JP2006322046A - 固体高分子型燃料電池システム用溶接構造容器及び配管 - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶接酸化スケールが生成した状態で使用されても酸化スケールからの金属イオンの溶出が少ない固体高分子型燃料電池システム用の溶接構造容器及び配管を提供する。
【解決手段】 C:0.025質量%以下,Si:0.6〜2.0質量%,Mn:1.0質量%以下,P:0.045質量%以下,S:0.020質量%以下,Ni:0.6質量%以下,Cr:17〜23質量%,Mo:0.5〜1.7質量%,Cu:0.6質量%以下,N:0.025質量%以下,Nb:0.05〜0.5質量%,Ti:0.05〜0.3質量%,Al:0.02〜0.3質量%を含有し、必要に応じてさらにV:0.1〜1.0質量%,B:0.0002〜0.0030質量%の1種又は2種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼で、固体高分子型燃料電池システム用の溶接構造容器及び配管を構築する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、溶接酸化スケールが生成した状態で使用されても酸化スケールからの金属イオンの溶出が少ない固体高分子型燃料電池システム用の溶接構造容器及び配管に関する。
近年、石油を代表とする化石燃料の枯渇化、CO2排出による地球温暖化現象等の問題から、発電システムや駆動システム等において熱エネルギー利用の効率化が重要視されている。そして、火力発電や原子力発電に代わる新しい発電システムとして、あるいは自動車などの動力源として、クリーンな発電システムである固体高分子型燃料電池(PEFC),固体酸化物型燃料電池(SOFC)などの燃料電池が注目を浴びている。中でも、固体高分子型燃料電池(以下、PEFCと記す。)は、CO2,NOx,SOxの排出がほとんどなく発電効率が高く、しかも100℃以下の低温で作動し短時間で起動できる利点があるため、定置用の電源として開発が進められている。
そして、定置用のPEFCシステムには排熱を利用した給湯設備が付設されている(例えば、特許文献1参照)。
給湯設備を付設したPEFCシステムの構成例を図1に示す。
PEFCのアノード極側には水素ガスが、カソード極側には空気が供給される。水素ガスにはイオン交換膜(1)を加湿して導電性をもたせるために水蒸気を混合している。このため、電池に入る手前で純水を70〜90℃に加温した加湿タンク(3)内を通過させている。また天然ガスやガソリンを改質して水素ガスを得る場合、水蒸気が必要になる。このため、電池を通した後の純水を貯めた加湿タンク(4)で発生させた水蒸気を改質器に送り込んでいる。
カソード極側に供給した空気からは水が凝縮する。凝縮水の一部はタンク(5)で一旦貯められた後、イオン交換樹脂を通して浄化し、燃料の水素ガス加湿用水として前記の加湿タンク(4)に送られる。
ところで、燃料電池は発電反応で熱が発生するために冷却が必要である。冷却はセパレータの背面から純水あるいは純水とエチレングリコールの混合溶液等で行い、その冷却水を給湯用の水と熱交換器(7)を用いて熱交換し、熱せられた温水を貯湯槽(8)に貯め、温水配管(9)に流して必要に応じて使用している。
特許第3563681号公報
PEFC自体に供給する純水が配管やタンク材からの溶出イオンで汚染されると、PEFCの主要部品であるイオン交換膜(1)が分解される。また電極(2)の中の触媒も金属イオンで汚染されると活性度が低下し、PEFCの出力低下を招く。
したがって、電池の出力確保と高耐久化のためには、イオン交換膜や電極等を金属イオンによって汚染されないようにする必要がある。
また、溶出イオンにより汚染されて冷却水の電気伝導度が上昇すると電池が漏電する虞があるため、金属イオンの溶出を極力抑える必要がある。
配管やタンク材からの金属の溶出を防止するため、樹脂あるいはSUS304等の汎用ステンレス鋼に樹脂コーティングした材料の使用が検討されている。しかしながら、加工形状の自由度が小さいためにコストが高くなる樹脂からも有機物イオンが溶出するという問題がある。また、樹脂は高温での耐久性が乏しく、2〜3年の使用で交換する必要が生じてくる。
ステンレス鋼は耐食性、加工性に優れる点で優位ではあるが、汎用のオーステナイト系ステンレス鋼を用いた場合、電池のイオン交換膜の劣化を促進するNiが多量に溶出する。また、Cu,Fe,Mn等も溶出する。
そこで、金属イオンの溶出が少ないステンレス鋼が求められている。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、溶接酸化スケールが生成した状態で使用されても酸化スケールからの金属イオンの溶出が少ない固体高分子型燃料電池システム用の溶接構造容器及び配管を提供することを目的とする。
本発明の固体高分子型燃料電池システム用の溶接構造容器及び配管は、その目的を達成するため、C:0.025質量%以下,Si:0.6〜2.0質量%,Mn:1.0質量%以下,P:0.045質量%以下,S:0.020質量%以下,Ni:0.6質量%以下,Cr:17〜23質量%,Mo:0.5〜1.7質量%,Cu:0.6質量%以下,N:0.025質量%以下,Nb:0.05〜0.5質量%,Ti:0.05〜0.3質量%,Al:0.02〜0.3質量%を含有し、必要に応じてさらにV:0.1〜1.0質量%,B:0.0002〜0.0030質量%の1種又は2種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼が用いられていることを特徴とする。
本発明では、溶出してイオン交換膜や電極に悪影響を及ぼす金属成分を少なくしたステンレス鋼を素材としているため、酸化スケールからの金属イオンの溶出が極めて少ない。このため、電池のイオン交換膜や電極の汚染を低減でき、PEFCシステムの高出力を確保できるばかりでなく、高耐久化も可能となる。
また、溶接酸化スケールの耐食性が優れているために、溶接されて用いられるタンクや配管の耐食性、特に耐すきま腐食性が改善される。このため、耐久性に優れた給湯設備が提供され、給湯設備が付設されたPEFCシステムの普及に資することができる。
以下、本発明において素材としたステンレス鋼の耐食性,耐溶出性,加工性,製造性等の観点から、各成分の含有量を次のように規制した。
C:0.025質量%以下,N:0.025質量%以下
C,Nは、フェライト系ステンレス鋼の加工性並びに溶接部の耐食性及び耐溶出性を低下させる。そのため、本発明においてはこれらの元素は少ないほど好ましく、C,Nはそれぞれ0.025質量%以下とした。なお、高いレベルの加工性及び低温靭性を確保するためには、CとNの含有量は合計で0.025質量%以下とすることが好ましい。
Si:0.6〜2.0質量%
Siは、脱酸元素として知られているが、Alと同様に本発明では最も重要な元素である。Siの添加で溶接酸化スケールの発生が抑制され、さらにCr酸化物主体の酸化スケールを形成して酸化スケール自身の耐食性を改善する。耐食性改善効果は0.6質量%以上で発現する。しかし、Siは鋼を硬質化する元素でもあり、溶接部の低温靭性を阻害する面もある。したがって、溶接施工される部位に要求される特性に応じて添加量を調整する。添加量の上限は、溶接部靭性確保の観点から2.0質量%とする。
Mn:1.0質量%以下
Mnは、鋼中に不純物として存在するSと結合し、化学的に不安定であるMnSを形成して耐食性を低下させる。さらに固溶するMnも耐食性を阻害するばかりでなく溶出して悪影響を及ぼすので少ない方が好ましく、上限を1.0質量%とする。
P:0.045質量%以下
Pは、母材及び溶接部の靭性を損なうので少ない方が好ましい。しかし、Cr含有鋼の脱Pは困難であり製造コストの上昇を招くので、上限を0.045質量%とした。
S:0.020質量%以下
Sは、純水中に溶出しやすい非金属介在物を形成し、ステンレス鋼の耐食性,耐溶出性を劣化させる元素である。そのため、本発明においては少ない方が好ましく、上限を0.020質量%とした。
Ni:0.6質量%以下
Niは、不動態皮膜の緻密さを低下させる。また溶出したNiイオンはイオン交換膜の劣化を促進する。したがってNi含有量は極力少なくする必要がある。Ni含有量が0.6質量%を超えると不動態皮膜の耐溶出機能が著しく低下し、素地自体の溶出が非常に多くなる。そのため、0.6質量%以下に規制した。ステンレス鋼原料費のコストアップを考慮して前記数値に規制されるが、0.2質量%以下に低減することが好ましい。
Cr:17〜23質量%
Crは、不動態皮膜を形成して耐食性を高める上で重要な合金成分であり、溶接部の耐孔食性,耐隙間腐食性及び一般耐食性を著しく向上させる。これら耐食性の向上は、Cr含有量17質量%以上で顕著になる。Cr含有量が17質量%に満たない場合には、不動態皮膜及び溶接酸化スケール中のCr濃度が低くなり溶接部の耐食性及び金属イオンの溶出抑制作用が弱くなる。そのため、素材自体の溶出量が著しく増加し、イオン交換膜の分解に最も有害といわれているFeの溶出も非常に多くなる。Cr含有量が増すほど耐食性や耐溶出性は向上するが、加工性や低温靭性の低下につながる。このため、上限を23質量%とした。
Mo:0.5〜1.7質量%
Moは、Crとともに耐食性を向上させる上で有効な元素である。溶接部の耐孔食性,耐隙間腐食性及び一般耐食性を著しく向上させる。Moの耐食性改善効果の発現にはCrが必須で、Cr含有量の増加に応じて大きく現れる。しかし、0.5質量%に満たない含有量では改善効果は小さい。一方、1.7質量%を超えて多量に添加すると、加工性が低下するばかりでなく、コストの上昇を招く。本発明では、溶接時の加熱で生じるCrの酸化とこれに伴うCr欠乏層の形成が小さいこと、Cr欠乏層の形成に対してMoはほとんど影響しないことから、Mo含有量は0.5〜1.7質量%とする。
Cu:0.6質量%以下
Cuは、Niと同様にステンレス鋼母材から優先的に溶出しやすく、イオン交換膜の分解や触媒の活性度低下を招く元素である。Cu含有量が増加するとともに溶出Cu量も増加する傾向が強い。そのため、上限は0.6質量%に規制するが、好ましくは0.2質量%以下にすることにより電池への悪影響を著しく低減できる。
Nb:0.05〜0.5質量%,Ti:0.05〜0.3質量%
Nb,Tiは、溶接部の耐溶出性,耐食性の向上及び加工性の向上に有効な元素である。Nb,Tiのこれら特性に対する効果は、それぞれ0.05質量%以上の含有で発現する。Nb,Tiの過剰添加は、加工性,低温靭性及び表面性状の低下を招くため、Nb,Tiの上限は、それぞれ0.5質量%、0.3質量%に規制する。
Al:0.02〜0.3質量%
Alは、Nをより安定的に固定し、溶接部の耐食性を向上させる元素である。また、溶接時の酸化スケール抑制作用により、溶接部の耐溶出性,耐食性を向上させる作用も有している。これらのAlの効果は、0.02質量%以上の含有で有効に作用する。しかし、0.3質量%を超えると低温靭性の確保が困難となるので、上限は0.3質量%とする。
V:0.1〜1.0質量%
Vは、不動態皮膜の強化作用を有し、耐溶出性,耐食性を向上させる。このため必要に応じて添加される。Vは0.1質量%の添加でその効果が現れる。一方、過剰の添加は低温靭性の低下や製造性の低下を生じるため、添加する場合は、その上限を1.0質量%とする。
B:0.0002〜0.0030質量%
Bは、耐溶出性及び加工性を向上させる。0.0002質量%以上の添加でその効果が現れるが、過剰の添加はかえって加工性の低下や熱間加工性の低下を招く。したがって、添加する場合は、その上限を0.0030質量%とする。
上記のように含有成分が規制されていれば、製造方法に制限はない。通常、フェライト系ステンレス鋼に施される熱延,冷延,焼鈍及び酸洗等を組み合わせて所望板厚の鋼板とした後、適宜の加工手段や造管手段及び溶接手段を採用し、所望の部品を作製し、PEFCシステムを組み立てればよい。
素材ステンレス鋼が、溶接部においても耐溶出性及び耐食性を発揮するように成分調整されているので、純水を冷却水として作動させてもNi,Cu,Fe等の溶出が抑えられ、高出力が確保できるばかりでなく、耐久性にも優れたPEFCシステムが構築される。
また、本発明のように成分調整されたフェライト系ステンレス鋼は、耐食性、特に耐すきま腐食性に優れるため、溶接接合されて使用されるタンクや配管等からなる給湯設備の耐久性をも高めることになる。
その結果、給湯設備を付設したPEFCシステム全体の信頼性,耐久性を高めることができる。
実施例1:(各種ステンレス鋼の耐食性調査)
表1に示す成分組成のフェライト系ステンレス鋼を真空溶解炉で溶製し、鋳造,熱間圧延を行った後、焼鈍・酸洗と冷間圧延を繰り返し、板厚1.0mmの冷延焼鈍板を得た。
各種ステンレス鋼板同士をTIG溶接して中央に溶接線を設けた15×40mmの耐食性試験片を作製した。
この耐食性試験片を電気伝導度0.34μs/cmの脱イオン水200mLとともに、フッ素樹脂製容器に入れて密封した後、80℃において6ヶ月保持した。
6ヶ月経過後にフッ素樹脂製容器から取り出した耐食性試験片の外観を観察した。
本発明例では溶接酸化スケールからの発銹はなく、良好な耐食性を示したのに対して、Si含有量,Al含有量が少ない比較例では、いずれもTIG溶接部の溶接酸化スケールに発銹が生じていた。
Figure 2006322046
実施例2:(溶接部の耐すきま腐食性調査)
溶接により形成されるすきま部の耐食性を調査した。
各種ステンレス鋼板から切り出した鋼片を用いて、図2に示す溶接すきま腐食試験片を作製した。20×40mmの板を2枚重ね、短辺側の一端をTIG溶接し、他端にφ5mmのガラス棒10を差し込んで作製したものである。
塩素イオン濃度1000ppmのφ80℃水溶液に30日間浸漬しておく、浸漬試験を行った。図3はその方法を概略的に説明するものである。腐食性を強めるため、溶接すきま腐食試験片11にPt板12を補助カソードとして組み合わせ、腐食試験液13中にエアレーションノズル14からに空気を吹き込んだ。なお、15は照合電極である。この試験では容量300Lの温水缶体に相当するカソード能力を有している。
試験結果を表2に示す。
表2より、本発明例(No.1〜No.4)はいずれも試験期間30日の間に腐食電流は1μA以下になり腐食電流は消滅した。また、すきま腐食による浸食深さも0.1mm以下と浅く、すきま腐食は進行していないことがわかる。
一方、比較例のNo.6は2質量%のMoを含むSUS444鋼であるが、溶接部耐食性は本発明鋼に比べて劣っている。孔食電位の挙動と同様に、すきま腐食に対してもMoの効果は小さいことがわかる。
これらの結果より、NbとTiを添加し、Cr,Mo量が本発明組成範囲の鋼においてSi及びAlの含有量を増やすことで溶接部耐食性が飛躍的に向上することがわかる。
Figure 2006322046
実施例3:(PEFCのタンク,配管に組み込んだ実機評価)
表1に示すステンレス鋼のうち、比較鋼,本発明鋼としてそれぞれ3種ずつ選定してPEFCのタンク,配管を作製し、PEFCに組み込んで6台のPEFCを作製した。
そして、タンク,配管の材質とPEFCの各種特性との関係を調査した。
PEFCは単セルにて行った。燃料極ガスは水素、酸化極ガスは空気とし、5000時間連続発電させた。加湿は、燃料極(水素極)のみに、加湿器の温度を90℃として行った。
初期の電池出力はいずれも0.60〜0.62Vであった。5000時間の連続発電を行い、2500時間おきの出力電圧の低下度を調べた。
なお、0.5A/cm2の定電流運転において、出力電圧低下度は、
出力電圧低下度(%)=(各時間における電圧/初期電圧)×100
とした。
また、5000時間運転した後に、セル後面の純水を全て取り替えるとともに、取り出した純水中の溶出金属イオンをICP−MASS法にて分析した。溶出イオン量は、Fe,Cr,Ni,Cu,Mnの5元素の総和で評価した。
それらの結果を表3に併せて示す。
Figure 2006322046
表3に示すように、本発明のステンレス鋼をタンク,配管に用いたPEFCは、5000時間運転した後にあっても出力低下はほとんどなかった。これに対して、タンク,配管に比較鋼を用いたPEFCでは出力が低下していた。
また、金属の溶出も、本発明のステンレス鋼を用いた場合、比較鋼を用いた場合と比べて非常に少なかった。
以上の結果から、本発明のステンレス鋼は溶接酸化スケールの耐食性に優れ、しかも含有元素の溶出も少ないため、当該ステンレス鋼をタンクや配管等の周辺部材に用いることにより、出力低下がなく、高耐久化が期待できる燃料電池が構築できることがわかる。
固体高分子型燃料電池(PEFC)システムの構成例を示す図 溶接すきま腐食試験片の形状を示した図 試験片を試験液に浸漬し、腐食試験を行なう態様を説明する図

Claims (2)

  1. C:0.025質量%以下,Si:0.6〜2.0質量%,Mn:1.0質量%以下,P:0.045質量%以下,S:0.020質量%以下,Ni:0.6質量%以下,Cr:17〜23質量%,Mo:0.5〜1.7質量%,Cu:0.6質量%以下,N:0.025質量%以下,Nb:0.05〜0.5質量%,Ti:0.05〜0.3質量%,Al:0.02〜0.3質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼が用いられていることを特徴とする固体高分子型燃料電池システム用溶接構造容器及び配管。
  2. フェライト系ステンレス鋼が、さらにV:0.1〜1.0質量%,B:0.0002〜0.0030質量%の1種又は2種を含有する請求項1に記載の固体高分子型燃料電池システム用溶接構造容器及び配管。
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