る、
人工杢単板または人工杢板の製造方法に関する。
【0009】上記の製造方法は、原料として、ある特定
の樹種の木材フリッチより得られた同一樹種の素材単板
の組を使用する方法であるが、該木材フリッチの代わり
に、原料として、ある特定の科またはある特定の属の樹
木の木材フリッチより得られた似た木肌を有する素材単
板の組を使用した場合も、前記の製造法の場合と同様の
効果が期待される。すなわち、上記の本発明の製造方法
は、同一樹種の素材単板を用いる場合だけでなく、ある
特定の科または属の素材単板を用いる場合にまで応用す
ることができる。
【0010】したがって、本発明は、また、 1)ある科またはある属の樹木の木材フリッチの反復切削
により、似た木肌を有しかつ木理が実質的に連続する多
数枚の素材単板の組を作る段階、 2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態が上型の型面と下
型の型面とにそれぞれ形成された上下一対のプレス金型
を用いて前記素材単板を各枚毎に型押しして、前記凹凸
形態を該素材単板の表面に形成する段階、 3)型押しされた前記素材単板の組を再び木理が実質的に
連続するようにかつ接着剤を各単板間に介在させて積層
し、そしてこれを前記プレス金型の上型と下型の間に配
置して圧締する段階、および 4)圧締により得られた積層体を積層面に交叉する方向に
切削して、所望厚の単板または板を作る段階より成る、
人工杢単板または人工杢板の製造方法にも関する。
【0011】さらに、本発明は、上記の二つの方法によ
り製造されたそれぞれの、人工杢単板または人工杢板を
も主題とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
−段階 1) について− この段階は、木材フリッチの反復切削により、木理が完
全にまたは実質的に連続する多数枚の素材単板の組を作
る段階であり、一つは、ある特定の樹種の木材フリッチ
を反復切削し、これを切削順に配列することにより、同
一の樹種よりなる素材単板の組を作るという方法であ
り、もう一つは、ある科またはある属の樹木の木材フリ
ッチを反復切削し、これを木理が実質的に連続するよう
に配列することにより、似た木肌を有する素材単板の組
を作るという方法である。
【0013】−段階 2) について− この段階は、上下一対のプレス金型を用いて前段階で得
られた素材単板を各枚毎に型押しする段階である。プレ
ス金型としては、天然木の杢部位に対応する凹凸形態が
上型の型面と下型の型面とにそれぞれ形成された上下一
対のプレス金型が使用される。この種のプレス金型は、
例えば、天然木の表皮を剥いで見られる玉杢、鳥眼杢等
の杢部位の上に、溶融または液状シリコン樹脂を流し込
み、その杢部位に対応する凹凸形態を固化したシリコン
樹脂の型の表面に形成し、そして、得られた樹脂型を原
型(マスターモデル)として石膏型または合成樹脂(エ
ポキシ樹脂)型等よりなる上型の模型と下型の模型を製
作し、その後、これら模型を用いてそれぞれ鋳造を行な
い、天然木の杢部位に対応する凹凸形態を型面に対称的
に形成する金型の上型と下型とをそれぞれ作ることによ
り、製作される。また、素材単板の型押しは、素材単
板、好ましくは霧吹きによって水でいくらか湿らせた単
板を上記の上下一対のプレス金型の間に置き、これを例
えば、温度150℃ぐらい、時間約20秒の条件で熱圧
締するという方法により、素材単板の各枚毎に、為され
る。而して、この型押しにより、天然木の杢部位に対応
する凹凸形態が素材単板の表面に、各単板総てについて
同様に、形成される。
【0014】−段階 3) について− この段階は、型押しされた素材単板の組を再び木理が完
全にまたは実質的に連続するようにかつ接着剤を各単板
間に介在させて積層し、そして、これを前段階で使用し
たプレス金型の上型と下型の間に配置して圧締する段階
である。この段階で用いる接着剤としては、低い含水率
(例えば4%未満)において硬化可能な接着剤がより好
都合である。使用の際の接着剤の含水率がかなり高いと
き、型押しされた素材単板の寸法変化が相当なものとな
り、従って、最終的に得られる人工杢単板の表面に整合
しない木理部分が現われてくるが、低い含水率の接着剤
を使用したときには、そのような不具合は生じない。ま
た、採用した種類の樹木の断面の色合いおよび木肌を忠
実に再現するという観点から、より好ましい接着剤は、
無色透明でかつ経時的に黄変しにくい接着剤である。以
上より、とりわけ好ましい接着剤は、二液硬化型ウレタ
ン系接着剤または一液湿気硬化型ウレタン系接着剤であ
る。また、接着剤の塗布は、好ましくは、スポンジロー
ルコーターまたはカーテンフローコーター等を使用して
行なわれる。さらに、型押しされた素材単板の積層体
(木理が連続している)の圧締は、例えば圧力15〜2
0kg/cm3 、時間6〜12時間の条件で冷圧締する
ことにより、行なわれる。冷圧締に代えて、高められた
適当な温度にて熱圧締を行なってもよい。
【0015】−段階 4) について− この段階は、前記の圧締により得られた積層体を積層面
に交叉する方向に切削して、所望の厚さの単板(厚さ約
0.2〜0.5mm)または板(厚さ約1〜約10c
m)を作る段階である。この場合の切削加工には、スラ
イサー、ハーフロータリーあるいはロータリレース等の
単板切削機が用いられる。また、積層体の切削方向は、
積層面に交叉する方向である限り、任意であり、積層面
に対して垂直な方向でも、あるいは、5〜15°ぐらい
の斜め方向でもよい。こうして、人工杢単板、あるいは
人工杢板が製作されるが、人工杢板は、より厚肉の製品
であり、あたかも天然銘木の厚肉の板であるかの如き印
象を需要者に与えることができるので、製品により高級
な印象が求められる場合においてより有利である。
【0016】本発明で使用される木材の樹種について
は、基本的には任意であるが、より好ましくは、杢を生
ずる種類の樹木が利用される。例えば、以下に挙げる樹
種の中から、単板化粧材の用途、消費者の嗜向等に応じ
て適宜選択される。国産材として唐松、杉(屋久杉)、
檜、楢、欅、桜、楡、黒柿、桑、栃、楓、楠木、桂、
槐、黄蘗、潮路、ヤチダモ、翌檜;外国産材として、シ
カモア、ローズウッド、チーク、マホガニー、アフリカ
ンマホガニー、ラワン、メランチ、コクタン、シタン、
アメリカンブラックウォールナット、カリン、ゼブラウ
ッド、マンガシロ、ブラジリアンローズ、バーシモン、
シルバーローズ、パルマ、シルキーオーク、シルバーハ
ート、タイワンクス、チェリー、ミルトル、黒レオ、白
レオ、サペリ、ブビンガ、マコレ、マドローナ、メープ
ル、クラロウォールナット、アッシュ。特に有利な樹種
としては、玉杢を生ずるもの(欅、ヤチダモ、桑、楠な
ど)、鳥眼杢を生ずるもの(メープル)、鶉杢を生ずる
もの(屋久杉、ネズコなど)、葡萄杢を生ずるもの
(楠、ヤチダモなど)、リボン杢を生ずるもの(アフリ
カンマホガニー、ラワンなど)、笹杢を生ずるもの(杉
など)、牡丹杢を生ずるもの(欅、ヤチダモ、桑、ケン
ポナシなど)、如輪杢を生ずるもの(欅、ヤチダモ、タ
ブノキなど)などが挙げられる。
【0017】本発明に従い製造された人工杢単板は、単
板自体の形態のままでも利用可能であるが、その人工杢
単板を紙および不織布等の繊維質シートでまたは合成樹
脂フィルムで裏打ち貼着することにより、人工杢単板シ
ートの形態で利用することも可能である。ここで用いら
れる紙としては、和紙、洋紙(中質紙、上質紙等)、板
紙(クラフト紙)および樹脂含浸紙などが挙げられる。
また不織布としては、レーヨン、ナイロン、ポリエステ
ル、アクリル、ポリエチレン、ビニロン、キュプラ、ポ
リプロピレン等の各繊維を原料繊維とする不織布が使用
される。また、ここで用いられる合成樹脂フィルムとし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の鎖状ポリオレ
フィンや環状ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル等の合成樹脂(共重合体樹脂も含む。)から
なるフィルムが使用される。
【0018】また、本発明の人工杢単板は、木質積層体
の表面材として利用することも可能であり、特に、下記
2種の積層体の表面材として利用するのがより好まし
い。 −人工杢単板/紙または不織布/合成樹脂フィルム/紙
または不織布の積層体 合成樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等の鎖状ポリオレフィンや環状ポリオレフィン樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂(共重
合体樹脂も含む。)からなるフィルムが使用され、ま
た、紙または不織布としては上記と同様のものが利用さ
れる。 −人工杢単板/紙または不織布/合成樹脂フィルム/金
属箔/合成樹脂フィルム/紙または不織布の積層体 金属箔としては、鉄箔、アルミニウム箔、ステンレスス
チール箔が使用され、また、紙または不織布、および合
成樹脂フィルムとしては、上記と同様のものが利用され
る。
【0019】さらに、本発明の人工杢単板および人工杢
単板シートは、例えば下記の基材の上に貼着して、様々
な木質製品に仕上げることも可能である。 −曲げ可能な厚肉の繊維質シート この繊維質シートは、厚肉の可撓性柔軟材料であって、
特にクッション性に富むものが適する。シートの素材と
しては、例えば洋紙、和紙、板紙、織布、および不織布
が使用され得る。 −発泡樹脂シート 発泡樹脂シートとしては、発泡ポリウレタンまたは発泡
ポリスチレンが挙げられ、とりわけ好ましくは発泡ポリ
スチレンである。 −木質合板 木質合板としては、従来より頻繁に使用されている3層
合板、5層合板などが利用され得る。 −中質繊維板(medium density fiber board) 中質繊維板は、その厚さ、繊維の種類および集密度など
につき特に制限されない。 −無機質板 無機質板としては、石膏ボード、珪酸カルシウム板、繊
維混入珪酸カルシウム板、繊維混入石膏ボード、ガラス
繊維混入無機質・フェノール樹脂発泡板またはガラス繊
維・水酸化アルミニウム混入フェノール樹脂発泡板、お
よび発泡コンクリート等も利用可能である。 −ガラス板 板ガラスよりなるものは、表面が平坦であるので、より
好ましい。 −合成樹脂板 合成樹脂板としては、例えば、メラミン樹脂板、ABS
樹脂板、ポリウレタン樹脂板、エポキシ樹脂版、アクリ
ル樹脂板などが利用でき、また、エポキシ樹脂等を木材
等に含浸させた板も、同様に利用することができる。
【0020】こうして製造された本発明の人工杢単板、
人工杢板および人工杢単板シート、並びにこれらを使用
した木質積層体および木質製品は、新規な化粧材であ
り、木造建築物、コンクリート建造物等の天井、内壁お
よび床の表面に貼着される内装材として、また家具、調
度品、什器、家電製品(キャビネット等)および事務用
品等の表面被覆材として、さらには、自動車のインスト
ルメントパネル等の交通機関の内装材として、あるい
は、楽器の表面材として、有利に利用することができ
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の最良の実施形態と思われるい
くつかの実施例を説明することにより、本発明をより明
らかにする。
【0022】実施例1 本実施例は、図1に示すように、樹種メープルであって
鳥眼杢2・・を有する木理の人工杢単板1を作る例であ
る。すなわち、本例は、天然銘木の一種であるバーズア
イメープルの木理と同様の木理を人工杢単板において表
現することを狙うものである。その製造法の詳細は、以
下のとおりである。
【0023】−原料− 素材単板の原料として、図2に示すような、表面に鳥眼
杢を有しない木材フリッチ(樹種:メープル)を用意し
た。
【0024】−プレス金型− 素材単板の型押しおよびその後の圧締に用いるプレス金
型として、図3に示される上型と図4に示される下型と
を用意した。図5に示すように上型3の型面4には、バ
ーズアイメープルにおいて鳥眼杢が現われた部位に対応
する凹凸形態5(例えば、小豆大の小突起および小孔)
が形成され、また、図6に示すように下型6の型面7に
も、同様に、バーズアイメープルの鳥眼杢部位に対応す
る凹凸形態8が形成されている。なお、凹凸形態5と凹
凸形態8は互いにかみ合うように対称的に形成されてい
る。
【0025】−段階 1) − 図2に示した木材フリッチ(樹種:メープル)を適当な
厚さに反復切削し、そしてこれを切削順に配列すること
により、図7に示すような、同一の樹種でかつ木理が連
続する数多い枚数(n枚)の素材単板9・・・の組を作
った。
【0026】−段階 2) − 図3ないし図6に示した上下一対のプレス金型3、6を
用いて、図8に示すように、水の霧吹きによりある程度
湿らせた素材単板9・・を上型3と下型6の間に入れ、
これを温度約150℃、時間約20秒の条件で熱圧締す
るという方法により、各枚毎に型押しして、型面4、7
上の凹凸形態5、8を素材単板9の表面に形成した。而
して、この一連の型押しにより、天然メープルの鳥眼杢
部位に対応する凹凸形態5、8が素材単板9の表面に、
各単板総てについて同様に、形成された。
【0027】−段階 3) − 図9に示すように、最初に、型押しされた素材単板9・
・の組を、再び木理が連続するようにしかも形成された
凹凸形態5、8が合致するように、かつ、無色透明で熱
黄変しにくい二液硬化型ウレタン系接着剤(含水率約2
%)10を各単板9間に介在させて積層した。使用され
た接着剤10の塗布には、スポンジロールコーターが用
いられた。次に、積層接着された素材単板9・・の組を
前段階で使用したプレス金型の上型3と下型6の間に配
置し、次いで圧力15〜20kg/cm3 、時間6〜1
2時間の条件で冷圧締した。
【0028】−段階 4) − 前段階での圧締により得られた積層体20を、図10に
示すように積層面に垂直に交叉する方向(図中、矢印P
方向)に、スライサー(図示しない)を用いて切削し
て、所望厚さ(厚さ約0.2〜0.5mm)の単板を作
り上げた。
【0029】図11は、上記の段階 1) ないし段階 4)
を経て作られた人工杢単板を示す。この図より、製作さ
れた人工杢単板は、鳥眼杢を有しないメープルの木材フ
リッチを原料とするにも拘らず、鳥眼杢を天然木のメー
プルの木理、木肌とともに有するものとなり、従って、
天然木のバーズアイメープルの木理を忠実に表現するも
のとなり得ているとわかる。
【0030】実施例2 本実施例は、図12に示すように、樹種ヤチダモであっ
て玉杢12・・を有する木理の人工杢単板11を作る例
である。すなわち、本例は、天然銘木の一種であるヤチ
ダモのタモ玉杢と同様の木理を人工杢単板において表現
することを狙うものである。その製造法の詳細は、以下
のとおりである。
【0031】−原料− 素材単板の原料として、図13に示すような、表面に玉
杢を有しない木材フリッチ(樹種:ヤチダモ)を用意し
た。
【0032】−プレス金型− 素材単板の型押しおよびその後の圧締に用いるプレス金
型として、図14に示される上型と図15に示される下
型とを用意した。図16に示すように上型13の型面1
4には、ヤチダモにおいてタモ玉杢が現われた部位に対
応する凹凸形態15(例えば、緩やかで大きい隆起およ
び窪み)が形成され、また、図17に示すように下型1
6の型面17にも、同様に、ヤチダモのタモ玉杢部位に
対応する凹凸形態18が形成されている。なお、凹凸形
態15と凹凸形態18は互いにかみ合うように対称的に
形成されている。
【0033】段階 1) ないし段階 4) は、実施例1の手
順と同様の手順でまた実施例1の条件と同様の条件で進
め、最終的に図18に示すような人工杢単板を作った。
この図よりわかるように、製作された人工杢単板は、タ
モ玉杢を有しないヤチダモの木材フリッチを原料とする
にも拘らず、タモ玉杢を天然木のヤチダモの木理、木肌
とともに有するものとなっており、従って、タモ玉杢を
有する天然ヤチダモの木理を忠実に表現している。
【0034】
【発明の効果】以上の説明よりわかるように、本発明の
方法によれば、天然木の通常の木理に加えて、杢の形態
を自然木に発現するものと大変近い形態で表わすことが
でき、従って杢を有しない天然木を原料として、杢を有
する天然木の木理を忠実に表現する人工杢単板または人
工杢板を容易かつ確実に製造することができるという効
果が得られる。
【0035】また、本発明の製造方法に従って得られる
人工杢単板または人工杢板は、杢を有する木理の新規な
人工杢単板または人工杢板であり、各種の木製品および
その部品の表面化粧材として大変有用であるという利点
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1の方法により製造さ
れる鳥眼杢を有する木理の人工杢単板を模式的に示す図
である。
【図2】図2は、実施例1の方法において原料として使
用された木材フリッチ(樹種:メープル)の鳥眼杢を有
しない表面を撮影した写真である。
【図3】図3は、実施例1の方法において素材単板の型
押しに使用されたプレス金型の上型を撮影した写真であ
る。
【図4】図4は、実施例1の方法において素材単板の型
押しに使用されたプレス金型の下型を撮影した写真であ
る。
【図5】図5は、図3に示されたプレス金型の上型を表
わす拡大斜視図である。
【図6】図6は、図4に示されたプレス金型の下型を表
わす拡大斜視図である。
【図7】図7は、実施例1の方法における素材単板の組
を作る工程を示す図である。
【図8】図8は、実施例1の方法における素材単板を各
枚毎に型押しする工程を示す図である。
【図9】図9は、実施例1の方法における型押しされた
素材単板の積層体を接着剤を介して圧締する工程を示す
図である。
【図10】図10は、実施例1の方法における圧締され
た積層体より人工杢単板を削成する工程を示す図であ
る。
【図11】図11は、実施例1の方法に従い製造された
鳥眼杢を有する木理の人工杢単板(バーズアイメープ
ル)の表面を撮影した写真である。
【図12】図12は、本発明の実施例2の方法により製
造される玉杢を有する木理の人工杢単板を模式的に示す
図である。
【図13】図13は、実施例2の方法において原料とし
て使用された木材フリッチ(樹種:ヤチダモ)の玉杢を
有しない表面を撮影した写真である。
【図14】図14は、実施例2の方法において素材単板
の型押しに使用されたプレス金型の上型を撮影した写真
である。
【図15】図15は、実施例2の方法において素材単板
の型押しに使用されたプレス金型の下型を撮影した写真
である。
【図16】図16は、図14に示されたプレス金型の上
型を表わす拡大斜視図である。
【図17】図17は、図15に示されたプレス金型の下
型を表わす拡大斜視図である。
【図18】図18は、実施例2の方法に従い製造された
タモ玉杢を有する木理の人工杢単板(ヤチダモ)の表面
を撮影した写真である。
【図19】図19は、従来の人工杢単板の典型的な例を
示す図である。
【図20】図20は、玉杢を有する木理に似せた従来の
人工杢単板の一つの例を示す図である。
【符号の説明】
1 鳥眼杢を有する木理の人工杢単板 2 鳥眼杢 3 上型 6 下型 4、7 型面 5、8 鳥眼杢部位に対応する凹凸形態 9 素材単板 10 接着剤 11 玉杢を有する木理の人工杢単板 12 玉杢 13 上型 16 下型 14、17 型面 15、18 玉杢部位に対応する凹凸形態 20 積層体 1、2、・・・n−1、n 木理が連続する素材
単板の組

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1)ある樹種の木材フリッチの反復切削によ
    り、同一の樹種でかつ木理が連続する多数枚の素材単板
    の組を作る段階、 2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態が上型の型面と下
    型の型面とにそれぞれ形成された上下一対のプレス金型
    を用いて前記素材単板を各枚毎に型押しして、前記凹凸
    形態を該素材単板の表面に形成する段階、 3)型押しされた前記素材単板の組を再び木理が連続する
    ようにかつ接着剤を各単板間に介在させて積層し、そし
    てこれを前記プレス金型の上型と下型の間に配置して圧
    締する段階、および 4)圧締により得られた積層体を積層面に交叉する方向に
    切削して、所望厚の単板または板を作る段階より成る、
    人工杢単板または人工杢板の製造方法。
  2. 【請求項2】1)ある科またはある属の樹木の木材フリッ
    チの反復切削により、似た木肌を有しかつ木理が実質的
    に連続する多数枚の素材単板の組を作る段階、 2)天然木の杢部位に対応する凹凸形態が上型の型面と下
    型の型面とにそれぞれ形成された上下一対のプレス金型
    を用いて前記素材単板を各枚毎に型押しして、前記凹凸
    形態を該素材単板の表面に形成する段階、 3)型押しされた前記素材単板の組を再び木理が実質的に
    連続するようにかつ接着剤を各単板間に介在させて積層
    し、そしてこれを前記プレス金型の上型と下型の間に配
    置して圧締する段階、および 4)圧締により得られた積層体を積層面に交叉する方向に
    切削して、所望厚の単板または板を作る段階より成る、
    人工杢単板または人工杢板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法により製造された人
    工杢単板または人工杢板。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の方法により製造された人
    工杢単板または人工杢板。
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