JP2006324491A - チップコイルおよびその製造方法 - Google Patents

チップコイルおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006324491A
JP2006324491A JP2005146587A JP2005146587A JP2006324491A JP 2006324491 A JP2006324491 A JP 2006324491A JP 2005146587 A JP2005146587 A JP 2005146587A JP 2005146587 A JP2005146587 A JP 2005146587A JP 2006324491 A JP2006324491 A JP 2006324491A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
wiring
colored layer
coil
colored
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005146587A
Other languages
English (en)
Inventor
Michio Oba
美智央 大庭
Toshiyuki Atsumi
俊之 渥美
祐一 ▲高▼橋
Yuichi Takahashi
Shinya Matsutani
伸哉 松谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2005146587A priority Critical patent/JP2006324491A/ja
Publication of JP2006324491A publication Critical patent/JP2006324491A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】従来の配線は着色されていなかったので、コイルパターンを微細化することが難しかった。
【解決手段】配線102の一面を着色させることで、配線102を硬化済感光性レジスト108の中に内蔵しながらビア等を介して多層に形成する場合でも、配線102による乱反射による感光性レジストの不必要な硬化(あるいは被り)を防止できるため、チップコイルの配線102やビア104の微細化、高精度化が可能となり、製品の小型化や高性能化が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、チップコイル及びその製造方法に関するものであり、携帯電話や各種小型機器に広く使われる電子部品に関するものである。
従来のチップコイルは、セミアディティブ法で代表される製造方法で作られていた。
図9は従来工法によるコイルの構造を示す斜視図である。図9において、2は基板であり、その表面には配線4が形成されて、配線4はモールド樹脂6で覆われており、前記配線4の一部は外部電極8に接続されている。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
特開平9−270355号公報
従来のチップコイルは、露光時に配線表面の乱反射の影響により、その配線を微細化しにくいと言う課題を有していた。
こうした従来の課題について、コイルの製造方法を例に更に詳しく説明する。図10は従来コイルの電極パターンを形成する様子を示す断面図である。
図10(A)において基板2の上には下地電極膜10が形成されている。そして図10(B)に示すように下地電極膜10の上にレジスト12を用いて所定パターンを形成する。その後図10(C)に示すようにして、下地電極膜10のレジスト12の形成されていない部分に電極4を電気めっきで析出形成する。その後で図10(D)に示すように、レジスト12を除去することで、基板2の上に下地電極膜10を介して電極4を所定パターンとして形成できる。
しかし図10(D)の状態では複数の電極4の間に下地電極膜2が形成されているため、複数の電極4の間は絶縁されていない。
次に図11を用いて複数の電極4の間を絶縁する様子を示す。図11は従来コイルの電極パターンを形成する様子を示す断面図であり、矢印14はエッチング方向を示す。
図11(A)はサンプルがエッチング液(図11では図示していない)の中で、電極4が徐々に溶解される様子を示す断面図である。まず図11(A)に示すように、図10(D)のサンプルを、所定のエッチング液に浸漬する(図11においてエッチング液は記載していない)。すると図11(A)に示すように電極4や下地電極膜10は矢印14の方向にエッチングされ細っていく。図11(B)は、エッチングの途中の様子を示す断面図であり、図11(B)において点線16は、電極4や下地電極膜10の元の位置(元の厚みもしくはエッチング前の状態)に相当する。図11(B)に示すように電極4や下地電極膜10は点線16(図11(A)に相当する)位置から、矢印方向にエッチングされ細っていく。なお図11(B)の状態では複数の電極4の間には下地電極膜10が残っているので、まだ絶縁状態にはない。図11(C)はエッチングが終了した後の様子を説明する断面図である。図11(C)において下地電極膜10は配線4の直下にしか残っておらず、複数の電極4の間には残っていない。このように図11(C)の状態にすることで複数の電極4同士を絶縁することができる。しかし図11(C)では矢印14の方向に一定量エッチングされたため、点線16が示すように電極4本体(あるいはその断面積)が細ってしまう。このように従来の方法では出来上がったチップコイルの電極の断面積が低下するため、コイル特性が影響される可能性があった。
次に感光性樹脂を用いて微細パターンを形成する場合の課題について図12を用いて説明する。
図12は配線をレジストで覆った後に露光する場合の課題について説明する断面図である。図12において配線は感光性レジストで覆われ、その感光性レジストに微細な孔を形成する様子を説明する断面図になる。図12においてマスク18の所定部分にはCr等で形成された遮光部20が所定パターン状に形成されている。また基板2の上には配線4が予め形成されており、この配線4の上には未硬化感光性レジスト14が所定厚みで形成されている。ここで図12(A)に示すように、マスク18を介し光24を未硬化感光性レジスト14に照射した場合、光24の一部は遮光部20で遮光され、残りの光24が未硬化感光性レジスト14を硬化させる。この際に光24の一部は配線4の表面で乱反射され、乱反射26となる。そしてこの乱反射26が、感光させたくない部分の未硬化感光性レジスト14を感光、硬化させてしまう。
図12(B)は乱反射光の影響を受けていない場合の断面図であり、求める姿に相当する。開口部28は高精度に形成されており、感光性レジスト22で形成された開口部28の内部には配線4が露出している。
図12(C)は乱反射光の影響を受けた場合の断面図であり、実際の例に相当する。図12(C)に示すように乱反射光の影響を受けた場合、開口部28の底(特に配線4の表面近く)の感光性レジスト22が乱反射26の影響を受けて硬化する。そして開口部28の底に感光性レジストの硬化物等からなるレジスト残渣34が発生し、この影響で開口部28において配線4が露出しにくくなる。なお本実施の形態において、乱反射には配線4の表面における散乱光も含む。
このように乱反射によって形成されたレジスト残渣34は、配線の微細化、小型化、特に開口部28の微細化を難しくし、製品歩留まりにも影響を与える。特に配線4に金属材料等の導電体を用いた場合、その表面で乱反射26が発生しやすい。また配線4の表面を滑らかにした場合でも、乱反射26の方向性が鋭くなるため、露光時に傾きや露光条件等による方向によっては乱反射26に強く現れてしまう場合がある。このような乱反射26の影響は、特に開口部28のアスペクト比(縦横の比、例えば開口部の幅が10μm、高さが50μmの場合、アスペクト比は50/10=5となる)の影響を受けやすい。そのため高アスペクトのレジストパターンを形成しようとする場合、配線4による乱反射の影響によってアスペクト比を大きくすることが難しかった。
更に図12において、配線4の上に形成された感光性レジスト22もレジスト残渣34も透明であるため、サンプル表面を顕微鏡等で観察しただけでは、開口部28の内部にレジスト残渣34が残っているのか、残っていないのか、判断することが難しかった。
本発明は上記課題を解決するもので、配線の一面を着色することで、露光時の配線表面の乱反射を防止し、小型で高性能のチップコイルを安価に提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、硬化物からなる絶縁性樹脂の中に、内蔵された電極の一面が他の面と異なる色に着色されているチップコイルであり、内部電極の一面を他の面と異なる色合いもしくは色調とすることで、チップコイルの裏表の判別を容易にすると共に、電極を埋め込んだ状態で樹脂を硬化させる場合の乱反射光によるパターン精度への影響を低減できるため、特性の優れたチップコイルのばらつきを抑えながら一括して製造することができる。
本発明のチップコイルおよびその製造方法は、配線の一面を着色することでその裏表、あるいは製造途中での乱反射を低減できるため微細なパターンであっても高精度に形成できるチップコイルおよびその製造方法である。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、本発明の特に請求項1、4、5、6、8の発明について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のコイルの構造を示す図である。図1(A)は本発明のコイルの斜視図(透視図)である。図1において100は点線であり、図1において外形を示すものである(本来点線100で囲まれた部分までは硬化性樹脂が形成されているが、図1(A)では図示していない)。また104はビアであり、ビア104は複数の配線102の層間接続部分に相当する。そして複数層で形成された配線102は、所定位置に形成されたビア104によって螺旋状もしくはコイル状に接続されている。106は外部電極であり前記螺旋状に形成された配線102はその一部が複数の外部電極106に各々接続されている。図1(B)は、本発明のコイルの内部構造を模式的に説明する断面図であり、図1(B)において、108は硬化済感光性レジスト、110は着色層である。図1(B)において着色層110は配線102の一面のみに形成された状態で、硬化済感光性レジスト108の中に埋め込まれている。図1(B)に示すように着色層110を形成することで、後述するように硬化済感光性レジスト108に形成する開口部のアスペクト比を高めたり、硬化済感光性レジスト108と配線102の密着強度を高めたり、露光時での作業性(露光時に位置合わせも含む)を高めるという優れた作用効果が得られる。なお図1(A)において着色層110は図示していない。
次に更に図2から図8を用いて更に詳しく説明する。
図2から図8は配線の着色工程を用いたコイルの製造方法を説明する断面図である。図2は配線を形成する様子を示す断面図である。図2(A)において112は下地であり、その表面には硬化済感光性レジスト108が所定パターンとして形成されている。なおここで下地112としてはシリコン基板や金属基板、ガラス基板等の一時的な土台であっても良く、また製品時には外されるものであっても良い。また後述するような感光性レジストとめっきからなる積層途中の仕掛物であっても良い。
図2(B)において114は下地導電膜であり、下地112や硬化済感光性レジスト108の表面を覆うように形成されている。下地導電膜114の形成方法としては、無電解めっきでも良いが。薄膜(スパッタ等)を用いることもできる。このようにして下地112や硬化済感光性レジスト108の表面に、密着性の高い下地導電膜114を形成する。なお下地導電膜114の材料としては、ニッケル、銅、クロムのような導電体を使うことができ、この場合下地導電膜114の導電性を利用して次工程で電気めっきを行うことができる。なお下地導電膜114の厚みは0.001μm以上1μm未満が望ましい。厚みが0.001μm未満の場合、下地導電膜114の抵抗値が増加するため、電気めっきの下地としては使いにくい場合がある。また厚みが1μmを超える場合は、下地導電膜114の形成コストが増加しその内部応力によって下地導電膜114自身が下地112や硬化済感光性レジスト108の表面から剥離する場合がある。図2(C)は下地導電膜の上に電極を形成した様子を示す断面図である。図2(C)において下地導電膜114の導電性を利用することで、電気めっき等の技術を用いて安価にかつ高速で電極116を形成できる。次に余分な電極116や下地導電膜114を研磨等で除去することで、図3(A)の状態が得られる。またこうして形成した電極116が図1等の配線102となって硬化済感光性レジスト108の内部に埋め込まれる。
図3は露光の様子を示す断面図である。図3を用いて露光時の乱反射光が低減できる様子について説明する。図3(A)は不要部分の電極116や下地導電膜114を除去した後の断面を示す図である。次に図3(B)に示すように、電極116の上に着色層110を形成する。着色層110としては、後述するような電極116を構成する金属材料と選択的に化学反応する(もしくは化学吸着反応)する部材を用いることができる。着色層110の形成方法としては、化学的なものを選べる。あるいは電極116の表面に針状の細かい結晶を析出させる(またはエッチングで形成する)ことでも着色層110を形成できる。例えば着色層110を形成するとしては、硫酸と過酸化水素等からなるエッチング液を使うことができる。こうしたエッチング液を使うことで、銅の表面に光吸収性に優れた黒色の着色層110を形成できる。更にエッチング液の組成を最適化することで、着色層110として直径10μm以下の針状の銅からなる結晶を形成することができる。ここで直径が10μmを超えた着色層110を形成した場合、光吸収性が低下する場合がある。そのため針状結晶を形成する場合、直径は細いほど光吸収性が増加するので、着色層110とする場合、その直径は10μm以下(望ましくは5μm以下)が望ましい。
図3(C)は着色層の上に形成した感光性レジストを所定形状に露光する様子を説明する断面図である。図3(C)において118は光、120はマスク、122は遮光部であり、マスク120の一部に形成されている。また124は未硬化感光性レジストであり、硬化済感光性レジスト108や、電極116の上に形成された着色層110の上に一定厚みで形成されている。そして図3(C)に説明するように光118はマスク120を介して、未硬化感光性レジスト124を硬化させる。また光118の一部は、遮光部122で遮光されるため、未硬化感光性レジスト124を硬化させることは無い。特に図3(C)の場合、電極116の表面には着色層110が形成されているため乱反射26は殆ど発生しない(図3において乱反射26は図示していない)。そのため図3(C)に示すような露光時に、電極116の表面での乱反射26は影響しない。その結果、図4に示すような高アスペクト比を有する貫通孔を形成できる。また同時に微細なパターンを露光した場合でもこうした乱反射26の影響を受けないため、より高精度なパターン形成が可能であることは言うまでもない。
図4は高アスペクト比の貫通孔を形成する様子を説明する断面図である。図4(A)は着色層の形成された電極の上に、高アスペクトの貫通孔を作成した様子を示す断面図である。図4(A)に示すように、実施の形態1では、加工後の電極116の硬化済感光性レジスト108から露出した電極116の表面に着色層110を形成することで、乱反射を防止できるため高アスペクトのパターンを形成できる。またこうした着色層110が電極116の乱反射光を防止すると共に、その上に形成する硬化済感光性レジスト108との密着強度を高め電極116の酸化や変質防止効果を持たせられる。次に図4(B)に示すように開口部28に露出した着色層110をエッチングで除去する。このとき電極116の表面に着色層110を形成することで、開口部28の内部の状態を判断しやすい。次に図5を用いて更に詳しく説明する。
図5は開口部に着色層を形成することでエッチングが容易になる様子について説明する断面図である。図5に示すようにして開口部内部の着色状況を工程管理に使うことができる。図5(A)はコイルの一部の斜視図である。図5(A)において電極116の表面には着色層110が形成されている。そして図5(A)において電極116の左右面や底面には着色層110は形成されていない。
図5(B)は開口部内に感光性レジストがまだ残っている状態である。図5(B)において開口部28の内部にはレジスト残渣34が残っている。開口部の大きさが数十μmから数μm程度と小さくなればなるほど、顕微鏡等を用いても開口部28の底に残るレジスト残渣34の有無(特に硬化済感光性レジスト108もレジスト残渣34も共に透明なので)の判断が難しい。
図5(C)は開口部28の内部のレジスト残渣34が除去された後の姿である。また図5(D)は図5(C)のサンプルを着色層の除去液に浸漬した後の様子である。このように図5(C)の状態のサンプルであれば、所定の時間、現像した後、エッチング液(図5では図示していない)にサンプルを浸漬することで、図5(D)に示すように、開口部28に露出した着色層110だけを除去できる。こうした場合、透明な感光性レジストを介して、着色層110の色(例えば黒色や褐色等)に着色された電極116が観察され、開口部28の部分だけが、電極116が観察される(例えば銅を電極116に使用した場合、明るい橙色の銅色が見える)ため、開口部28に残ったレジスト残渣34が除去できたことが確認できる。また所定の現像時間を経過した後のサンプルの着色層110を除去するエッチング液に浸漬しても、開口部28の色が着色層110のままの色を提示している場合、まだ開口部28内部にレジスト残渣34が残っていることが判る。こうした場合レジストの現像や除去工程を調整できる。またプラズマアッシャー(例えば酸素やCF4等)処理等を行うことでもレジスト残渣34を除去できる。このように開口部28における着色層110をレジスト残渣34の有無を確認するマーカー(判断基準)として使える。
こうして図5等のサンプルを顕微鏡等で観察した場合、開口部28内部の着色層110の状態を観察することで、工程のエンドポイント(終了点)の明確化に利用できる効果が得られる。また開口部28の面積を小さくしても、あるいはコイルの寸法を小さくした場合でも(単位面積あたりの開口部28の個数が増加した場合でも)、工程管理が容易となる。
(実施の形態2)
本発明の特に請求項2の発明について図面を参照しながら説明する。
なお実施の形態1ではコイルはビアを介して多層化されたものを図示しているが、ビアを介していない配線が単層(例えば図9)からなるコイルを作成することも可能である。こうした場合、インダクタの特性を高めるためには、配線のピッチを狭くし、更に配線の断面積を大きくすることが必要となる。
こうした場合、本願に説明するように配線の一面を着色することで、狭ピッチでの露光時の乱反射光の影響を防止できる。
次に更に詳しく説明する。まず図9に示すようにしてピッチ30μm(配線幅20μm、配線間10μm)で、渦巻き状(蚊取り線香状)の配線4を形成することを試みた。まず図12に示すように所定のマスク(幅10μmの遮光部20が、ピッチ30μmで形成されている)を介して露光した。しかし10μmの距離で多数本が隣接する配線4からの乱反射26の影響を受けてしまい感光性レジストが被ってしまい(被るとは、レジストの露光に乱反射が悪影響してしまうことである)高精度なパターンが形成できなかった。また同様に形成した開口部28にもレジスト残渣34が発生しやすかった。そこで、同じサンプルで、ピッチを200μmに広げた(配線幅は20μmのままとして、配線間だけを180μmに広げた)ところ、距離180μmで隣接する配線4からの乱反射26の影響を抑えることができた。しかしこの場合、コイルを形成する配線4のピッチが広いためコイルの巻き数が限定され、コイル特性に影響を与えた。
そこで実施の形態2では、図3に示すように、電極116の表面に着色層110を形成した。そして図9に示すようにしてピッチ30μm(配線幅20μm、配線間10μm)で、渦巻き状(蚊取り線香状)の配線4を形成した。実施の形態2では、電極116の表面に着色層110を形成することで、10μmの距離で隣接する配線4からの乱反射26の影響を受けることなく高精度なパターンを形成できた。また同様に形成した開口部28も、乱反射26の影響を受けることなく、レジスト残渣34の無い開口部28が形成できた。
(実施の形態3)
本発明の特に請求項3、6、7の発明について図面を参照しながら説明する。
実施の形態3では、更に次にビアを介して多層化する場合について更に詳しく説明する。図6は開口部を利用してビアを形成する様子を説明する断面図である。図6(A)において下地112の上には、硬化済感光性レジスト108に覆われた電極116が形成されている。そして電極116の3方向(底面、左右面)は下地導電膜114によって、更に残り1面(上面)は着色層110で保護されている。まず図6(A)に示すように電極116の開口部28位置の着色層110を局所的に除去する。こうすることで電極116を形成する金属材料が露出している。
図6(B)は図6(A)のサンプルに、更に下地導電膜114を形成した様子を示す断面図である。図6(B)に示すように、下地導電膜114を開口部28の内部にも形成することで、開口部28を形成する硬化済感光性レジスト108や電極116とを密着する。なおここで下地導電膜114として、スパッタ等の真空蒸着方法を選ぶことで、下地112と硬化済感光性レジスト108や電極116との密着強度を高められることは言うまでもない。また真空中(必要に応じてセットし、アルゴンガス等で電極116の表面を叩けば、電極116の表面酸化層を除去しやすいので更に接続抵抗を下げられると共に、接続部分の信頼性を高められる)で処理できるので、電極116と導電下地110を確実に接続できる。
その後図7、図8のようにこうした工程を繰り返すことで、図1に示したように複数の電極層が組み合わされてなるコイル部品を製造できる。図7、図8は配線を多層化する様子を示す断面図である。図7(A)において下地112の上には、3面(左右と底面)が下地導電膜114によって強固に硬化済感光性レジスト108と接合された下地導電膜114に保護された電極116が形成されている。また電極116の上面には、着色層110が形成され、前記着色層110は硬化済感光性レジスト108と強固に接合されている。また硬化済感光性レジスト108に形成された開口部28は、電極116が形成され、ビア104を形成している。またビア104の壁面には下地導電膜114が形成され、硬化済感光性レジスト108との接着力アップを実現できる。なお図7において、電極116の形成方法としては、一般的な銅の電気めっき等を用いることができる。図7(B)は、余分な電極部分を除去した後の断面形状を示す図である。図7(B)と図7(A)との違いは、最上層(もしくは最表層)の余分な電極116やその下に形成されていた下地導電膜114が除去されていることである。なおこうした除去方法としては、CMP(化学的研磨)といった研磨方法を用いることで簡単かつ高精度に行うことができる。
図8は図7(B)で出来上がったサンプルの電極表面を着色加工した後の断面図である。図8において硬化済感光性レジスト108から露出した電極116の表面には、着色層110が形成されている。このように電極116を硬化済感光性レジストの内部に埋め込むことで、その必要面だけに着色層110を形成できる。更に図8の工程の後に図3等で説明した工程を必要回数行うことで、図1に示したような電極の一面側を着色させたコイル部品を製造できる。
なお電極116に銅を用いた場合、着色方法としては、銅の表面粗さを大きくする(銅表面に細かい針状結晶を析出させる)、銅に化学的吸着膜を形成する等の方法を用いることができる。またこれらの方法を併用することで、電極116の上に形成する感光性レジストとの密着性(アンカー効果)を高められる。電極116に銅を用いた場合、こうした着色方法として、硫酸過酸化水素系のエッチング液を用いることができる。具体的には、まず電極表面の錆びや汚れを落とした後、アルカリ系の洗浄液で表面処理する。こうすることで電極表面の残渣を確実に除去できる。アルカリとしては、濃度1から10wt%程度の苛性ソーダが望ましい。濃度1wt%以下の場合、処理時間が長くなる場合がある。また濃度が10wt%を超えると取り扱いに注意を要する場合がある。そして水洗した後、硫酸過酸化水素系のエッチング液で表面処理することで、銅表面を粗面化できる。またこの時、エッチング液に銅と反応する有機物を添加しておくことで、銅表面に有機銅皮膜を形成できると共に表面の耐酸性を高められる。なお粗面化の状態として、SEM(走査型顕微鏡)の数千倍で観察できるような、直径あるいはその長さ(あるいは高さ)が0.01μm以上10μm以下の細かい襞状(あるいはビロード布表面のように細かい突起が密集したような状態)が望ましい。細かい突起を密集させることで、露光時の乱反射を防止できると共に、感光性レジストとの密着力を高められる。なお直径5μm以上の突起の場合、光の乱反射防止効果が低下する場合がある。また直径0.01μm未満の細かい突起を密集させた場合、感光性レジストがその突起の隙間に入りにくくなる場合がある。なお本実施の形態において、着色方法としては表面自身を着色しても良いが、表面粗さを粗く(特に表面に金属の針状や突起状、襞状と)することで、表面が着色(茶色やこげ茶色等)でき、乱反射防止効果が得られると同時に基材との密着性(アンカー効果)を高められる。またこの着色の有無を判断することで、観察しづらい高アスペクトでのビア孔の底部分の状態を確実に判断できる。また着色層の厚みが0.01μm未満の場合、着色効果が得られにくい場合がある。また着色層の厚みが10μmを超えると、配線の微細化、ファイン化に影響を与える場合がある。また着色度合いは、配線102の色調と見分けられるものが望ましい。また本実施の形態のように、コイルの表面の下地電極膜と着色層で保護することで、硬化済感光性レジストとの密着を高める以外に、信頼性等も向上できる。例えば、下地電極膜や着色層としてニッケル等といったマイグレーション防止効果の高い部材を形成しても良い。
このように着色層110としてその表面形状を最適化することで、その表面の光反射率を50%以下に抑えることは容易である。一般の金属面の反射率は80%から90%程度なので、反射率を50%以下に抑えれば、充分着色層110としての効果が得られる。また反射率は10%以下と低い方が望ましい。なお反射率を0.1%未満に抑えようとするのはコスト面で実用的ではない。そのため反射率は0.1%以上50%以下(望ましくは10%以下)が望ましい。なお配線表面を染料や顔料、化学吸着膜等で黒色や褐色に着色した場合でも同様に反射率を50%以下とすることが望ましい。
また着色層110は全層に形成しても良く、また必要な配線102にだけ形成しても良い。また着色層110を最上層となる配線102の表面にも形成することで、製品の上下(もしくは裏表)を区別しやすくなる。
また本実施の形態では、下地導電膜114を用いて電極116を形成したが、下地導電膜114を形成せずとも電極116を形成することも可能である。また下地導電膜114の代わりに導電性の無いもの(例えば、無電解メッキや貴金属のコロイド)等を使うこともできる。
また下地導電膜114として感光性レジストに密着性の良い材料(例えば、Cr、Ti等の酸化されやすい金属部材は下地への密着性が高い)を選べる。またAgやCu、Ni等と言った抵抗値の低い部材を選んだ場合、出来上がったコイルの表面部分の抵抗値を低下させられるため、特に高周波領域での表皮効果による低抵抗化が可能となる。またNi等の耐マイグレーション性の高い部材を用いた場合、電極材料にマイグレーションしやすい金属材料を選んだ場合でも、マイグレーション防止効果が得られる。
このようにして感光性樹脂の硬化物からなる絶縁性樹脂の中に、少なくともその一端が外部電極に接続されたコイル状もしくは螺旋状に形成された電極が内蔵され、前記内部電極の一面が着色されているチップコイルであり、内部電極をコイル状もしくは螺旋状とした場合において、内部電極の一面を他の面と異なる色合いもしくは色調とすることで、チップコイルの裏表の判別が容易になる。また互いの配線が数十μmから数μmと狭ピッチで隣接したようなコイル状や螺旋状の電極を作成する場合では、感光性樹脂を硬化させる場合の乱反射光によるパターン精度、露光精度への影響を低減できるため、特性の優れたチップコイルのばらつきを抑えながら一括して製造することができる。
また本発明では感光性樹脂の硬化物からなる絶縁性樹脂の中に、少なくともその一端が外部電極に接続された内部電極が、ビア孔を介して複数層の電極が内蔵され、前記ビア孔が形成された電極の一面が着色されているチップコイルであり、ビアを介して複数層の電極の一面のみを着色することで、多層化した場合での下層だけ(例えば10層した場合では、1層から9層の全部に)、あるいは全層(最上層も含む)や隣接した内部電極からの露光時の乱反射光の影響を防止できるため、配線密度を高められるため各種コイル部品の高性能化が可能になる。
また本発明では着色は電極表面が粗面化もしくは針状化されてなる請求項1から3記載のチップコイルであり、配線の表面に針状結晶を析出させる等の粗面化処理を行うことで、露光時の乱反射光の発生を抑えられるため、加工精度を高められると共にその上に形成する感光性樹脂の硬化物からなる絶縁性樹脂との接着力(もしくは剥離強度)を高められる。
また本発明では着色は、電極の一面に吸着もしくは化学反応による請求項1から3記載のチップコイルであり、配線の表面に着色層を吸着もしくは化学的に形成することで、電極と吸着層の付着強度を高められると共に、前記吸着層の上に形成する感光性樹脂との接着力(もしくは剥離強度)を高められる。
また本発明では着色層の厚みを0.01μm以上10μm以下とすることで、着色層の厚みがコイルの特性への影響を抑えられる。
また本発明ではビア部分には、着色層が形成されていない請求項3記載のチップコイルであり、ビアと配線との接続部分(もしくはその界面)だけは、着色層を形成しないことによって、着色層が配線やビア部分の接続抵抗への影響が発生しないため、ビアを介して多層化したコイルであってもその電気特性への影響を及ぼしにくい。
また本発明では感光性樹脂で形成されたパターンの内部に下地導電膜を形成した後、前記下地導電膜を覆うように電極膜を形成し、前記電極膜の不要部分を除去した後、前記電極膜の表面を着色した後、感光性樹脂で覆うチップコイルの製造方法であり、電極膜の不要部を除去して得られた必要部のみに着色層を形成することで、配線の必要部分もしくはその一面のみに着色層を選択的に形成できるため、着色層のコイルの特性への影響を抑えられる。
本発明によれば、複雑な形状を有した微細な三次元的な電気回路を有するコイルのような電子部品であっても、露光時に課題となる乱反射光を抑制できるため微細な三次元構造のコイルであっても高精度に形成することができる。したがって高精度の三次元回路を有するコイル部品の製造が可能である。
本発明のコイルの構造を示す図 配線を形成する様子を示す断面図 露光の様子を示す断面図 高アスペクト比の貫通孔を形成した様子を説明する断面図 開口部内部の着色状況を工程管理に使う様子を示す断面図 開口部を利用してビアを形成する様子を説明する断面図 配線を多層化する様子を示す断面図 配線を多層化する様子を示す断面図 従来工法によるコイルの構造を示す斜視図 従来コイルの電極パターンを形成する様子を示す断面図 従来コイルの電極パターンを形成する様子を示す断面図 配線をレジストで覆い微細な孔を形成する様子を説明する断面図
符号の説明
100 点線
102 配線
104 ビア
106 外部電極
108 硬化済感光性レジスト
110 着色層
112 下地
114 下地導電膜
116 電極
118 光
120 マスク
122 遮光部
124 未硬化感光性レジスト
126 矢印

Claims (8)

  1. 感光性樹脂の硬化物からなる絶縁性樹脂の中に,内蔵された配線の一面が他の面と異なる色に着色されているチップコイル。
  2. 感光性樹脂の硬化物からなる絶縁性樹脂の中に、少なくともその一端が外部電極に接続されたコイル状もしくは螺旋状に形成された配線が内蔵され、前記内部電極の一面が着色されているチップコイル。
  3. 感光性樹脂の硬化物からなる絶縁性樹脂の中に、少なくともその一端が外部電極に接続された配線がビア孔を介して複数層に内蔵され、前記ビア孔が形成された配線の一面が着色されているチップコイル。
  4. 着色は電極表面が粗面化もしくは針状化されてなる請求項1から3記載のチップコイル。
  5. 着色は電極の一面に吸着もしくは化学反応による請求項1から3記載のチップコイル。
  6. 着色層の厚みは0.01μm以上10μm以下である請求項1から3記載のチップコイル。
  7. ビア部分には着色層が形成されていない請求項3記載のチップコイル。
  8. 感光性樹脂で形成されたパターンの内部に下地導電膜を形成した後、前記下地導電膜を覆うように電極膜を形成し、前記電極膜の不要部分を除去した後、前記電極膜の表面を着色した後、感光性樹脂で覆うチップコイルの製造方法。
JP2005146587A 2005-05-19 2005-05-19 チップコイルおよびその製造方法 Pending JP2006324491A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005146587A JP2006324491A (ja) 2005-05-19 2005-05-19 チップコイルおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005146587A JP2006324491A (ja) 2005-05-19 2005-05-19 チップコイルおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006324491A true JP2006324491A (ja) 2006-11-30

Family

ID=37543944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005146587A Pending JP2006324491A (ja) 2005-05-19 2005-05-19 チップコイルおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006324491A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011129575A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Tdk Corp 電子部品
JP2019186518A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コイル部品及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011129575A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Tdk Corp 電子部品
JP2019186518A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コイル部品及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006324489A (ja) チップコイル及びその製造方法
TW201330745A (zh) 基板製造方法、配線基板之製造方法、玻璃基板及配線基板
JP2004363281A (ja) 配線回路基板
TWI400024B (zh) 配線基板及其製造方法
JP5350138B2 (ja) 電気回路の製造方法、及びその方法により得られる電気回路基板
TWI541835B (zh) 配線電路基板之製造方法
TWI278264B (en) Wiring board manufacturing method
JPH09246719A (ja) 基板の導体層の形成方法
KR20120069987A (ko) 인쇄회로기판의 제조방법
JP2006324491A (ja) チップコイルおよびその製造方法
TWI317610B (en) Method of forming conductor wiring pattern
JP2005142254A (ja) 配線基板及びその製造方法
JP2009094438A (ja) コイル部品およびその製造方法
US20090155724A1 (en) Method for fabricating probe needle tip of probe card
JP2015532010A (ja) 導体パッドをプリント回路基板にゼロ・アンダーカット技術を用いて形成するための方法及び構造
TWI383724B (zh) 印刷電路板及其製造方法
TWI313716B (en) Metal electroplating process of electrically connecting pad structure on circuit board and structure thereof
KR20010065115A (ko) 인쇄회로기판 제조방법
JP2004087862A (ja) 半導体装置用テープキャリア
JP4626282B2 (ja) 抵抗素子内蔵基板の製造方法
JP2011181630A (ja) 配線基板の製造方法
JP4913082B2 (ja) 三次元構造体の製造方法および三次元構造体
JP4096680B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP2004274071A (ja) 半導体装置用基板並びに半導体装置及びそれらの製造方法
JP2008251750A (ja) 電気接続用バンプ形成方法