JPS5855885B2 - 化粧単板の製法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、天然銘木調のつき板を、その天然感を損なう
ことなく、任意に再現できる化粧板の製造に関するもの
である。

従来、化粧単板と称されるものには、天然木のつき板、
紙あるいは塩化ビニールのシートに木目模様を印刷し、
それらを合板等の合板に接着したものがある。

しかし後者は木材のような調湿機能を果さずまた印刷で
あるため、天然木に感じられる肌触りや深みに欠ける。

さらに天然木のつき板を用いたものは、天然銘木の世界
的な枯渇状態や部止１りの悪さなどから非常に高級品化
している。

そこで本発明は、大量にある低級原木を使用して、高級
天然銘ホ調のつき板を得る方法を完成したものである。

すなわち本発明は木質単板を染色前（（あるいは染色後
に局部的に高圧下に圧縮して座屈させ、厚みむらをつけ
た単板を接着剤を介して型盤を用いて積層圧締した場合
、あるいは木質単板を所望の樹色に着色し、乾燥後、該
単板を局部的に圧締して厚みむらをつけつつ、接着剤を
塗布し、該単板を型盤を用いて積層圧締する。

このようにして作成されたフリッチを所望の厚さの単板
に切削して化粧単板を得る方法にかかる。

このようにして本発明は、局部的な座屈をそれぞれの目
的に応じて処方し天然銘木独特の自然感に満ちた深み・
柄をかもし出す事に成功したものである。

単板を染色する場合、染色条件によっては単板厚み方向
に色の濃度分布ができ、該単板を、たとえば凹凸曲面を
有する型盤下で積層圧締してフリッチ化し積層方向と平
行にスライスした場合、天然木の板目部分のような年輪
模様が得られる。

（年輪の夏材部分は、単板表・裏層の濃く染った部分と
接着層でまた春材部分は単板芯層の淡く染った部分に相
当する）。

しかしながら凹凸の少ない、比較的均一な厚みの単板を
用いた場合、第１図のように年輪部分１の太さが均一で
自然感に欠ける。

これは柾目イの場合（平板型で圧締した場合）も、板目
口の場合（平板型で圧締した場合）も同じである。

しかし本発明のように局部的に座屈させた単板を用いる
と、座屈部分が色ムラとして表われたり、臨接単板間が
互いに出入りして天然木の色調や深みをかもし出す。

すなわち単板に局部的な凹凸をつけた事により第２図の
ように板目口であれば年輪部分２を鋸歯状にすることが
でき、また柾目イであれば年輪３の春、夏材部の繊維方
向の太さのバラツキが表現でき、天然木に酷似した木理
を表現することができるのである。

なお、これらの場合、接着剤にも適宜の着色を施こすこ
とにより木理表現をバラエティ−に富むものとすること
ができる。

本発明の実施に耘いて用いられる装置接着剤、各工程の
操作などは従来よりこの分野にち・いて用いられるもの
と同様になされる。

そして得られた化粧単板の用途も、いわゆるつき板化粧
板などの表面として用いられるのである。

以上要するに原木より木質単板を調整する工程、そして
これを所望の樹色に着色する工程、接着剤を介して複数
枚重ね、ついで型盤で圧締してフリッチ化する工程、こ
のフリッチを所望の厚さの単板に切削する工程からなる
化粧単板の製法であって、該圧締工程前の何れかの工程
にむいて、木質単板の局部を高圧下に圧縮して座屈を生
せしめることにより厚みむらを設けることを特徴とする
ので天然の木理に近似した化粧板が得られるのである。

実施例 】 樹種としてジェルトンを用い、厚み１．０間、含水率１
２多の単板を第３図の形になるように圧縮して座屈させ
た。

この場合の圧縮（（は、型盤を用いてプレスに挾んで行
った。

この図で窪んだ個所４が座屈部分である。

以上の座屈させた単板をチークの春材部に相当する色調
に染色した（この単板をＡとする）。

また、樹種ジェルトン、厚み０．７關、含水率１２φの
単板を、チーク夏材部の色に染色した（この単板をＢと
する）。

上記Ａ−Ｂの単板にウレタン系接着剤を片面塗布し、Ａ
、Ｂの単板を交互に金型上で、積層圧締してフリッチ化
した。

このフリッチ第４図（この図で５はフリッチ、６は刃）
に示す方向に厚さ０．３５ｍｍにスライスして、第５図
のように、春材部７が繊維方向に釦いて太い部分や細い
部分が現われた天然のチーク柾目に良く近似した木理の
化粧単板が得られた。

実施例 ２ 樹種バースウッド、厚み１關、含水率９条の単板を、第
６図に示すように菱形の窪み８を設けた。

これは凸の菱形を有する金型で圧縮して、その部分のみ
加圧座屈させることにより、形成した。

この窪んだ部分の厚みは０．７７１ｍであった。

以上の単板をローズ調に染色した後、含水率６０〜８０
饅１で乾燥した後、ローズ晩材部の色に着色した接着剤
誉片面塗布し、凹凸曲面を有する金型上で積層圧締し、
フリッチ化した。

該フリッチを単板積層方向と平行に、厚み０．５關でス
ライスしてローズ板目の木理を有する化粧単板を得た。

これは天然の単板に非常に近似していた。実施例 ３ 樹種ジェルトン、厚み］ ｍｍ、含水率１２多の単板を
、チーク調に染色し、含水率６０〜ＳＯｔで乾燥後、チ
ーク晩材部色に着色したウレタン系接着剤を塗布した。

塗布時に局部的に圧締して単板に厚みムラをつけた。

以上の単板を実施例２と同様にして、厚さ０．３闘のチ
ーク調板目の木理を有する化粧単板を得た。

これは自然感に満ちた単板であった。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の化粧単板を示す図、第２図イ、口、第
３図、第４図、第５図、第６図は本発明実施例を示す断
面図、斜視図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 原木より木質単板を調整する工程、つぎに木質単板
   を所望の樹色に着色する工程、木質単板の着色後接着剤
   を介して複数枚重ね、ついで型盤で圧締してフリッチ化
   する工程、このフリッチを所望の厚さの単板に切削する
   工程を含む化粧単板の製法であって、該圧締工程前であ
   り木質単板調整後の何れかの工程に釦いて、木質単板の
   局部を高圧下に圧締して座屈を生せしめることにより厚
   みむらを設けることを特徴とする化粧単板の製法。 ２ 木質単板を座屈させる工程が、木質単板の着色工程
   の前に置かれることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の化粧単板の製法。 ３ 接着剤が所望の色に着色されたものであることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項捷たは第２項記載の化粧
   単板の製法。