JP2006324185A - カードコネクタ - Google Patents

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健一 阿部
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Abstract

【課題】 電磁波に対して良好なシールド性能を有する、ハウジングと基板との間に部品実装を可能であるスタンドオフ付のカードコネクタを提供。
【解決手段】 前端側に開口するカード受容空間13を有する絶縁材料製のハウジング10と、カード受容空間13内に突出する複数のコンタクト40とを有し、矩形平板状のメモリカード2をカード受容空間13内に挿入させて、メモリカード2に設けられた平面状のカード側端子3をコンタクト40の一端に押圧接触させるように構成されたカードコネクタ1であって、ハウジング10を覆う金属材料製の第1シールド部材20及び第2シールド部材30と、第1シールド部材20の左右両側からハウジング10の下面を超えて下方に延びるスタンドオフ部23,24とを備え、スタンドオフ部23,24は、カードコネクタ1を取り付けるための基板Kと接合し、ハウジング10と基板Kとの間に間隙Dを形成するように構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、本発明は、カードコネクタに関し、さらに詳細には、該ハウジングと基板との間に部品実装が可能であるスタンドオフタイプのカードコネクタに関する。
パーソナルコンピュータやその周辺機器をはじめとする電子機器等において、情報を記憶するためのメモリデバイスとして、切手大のスモールメモリカード(具体的にはSDカードやMSカード等である。以下、メモリカードと称する)が重要な役割を果たしている。メモリカードは、カードコネクタを介して、電気機器に接続されている。
このようなカードコネクタの一例として、前端側に開口するカード挿入口に連通して前後に延びる空間部を有する絶縁材料製のハウジングと、ハウジングに取り付けられ、一端が空間部内に突出する複数のコンタクトとを有し、矩形平板状のメモリカードをカード挿入口から空間部内に挿入させて受容保持し、メモリカードに設けられた平面状のカード側端子を前記コンタクトの一端に押圧接触させるように構成され、該カードコネクタを取り付ける基板にネジで締結もしくは半田付けにより取り付けられているものがある(例えば、特許文献1を参照)。このカードコネクタは、できるだけ基板からの高さを抑えて、近年の電子機器の小型化・薄型化に対応するために、ハウジングと基板との間に間隙を持たない、いわゆるロープロファイルと呼ばれるものである。
また、上記のような電子機器では高性能化が進み、限られた基板表面をより有効利用して実装密度を高めるため、ハウジングの下面(基板側の面)と基板表面との間に間隙を形成し、ここにICチップなどの電子部品が搭載できるように構成された、スタンドオフ付のカードコネクタが知られている。
特開2004−178955号公報
ところで、従来、スタンドオフ付きのカードコネクタで用いるハウジングには、該底面から基板に向かって延びるスタンドオフ部が形成されている。しかしながら、ロープロファイルのカードコネクタで用いるハウジングには、スタンドオフ部は形成されていない。このため、スタンドオフ付きのカードコネクタ及びロープロファイルのカードコネクタでは、それぞれ異なるハウジングを生産する必要があり、生産効率が悪かった。
また、進歩著しい電子機器においては、上記の間隙に、電磁波を発生する電子部品を搭載することも予想されるため、カードコネクタには電磁波の影響を受けない構造であることが期待されている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ロープロファイルとスタンドオフ付きのカードコネクタとでハウジングを共用でき、且つ、電磁波に対して良好なシールド性能を有する、該ハウジングと基板との間に部品実装が可能であるスタンドオフ付のカードコネクタを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、前端側に開口するカード挿入口に連通して前後に延びる空間部(例えば、本実施形態におけるカード受容空間13)を有する、絶縁材料製のハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、一端が前記空間部内に突出する複数のコンタクトとを有し、矩形平板状のメモリカードを前記カード挿入口から前記空間部内に挿入させて受容保持し、前記メモリカードに設けられた平面状のカード側端子を前記コンタクトの一端に押圧接触させるように構成されたカードコネクタであって、前記ハウジングを覆う金属材料製のシールド部材と、前記シールド部材(例えば、本実施形態における第1シールド部材20及び第2シールド部材30)の左右両側から前記ハウジングの下面を超えて下方に(例えば、本実施形態においては基板Kに向かって)延びるスタンドオフ部(例えば、本実施形態における第1スタンドオフ部23及び第2スタンドオフ部24)とを備え、前記スタンドオフ部は、前記カードコネクタを取り付ける基板と接合し、前記ハウジングと前記基板との間に間隙を形成するように構成される。
なお、本発明では、前記シールド部材は、前記ハウジングの全周を覆うように構成されることが望ましい。
また、本発明では、前記スタンドオフ部には、その先端に下方に突起した挿入突起が形成され、前記挿入突起を前記基板に形成した挿入孔(例えば、本実施形態におけるスルーホールH)に挿入(圧入)して、前記カードコネクタが前記基板に取り付けられるように構成されることが望ましい。
また、本発明では、前記スタンドオフ部には、その先端に左右方向に折曲して延びる平板状のマウント部が形成され、前記マウント部を前記基板の表面に設けたマウントパターンに接合して、前記カードコネクタが前記基板に取り付けられるように構成されることが望ましい。
また、本発明では、前記シールド部材は、前記ハウジングの前記基板側の反対側を覆う第1シールド部材と、前記ハウジングの前記基板側を覆う第2シールド部材とから構成されることが望ましい。
また、本発明では、前記第1シールド部材は、平面視において略矩形状であり、前記ハウジングの前記基板側の反対側(上部)を覆う板状の天板部と、前記天板部の左右両端部から下方へ折曲して延びる側板部からなり、前記スタンドオフ部は、前記側板部の前縁部及び後縁部から、それぞれ下方に延びて形成されるように構成されることが望ましい。
また、本発明では、前記側板部の前縁部の先端に前記挿入突起が形成され、前記側板部の後縁部の先端に前記マウント部が形成されるように構成されることが望ましい。
このような構成によれば、本発明は、従来ではロープロファイルとスタンドオフ付きの2種類のカードコネクタに応じてそれぞれ別々に行っていたコンタクトの製造を1つに統一して行うことを可能にする。また、ハウジングと基板との間に部品実装が可能であるスタンドオフ付のカードコネクタにおいて、金属材料製のシールド部材を用いて、コンタクトが取り付けられているハウジングの外部を覆っているため、ハウジングと基板との間にある間隙に電磁波を発生する電子部品を搭載しても、その電磁波の影響を受け難く安定動作が可能な、電磁波に対する良好なシールド性能を発揮するカードコネクタを提供することができる。また、本発明は、金属材料製のシールド部材でハウジングを囲うことにより、機械的な強度が確保でき、メモリカードの挿抜の繰り返しや変形や磨耗に強いカードコネクタを提供することができる。
なお、本発明では、前記シールド部材は、前記ハウジングの全周を覆うように構成されることが望ましい。このような構成により、金属材料製のシールド部材に、コンタクトが取り付けられているハウジングの周囲が覆われるため、外部からの電磁波に強いカードコネクタを提供することができる。
また、本発明では、前記スタンドオフ部には、その先端に下方に突起した挿入突起が形成され、前記挿入突起を前記基板に形成した挿入孔(例えば、本実施形態におけるスルーホールH)に挿入(圧入)して、前記カードコネクタが前記基板に取り付けられるように構成されることが望ましい。このような構成により、本発明では、シールド部材の挿入突起を、基板に形成された挿入孔に挿入(圧入)させることにより、組み立ての時に位置ずれが少なく、基板とカードコネクタとの間の接合を確実なものとして、生産性の向上を図ることができる
また、本発明では、前記スタンドオフ部には、その先端に左右方向に折曲して延びる平板状のマウント部が形成され、前記マウント部を前記基板の表面に設けたマウントパターンに接合して、前記カードコネクタが前記基板に取り付けられるように構成されることが望ましい。このような構成により、本発明では、基板への実装を一括リフローで行うことができるため(クリーム半田を一括溶融して、半田付けすることができるため)、製造コストを抑えることができ、また大量生産にも適している。
なお、本発明では、前記シールド部材は、前記ハウジングの前記基板側の反対側を覆う第1シールド部材と、前記ハウジングの前記基板側を覆う第2シールド部材とから構成されることが望ましい。このような構成により、カードコネクタを製造する際は、まず第2シールド部材にハウジングを取り付け、このハウジングにコンタクト等の必要な部品類を配置し、最後に第2シールド部材の上方から第1シールド部材を被せて、本カードコネクタが完成する。このように、シールド部材が上下2つのパーツから構成されるため、本カードコネクタの組み立て作業がし易くなり、作業効率が向上する。
また、前記第1シールド部材は、平面視において略矩形状であり、前記ハウジングの前記基板K側の反対側(上部)を覆う板状の天板部と、前記天板部の左右両端部から下方へ折曲して延びる側板部からなり、前記スタンドオフ部は、前記側板部の前縁部及び後縁部から、それぞれ下方に延びて形成されるように構成されることが望ましい。また、前記側板部の前縁部の先端に前記挿入突起が形成され、前記側板部の後縁部の先端に前記マウント部が形成されるように構成されることが望ましい。このような構成により、位置ずれを減らして組み立て性を向上させ、基板への実装を一括リフローで行うことができて生産性の高い、カードコネクタを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は、メモリカードを挿抜自在に保持するカードコネクタの態様を示す。なお、図1に示すように、説明の便宣上、矢印が示す方向を前後、左右及び上下方向として説明する。まず、このカードコネクタを説明する前に、このカードコネクタに装着されるメモリカードについて図1を用いて説明する。
メモリカード2は、厚さが薄く切手大の大きさを有して平状板であり、その先端下面に左右方向に所定の間隔を有して並設された複数のカード側端子3を有している。カード側端子3はメモリカード2内に内蔵された図示しないメモリ機構部に電気的に接続されて情報の読み書きが可能に構成されている。メモリカード2左右いずれかの一方の先端部の縁部(図1の場合は右側)には斜め後側に傾斜する傾斜部4が形成されている。
次に、このように構成されたメモリカード2を装着保持するカードコネクタ1について、図1〜図5を用いて説明する。なお、図1〜図5では、多様な形状を有するカードコネクタの例として、基板Kの下側に所定のスペースを設けて設置されるリバースタイプのカードコネクタ1を示している。
カードコネクタ1は、平面視において略矩形状であり、メモリカード2を前端部から挿抜自在に保持可能であるハウジング10と、ハウジング10の基板側の反対側を覆う第1シールド部材20と、ハウジング10の基板側を覆う第2シールド部材30とから構成される。
ハウジング10は絶縁材料製であり、その中央から前端に、凹部基部11aと、凹部基部11aより左右端が前方に延びる凹部アーム部11bとを備えてなるU字状の凹部11を有している(図4参照)。そして、ハウジング10が第1シールド部材20及び第2シールド部材30により挟持されることにより、凹部11上にカード受容空間13が形成され、前端にはカード挿入口12が開口される(図3(B)参照)。凹部11の上下寸法は、図1に示すメモリカード2の厚さ寸法と略同一の大きさであり、凹部11の左右方向の幅寸法もメモリカード2の幅寸法と略同一の大きさである。このため、カード挿入口12からカード受容空間13にメモリカード2が挿入されると、メモリカード2の上面と略同一平面上に位置してメモリカード2が凹部11(カード受容空間13)内に受容保持されることになる。
また、ハウジング10の後端部には、凹部基部11aより上方に隆起して形成される突出部14が設けられている。この突出部14の後方側面部には、左右方向に並んで所定の間隔を有して複数のコンタクト取付溝15が形成されており、ここに複数のコンタクト40が圧入して取り付けられている(図2(D)参照)。凹部基部11a上には同様に左右方向に並んで所定の間隔を有して複数のコンタクト保護溝16が形成されており、各コンタクト40同士の干渉を防いでいる。
コンタクト40は、詳細は後述するが、水平方向に延びる基部40aと、この基部40aの前端部から斜め上方へ延びる傾斜アーム部40bと、傾斜アーム部40bの先端部に形成されたカード接触部40cと、基部40aの後端側中央部から下方へ延びる突出片部40dとからなり(図1(B)参照)、例えば、導電性金属材料の薄板を曲げ加工して一体成型される。このような構成のコンタクト40は、コンタクト取付溝15に基部40aが圧入されてハウジング10後端部に取り付けられており、カード接触部40cがカード受容空間13内に突出して位置するようになっている。
このため、カードコネクタ1のカード挿入口12から、カード側端子3が下方(第1シールド部材20の方)を向くようにメモリカード2が挿入されると、メモリカード2の先端部の上面がコンタクト40のカード接触部40cと当接してこのカード接触部40cを下方(第1シールド部材20の方)に押し下げる。これと同時に、コンタクト40は自身の弾性力で、カード接触部40cをメモリカード2のカード側端子3に向かって付勢する。これにより、カード側端子3とカード接触部40cが押圧接触して電気的に接続される。
このようにコンタクト40が取り付けられたハウジング10の右側には、ハートカム機構17が配設されている(図3(B)参照)。
ハートカム機構17は、ハウジング10の右側端部に(カード受容空間13内に挿入されたメモリカード2の傾斜部4が位置する端部に)凹部11と並んで前後に延びて形成された側段部17aと、この側段部17aの上面に形成されたカム溝17bと、カム溝17bに配設されて前後にスライド移動可能なスライダ17cと、このスライダ17cの後端面と凹部11の内側後端面の間に設けられたバネ17dとから構成されている。
そして、メモリカード2がカード受容空間13に押圧されて挿入されると、スライダ17cは、メモリカード2の傾斜部4に押圧されてカードコネクタ1の後端部へスライド移動してバネ17dを圧縮し、ハートカム機構17により接触状態位置で係止保持される。これによりメモリカード2がカード受容空間13にて係止保持される。また、この接触状態位置にあるメモリカード2がさらに押圧操作されてスライダ17cが押圧されると、ハートカム機構17によるスライダ17cの係止状態が解除されるため、メモリカード2の押圧を止めると、スライダ17cはバネ17dの反発力によりメモリカード2を前方に押し出して挿抜可能位置に移動させ、メモリカード2の抜き取りを可能にする。
以上のように構成されたハウジング10には、前述したように、ハウジング10の下部(基板K側)と上部(基板K側の反対側)をそれぞれ覆う金属材料製の第1シールド部材20及び第2シールド部材30が取り付けられている。第1シールド部材20は、基板K方向側と反対側に位置してハウジング10の下面を覆う板状の天板部21と、天板部21の左右両端部から下方へ折曲して延びる側板部22と、側板部22の前側の縁部に下方向へ延びる第1スタンドオフ部23と、側板部22の後側の縁部に左右方向外側へ折曲して延びる第2スタンドオフ部24とから構成されている。第2シールド部材30は、凹部11の基板K方向側に位置してハウジング10に対して着脱自在に取り付けられている。
また、第1シールド部材20の天板部21は、その表面に、メモリカード2に当接して下方に押し出されたコンタクト40の先端部を逃すための貫通孔21aが形成されている。これにより、メモリカード2の挿入時の抵抗が少なくなり、該カード2の挿入が容易となる。また、メモリカード2の挿入時に、コンタクト40が第1シールド部材20の天板部21と接触することによる短絡を防ぐことができる。
次に、カードコネクタ1を基板Kに接合した状態を図5で示している。第1スタンドオフ部23は、その先端に、上方に突起した挿入突起23aが形成されている。本実施形態では、この挿入突起23aを基板Kに形成したスルーホールHに挿入(圧入)して、(半田接合をして)カードコネクタ1は基板Kに取り付けられている。
なお、スルーホールHは、基板Kを厚さ方向に貫通するように形成された貫通孔であり、その内周面には基板Kの上下面に形成された図示しない配線と同質の導電性物質(例えば、銅)によりメッキが施されている。
第2スタンドオフ部24は、その先端に、左右方向に折曲して延びる平板状のマウント部24aが形成されている。本実施形態では、マウント部24aを基板Kの表面に設けたマウントパターンMに(半田)接合して、カードコネクタ1が基板Kにサーフェスマウント(表面実装)されて、取り付けられるようになっている。
より詳しく説明すると、基板KのマウントパターンMの表面にクリーム半田Cをスクリーン印刷しておき、この上にマウント部24aを当接させるようにカードコネクタ1を基板K上に載置して、この状態のままで該コネクタ1の全体を加熱して半田を溶融して、カードコネクタ1を基板Kにサーフェスマウントする。
このような構成により、第1シールド部材20の左右両側から上方に延びる第1スタンドオフ部23をスルーホールHに挿し込んで半田接合して、且つ、第2スタンドオフ部24をマウントパターンMに半田溶接することにより、カードコネクタ1は基板Kにサーフェスマウントされる。このとき、第1,第2スタンドオフ部23,24により、第2シールド部材30と基板Kとの間に、電子部品50等が設置できる間隙Dが形成される。
このような構成により、カードコネクタ1は、図1に示すように、カード側端子3を下方(第1シールド部材20側)に向けた状態で、メモリカード2をハウジング10の前側からカード挿入口12を経てカード受容空間13に挿入すると、該メモリカード2は凹部13に沿ってスライダ17cとともに移動して、ハートカム機構17によりスライダ17cと当接したまま、カード側端子3とコンタクト40が押圧接触する接触状態位置に移動して、ハウジング10内に受容保持される。その結果、メモリカード2とコンタクト40とは電気的に接続される。
以上のようなカードコネクタ1によれば、ハウジング10の周囲を、金属材料製の第1シールド部材20及び第2シールド部材30で覆うことで、コンタクト40がシールドされて、基板Kと第2シールド部材30との間隙Dに設けられた電子部品50や外部からの電磁波の影響を受け難くなり、安定動作が可能となる。このため、本実施形態のカードコネクタ1は、特に、多数の電子部品を小さな筐体内に取り付けらなければいけない電子機器では非常に有効であり、部材の基板への高密度実装を可能にする。
なお、上記実施形態では、図1〜図5に示すように、カードコネクタ1は、第1シールド部材20の左右両側から基板Kに延びるスタンドオフ部23,24を有して構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、第2シールド部材30の左右両側から基板Kに延びるスタンドオフ部を有して構成してもよい。
また、上記実施形態で用いたカードコネクタ1は、図6(B)に斜視図を示しているが、カード側端子3を第1シールド部材20側に向けた状態で、メモリカード2をカード挿入口12に挿入する、いわゆるリバース配置のカードコネクタ(以下、リバースタイプコネクタRと称する)であるが、これに限定されるものではない。例えば、図6(A)に示すような、カード側端子3(図示略)を第2シールド部材30´側に向けた状態で、メモリカード2をカード挿入口12´に挿入する、いわゆるノーマル配置のカードコネクタ(以下、ノーマルタイプコネクタNと称する)に適用可能であることは言うまでもない。
このように、本実施形態のカードコネクタは、スタンドオフ付のカードコネクタにおいて、コネクタを保持するハウジングの周囲を覆うシールド部材を金属材料製にしたことを特徴とするものであり、スタンドオフ部の形態の違い、ハウジングのリバース配置やノーマル配置などに容易に対応することができる。
ところで、図6(A)に示すノーマルタイプコネクタNと図6(B)に示すリバースタイプコネクタRでは、第1スタンドオフ部23、23´及び第2スタンドオフ部24、24´の基板Kへのマウントはそれぞれ上下逆方向に行われるが、メモリカード2の挿入時にカード側端子3の向きは統一して行われる。このため、ノーマルタイプコネクタNとリバースタイプコネクタRとでは形状の異なるコンタクトが用いられている。具体的には、図7(A)及び図7(B)に示すように、ノーマルタイプコネクタNのコンタクト60及びリバースタイプコネクタRのコンタクト70では、上記したように、基部60a,70a、傾斜アーム部60b,70b及びカード接触部60c,70cに関しては同一形状を有しているが、突出片部60d,70dに関しては、基部60a,70aから延びて突出する方向が上下逆となるため、異なる形状を有している。このため、従来は、ノーマルタイプコネクタNのコンタクト60及びリバースタイプコネクタRのコンタクト70は別々に開発・生産しなければならず、製造コストを増加させる1つの原因となっていた。
このような問題を解決するため、図8では本発明の上下共用コンタクト80が示されている。この上下共用コンタクト80は、水平方向に延びる基部80aと、この基部80aの前端部から斜め上方へ延びる傾斜アーム部80bと、傾斜アーム部80bの先端部に形成されたカード接触部80cと、基部80aの後端側中央部からそれぞれ上方及び下方へ延びるリバース用突出片部81bとノーマル用突出片部81aとの2つの突出片部81を有して構成されている。そして、図9に示すように、ノーマルタイプコネクタN(ハウジング10´)に取り付ける場合は、ノーマル用突出片部81aを残して、点線部iiより下側のリバース用突出片部81bを切り離し、リバースタイプコネクタR(ハウジング10)に取り付ける場合はリバース用突出片部81bを残して、点線部iよりノーマル用突出片部81aを切り離すようになっている。
なお、上記構成の上下共用コンタクト80は、図10並びに図11に示すように、突出片部81a,81bの切り離しを行わずに、非加工状態のままで、ノーマルタイプコネクタN及びリバースタイプコネクタRに取り付けてもよい。但し、これらの図からも分かるように、上下共用コンタクト80は、非加工状態のままで取り付けられると、ノーマルタイプコネクタNでは突出片部81bが第1シールド部材20´から、リバースタイプコネクタRでは突出片部81aが第1シールド部材20から飛び出してしまう。
このため、上記のカードコネクタN,Rを搭載する電子機器の構造から、第1シールド部材20から飛び出した突出片部81(搭載されるカードコネクタがノーマルタイプコネクタNであれば突出片部81b、リバースタイプコネクタRであれば突出片部81a)をそのまま残しても、該カードコネクタN,Rの周りに設置された他部品と干渉しない場合は、該当する突出片部81を切り離す必要はなく、上下共用コンタクト80を非加工状態のまま使用することができる。
しかしながら、カードコネクタN,Rを搭載する電子機器の構造から、第1シールド部材20から飛び出した突出片部81(搭載されるカードコネクタがノーマルタイプコネクタNであれば突出片部81b、リバースタイプコネクタRであれば突出片部81a)をそのまま残すと、カードコネクタN,Rの外部でコンタクト80が他部品と干渉する等の不具合が生じる場合には、該当する突出片部81を上記したように切り離して(図8参照)使用すればよい。
以上のように、本発明に係る上下共用コンタクト80によれば、カードコネクタN,Rの形状に応じて、該当する突出片部81a,81bの切り離しを行うだけで、ノーマルタイプコネクタN用のコンタクト60及びリバースタイプコネクタR用のコンタクト70のどちらのコンタクトとしても利用することができる。
その結果、ノーマルタイプ及びリバースタイプの異なる仕様のカードコネクタにおいて、前記コンタクトを取り付けるハウジングのデザインの共有化や開発時間の低減化が図れ、製造コストの抑制に貢献することができる。
なお、上記上下共用コンタクト80は、本実施形態で扱ったスタンドオフ付のカードコネクタN,Rに限られず、突出片部81の長さを調節することで、凹部11と基板Kとの間に間隙Dが設けられないロープロファイル型のカードコネクタでも適用できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
本実施形態に係るカードコネクタ及びメモリカードを示す図面であり、(A)は平面図、(B)は図1(A)におけるIb−Ib断面図である。 本実施形態に係るカードコネクタを示す図面であり、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は背面図、(E)は正面図である。 本実施形態に係るカードコネクタを示す図面であり、(A)は底面図、(B)は図3(A)のカードコネクタから第2シールド部材30を省略した図である。 本実施形態に係るカードコネクタを構成するハウジングを示す斜視図である。 本実施形態に係るカードコネクタを基板に接合した状態を示す図である。 本実施形態に係るカードコネクタの形状例を示す図面であり、(A)はノーマルタイプのカードコネクタの斜視図、(B)はリバースタイプのカードコネクタの斜視図である。 (A)は図6(A)に示すノーマルタイプコネクタのVIIa―VIIa断面図であり、(B)は図6(B)に示すリバースタイプのカードコネクタのVIIb―VIIb断面図である。 本発明に係る上下共用コンタクトを示した概略図及びその突出片部の切り離しを模式的に示す説明図である。 上記上下共用コンタクトの斜視図である。 本実施形態に係るカードコネクタに上記上下共用コンタクトを取り付けた状態を示す断面図であり、(A)はノーマルタイプのカードコネクタ、(B)はリバースタイプのカードである。 本実施形態に係るカードコネクタに上記上下共用コンタクトを取り付けた状態を示す斜視図であり、(A)はノーマルタイプのカードコネクタ、(B)はリバースタイプのカードコネクタである。
符号の説明
1 カードコネクタ
2 メモリカード
3 カード側端子
4 傾斜部
10 ハウジング
11 凹部
11a 凹部基部
11b 凹部アーム部
12 カード挿入口
13 カード受容空間(空間部)
14 突出部
15 コンタクト取付溝
16 コンタクト保護溝
17 ハートカム機構
17a 側段部
17b カム溝
17c スライダ
17d バネ
20 第1シールド部材(シールド部材)
21 天板部
21a 貫通孔
22 側板部
23 第1スタンドオフ部(スタンドオフ部)
23a 挿入突起
24 第2スタンドオフ部(スタンドオフ部)
24a マウント部
30 第2シールド部材(シールド部材)
40 コンタクト
40a 基部
40b 傾斜アーム部
40c カード接触部
40d 突出片部
50 電子部品
80 上下共用コンタクト
80a 基部
80b 傾斜アーム部
80c カード接触部
81(81a,81b) 突出片部
C クリーム半田
H スルーホール(挿入孔)
K 基板
N ノーマルタイプコネクタ
R リバースタイプコネクタ
M マウントパターン

Claims (7)

  1. 前端側に開口するカード挿入口に連通して前後に延びる空間部を有する、絶縁材料製のハウジングと、
    前記ハウジングに取り付けられ、一端が前記空間部内に突出する複数のコンタクトとを有し、
    矩形平板状のメモリカードを前記カード挿入口から前記空間部内に挿入させて受容保持し、前記メモリカードに設けられた平面状のカード側端子を前記コンタクトの一端に押圧接触させるように構成されたカードコネクタであって、
    前記ハウジングを覆う金属材料製のシールド部材と、
    前記シールド部材の左右両側から前記ハウジングの下面を超えて下方に延びるスタンドオフ部とを備え、
    前記スタンドオフ部は、前記カードコネクタを取り付ける基板と接合し、前記ハウジングと前記基板との間に間隙を形成することを特徴とするカードコネクタ。
  2. 前記シールド部材は、前記ハウジングの全周を覆うことを特徴とする請求項1に記載のカードコネクタ。
  3. 前記スタンドオフ部には、その先端に下方に突起した挿入突起が形成され、前記挿入突起を前記基板に形成した挿入孔に挿入して、前記カードコネクタが前記基板に取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のカードコネクタ。
  4. 前記スタンドオフ部には、その先端に左右方向に折曲して延びる平板状のマウント部が形成され、前記マウント部を前記基板の表面に設けたマウントパターンに接合して、前記カードコネクタが前記基板に取り付けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカードコネクタ。
  5. 前記シールド部材は、前記ハウジングの前記基板側の反対側を覆う第1シールド部材と、前記ハウジングの前記基板側を覆う第2シールド部材とからなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のカードコネクタ。
  6. 前記第1シールド部材は、平面視において略矩形状であり、前記ハウジングの前記基板側の反対側を覆う板状の天板部と、前記天板部の左右両端部から下方へ折曲して延びる側板部からなり、
    前記スタンドオフ部は、前記側板部の前縁部及び後縁部から、それぞれ下方に延びて形成されていることを特徴とする請求項5に記載のカードコネクタ。
  7. 前記側板部の前縁部の先端に前記挿入突起が形成され、
    前記側板部の後縁部の先端に前記マウント部が形成されることを特徴とする請求項6に記載のカードコネクタ。
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