JP2006323164A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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悟 塩原
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Abstract

【課題】刃物等でノッチに切り込みを入れて外被を切断してから光ファイバを取り出す際に、前記刃物で光ファイバに損傷を与えない。
【解決手段】光ファイバケーブル1は、複数の光ファイバ心線などを一列に並列して配置してなるテープ状の光ファイバ3と、この光ファイバ3を挟んでその厚さ方向の両側に接するように配置されたテープ状介在部材5と、前記光ファイバ3を挟んでその幅方向の両側に平行に配置された少なくとも一対の抗張力体7と、前記光ファイバ3とテープ状介在部材5と一対の抗張力体7との外周上を被覆した外被9と、前記一対の抗張力体7との中心を通る平面11と垂直方向で前記テープ状介在部材5の両側における前記外被9の表面に形成されたノッチ部13と、から長尺の光エレメント部15を構成している。さらに、前記テープ状介在部材5は、ヤング率が5,000〜10,000MPaで、且つ厚さが0.1〜0.2mmである。
【選択図】図1

Description

この発明は、複数の光ファイバ素線又は光ファイバ心線、あるいは光ファイバテープ心線を一列に並列して配置してなる光ファイバを小規模ビル或いは一般家庭に引き込む際の電柱間に架設する光ファイバドロップケーブルあるいは小規模ビル或いは一般家庭に引き込むためのインドアドロップケーブルなどの光ファイバケーブルに関する。
従来、FTTH(Fiber to the Home)すなわち家庭またはオフィスでも超高速データ等の高速広帯域情報を送受できるようにするために、電話局から延線されたアクセス系の光ファイバケーブルから、ビルあるいは一般住宅などの加入者宅へ光ファイバ素線、光ファイバ心線又は光ファイバテープ心線からなる光ファイバが引き落とされて、これを配線するために光ファイバドロップケーブルが用いられている。つまり、光ファイバドロップケーブルは電柱上の幹線ケーブルの分岐クロージャから家庭内へ光ファイバを引き込む際に用いられ、主に、図3に示されているような光ファイバドロップケーブル(屋外線)や、より長い布設径間長に適用するために支持線サイズをUPした少心光架空ケーブルが使用されている。また、インドアドロップケーブルは、家庭あるいはオフィスビル内の各部屋に光ファイバを引き込む際に用いられる光ファイバドロップケーブルである。
なお、加入者系の光ファイバケーブルでは活線状態での中間後分岐の要望が高まり、光ファイバケーブルの任意の中間部で容易に単心線に分割可能なテープ型光ファイバ心線が開発されている。
図2を参照するに、従来の光ファイバドロップケーブル101は、光ファイバ素線、光ファイバ心線又は光ファイバテープ心線からなる光ファイバ103と、この光ファイバ103を挟んでその両側に平行に配置された少なくとも一対の抗張力体105と、前記光ファイバ103と一対の抗張力体105との外周上を被覆した断面形状がほぼ矩形形状で樹脂からなる外被107と、前記光ファイバ103と一対の抗張力体105の中心軸(X軸)を通る第1平面109と垂直で、かつ前記光ファイバ103の中心軸(Y軸)を通る第2平面111の両側の離れた前記外被107の表面に形成されたノッチ113と、から長尺の光エレメント部115を構成している。
この長尺の光エレメント部115と、この光エレメント部115における外被107の左側に首部117を介して、支持線としての吊り線119を被覆した樹脂からなる外被121で一体化されたケーブル支持線部123と、から前記光ファイバドロップケーブル101が構成されている。しかも、前記吊り線119の中心軸(X軸)を通る平面は前記第1平面109と一致している。
上記構成により、従来の光ファイバドロップケーブル101は、図3に示されているように両側端部の首部117を一部切り裂いて光エレメント部115とケーブル支持線部123とが分離され、この分離された一方のケーブル支持線部123の端部123Aが電柱125の屋外線引き留め具127に固定され、他方の端部123Bが家屋の一部に引き留め具127を介して固定される。
そして、前記光エレメント部115の一方の端部115Aは切り裂かれて内部から光ファイバ103を取り出し、この光ファイバ103が電柱125上の分岐クロージャ129に接続される。この分岐クロージャ129では、電柱125上のアクセス系の光ファイバケーブル131から分岐された光ファイバと上記の光エレメント部115の端部115Aから取り出された光ファイバ103が接続される。一方、前記光エレメント部115の他方の端部115Bは切り裂かれて内部から光ファイバ103を取り出し、この光ファイバ103が屋内のOE変換器または成端箱133に接続される。この際に、前記光エレメント部115を引き裂いた際の光ファイバ103の取り出し性が重要となる。
また、従来の他の光ファイバドロップケーブルの構造としては、特許文献1のように、前述した図2の光エレメント部115に該当する部分において光ファイバテープ心線などの光ファイバ103を上下から挟み込むようにして緩衝テープが縦添えされている。この緩衝テープの目的は、光ファイバテープ心線の横方向の移動防止、長手方向のみを可動とすることで、伝送損失を低減させることにある。
また、従来の別の光ファイバドロップケーブルの構造としては、特許文献2のように、前述した図2の光エレメント部115に該当する部分において光ファイバテープ心線などの光ファイバ103を上下から挟み込むようにして吸水性テープが縦添えされている。この吸水テープの目的は、水が浸入する際には吸水テープが水と反応し膨潤して止水ダムを形成し、水走りを防止することにある。
また、従来の別の光ファイバドロップケーブルの構造としては、特許文献3のように、前述した図2の光エレメント部115に該当する部分において光ファイバ心線などの光ファイバ103を挟むようにして外被107よりも硬い保護部材を設けている。この保護部材の目的は、蝉の産卵管をブロックして光ファイバ103を保護することにある。
特開2004−145132号公報 特開2004−151434号公報 特開2002−90591号公報
ところで、図2の従来の光ファイバドロップケーブル101において、任意の中間部で光ファイバ103の口出しを行うには、光エレメント部115の中央に設けたノッチ113から外被107を左右に引き裂く必要がある。この作業は、専用工具の爪部が図2において上下方向からノッチ113に押し込まれ、次いで外被107が爪部により左右に開かれる工程からなる。この時、光ファイバ103は外被107を介して上下から側圧を受けた状態で、図2において左右に引っ張られることになる。そのために、光ファイバ103に曲がりが加わり、損失増加や瞬断が発生することがある。また、光ファイバ103として、容易に単心線に分割可能なテープ型光ファイバ心線が用いられた場合には、テープ形状が壊れることがある。そのために、活線状態での中間後分岐は不可能であった。
この問題を解決する方法としては、刃物等でノッチ113に切り込みを入れて外被107を切断してから、この外被107を図2において左右に引き裂く方法がある。しかし、刃先が光ファイバ103に触れると、光ファイバ103に傷が付いて断線する危険があるので不可能であった。
また、特許文献1〜特許文献3の光ファイバケーブルにおいては、緩衝テープ、吸水性テープ、保護部材などのテープ状介在部材が光ファイバ103を上下から挟み込むようにして縦添えするように配置されているが、前記テープ状介在部材は、柔らかすぎると外被107を切断する際に、光ファイバ103が傷付き易くなり、また、硬すぎると光エレメント部115が曲げ難くなる。また、テープ状介在部材の厚さ(短径)が小さいと外被107を切断する際に光ファイバ103が傷付き易くなり、テープ状介在部材の厚さ(短径)が大きすぎると光エレメント部115の短径が大きくなってしまい、既存の接続材料等が使用できなくなるという問題点があった。
この発明は上述の課題を解決するためになされたものである。
この発明の光ファイバケーブルは、複数の光ファイバ素線又は光ファイバ心線、あるいは光ファイバテープ心線を一列に並列して配置してなる光ファイバと、この光ファイバを挟んでその厚さ方向の両側に接するように配置されたテープ状介在部材と、前記光ファイバを挟んでその幅方向の両側に平行に配置された少なくとも一対の抗張力体と、前記光ファイバとテープ状介在部材と一対の抗張力体との外周上を被覆した外被と、前記一対の抗張力体の中心を通る平面と垂直方向で前記テープ状介在部材の両側における前記外被の表面に形成されたノッチ部と、から長尺の光エレメント部を構成している光ファイバケーブルであって、
前記テープ状介在部材は、ヤング率が5,000〜10,000MPaで、且つ厚さが0.1〜0.2mmであることを特徴とするものである。
また、この発明の光ファイバケーブルは、前記光ファイバケーブルにおいて、前記光エレメント部に、支持線を外被で被覆した長尺のケーブル支持線部が互いに平行に一体化されていることが好ましい。
以上のごとき課題を解決するための手段から理解されるように、この発明によれば、複数の光ファイバ素線又は光ファイバ心線、あるいは光ファイバテープ心線を一列に並列して配置してなる光ファイバを挟んでその厚さ方向の両側に、ヤング率が5,000〜10,000MPaで、且つ厚さが0.1〜0.2mmであるテープ状介在部材を光ファイバに接するように配置することにより、光ファイバを傷付けることなくノッチ部で外被を切断できるので、損失増加や瞬断させることなく、光ファイバケーブルの任意の中間部での口出し作業を容易にできる。この為、活線での中間後分岐作業を行うことができる。
また、上記の理由で光ファイバを傷付けることなくノッチ部で外被を切断できるので、専用工具を用いずに、任意の中間部での口出し作業を行うことができる。
さらに、上記の理由で光ファイバを傷付けることなくノッチ部で外被を切断できるので、光ファイバに側圧を与えることなく口出しを行うことができる。また、光エレメント部内の光ファイバとして、容易に単心線に分割可能なテープ型光ファイバ心線が用いられた場合でも、光ファイバのテープ形状を壊わすことなく、口出し作業を行うことができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1を参照するに、この実施の形態に係る光ファイバケーブルとして光ファイバドロップケーブル1を例にとって説明すると、この光ファイバドロップケーブル1は、複数の光ファイバ素線又は光ファイバ心線、あるいは光ファイバテープ心線を一列に並列して配置してなる光ファイバ3と、この光ファイバ3を挟んでその厚さ方向の両側に接するように配置されたテープ状介在部材5と、前記光ファイバ3を挟んでその幅方向の両側に平行に配置された少なくとも一対の抗張力体7と、前記光ファイバ3とテープ状介在部材5と一対の抗張力体7との外周上を被覆した断面形状がほぼ矩形形状で樹脂からなる外被9と、前記一対の抗張力体7の中心軸(X軸)を通る平面11と垂直方向で前記光ファイバ3の中心軸(Y軸)を通る第2平面の両側である前記テープ状介在部材5の両側における前記外被9の表面に形成されたノッチ部13と、から長尺の光エレメント部15を構成している。
また、上記のテープ状介在部材5は、ヤング率が5,000〜10,000MPaで、且つ厚さが0.1〜0.2mmで構成されている。
また、上記の長尺の光エレメント部15と、この光エレメント部15における外被7の左側に首部17を介して、支持線としての例えば吊り線19を被覆した樹脂からなる外被21で一体化されたケーブル支持線部23と、から前記光ファイバドロップケーブル1が構成されている。しかも、前記吊り線19の中心軸(X軸)を通る平面は前記平面11と一致している。なお、この実施の形態では上記の光エレメント部15の外被9とケーブル支持線部23の外被21は同じ樹脂で構成されている。
また、光ファイバドロップケーブル1を解体して光ファイバ3とテープ状介在部材5の長さを比較した場合にテープ状介在部材5の方が光ファイバ3に比べて短いことが望ましい。その理由は、光ファイバ3に比べてテープ状介在部材5の方が長い場合は、光ファイバドロップケーブル1を曲げたときに長い分だけ余分なテープ状介在部材5によって光ファイバ3が押されて曲げられるために、損失増加が発生し易いからである。
上記構成により、テープ型の光ファイバ3の図1において上下方向に光ファイバ3に接するようにテープ状介在部材5が配置されることにより、光ファイバ3を傷付けることなく、ノッチ部13で外被9を切断し、損失増加や瞬断を発生させることなく、光ファイバドロップケーブル1の任意の中間部での口出し作業が容易となる。
なお、上記のテープ状介在部材5は、柔らかすぎるとナイフ等で外被9を切断する際に光ファイバ3が傷付き易くなり、また、硬すぎると光エレメント部15が曲げ難くなる。また、テープ状介在部材5の厚さ(短径)が小さいと外被9を切断する際に光ファイバ3が傷付き易くなり、テープ状介在部材5の厚さ(短径)が大きすぎると光エレメント部15の短径が従来ケーブルに比べて大きくなってしまい、既存の接続材料等が使用できなくなる。
しかし、この実施の形態のテープ状介在部材5は、ヤング率5,000〜10,000MPaであり、厚さは0.1〜0.2mmであるので、光エレメント部15が曲げ易いと共に、ナイフ等で外被9を切断する際に光ファイバ3を保護できる。しかも、既存の接続材料等が使用できなくなるほど光エレメント部15の短径が大きくなることはない。
図1に示した光ファイバドロップケーブル1を実際に試作し、上記の点を確認した。その結果、テープ状介在部材5は、ヤング率が5,000〜10,000MPaで、且つ厚さが0.1〜0.2mmであることが適当であった。すなわち、テープ状介在部材5のヤング率が5,000MPaより未満であると柔らかすぎるので、ナイフ等で外被9を切断する際に光ファイバ3が傷付き易くなる。一方、テープ状介在部材5のヤング率が10,000MPaより越えると硬すぎるので、光エレメント部15が曲げ難くなる。また、テープ状介在部材5の厚さが0.1mmより未満であると外被9を切断する際に光ファイバ3が傷付き易くなる。一方、テープ状介在部材5の厚さが0.2mmより越えると光エレメント部15の短径が従来ケーブルに比べて大きくなってしまい、既存の接続材料等が使用できなくなる。
例えば、試作ケーブル1においては、ヤング率が約7000MPaで、厚さが0.2mmのポリエステル樹脂を用いた。光工レメント用抗張力体7にはアラミドFRPを使用し、支持線にはφ1.2mmの鋼線を用いた。また、外被9、21の被覆材には難燃ポリオレフィンを使用した。光ファイバドロップケーブル1の外径は、約5.5×2.0mmとした。
その結果、上記の試作ケーブル1は、伝送損失が0.25dB/km以下(測定波長:1.55μm)で、−30〜+70℃×3サイクルにおける損失温度変動が0.1dB/km以下(測定波長:1.55μm)と良好であることが確認された。また、試作ケーブル1の中間後分岐作業としては、中間部にてテープ心線を口出しした時の損失変動が0.1dB以下であった。
以上のように、この発明の実施の形態の光ファイバケーブル1は、テープ型の光ファイバ心線などの光ファイバ3の図1において上下方向に、ヤング率が5,000〜10,000MPaで、且つ厚さが0.1〜0.2mmであるテープ状介在部材5を光ファイバ3に接するように縦添えして配置することにより、光ファイバ3を傷付けることなくノッチ部13で被覆としての外被9を切断できるので、以下の効果を有する。
(1)損失増加や瞬断させることなく、光ファイバケーブル1の任意の中間部での口出し作業が容易となる。この為に、活線での中間後分岐作業が可能となる。
(2)専用工具を用いずに、光ファイバケーブル1の任意の中間部での口出し作業を行うことが可能となる。
(3)光ファイバ3に側圧を与えることなく口出し作業を行うことが可能となる。したがって、光エレメント部15内の光ファイバ3として、容易に単心線に分割可能なテープ型光ファイバ心線が用いられた場合でも、テープ型光ファイバ心線のテープ形状を壊わすことなく、口出し可能となる。
なお、この発明の他の実施の形態のとしては、前述した実施の形態の光ファイバドロップケーブル1におけるケーブル支持線部23を無くした光エレメント部15のみのインドアドロップケーブルなどの光ファイバケーブルであっても構わない。
この発明の実施の形態の光ファイバドロップケーブルの断面図である。 従来の光ファイバドロップケーブルの断面図である。 図2の光ファイバドロップケーブルを用いて各加入者宅に引き込むときの状態説明図である。
符号の説明
1 光ファイバドロップケーブル(光ファイバケーブル)
3 光ファイバ
5 テープ状介在部材
7 抗張力体
9 外被
11 平面(X軸)
13 ノッチ部
15 光エレメント部
17 首部
19 吊り線(支持線)
21 外被
23 ケーブル支持線部

Claims (2)

  1. 複数の光ファイバ素線又は光ファイバ心線、あるいは光ファイバテープ心線を一列に並列して配置してなる光ファイバと、この光ファイバを挟んでその厚さ方向の両側に接するように配置されたテープ状介在部材と、前記光ファイバを挟んでその幅方向の両側に平行に配置された少なくとも一対の抗張力体と、前記光ファイバとテープ状介在部材と一対の抗張力体との外周上を被覆した外被と、前記一対の抗張力体の中心を通る平面と垂直方向で前記テープ状介在部材の両側における前記外被の表面に形成されたノッチ部と、から長尺の光エレメント部を構成している光ファイバケーブルであって、
    前記テープ状介在部材は、ヤング率が5,000〜10,000MPaで、且つ厚さが0.1〜0.2mmであることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記光エレメント部に、支持線を外被で被覆した長尺のケーブル支持線部が互いに平行に一体化されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。

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JP2009223136A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Ube Nitto Kasei Co Ltd 光ファイバケーブル用の介在部材の製造方法、並びに介在部材

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