JP2006324398A - 配線基板 - Google Patents

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誠 永井
Hisashi Wakako
久 若子
Atsushi Uchida
敦士 内田
Masahito Morita
雅仁 森田
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Abstract

【課題】発光素子などの電子部品を所定の実装面に対し、目的とする姿勢にして確実に実装することが容易な配線基板を提供する。
【解決手段】複数のセラミック層(絶縁層)s1〜s4からなる基板本体2において発光ダイオード(電子部品)17の実装面であるキャビティ5の底面6に、平面視で実装すべき発光ダイオード17の底面形状に倣った形状の窪み7が形成されている共に、かかる窪み7の底面7a、側面7b、およびキャビティ5の底面6にまたがって、導体層10が連続して形成されている、配線基板1。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子部品を基板本体の表面に実装し、あるいはかかる基板本体の表面に開口するキャビティの底面に上記電子部品を実装する配線基板に関する。
発光ダイオードなどの発光素子からの光を外部に効率良く反射するため、かかる発光素子を搭載する搭載部に対する搭載精度を高めるべく、その側面の下端に暗部(影)を生じないようにすることが求められている。
このため、例えば、上面にハンダを介して発光素子を搭載する搭載部を有するセラミックからなる基体と、かかる基体の上面の外周部に上記搭載部を囲んで設けられ且つ内周面が上側に向かって広がるように傾斜した枠体と、を備え、上記ハンダの外周端が発光素子の側面の下端よりも外側に全周にわたり延出している発光素子収納用パッケージが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−319598号公報(第1〜6頁、図1)
前記発光素子収納用パッケージよれば、ハンダの外周端が発光素子の側面の下端よりも外側に全周にわたり延出しているため、かかる発光素子からの光によっても、その側面の下端に暗部(影)を生じにくくなる、という効果を奏することが可能となる。
しかしながら、発光素子を搭載する平坦な搭載部の表面に前記ハンダを介して、発光素子を搭載するため、かかるハンダをリフロー(加熱)した際に、当該ハンダが上記表面に流れ出ると、搭載された発光素子の姿勢が傾き易くなる。このため、かかる発光素子からの光が前記枠体の内周面に設けた金属メッキ層に均一に反射されず、反射効率が低下したり、反射光がバラ付き易くなる、などの問題点があった。
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、発光素子などの電子部品を所定の実装面に対し、目的とする姿勢にして確実に実装することが容易な配線基板を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、電子部品を実装すべき実装面において、かかる電子部品の底面との間に介在させるために用いるハンダや樹脂が流出しにくいような構造を形成する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の配線基板(請求項1)は、複数の絶縁層からなる基板本体における電子部品の実装面に、平面視で実装すべき電子部品の底面形状に倣った形状の窪みが形成されている。
これによれば、前記実装面に形成された窪みに、ハンダまたはエポキシ系などの樹脂を充填し、かかるハンダや樹脂をリフロー(加熱)してその上に電子部品を実装した際、上記ハンダや樹脂は上記窪みの外側に流出し難くなる。このため、上記電子部品を実装面に対し、目的とする姿勢で精度良く実装できるので、例えば、上記電子部品が発光素子である場合、その光を効率良く外部に放射することが可能となり、上記電子部品がICチップである場合、基板本体の実装面付近に位置するパッドとのワイヤボンディングを精度良く行うことが可能となる。
尚、前記基板本体を形成する絶縁層の材料には、例えばアルミナを主成分とするセラミック、低温焼成の一種である例えばガラス−セラミック、あるいは、例えばエポキシ系樹脂などの樹脂が含まれる。また、前記実装面は、例えば、前記基板本体の表面、あるいは基板本体の表面に開口するキャビティの底面などである。更に、前記窪みは、実装すべき電子部品の底面形状に倣った形状(ほぼ相似形)であって、平面視で正方形や長方形などの底面と、かかる底面の周囲に位置し且つ実装面に対し広がるように傾斜するか、または垂直な側面と、からなる。
また、本発明には、前記窪みの底面、側面、および前記基板本体における電子部品の実装面にまたがって、導体層が連続して形成されている、配線基板(請求項2)も含まれる。
これによれば、例えば発光ダイオードなどの発光素子を実装する際に、上記導体層の窪みの内側にハンダを充填し、かかるハンダをリフロー(加熱)して上記発光素子の底面を固着することで、発光素子を実装面に対し、目的とする姿勢で実装できる。同時に、当該発光素子における一方の電極と基板本体の内部配線との導通を、上記導体層およびハンダを介して直に取ることも可能となる。
更に、本発明には、前記窪みを有する絶縁層の裏面には、かかる窪みの側面よりも当該裏面の垂直な方向において外側の位置に裏面導体層が形成されている、配線基板(請求項3)も含まれる。
これによれば、例えば、上記絶縁層がセラミック層である場合、焼成後にかかるセラミック層となるグリーンシートの裏面に上記裏面導体層となる導体パターンを形成し、当該グリーンシートの表面を弾性を有するパンチで押圧することにより、かかる表面に上記窪みを精度良く形成することが可能となる。
尚、上記絶縁層が複数である場合、裏面導体層は、前記窪みを有する絶縁層の裏面と、これとは別で且つ隣接する絶縁層の表面との間に形成される。一方、上記絶縁層が樹脂層である場合、かかる樹脂層の直下に位置する下層樹脂層の表面に上記裏面導体層を形成し、当該下層樹脂層の表面および裏面導体層の上にまたがり樹脂フィルムを貼り付けることで、かかる樹脂フィルムからなる樹脂層の表面に上記窪みを精度良く形成することが可能となる。
付言すれば、本発明には、前記電子部品の実装面は、前記基板本体の表面、またはかかる表面に開口するキャビティの底面に位置する、配線基板も含まれ得る。これによる場合、上記キャビティの底面に対し、所要の目的とする姿勢で電子部品を確実に実装することが可能となる。
また、本発明には、前記電子部品は、発光素子である、配線基板も含まれ得る。
これによる場合、例えば、前記キャビティの底面に対し、目的とする姿勢で発光素子を確実に実装できるため、かかる発光素子の光をキャビティの側面に所定の反射角度で反射させて外部に放射することが可能となる。尚、上記発光素子には、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)などが含まれる。
更に、本発明には、前記窪みを有する絶縁層は、弾性を有するベース上に載置されたグリーンシートに対し、かかるグリーンシートの中央部をパンチにより押圧することで形成される工程を含む、配線基板の製造方法も含まれ得る。
この製造方法による場合、上記グリーンシートを含む複数のグリーンシートを積層および焼成することで、複数のセラミック層からなる基板本体の表面に、あるいは、かかる表面に開口するキャビティの底面に、上記窪みを有する配線基板を確実に製造することが可能となる。
加えて、本発明には、前記窪みの底面、側面、および前記基板本体における電子部品の実装面にまたがって導体層を有する絶縁層は、表面の中央付近に導体パターンを形成したグリーンシートを弾性を有するベース上に載置し、上記導体パターンの中央付近をパンチで押圧することで形成される工程を含む、配線基板の製造方法も含まれ得る。
この製造方法による場合、前記同様に積層・焼成することで、複数のセラミック層からなる基板本体の表面やキャビティの底面に上記窪みを精度良く形成した配線基板を提供することが可能となる。
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の一形態である配線基板1を示す平面図、図2は、図1中のX−X線の矢視に沿った断面図、図3は、図2中の窪み付近を示す拡大図である。
配線基板1は、図1〜図3に示すように、複数のセラミック層(絶縁層)s1〜s4からなり表面3および裏面4を有する基板本体2と、かかる基板本体2の表面3に開口し底面(実装面)6および側面8からなるキャビティ5と、かかるキャビティ5の底面6の中央部に形成された窪み7と、を備えている。
因みに、基板本体2のサイズは、約5mm×5mm×0.9mmであり、アルミナ系のセラミック層s1〜s4間などにはWまたはMoを主成分とする図示しない所定パターンの配線層、裏面導体層15、ビア導体18が形成され、裏面4には図示しないパッドが形成されている。
尚、基板本体2には、例えばガラス−アルミナ系のグリーンシートを複数枚積層して焼成したガラス−セラミックを適用しても良い。
図1,図2に示すように、キャビティ5は、平面視が円形の底面6と、かかる底面6の周辺から基板本体2の表面3に向かって広がるように傾斜した側面8とからなり、全体がほぼ円錐形を呈する。尚、側面8の仰角は、30〜70度の範囲で適宜選択される。かかるキャビティ5の側面8は、追ってセラミック層s4となるグリーンシートを、所要のクリアランスを介するポンチとダイとによる打ち抜き加工により、前記ほぼ円錐形状に成形される。因みに、キャビティ5のサイズは、上端の内径約3.6mm×深さ約0.45mmである。
図1〜図3に示すように、キャビティ5の底面6の中央部に形成された窪み7は、平面視が正方形の底面7aと、かかる底面7aの四辺から上記底面6に向かって広がるように傾斜した4つの側面7bと、からなる。かかる窪み7の底面7a、各側面7b、およびキャビティ5の底面6にまたがって、連続する底片11、傾斜片12、および周片13からなる導体層10が形成されている。かかる導体層10は、厚みが約10〜30μmで、WまたはMoを含む金属からなる。
図3に示すように、窪み7内の底片11上の窪みには、例えばSn−Ag系などの低融点合金からなるハンダ14が充填され、かかるハンダ14をリフロー(加熱)することで、発光ダイオード(電子部品)17の底面が当該ハンダ14に固着される。この際、発光ダイオード17は、窪み7および導体層10の周片13によって底面6側に流出し難いハンダ14を介して、当該底面6の中央部に実装されるため、その上面および底面は、底面6と平行な目的とする姿勢となる。
図1,図2に示すように、前記キャビティ5の側面8には、WまたはMoからなる金属層、その上に形成されるNiメッキ層、および、その上に形成され且つ上記発光ダイオード17からの光を反射するAgなどのメッキ層、の3層(図示せず)からなる反射金属層9が形成されている。
図2,図3に示すように、表面(底面6)に窪み7を有するセラミック層s3の裏面には、平面視(かかる裏面に対し垂直な方向)において窪み7の側面7bよりも外側の位置に、Wなどからなる裏面導体層15が形成されている。かかる裏面導体層15は、配線基板1の電源層またはグランド層であると共に、後述するように、セラミック層s3の表面に前記窪み7を精度良く形成するためにも活用される。
図1,図2に示すように、窪み7を挟んだキャビティ5の底面6には、一対のパッド16が対称に形成されている。かかるパッド16も、WまたはMoからなり、その表面にはNi、Au、またはAgメッキ層が形成され、図示しないボンディングワイヤを介して、発光ダイオード17と個別に導通される。また、パッド16は、ビア導体18を介して、裏面導体層15とも導通されている。
尚、何れか一方のパッド16は、導体層10の隣接する周片13まで延ばし、且つ電気的に導通を取ることで、上記ワイヤを省略し、直に発光ダイオード17と導通とすることも可能である。
以上のような配線基板1では、基板本体2の表面3に開口するキャビティ5の底面6の中央部に、実装すべき発光ダイオード17の底面形状に倣った形状の窪み7が形成されている。このため、かかる窪み7の底面7a、側面7b、およびキャビティ5の底面6に形成した導体層10の底片11上の窪みにハンダ14を充填し、これをリフロー(加熱)しつつ発光ダイオード17の底面を固着することで、かかる発光ダイオード17を実装できる。しかも、ハンダ14が上記窪みから外側に流出し難いため、実装面であるキャビティ5の底面6に対し、発光ダイオード17を目的とする姿勢(例えば、発光ダイオード17の底面とキャビティ5の底面6とが平行になる)で、確実且つ容易に実装することができる。従って、かかる発光ダイオード17からの光を、キャビティ5の側面7に形成した反射金属層9により、所定の反射角度で効率良く反射させて外部に放射することが可能となる。
尚、前記ハンダ14に替えて、エポキシ系樹脂を同様に用いても良い。
ここで、窪み7を表面に有するセラミック層s3の製造方法について説明する。以下では、セラミック層s3とグリーンシートs3の符号などは、共通とする。
図4に示すように、予め、アルミナなどのセラミック材料を主成分とするグリーンシートs3を用意し、その表面の中央部に平面視が正方形でWまたはMoの粉末を含む導体パターン10aを所望の形状に印刷法などで形成し、かかるグリーンシートs3の裏面において、平面視で上記導体パターン10aの中心部と対向する位置に導体パターンが形成されていない隙間hを有し、かかる隙間hの縁部と上記導体パターン10aの周辺部が重複し且つその外側の裏面に延びるように、上記同様の導体パターン15aを形成する。
次いで、図5に示すように、表面に導体パターン10aを形成し且つ裏面に導体パターン15aを形成したグリーンシートs3を、金属製のベースBの平坦な表面上に、裏面側の導体パターン15aが接触するように載置して固定する。かかるグリーンシートs3の上方には、平面視で導体パターン10aよりも小さなほぼ四角錐状の凸部pを底面の中央に一体に有するパンチPを配置する。かかるパンチPは、シリコン系ゴムなどで形成されており、所定の弾性および剛性を併有している
かかる状態で、図5中の矢印で示すように、パンチPをベースB側に下降させ、且つ前記凸部pを導体パターン10aの中心付近に進入させる。
その結果、図6に示すように、グリーンシートs3における裏面の中央部は、導体パターン15aが画定する隙間h内に進入する。同時に、グリーンシートs3の表面の中央部および導体パターン10aは、パンチPの底面および凸部pに倣って塑性変形し、図6に示すように、ほぼ四角錐を呈する窪み7と、かかる窪み7上の底片11、傾斜片12、および周片13からなる導体層10とが形成される。
かかるグリーンシートs3を、追って前記セラミック層s1,s2,s4となるグリーンシートs1,s2,s4と順次積層し且つ圧着した後、所定の温度帯で焼成することで、セラミック層s3を含む前記図1〜図3に示した前記配線基板1を得ることができる。尚、導体パターン10a,15aは、上記焼成によって裏面導体層10,15となる。
図7,図8は、異なる形態のセラミック層s31の製造方法に関する。
図7に示すように、平坦な表面の中央部に平面視が正方形を呈する浅い窪みbを有するベースB1を用意する。かかるベースB1は、シリコン系ゴムなどからなる。予め、表面の中央部に導体パターン10aを形成したグリーンシートs3を、上記ベースB1の表面上に載置して固定する。
かかる状態で、図7中の矢印で示すように、前記パンチPをベースB側に下降させ、且つその凸部pを導体パターン10aの中心付近に進入させる。
その結果、図8に示すように、グリーンシートs3における裏面の中央部は、ベースB1の窪みb内に進入する。
同時に、グリーンシートs3の表面の中央部および導体パターン10aは、パンチPの底面および凸部pに倣って塑性変形し、図8に示すように、前記同様の窪み7と、かかる窪み7上の底片11、傾斜片12、および周片13からなる導体層10とが形成される。これにより、図8に示すように、裏面の中央部に凸部rを有し、且つ表面の中央部に窪み7と導体層10とが形成されたグリーンシートs31が得られる。
その後、上記グリーンシートs31と前記グリーンシートs1,s2,s4とを用い、前記積層・焼成工程を施すことにより、セラミック層s31を含み前記配線基板1と同様で、且つ前記裏面導体層15のない配線基板が得られる。
図9は、更に異なる形態のセラミック層s32の製造方法に関する。
図9に示すように、予め、グリーンシートs3の裏面に隙間hを有する導体パターン15aを形成し、かかる導体パターン15aを金属製のベースBの表面に接触させて、当該グリーンシートs3をベースBに載置して固定する。
次に、図9中の矢印で示すように、グリーンシートs3の平坦な表面に対し、凸部pを底面の中央に有する前記パンチPを下降させる。その結果、図9中の破線で示すように、グリーンシートs3における表面の中央部には、前記同様の窪み7が形成される。
同時に、図9中の一点鎖線で示すように、グリーンシートs3における裏面の中央部は、導体パターン15aで画定される隙間h内に進入する。これにより、表面の中央部に窪み7が形成され且つ裏面の中央部を除いた位置に導体パターン15aが形成されたグリーンシートs32が得られる。
その後、上記グリーンシートs32とグリーンシートs1,s2,s4とを用い、前記積層・焼成工程を施すことにより、セラミック層s32を含み前記配線基板1と同様で、且つ前記導体層10のない配線基板が得られる。
図10は、異なる形態の配線基板20を示す平面図、図11は、図10中のY−Y線の矢視に沿った断面図である。配線基板20は、図10,11に示すように、複数のセラミック層s1,s2,s31,s5からなり表面23および裏面24を有する基板本体22と、かかる基板本体22の表面23に開口し底面26および側面28からなるキャビティ25と、かかるキャビティ25の底面26の中央部に形成された窪み27と、を備えている。
図10,11に示すように、上記キャビティ25は、平面視が円形の底面26と、かかる底面6の周辺から基板本体2の表面3に向かって垂直に立設した側面28とからなり、全体が円柱形を呈する。
図11に示すように、キャビティ25の底面26の中央部に形成された窪み27は、前記窪み7と同様に、平面視が正方形の底面と、かかる底面の四辺から上記底面26に向かって広がるように傾斜した4つの側面とからなる。かかる窪み27の底面、各側面、およびキャビティ25の底面26にまたがって、底片11、傾斜片12、および周片13からなる導体層10が形成されている。
図11に示すように、窪み27の内側には、前記ハンダ14が充填され、これをリフロー(加熱)することで、発光ダイオード17の底面が当該ハンダ14に固着される。この際、発光ダイオード17は、窪み27および導体層10の周片13によって底面26側に流出し難いハンダ14を介して、当該底面26の中央部に実装されるため、その上面および底面は、キャビティ25の底面26と平行な目的とする姿勢となる。
図10,11に示すように、キャビティ25の側面28には、前記同様の反射金属層29が形成されている。また、表面(底面26)に窪み27を有するセラミック層s31の裏面の中央部には、凸部rが突出している。かかる凸部rの高さは、前記グリーンシートs31と、隣接するセラミック層s2となるグリーンシートs2とを積層・圧縮した際に若干低くなっている。
図10,11に示すように、窪み27を挟んだキャビティ25の底面26には、一対のパッド16が対称に形成され、図示しないボンディングワイヤを介して、発光ダイオード17と個別に導通されるが、一方のパッド16を、導体層10の隣接する周片13まで延ばし、且つ電気的に導通を取ることで、発光ダイオード17と導通可能としても良い。尚、パッド16は、ビア導体18を介して、内部配線などとも導通される。
図12は、前記配線基板20の変形形態である配線基板20aの断面図である。
配線基板20aは、基板本体22を形成する前記セラミック層s31に替えて、セラミック層s32を用いたものである。このため、かかるセラミック層s32の裏面には、前記同様の裏面導体層15が形成され、且つ当該セラミック層s32の表面であるキャビティ25の底面26の中央部には、前記導体層10がなく、窪み27が直に露出している点で、前記配線基板20と相違している。
以上のような配線基板20,20aは、基板本体22の表面23に開口するキャビティ25の底面26の中央部に、実装すべき発光ダイオード17の底面形状に倣った形状の窪み27が形成されている。このため、かかる窪み27の内側(導体層10の底片11上)にハンダ14を充填およびリフロー(加熱)し、発光ダイオード17の底面を固着することで、かかる発光ダイオード17を実装できる。しかも、ハンダ14が上記窪み27から流出し難いため、実装面であるキャビティ25の底面26に対し、発光ダイオード17を目的とする姿勢にして、確実に実装することができる。従って、かかる発光ダイオード17からの光を、キャビティ25の側面28に形成した反射金属層29で所定の反射角度で効率良く反射させて外部に放射することが可能となる。
尚、配線基板20,20aでは、前記ハンダ14に替えて、エポキシ系の樹脂を窪み27などに充填し、これを加熱するようにしても良い。
図13は、更に異なる形態の配線基板30を示す垂直断面図である。
配線基板30は、図13に示すように、複数のセラミック層s1〜s3からなり表面33および裏面34を有する基板本体32と、かかる基板本体32の表面33の中央部に形成された窪み35と、を備えている。
図13に示すように、実装面である表面33の中央部に形成された窪み35は、前記窪み7と同様に、平面視が正方形の底面と、かかる底面の四辺から上記表面33に向かって広がるように傾斜した4つの側面とからなる。かかる窪み35の底面、各側面、および基板本体32の表面33にまたがって、底片11、傾斜片12、および周片13からなる導体層10が形成されている。
窪み35の周辺における基板本体32の表面33には、複数のパッド16が形成され、これらは、前記同様にワイヤを介して実装すべきICチップ(電子部品)17と導通され、且つビア導体18を介して、裏面導体層15とも導通される。
図13に示すように、窪み35の内側には、前記ハンダ14が充填され、これをリフロー(加熱)することで、ICチップ17の底面が当該ハンダ14に固着される。この際、上記ICチップ17は、窪み35および導体層10の周片13によって表面33側に流出し難いハンダ14を介して、当該表面33の中央部に実装されるため、その上面および底面は、基板本体32の表面33と平行な目的とする姿勢となる。
図14は、前記配線基板30の変形形態である配線基板30aの断面図である。かかる配線基板30aは、基板本体32を形成する前記セラミック層s3に替えて、前記セラミック層s31を用いたものである。このため、かかるセラミック層s31の裏面には、凸部rが隣接するセラミック層s2との間に位置し、且つ裏面導体層15が形成されていない。
図15は、前記配線基板30の異なる変形形態である配線基板30bの断面図である。かかる配線基板30bは、基板本体32を形成する前記セラミック層s3に替えて、セラミック層s32を用いたものである。このため、かかるセラミック層s32の裏面には、前記同様の裏面導体層15が形成され、且つ当該セラミック層s32の表面である基板本体32の表面33の中央部には、前記導体層10がなく、窪み35が直に露出している点で、前記配線基板30,30aと相違している。
以上のような配線基板30,30a,30bは、基板本体32の表面33の中央部に、実装すべきICチップ17の底面形状に倣った形状の窪み35が形成されている。このため、かかる窪み35の内側あるいは窪み35の内側にハンダ14を充填・リフロー(加熱)し、ICチップ17の底面を固着することで、かかるICチップ17を実装できる。しかも、ハンダ14が上記窪み35から流出し難いため、実装面である基板本体32の表面33に対し、ICチップ17を目的とする姿勢にして、確実に実装することができる。従って、実装されるICチップ17と複数のパッド16との間で、ワイヤボンディングを正確に行えるため、当該ICチップ14の性能を確実に奏功させることが可能となる。
尚、配線基板30,30a,30bでは、前記ハンダ14に替えて、エポキシ系の樹脂を窪み35などに充填し、これをリフロー(加熱)するようにしても良い。
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
前記基板本体を形成する絶縁層を形成するセラミックは、例えばムライトや窒化アルミニウムを主成分とするものとしても良い。あるいは、低温焼成セラミックの一種であるガラス−セラミックとしても良く、この場合、前記導体層10やパッド16などは、CuやAgなどが用いられる。あるいは、前記基板本体は、複数のエポキシ系などの樹脂層を積層して形成したものとしても良い。
また、電子部品を実装する実装面がキャビティの底面である場合、かかるキャビティは、前記各形態に限らず、開口部側に対し底面側が縮径されたほぼ楕円錐形状、ほぼ長円錐形状、四角錐以上の多角錐形状のほか、全体が円柱形、楕円柱形、長円柱形、あるいは四角柱を含む多角柱形状の形態も含まれる。
更に、前記窪みは、実装すべき電子部品の底面に倣った長方形の底面とその四辺から斜めまたは垂直に立設する4つの側面とからなる形態や、円形などの底面とその周辺から斜めまたは垂直に立設する側面とからなる形態としても良い。
本発明における一形態の配線基板を示す平面図。 図1中のX−X線の矢視に沿った断面図。 図2中における窪みの付近を拡大した部分断面図。 上記配線基板の一製造工程を示す概略図。 図4に続く製造工程を示す部分概略図。 図5に続く製造工程を示す部分概略図。 異なる形態の一製造工程を示す概略図。 図7に続く製造工程を示す部分概略図。 更に異なる形態の一製造工程を示す概略図。 異なる形態の配線基板を示す平面図。 図10中のY−Yの矢視に沿った断面図。 上記配線基板の変形形態を示す図10と同様な断面図。 更に異なる形態の配線基板を示す垂直断面図。 上記配線基板の変形形態を示す垂直断面図。 上記配線基板の異なる変形形態を示す断面図。
符号の説明
1,20,20a,30,30a,30b…配線基板
2,22,32…………………………………基板本体
3,23…………………………………………基板本体の表面
4,24,34…………………………………基板本体の裏面
5,25…………………………………………キャビティ
6,26…………………………………………キャビティの底面(実装面)
7,27,35…………………………………窪み
7a………………………………………………窪みの底面
7b………………………………………………窪みの側面
10………………………………………………導体層
17………………………………………………発光ダイオード/ICチップ(電子部品)
15………………………………………………裏面導体層
33………………………………………………表面(実装面)
s1〜s5,s31,s32…………………セラミック層(絶縁層)

Claims (3)

  1. 複数の絶縁層からなる基板本体における電子部品の実装面に、平面視で実装すべき電子部品の底面形状に倣った形状の窪みが形成されている、
    ことを特徴とする配線基板。
  2. 前記窪みの底面、側面、および前記基板本体における電子部品の実装面にまたがって、導体層が連続して形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記窪みを有する絶縁層の裏面には、かかる窪みの側面よりも当該裏面の垂直な方向において外側の位置に裏面導体層が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
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