JP2006324094A - 固体高分子形燃料電池用膜の製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用膜の製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微細かつ粒度の揃ったリン酸セリウムを均一に含有する固体高分子形燃料電池用電解質膜又は固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を簡便かつ精度よく製造する方法の提供。
【解決手段】陽イオン交換基を有する高分子化合物の分散液に、炭酸セリウムを添加して陽イオン交換基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した後、リン酸を添加して分散液中にリン酸セリウムを形成する。得られた液状組成物を用いてキャスト製膜し、電解質膜を作製する。又は得られた液状組成物に触媒を添加し、塗布することにより触媒層を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、初期の出力電圧が高く、長期に渡って高い出力電圧を得られる固体高分子形燃料電池用の電解質膜の製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法に関する。
燃料電池は、原料となるガスの反応エネルギーを直接電気エネルギーに変換する電池であり、水素・酸素燃料電池は、その反応生成物が原理的に水のみであり地球環境への影響がほとんどない。なかでも電解質として固体高分子膜を使用する固体高分子形燃料電池は、高いイオン導電性を有する高分子電解質膜が開発され、常温でも作動でき高出力密度が得られるため、近年のエネルギー、地球環境問題への社会的要請の高まりとともに、電気自動車用等の移動車両や、小型コージェネレーションシステムの電源として大きな期待が寄せられている。
固体高分子形燃料電池では、通常、固体高分子電解質としてプロトン伝導性のイオン交換膜が使用され、特にスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜が基本特性に優れている。固体高分子形燃料電池では、イオン交換膜の両面にガス拡散性の電極層を配置し、燃料である水素を含むガス及び酸化剤となる酸素を含むガス(空気等)を、それぞれアノード及びカソードに供給することにより発電を行う。
固体高分子形燃料電池のカソードにおける酸素の還元反応は過酸化水素(H)を経由して反応が進行することから、触媒層中で生成する過酸化水素又は過酸化物ラジカルによって、電解質膜の劣化を引き起こす可能性が懸念されている。また、アノードには、カソードから酸素分子が膜内を透過してくるため、同様に過酸化水素又は過酸化物ラジカルを生成することも懸念される。特に炭化水素系膜を固体高分子電解質膜とする場合は、ラジカルに対する安定性に乏しく、長期間にわたる運転においては大きな問題となっていた。
例えば、固体高分子形燃料電池が初めて実用化されたのは、米国のジェミニ宇宙船の電源として採用された時であり、この時にはスチレン−ジビニルベンゼン重合体をスルホン化した膜が電解質膜として使用されたが、長期間にわたる耐久性には問題があった。一方、炭化水素系の重合体からなる電解質膜に対し、ラジカルに対する安定性が格段に優れる重合体として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜が知られている。近年、これらのパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜を用いた固体高分子形燃料電池は、自動車用、住宅用市場等の電源として期待され、実用化への要望が高まり開発が加速している。これらの用途では、特に高い効率での運転が要求されるため、より高い電圧での運転が望まれると同時に低コスト化が望まれている。また、燃料電池システム全体の効率の点から低加湿又は無加湿での運転が要求されることも多い。
しかし、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜を用いた燃料電池においても、高加湿下での運転では安定性が非常に高いものの、低加湿又は無加湿での運転条件においては、電圧の低下が大きいことが報告されている(非特許文献1参照)。すなわち、低加湿又は無加湿での運転条件においては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜においても過酸化水素又は過酸化物ラジカルにより電解質膜の劣化が進行するものと考えられる。
陽イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜から構成される電解質膜の劣化を抑制する方法として、電解質膜又は電極にリン酸セリウムを含ませる方法が報告されている(特許文献1参照)。リン酸セリウムを含む電解質膜の製造方法としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜を硝酸セリウムの水溶液に浸漬し、次いでリン酸水溶液に接触させ、リン酸セリウムを析出させる方法が報告されている(特許文献1参照)。また、リン酸セリウムを含む電極の製造方法としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体の溶液分散液にリン酸セリウム粉末を混合させ、この液を塗工して電極を形成する方法が報告されている(特許文献1参照)。
特開2005−71760号公報(請求項2、4頁19〜46行、9頁20行〜10頁7行、実施例1、実施例11) 新エネルギー・産業技術総合開発機構主催 平成12年度固体高分子形燃料電池研究開発成果報告会要旨集、56頁16〜24行
スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜を硝酸セリウムの水溶液に浸漬し、次いでリン酸水溶液に接触させ、膜にリン酸セリウムを析出させて電解質を作製する方法には、以下の問題があった。
まず、膜表面に均一に斑なくリン酸セリウムを析出させることが困難であり、また析出したリン酸セリウムは表層の数ミクロンの厚み部分に堆積したものであり、機械的に容易に除去されてしまう。さらに、水溶液中で膨潤した膜を乾燥させる際に変形が生じ、安定した膜の加工が困難であった。加えて、この方法では、スルホン酸基の大部分は一端セリウムイオンで置換された後、リン酸にて加水分解されスルホン酸基に再生されるが、スルホン酸基の再生割合や析出させるリン酸セリウムの量を制御することは困難であった。
また、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体の分散液にリン酸セリウム粉末を混合させ、この液を塗工して電極を形成する方法においては、リン酸セリウム粉末をパーフルオロカーボン重合体の分散液に微細かつ均一に分散させるには特殊な分散技術が必要とされる。さらに、高純度リン酸セリウム粉末を分散させる方法も提案されているが、工業的に高純度リン酸セリウム粉体を製造するには、大量のリン酸廃水及び洗浄水を必要とする。
本発明は、高い発電性能を有し、かつ長期間にわたって安定した発電が可能な固体高分子形燃料電池用膜又は固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、微細かつ粒度の揃ったリン酸セリウムを均一に含有する電解質膜又は触媒層を簡便に精度よく得ることのできる製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、陽イオン交換基を有する高分子化合物からなる陽イオン交換膜からなり、リン酸セリウムを含む固体高分子形燃料電池用電解質膜の製造方法であって、陽イオン交換基を有する高分子化合物の分散液に、炭酸セリウムを添加して陽イオン交換基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した後、リン酸又はリン酸を含む溶液を前記分散液に添加して、該分散液中にリン酸セリウムを形成し、得られた液状組成物を用いてキャスト製膜し、電解質膜を作製することを特徴とする固体高分子形燃料電池用電解質膜の製造方法を提供する。
また、本発明は、触媒及びイオン交換樹脂を含む触媒層を有するアノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、上記の方法により前記電解質膜を作製することを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、触媒及びイオン交換樹脂を含む触媒層を有するアノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、陽イオン交換基を有する高分子化合物の分散液に、炭酸セリウムを添加して陽イオン交換基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した後、リン酸又はリン酸を含む溶液を前記分散液に添加して、該分散液中にリン酸セリウムを形成し、得られた液状組成物に前記触媒を分散させ、塗工することにより前記カソード及び前記アノードの少なくとも一方を作製することを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法を提供する。
本発明の製造方法により、簡便に、精度よく、リン酸セリウムが膜中に均一に配合された電解質膜を得ることができる。本発明の製造方法では、陽イオン交換基を有する高分子化合物のイオン交換容量とその分散液のポリマー濃度に応じて、炭酸セリウム及びリン酸濃度を適宜調整して添加することが可能であり、キャスト製膜して得られる電解質膜のリン酸セリウム含有量を制御することができる。また、キャスト塗工時の液の濃度や塗工量を調整することより、均一な厚みの電解質膜を作製することができる。同様に、リン酸セリウムが均一に配合された触媒層を形成することができる。
本発明の製造方法により得られる電解質膜又は触媒層は過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対して優れた耐性を有するため、本発明の電解質膜又は触媒層を有する膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池は、耐久性に優れ、長期にわたって安定な発電が可能である。
本発明において、陽イオン交換基を有する高分子化合物の陽イオン交換基としては、特に制約されないが、スルホン酸基、カルボン酸基、スルホンイミド基、ホスホン酸基、ケトイミド基等が挙げられる。特に酸性度が強く、化学的安定性の高いスルホン酸基が好ましい。以下、スルホン酸基を有する高分子化合物を例にとり説明する。
スルホン酸基を有する高分子化合物の分散液の分散媒としては、例えば、アルコール類、水等が挙げられる。なお、本明細書においてはスルホン酸基を有する高分子化合物の分散液には、スルホン酸基を有する高分子化合物の溶液も含まれるものとする。
本発明においては、スルホン酸基を有する高分子化合物の分散液に、炭酸セリウムを添加して溶解させる。炭酸セリウムとしては、Ce(CO・8HOが好ましい。当該分散液に炭酸セリウムを添加すると、セリウムは分散液中でイオンの状態で存在し、高分子化合物のスルホン酸基(−SOH)の少なくとも一部がセリウムイオンによりイオン交換されると考えられる。Ce(CO・8HOを用いた場合は、3価のセリウムイオンが生成する。炭酸塩は、一般的に水に難溶解性であるものが多いが、炭酸セリウムの場合は、スルホン酸基を有する高分子化合物の分散液に水を含有させておくと、容易に炭酸ガスを発生しながら溶解し、スルホン酸基の一部をイオン交換する。引き続き所定量のリン酸を添加すると、容易に再度イオン交換し、リン酸セリウム結晶を形成し安定に分散する。リン酸の添加量が適切な範囲であれば、本溶液をキャスト法で塗工し、溶媒を乾燥除去して電解質膜を得ると、当該電解質膜中にはポリマー官能基であるスルホン酸基以外のアニオン種は残存しないため、過剰のアニオンを水洗する必要は無い。このような膜の製造の観点からも炭酸塩は好ましい。
分散液中に水が含まれないと、炭酸セリウムの溶解に時間を要する場合があるので、分散液中に水を含有させることが好ましい。分散液中に含有させる水の量は、スルホン酸基を有する高分子化合物のイオン交換容量や濃度、添加するセリウム又はマンガンとの交換率により適宜設定される。
スルホン酸基を有する高分子化合物の分散液の固形分濃度は特に限定されないが、後段の工程において通常のキャスト塗工が可能であるという観点から、高分子化合物は分散液全質量に対して5〜50%であることが好ましく、10〜35%であることがより好ましい。
高分子化合物のスルホン酸基100当量に対し0.5〜80当量のセリウムイオンに相当する量の炭酸セリウムを添加することが好ましい。スルホン酸基100当量に対するセリウムイオンの当量を以下、「置換率」という。置換率はより好ましくは、1〜50当量である。置換率がこの範囲よりも小さいと過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対する十分な安定性が確保できないおそれがある。また置換率がこの範囲よりも大きいと、高分子化合物の凝集体が生成するおそれがある。
また、セリウムイオン1当量に対し0.5〜4当量のリン酸イオンに相当する量のリン酸を添加することが好ましい。より好ましくはセリウムイオン1当量に対し1〜3当量である。該割合がこの範囲より低いとリン酸セリウムが十分に形成されないおそれがある。また該割合がこの範囲より高いと過剰のリン酸が残存し、膜電極接合体を形成した後、触媒を被毒するおそれがある。
膜中に形成されるリン酸第一セリウム(リン酸セリウム(III)、CePO)又はリン酸第二セリウム(リン酸セリウム(IV)、Ce(PO)は無水物でもよく、結晶水又は水和水を有していてもよい。本発明では、リン酸セリウムの形態がいずれであっても、十分にその効果を得ることが可能である。
キャスト製膜する分散液の固形分濃度は特に限定されない。通常のキャスト塗工が可能なように、濃度、粘度を調製することができるが、この観点から固形分濃度は液状組成物全質量に対する質量比で5〜50%、特に10〜35%であることが好ましい。
リン酸セリウムは一般に電気伝導度が低いため、膜中に添加した量に依存して電流遮蔽が発生する。したがって、本発明の製造方法により得られる電解質膜中に含まれるリン酸セリウムの好ましい割合としては、電解質膜全質量の0.3〜20%(質量比)であることが好ましく、より好ましくは0.4〜10%、さらに好ましくは0.5〜5%である。
膜中のリン酸セリウムの含有量がこの範囲よりも少ないと、過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対する十分な安定性が確保できないおそれがある。また含有量がこの範囲よりも多いと、上述の様に電流遮蔽が発生するため、膜抵抗が増大して発電特性が低下するおそれがある。
電解質膜は、リン酸セリウムを不均一に含有するように調整することもできる。例えば、2層以上の層からなる陽イオン交換膜(積層膜)であってその全ての層ではなく少なくとも1層がリン酸セリウムを含有している、すなわち厚さ方向に不均一にリン酸セリウムを含んでいてもよい。したがって、特にアノード側について過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対する耐久性を高める必要がある場合は、アノードに一番近い層のみリン酸セリウムを含有するイオン交換膜からなる層とすることもできる。
なお、本発明により得られる電解質膜が積層膜からなる場合は、電解質膜全体に対するリン酸セリウムの割合が上述の範囲に入っていればよく、リン酸セリウムを含む層自体のリン酸セリウムの含有率は上述の範囲より高くてもよい。
本発明において電解質膜を構成する陽イオン交換膜は、スルホン酸基を有する高分子化合物からなることが好ましい。スルホン酸基を有する高分子化合物としては特に限定されないが、イオン交換容量は0.5〜3.0ミリ当量/g乾燥樹脂であることが好ましく、特に0.7〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂であることが好ましい。また、耐久性の観点から当該高分子化合物は含フッ素重合体であることが好ましく、特にスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(エーテル結合性の酸素原子を含んでいてもよい)が好ましい。上記パーフルオロカーボン重合体としては特に限定されないが、CF=CF−(OCFCFX)−O−(CF−SOHで表されるパーフルオロ化合物(mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0又は1を示し、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)に基づく重合単位と、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含む共重合体であることが好ましい。
上記パーフルオロ化合物の好ましい例をより具体的に示すと、下記式(i)〜(iii)で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
Figure 2006324094
スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体を用いる場合、重合後にフッ素化することにより重合体の末端がフッ素化処理されたものを用いてもよい。重合体の末端がフッ素化されていると、より過酸化水素や過酸化物ラジカルに対する安定性が優れるため耐久性が向上する。
また、スルホン酸基を有する高分子化合物として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体以外のものも使用でき、例えば高分子の主鎖に、又は主鎖と側鎖に芳香環を有しており、該芳香環にスルホン酸基が導入された構造を有する高分子化合物であって、イオン交換容量が0.8〜3.0ミリ当量/g乾燥樹脂である高分子化合物が好ましく使用できる。具体的には、例えば下記の高分子化合物が使用できる。
スルホン化ポリアリーレン、スルホン化ポリベンゾオキサゾール、スルホン化ポリベンゾチアゾール、スルホン化ポリベンゾイミダゾール、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリフェニレンスルホン、スルホン化ポリフェニレンオキシド、スルホン化ポリフェニレンスルホキシド、スルホン化ポリフェニレンサルファイド、スルホン化ポリフェニレンスルフィドスルホン、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルケトンケトン、スルホン化ポリイミド等。
上記スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体は、対応するフルオロスルホニル基(−SOF基)を有するモノマーを共重合させた後、加水分解、酸型化処理を行うことにより得られる。
スルホンイミド基(−SONHSO基)を有する高分子化合物は、対応するフルオロスルホニル基(−SOF基)を有するモノマーの−SOF基をスルホンイミド基に変換したモノマーを共重合させる、又は対応する−SOF基を有するポリマーを合成し、該ポリマーの−SOF基を変換することによって得られる。−SOF基は、RSONHM(Rはパーフルオロアルキル基、Mはアルカリ金属又は1〜4級のアンモニウム)との反応により塩型のスルホンイミド基(−SONMSO基)に変換でき、さらに硫酸、硝酸、塩酸等の酸で処理することにより、酸型に変換できる。
ホスホン酸基を有する高分子化合物としては、テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位と、CF=CFO(CFPO(OH)とに基づく繰り返し単位とを含む共重合体が好適な例として挙げられる。
本発明により得られる電解質膜は、リン酸セリウムを含む、陽イオン交換基を有する高分子化合物のみからなる膜であってもよいが、他の成分を含んでいてもよい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)やパーフルオロアルキルエーテル等の他の樹脂等の繊維、織布、不織布、多孔体等により補強されている膜を、本発明の液状組成物を用いて製膜する方法にも適用できる。
本発明により得られる膜電極接合体を有する固体高分子形燃料電池は、例えば以下のような構成である。すなわち、電解質膜の両面に、触媒とイオン交換樹脂とを含む触媒層を有するアノード及びカソードが配置された膜電極接合体を備える。膜電極接合体のアノード及びカソードは、好ましくは触媒層の外側(膜と反対側)にカーボンクロスやカーボンペーパー等からなるガス拡散層が配置される。膜電極接合体の両面には、燃料ガス又は酸化剤ガスの通路となる溝が形成されセパレータが配置され、セパレータを介して膜電極接合体が複数積層されたスタックを構成し、アノード側には水素ガスが供給され、カソード側には酸素又は空気が供給される構成である。アノードにおいてはH→2H+2eの反応が起こり、カソードにおいては1/2O+2H+2e→HOの反応が起こり、化学エネルギーが電気エネルギーに変換される。
また、本発明の膜電極接合体は、アノード側に燃料ガスではなくメタノールを供給する直接メタノール燃料電池にも使用できる。
膜電極接合体は通常の手法に従い、例えば以下のようにして得られる。まず、白金触媒又は白金合金触媒微粒子を担持させた導電性のカーボンブラック粉末とイオン交換樹脂の溶液を混合し均一な触媒層形成用塗工液(以下、塗工液という。)を得て、例えば以下のいずれかの方法でガス拡散電極を形成して膜電極接合体を得る。
第1の方法は、電解質膜の両面に上記塗工液を塗布し乾燥後、両面を2枚のカーボンクロス又はカーボンペーパーで密着する方法である。第2の方法は、上記塗工液を2枚のカーボンクロス又はカーボンペーパー上に塗布乾燥後、塗工液が塗布された面が上記電解質膜と密着するように、上記電解質膜の両面から挟みこむ方法である。なお、ここでカーボンクロス又はカーボンペーパーは触媒を含む層により均一にガスを拡散させるためのガス拡散層としての機能と集電体としての機能を有するものである。また、別途用意した基材に上記塗工液を塗工して触媒層を作製し、転写等の方法により電解質膜と接合させた後に基材をはく離し、上記ガス拡散層で挟み込む方法も使用できる。
触媒層中に含まれるイオン交換樹脂は特に限定されないが、本発明における電解質膜を構成する陽イオン交換基を有する高分子化合物であることが好ましく、特にスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体であることが好ましい。触媒層は、本発明による電解質膜と同様にリン酸セリウムを含んでいてもよい。このような触媒層では、イオン交換樹脂の分解が効果的に抑制されるので、固体高分子形燃料電池はさらに耐久性が付与される。また、電解質膜としてはリン酸セリウムを含まないイオン交換樹脂を使用し、触媒層のみリン酸セリウムを含有させることもできる。
触媒層中にリン酸セリウムを含有させる場合、陽イオン交換基を有する高分子化合物の分散液に、炭酸セリウムを添加して陽イオン交換基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した後、リン酸又はリン酸を含む溶液を前記分散液に添加して、該分散液中にリン酸セリウムを形成し、得られた液状組成物に触媒を分散させたものを塗工液として上記同様の方法で触媒層を形成すればよい。この場合、カソード及びアノードのいずれか一方のみを上記リン酸セリウムを含む塗工液を使用して作製することもできるし、カソード、アノードともに上記リン酸セリウムを含む塗工液を使用して作製することもできる。
炭酸セリウムの添加量、リン酸の添加量については特に限定されないが、本発明の電解質膜の製造方法における数値範囲と同様の範囲を好ましく採用することができる。
触媒層中に含まれるリン酸セリウムの好ましい割合としては、0.1〜10%(質量比)であることが好ましく、0.3〜5%であることがより好ましい。触媒層中のリン酸セリウムの含有量がこの範囲より少ないと上述したリン酸セリウムの効果が十分に得られないおそれがあり、また含有量がこの範囲よりも多いと、抵抗の上昇につながるおそれがある。
以下、本発明を具体的に実施例及び比較例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、電解質膜について物性の測定及び試験を以下のように行った。
<導電率>
Electrochimica.Acta.,43,24,3749−3754(1998)に記載の方法に従い、四端子白金電極による交流抵抗10kHzでの80℃、95%RHにおける導電率を測定した。
<フェントン試験>
乾燥窒素雰囲気下にて質量測定した電解質膜を、3%の過酸化水素と200ppmのFeに相当する硫酸第1鉄(FeSO・7HO)とを含む水溶液中に入れ、90℃、16時間の浸漬試験を行った。試験後の水溶液中のフッ素イオン濃度をフッ素イオン電極((株)東興化学研究所製、CE5101−SR)で測定した。膜の質量あたりのフッ素イオン生成量を算出した。
[例1(実施例)]
300mlガラス製丸底フラスコに、CF=CF/CF=CFOCFCF(CF)O(CFSOH共重合体(イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)をエタノールと水の混合液(水:エタノール=40:60)に分散させた固形分濃度30質量%の分散液(以下、分散液Aという)100gを用意した。この分散液Aに対して、炭酸セリウム(Ce(CO・8HO)1.0gを添加して、スターラーで、室温で4時間撹拌した。これにより、CF=CF/CF=CFOCFCF(CF)O(CFSOH共重合体のスルホン酸基の30%をCe3+でイオン交換した液状組成物を得た。
次にこの液状組成物に1mol/Lのリン酸(HPO)水溶液3.3g(PO 3−/Ce3+=1/1モル比)を撹拌しながら滴下し、さらに室温で2時間撹拌を続けた。滴下開始より微細な白色の粒子の析出がみられ、最終的には均一で安定に分散した白色の液状組成物(以下、液状組成物Bという)が得られた。この白色の粒子をX線回折により同定した結果、リン酸第一セリウムであることが確認された。液状組成物Bの粒度分布をマイクロトラック(日機装株式会社製、溶媒:エタノール/水=1/1)で測定したところ、平均粒径0.8μm(標準偏差0.2)であり、粒度のそろったものであった。液状組成物Bを室温で1週間放置しても、粒度分布に変化はなかった。
次に、液状組成物Bを100μmのエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体からなるシート(商品名:アフレックス100N、旭硝子社製、以下、単にETFEシートという。)上に、ダイコータにて塗工してキャスト製膜し、80℃で10分予備乾燥した後、120℃で10分乾燥し、さらに150℃で30分のアニールを施し、膜厚50μmの固体高分子電解質膜を得た。この膜中に存在する白色の粒子をX線回折により同定したところ、リン酸第一セリウムであることが確認された。高分子電解質膜を窒素中で乾燥し、ついで濃硝酸(14mol/L)に浸し、リン酸セリウムをすべて溶解させた液をICP分光分析で測定した。その結果から、リン酸第一セリウムは、膜の全質量に対して2.5%含まれていたことがわかった。得られた膜の導電率は、0.20S/cmであった。また、フェントン試験における膜の質量あたりのフッ素イオン生成量は0.002%であった。
次に、白金がカーボン担体(比表面積800m/g)に触媒全質量の50%含まれるように担持された触媒粉末(エヌ・イーケムキャット社製)1.0gに、蒸留水5.1gを混合した。この混合液にCF=CF/CF=CFOCFCF(CF)O(CFSOH共重合体(イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)をエタノールに分散させた固形分濃度9質量%の液5.6gを混合した。この混合物をホモジナイザー(商品名:ポリトロン、キネマチカ社製)を使用して混合、粉砕させ、触媒層形成用塗工液を作製した。
この塗工液を、ポリプロピレン製の基材フィルムの上にバーコータで塗工した後、80℃の乾燥器内で30分間乾燥させて触媒層を作製した。なお、触媒層形成前の基材フィルムのみの質量と触媒層形成後の基材フィルムの質量を測定することにより、触媒層に含まれる単位面積あたりの白金の量を算出したところ、0.5mg/cmであった。
次に、上述のリン酸セリウムを含有させた電解質膜から、5cm×5cmの大きさの膜を切り出し、この膜の両面に基材フィルム上に形成された触媒層をそれぞれ配置し、ホットプレス法により転写してアノード触媒層及びカソード触媒層をイオン交換膜の両面にそれぞれ接合した膜触媒層接合体を得た。なお、電極面積は16cmであった。
この膜触媒層接合体を厚さ350μmのカーボンクロスからなるガス拡散層2枚の間に挟んで膜電極接合体を作製し、発電用セルを完成させ、加速試験として開回路試験(OCV試験)を行った。試験は、常圧で、電流密度0.2A/cmに相当する水素(利用率70%)及び空気(利用率40%)をそれぞれアノード及びカソードに供給し、セル温度は90℃、アノードガスの露点は60℃、カソードガスの露点は60℃として、発電は行わずに開回路状態で100時間運転し、その間の電圧変化を測定した。また、試験前後にアノードに水素、カソードに窒素を供給し、膜を通してアノードからカソードにリークする水素ガス量を分析し、膜の劣化の程度を調べた。結果を表1に示した。
[例2(比較例)]
固体高分子電解質膜として、例1で用いたものと同じ市販のイオン交換膜を何も処理せずに用いた。膜の導電率は、0.29S/cmであった。また、フェントン試験における膜の質量あたりのフッ素イオン生成量は0.037%であった。
次に、この膜を用いて例1と同様にして膜電極接合体を得た。この膜電極接合体について例1と同様の評価を行ったところ、表1に示す結果のとおりとなった。
Figure 2006324094
[例3〜6]
例1において、スルホン酸基を有する高分子化合物のイオン交換容量、Ce3+による置換率、リン酸の添加量それぞれを表2に示す各種組み合わせのように変更したほかは、例1と同様の方法により、電解質膜を得て、導電率の測定及びフェントン試験を行った。それらの結果を例2の結果と合わせて表2に示す。
セリウムによりイオン置換し、さらにリン酸セリウム塩とすることでフッ素イオンの生成が抑制されていることがわかる。セリウムでイオン交換すると導電率が低下するが、リン酸添加により回復が見られる。このように本発明の製造方法では、膜中のリン酸セリウムの含有量の調整を容易に制御できる。
Figure 2006324094
[例7(比較例)]
固体高分子電解質膜として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる厚さ50μmのイオン交換膜(商品名:フレミオン、旭硝子社製、イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)であって、大きさ7.5cm×7.5cmを使用した。この膜全体の重さを乾燥窒素中で16時間放置した後、乾燥窒素中で測定したところ、0.56gであった。この膜のスルホン酸基の量は以下の式により求められる。
0.56×1.1(1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)=0.62(ミリ当量)。
次に、この膜を、セリウムイオン濃度0.05wt%になるように、硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)を溶解した水溶液に浸漬し、90℃で2時間加熱した。次いで膜を0.1mol/Lのリン酸(HPO)水溶液に浸漬し、90℃で1時間、加水分解させた。膜は次第に白色化し、リン酸セリウムが膜表面に析出した。さらに、イオン交換水で数回洗浄した後、イオン交換水中で90℃、30分加熱し、余剰のHPOを除去した。この膜を再び乾燥窒素中で16時間放置した後、乾燥窒素中で測定したところ、膜重量変化は5.6%であった。
表層に析出したリン酸セリウムは、まだら状の不均一な部分があり、水拭きすると一部欠落するので取り扱いに注意を要した。膜の導電率を測定すると、0.05S/cmと低いものであった。これは表層のリン酸セリウムを除去したものでも同様の値であり、膜内部に取り込まれたセリウムイオンが多く残存している、すなわちHPOによる加水分解が不十分であったと考えられる。
[例8(比較例)]
硝酸セリウム(Ce(NO・6HO)10.0gを500mLの蒸留水に溶解し、この中に1mol/Lのリン酸(HPO)水溶液を100g滴下し、白色の沈殿を得た。これを水洗し、pHが7になるまで水洗・濾過を繰り返し、80℃で乾燥した。この結晶を、X線回折により同定した結果、リン酸第一セリウムであることが確認された。
次に、300mlのガラス製丸底フラスコに、分散液A100gと、上記で得られたリン酸第一セリウム0.75gとを仕込み、マグネチックスターラーで室温で8時間撹拌することにより、リン酸セリウムが分散した液状組成物を得た。液状組成物の粒度分布をマイクロトラック(溶媒:エタノール/水=1/1)で測定したところ、平均粒径10μm(標準偏差0.2)であった。この溶液を1週間放置すると一部沈降が見られ、再度撹拌して粒度分布を測定したところ平均粒径は13μmであった。
次にこの組成物を100μmのETFEシート上に、ダイコータで塗工してキャスト製膜し、80℃で10分予備乾燥した後、120℃で10分乾燥し、さらに150℃で30分のアニールを施して、膜厚50μmでリン酸第一セリウムの含有率が膜全質量の2.5%の高分子電解質膜を得た。
得られた膜は、ほぼ均一な外観を与えるが、一部に斑やブツが生じていた。膜の比較的均一な領域の導電率は、0.21S/cmであった。
[例9(実施例)]
白金がカーボン担体(比表面積800m/g)に触媒全質量の50%含まれるように担持された触媒粉末(エヌ・イーケムキャット社製)1.0gに、蒸留水5.1gを混合した。この混合液に例1で作製した液状組成物B1.3gを混合した。この混合物をホモジナイザー(商品名:ポリトロン、キネマチカ社製)を使用して混合、粉砕し、触媒層形成用塗工液を作製した。
この塗工液を、ポリプロピレン製の基材フィルムの上にバーコータで塗工した後、80℃の乾燥器内で30分間乾燥させて触媒層を作製した。なお、触媒層形成前の基材フィルムのみの質量と触媒層形成後の基材フィルムの質量を測定することにより、触媒層に含まれる単位面積あたりの白金の量を算出したところ、0.5mg/cmであった。
次に、固体高分子電解質膜として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる厚さ50μmのイオン交換膜(商品名:フレミオン、旭硝子社製、イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)を使用し、5cm×5cmの大きさの膜を切り出し、この膜の両面に基材フィルム上に形成された触媒層をそれぞれ配置し、ホットプレス法により転写してアノード触媒層及びカソード触媒層をイオン交換膜の両面にそれぞれ接合した膜触媒層接合体を得た。なお、電極面積は16cmであった。例1と同様の評価を行うと、表3に示す結果のとおりとなった。
Figure 2006324094
本発明により得られる電解質膜又は電極は、燃料電池の発電により生成される過酸化水素又は過酸化物ラジカルに対する耐久性が極めて優れている。したがって、この電解質膜又は電極を有する膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池は、低加湿発電においても長期の耐久性を有する。

Claims (10)

  1. 陽イオン交換基を有する高分子化合物からなる陽イオン交換膜からなり、リン酸セリウムを含む固体高分子形燃料電池用電解質膜の製造方法であって、
    陽イオン交換基を有する高分子化合物の分散液に、炭酸セリウムを添加して陽イオン交換基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した後、リン酸又はリン酸を含む溶液を前記分散液に添加して、該分散液中にリン酸セリウムを形成し、得られた液状組成物を用いてキャスト製膜し、電解質膜を作製することを特徴とする固体高分子形燃料電池用電解質膜の製造方法。
  2. 陽イオン交換基はスルホン酸基である請求項1記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜の製造方法。
  3. 前記スルホン酸基を有する高分子化合物を水を含む液体中に分散させる請求項2に記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜の製造方法。
  4. 高分子化合物のスルホン酸基100当量に対し0.5〜80当量のセリウムイオンに相当する量の炭酸セリウムを添加する請求項2又は3に記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜の製造方法。
  5. セリウムイオン1当量に対し0.5〜4当量のリン酸イオンに相当する量のリン酸を添加する請求項2〜4のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜の製造方法。
  6. リン酸セリウムは、前記電解質膜全質量の0.3〜20%含まれる請求項2〜5のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜の製造方法。
  7. 前記高分子化合物は、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)からなる請求項2〜6のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜の製造方法。
  8. 前記高分子化合物は、テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位とCF=CF−(OCFCFX)−O−(CF−SOHで表されるパーフルオロ化合物(Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0又は1を示す。)に基づく繰り返し単位とを含む共重合体である請求項2〜7のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用電解質膜の製造方法。
  9. 触媒及びイオン交換樹脂を含む触媒層を有するアノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
    請求項1〜8のいずれかの方法により前記電解質膜を作製することを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  10. 触媒及びイオン交換樹脂を含む触媒層を有するアノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される電解質膜とを備える固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
    陽イオン交換基を有する高分子化合物の分散液に、炭酸セリウムを添加して陽イオン交換基の一部をセリウムイオンによりイオン交換した後、リン酸又はリン酸を含む溶液を前記分散液に添加して、該分散液中にリン酸セリウムを形成し、得られた液状組成物に前記触媒を分散させ、塗工することにより前記カソード及び前記アノードの少なくとも一方を作製することを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
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