以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。まず、第1の実施形態の構成について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電力線搬送通信システムの構成を示すブロック図である。図1に示す電力線搬送通信システム1は、電源供給及び通信に共用される導体線の一例である電力線2と、複数の電力線搬送通信端末装置の一例であるM個のスイッチ端末3−1〜3−Mと、N個の照明端末4−1〜4−Nと、L個の機器端末5−1〜5−Lとを備えている。
これらスイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5は、例えば戸建て住宅、集合住宅、オフィスビル、倉庫及び工場等の建物内に設置され、建物内に布設された電力線2を用いて電力線搬送通信の通信信号を相互に送受信する。また、電力線搬送通信を行うためにスイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5には、各個を識別するための識別子である通信アドレスが付与されている。
照明端末4は、例えば電力線搬送通信機能を備えた放電灯や白熱灯等の照明器具であり、スイッチ端末3は、例えば電力線搬送通信によって、照明端末4の点灯、消灯を指示する壁スイッチである。また、機器端末5は、電力線搬送通信が可能であって電気をエネルギー源として稼動する装置であり、例えば、日本電機工業会(JEMA)の規格に従って通信を行う通信インターフェース回路を備えている。また、機器端末5は、例えば、照明器具及び空調装置等のオフィス環境や住戸環境を調整する調整装置、監視カメラ、インターホン、住宅情報盤、電動シャッタ及び電気錠装置等の住戸設備、防犯センサ、火災センサ、ガス漏れセンサ及び湿度センサ等のセンサ、電力計、ガスメータ及び量水器等の計量機器、テレビジョン、ビデオテープレコーダ、DVDレコーダ、ハードディスクレコーダ及び洗濯機等の家電製品、コンピュータ等の情報処理装置、電話機及びファクシミリ装置等の通信機器、脈拍計、体温計、血中酸素濃度計及び心電図計等の医療機器等であってもよい。
また、スイッチ端末3のうちの一つ、例えばスイッチ端末3−1が請求項における電力線搬送通信管理装置及び電力線搬送通信端末装置の一例に相当し、スイッチ端末3−1を除くスイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5が、請求項における電力線搬送通信端末装置の一例に相当している。説明の簡単のため、以下、スイッチ端末3−1を除くスイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5を電力線搬送通信端末装置6と称し、スイッチ端末3−1を電力線搬送通信管理装置7と称する。
図2は、電力線搬送通信端末装置6の構成の一例を示すブロック図である。図2に示す電力線搬送通信端末装置6は、電力線通信処理部601と、中央処理部602と、端末機能部603と、端末情報記憶部604と、識別情報設定部605とを備えている。
電力線通信処理部601は、電力線搬送通信を行う通信インターフェース回路で、中央処理部602からのデータを電力線搬送通信方式のプロトコルに従った通信信号に変換し、電力線2に接続された他の電力線搬送通信端末装置へ送信すると共に他の電力線搬送通信端末装置から電力線2を介して送信された通信信号を中央処理部602が処理可能な形式のデータに変換する回路であり、通信部の一例に相当している。電力線搬送通信方式のプロトコルとしては、SCPの他、例えば、エコーネット(ECHONET)の電灯線A方式や電灯線B方式等、種々の方式等を用いることができる。
端末機能部603は、中央処理部602からの制御信号に基づいて各電力線搬送通信端末装置6の種類に応じた機能を実現するものであり、例えばスイッチ端末3であれば操作スイッチや状態表示LED(Light Emitting Diode)であり、例えば照明端末4であれば照明機能を実現する回路であり、例えば機器端末5がエアコンである場合には、空調機能を実現するための回路である。
端末情報記憶部604は、連動設定記憶部の一例であり、例えば不揮発性メモリの一例であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やROM(Read Only Memory)、揮発性メモリの一例であるRAM(Random Access Memory)等から構成され、電力線搬送通信端末装置6の通信アドレスや端末名称、及び自機と連動して動作する他の電力線搬送通信端末装置の通信アドレスである連動先通信アドレスを記憶する。
識別情報設定部605は、各電力線搬送通信端末装置6を識別するための識別情報の一例である識別番号の設定を受け付ける設定部で、例えば1又は複数のディップスイッチや多接点スイッチの一例であるロータリスイッチ等を用いて構成されている。なお、識別情報は、番号に限られず、例えばアルファベット等の記号等であってもよい。また、識別情報設定部605は、例えば、パーソナルコンピュータや赤外線リモコン等の専用ツール等を用いて、ユーザが判りやすい識別名称、例えば「リビング照明」等の名称を、識別情報として設定可能に構成してもよい。これにより、ユーザの作業性を向上させることができる。
中央処理部602は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記録されたROMと、データを一時的に記録するRAMとを備えて構成され、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、通知制御部607、及び連動先通信アドレス変更部608として機能する。
図3は、電力線搬送通信管理装置7の構成の一例を示すブロック図である。図3に示す電力線搬送通信管理装置7は、電力線搬送通信端末装置6の動作を管理する。なお、電力線搬送通信端末装置6は、スイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5から構成される論理ネットワーク内に少なくとも1台有ればよく、スイッチ端末3−1に限られない。
図3に示す電力線搬送通信管理装置7は、図2に示す電力線搬送通信端末装置6とは、連動情報テーブル記憶部701(第1の連動情報テーブル記憶部)をさらに備え、中央処理部602の代わりに中央処理部702を備える点で異なる他、電力線搬送通信端末装置6と同様の構成を備えている。この場合、電力線通信処理部601は、通信部及び管理端末通信部の一例に相当している。
連動情報テーブル記憶部701は、スイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5、すなわち電力線2に接続されたすべての電力線搬送通信端末装置6の識別情報、通信アドレス、及び連動先通信アドレスとを対応付けた連動情報テーブルを記憶する記憶部で、例えば書換可能な不揮発性メモリの一例であるEEPROMや、RAM等から構成されている。
中央処理部702は、例えば所定の演算処理を実行するCPUと、所定の制御プログラムが記録されたROMと、データを一時的に記録するRAMとを備えて構成され、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、中央処理部602と同様に通知制御部607、及び連動先通信アドレス変更部608として機能する他、さらにテーブル生成部703、及び連動設定変更処理部704として機能する。
次に、上述のように構成された電力線搬送通信システム1の動作について説明する。まず、例えば電力線2に接続された図略の電力線搬送通信装置や、パーソナルコンピュータ、赤外線リモコン等の、電力線搬送通信におけるプロトコルで規定されたアドレス管理機能を備えた図略の設定ツールによって、電力線搬送通信端末装置6、及び電力線搬送通信管理装置7の通信アドレスが設定される。例えば、スイッチ端末3−1,3−2,3−3には、通信アドレス「addr1」,「addr2」,「addr3」がそれぞれ設定され、照明端末4−1,4−2,4−3には、通信アドレス「addr4」,「addr5」,「addr6」がそれぞれ設定され、その他の電力線搬送通信端末装置にもそれぞれ固有の通信アドレスが設定される。
次に、ユーザによって、電力線搬送通信端末装置6、及び電力線搬送通信管理装置7の各識別情報設定部605を用いてそれぞれの識別番号が設定される。例えば、スイッチ端末3−1,3−2,3−3には、識別番号「1」,「2」,「3」がそれぞれ設定され、照明端末4−1,4−2,4−3には、識別番号「4」,「5」,「6」がそれぞれ設定され、その他の電力線搬送通信端末装置にもそれぞれ固有の識別番号が設定される。
また、ユーザによって、例えば図略の設定ツールを用いて、スイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5の間における連動動作の対象となる機器の通信アドレスが連動先通信アドレスとして設定され、スイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5における端末情報記憶部604に、各端末の連動対象となる機器の通信アドレスが、連動先通信アドレスとして記憶される。
これにより、例えば、ユーザがスイッチ端末3−1を操作することによって連動先通信アドレス宛に制御コマンドが送信され、連動先の照明端末4−1の点灯、消灯が制御され、照明端末4−1の点灯状態を示す情報が連動先通信アドレス宛に送信されることにより、照明端末4−1の点灯状態がスイッチ端末3−1によって表示されるといった連動動作が設定される。
図4は、図1に示す電力線搬送通信システム1の動作の一例を示す説明図である。まず、電力線搬送通信管理装置7によって、初期設定処理として、図1に示す電力線搬送通信システム1における論理ネットワーク上に存在する全ての通信端末の電力線搬送通信におけるプロトコルアドレスである通信アドレスと、各端末の端末種別を示す情報とが取得される(ステップS1)。
図5(a)は、初期設定処理によって取得された通信アドレスと、各端末の端末種別を示す情報との一例を示す表形式の説明図である。図5(a)に示すように、各端末の通信アドレスと、各端末の端末種別とが対応付けられて、連動情報テーブル記憶部701に記憶される。
この場合、初期設定処理は、例えばユーザが、電力線2に接続された図略の電力線搬送通信装置や、パーソナルコンピュータ、赤外線リモコン等の設定ツールを用いて電力線搬送通信管理装置7に各端末の通信アドレスと端末種別とを示す情報を送信させることにより、これらの情報が電力線搬送通信管理装置7によって取得され、各端末の通信アドレスと各端末の端末種別とが対応付けられて、連動情報テーブル記憶部701に記憶される。
次に、初期設定処理が終了すると、テーブル生成部703によって、各電力線搬送通信端末装置6の連動先通信アドレスと識別番号とが収集される。具体的には、電力線通信処理部601から電力線2を介して各電力線搬送通信端末装置6へ、各電力線搬送通信端末装置6の連動先通信アドレスと識別番号とを要求する端末設定情報要求が送信される(ステップS2)。
次に、端末設定情報要求を受信した電力線搬送通信端末装置6から電力線搬送通信管理装置7へ、端末情報記憶部604に記憶されている連動先通信アドレスと識別情報設定部605に設定されている識別番号とが端末設定情報として送信され(ステップS3)、ステップS2,S3の処理が、全ての電力線搬送通信端末装置6について繰り返されることにより、テーブル生成部703によって、各電力線搬送通信端末装置6の連動先通信アドレスと識別番号とが収集され、すべての電力線搬送通信端末装置6の通信アドレス、端末種別、識別番号、及び連動先通信アドレスとを対応付けた連動情報テーブルT1が、例えば図5(b)に示すように生成され、連動情報テーブル記憶部701に記憶される(ステップS4)。
これにより、各電力線搬送通信端末装置6の識別番号、及び連動先通信アドレスが、テーブル生成部703によって、各電力線搬送通信端末装置6から収集されるので、ユーザが各電力線搬送通信端末装置6の識別番号、及び連動先通信アドレスを保管、管理したり連動情報テーブル記憶部701に記憶させるために設定作業を行ったりする必要がなく、ユーザの管理工数や、初期設定作業工数を低減することができる。
なお、電力線搬送通信管理装置7から電力線搬送通信端末装置6へ端末設定情報要求を送信することにより、電力線搬送通信端末装置6から電力線搬送通信管理装置7へ端末設定情報が送信され、各電力線搬送通信端末装置6の連動先通信アドレスと識別番号とが収集される例を示したが、例えば、予め各電力線搬送通信端末装置6に電力線搬送通信管理装置7の通信アドレスを設定しておき、各電力線搬送通信端末装置6が起動後、あるいは初期設定処理の終了を検知した後に、自機の通信アドレスと連動先通信アドレスと識別番号とを電力線搬送通信管理装置7へ送信するようにしてもよい。
この場合、初期設定処理の終了の検知は、例えば電力線搬送通信装置を設定ツールとして用い、この設定ツールが初期設定終了を示す終了通知を各電力線搬送通信端末装置6へ送信してもよく、各電力線搬送通信端末装置6がこの設定ツールの生存確認を行って、非生存が検出された場合、すなわち初期設定処理が終了して電力線2から設定ツールが取り外されたことを検知して、各電力線搬送通信端末装置6が初期設定処理の終了を検知するようにしてもよい。
また、電力線搬送通信管理装置7は、テーブル生成部703を備えず、ステップS1における初期設定処理において、図略の設定ツールを用いてユーザが各電力線搬送通信端末装置6の識別番号、及び連動先通信アドレスを電力線搬送通信端末装置6に設定し、連動情報テーブル記憶部701に記憶させるようにしてもよい。
次に、電力線搬送通信端末装置6が交換された場合の復旧動作について説明する。一例として、例えば図5(b)に示す通信アドレス「addr5」の照明端末4−2が故障し、通信アドレス「addr7」の照明端末4−Xと交換された場合の動作を説明する。
図6は、電力線搬送通信端末装置6が交換された場合における電力線搬送通信システム1の動作の説明図である。まず、通信アドレス「addr5」の照明端末4−2が通信アドレス「addr7」の照明端末4−Xと交換され、ユーザによって交換前の照明端末4−2に設定されていた識別番号と同じ識別番号「5」が照明端末4−Xに設定され、照明端末4−Xの識別情報設定部605によって識別番号「5」の設定が受け付けられる(ステップS11)。
次に、交換された照明端末4−X(電力線搬送通信端末装置6)が起動される(ステップS12)。そうすると、通知制御部607によって、識別情報設定部605に識別番号が設定されたことが確認され、識別情報設定部605に設定された識別番号「5」と自機の通信アドレス「addr7」とを含むと共に端末が置換されたことを通知する端末置換通知が同報通信により、電力線搬送通信管理装置7及び電力線搬送通信端末装置6へ送信される(ステップS13)。
そうすると、照明端末4−Xから送信された端末置換通知は、電力線搬送通信管理装置7における電力線通信処理部601によって受信され、連動設定変更処理部704によって、照明端末4−Xの識別番号「5」と通信アドレス「addr7」とが取得されることにより、識別番号「5」の電力線搬送通信端末装置6が交換されたことが確認される(ステップS14)。
そして、連動設定変更処理部704によって、連動情報テーブルT1において、識別番号「5」と対応付けられた通信アドレス「addr5」が電力線通信処理部601により受信された通信アドレス「addr7」に変更され、さらに、変更前の通信アドレス「addr5」が連動先通信アドレスとして設定されていた通信アドレス「addr2」のスイッチ端末3−2における連動先通信アドレスが、通信アドレス「addr7」に変更される(ステップS15)。
これにより、図5(c)に示すように、故障した照明端末4−2の通信アドレス「addr5」が、交換後の照明端末4−Xにおける通信アドレス「addr7」に変更されて、連動情報テーブルT2として連動情報テーブル記憶部701に記憶される。
次に、連動設定変更処理部704によって、交換された照明端末4−X及び照明端末4−Xと連動設定されているスイッチ端末3−2の連動先通信アドレスを変更するべく、連動情報テーブルT2により識別番号「5」と対応付けられた連動先通信アドレス「addr2」が通信アドレス「addr7」の照明端末4−X宛に電力線通信処理部601から送信され(ステップS16)、通信アドレス「addr2」のスイッチ端末3−2における連動先通信アドレス「addr7」がスイッチ端末3−2宛に電力線通信処理部601から送信される(ステップS17)。
一方、照明端末4−Xにおいて、電力線通信処理部601によって、電力線搬送通信管理装置7からの連動先通信アドレス「addr2」が受信され、連動先通信アドレス変更部608によって、連動先通信アドレス「addr2」が自機の連動先通信アドレスとして端末情報記憶部604に記憶される(ステップS18)。また、スイッチ端末3−2において、電力線通信処理部601によって、電力線搬送通信管理装置7からの連動先通信アドレス「addr7」が受信され、連動先通信アドレス変更部608によって、端末情報記憶部604に記憶されている照明端末4−2の通信アドレス「addr5」が、照明端末4−Xの連動先通信アドレス「addr7」に変更される(ステップS19)。
以上、ステップS11〜S19の処理により、交換された新たな照明端末4−Xには、交換前の照明端末4−2に設定されていた連動先通信アドレス「addr2」が設定され、交換前の照明端末4−2と連動設定されていたスイッチ端末3−2には、交換後の照明端末4−Xを示す連動先通信アドレス「addr7」が設定されるので、ユーザは、交換された電力線搬送通信端末装置6とその連動設定対象の電力線搬送通信端末装置6について連動先通信アドレスを設定する必要がなく、電力線搬送通信端末装置の交換時に、連動先通信アドレスの再設定を容易に行うことができる。
また、電力線搬送通信管理装置7における連動情報テーブル記憶部701に記憶されている連動情報テーブルT1の情報に基づいて、交換された電力線搬送通信端末装置6とその連動設定対象の電力線搬送通信端末装置6の連動先通信アドレスが設定されるので、ユーザが別途各電力線搬送通信端末装置6の連動先通信アドレスを保管、管理する必要がなく、ユーザの管理工数を低減することができる。
なお、電力線搬送通信端末装置6と同様の機能を備えたスイッチ端末3−1が、電力線搬送通信管理装置7として機能する例、すなわちスイッチ端末3−1が、電力線搬送通信端末装置と電力線搬送通信管理装置とを兼ねる例を示したが、例えば、図3に示す電力線搬送通信管理装置7の構成において、端末機能部603、端末情報記憶部604、識別情報設定部605、通知制御部607、及び連動先通信アドレス変更部608を備えず、電力線搬送通信管理装置としてのみ動作するようにしてもよい。
また、例えば、電力線搬送通信システム1において、外部の通信ネットワークを介して接続された他のサーバ装置等と、電力線2に接続された電力線搬送通信端末装置6や電力線搬送通信管理装置7との間で通信を可能にするべく通信プロトコルの変換を行うゲートウェイ装置とを備え、このゲートウェイ装置がテーブル生成部703、連動設定変更処理部704、及び連動情報テーブル記憶部701を備えることにより、電力線搬送通信管理装置として機能する構成としてもよい。この場合、ゲートウェイ装置が外部の通信ネットワークプロトコルにおける通信アドレスと、電力線搬送通信プロトコルにおける通信アドレスとを対応付けるための情報、その他の情報を連動情報テーブルとして連動情報テーブル記憶部701に記憶させてもよい。
また、連動先通信アドレスは、一の電力線搬送通信端末装置について複数個、端末情報記憶部604に記憶され、すなわち一の電力線搬送通信端末装置に対して複数の電力線搬送通信端末装置が連動設定される構成でもよい。この場合、ステップS15〜S19において、複数の連動先通信アドレスの変更処理が行われる。
また、連動情報テーブル記憶部701に記憶される連動情報テーブルは、各端末装置のシリアルナンバや品番等、端末に関する情報を必要に応じて含めるようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電力線搬送通信システムについて説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態に係る電力線搬送通信システム1aの構成の一例を示すブロック図である。図7に示す電力線搬送通信システム1aは、図1に示す電力線搬送通信システム1とは、ゲートウェイ装置8、サーバ装置9、及びゲートウェイ装置8とサーバ装置9とを接続する通信ネットワーク10をさらに備える点で異なる。また、スイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5は、すべて図2に示す電力線搬送通信端末装置6として構成されている。
サーバ装置9は、例えば、パーソナルコンピュータを用いて構成されたサーバ装置であり、図3に示す電力線搬送通信管理装置7における連動情報テーブル記憶部701と同様の連動情報テーブル記憶部701(第2の連動情報テーブル記憶部)を備えている。通信ネットワーク10は、公衆回線や構内LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークである。サーバ装置9は、通信ネットワーク10を介してゲートウェイ装置8と接続されている。
ゲートウェイ装置8は、サーバ装置9と、スイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5との間で通信を可能にするべく通信プロトコルの変換を行ういわゆるゲートウェイ装置である。図8は、ゲートウェイ装置8の構成の一例を示すブロック図である。図8に示すゲートウェイ装置8は、制御部801と、ネットワーク通信部802と、電力線通信処理部601とを備えている。
ネットワーク通信部802は、通信ネットワーク10を介してサーバ装置9とデータ送受信を行う通信インターフェイス回路である。電力線通信処理部601は、図2に示す電力線通信処理部601と同様の回路部であるので、その説明を省略する。
制御部801は、例えば所定の演算処理を実行するCPUと、所定の制御プログラムが記録されたROMと、データを一時的に記録するRAMとを備えて構成され、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、中央処理部702と同様にテーブル生成部703、及び連動設定変更処理部704aとして機能する他、ゲートウェイ装置として通信プロトコルの変換を行う。
連動設定変更処理部704aは、図3に示す連動設定変更処理部704とは、サーバ装置にアクセスして連動情報テーブル記憶部701に記憶されている連動情報テーブルを取得し、当該取得した連動情報テーブルに基づいて、連動先通信アドレスを変更する連動設定変更処理を行う点で異なる。この場合、ゲートウェイ装置8は、電力線搬送通信管理装置の一例に相当している。
他の構成及び動作は、図1に示す電力線搬送通信システム1と同様であるのでその説明を省略し、図1に示す電力線搬送通信システム1aの特徴的な動作について説明する。図9は、電力線搬送通信端末装置6が交換された場合における電力線搬送通信システム1aの動作の説明図である。まず、ステップS11〜S14の動作は、図6におけるステップS11〜S14と同様であるのでその説明を省略する。
次に、連動設定変更処理部704aによって、ネットワーク通信部802により通信ネットワーク10を介してサーバ装置9へ、連動情報テーブル記憶部701に記憶されている連動情報テーブルT1を要求する連動情報テーブル要求が送信される(ステップS21)。そうすると、サーバ装置9によって、連動情報テーブル記憶部701に記憶されている連動情報テーブルT1が読み出され、通信ネットワーク10を介してゲートウェイ装置8へ連動情報テーブルT1が送信され、ネットワーク通信部802により受信され、連動設定変更処理部704aによって連動情報テーブルT1が取得される(ステップS22)。
以下、ステップS15〜S19の処理は、ステップS22において連動設定変更処理部704aにより取得された連動情報テーブルT1に基づき図6におけるステップS15〜S19と同様に実行される。そして、ステップS23において、ステップS15における連動情報テーブル変更処理により生成された連動情報テーブルT2が、ゲートウェイ装置8から通信ネットワーク10を介してサーバ装置9へ送信される(ステップS23)。
次に、サーバ装置9によって、ゲートウェイ装置8から送信された連動情報テーブルT2が受信され、連動情報テーブル記憶部701に記憶されている連動情報テーブルT1が、連動情報テーブルT2に変更される(ステップS24)。
以上、ステップS11〜S24の処理により、電力線搬送通信システム1と同様に、電力線搬送通信端末装置の交換時に、連動先通信アドレスの再設定を容易に行うことができる。さらに、連動情報テーブルを、家屋やビル内に分散設置された機器装置である電力線搬送通信端末装置6に記憶させるのではなく、ユーザによる操作、管理が容易なサーバ装置であるサーバ装置9に連動情報テーブルを記憶させるので、連動情報テーブルの管理が容易となる。また、サーバ装置9に連動情報テーブルを記憶させるようにすれば、連動情報テーブルのバックアップを取ることも容易であり、保全性を向上させることができる。
なお、ゲートウェイ装置8が電力線搬送通信管理装置として動作する例を示したが、例えば、スイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5のうちいずれか一つを、図3に示す電力線搬送通信管理装置7において連動設定変更処理部704を連動設定変更処理部704aに置き換えた構成とし、連動設定変更処理部704aは、ゲートウェイ装置8を介してサーバ装置9にアクセスすることにより、ステップS21,S22,S23の処理を行う構成としてもよい。
また、サーバ装置9は、例えば遠隔からスイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5の動作を制御したり、状態を監視したりする遠隔監視装置であってもよい。また、1台のサーバ装置9が、複数の電力線搬送通信システム1aによって共用して用いられる構成としてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係る電力線搬送通信システムについて説明する。図10は、本発明の第3の実施の形態に係る電力線搬送通信システム1bの構成の一例を示すブロック図である。図10に示す電力線搬送通信システム1bは、図1に示す電力線搬送通信システム1と同様に、電源供給及び通信に共用される導体線の一例である電力線2と、複数の電力線搬送通信端末装置の一例であるM個のスイッチ端末3−1〜3−Mと、N個の照明端末4−1〜4−Nと、L個の機器端末5−1〜5−Lとを備えている。図10に示す電力線搬送通信システム1bは、図1に示す電力線搬送通信システム1とは、スイッチ端末3と、照明端末4と、機器端末5とがすべて、図11に示す電力線搬送通信管理装置7aとして構成されている点で異なる。
なお、電力線搬送通信システム1bは、電力線搬送通信管理装置7aを複数備えていればよく、電力線搬送通信システム1bに図2に示す電力線搬送通信端末装置6が含まれていてもよい。
図11に示す電力線搬送通信管理装置7aは、図3に示す電力線搬送通信管理装置7とは、以下の点で異なる。すなわち、中央処理部702aは、連動設定変更処理部704の代わりに連動設定変更処理部704bを備える。連動設定変更処理部704bは、図6におけるステップS14〜S17に相当する連動設定変更処理を行う実行モードと、連動設定変更処理を行わない非実行モードとを有し、実行モードで動作している他の電力線搬送通信管理装置7aを探索する探索処理を行い、探索の結果他に実行モードの電力線搬送通信管理装置7aがなければ実行モードへ移行し、他に実行モードの電力線搬送通信管理装置7aがあれば非実行モードへ移行するモード変更処理を行う。
また、中央処理部702aは、実行モードで動作している他の電力線搬送通信管理装置7aが電力線搬送通信を実行可能な生存状態であるか否かを検知する生存状態検知部705をさらに備え、連動設定変更処理部704bは、生存状態検知部705によって実行モードで動作している他の電力線搬送通信管理装置7aの非生存が検知された場合にモード変更処理を行う点で異なる。
また、連動設定変更処理部704bは、実行モードへ移行する場合、他の電力線搬送通信管理装置7aへ、自機が実行モードとなったことを示す実行モード確定通知を電力線通信処理部601から送信させ、電力線通信処理部601により他の電力線搬送通信管理装置7aから実行モード確定通知を受信した電力線搬送通信管理装置7aは、実行モード確定通知を送信した当該他の電力線搬送通信管理装置から連動情報テーブルを取得する。
また、電力線搬送通信管理装置7aは、テーブル生成部703、連動設定変更処理部704b、及び生存状態検知部705を動作させる(オン)か動作させないか(オフ)を設定する管理装置設定を受け付ける管理装置設定部706をさらに備えている。管理装置設定部706は、例えばディップスイッチや、あるいは設定ツールにより設定された管理装置設定を記憶するソフトウェアスイッチ(メモリ)等により構成されている。
なお、上述の実行モード、非実行モード、及び管理装置設定の状態を、優先レベルとして管理してもよく、例えば実行モードになっている状態を優先レベルA、非実行モードになっている状態を優先レベルB、管理装置設定がオフの状態を優先レベルDとして管理し、モードの変更や管理装置設定の変更を、優先レベルの変更として管理してもよい。また、優先レベルをさらに詳細に設定し、非実行モードにおいて連動情報テーブル記憶部701に連動情報テーブルが記憶されていない状態を優先レベルCとし、連動情報テーブル記憶部701に連動情報テーブルが記憶されると優先レベルBに変更される、というようにしてもよい。
その他の構成及び動作は、図1に示す電力線搬送通信システム1と同様であるのでその説明を省略し、以下、図10に示す電力線搬送通信システム1bの特徴的な動作について説明する。図12は、図10に示す電力線搬送通信システム1bの動作の説明図である。図12においては、スイッチ端末3−1,3−2と、照明端末4−1と、機器端末5−1〜5−Lとの動作を記載し、その他のスイッチ端末3や照明端末4の動作は同様であるのでその説明を省略する。
まず、初期状態において、例えば、スイッチ端末3−1,3−2と照明端末4−1とにおける管理装置設定部706は、管理装置設定がオンに設定され、機器端末5−1〜5−Lにおける管理装置設定部706は、管理装置設定がオフに設定されている。また、管理装置設定がオンに設定されている電力線搬送通信管理装置7aのうち一台、例えばスイッチ端末3−1の連動設定変更処理部704bは実行モードにされており、他の電力線搬送通信管理装置7a、すなわちスイッチ端末3−2と照明端末4−1とにおける連動設定変更処理部704bは非実行モードにされている。
なお、上述の初期状態における管理装置設定の設定状態及び実行モード、非実行モードの状態は一例であり、いずれの電力線搬送通信管理装置7aが管理装置設定をオンにされていてもよく、また、管理装置設定をオンにされている電力線搬送通信管理装置7aのうち、いずれが実行モードになっていてもよい。
そして、管理装置設定をオンにされているスイッチ端末3−1,3−2と照明端末4−1とは、例えばテーブル生成部703により生成され、あるいは設定ツールにより設定された連動情報テーブルT1が、連動情報テーブル記憶部701に記憶されている。
図13は、電力線搬送通信システム1bの起動時において、管理装置設定がオンに設定されている電力線搬送通信管理装置7aのうち一台が実行モードにされる初期処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、例えば、電力線搬送通信管理装置7aの管理装置設定部706において、管理装置設定がオンにされている状態で、電力線搬送通信管理装置7aの電源が投入されると(ステップS31)、電力線搬送通信管理装置7aにおける連動設定変更処理部704bは、非実行モードで起動される(ステップS32)。
次に、連動設定変更処理部704bによって、他の電力線搬送通信管理装置7aに対して、例えば同報通信によって、実行モード端末検索通知が送信される(ステップS33)。実行モード端末検索通知は、実行モードで動作している電力線搬送通信管理装置7aに対して、実行モードで動作している旨の返信を要求するコマンドである。
そして、他の電力線搬送通信管理装置7aからの実行モードで動作している旨の返信が電力線通信処理部601により受信されると(ステップS34でYES)、電力線搬送通信管理装置7aによってモードが非実行モードに確定される(ステップS35)。そして、実行モードで動作している旨の返信を送信した電力線搬送通信管理装置7a、すなわち実行モードで動作している電力線搬送通信管理装置7aへ電力線通信処理部601から連動情報テーブルの送信を要求する連動情報テーブル送信要求が送信され、当該電力線搬送通信管理装置7aから送信された連動情報テーブルが電力線通信処理部601により受信され、受信された連動情報テーブルが連動情報テーブル記憶部701によって記憶される(ステップS36)。これにより、電力線搬送通信システム1b内の電力線搬送通信管理装置7aに記憶されている連動情報テーブルが統一される。
一方、実行モード端末検索通知の送信後、予め設定された所定時間内、例えば5秒以内に、他の電力線搬送通信管理装置7aからの実行モードで動作している旨の返信が、電力線通信処理部601により受信されなかった場合(ステップS34でNO)、連動設定変更処理部704bにより他に実行モードで動作している電力線搬送通信管理装置7aは存在しないと判断され、連動設定変更処理部704bは実行モードへ移行し(ステップS37)、自機が実行モードに確定した旨を示す実行モード確定通知が電力線通信処理部601から他の電力線搬送通信管理装置7aへ送信される(ステップS38)。
以上、ステップS31〜S38の処理により、電力線搬送通信システム1bの起動時において、管理装置設定がオンに設定されている電力線搬送通信管理装置7aのうち一台が実行モードにされ、非実行モードの電力線搬送通信管理装置7aにおける連動情報テーブル記憶部701に実行モードの電力線搬送通信管理装置7aと同じ連動情報テーブルが記憶される。
次に、上述の動作により、スイッチ端末3−1が実行モードにされた場合の電力線搬送通信システム1bの動作を図12を参照しつつ説明する。まず、スイッチ端末3−1が生存しており、すなわち他の電力線搬送通信管理装置7aとの間で電力線搬送通信可能な状態であれば、例えばスイッチ端末3−1からスイッチ端末3−2と照明端末4−1とに対して定期的に生存通知が送信される。そして、スイッチ端末3−2と照明端末4−1とにおける生存状態検知部705によって、スイッチ端末3−1から送信された生存通知が取得されることにより、スイッチ端末3−1の生存が確認される(ステップS41)。
次に、例えば、スイッチ端末3−1が故障したり、あるいは電力線2から切り離されたりすることにより、スイッチ端末3−1がスイッチ端末3−2と照明端末4−1とに対して生存通知を送信することができなくなると(ステップS42)、スイッチ端末3−2と照明端末4−1とにおける生存状態検知部705によって、例えば予め設定された設定時間を超えて生存通知が受信されない場合、スイッチ端末3−1の非生存が検知される(ステップS43)。図12では、照明端末4−1より先にスイッチ端末3−2によってスイッチ端末3−1の非生存が検知された例を示している。
次に、スイッチ端末3−2から、他の電力線搬送通信管理装置7aへ、例えば同報通信によって、実行モード端末検索通知が送信される(ステップS44)。そして、実行モード端末検索通知の送信後、予め設定された所定時間内、例えば5秒以内に、他の電力線搬送通信管理装置7aからの実行モードで動作している旨の返信がスイッチ端末3−2により受信されなかった場合、スイッチ端末3−2により他に実行モードで動作している電力線搬送通信管理装置7aは存在しないと判断され、スイッチ端末3−2における連動設定変更処理部704bは実行モードへ移行する(ステップS45)。
そして、スイッチ端末3−2における連動設定変更処理部704bによって、スイッチ端末3−2が実行モードに確定した旨を示す実行モード確定通知が、電力線通信処理部601から他の電力線搬送通信管理装置7aへ送信される(ステップS46)。
一方、照明端末4−1における生存状態検知部705によって、スイッチ端末3−1の非生存が検知されると(ステップS47)、照明端末4−1から他の電力線搬送通信管理装置7aへ、例えば同報通信によって、実行モード端末検索通知が送信される(ステップS48)。そして、照明端末4−1によって、スイッチ端末3−2から実行モードで動作している旨の返信が受信され、あるいは、照明端末4−1によって、他の電力線搬送通信管理装置7aからの実行モードで動作している旨の返信の待ち時間中にステップS46におけるスイッチ端末3−2からの実行モード確定通知が受信されると、スイッチ端末3−2が実行モードになったことが検知され(ステップS49)、照明端末4−1は非実行モードのまま維持される。
これにより、実行モードで動作していたスイッチ端末3−1が、例えば故障のため新たなスイッチ端末に交換される場合、スイッチ端末3−1が故障して非生存状態となった段階で他の電力線搬送通信管理装置7aがスイッチ端末3−1に代わって実行モードとなるので、電力線搬送通信システム1b内に実行モードで動作する電力線搬送通信管理装置7aがなくなって、連動設定変更処理が実行できなくなるおそれが低減される。
次に、照明端末4−1からスイッチ端末3−2へ連動情報テーブルの送信を要求する連動情報テーブル送信要求が送信され(ステップS50)、スイッチ端末3−2の連動情報テーブル記憶部701に記憶されている連動情報テーブルT1が、スイッチ端末3−2から照明端末4−1へ送信される(ステップS51)。そして、照明端末4−1によって受信された連動情報テーブルT1が照明端末4−1における連動情報テーブル記憶部701によって記憶される(ステップS52)。これにより、電力線搬送通信システム1b内の電力線搬送通信管理装置7aに記憶されている連動情報テーブルが統一される。
以降の動作は、実行モードとなった電力線搬送通信管理装置7aが、図1に示す電力線搬送通信システム1における電力線搬送通信管理装置7として動作する他、図1に示す電力線搬送通信システム1における電力線搬送通信管理装置7と同様であるのでその説明を省略する。
なお、上述のように、実行モード、非実行モード、及び管理装置設定の状態を、優先レベルとして管理する場合には、例えば、優先レベルA(実行モード)の電力線搬送通信管理装置7aが非生存となった場合、電力線搬送通信システム1bにおける生存している電力線搬送通信管理装置7aのうち、最も優先度レベルの高い電力線搬送通信管理装置7aが、ステップS43〜S52の処理を行うことにより、実行モードに移行する構成としてもよい。
また、図7に示す電力線搬送通信システム1aにおいて、スイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5を、図11に示す電力線搬送通信管理装置7aとし、各電力線搬送通信管理装置7aは、ゲートウェイ装置8を介してサーバ装置9にアクセスすることにより、連動情報テーブルを取得、及び更新する構成としてもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4の実施の形態に係る電力線搬送通信システムについて説明する。本発明の第4の実施の形態に係る電力線搬送通信システム1cは、電力線搬送通信システム1bと同様に図10で示される。図10に示す電力線搬送通信システム1cは、電力線搬送通信システム1bとは、スイッチ端末3と、照明端末4と、機器端末5とがすべて、図14に示す電力線搬送通信端末装置6aとして構成されている点で異なる。
図14は、図10に示す電力線搬送通信端末装置6aの構成の一例を示すブロック図である。図14に示す電力線搬送通信端末装置6aは、図2に示す電力線搬送通信端末装置6とは、識別情報設定部605と通知制御部607とを備えず、メモリカードインターフェイス部609と連動設定変更処理部610とをさらに備える点で異なる。
メモリカードインターフェイス部609は、外部に取り付けられたメモリカード(外部記憶手段)を中央処理部602aからアクセス可能にするインターフェイス回路であり、例えばメモリカード用コネクタや、メモリカード用信号ドライバ回路等である。メモリカードとしては、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)規格のメモリカードや、SD(Secure Digital)メモリカード等、種々のメモリカードを用いることができる。この場合、メモリカードインターフェイス部609は、連動先通信アドレス保存処理部の一例に相当している。
連動設定変更処理部610は、例えば交換され新たに電力線2に接続された等の理由により、端末情報記憶部604に連動先通信アドレスが記憶されていない場合、メモリカードインターフェイス部609を介して、メモリカードインターフェイス部609に接続されているメモリカードに記憶されている連動先通信アドレスを取得して、端末情報記憶部604に記憶させると共に自機の通信アドレスを当該取得した連動先通信アドレスの電力線搬送通信端末装置6a宛に電力線通信処理部601により送信させる。
その他の構成及び動作は、図2に示す電力線搬送通信端末装置6と同様であるのでその説明を省略し、以下、図14に示す電力線搬送通信端末装置6aの動作について説明する。まず、各電力線搬送通信端末装置6aにおけるメモリカードインターフェイス部609には、メモリカードが接続された状態にされている。そして、まず、ユーザによって、例えば図略の設定ツールを用いて、スイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5の間における連動動作の対象となる機器の通信アドレスが連動先通信アドレスとして設定され、スイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5における端末情報記憶部604と、メモリカードインターフェイス部609に接続されたメモリカードとに、各端末の連動対象となる機器の通信アドレスが連動先通信アドレスとして記憶される。
図15は、図10に示す電力線搬送通信システム1cの動作の説明図である。以下、図15を参照して、スイッチ端末3、照明端末4、及び機器端末5のうちの一台、例えば照明端末4−1が故障し、新たな電力線搬送通信端末装置6aである照明端末4−Yと交換された場合における電力線搬送通信システム1cの動作を説明する。なお、図15においては、説明の簡単のため、スイッチ端末3−1〜3−M、及び照明端末4−Y以外の電力線搬送通信端末装置6aはその記載を省略している。
まず、交換前の照明端末4−1におけるメモリカードインターフェイス部609に接続されていたメモリカードを、照明端末4−Yにおけるメモリカードインターフェイス部609に接続しておく(ステップS61)。メモリカードには、照明端末4−1の連動先通信アドレスが記憶されている。
次に、照明端末4−Yが電力線2に接続され、照明端末4−Yが起動される(ステップS62)。そして、照明端末4−Yにおける連動設定変更処理部610によって、自機が新たに交換された電力線搬送通信端末装置6aであることが確認されると、メモリカードに記憶されている照明端末4−1の連動先通信アドレス、すなわちスイッチ端末3−1の通信アドレス「addr1」がメモリカードインターフェイス部609を介して読み出され、端末情報記憶部604に照明端末4−Yの連動先通信アドレスとして記憶される(ステップS63)。連動設定変更処理部610は、例えば、起動時において端末情報記憶部604に連動先通信アドレスが記憶されていない場合、照明端末4−Yが新たに交換された電力線搬送通信端末装置6aであると認識するようにしてもよい。
次に、連動設定変更処理部610によって、メモリカードから読み出された連動先通信アドレス、すなわちスイッチ端末3−1の通信アドレス「addr1」宛に、スイッチ端末3−1の連動先通信アドレスを照明端末4−Yの通信アドレスに変更させるべく、照明端末4−Yの通信アドレス、例えば「addr8」が送信される(ステップS64)。
次に、スイッチ端末3−1において、照明端末4−Yからの通信アドレス「addr8」が受信され、連動先通信アドレス変更部608によって、端末情報記憶部604に記憶されている照明端末4−1の通信アドレス「addr4」が、照明端末4−Yの連動先通信アドレス「addr8」に変更される(ステップS65)。
以上、ステップS61〜S65の処理により、交換された新たな照明端末4−Yには、交換前の照明端末4−1に設定されていた連動先通信アドレス「addr1」が設定され、交換前の照明端末4−1と連動設定されていたスイッチ端末3−1には、交換後の照明端末4−Yを示す連動先通信アドレス「addr8」が設定されるので、ユーザは、交換された電力線搬送通信端末装置6aとその連動設定対象の電力線搬送通信端末装置6aについて連動先通信アドレスを設定する必要がなく、電力線搬送通信端末装置の交換時に連動先通信アドレスの再設定を容易に行うことができる。
また、交換前の電力線搬送通信端末装置6aにおけるメモリカードインターフェイス部609に接続されていたメモリカードに記憶されていた連動先通信アドレスに基づいて、交換された電力線搬送通信端末装置6aとその連動設定対象の電力線搬送通信端末装置6aの連動先通信アドレスが設定されるので、ユーザは、各電力線搬送通信端末装置6aの識別番号を設定したり、保管、管理したりする必要がなく、ユーザの設定工数や管理工数を低減することができる。また、電力線搬送通信端末装置6aは、連動情報テーブル記憶部701を備えないので、構成を簡素化することができる。また、電力線搬送通信端末装置6aが連動先通信アドレスの変更処理を行うので、電力線搬送通信管理装置が不要である。
なお、連動先通信アドレス保存処理部としてメモリカードインターフェイス部609を用い、外部記憶手段としてメモリカードを用いる例を示したが、例えば、連動先通信アドレス保存処理部として例えばリモコン等の赤外線通信のインターフェイス回路やその他の通信インターフェース回路を用いて、これら通信インターフェース回路により接続される設定ツールやリモコン装置を外部記憶手段として用いてもよい。
また、例えば図7に示すゲートウェイ装置8、サーバ装置9、及び通信ネットワーク10を、図10における電力線搬送通信システム1cの電力線2に接続し、電力線通信処理部601を連動先通信アドレス保存処理部として用い、サーバ装置9を外部記憶手段として用いることにより、連動設定変更処理部610は、サーバ装置9に記憶されている交換前の電力線搬送通信端末装置6aの連動先通信アドレスを取得し、連動先の電力線搬送通信端末装置6aに記憶されている連動先通信アドレスを自機の通信アドレスに変更させる(ステップS64)ようにしてもよい。
また、上述の電力線搬送通信管理装置において、電源供給及び通信に共用される導体線を介して、複数の電力線搬送通信端末装置と前記複数の電力線搬送通信端末装置の動作を管理する少なくとも一の電力線搬送通信管理装置とが相互に通信可能に接続される電力線搬送通信システムに用いられる電力線搬送通信管理装置であって、前記複数の電力線搬送通信端末装置と前記導体線を介して通信を行う管理端末通信部と、前記複数の電力線搬送通信端末装置の前記通信アドレス、前記各電力線搬送通信端末装置を識別するための識別情報、及び前記各電力線搬送通信端末装置と連動して動作する電力線搬送通信端末装置の通信アドレスである連動先通信アドレスを対応付けた連動情報テーブルを記憶する連動情報テーブル記憶部と、前記管理端末通信部によって前記電力線搬送通信端末装置から前記識別情報と前記通信アドレスとが受信された場合、前記連動情報テーブルによって当該受信された識別情報と対応付けられている通信アドレスを当該受信された通信アドレスに変更すると共に、前記連動情報テーブルによって当該受信された識別情報と対応付けられている前記連動先通信アドレスの電力線搬送通信端末装置宛に、当該受信された通信アドレスを当該電力線搬送通信端末装置の連動先通信アドレスとして設定させるべく前記管理端末通信部により送信させる連動設定変更指示処理を行う連動設定変更処理部とを備えるようにしてもよい。
また、上述の電力線搬送通信管理装置において、電源供給及び通信に共用される導体線を介して複数の電力線搬送通信端末装置が相互に通信可能に接続される電力線搬送通信システムに用いられる通信アドレスが付与された電力線搬送通信端末装置であって、他の前記電力線搬送通信端末装置と前記導体線を介して通信を行う通信部と、自機と連動して動作する他の電力線搬送通信端末装置の通信アドレスである連動先通信アドレスを記憶する連動設定記憶部と、前記連動設定記憶部に記憶された連動先通信アドレスを、外部に設けられると共に情報を記憶する外部記憶手段に記憶させる連動先通信アドレス保存処理部と、前記外部記憶手段に記憶されている連動先通信アドレスを取得し、自機の通信アドレスを当該取得した連動先通信アドレスの電力線搬送通信端末装置宛に前記通信部により送信させる連動設定変更処理部と、前記通信部によって前記他の電力線搬送通信端末装置から前記通信アドレスが受信された場合、当該受信された通信アドレスを、前記連動設定記憶部に前記連動先通信アドレスとして記憶させる連動先通信アドレス変更部とを備えるようにしてもよい。