JP2006325347A - 電動機冷却手段の風量制御システム及び風量制御方法 - Google Patents

電動機冷却手段の風量制御システム及び風量制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 省エネルギー効果を得ることが可能な電動機冷却手段の風量制御システム及び風量制御方法を提供する。
【解決手段】 巻線7を備える電動機4と、電動機4を冷却すべき電動機冷却手段1と、電動機冷却手段1を駆動すべき駆動手段2、3と、駆動手段2、3の動作を制御すべき制御手段5とを備える電動機冷却手段の風量制御システム100であって、外気温度を検出すべき温度検出手段6と、巻線7の負荷情報を検出すべき電流検出手段8とを備え、駆動手段2、3の動作は、複数の項からなる制御式を介して制御され、当該制御式には、パラメータとして、巻線7の温度、電動機4の温度時定数、温度検出手段6により検出される外気温度、電流検出手段8により検出される電流値を用いて算出可能な電動機負荷電流二乗平方根平均値RMS、及び、電動機冷却手段1の風量、が含まれる、電動機冷却手段の風量制御システム100とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動機冷却手段の風量制御システム及び風量制御方法に関し、特に、省エネルギー効果を得ることが可能な電動機冷却手段の風量制御システム及び風量制御方法に関する。
鉄鋼圧延設備等に代表される各種工場では、電動装置や設備等の駆動動力源として電動機が使用されており、かかる電動機は、時間の経過と共に発熱する。電動機が過度に発熱すると、電動機の焼損事故等に至る危険があるため、電動機は、冷却ファン等に代表される電動機冷却手段(以下において、単に「冷却ファン」と記述することがある。)から風を送る等の方法により、冷却されている。
一方、電動機を冷却すべき冷却ファンの駆動時には、電力(エネルギー)を消費する。そのため、省エネルギー効果を得るという観点から、電動機の冷却は、電動機の冷却効率を確保しつつ、エネルギーの浪費を抑制可能な形態で実施されることが好ましい。
これまでに、電動機の冷却制御システムに関する技術は、いくつか開示されてきている。例えば、特許文献1には、電動機の負荷電流と送風量等の測定データに基づいて冷却風量を制御する、回転電機の冷却装置用制御装置に関する技術が開示されている。かかる技術によれば、無駄な送風を省いて省エネルギーを図ることが可能になるとしている。
また、特許文献2には、巻線を備える電動機の負荷電流の二乗平均平方根値(RMS)と、電動機の巻線の熱時定数とを組み合わせた等価二乗平均平方根値(等価RMS)とを用いて、巻線の温度上昇の推定計算値を演算することにより必要風量を求める、モータ冷却制御システムに関する技術が開示されている。かかる技術によれば、冷却風量を精度良く制御することが可能になり、省エネルギーに適したモータ冷却制御システムが得られるとしている。
さらに、特許文献3には、冷却ファンを備えた他力通風型電動機の冷却風量と電動機の熱的等価負荷との関係を予め設定しておき、電動機の熱的等価負荷を求め、この熱的等価負荷によって冷却風量を決定するとともに冷却ファンの回転数を制御して冷却風量を所定値にコントロールする、電動機冷却ファンの風量制御方法に関する技術が開示されている。かかる技術によれば、電動機冷却のための無駄な電力消費をなくすこと、及び、圧延材料未到来等の待機状態における風量低減が可能になるとしている。
特開2003−284289号公報 特開2004−180454号公報 特開昭62−58851号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、負荷電流と送風量との関係を実測する手間が必要になるほか、電動機の巻線温度を自由に設定し難いという問題があった。
また、特許文献2に開示されている技術では、電動機を冷却すべきファンの外気温度による電動機の温度上昇変化分が考慮されていないため、かかる技術を鉄鋼圧延設備等に適用すると、省エネルギー効果がほとんど得られないという問題があった。
さらに、特許文献3に開示されている技術では、熱的等価負荷がプラント全体の稼働率から算出されるので、プラント内の各電動機の負荷がばらついている場合には演算制御された冷却風量が不適切となりやすい。そして、演算制御された冷却風量が過小風量となった場合には電動機焼損事故が懸念されることから、かかる制御では温度の十分な余裕をもって風量が制御される。そのため、特許文献3に開示されている技術では省エネルギー効果が得られ難いという問題があった。
そこで、本発明では、省エネルギー効果を得ることが可能な電動機冷却手段の風量制御システム及び風量制御方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、巻線(7)を備える電動機(4)と、電動機(4)を冷却すべき電動機冷却手段(1)と、電動機冷却手段(1)を駆動すべき駆動手段(2、3)と、駆動手段(2、3)の動作を制御すべき制御手段(5)とを備える電動機冷却手段の風量制御システム(100)であって、外気温度を検出すべき温度検出手段(6)と、巻線(7)の負荷情報を検出すべき電流検出手段(8)とを備え、制御手段(5)は、複数の項からなる制御式を用いて駆動手段(2、3)の動作を制御し、当該制御式には、パラメータとして、巻線(7)の温度、電動機(4)の温度時定数、温度検出手段(6)により検出される外気温度、電流検出手段(8)により検出される電流値を用いて算出可能な電動機負荷電流二乗平方根平均値RMS、及び、電動機冷却手段(1)の風量、が含まれることを特徴とする、電動機冷却手段の風量制御システム(100)により、上記課題を解決する。
ここで、本発明にかかる電動機(4)の具体例としては、鉄鋼用プラントで使用される大型直流機や交流機等を挙げることができ、電動機冷却手段(1)の具体例としては、冷却ファン等を挙げることができる。また、電動機冷却手段(1)を駆動すべき駆動手段(2、3)の具体例としては、インバータ(3)によって駆動される冷却ファン用電動機(2)等を挙げることができる。なお、RMSとは、Root Mean Squareの略であり、電動機の発熱状態を近似的に示す保守監視情報として活用され、負荷電流から容易に得ることが可能である。電動機の負荷電流をi(t)、tを現在時間、Tを電動機熱時定数分の時間とするとき、RMSは下記式2から算出することができる。
Figure 2006325347
上記第1の本発明において、巻線(7)の温度を検出すべき温度検出手段(9)がさらに備えられていることが好ましい。
さらに、上記第1の本発明において、制御式が下記式1であることが好ましい。
Figure 2006325347
ここで、Tは巻線(7)の温度(℃)、Tは外気温度(℃)、RMSは電動機負荷電流二乗平方根平均値、Qは商用運転時における電動機冷却手段(1)の風量(m/h)、Qは電動機冷却手段(1)の出力風量(m/h)、Tm0は予め測定した電動機(4)の温度(℃)、Tl0は予め測定した電動機(4)から排出される風の温度(℃)、T00は予め測定した電動機(4)の吸気温度(℃)、及び、tは電動機(4)の温度時定数である。なお、Qは、電動機の仕様により定まり、具体的には、電動機の定格風量のことである。また、上記Tm0、Tl0、及びT00は、電動機の出荷前に、電動機に100%の電流を流して行われる温度上昇試験によって計測され、これらの値は、電動機の購入時に示されるデータ表に記載されている。さらに、電動機の温度時定数tは、電動機に電流が流れてから電動機の温度が電流に対応した目標温度になるまでの時間を表すパラメータであり、電動機の形状や冷却方法によって異なるが、通常、10分から20分程度である。
第2の本発明は、巻線(7)を備える電動機(4)を冷却すべき電動機冷却手段(1)の風量を制御する、電動機冷却手段の風量制御方法であって、電動機(4)の負荷電流は電流検出手段(8)により検出されるとともに、外気温度は温度検出手段(6)により検出され、電動機冷却手段(1)は、制御手段(5)により動作を制御される駆動手段(2、3)を介して駆動され、該駆動手段(2)の動作が、複数の項からなる下記式1を用いて制御されることを特徴とする、電動機冷却手段の風量制御方法により、上記課題を解決する。
Figure 2006325347
ここで、Tは巻線(7)の温度(℃)、Tは外気温度(℃)、RMSは電動機負荷電流二乗平方根平均値、Qは商用運転時における電動機冷却手段(1)の風量(m/h)、Qは電動機冷却手段(1)の出力風量(m/h)、Tm0は予め測定した電動機(4)の温度(℃)、Tl0は予め測定した電動機(4)から排出される風の温度(℃)、T00は予め測定した電動機(4)の吸気温度(℃)、及び、tは電動機(4)の温度時定数である。
第1の本発明によれば、外気温度や電動機負荷電流二乗平方根平均値RMS等をパラメータとして含む制御式を介して、電動機冷却手段(1)の風量Q(以下において、「必要風量」と記述することがある。)を制御するため、電動機冷却手段(1)の外気温度による電動機(4)の温度上昇変化分を考慮した制御を行うことが可能になるほか、各電動機(4)を冷却すべき電動機冷却手段(1)毎の風量を制御することが可能になる。したがって、第1の本発明によれば、電動機冷却手段(1)のエネルギー浪費を抑制することが可能になるため、省エネルギー効果を得ることが可能な電動機冷却手段の風量制御システム(100)を提供することが可能になる。
上記第1の本発明において、さらに、巻線(7)の温度を検出すべき温度検出手段(9)が備えられていれば、制御装置により算出される巻線(7)の温度と、実際に検出される巻線の温度との差を比較することで、巻線(7)の温度が過度に上昇した電動機(4)の異常を監視することが容易になる。したがって、かかる構成とすることで、上記効果に加え、電動機の異常を監視することが可能な、電動機冷却手段の風量制御システム(100)を提供することが可能になる。
加えて、上記第1の本発明において、制御式として式1を利用すれば、かかる式1は、巻線(7)の温度Tと、外気温度Tと、電動機負荷電流二乗平方根平均値RMSと、電動機冷却手段(1)の風量Qとの関係を精度良く関係付けた式であるため、各電動機(4)を冷却すべき各電動機冷却手段(1)の風量を適当な量に制御することが可能になる。したがって、かかる構成とすることで、電動機冷却手段(1)のエネルギー浪費を抑制することが可能になるため、省エネルギー効果を得ることが可能な電動機冷却手段の風量制御システム(100)を提供することが可能になる。
第2の本発明によれば、巻線(7)の温度T、温度検出手段(6)によって検出される外気温度T、及び、電流検出手段(8)による検出結果を介して算出される電動機負荷電流二乗平方根平均値RMS等の関係を精度良く関係付けた式1を用いて、電動機冷却手段(1)の風量が制御されるので、各電動機(4)を冷却すべき各電動機冷却手段(1)の風量を、過不足のない量に制御することが可能になる。したがって、第2の本発明によれば、電動機冷却手段(1)のエネルギー浪費を抑制することが可能になるため、省エネルギー効果を得ることが可能な電動機冷却手段の風量制御方法を提供することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、鉄鋼用プラントで使用される大型直流機や交流機等を冷却する冷却手段の風量制御システム、及び、風量制御方法について記述するが、本発明を適用可能な電動機はこれらの電動機に限定されるものではなく、他力ファンにより強制冷却される電動機であれば、他の電動機であっても良い。
図1は、本発明の電動機冷却手段の風量制御システム(以下において、単に「風量制御システム」と記述する。)の構成例を示す概略図である。図示のように、電動機4は、冷却ファン1から風を送られることにより、冷却される。冷却ファン1は、駆動手段としての冷却ファン用電動機2により駆動され、かかる冷却ファン用電動機2は駆動手段としてのインバータ3から電力を供給されることにより駆動している。そして、電流検出手段8による電動機4の負荷情報の検出結果、及び、温度検出手段6による外気温度の検出結果が制御手段5へと送られる。なお、電動機4に備えられる巻線7の温度は、温度検出手段9により、検出されている。
本発明にかかる制御手段5には、風量制御システム100の動作制御を実行するCPU51と、そのCPU51に対する記憶装置とが設けられている。CPU51は、マイクロプロセッサユニット及びその動作に必要な各種周辺回路を組み合わせて構成され、CPU51に対する記憶装置は、例えば、風量制御システム100の動作制御に必要なプログラムや各種データを記憶するROM52と、CPU51の作業領域として機能するRAM53等を組み合わせて構成される。当該構成に加えて、さらに、CPU51が、ROM52に記憶されたソフトウエアと組み合わされることにより、本発明の風量制御システム100における制御手段5が機能する。
温度検出手段6により検出される外気温度41に関するデータ、及び、電流検出手段8により検出される負荷電流42に関するデータは、入力ポート55を介して、入力信号としてCPU51へと到達する。CPU51では、上記負荷電流42を基に電動機負荷電流二乗平方根平均値RMSが演算される。そして、演算されたRMS、上記外気温度41、冷却ファン1の実際の風量Q’(m/h)、及び、電動機4の仕様から求まるパラメータを、後述する式1へと代入する(上記Q’の値は式1のQへ代入する)ことにより、巻線7の温度Tが予測演算される。そして、冷却ファン1から送風されて制御されるべき巻線7の制御後温度T’を式1に代入することにより、電動機4へと送風すべき冷却ファン1の風量Qを算出する。このようにして算出された風量Qに関する情報は、さらに、CPU51においてインバータ3への周波数指令へと変換され、当該周波数指令が、出力ポート56を介してインバータ3へと送られる。一方、CPU51では、温度検出手段9により検出された巻線温度と上記温度Tとの差を比較し、これらの温度に一定以上の差がある場合には、警報出力部57を介して警報を発する。
本発明にかかる制御手段5では、下記式1を用いて、巻線7の温度を算出する。
Figure 2006325347
ここで、Tは巻線7の温度(℃)、tは電動機4の温度時定数、Tは温度検出手段6によって検出される外気温度(℃)、RMSは電動機負荷電流二乗平方根平均値、Qは冷却ファン1の必要風量(m/h)、Qは冷却ファン1の定格風量(m/h)、Tm0は予め測定した電動機4の温度(℃)、Tl0は予め測定した電動機4から排出される風の温度(℃)、及び、T00は予め測定した電動機4の吸気温度(℃)である。これらのパラメータのうち、t、Q、Tm0、Tl0、及び、T00は、電動機4の仕様から求まるパラメータであり、例えば、出荷される前の電動機に100%の電流を流してその時の巻線の温度上昇を測定する温度上昇試験等により計測することが可能である。
このように、式1を用いれば、巻線7の温度Tを算出することが可能になる。そして、かかる式1に、巻線7の制御目標温度T’を、再び代入することにより、巻線7の温度を当該温度T’に制御する場合に必要とされる冷却ファン1の風量Qを算出することが可能になる。
上記式1を用いて算出された風量Qから、インバータ3へと送られる周波数が導出される過程について、以下に説明する。
冷却ファンの風量Qと冷却ファンの回転数N(rpm)との間には比例関係が成立する。したがって、下記関係式により、冷却ファンの風量Qから冷却ファンの周波数F(Hz)を導出することが可能である。
Figure 2006325347
Figure 2006325347
ここで、Qは冷却ファン1の必要風量(m/h)、Qは冷却ファン1の定格風量(m/h)、Nは商用運転時の回転数(rpm)、Pは電動機のポール数である。
本発明にかかるCPU51では、上記式1により算出された風量Qを上記式3へ代入することにより、冷却ファンの回転数Nが算出され、さらに、式3により算出された回転数Nを上記式4へと代入することにより、周波数Fが算出される。このようにして算出された周波数Fに関する情報(例えば、0〜50Hz等のデータ)は、さらに、ROM52に備えられるプログラム・データを基に、CPU51で、例えば、0〜10V等、若しくは4〜20mA等のデータへと変換(工学値変換)される。そして、変換されたデータが制御手段5の出力ポート56を介してインバータ3へと出力され、当該インバータ3及び冷却ファン用電動機2を介して、冷却ファン1の風量Qが制御される。
このように、本発明によれば、式1を用いることで、冷却ファン1から送り出される実際の風量Q’から巻線7の温度Tを予測可能である。そして、巻線7の制御目標温度T’を上記式1へ代入することにより、冷却ファン1から送り出されるべき最適な風量Qを算出可能であり、こうして得られた風量Qを用いて冷却ファン1の動作を制御することが可能になる。すなわち、上記構成を備える本発明の電動機冷却手段の風量制御システムとすることで、冷却ファンによるエネルギーの浪費を抑制することが可能になり、省エネルギー効果を得ることが可能な電動機冷却手段の風量制御システムを提供することが可能になる。
加えて、図1に示す構成とすれば、温度検出手段9により検出される巻線7の温度と、上記式1により算出される巻線7の温度T(又はT’)との差(以下において、「閾値」と記述する。)が一定以上(例えば、20℃以上)である場合に、警報が発せられる。そのため、上記式1により算出される風量Qの風を送っても温度が低下しない、電動機4の状況を把握することが可能になる。一般に、電動機の汚損が著しく、電動機内のエアーダクトが完全に詰まる等の異常が存在すると、電動機に風を送っても冷却することが困難になる。すなわち、上記のように、巻線7の温度を検知する温度検出手段9を備える構成とすることで、電動機4の異常を検知することが可能な、電動機冷却手段の風量制御システム100を提供することが可能になる。
ここで、本発明において、上記閾値は、20℃に限定されるものではなく、温度検出手段9の異常診断という観点から、例えば、0〜90℃の範囲で適宜設定することができる。
なお、上記説明では、電動機の温度を検出すべき温度検出手段が備えられている形態について記述したが、かかる温度検出手段を備えない構成であっても、電動機冷却手段の風量を制御可能であるため、省エネルギー効果を得ることが可能な電動機冷却手段の風量制御システムを提供することが可能になる。
また、上述のように、式1を用いて電動機冷却手段の風量を制御すれば、電動機冷却手段の風量を最適な量に制御することが可能になるため、エネルギーの浪費を抑制することが可能になる。したがって、冷却ファンの風量制御方法を上記方法とすることにより、省エネルギー効果を得ることが可能な電動機冷却手段の風量制御方法を提供することが可能になる。
上記説明では、巻線の制御目標温度から冷却ファンの風量を算出する際にも上記式1を用いる形態について記述したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。上記制御手段の計算負荷を軽減する等の観点からは、上記式1及び式3から予め下記の簡易式5を導出しておき、かかる式5に上記温度T’を代入することにより、風量Qを算出しても良い。
Figure 2006325347
ここで、式5におけるN、α、及びβと、上記Q、Q、Tm0、Tl0、及びT00との間には、それぞれ、以下の関係が成り立つ。
Figure 2006325347
Figure 2006325347
Figure 2006325347
ここで、Pは定格運転時における冷却ファンの伝熱流(W)、Pは必要風量Qを送る場合における冷却ファンの伝熱流(W)である。
1.予測精度評価試験
上記式1を用いて算出した巻線の温度Tmと、温度検出手段9により検出した巻線の温度との関係を、図2(a)と図2(b)に示す。(a)は直流機のケース、(b)は交流機のケースである。図2(a)、(b)より、本発明にかかる式1によれば、巻線の温度を精度良く予測可能であることが分かる。
2.省エネルギー評価試験
上記式1により算出される量の風を冷却ファンから送ることにより、電動機の温度を一定(90℃)に制御し、当該制御時における省エネルギー量を評価した。RMS=100%と仮定した場合における、冷却ファンの風量と外気温度との関係を図3に示す。また、当該試験で使用した電動機の仕様を表1にあわせて示す。なお、RMS=100%とは、100%の電流が流れて連続運転されている状態を意味している。ここで、図3の縦軸である風量(%)は、表1に示す各電動機の温度を一定(90℃)に制御する場合に必要とされる、冷却ファンの定格風量(表1参照)に対する風量の割合(%)を意味している。
Figure 2006325347
上記表1において、必要風量とは、RMS=100%の場合に各電動機の温度を一定(90℃)に保つ際に、冷却ファンから各電動機へと送る必要がある風量を意味している。
図3より、電動機毎に省エネルギー量(省エネルギー電力(kW))が異なることがわかる。これは、電動機毎の温度上昇特性差や冷却ファンの能力等の影響によるものだと考えられる。したがって、本発明により十分な省エネルギー効果を得るという観点からは、冷却ファン毎の吸気温度(外気温度)を温度検出手段により検出するとともに、上記式1を用いて電動機毎の巻線温度を予測することが好ましい。
なお、省エネルギー電力Eは、下記式9により導出することができる。
Figure 2006325347
ここで、E1は従来の冷却ファンにおける動力(kW)、E2は省エネルギー後の冷却ファン動力(kW)、Wは省エネルギー後風量(%)であり、従来の冷却ファンにおける動力とは定格(商用)運転時の消費電力を、省エネルギー後の冷却ファン動力とは回転数制御(INV)運転時の消費電力を、省エネルギー後風量とは外気温度に応じた必要風量を、それぞれ意味している。そして、Wは、図3の外気温度に応じた必要風量(%)から読み取ることができる。
なお、図3では、便宜上、RMS=100%と仮定して省エネルギー量を評価しているが、実際の操業時におけるRMSは100%未満(例えば、RMS=20〜60%程度)である。したがって、実際の操業時には、図3の場合よりもRMSの値が小さく、巻き線の発熱量が小さいため、図3よりも多くの省エネルギー効果が得られると考えられる。
上述のように、電動機毎に省エネルギー量が異なるため、本発明の省エネルギー効果を最大限に得るという観点からは、電動機毎に外気温度を検出し、当該電動機を冷却すべき冷却ファン毎の風量を算出することが好ましい。一方で、省エネルギー効果とシステム構築の経済性とを両立させるという観点からは、複数配置される冷却ファンのうちその外気温度が最高となる箇所の温度のみを用いてシステムに備えられる全冷却ファンの風量を制御する等の形態としても良く、かかる形態も本発明の一形態とすることが可能である。
3.電動機監視試験
図4に、温度検出手段9による、巻線温度の検出結果を示す。図4の縦軸は検出された巻線温度(℃)、横軸は、時間を示している。なお、上記式1により予測される、本試験にかかる巻線温度は、約40℃であった。また、図中の「OH実施」とは、オーバーホールの実施を意味しており、かかる時点で電動機を水や洗浄材で洗う洗浄オーバーホールを実施することにより、電動機に付着した汚れを除去した。
図4より、OH実施前の巻線温度は約70℃程度であったのに対し、OH実施後の巻線温度は約40℃程度であった。すなわち、図4におけるOH実施前の巻線は、上記式1により算出される巻線温度と、温度検出手段9により検出される温度との差が30℃程度であったことを意味している。OH実施時に、かかる電動機を解体したところ、当該電動機は汚損が著しく、電動機内のエアーダクト(冷却風を貫通させる部分)が略完全に閉塞され、所定の風量を冷却ファンから送っても、電動機温度が低下し難い状況であった。そして、OH実施後には上記汚損が除去され、冷却ファンによる冷却が正常に機能した結果、OH実施後の巻線温度は約40℃となった。したがって、電動機監視試験により、例えば、上記閾値を20℃程度に設定すれば、汚損が著しく、予測通りに温度が低下しない電動機の異常を認識可能であることが分かる。したがって、巻線の温度を検出する温度検出手段を備える電動機冷却手段の風量制御システムとすることで、電動機の異常を監視可能であることが確認された。
本発明の電動機冷却手段の風量制御システムの構成例を示す概略図である。 直流機における巻線の温度の予測値と、温度検出手段により検出される巻線の温度との関係を示す図である。 交流機における巻線の温度の予測値と、温度検出手段により検出される巻線の温度との関係を示す図である。 冷却ファンの風量と外気温度との関係を示す図である。 温度検出手段による巻線温度の検出結果を示す図である。
符号の説明
1 冷却ファン(電動機冷却手段)
2 冷却ファン用電動機(駆動手段)
3 インバータ(駆動手段)
4 電動機
5 制御手段
6、9 温度検出手段
7 巻線
8 電流検出手段
100 電動機冷却手段の風量制御システム

Claims (4)

  1. 巻線を備える電動機と、該電動機を冷却すべき電動機冷却手段と、該電動機冷却手段を駆動すべき駆動手段と、該駆動手段の動作を制御すべき制御手段とを備える電動機冷却手段の風量制御システムであって、
    外気温度を検出すべき温度検出手段と、前記巻線の負荷電流を検出すべき電流検出手段とを備え、
    前記駆動手段の動作は、複数の項からなる制御式を介して制御され、該制御式には、パラメータとして、前記巻線の温度、前記電動機の温度時定数、前記温度検出手段により検出される外気温度、前記電流検出手段により検出される電流値を用いて算出可能な電動機負荷電流二乗平方根平均値RMS、及び、前記電動機冷却手段の風量、が含まれることを特徴とする、電動機冷却手段の風量制御システム。
  2. 前記巻線の温度を検出すべき温度検出手段がさらに備えられていることを特徴とする、請求項1に記載の電動機冷却手段の風量制御システム。
  3. 前記制御式が下記式1であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電動機冷却手段の風量制御システム。
    Figure 2006325347
    :巻線の温度(℃) T:外気温度(℃)
    RMS:電動機負荷電流二乗平方根平均値
    :商用運転時における電動機冷却手段の風量(m/h)
    Q :電動機冷却手段の出力風量(m/h)
    m0:予め測定した電動機の温度(℃)
    l0:予め測定した電動機の排風温度(℃)
    00:予め測定した電動機の吸気温度(℃)
    :電動機の温度時定数
  4. 巻線を備える電動機を冷却すべき電動機冷却手段の風量を制御する、電動機冷却手段の風量制御方法であって、
    前記電動機の負荷電流は電流検出手段により検出されるとともに、外気温度は温度検出手段により検出され、
    前記電動機冷却手段は、制御手段により動作を制御される駆動手段を介して駆動され、該駆動手段の動作が、複数の項からなる下記式1を用いて制御されることを特徴とする、電動機冷却手段の風量制御方法。
    Figure 2006325347
    :巻線の温度(℃) T:外気温度(℃)
    RMS:電動機負荷電流二乗平方根平均値
    :商用運転時における電動機冷却手段の風量(m/h)
    Q :電動機冷却手段の出力風量(m/h)
    m0:予め測定した電動機の温度(℃)
    l0:予め測定した電動機の排風温度(℃)
    00:予め測定した電動機の吸気温度(℃)
    :電動機の温度時定数
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