JP4635523B2 - 位置情報システム及びそのシステムで用いられる機器、集線装置、並びに機器管理装置 - Google Patents

位置情報システム及びそのシステムで用いられる機器、集線装置、並びに機器管理装置 Download PDF

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Description

本発明は、施設内における電気機器の設置位置並びに、その電気機器の名称等を提供する位置情報システムに関し、特に家電製品が何れの部屋に置かれているかを、その家電製品の名称等と共に提供する位置情報システムに関するものである。
従来から、家電製品を有線ないし無線ネットワークを介して相互に接続し、屋内外からコントロールすることが試みられてきた。このような家庭内のネットワークは、ホームネットワークと呼ばれ、当該ネットワークの規約等を定めたHAVi(Home AV interoperability、登録商標)や、EchoNet(Energy Conservation and Homecare Network、登録商標)等の各種ミドルウェアが提案されている。そして、これらのミドルウェアを組み込んだ家電、いわゆるネットワーク家電が多数開発され、冷蔵庫、オーブンレンジ、ホームランドリーのホームネットワーク等が実用化されている。このようにネットワーク家電が多数接続されるようになると、同種の家電製品が多く存在する事態も想定され、ユーザが目的のネットワーク家電を操作できるよう、分かり易い仕組みを導入することが必要となる。
例えば、居間に設置したVTRと、寝室に設置したVTRとがある場合、当該VTRに指示を与えるホームサーバ等の画面に、単に「ビデオ1」、「ビデオ2」等と表示しただけでは、一体、何処にあるVTRなのかが分からず、意に反して他のVTRを操作してしまうことが起こりえる。然るに、ホームサーバ等の画面に、住宅の見取り図と共にネットワーク家電のアイコンを表示させるGUI(Graphical User Interface)を採用したり、ネットワーク家電が置かれている場所を文字情報によって表示させたりすれば、ユーザは、各ネットワーク家電の設置場所を直感的に理解することができ、誤操作をする確率は、格段に低くなることが期待される。
そこで、かかる課題に鑑み、“ネットワーク家電が何処の部屋にあるのか”について、各種の技術が提案されるに至っている。例えば、特開平11-96131号公報(特許文献1)に開示された発明では、図12に示すように、IEEE1394バスと接続される情報コンセントF0〜F4(以下、情報コンセントFnと呼ぶ)を設け、当該情報コンセントFnのコンフィグレーションメモリに、それぞれどの部屋に設置されているかを示す部屋情報を予め格納しておく。そして、各機器H0〜H9(以下、機器Hnと呼ぶ)が当該情報コンセントFnを介してIEEE1394バスに接続され、バスマネージャA2がトポロジマップを作成した際に、機器Hnがどの情報コンセントFnに接続されているかを判別することで、当該機器Hnが何処の部屋にあるのかを認識しようとするものである。
また、特開2003-339086号公報(特許文献2)に開示された発明では、図13に示すように、電源コンセントI1〜I4(以下、電源コンセントIn)に接続され、電力線モデムを内蔵した電源アダプターJ1〜J3(以下、電源アダプターJnと呼ぶ)に、自己が設置されている部屋情報を予め記憶しておく。そして、各機器H10〜H13(以下、機器Hnと呼ぶ)が電源アダプターJnに接続されると、機器Hnは部屋情報要求を送信し、その部屋情報要求を受信した電源アダプターJnでは、当該要求を送信した機器Hnに対して部屋情報を返信して、機器Hnはその部屋情報を記憶する。次に、宅内サーバA3は、機器Hnに対して、部屋情報とその機器の情報を要求することで、機器Hnが何処の部屋にあるのかを認識しようとするものである。
特開平11−96131号公報 特開2003−339086号公報
以上のように、上記各特許文献に開示された発明によれば、機器Hn(ネットワーク家電)が何処の部屋にあるのかを認識することができた。しかしながら、その認識のためには、機器Hnが、他の機器Hnや電源アダプターJnなどと複数回に渡って通信を行わなければならず、当該機器Hnの通信インタフェースに負担をかけるという問題があった。より詳しく説明すると、特許文献1に開示された発明では、IEEE1394を採用しているため、機器Hnが情報コンセントFnに接続されると、コンフィグレーションプロセスによる多量の通信がなされる。すなわち、IEEE1394バス上にリセット信号が送信された後、各ノード間で親子関係の決定や、セルフIDパケットの通信がなされるため、ノード数に比例して通信量が増大するようになっている。
また、特許文献2に開示された発明では、機器Hnを電源アダプターJnに接続すると、そのアダプターとの間で部屋情報の取得がなされ、次いで、宅内サーバA3へ機器情報と部屋情報を送信することになるため、同様に機器Hnの通信量は多い。この通信量の問題は、画像伝送などを行うAV家電では、それほどの問題とならない。多量のデータ伝送ができるように、高速な通信インタフェースを採用することになるからである。しかし、家庭の半数以上を占める白物家電では、制御ソフトウェアを更新するなどの場合を除き、多量のデータ伝送を必要としないため、必ずしも高価で高速な通信インタフェースを採用する必要はない。したがって、特に白物家電を考慮すると、機器Hnの通信負担をできるだけ減らすことが望まれる。
また、上記各特許文献では、機器Hnと接続される情報コンセントFnないし電源アダプターJnにマイコンを搭載することが必要となり、システムコストが高くなるという問題があった。より詳しく説明すると、特許文献1に開示された発明では、情報コンセントFn自体がIEEE1394ノードとなっており、当該情報コンセントFnは、コンフィグレーションプロセス等を処理するための数ビットのマイコンを内蔵しなければならない。然るに、このようなマイコンを内蔵しようとすれば、電源コンセントが数百円程度なのに対して、数千円程度の高価なものとなり、これを住宅に複数個採用することは現実的でない。もっとも、同文献には、情報コンセントFnを一つのノードとして構成することも記載されており、この構成によれば、当該情報コンセントFnに用いるマイコンの数を減少させることが可能である。
ところが、このような構成とした場合、各情報コンセントFnがポートに相当することになるため、通常、情報コンセント群から、ケーブルの最大接続長である4.5m以内に、機器Hnを設置しなければならない。然るに、住宅においては、その長さを超える位置に機器Hnを設置することがあるため、かかる長さの制約を受けないために、バス・ブリッジが使用されることになる。しかし、そのバス・ブリッジには、マイコンが使用されることになるため、結局、マイコンの数は減少させることができない。したがって、特許文献1に開示された発明では、複数個のマイコンが必要であり、高価なシステムとなる。また、特許文献2の電源アダプターJnは、機器Hnからの部屋情報要求を受けて、当該情報の返信処理をする必要があるため、数ビットのマイコンを内蔵する必要があり、同様にして、高価なシステムとなる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1に、機器Hnの位置情報を取得するにあたり、当該機器Hnとの通信量を最小限にすること、第2に、併せてシステムコストを低廉にすることにある。
上記課題を解決するために、本願発明は、固有の識別子を有する機器が繋がれるポートが内蔵された集線装置と、前記機器の位置情報を管理する機器管理装置と、を備えた位置情報システムであって、前記集線装置のポート情報と当該ポートの位置情報とを対応づけて格納する位置情報データベースを備え、前記集線装置は、前記ポートに前記機器が接続された際に、当該機器の接続を示す機器接続信号を前記機器管理装置に送信し、前記機器管理装置は、前記機器接続信号を受信すると、前記集線装置に繋がれた各機器に対し、当該機器固有の識別子を問い合わせる機器ID要求を送信し、前記集線装置は、当該機器ID要求に対する応答として、前記機器から識別子を含む機器ID応答を受信すると、当該機器ID応答に含まれる前記識別子を当該識別子の機器が接続されたポート情報と対応付けて記憶し、前記機器管理装置は、前記機器ID応答を受信すると、前記集線装置に対して、ポートの接続状況を問い合わせる接続確認要求を送信し、前記集線装置は、前記接続確認要求を受信すると、当該接続確認要求に対する応答として、前記識別子及び当該識別子と対応付けられたポート情報を含む接続確認応答を前記機器管理装置に送信し、前記機器管理装置は、前記接続確認応答を受信すると、当該接続確認応答に含まれる前記ポート情報及び識別子を、前記ポートの位置情報と対応付けて前記位置情報データベースに格納する。
また前記識別子と機器固有の情報とを対応づけて格納した機器情報データベースをさらに備え、前記機器管理装置は、接続確認応答に含まれる識別子から、当該機器情報データベースを参照して、当該機器固有の情報を取得する態様も包含する。
さらに、本願発明は、自己を特定する通信用識別子及び他機器との判別に用いる機器識別子を有する機器が繋がれるポートが内蔵された集線装置と、前記機器の位置情報を管理する機器管理装置と、を備えた位置情報システムであって、前記集線装置のポート情報と当該ポートの位置情報とを対応づけて格納する位置情報データベースと、前記機器識別子と機器固有の情報とを対応付けて格納する機器情報データベースと、を備え、前記集線装置は、前記ポートに前記機器が接続された際に、当該機器の接続を示す機器接続信号を前記機器管理装置に送信し、前記機器管理装置は、前記機器接続信号を受信すると、前記集線装置に繋がれた各機器に対し、前記機器識別子を問い合わせる機器ID要求を送信し、前記集線装置は、当該機器ID要求に対する応答として、前記機器から前記通信用識別子及び機器識別子を含む機器ID応答を受信すると、当該機器ID応答に含まれる前記通信用識別子を当該通信用識別子の機器が接続されたポート情報と対応付けて記憶し、前記機器管理装置は、前記機器ID応答を受信すると、当該機器ID応答に含まれる前記通信用識別子及び機器識別子を記憶し、かつ、前記集線装置に対して、ポートの接続状況を問い合わせる接続確認要求を送信し、前記集線装置は、前記接続確認要求を受信すると、当該接続確認要求に対する応答として、前記通信用識別子及び当該通信用識別子と対応付けられたポート情報を含む接続確認応答を前記機器管理装置に送信し、前記機器管理装置は、前記接続確認応答を受信すると、当該接続確認応答に含まれる前記通信用識別子に対応する機器識別子を、既に記憶された前記通信用識別子及び機器識別子を参照することで取得し、この取得した機器識別子を基に、前記機器情報データベースを参照することで、当該機器識別子に対応する機器固有の情報を取得し、前記接続確認応答に含まれる前記ポート情報及び通信用識別子と、この取得した前記機器識別子及び機器固有の情報を、前記ポートの位置情報に対応付けて前記位置情報データベースに格納する。
本願発明によれば、機器から機器ID応答を受信した際に、その応答に含まれる識別子を、当該機器が接続されたポートと対応づけて記憶し、当該ポートの接続状況を問い合わせる旨の接続確認要求を受信した際に、そのポートの情報及び記憶した識別子を含む接続確認応答を送信する集線装置を用いたため、機器は、位置検出の際に、機器ID要求の受信とその応答の送信のみをすれば良く、以って機器の通信負担を減少させることができ。また、集線装置のみにマイコンを搭載すれば良いため、従来技術のように、各情報コンセント等にマイコンを搭載する必要がなく、以ってシステムコストを低減することができるという効果を奏するものである。
また上述の効果に加えて、機器固有の情報の取得により、ユーザが目的の機器を操作し易いという効果を奏するものである。
さらに上述の各効果と同様の効果を得られる。すなわち、機器から機器ID応答を受信した際に、その応答に含まれる通信用識別子を、当該機器が接続されたポートと対応づけて記憶し、当該ポートの接続状況を問い合わせる旨の接続確認要求を受信した際に、そのポートの情報及び記憶した通信用識別子を含む接続確認応答を送信する集線装置を用いたため、機器は、位置検出の際に、機器ID要求の受信とその応答の送信のみをすれば良く、以って機器の通信負担を減少させることができる。また、集線装置のみにマイコンを搭載すれば良いため、従来技術のように、各情報コンセント等にマイコンを搭載する必要がなく、以ってシステムコストを低減することができる。また、機器固有の情報の取得により、ユーザが目的の機器を操作し易いという効果を奏するものである。
そして、本手段によって得られる独自の効果として、通信用識別子が厳密に固有のものでなく、その識別性が信頼できないものであっても、固有の機器識別子によって、機器を厳密に識別することができるという効果を奏するものである。
〔第1の実施の形態〕
次に、上述の解決手段並びにその効果を踏まえ、本発明を実施するにあたって好ましい実施の形態を説明する。まず、本発明が従来におけるものと異なり特徴を有する点の一つは、図1のシステム構成図、及び図3のシステムフローに示すように、複数のポートd0〜d4(以下、ポートdnと呼ぶ)を有する集線装置C0を備えているという点である。
この集線装置C0は3つの機能を有しており、1つ目の機能は、機器H0〜機器H1(以下、機器Hnと呼ぶ)がポートdnに接続された際に、その旨の機器接続信号を機器管理装置A1に送信する機能である(以下、接続通知機能と呼ぶ)。また、2つ目の機能は、機器管理装置A1が機器Hnに対して、当該機器固有の識別子を問い合わせる旨の機器ID要求を送信し、当該機器Hnが自己の固有の識別子を格納した機器ID応答を返信した際に、その応答に含まれる識別子を、当該機器Hnが接続されたポートdnと対応づけて記憶する機能である(以下、機器情報記憶機能と呼ぶ)。さらに、3つ目の機能は、ポートdnの接続状況を問い合わせる旨の接続確認要求を機器管理装置A1から受信した際に、当該機器管理装置A1に対して、そのポートdnの情報及び記憶した識別子を含む接続確認応答を送信する機能である(以下、機器情報通知機能と呼ぶ)。
次に、これらの各機能と機器管理装置A1並びに機器Hnとの動作関係について見ていく。まず、集線装置C0の接続通知機能により、機器管理装置A1は、システムに機器Hnが接続されたことを知ることができ、その接続された機器Hnに対して、機器ID要求を送信することができる。そして、機器ID要求を受信した機器Hnでは、自己の固有の識別子を格納した機器ID応答を返信する。この機器IDの確認は、どの機器Hnが接続されたのかを確かめる目的もあるが、その本来的な目的は、次の機器情報記憶機能と関係する。すなわち、機器Hnから機器ID応答が送信されると、集線装置C0は、その応答に含まれる機器固有の識別子を、当該機器が接続されたポートと対応づけて記憶するようになっているので、どの機器Hnがどのポートに接続されたのかを記憶させるために、機器IDの確認を行っているのである。
そして、集線装置C0の機器情報通知機能により、機器管理装置A1は、集線装置C0に記憶された情報を取得する。次に、機器管理装置A1では、集線装置C0のポートdnの情報(ポート番号)と、ポートdnがそれぞれ何処に設置されているかを示す位置情報とを対応づけて格納した位置情報データベースを参照して、どの機器Hnが何処に設置されているのかを取得するようになっている。尚、この位置情報データベースは、一例として、機器管理装置A0と接続され管理データベースA0内に格納されている。以上のように構成することで、機器Hnの位置情報を取得するにあたり、当該機器Hnは、上述の機器ID要求の受信とその応答の送信のみをすれば良く、以って機器Hnの通信負担を減少させることができる。また、集線装置C0を採用したことにより、従来技術のように、情報コンセント等にマイコンを搭載する必要がなく、以ってシステムコストを低減させることができる。
次に、本実施形態のシステム構成について、引き続き図1を参照して、さらに詳細に説明する。同図に示すように、本実施形態の位置情報システムは、機器Hnの設置位置を管理する機器管理装置A1を備えており、その機器管理装置A1には、それぞれ通信線b1、b2を介して、管理データベースA0と集線装置C0が接続されている。集線装置C0は、上述したように、複数のポートdnが備えられており、これらのポートdnに通信線b2ないし、通信線e1〜e3(以下、通信線enと呼ぶ)を介して、機器管理装置A1や情報コンセントF0〜F3(以下、情報コンセントFnと呼ぶ)が接続されている。そして、これらの情報コンセントFnには、機器Hnから導出された(又は接続された)通信線g0〜g2(以下、通信線gnと呼ぶ)が接続されるようになっている。尚、機器Hnと情報コンセントFn、情報コンセントFnとポートdnとは、それぞれ1対1に対応するようになっている。
各部について説明すると、管理データベースA0は、例えばハードディスクなどの記憶手段である。機器管理装置A1は例えば通常のパソコンであって、集線管理装置C0の管理ツールなどがインストールされている。通信線b1は、管理データベースA0と機器管理装置A1との間で情報の通信ができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルやSCSI(Small Computer System Interface)などのシリアルバスが採用される。集線装置C0は、上述の各機能が備えられたレイヤ2スイッチ、すなわちスイッチングハブであり、ポートdnのリンク状態などをMIB(Management Information Base)として保持している。また、必要に応じて、PoE((Power over Ethernet)、Ethernetは登録商標)などで電力供給をしても良いものである。通信線b2、en、gnは、各装置間で通信ができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、10BaseT、100BaseTX等のツイストペアケーブルが用いられ、情報コンセントFnでは、RJ45モジュラジャックが採用される。尚、必要に応じて、10Base−2、5等の同軸ケーブルを使用しても良いし、USBであっても良いものである。機器Hnは、設置位置の検出対象であって、例えば、家電機器である。
ところで、上述の管理データベースA0には、ポートdnがそれぞれ何処に設置されているかが格納された上述の位置情報データベースが格納されており、さらに機器情報データベースを格納するようにしても良いものである。位置情報データベースは、一例として、図2のデータテーブルに示すように、インデックスと、集線装置C0のIPアドレス並びに各ポート番号D1〜D4と、ポートdnに対応するロケーション情報と、接続された機器Hnに固有の機器情報と、ポートのリンク状態と、機器Hnの識別子であるMACアドレス(Media Access Control Address)とが格納される。尚、集線装置C0にポートdnに接続された機器HnのIPアドレスを記憶できる機能があれば、MACアドレスに限らずに、IPアドレス(Internet Protocol Address)を格納するようにしても良い。
また、集線装置C0のIPアドレスと、ポートdnに対応するロケーション情報については、図示しない入力手段により、ユーザないし施工者によって事前に入力するようになっている。さらに、「機器ID」については、第2の実施形態で使用されるものであり、本実施形態では使用されないものである。一方、機器情報データベースは、機器固有の識別子と当該機器固有の情報とが対応づけられて格納されており、機器固有の情報としては、メーカ名(例えば、松下)、製品体系(例えば、製品名)、シリアル番号などが挙げられる。このデータベースは、上述したように格納しても良いものに過ぎず、通常は、機器管理装置A1とネットワークを介して遠隔に接続されたサーバなど(図示せず)に接続されるようになっている。
次に、図1乃至図8を参照して、当該システムの動作につき、さらに詳細に説明する。まず、ユーザや施工業者などによって、管理データベースA0内の位置情報データベースに、集線装置C0のIPアドレスと、ポートdnに対応するロケーション情報が格納される。例えば、図2に示すように、集線装置C0のIPアドレスとして「192.168.0.2」が入力され、ポート番号D1のロケーション情報には「一階リビング」、同様にして、ポート番号D2〜D4には、それぞれ「一階台所」、「階段」、「2階洋間(1)」などが入力される。尚、本実施形態では、集線装置は一台のみを示したが、複数台設置しても良いものであり、その場合には、それぞれの集線装置のIPアドレスが格納されることになる。次に、図3に示すように、何れかの機器Hnが何れかの情報コンセントFnに接続されると(ステップS1)、集線装置C0は、自己のポートdnに機器Hnが接続されたことを検知して、機器管理装置A1に機器接続信号を送信する(ステップS2)。
この機器接続信号の送信のためには、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)のTRAPが用いられる。SNMPは、ネットワーク機器の管理のためのプロトコルであって、機器管理装置A1は、管理機能を有するマネージャとして機能し、当該集線装置C0は、管理対象であるエージェントとして機能するようになっている。また、TRAPとは、当該ネットワーク機器に障害や状態の変化があったときに、エージェント側から送信される情報である。より詳しく説明すると、図4のパケットフォーマットに示すように、SNMPは、一般にUDP(User Datagram Protocol)上で実現されるプロトコルであって、SNMPメッセージは、SNMPバージョン、マネージャとエージェントの間のパスワードなどに使用されるコミュニティ、PDU(Protocol Data Unit)から構成されている。
PDUは、情報の読み出しに使用するGet Requestなどと異なり、TRAP独自のものが用いられ、同図に示すように、TRAPを示す「4」が格納されるPDUタイプ、当該TRAPを定義した企業のOID(Object Identification)、エージェント(集線装置C0)のIPアドレス、リンクアップを示す「3」が格納される一般トラップ番号、企業固有のトラップを送る場合の固有トラップ番号、集線装置C0が最後に起動してから当該TRAPが発生するまでの時間を示すタイムスタンプ、OIDと値からなり、どのポートdnに機器Hnが接続されたのかを示すオブジェクトデータが格納される。尚、UDPヘッダにはSNMPのポート番号などが、IPヘッダには機器管理装置A1のIPアドレスなどが、MACヘッダには、機器管理装置A1のMACアドレスなどが格納される。したがって、集線装置C0には、ユーザ又は施工者などによって、予め機器管理装置A1のIPアドレスを格納しておくことが必要である。
次に、この機器接続信号(SNMP−TRAP)を受信した機器管理装置A1は、集線装置C0に接続された機器Hnに対して、機器ID要求を送信し(ステップS3)、当該機器Hnは機器ID応答を返信する(ステップS4)。機器IDとは、機器Hnに固有の識別子であって、集線装置C0が機器ID応答から抽出して、ポートdnと対応づけて記憶できるものであれば、例えばIPアドレスなどであっても良く、特に限定されるものではないが、ここでは通常、MACアドレスをいう。すなわち、ステップS4の際に、集線装置C0は当該機器Hnに固有の識別子を記憶することになるが、本願の発明者は、集線装置C0がスイッチングハブであることに鑑みて、ポートdnに新しく入ってきたフレームのMACアドレスを記憶するという、当該ハブの機能を利用することとしたものである。
ところで、機器Hnから何らのデータ送信がなければ、集線装置C0は、当該機器Hnの識別子を記憶することができない。したがって、何らかのデータ送信をさせることが必要になる。そこで、上述したように、機器管理装置A1から当該機器ID要求を送信させるようにしているが、この機器ID要求の一例として、本実施形態では、ICMP(Internet Control Message Protocol)のエコー、いわゆるPING(Packet Inter Network Groper)を用いている。PINGは、ネットワーク機器間の疎通確認に用いられるものであり、図5のパケットフォーマットに示すように、ICMPはIP上で実現されるプロトコルであって、ICMPヘッダとそれに続くICMPデータとから構成されている。そして、機器管理装置A1は、機器ID要求として、図5(a)に示すように、タイプに「8」、コードに「0」、チェックサムを格納して、エコー要求のICMPヘッダを構成し、さらにIDとシーケンス番号を格納してICMPデータを構成する。
また、機器管理装置A1は、IPヘッダ内の送信元アドレスとして、機器管理装置A1のIPアドレスを指定し、また宛先アドレスとして、ブロードキャストアドレスを指定して、集線装置C0に接続された全て機器Hnに送信するようにしている。新たに接続された機器HnのIPアドレスは不明だからである。尚、ブロードキャストすると、集線装置C0自体も応答してしまうため、ICMPデータのIDに集線装置C0は応答不要である旨を意味する値が定められており、集線装置C0では、当該IDがその値になっている場合には、自らは応答しないようになっている。一方、機器Hnでは当該ICMPのエコーを受信すると、エコー応答を返信する。具体的には、図5(b)に示すように、タイプに「0」、コードに「0」、チェックサムを格納して、エコー応答のICMPヘッダを構成し、さらにIDとシーケンス番号を格納してICMPデータを構成するようになっている。ICMPデータに記載された「機器ID」については、第2の実施形態で使用されるものであり、本実施形態では使用されない。
次に、機器ID応答(エコー応答)を受信した機器管理装置A1は、どの機器Hnがどのポートに接続されたのかを確認するために、集線装置C0に接続確認要求を送信し(ステップS5)、当該集線装置C0では、機器接続確認応答を返信する(ステップS6)。この接続確認のために、本実施形態では、SNMPのGet RequestとGet Responseを用いている。これらのSNMPメッセージは、上述したTRAPとPDUが一部異なり、図6に示すように、PDUタイプ、マネージャ(機器管理装置A1)とエージェント(集線装置C0)の応答を関連づけるリクエストID、エラーコードを示すエラーステータス、エラーが発生した場合にどのデータにエラーが発生したのか示すエラーインデックス、オブジェクトデータからなる。
つまり、機器管理装置A1からは、Get Requestを示す「0」のPDUタイプ、所定のリクエストID、各ポートdnのOID等が格納されたGet Requestが送信される。一方、集線装置C0からは、その返答として、Get Responseを示す「3」のPDUタイプ、対応するリクエストID、各ポートdnのOIDと、それぞれのポートdnのリンクUP又はDOWN並びに、リンクUPの場合は、接続されている機器HnのMACアドレス等が格納されたGet Responseが返信される。尚、機器Hnに固有の識別子であって、集線装置C0が機器ID応答から抽出して、ポートdnと対応づけて記憶できるものであれば、MACアドレスに限らず、例えばIPアドレスなどを格納しても良いものである。
次に、接続確認応答(Get Response)を受信した機器管理装置A1は、図7に示すように、位置情報データベースに対し、当該応答から取得した各ポートdnのリンク状態、機器HnのMACアドレスを格納する。同図の例では、ポートD1、D2に機器Hnが接続されている旨のUPが格納され、その他のポートD3、D4には機器Hnが接続されていない旨のDOWNが格納される。また、リンクUPのポートD1、D2には、それぞれ機器H0、H1のMACアドレスMAC−H0、MAC−H1が格納される。尚、MACアドレスの情報は、機器HnがリンクDOWNしてもそのまま残り(例えば、図7のインデックス4)、新規に同一MACアドレスが登録されたときに(同インデックス1)、位置情報データベースから削除されるようになっている。
このように、機器管理装置A1は、MACアドレスから、どの機器Hnがどのポートdnに接続されているかを認識することで、各機器Hnが何処の部屋に設置されているのかを認識することができる。例えば、同図の例では、機器H0が「1階リビング」に、機器H1が「1階台所」に設置されていることが分かる。ところで、MACアドレスのみを表示しても、ユーザには分かりづらいので、機器管理装置A1は、ポートdnに接続されている機器HnのMACアドレスから、機器情報データベースを参照して、図8に示すように、例えば、「松下電器、VTR、SN(シリアルナンバー)」、「松下電工、ドライヤー、SN」などの情報を取得して、SNを除く情報を、ロケーション情報と共に、ユーザに報知するようにしても良い(ステップS7)。
尚、機器接続信号の送信や接続確認要求及びその応答にSNMPを用い、また機器ID要求及びその応答にICMPのエコーを用いたが、これに限定する趣旨ではなく、同等の機能が発揮できる限り、他のプロトコル、ソフトウェアを使用しても良いものである。例えば、IP層レベルのICMPエコー以外に、UDPエコー、TCP(Transmission Control Protocol)エコーなど、IP層より上の応答要求に対して、ブロードキャスト通信を行うことで構成しても良い。また、ブロードキャスト通信以外に、被管理機器が属するIPアドレスのサブネットが分かっていれば、サブネット内のブロードキャスト、マルチキャスト又は全てのIPアドレスへの問い合わせという構成をしても良いものである。また、通信プロトコルはIPv4の限定する趣旨でなく、IPv6であっても良いものである
〔第2の実施の形態〕
以上のように、上述の実施形態によれば、機器Hnの位置情報を取得するにあたり、機器Hnの通信負担を減少させることができ、またシステムコストを低減させることができた。しかしながら、機器Hnの特定にMACアドレスを用いているため、厳密には当該機器Hnを識別できない場合があるという問題があった。より詳しく説明すると、MACアドレスは、NIC(Network Interface Card)毎に割り当てられた固有の識別番号であるから、これを用いることで、機器Hnの識別は本来可能である。しかしながら、近年、稀にMACアドレスの付与が適正に行われないケースがあり、当該アドレスによる機器Hnの識別は完全ではない。また、ホームネットワークが進展すると、既存の家電が次々とネットワーク家電へと置き換えられることになるため、48ビットのアドレスでは、何れアドレスの枯渇を招く事態が予想される。
そこで、本実施形態では、MACアドレスは通信の際に自己を特定する通信用識別子として使用し、他の機器との判別に用いる固有の機器識別子(機器ID)を別途設けたものである。そして、まず、図9のシステムフローに示すように、機器管理装置A1から機器ID要求を受けた際に(ステップS3)、当該機器識別子をMACアドレスと対応づけて機器ID応答に含めて返信する(ステップS4)。このとき、機器管理装置A1では、図10に示すように、機器IDとMACアドレスとのアドレス対応テーブルを作成する。次に、機器管理装置A1では、接続確認によってリンクUPされているポートdnと、当該ポートdnに接続された機器HnのMACアドレスを取得し(ステップS5、S6)、その取得したMACアドレスから、上述のアドレス対応テーブルを参照して機器IDを求める。そしてさらに、この機器IDから、機器情報データベースを参照して、機器情報を求めて(ステップS7)、機器情報と共に各機器Hnが何処の部屋に設置されているのかを認識するようになっている。
以上の点を踏まえ、本実施形態の動作についてより詳しく説明すると、次の通りである。まず、図2に示すように、ポートdn(ポートD1〜D4)毎のロケーション情報が予め入力される。機器Hnが集線装置C0に接続されると(ステップS1)、集線装置C0は、機器管理装置A1へ機器接続信号(SNMP−TRAP)を送信し(ステップS2)、機器管理装置A1では、機器Hnに機器ID要求としてエコー要求を送信する(ステップS3)。ここまでは、第1の実施形態と同様であるが、次の処理が異なる。具体的に説明すると、機器Hnでは、機器管理装置A1に機器ID応答としてエコー応答をするようになっているが、図5(b)に示すように、ICMPデータに機器IDを格納して応答するようになっている(ステップS4)。また、機器管理装置A1では、機器ID応答を受信すると、エコー応答のMACヘッダから機器HnのMACアドレスを取得すると共に、ICMPデータから機器IDを取得して、図10に示したアドレス対応テーブルを作成する。
そして、第1の実施形態と同様にして、機器管理装置A1は、ポートdnのリンク状態を確認すべく接続確認要求を行って(ステップS5)、集線装置C0からの接続確認応答より(ステップS6)、図7に示すように、位置情報データベースにリンク状態と、MACアドレスを格納する。次に、第1の実施形態と異なり、機器管理装置A1は、取得したMACアドレスから、図10のアドレス対応テーブルを参照して、格納されたMACアドレスに対応する機器IDを求め、図11に示すように、位置情報データベースに、求めた機器IDを格納する。また、その機器IDから機器情報データベースを参照して、機器情報を求め、図8に示すように、同様に当該情報を格納するようになっている。このように、本実施形態によれば、MACアドレスが厳密に固有のものでなく、その識別性が信頼できないものであっても、固有の機器IDによって、機器Hnを厳密に識別することができる。尚、その他の構成及び動作については、第1の実施形態と同様であるから、同一の符号を付すなどして説明を省略する。
本発明に係る位置情報システムの構成を示すブロック図である。 位置情報データベースの初期状態を示す図である。 第1の実施形態に係る位置情報システムのフロー図である。 SNMP−TRAPのフォーマットを示す図である。 ICMPフォーマットを示すであって、(a)はエコー要求、(b)はエコー応答を示す図である。 SNMP−GetRequest等のフォーマットを示す図である。 集線装置C0への接続確認が終了して、リンク状態が格納された位置情報データベースを示す図である。 機器情報が格納された位置情報データベースを示す図である。 第2の実施形態に係る位置情報システムのフロー図である。 機器IDとMACアドレスとのアドレス対応テーブルを示す図である。 第2の実施形態において機器IDが格納された位置情報データベースを示す図である。 第1の従来技術であって、IEEE1394を用いたノードの位置情報システムを示すブロック図である。 第2の従来技術であって、電力線搬送による位置情報システムを示すブロック図である。
符号の説明
d0〜d4 ポート
A0 管理データベース(位置情報データベース、機器情報データベース)
A1 機器管理装置
C0 集線装置
H0〜H1 機器

Claims (3)

  1. 固有の識別子を有する機器が繋がれるポートが内蔵された集線装置と、前記機器の位置情報を管理する機器管理装置と、を備えた位置情報システムであって、
    前記集線装置のポート情報と当該ポートの位置情報とを対応づけて格納する位置情報データベースを備え、
    前記集線装置は、前記ポートに前記機器が接続された際に、当該機器の接続を示す機器接続信号を前記機器管理装置に送信し、
    前記機器管理装置は、前記機器接続信号を受信すると、前記集線装置に繋がれた各機器に対し、当該機器固有の識別子を問い合わせる機器ID要求を送信し、
    前記集線装置は、当該機器ID要求に対する応答として、前記機器から識別子を含む機器ID応答を受信すると、当該機器ID応答に含まれる前記識別子を当該識別子の機器が接続されたポート情報と対応付けて記憶し、
    前記機器管理装置は、前記機器ID応答を受信すると、前記集線装置に対して、ポートの接続状況を問い合わせる接続確認要求を送信し、
    前記集線装置は、前記接続確認要求を受信すると、当該接続確認要求に対する応答として、前記識別子及び当該識別子と対応付けられたポート情報を含む接続確認応答を前記機器管理装置に送信し、
    前記機器管理装置は、前記接続確認応答を受信すると、当該接続確認応答に含まれる前記ポート情報及び識別子を、前記ポートの位置情報と対応付けて前記位置情報データベースに格納することを特徴とする位置情報システム。
  2. 前記識別子と機器固有の情報とを対応づけて格納した機器情報データベースをさらに備え、前記機器管理装置は、接続確認応答に含まれる識別子から、当該機器情報データベースを参照して、当該機器固有の情報を取得することを特徴とする請求項1記載の位置情報システム。
  3. 自己を特定する通信用識別子及び他機器との判別に用いる機器識別子を有する機器が繋がれるポートが内蔵された集線装置と、前記機器の位置情報を管理する機器管理装置と、を備えた位置情報システムであって、
    前記集線装置のポート情報と当該ポートの位置情報とを対応づけて格納する位置情報データベースと、
    前記機器識別子と機器固有の情報とを対応付けて格納する機器情報データベースと、を備え、
    前記集線装置は、前記ポートに前記機器が接続された際に、当該機器の接続を示す機器接続信号を前記機器管理装置に送信し、
    前記機器管理装置は、前記機器接続信号を受信すると、前記集線装置に繋がれた各機器に対し、前記機器識別子を問い合わせる機器ID要求を送信し、
    前記集線装置は、当該機器ID要求に対する応答として、前記機器から前記通信用識別子及び機器識別子を含む機器ID応答を受信すると、当該機器ID応答に含まれる前記通信用識別子を当該通信用識別子の機器が接続されたポート情報と対応付けて記憶し、
    前記機器管理装置は、前記機器ID応答を受信すると、当該機器ID応答に含まれる前記通信用識別子及び機器識別子を記憶し、かつ、前記集線装置に対して、ポートの接続状況を問い合わせる接続確認要求を送信し、
    前記集線装置は、前記接続確認要求を受信すると、当該接続確認要求に対する応答として、前記通信用識別子及び当該通信用識別子と対応付けられたポート情報を含む接続確認応答を前記機器管理装置に送信し、
    前記機器管理装置は、前記接続確認応答を受信すると、当該接続確認応答に含まれる前記通信用識別子に対応する機器識別子を、既に記憶された前記通信用識別子及び機器識別子を参照することで取得し、
    この取得した機器識別子を基に、前記機器情報データベースを参照することで、当該機器識別子に対応する機器固有の情報を取得し、
    前記接続確認応答に含まれる前記ポート情報及び通信用識別子と、この取得した前記機器識別子及び機器固有の情報を、前記ポートの位置情報に対応付けて前記位置情報データベースに格納することを特徴とする位置情報システム。
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