以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。まず、本実施形態の構成について説明する。
(実施形態の構成)
図1は、実施形態に係る電力線通信制御システムの構成を示す図である。図2は、グループ・パターン変換制御装置の構成を示すブロック図である。図3は、グループ・パターン変換情報テーブルを示す図である。図4は、登録負荷端末動作状態テーブルを示す図である。図5は、第2制御要求信号のフォーマットを示す図である。
図1において、本実施形態に係る電力線通信制御システム100は、複数の負荷端末101(101−A、101−B、・・・、101−R)と、1又は複数の制御端末102(102−A、102−B、・・・、102−F)と、グループ・パターン変換制御装置(以下、「GP変換制御装置」と略記する。)104とを備えて構成される。
負荷端末101は、電力線通信が可能であって電気をエネルギー源として稼動する装置であり、例えば、照明器具及び空調装置等のオフィス環境や住戸環境を調整する調整装置、監視カメラ、インターホン、住宅情報盤、電動シャッタ及び電気錠装置等の住戸設備、防犯センサ、火災センサ、ガス漏れセンサ及び湿度センサ等のセンサ(検知器)、電力計、ガスメータ及び量水器等の計量機器、テレビジョン、ビデオテープレコーダ、DVDレコーダ、ハードディスクレコーダ及び洗濯機等の家電製品、コンピュータ等の情報処理装置、電話機及びファクシミリ装置等の通信機器、脈拍計、体温計、血中酸素濃度計及び心電図計等の医療機器、そして、緊急通報を行うためのスイッチ等である。
負荷端末101は、例えば、電力線通信を行うための電力線通信部(不図示)と、当該負荷端末101の種類に応じた機能を実現する機能部(不図示)と、電力線通信部と機能部とを制御する負荷端末の制御部(不図示)とを備えて構成される。電力通信部は、負荷端末101のアドレス、プロパティ情報及び後述の負荷端末101側の連動情報等を記憶し、プロパティ情報に基づいて電力線通信を行う。プロパティ情報は、例えば、標準プロパティ、負荷端末101の動作状態を表す負荷端末状態プロパティ(プロパティ値;“動作状態1”、“動作状態2”)、及び、負荷端末101の機能部に対する制御要求を表す負荷端末制御アクションプロパティ(プロパティ値;“制御目標値1”、“制御目標値2”)等である。機能部は、例えば、当該負荷端末101の種類が照明器具である場合には、照明機能を実現する回路であり、また例えば、当該負荷端末101の種類が空調設備である場合には、空調機能を実現するための回路であり、また例えば、当該負荷端末101の種類が制御対象における電源投入のオン・オフを制御する制御用リレーである場合には、リレー機能を実現するための回路である。負荷端末の制御部は、例えば、電力線通信部で受信した信号に基づいて機能部を制御すると共に機能部の動作状態を電力線通信部を用いて送信する。
本実施形態では、負荷端末101は、照明器具であり、照明器具のアドレスと、標準プロパティと、負荷端末状態プロパティとして照明器具の点灯・消灯状態を表す照明器具状態プロパティ(プロパティ値;“点灯”、“消灯”)と、負荷端末制御アクションプロパティとして照明機能を実現する回路に対する制御要求を表す照明器具制御アクションプロパティ(プロパティ値;“点灯”、“消灯”)と、負荷端末101側の連動情報とを記憶する。
制御端末102は、電力線通信が可能であって負荷端末101の動作を制御するための指示を入力する装置であり、電力線通信を行うための電力線通信部(不図示)と、指示を入力する操作部(不図示)と、指示の状態を表示する表示部(不図示)とを備えて構成される。電力線通信部は、制御端末102のアドレス、プロパティ情報及び後述の制御端末102側の連動情報等を記憶し、プロパティ情報に基づいて電力線通信を行う。プロパティ情報は、例えば、標準プロパティ及び制御端末102の制御の指示状態を表す制御端末状態プロパティ(プロパティ値;“指示状態1”、“指示状態2”)等である。操作部は、例えば、押しボタンスイッチ等のスイッチであり、表示部は、例えば、LEDやネオンランプ等の発光素子であり、点滅や表示色の相違等によって“指示状態1”であるか“指示状態2”であるかを表す。
本実施形態では、制御端末102は、発光素子からなる表示部付きの壁スイッチであり、壁スイッチのアドレスと、標準プロパティと、制御端末状態プロパティとして壁スイッチのオン・オフの指示状態を表すスイッチ状態プロパティ(プロパティ値;“オン”、“オフ”)と、制御端末102側の連動情報とを記憶する。
GP変換制御装置104は、制御端末102からの送信された後述の第1制御要求信号を受信し、受信した第1制御要求信号における送信元の制御端末101に応じて複数の負荷端末101を一括に制御する後述の第2制御要求信号に変換して複数の負荷端末101に送信する。その詳細な構成については、後述する。
これら負荷端末101、制御端末102及びGP変換制御装置104は、建物における或るフロア1に設置され、フロア1に布設された電力線103に接続される。負荷端末101、制御端末102及びGP変換制御装置104は、電力線103から電力供給を受けると共に伝送路として電力線103を用いて通信信号を相互に送受信する。建物は、例えば、戸建て住宅、集合住宅、オフィスビル、倉庫及び工場等である。
本実施形態では、フロア1は、3個の区画2、3、4に分けられており、区画2に負荷端末A101−A、負荷端末B101−B、負荷端末C101−C、負荷端末G101−G、負荷端末H101−H、及び、負荷端末I101−Iが設置され、区画3に負荷端末D101−D、負荷端末E101−E、負荷端末F101−F、負荷端末J101−J、負荷端末K101−K、及び、負荷端末L101−Lが設置され、区画4に負荷端末M101−M、負荷端末N101−N、負荷端末O101−O、負荷端末P101−P、負荷端末Q101−Q、及び、負荷端末R101−Rが設置される。そして、区画4に制御端末A102−A、制御端末B102−B、制御端末C102−C、制御端末D102−D、制御端末E102−E、及び、制御端末F102−Fが設置される。電力線通信を行うために負荷端末101及び制御端末102には、各個を識別するための識別子であるアドレスが割り振られている。例えば、負荷端末A101−A、負荷端末B101−B、負荷端末C101−C、・・・、負荷端末Q101−Q、負荷端末R101−Rには、アドレスとしてそれぞれ「Addra」、「Addrb」、「Addrc」、・・・、「Addrq」、「Addrr」が割り振られ、制御端末A102−A、制御端末B102−B、制御端末C102−C、制御端末D102−D、制御端末E102−E、制御端末F102−Fには、アドレスとしてそれぞれ「Addca」、「Addcb」、「Addcc」、「Addcd」、「Addce」、「Addcf」が割り振られている。
次に、GP変換制御装置104の構成について説明する。図2において、GP変換制御装置104は、電力線通信処理部141、プロパティ情報記憶部142、中央処理部143、設定情報記憶部144及び制御情報生成部145を備えて構成される。
電力線通信処理部141は、プロパティ情報記憶部142のプロパティ情報に基づいて、中央処理部143からのデータを電力線通信方式のプロトコルに従った通信信号を生成すると共に電力線103からの通信信号を中央処理部143が処理可能な形式のデータに変換する回路である。電力線通信方式のプロトコルは、例えば、SCPやエコーネット(ECHONET)の電灯線A方式や電灯線B方式等の複数の方式等があるが、本実施形態では、背景技術と同様に、SCPが用いられる。
プロパティ情報記憶部142は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリ素子から構成され、GP変換制御装置104のプロパティ情報を予め記憶する。GP変換制御装置104のプロパティ情報は、必須の標準プロパティ、グループ・パターン制御状態プロパティ、グループ・パターン制御端末動作状態プロパティ、登録負荷端末動作状態プロパティ、及び、登録負荷端末制御アクションプロパティである。
グループ・パターン制御状態プロパティは、グループ制御の状態及びパターン制御の状態を表すプロパティである。グループ・パターン制御端末動作状態プロパティは、グループ制御又はパターン制御を行う制御端末102の指示状態を表すプロパティである。
登録負荷端末動作状態プロパティは、GP変換制御装置104が集中制御を行う負荷端末101の動作状態を表すプロパティである。登録負荷端末制御アクションプロパティは、登録負荷端末動作状態プロパティに対する設定要求を表すプロパティである。
プロパティ情報記憶部142は、制御端末102における制御端末状態プロパティ(本実施形態でスイッチ状態プロパティ)とGP変換制御装置104におけるグループ・パターン制御状態プロパティとを関連付ける第1A連動情報、グループ・パターン制御状態プロパティと負荷端末101における登録負荷端末制御アクションプロパティ(本実施形態では照明器具制御アクションプロパティ)とを関連付ける第2A連動情報、負荷端末101における負荷端末状態プロパティ(本実施形態では照明器具状態プロパティ)とGP変換制御装置104における登録負荷端末動作状態プロパティとを関連付ける第2B連動情報、及び、GP変換制御装置104におけるグループ・パターン制御端末動作状態プロパティと制御端末102における制御端末状態プロパティ(本実施形態ではスイッチ状態プロパティ)とを関連付ける第1B連動情報を記憶する。
より具体的には、SCPでは、第1A連動情報は、スイッチ状態プロパティの変化を通知した通知元の制御端末102におけるアドレス、制御端末102におけるスイッチ状態プロパティの情報、及び、GP変換制御装置104におけるグループ・パターン制御状態プロパティの情報である。第2A連動情報は、グループ・パターン制御状態プロパティの変化を通知する通知先の負荷端末101におけるアドレス、及び、GP変換制御装置104におけるグループ・パターン制御状態プロパティの情報である。第2B連動情報は、照明器具状態プロパティの変化を通知した通知元の負荷端末101におけるアドレス、負荷端末101における照明器具状態プロパティの情報、及び、GP変換制御装置104における登録負荷端末動作状態プロパティの情報である。第1B連動情報は、グループ・パターン制御端末動作状態プロパティの変化を通知する通知先の制御端末102におけるアドレス、及び、GP変換制御装置104におけるグループ・パターン制御端末動作状態プロパティの情報である。
一方、負荷端末101側の連動情報として、GP変換制御装置104におけるグループ・パターン制御状態プロパティと負荷端末101における負荷端末制御アクションプロパティ(本実施形態では照明器具制御アクションプロパティ)とを関連付ける第3A連動情報、及び、GP変換制御装置104における登録負荷端末動作状態プロパティと負荷端末101における負荷端末状態プロパティ(本実施形態では照明器具状態プロパティ)とを関連付ける第3B連動情報が、負荷端末101の電力線通信部に記憶される。より具体的には、SCPでは、第3A連動情報は、グループ・パターン制御状態プロパティの変化を通知した通知元のGP変換制御装置104におけるアドレス、GP変換制御装置104におけるグループ・パターン制御状態プロパティの情報、及び、負荷端末101における照明器具制御アクションプロパティの情報である。第3B連動情報は、照明器具状態プロパティの変化を通知する通知先のGP変換制御装置104におけるアドレス、及び、負荷端末101における照明器具状態プロパティの情報である。
そして、制御端末102側の連動情報として、制御端末102における制御端末状態プロパティ(本実施形態ではスイッチ状態プロパティ)とGP変換制御装置104におけるグループ・パターン制御状態プロパティとを関連付ける第4A連動情報、及び、GP変換制御装置104におけるグループ・パターン制御端末動作状態プロパティと制御端末102における制御端末状態状態プロパティとを関連付ける第4B連動が、制御端末102の電力線通信部に記憶される。より具体的には、SCPでは、第4A連動情報は、スイッチ状態プロパティの変化を通知する通知先のGP変換制御装置104におけるアドレス、及び、制御端末102におけるスイッチ状態プロパティの情報である。第4B連動情報は、グループ・パターン制御端末動作状態プロパティの変化を通知した通知元のGP変換制御装置104におけるアドレス、GP変換制御装置104におけるグループ・パターン制御端末動作状態プロパティの情報、及び、制御端末102におけるスイッチ状態プロパティの情報である。
このように本実施形態に係る分散制御システムでは、特殊な設定を行うことなく背景技術と同様な設定方法で、第1A乃至第2B連動情報をGP変換制御装置104に記憶させ、第3A及び第3B連動情報を負荷端末101に記憶させ、第4A及び第4B連動情報を制御端末102に記憶させるだけで、グループ制御やパターン制御といった集中制御をGP変換制御装置104に行わせることができる。
設定情報記憶部144は、例えば、EEPROM等の書換え可能な不揮発性のメモリ素子から構成され、制御プログラム等の各種プログラム、グループ・パターン変換情報テーブル(以下、「GP変換情報テーブル」と略記する。)や登録負荷端末動作状態テーブル等のプログラムの実行に必要なデータ、及び、プログラムの実行中に生じたデータが記憶される。
GP変換情報テーブルは、1個の制御端末102における指示を複数の負荷端末101への指示に変換するためのテーブルである。本実施形態では、集中制御として例えばグループ制御及びパターン制御が採用されていることから、GP変換情報テーブルには、グループ制御の情報及びパターン制御の情報が登録される。グループ制御は、1個の制御端末102における指示によって複数の負荷端末101を1個の制御目標値で一括に制御する制御方法であり、グループ制御の情報は、1個の制御端末102における指示によって一括に制御される複数の負荷端末101を示すと共に一括に制御される負荷端末101の制御目標値を示す。パターン制御は、1個の制御端末102における指示によって複数の負荷端末102を個別の制御目標値で一括に制御する制御方法であり、パターン制御の情報は、1個の制御端末102における指示によって一括に制御される複数の負荷端末101を示すと共に各負荷端末101の各制御目標値を示す。
本実施形態では、図3に示すように、GP変換情報テーブル150は、制御端末102のアドレスを登録する制御端末アドレス151と、制御端末アドレス151に登録されているアドレスを持つ制御端末102の指示状態によってグループ制御又はパターン制御を行った場合におけるグループ制御又はパターン制御の制御結果を登録する制御端末状態152と、制御端末アドレス151に登録されているアドレスを持つ制御端末102の指示によって一括に制御される複数の負荷端末101のアドレスを登録する負荷端末アドレス153と、負荷端末アドレス153に登録されているアドレスを持つ負荷端末101の制御目標値が登録される制御情報154とを備えて構成される。ここで、本実施形態では、グループ制御を行う場合には、負荷端末101は、制御端末状態152における指示状態を制御目標値とするので、グループ制御を行う旨を示す符号、例えば、「グループ」や「Gr」等が登録される。
図3に示す例では、制御端末102のアドレスとして「Addca」を持つ制御端末102、即ち、制御端末A102−Aが指示状態として「状態ca」になると、負荷端末101のアドレスとして「Addra」〜「Addrr」を持つ負荷端末101、即ち、負荷端末A101−A〜負荷端末R101−Rが「状態ca」となるようにグループ制御されることが登録されている。そして、制御端末102のアドレスとして「Addcb」を持つ制御端末102、即ち、制御端末B102−Bが指示状態として「状態cb」になると、負荷端末101のアドレスとして「Addra」〜「Addrc」を持つ負荷端末101、即ち、負荷端末A101−A〜負荷端末C101−Cが「パターンA」を制御目標値として制御され、負荷端末101のアドレスとして「Addrd」〜「Addrf」を持つ負荷端末101、即ち、負荷端末D101−D〜負荷端末F101−Fが「パターンB」を制御目標値として制御され、負荷端末101のアドレスとして「Addrg」〜「Addri」を持つ負荷端末101、即ち、負荷端末G101−G〜負荷端末I101−Iが「パターンA」を制御目標値として制御され、負荷端末101のアドレスとして「Addrj」〜「Addrr」を持つ負荷端末101、即ち、負荷端末J101−J〜負荷端末R101−Rが「パターンB」を制御目標値として制御されることが登録されている。さらに、制御端末102のアドレスとして「Addcc」を持つ制御端末102、即ち、制御端末C102−Cが指示状態として「状態cc」になると、負荷端末101のアドレスとして「Addra」〜「Addrl」を持つ負荷端末101、即ち、負荷端末A101−A〜負荷端末L101−Lが「パターンB」を制御目標値として制御され、負荷端末101のアドレスとして「Addrm」〜「Addrr」を持つ負荷端末101、即ち、負荷端末M101−M〜負荷端末R101−Rが「パターンA」を制御目標値として制御されることが登録されている。
本実施形態では、制御端末102は壁スイッチであり、負荷端末101は照明器具であるので、「状態ca」は「オン」(点灯の指示状態)又は「オフ」(消灯の指示状態)とされ、「状態cb」は「オン」(点灯の指示状態)又は「オフ」(消灯の指示状態)とされ、「状態cc」は「オン」(点灯の指示状態)又は「オフ」(消灯の指示状態)とされる。そして、「パターンA」は「オン」(制御目標値として点灯)とされ、「パターンB」は「オフ」(制御目標値として消灯)とされる。
ここで、本実施形態では、制御端末102が壁スイッチで、負荷端末101が照明器具であるが、制御端末102が照度センサである場合には、「状態ca」、「状態cb」及び「状態cc」は、照度であり、負荷端末101が照明器具である場合には「パターンA」及び「パターンB」は、調光の目標発光強度である。また、制御端末102が温度センサである場合には、「状態ca」、「状態cb」及び「状態cc」は、温度であり、負荷端末101が空調設備である場合には「パターンA」及び「パターンB」は、空調の目標温度である。
なお、制御端末D102−D及び制御端末E102−Eは、グループ制御又はパターン制御を指示する制御端末ではなく、背景技術で説明したように、個別制御を指示する制御端末である。例えば、制御端末D102−Dは、負荷端末A101−Aを制御し、制御端末E102−Eは、負荷端末G101−Gを制御する。
登録負荷端末動作状態テーブルは、GP変換制御装置101が集中制御を行う負荷端末101の動作状態を表すテーブルである。本実施形態では、図4に示すように、登録負荷端末動作状態テーブル160は、負荷端末101のアドレスを登録する負荷端末アドレス161と、負荷端末アドレス161に登録されているアドレスを持つ負荷端末102の動作状態を登録する負荷端末状態162とを備えて構成される。
図4に示す例では、負荷端末101のアドレスとして「Addra」〜「Addrr」を持つ各負荷端末101、即ち、負荷端末A101−A〜負荷端末R101−Rの動作状態がそれぞれ「状態ra」〜「状態rr」であることが登録されている。本実施形態では、負荷端末101が照明器具であるので、「状態ra」乃至「状態rr」は、「オン」(点灯の動作状態)又は「オフ」(消灯の動作状態)である。
制御情報生成部145は、各負荷端末101の動作を制御するための情報を収容する通信信号(第2制御要求信号)を生成する。第2制御要求信号は、図5(A)に示すように、負荷端末101のアドレスを収容する負荷端末アドレス収容部171と、当該負荷端末アドレス収容部171に収容されるアドレスを持つ負荷端末101における動作の制御目標値を収容する制御情報収容部172と、の組が、GP変換制御装置104によって集中制御される負荷端末101の個数Xだけ縦続するフォーマットである。本実施形態では、図1に示すように負荷端末101は、A乃至Rの16個であるので、第2制御要求信号は、負荷端末アドレス収容部171と制御情報収容部172との組が16個縦続して構成される。
第2制御要求信号にこのようなフォーマットを採用することにより、集中制御するための通信信号を一括に複数の負荷端末101に送信することができ、通信トラフィックを低減することができる。このため、比較的低速なSCPで通信を行う場合でも大規模なシステムに対応することができる。
中央処理部143は、例えば、マイクロプロセッサ等を備えて構成され、電力線通信処理部141、設定情報記憶部144及び制御情報生成部145を制御プログラムに基づいて後述のように制御する。
次に、本実施形態の動作について説明する。
(実施形態の動作)
図6は、本実施形態に係る電力線通信制御システムにおける制御シーケンスを示す図である。図7は、グループ・パターン変換制御装置の動作を示すフローチャートである。
図6及び図7において、ユーザがグループ制御又はパターン制御を指示する制御端末102を操作すると(図6の(1)操作(オン))、制御端末102における制御端末状態プロパティのプロパティ値が例えば“指示状態2”から“指示状態1”に変化する。制御端末状態プロパティのプロパティ値が“指示状態1”になると、第4A連動情報に基づいてグループ・パターン制御状態プロパティにおける当該制御端末102のプロパティ値を“指示状態1”に制御する旨の制御要求情報を収容した通信信号(第1制御要求信号)が電力線103を介してGP変換制御装置104に送信される(図6の(2)第1制御要求信号の送信)。
より具体的には、ユーザが例えば制御端末C102−Cの壁スイッチを操作すると、壁スイッチにおけるスイッチ状態プロパティのプロパティ値が例えば“オフ”から“オン”に変化し、第4A連動情報に基づいて制御端末C102−Cのスイッチ状態プロパティにおけるプロパティ値の変化を通知するPropChengedメッセージが電力線103を介してGP変換制御装置104に通知される。
GP変換制御装置104は、その運用が開始されると制御プログラムが実行され、第1制御要求信号等を待ち受ける待機状態となっており(S11)、電力線103を介して第1制御要求信号を受信すると(S12)、電力線通信処理部141は、第1制御要求信号の制御要求情報に従ってグループ・パターン制御状態プロパティのプロパティ値を変更する。このグループ・パターン制御状態プロパティのプロパティ値の変化をトリガーとして、電力線通信処理部141は、第1A連動情報のアドレスを中央処理部143に通知する。中央処理部143は、設定情報記憶部144のGP変換情報テーブル150における制御端末アドレス151を第1A連動情報のアドレスに基づいて参照し、第1A連動情報のアドレスが登録されている制御端末アドレス151に対応する負荷端末アドレス153の登録内容(負荷端末101のアドレス)及び制御情報154の登録内容(グループ制御又は制御目標値)を取得する。そして、中央処理部143は、取得した負荷端末アドレス153の登録内容及び制御情報154の登録内容を制御情報生成部145に通知する(S13)。
より具体的には、電力線通信処理部141は、グループ・パターン制御状態プロパティのプロパティ値の変化をトリガーに、第1A連動情報のアドレス「Addcc」を中央処理部143に通知する。中央処理部143は、設定情報記憶部144のGP変換情報テーブル150における制御端末アドレス151からアドレス「Addcc」を検索し、アドレス「Addcc」が登録されている制御端末アドレス151に対応する負荷端末アドレス153の登録内容「「Addra」、「Addrb」、・・・、「Addrl」、「Addrm」、・・・、「Addrr」及び制御情報154の登録内容「パターンB」、「パターンB」、・・・、「パターンB」、「パターンA」、・・・、「パターンA」を取得する。そして、中央処理部143は、この取得した負荷端末アドレス153の登録内容及び制御情報154の登録内容を制御情報生成部145に通知する。
次に、制御情報生成部145は、中央処理部143から通知された負荷端末アドレス153の登録内容及び制御情報154の登録内容に基づいて、各負荷端末101の動作を制御するための情報を収容する第2制御要求信号を生成する(S14)。
即ち、制御情報生成部145は、制御情報154の登録内容がグループ制御を行う旨を示していない場合には、パターン制御と判断し、パターン制御を行うべく図5(A)に示す第2制御要求信号を負荷端末アドレス153の登録内容及び制御情報154の登録内容を順に交互に用いて生成する。そして、制御情報生成部145は、生成した第2制御要求信号を中央処理部143に通知する。より具体的には、制御情報生成部145は、パターン制御を行うべく、負荷端末アドレス153の登録内容「Addra」、「Addrb」、・・・、「Addrl」、「Addrm」、・・・、「Addrr」及び制御情報154の登録内容「パターンB」、「パターンB」、・・・、「パターンB」、「パターンA」、・・・、「パターンA」を順に交互に用いて図5(B)に示す第2制御要求信号を生成する。
なお、制御情報生成部145は、制御情報154の登録内容がグループ制御を行う旨を示している場合には、グループ制御を行うべく負荷端末アドレス153の登録内容にプロパティ値“指示状態1”を組み合わせて第2制御要求信号を生成する。例えば、ユーザが制御端末A102−Aの壁スイッチを“オン”に操作すると、図5(C)に示す第2制御要求信号が生成される。
そして、中央処理部143は、通知された第2制御要求信号を電力線通信処理部141に通知し、電力線通信処理部141は、第2A連動情報に基づいて第2制御要求信号を電力線103にマルチキャストで送信する(S15、図6の(3)第2制御要求信号の送信)。なお、第2制御要求信号をブロードキャストで送信してもよい。次に、中央処理部143は、第1照合結果通知信号の受信を待機する受信待機状態となる(S16)。
第2制御要求信号は、電力線103を伝送し、各負荷端末101に受信される。各負荷端末101は、受信した第2制御要求信号において、自己のアドレスと一致するアドレスを収容する負荷端末アドレス収容部171を探し、探した負荷端末アドレス収容部171と組となる制御情報収容部172から制御目標値を取り出し、第3A連動情報に基づいて、取り出した制御目標値を負荷端末制御アクションプロパティの引数(プロパティ値)として、負荷端末101の機能部を制御する(図6の(4A〜4R)制御動作)。この機能部の制御によって負荷端末状態プロパティのプロパティ値が制御結果に従った値となる。第3B連動情報に基づいて、負荷端末状態プロパティのプロパティ値を示す制御結果通知情報を収容する通信信号(第1制御結果通知信号)が電力線103を介してGP変換制御装置104に送信される(図6の(5A〜5R)第1制御結果通知信号の送信)。
より具体的には、例えば、図5(B)に示す第2制御要求信号が電力線103を伝送すると、負荷端末A101−Aの照明器具は、この第2制御要求信号を受信し、自己のアドレス「Addra」と一致するアドレスを収容する負荷端末アドレス収容部171を探し、探した負荷端末アドレス収容部171と組となる制御情報収容部172から制御目標値「パターンB」(=「消灯」)を取り出し、第3A連動情報に基づいて、取り出した制御目標値「パターンB」(=「消灯」)を照明器具制御アクションプロパティの引数(プロパティ値)として、照明を消灯するように制御する(図6の(4A)制御動作)。照明が消灯して照明器具状態プロパティのプロパティ値が“消灯”になり、第3B連動情報に基づいて、この照明器具状態プロパティのプロパティ値が第1制御結果通知信号として電力線103を介してGP変換制御装置104に通知される(図6の(5A)第1制御結果通知信号の送信)。また、負荷端末B101−Bの照明器具は、この第2制御要求信号を受信し、自己のアドレス「Addrb」と一致するアドレスを収容する負荷端末アドレス収容部171を探し、探した負荷端末アドレス収容部171と組となる制御情報収容部172から制御目標値「パターンB」(=「消灯」)を取り出し、第3A連動情報に基づいて、取り出した制御目標値「パターンB」(=「消灯」)を照明器具制御アクションプロパティの引数(プロパティ値)として、照明を消灯するように制御する((4B)制御動作)。照明が消灯して照明器具状態プロパティのプロパティ値が“消灯”になり、第3B連動情報に基づいて、この照明器具状態プロパティのプロパティ値が第1制御結果通知信号として電力線103を介してGP変換制御装置104にに通知される(図6の(5B)第1制御結果通知信号の送信)。同様に、負荷端末C101−Cの照明器具乃至負荷端末Q101−Qの照明器具が動作し、そして、負荷端末R101−Rの照明器具は、この第2制御要求信号を受信し、自己のアドレス「Addrr」と一致するアドレスを収容する負荷端末アドレス収容部171を探し、探した負荷端末アドレス収容部171と組となる制御情報収容部172から制御目標値「パターンA」(=「点灯」)を取り出し、第3A連動情報に基づいて、取り出した制御目標値「パターンA」(=「点灯」)を照明器具制御アクションプロパティの引数(プロパティ値)として、照明器具を点灯するように制御する(図6の(4R)制御動作)。照明器具が点灯して照明器具状態プロパティのプロパティ値が“点灯”になり、第3B連動情報に基づいて、この照明器具状態プロパティのプロパティ値が第1制御結果通知信号として電力線103を介してGP変換制御装置104に通知される(図6の(5R)第1制御結果通知信号の送信)。このように動作することによって、制御端末C102−Cを操作すると、制御端末C102−Cから送信された第1制御要求信号が、GP変換制御装置104が管理する複数の負荷端末A101−A乃至負荷端末R101−Rを制御する第2制御要求信号にGP変換制御装置104によって変換され、負荷端末A101−Aの照明器具乃至負荷端末L101−Lの照明器具が消灯され、負荷端末M101−Mの照明器具乃至負荷端末R101−Rの照明器具が点灯される。即ち、全照明器具のうち区画2及び区画3の照明器具が消灯すると共に区画4の照明器具が点灯するパターン制御が実行される。
また、例えば、ユーザが制御端末A102−Aの壁スイッチを「オン」操作することによって図5(C)に示す第2制御要求信号が電力線103を伝送すると、負荷端末A101−Aの照明器具は、この第2制御要求信号を受信し、自己のアドレス「Addra」と一致するアドレスを収容する負荷端末アドレス収容部171を探し、探した負荷端末アドレス収容部171と組となる制御情報収容部172から制御目標値「オン」(=「点灯」)を取り出し、第3A連動情報に基づいて、取り出した制御目標値「オン」(=「点灯」)を照明器具制御アクションプロパティの引数(プロパティ値)として、照明器具を点灯するように制御する(図6の(4A)制御動作)。照明器具が点灯して照明器具状態プロパティのプロパティ値が“点灯”になり、第3B連動情報に基づいて、この照明器具状態プロパティのプロパティ値が第1制御結果通知信号として電力線103を介してGP変換制御装置104にに通知される(図6の(5A)第1制御結果通知信号の送信)。また、負荷端末B101−Bの照明器具は、この第2制御要求信号を受信し、自己のアドレス「Addrb」と一致するアドレスを収容する負荷端末アドレス収容部171を探し、探した負荷端末アドレス収容部171と組となる制御情報収容部172から制御目標値「オン」(=「点灯」)を取り出し、第3A連動情報に基づいて、取り出した制御目標値「オン」(=「点灯」)を照明器具制御アクションプロパティの引数(プロパティ値)として、照明器具を点灯するように制御する(図6の(4B)制御動作)。照明器具が点灯して照明器具状態プロパティのプロパティ値が“点灯”になり、第3B連動情報に基づいて、この照明器具状態プロパティのプロパティ値が第1制御結果通知信号として電力線103を介してGP変換制御装置104にに通知される(図6の(5B)第1制御結果通知信号の送信)。同様に、負荷端末C101−Cの照明器具乃至負荷端末Q101−Qの照明器具が動作し、そして、負荷端末R101−Rの照明器具は、この第2制御要求信号を受信し、自己のアドレス「Addrr」と一致するアドレスを収容する負荷端末アドレス収容部171を探し、探した負荷端末アドレス収容部171と組となる制御情報収容部172から制御目標値「オン」(=「点灯」)を取り出し、第3A連動情報に基づいて、取り出した制御目標値「オン」(=「点灯」)を照明器具制御アクションプロパティの引数(プロパティ値)として、照明器具を点灯するように制御する((4R)制御動作)。照明器具が点灯して照明器具状態プロパティのプロパティ値が“点灯”になり、第3B連動情報に基づいて、この照明器具状態プロパティのプロパティ値が第1制御結果通知信号として電力線103を介してGP変換制御装置104にに通知される(図6の(5R)第1制御結果通知信号の送信)。このように動作することによって、制御端末A102−Aを操作すると、制御端末A102−Aから送信された第1制御要求信号が、GP変換制御装置104が管理する複数の負荷端末A101−A乃至負荷端末R101−Rを制御する第2制御要求信号にGP変換制御装置104によって変換され、負荷端末A101−Aの照明器具乃至負荷端末R101−Rの照明器具が一括に点灯される。即ち、区画2、区画3及び区画4の全照明器具が点灯するグループ制御が実行される。
図7に戻って、GP変換制御装置104は、S16の第1制御結果通知信号の受信待機の状態で、各負荷端末101から電力線103を介して第1制御結果通知信号が受信されると(S17)、中央処理部143は、第2B連動情報に基づいて第1制御結果通知信号の内容に応じて設定情報記憶部144の登録負荷端末動作状態テーブル160を更新する。即ち、中央処理部143は、第2B連動情報に基づいて、受信した第1制御結果通知信号の送信元のアドレスと一致するアドレスを登録する負荷端末アドレス161に対応する負荷端末状態162を第1制御結果通知信号の結果通知情報で書き換える。例えば、第1制御結果通知信号の送信元が負荷端末A101−Aである場合には、中央処理部143は、アドレス「Addra」と一致するアドレスを登録する負荷端末アドレス161に対応する負荷端末状態162を第1制御結果通知信号の結果通知情報「状態ra」(=「パターンB」)で書き換える。中央処理部143は、当該GP変換制御装置104が管理する総ての負荷端末101から第1制御結果通知信号を受信すると、登録負荷端末動作状態テーブル160における負荷端末アドレス161の登録内容及び負荷端末状態162の登録内容と、GP変換情報テーブル150における負荷端末アドレス153の登録内容及び制御情報154の登録内容とを、制御端末アドレス151のアドレスを1単位として、それぞれその登録内容が一致するか否かを判断し、照合を行う。照合の結果、登録負荷端末動作状態テーブル160における負荷端末アドレス161の登録内容及び負荷端末状態162の登録内容と、GP変換情報テーブル150における負荷端末アドレス153の登録内容及び制御情報154の登録内容とが完全に一致する場合には、制御端末102からの第1制御要求信号の制御要求情報で制御された旨を示す情報を登録し、一つでも不一致である場合には、制御端末102からの第1制御要求信号の制御要求情報での制御に失敗した旨を示す情報を登録する(S18、図6の(7A〜7C)第2照合結果通知信号の送信)。照合結果は、グループ・パターン制御端末動作状態プロパティのプロパティ値とされる。本実施形態では、壁スイッチによる照明器具のオン・オフ制御なので、制御端末102からの第1制御要求信号の制御要求情報で制御された旨を示す情報は「オン」であり、制御端末102からの第1制御要求信号の制御要求情報での制御に失敗した旨を示す情報は「オフ」である。
なお、上述の照合において、消し忘れを防止する観点から、グループ制御の場合には、1つのグループとして設定されている負荷端末101が全てオンであってグループとしてオンになっているときに、このグループ制御を行った制御端末102を除く別の制御端末102の操作によりグループのうちの1個の負荷端末101がオフとなったとしても、グループとしてオフとはならないように構成してもよい。
中央処理部143は、第1B連動情報に基づいて、照合結果を収容する通信信号(第2制御結果通知信号)を各制御端末102に送信する(S19)。
そして、制御端末102は、第4B連動情報に従って受信された第2制御結果通知信号の照合結果に応じてLED等の表示部に表示する(図6の(8A〜8C)結果表示)。本実施形態では、表示部は、スイッチ状態プロパティのプロパティ値が“オン”の場合に点灯し、プロパティ値が“オフ”の場合に消灯する。
例えば、ユーザによって制御端末C101−Cの壁スイッチが操作されると、制御端末アドレス151の「Addca」における負荷端末アドレス153の登録内容及び制御情報154の登録内容は、登録負荷端末動作状態テーブル160における負荷端末アドレス161の登録内容及び負荷端末状態162の登録内容と一致せず、中央処理部143は、不一致の照合結果を第2制御結果通知信号として「Addca」をアドレスに持つ制御端末102、即ち、制御端末A102−Aの壁スイッチに送信する(S19、図6の(7A)第2制御結果通知信号の送信)。制御端末A102−Aの壁スイッチは、不一致の照合結果を示す第2制御結果通知信号を受信すると、「オフ」であることを示すように表示部を消灯する(図6の(8A)結果表示)。
制御端末アドレス151の「Addcb」における負荷端末アドレス153の登録内容及び制御情報154の登録内容は、登録負荷端末動作状態テーブル160における負荷端末アドレス161の登録内容及び負荷端末状態162の登録内容と一致せず、中央処理部143は、不一致の照合結果を第2制御結果通知信号として「Addcb」をアドレスに持つ制御端末102、即ち、制御端末B102−Bの壁スイッチに送信する(S19、図6の(7B)第2制御結果通知信号の送信)。制御端末B102−Bの壁スイッチは、不一致の照合結果を示す第2制御結果通知信号を受信すると、「オフ」であることを示すように表示部を例えば消灯する(図6の(8B)結果表示)。
そして、制御端末アドレス151の「Addcc」における負荷端末アドレス153の登録内容及び制御情報154の登録内容は、登録負荷端末動作状態テーブル160における負荷端末アドレス161の登録内容及び負荷端末状態162の登録内容と一致し、中央処理部143は、一致の照合結果を第2制御結果通知信号として「Addcc」をアドレスに持つ制御端末102、即ち、制御端末C102−Cの壁スイッチに送信する(S19、図6の(7C)第2制御結果通知信号)。制御端末C102−Cの壁スイッチは、一致の照合結果を示す第2制御結果通知信号を受信すると、「オン」であることを示すように表示部を例えば点灯する(図6の(8C)結果表示)。
このように、制御結果の照合もGP変換制御装置104が集中的に行うので、各負荷端末101及び各制御端末102の情報処理が軽減される。このため、負荷端末101及び制御端末102は、極小規模のハードウェア資源で実現することができる。
以上に説明したように、本実施形態に係る電力通信制御システムでは、制御端末102は、GP変換制御装置104に指示を与えるだけで複数の負荷端末101を集中制御することができる。そして、集中制御する場合でも連動情報を負荷端末101からGP変換制御装置104に変えるだけで済むので、背景技術と同様な制御端末を利用することができ、背景技術の電力線通信システムにGP変換制御装置104を組み込むことができる。そのため、集中制御を行う電力線通信システムを構築する場合でも、既存の分散制御の電力線システムを利用することができ、導入コストを大幅に低減することができる。
そして、集中制御を行うための情報は、GP変換情報テーブル150や登録負荷端末動作状態テーブル160としてGP変換制御装置104に一括に記憶されているので、施工者等のユーザは、この集中制御を行うための情報を一元的に容易に管理することができ、負荷端末101や制御端末102の増設及びトラブルによる再構築等を容易に行うことができる。
上述のように中央処理部143は、制御プログラムに従って、制御端末102から送信された第1制御要求信号を受信すると、制御端末102のプロパティ情報とGP変換制御装置104のプロパティ情報とを関連付ける第1A連動情報に基づき、制御端末102を識別するための制御端末アドレス151と、制御端末102から制御要求信号を受信した場合に動作状態を制御すべき複数の負荷端末101を識別するための負荷端末アドレス153と、負荷端末アドレス153で識別される複数の負荷端末101における各制御目標値との対応関係を示すGP変換情報テーブル150を参照し、受信した第1制御要求信号における送信元の制御端末102に応じて複数の負荷端末101を各制御目標値で一括に制御する第2制御要求信号に変換し、GP変換制御装置104のプロパティ情報と負荷端末101のプロパティ情報とを関連付ける第2A動情報に基づき、変換した第2制御要求信号を電力線通信処理部141で複数の負荷端末101に送信するが、このような制御プログラムやGP変換情報テーブル150が設定情報記憶部144に記憶されていない場合には、例えば、このような制御プログラムやGP変換情報テーブル150を管理する管理サーバからインターネットを構成する通信網を介してGP変換制御装置104の設定情報記憶部144に送信し、設定情報記憶部144に記憶させるように構成してもよい。また例えば、記憶媒体のドライブ装置から情報を送受信することができるインターフェースをさらにGP変換制御装置104に備えさせ、このような制御プログラムやGP変換情報テーブル150を記録した記憶媒体から制御プログラムやGP変換情報テーブル150をGP変換制御装置104にインストールするように構成してもよい。記憶媒体は、例えば、メモリーカード、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO及びDVD−RW等である。
なお、上述の実施形態では、フロア1における全ての負荷端末101に対してグループ制御、パターン制御を行う場合について説明したが、1個の区画における負荷端末101に対してグループ制御、パターン制御を行うように構成することも可能である。
そして、GP変換制御装置104に負荷端末の機能、制御端末の機能又はゲートウェイの機能をさらに付加してもよい。
図8は、付加機能付きグループ・パターン変換制御装置の構成を示すブロック図である。図8(A)は、負荷端末機能付きグループ・パターン変換制御装置の構成を示し、図8(B)は、制御端末機能付きグループ・パターン変換制御装置の構成を示し、図8(C)は、ゲートウェイ機能付きグループ・パターン変換制御装置の構成を示す。
図8(A)において、負荷端末機能付きグループ・パターン変換制御装置(以下、「負荷端末機能付きGP変換制御装置」と略記する。)201は、電力線通信処理部141、プロパティ情報記憶部142、中央処理部143、設定情報記憶部144、制御情報生成部145、機能管理部211及び負荷端末部212を備えて構成される。即ち、負荷端末機能付きGP変換制御装置201は、図2に示すGP変換制御装置104に機能管理部211及び負荷端末部212をさらに備えた構成である。
機能管理部211は、制御端末102からの指示によって複数の負荷端末101を集中制御するGP変換制御装置としての機能を実行するか停止するかを管理する。機能管理部211は、GP変換制御装置として機能しているか否かを示すフラグ、及び、GP変換制御装置としての機能を停止して付加機能のみで動作する場合の電力線通信制御システムにおけるアドレスを記憶する。フラグは、例えば、GP変換制御装置としての機能を実行する場合には「1」となり、この機能を停止する場合には「0」に設定される。負荷端末部212は、負荷端末機能付きGP変換制御装置201に付加された負荷の種類に応じた機能を実現する回路であり、例えば、負荷端末機能として照明機能が付加された場合には、負荷端末部212は、照明機能を実現するための回路である。機能管理部211によってPG変換制御装置としての機能が停止されると、電力線通信処理部141、プロパティ情報記憶部142、中央処理部143及び負荷端末部212が動作することによって通常の負荷端末101と同様に動作する。
このような負荷端末機能付きGP変換制御装置201を複数の負荷端末101における何れか、例えば負荷端末A101−Aに代えて導入することにより、GP変換制御装置104を導入することなく、負荷端末101を集中制御することができ、電力線通信制御システムを導入する際のイニシャルコストを低減することができる。
また、図8(B)において、制御端末機能付きグループ・パターン変換制御装置(以下、「制御端末機能付きGP変換制御装置」と略記する。)202は、電力線通信処理部141、プロパティ情報記憶部142、中央処理部143、設定情報記憶部144、制御情報生成部145、機能管理部221及び制御端末部222を備えて構成される。即ち、制御端末機能付きGP変換制御装置202は、図2に示すGP変換制御装置104に機能管理部221及び制御負荷端末部222をさらに備えた構成である。
機能管理部221は、機能管理部211と同様に、制御端末102からの指示によって複数の負荷端末101を集中制御するGP変換制御装置としての機能を実行するか停止するかを管理する。機能管理部221は、機能管理部211と同様にフラグ及びアドレスを記憶する。制御端末部222は、負荷端末101の動作を制御するための指示を入力するための回路である。機能管理部221によってPG変換制御装置としての機能が停止されると、電力線通信処理部141、プロパティ情報記憶部142、中央処理部143及び制御端末部222が動作することによって通常の制御端末102と同様に動作する。
このような制御端末機能付きGP変換制御装置202を複数の制御端末102における何れか、例えば制御端末A102−Aに代えて導入することにより、GP変換制御装置104を導入することなく、負荷端末101を集中制御することができ、電力線通信制御システムを導入する際のイニシャルコストを低減することができる。
また、図8(C)において、ゲートウェイ機能付きグループ・パターン変換制御装置(以下、「GW機能付きGP変換制御装置」と略記する。)203は、電力線通信処理部141、プロパティ情報記憶部142、中央処理部143、設定情報記憶部144、制御情報生成部145、機能管理部231及びゲートウェイ部232を備えて構成される。即ち、GW機能付きGP変換制御装置203は、図2に示すGP変換制御装置104に機能管理部231及びゲートウェイ部232をさらに備えた構成である。
機能管理部231は、機能管理部211と同様に、制御端末102からの指示によって複数の負荷端末101を集中制御するGP変換制御装置としての機能を実行するか停止するかを管理する。機能管理部231は、機能管理部211と同様にフラグ及びアドレスを記憶する。ゲートウェイ部232は、電力線通信方式の通信プロトコルと他の通信プロトコルとの間で相互に通信信号のプロトコルを変換する。他のプロトコルは、例えば、RS485の規格に従ったプロトコル、RS232の規格に従ったプロトコル、USB(Universal Serial Bus)の規格に従ったプロトコル、IEEE1394の規格に従ったプロトコル、及び、TCP/IPに代表されるインターネットプロトコル群のプロトコル等である。
このようなGW機能付きGP変換制御装置203をGP変換制御装置104の代わりに導入することにより、負荷端末101を集中制御することができるだけでなく、電力線通信方式のプロトコルとは別のプロトコルを用いた機器に接続することができる。特に、ゲートウェイ部232が電力線通信方式のプロトコルとインターネットプロトコル群のプロトコルとの間で相互に通信信号のプロトコルを変換する場合には、電力線通信制御システムをインターネットに接続することができ、周知の技術を用いて、インターネットに接続可能な通信端末装置を用いて負荷端末101を制御することや負荷端末101の動作状態を確認することが可能となる。通信端末装置は、例えば、インターネットに接続可能なコンピュータや携帯電話機である。
このような付加機能付きGP変換制御装置201、202、203を電力線通信制御システムに用いる場合には、電力線通信制御システムに複数の付加機能付きGP変換制御装置201、202、203が存在する可能性があり、これら付加機能付きGP変換制御装置201、202、203がGP変換制御装置として競合する。このため、複数の付加機能付きGP変換制御装置201、202、203からGP変換制御装置としても動作する付加機能付きGP変換制御装置を自動的に選択する必要がある。
図9は、グループ・パターン変換制御装置として動作させる付加機能付きグループ・パターン変換制御装置を選択する場合における動作を示すフローチャートである。
図9において、例えば、付加機能付きGP変換制御装置201、202、203が電力線103に接続され、起動されると、機能管理部211、221、231は、GP変換制御装置としての機能を停止して付加機能のみで動作する場合の電力線通信制御システムにおけるアドレスが記憶されているか否かを判断する(S31)。
判断の結果、アドレスが記憶されている場合には、機能管理部211、221、231は、GP変換制御装置104又はGP変換制御装置として動作している付加機能付きGP変換制御装置201、202、203が電力線103に接続されていると判断されると共に2回目以降の起動であると判断されるので、このGP変換制御装置としても動作する付加機能付きGP変換制御装置を自動的に選択する処理を終了する。
一方、判断の結果、アドレスが記憶されていない場合には、自己がGP変換制御装置として動作する旨を収容した通信信号(宣言信号)をブロードキャストで中央処理部143及び電力線通信処理部141を用いて電力線103に送信する(S32)。
機能管理部211、221、231は、一定時間内に、GP変換制御装置として動作している旨及び宣言信号を送信した付加機能付きGP変換制御装置201、202、203に割り当てるアドレスを収容した通信信号(宣言応答信号)を受信したか否かを判断する(S33)。一定時間は、宣言信号が電力線103に接続されている総ての機器に確実に受信され、宣言信号を受信した機器が宣言応答信号を送信した場合に確実にこれを受信することができる時間であり、電力線通信の通信速度や電力線通信の伝送路長等を考慮して決定される。
判断の結果、宣言応答信号が受信された場合には、GP変換制御装置104又はGP変換制御装置として動作している付加機能付きGP変換制御装置201、202、203が電力線103に接続されていると判断されるので、機能管理部211、221、231は、宣言応答信号に収容されているアドレスを記憶すると共に、フラグを「0」にセットして自己のGP変換制御装置としての機能を停止する(S37)。
一方、S33における判断の結果、宣言応答信号が受信されない場合には、宣言信号の送信回数を計数するカウンタ変数Nが所定数に達しているか否かを判断する(S34)。所定数は、大きければ競合を確実に避けることができるがこのGP変換制御装置として動作する付加機能付きGP変換制御装置の選択に時間がかかってしまうので、競合の回避と選択時間の短縮化とのバランスによって決定され、例えば、本実施形態では、3回である。
判断の結果、カウンタ変数Nが所定数に達していない場合には、機能管理部211、221、231は、カウンタ変数Nを1だけインクリメントし(S35)、処理をS32に戻す。即ち、機能管理部211、221、231は、宣言応答信号を受信しない場合には、所定数だけ宣言信号を送信することになる。
一方、S34にける判断の結果、カウンタ変数Nが所定数に達している場合には、GP変換制御装置104又はGP変換制御装置として動作している付加機能付きGP変換制御装置201、202、203が電力線103に接続されていないと判断されるので、機能管理部211、221、231は、フラグを「1」にセットして自己のGP変換制御装置としての機能を実行する(S36)。
そして、機能管理部211、221、231は、宣言信号を受信した場合には、フラグが「1」であることを確認した上で宣言応答信号を返信する。
このように付加機能付きGP変換制御装置201、202、203は、動作するので、電力線103に付加機能付きGP変換制御装置201、202、203が接続されている場合でも、競合することなく、電力線通信システムに自動的に組み込むことができる。